JP2001121992A - トラクション制御と自動変速制御との協調制御装置 - Google Patents

トラクション制御と自動変速制御との協調制御装置

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JP2001121992A
JP2001121992A JP30377499A JP30377499A JP2001121992A JP 2001121992 A JP2001121992 A JP 2001121992A JP 30377499 A JP30377499 A JP 30377499A JP 30377499 A JP30377499 A JP 30377499A JP 2001121992 A JP2001121992 A JP 2001121992A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動輪スリップが発生した時、低エンジン回
転での発進時や走行時であってもTCS作動によるエン
ジンストールを確実に回避しながら、TCS作動要求に
応えて駆動輪スリップの抑制を達成するトラクション制
御と自動変速制御との協調制御装置を提供すること。 【解決手段】 2速以上の変速段で発進や走行をしてい
る時、駆動輪スリップ判定手段により駆動輪スリップ時
であると判定されると、先ず、ダウンシフト指令をAT
コントローラ2に出力し、エンジンの駆動力を低減する
制御を開始するトラクション作動指令をエンジン回転数
が上昇するまで遅らせてTCSコントローラ2に出力す
るTCS&AT協調コントローラ3を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動輪スリップを
抑制するトラクション制御装置(略称;TCS)と、有
段変速或いは無段変速が行われる自動変速制御装置と、
が共に搭載された車両に適用されるトラクション制御と
自動変速制御との協調制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクション制御と自動変速制御
との協調制御装置としては、例えば、特開平9−287
489号公報に記載のものが知られている。
【0003】この公報には、自動変速機を備えた車両の
駆動力制御を、スロットル開度にかかわらず安定して行
いながらも変速ショックの増大を抑制することを目的と
し、駆動力抑制手段の作動時、ノーマルモードのシフト
スケジュールからTCSモードのシフトスケジュールに
切り換える変速制御を行い、TCSモードのシフトスケ
ジュールは、低スロットル開度領域ではノーマルモード
に比べて高速側で、且つ、ダウンシフトによりエンジン
回転数が所定値以上となるように変速線を設定し、高ス
ロットル開度領域ではノーマルモードに比べて低速側に
変速線を設定する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置
にあっては、駆動力を抑制するTCS指令信号と、TC
S用シフトスケジュールを選択する変速指令信号とが同
時に出力されるため、TCS作動に対して変速が遅れ、
エンジンストールを確実に回避することができないとい
う問題がある。
【0005】すなわち、TCS側で燃料カット等により
先に応答良く駆動力が抑制されるのに対し、変速制御側
では指令出力から実際にダウンシフトが完了するまでの
少なくとも変速所要時間分の遅れがある。この遅れによ
り、同時に2つの指令信号を出力したとしても、TCS
制御が応答良く作動することで、ダウンシフトによりエ
ンジン回転数が上昇する前にTCS制御によりエンジン
回転数が大幅に低下し、エンジンストールに至ることが
ある。特に、低μ路走行時等でエンジン回転数が低い状
態であるにもかかわらず駆動輪スリップが発生した場
合、エンジンストールに至る可能性が大となる。
【0006】具体例について説明すると、雪道やぬかる
み等の滑りやすい路面において車両を発進させる際に、
駆動輪がスリップして加速性能が低下するか、或いは車
両を前進させることができなくなるのを防止するスノー
モードを備えた自動変速機の変速制御装置としては、運
転者のスイッチ操作によりスノーモードを選択すると、
自動変速機の1速への変速を禁止して、2速発進させる
ものが知られている(例えば、特開平3−362号参
照)。
【0007】上記のようにスノーモードを選択すると、
1速発進よりトルクの低い2速発進によって車両を発進
させることができるので、通常は駆動輪がスリップする
ことを防止できるようになる。しかしながら、運転者が
誤ってアクセルペダルを大きく踏み込んでしまうような
場合には、2速発進であっても駆動輪へ伝達されるトル
クが大きくなってしまうため、駆動輪がスリップする可
能性がある。
【0008】そこで、このようなスリップを防止するた
めに、燃料カットやスロットルバルブ閉制御や点火時期
リタード制御等によりエンジントルクを低減するトラク
ション・コントロール・システム(TCS)と組み合わ
せる方法が考えられる。
【0009】しかしながら、この組み合わせでは、2速
発進する場合のエンジン回転数は1速発進の場合よりも
低く、この状態でTCSが作動して燃料カット等を行
い、エンジントルクを低下させると、エンジン回転数が
大幅に低下してエンジンストールが発生する可能性が大
きくなるため、これまでは、スノーモードを備えた自動
変速機の変速制御装置とTCSとの組み合わせは困難と
されていた。
【0010】なお、駆動輪にスリップが発生した時、T
CSを作動させて駆動力を低減する場合に、エンジンス
トールを回避するために、TCSの作動を禁止したり、
また、アップシフトを禁止する技術も公知である。
【0011】しかしながら、TCSの作動を禁止する
と、TCS作動要求に応えることができず、TCSの搭
載意義が失われ、大きな駆動輪スリップの発生を許して
しまうことになる。また、アップシフトを禁止すると、
アップシフトによるエンジン回転数の低下は防止できて
も、ダウンシフトによる積極的なエンジン回転数の上昇
を望めず、TCSの作動に伴いエンジンストールが発生
する可能性が残る。
【0012】本発明は上記課題に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、駆動輪スリップが発生し
た時、低エンジン回転での発進時や走行時であってもT
CS作動によるエンジンストールを確実に回避しなが
ら、TCS作動要求に応えて駆動輪スリップの抑制を達
成するトラクション制御と自動変速制御との協調制御装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明では、自動変速機を介してエンジンに連結され
た駆動輪のスリップ相当値が設定しきい値以上であると
判定する駆動輪スリップ判定手段と、駆動輪スリップ判
定時にトラクション作動指令に基づいて前記エンジンの
駆動力を低減する制御を開始する駆動力抑制手段とを備
えたトラクション制御装置と、変速指令に基づいて前記
自動変速機の変速比を制御する自動変速制御装置と、が
共に搭載された車両において、最大変速比以外で発進や
走行をしている時、前記駆動輪スリップ判定手段により
駆動輪スリップ時であると判定されると、先ず、ダウン
シフト指令を自動変速制御装置に出力し、エンジンの駆
動力を低減する制御を開始するトラクション作動指令を
エンジン回転数が上昇するまで遅らせて前記駆動力抑制
手段に出力する協調制御手段を設けたことを特徴とす
る。
【0014】本発明のうち請求項2記載の発明では、請
求項1記載のトラクション制御と自動変速制御との協調
制御装置において、前記協調制御手段を、ダウンシフト
指令を出力した時点での車速とエンジン回転数の少なく
とも一方により、高車速ほど、また、高エンジン回転ほ
ど長い遅れ時間に設定し、ダウンシフト指令から設定さ
れた遅れ時間を経過した後、駆動力抑制手段に対しトラ
クション作動指令を出力する手段としたことを特徴とす
る。
【0015】本発明のうち請求項3記載の発明では、請
求項1記載のトラクション制御と自動変速制御との協調
制御装置において、前記協調制御手段を、ダウンシフト
指令を出力した時点からのエンジン回転数を監視し、ト
ラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発
生することのない第2設定エンジン回転数に達するまで
待ち、第2設定エンジン回転数に達したらトラクション
作動指令を出力する手段としたことを特徴とする。
【0016】本発明のうち請求項4記載の発明では、請
求項1乃至請求項3記載のトラクション制御と自動変速
制御との協調制御装置において、前記協調制御手段から
自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令を、強
制的にダウンシフトさせる変速指令としたことを特徴と
する。
【0017】本発明のうち請求項5記載の発明では、請
求項1乃至請求項3記載のトラクション制御と自動変速
制御との協調制御装置において、変速パターンとして、
少なくとも他の変速パターンと比べてダウンシフトしや
すいTCS変速パターンを設定し、前記協調制御手段か
ら自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令を、
その時点で選択されている変速パターンに代えTCS変
速パターンを選択するパターン変更指令としたことを特
徴とする。
【0018】本発明のうち請求項6記載の発明では、請
求項1乃至請求項5記載のトラクション制御と自動変速
制御との協調制御装置において、駆動スリップ条件が成
立した時点でのエンジン回転数が、トラクション制御装
置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のな
いエンジン回転数域である場合、ダウンシフトによる協
調制御を行うことなく、直ちにトラクション作動指令を
駆動力抑制手段に出力する手段としたことを特徴とす
る。
【0019】
【発明の作用および効果】請求項1記載の発明の作用お
よび効果を説明する。
【0020】トラクション制御装置の基本作用は、駆動
輪スリップが発生する発進時や走行時、駆動輪スリップ
判定手段において、自動変速機を介してエンジンに連結
された駆動輪のスリップ相当値が設定しきい値以上であ
ると判定されると、駆動力抑制手段において、トラクシ
ョン作動指令に基づいてエンジンの駆動力を低減する制
御が開始される。
【0021】自動変速制御装置の基本作用は、車両の走
行状態(例えば、車速)や運転状態(例えば、スロット
ル開度)が変化すると、車両の走行状態と運転状態に適
した目標変速比を得る変速指令(アップシフト指令やダ
ウンシフト指令)に基づいて自動変速機の変速比が制御
される。
【0022】そして、最大変速比以外で発進や走行をし
ている時、駆動輪スリップ判定手段により駆動輪スリッ
プ時であると判定されると、協調制御手段において、先
ず、ダウンシフト指令が自動変速制御装置に出力され、
ダウンシフトの進行によりエンジンストールが発生する
可能性のないエンジン回転数域までエンジン回転数が上
昇するまで待たれ、エンジンの駆動力を低減する制御を
開始するトラクション作動指令が駆動力抑制手段に出力
される。
【0023】すなわち、協調制御では、駆動輪スリップ
判定→ダウンシフト指令→エンジン回転数上昇待ち→ト
ラクション作動指令という流れとなり、駆動輪スリップ
が発生した時、トラクション作動指令に先行してダウン
シフト指令が出力され、しかも、ダウンシフトによりエ
ンジン回転数の上昇が待たれるため、低エンジン回転で
の発進時や走行時であってもTCS作動によるエンジン
ストールを確実に回避することができる。さらに、エン
ジン回転数が上昇すると直ちにトラクション作動指令が
出されるため、TCS作動要求に応えて駆動輪スリップ
の抑制が達成される。
【0024】よって、駆動輪スリップが発生した時、低
エンジン回転での発進時や走行時であってもTCS作動
によるエンジンストールを確実に回避しながら、TCS
作動要求に応えて駆動輪スリップの抑制を達成すること
ができる。
【0025】請求項2記載の発明の作用および効果を説
明する。
【0026】協調制御手段において、ダウンシフト指令
を出力した時点での車速とエンジン回転数の少なくとも
一方により、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長
い遅れ時間に設定され、ダウンシフト指令から設定され
た遅れ時間を経過した後、駆動力抑制手段に対しトラク
ション作動指令が出力される。
【0027】すなわち、ダウンシフト指令からダウンシ
フトが完了するまでの変速所要時間は、高車速ほど、ま
た、高エンジン回転ほど長い時間となる。
【0028】よって、ダウンシフト指令を出力した時点
からトラクション制御の作動を開始するまでの遅れ時間
を、ダウンシフトが完了するまでの変速所要時間とほぼ
一致する設定とすることもできるし、変速所要時間より
少し短い時間の設定とすることもできる。つまり、タイ
マー管理によりエンジンストールを確実に回避するトラ
クション制御の開始タイミングを得ることができる。
【0029】請求項3記載の発明の作用および効果を説
明する。
【0030】協調制御手段において、ダウンシフト指令
を出力した時点からのエンジン回転数が監視され、トラ
クション制御装置が作動してもエンジンストールが発生
することのない第2設定エンジン回転数に達するまで待
たれ、第2設定エンジン回転数に達したらトラクション
作動指令が出力される。
【0031】すなわち、トラクション制御を待つのはエ
ンジンストールの確実な回避を目指すためである。一
方、トラクション作動要求が出ている以上、なるべく早
くトラクション制御を開始したい。そこで、これら2つ
の要求をうまく両立させるため、エンジン回転数を監視
してトラクション制御の開始時期を決めるようにした。
【0032】よって、エンジン回転数監視により、エン
ジンストールを確実に回避しながら、ダウンシフト指令
から最短の遅れ時間が経過した時点を、トラクション制
御の開始タイミングとすることができる。
【0033】請求項4記載の発明の作用および効果を説
明する。
【0034】協調制御手段から自動変速制御装置に出力
されるダウンシフト指令が、強制的にダウンシフトさせ
る変速指令とされる。
【0035】よって、ダウンシフトしやすい変速パター
ンを選択する場合には、その時の運転点によってはダウ
ンシフト指令から遅れて変速が開始されることがある
が、強制的なダウンシフト指令の場合、常にダウンシフ
ト指令から遅れることなく変速が開始され、トラクショ
ン制御の開始時期を早めることができる。
【0036】請求項5記載の発明の作用および効果を説
明する。
【0037】変速パターンとして、少なくとも他の変速
パターンと比べてダウンシフトしやすいTCS変速パタ
ーンが設定され、協調制御手段から自動変速制御装置に
出力されるダウンシフト指令が、その時点で選択されて
いる変速パターンに代えTCS変速パターンを選択する
パターン変更指令とされる。
【0038】よって、2速固定によるスノーモードの変
速パターンが設定されている時、駆動輪スリップの発生
に基づいてTCS変速パターンを選択すると、2速→1
速のダウンシフトが行われるように、変速パターンの変
更によりダウンシフトを実行させることができる。
【0039】請求項6記載の発明の作用および効果を説
明する。
【0040】駆動スリップ条件が成立した時点でのエン
ジン回転数が、トラクション制御装置が作動してもエン
ジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域
である場合、ダウンシフトによる協調制御を行うことな
く、直ちにトラクション作動指令がトラクション制御装
置に出力される。
【0041】よって、実際にエンジンストールが発生す
るような必要時にのみ、ダウンシフトによる協調制御が
行われ、それ以外の時には、直ちにトラクション制御が
開始されるため、無用なダウンシフトによる変速ショッ
クを防止できるばかりでなく、エンジンストール回避制
御が不必要な時に駆動スリップを応答良く抑制すること
ができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。
【0043】(実施の形態1)まず、構成を説明する。
【0044】実施の形態1は請求項1、請求項2,請求
項4に記載の発明に対応するトラクション制御と自動変
速制御との協調制御装置であり、図1は実施の形態1の
トラクション制御と自動変速制御との協調制御装置が適
用された車両を示す全体システム図である。
【0045】TCSコントローラ1(トラクション制御
装置)は、マイクロコンピュータ等により構成され、車
輪速センサ12FR,12FL,12RR,12RLそれぞれか
らの右前輪速VWFR,左前輪速VWFL,右後輪速VWRR,
左後輪速VWRL及びスロットル開度センサ11からの第
1スロットル開度TVOが入力情報としてもたれされ、
駆動輪スリップ判定時にENGコントローラ5に対し燃
料カットによる駆動力制御要求と、スロットルアクチュ
エータ9に対しスロットル閉による駆動力制御要求が出
力される。
【0046】前記ENGコントローラ5では、TCSコ
ントローラ1からの駆動力制御要求を入力すると、例え
ば、エンジン4の1/2気筒分の供給燃料がカットさ
れ、エンジン駆動力を低減する。
【0047】前記スロットル開度センサ11は、アクセ
ルペダル7に応動して開度が制御される第1スロットル
弁8の第1スロットル開度TVOを検出する。この第1
スロットル弁8が設けられた吸気管には直列に第2スロ
ットル弁10が設けられ、この第2スロットル弁10は
スロットルアクチュエータ9によりその開度が制御され
る。前記スロットルアクチュエータ9がTCSコントロ
ーラ1からの駆動力制御要求を入力すると、第2スロッ
トル弁10が第1スロットル開度TVOより小さな第2
スロットル開度THRとされ、エンジン駆動力を低減す
る。
【0048】前記車輪速センサ12FR,12FL,12R
R,12RLは、従動輪である右前輪FR及び左前輪FL
と、駆動輪である右後輪RRと左後輪RLのそれぞれの
車輪速を検出するセンサで、右前輪速VWFR,左前輪速
VWFL,右後輪速VWRR,左後輪速VWRLによる車輪速情
報は、TCSコントローラ1において、駆動輪スリップ
を判定するための情報となる。
【0049】ATコントローラ2(自動変速制御装置)
は、マイクロコンピュータ等により構成され、スロット
ル開度センサ11からの第1スロットル開度TVO、車
速算出部14からの車速VSP、モード切換スイッチ1
3からのモードスイッチ信号が入力情報としてもたれさ
れ、自動変速機6のコントロールバルブユニットに設け
られた図外のシフトソレノイドに対し変速指令が出力さ
れる。
【0050】前記車速算出部14は、車輪速センサ12
RR,12RLからの右後輪速VWRRと左後輪速VWRLを入力
し、両値VWRR,VWRLの平均値をとる演算により車速V
SPが算出される。
【0051】前記モード切換スイッチ13は、ATコン
トローラ2に車速VSPと第1スロットル開度TVOを
パラメータとして各変速段の領域が設定されたノーマル
モードの変速パターン(図5参照)とスノーモードの変
速パターン(図6参照)が予め設定されていて、運転者
のスイッチ操作により何れかの変速パターンを選択でき
るようになっている。
【0052】TCS&AT協調コントローラ3(協調制
御手段)は、マイクロコンピュータ等により構成され、
エンジン回転数センサ15からのエンジン回転数NE
と、車速算出部14からの車速VSPと、TCSコント
ローラ1からのTCS制御開始判定信号と、ATコント
ローラ2からの変速段信号及びモードスイッチ信号が入
力情報としてもたらされ、ATコントローラ2に対しダ
ウンシフト指令を出力すると共に、TCSコントローラ
1に対しトラクション作動指令を出力する。
【0053】次に、作用を説明する。
【0054】[協調制御作動処理]図2はTCSコント
ローラ1及びTCS&AT協調コントローラ3で行われ
るトラクションと自動変速の協調制御作動処理の流れを
示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明
する。
【0055】ステップ20では、各車輪速センサ12F
R,12FL,12RR,12RLからの出力により右前輪速
VWFR,左前輪速VWFL,右後輪速VWRR,左後輪速VWRL
が読み込まれ、ステップ21へ進む。
【0056】ステップ21では、従動輪平均速VWFが、
VWF=(VWFR+VWFL)/2の演算により算出され、ス
テップ22へ進む。
【0057】ステップ22では、駆動輪平均速VWRが、
VWR=(VWRR+VWRL)/2の演算により算出され、ス
テップ23へ進む。
【0058】ステップ23では、駆動輪平均速VWRと従
動輪平均速VWFとの差が駆動輪のスリップ相当値として
演算され、この演算値が設定しきい値α以上かどうかが
判断される(駆動輪スリップ判定手段に相当)。ここ
で、設定しきい値αは、固定値で与えても良いし、ま
た、車速VSPに応じて高車速であるほど大きな値とな
る可変値により与えても良い。
【0059】このステップ20〜ステップ23の処理
は、TCSコントローラ1での処理であり、ステップ2
3でYESと判断されたら、TCS制御開始判定信号が
TCS&AT協調コントローラ3に出力され、ステップ
30以降の処理が行われる。
【0060】ステップ30では、ATコントローラ2か
らの変速段信号及びモードスイッチ信号に基づいて、変
速段が2速以上、または、スノーモード選択時(2速)
かどうかが判断され、YESの場合にはステップ31へ
進み、NOの場合にはステップ35へ進む。
【0061】ステップ31では、ステップ30で変速段
が2速以上であると判断されると、ATコントローラ2
に対し強制的に変速段を1速下の変速段に下げるダウン
シフト指令(2→1や3→2等)が出力され、ステップ
32へ進む。
【0062】ステップ32では、遅れ時間タイマー値T
Mが、車速VSPとエンジン回転数NEの関数により、
車速VSPが高車速ほど、また、エンジン回転数NEが
高エンジン回転ほど長い遅れ時間に設定され、ステップ
33へ進む。
【0063】ステップ33では、遅れ時間タイマー値T
Mが、TM=TM−1に式により、ステップ33で処理
される毎に1づつ減算され、ステップ34へ進む。
【0064】ステップ34では、遅れ時間タイマー値T
MがTM=0、つまり、ステップ32にて設定された遅
れ時間タイマー値TMによる時間が経過したかどうかが
判断され、NOの場合はステップ33へ戻り、YESの
場合はステップ35へ進む。
【0065】ステップ35では、ステップ34でYES
と判断されると、TCSコントローラ1に対しトラクシ
ョン作動指令が出力される。
【0066】このステップ30〜ステップ35が、TC
S&AT協調コントローラ3で行われる協調制御であ
る。
【0067】[協調制御作用]まず、トラクション制御
装置と自動変速制御装置とが互いに独立に制御される装
置である場合、トラクション制御装置の基本作用は、駆
動輪スリップが発生する発進時や走行時、図2のステッ
プ23において、自動変速機6を介してエンジン4に連
結された左右後輪RR,RLのスリップ相当値(VWR−
VWF)が設定しきい値α以上であると判定されると、ト
ラクション作動指令に基づいてエンジンの駆動力を燃料
カットや第2スロットル弁10の閉制御により低減する
トラクション制御が開始される。
【0068】一方、自動変速制御装置の基本作用は、車
速VSPや第1スロットル開度TVOが変化すると、車
速VSPと第1スロットル開度TVOによる運転点が変
速パターン上で変速線を横切ったかどうかが検索され、
変速線を横切った場合、横切る前の変速段から横切った
後の変速段に切り換えるアップシフト指令やダウンシフ
ト指令に基づいて自動変速機6の変速段が制御される。
【0069】次に、トラクションと自動変速の協調制御
が行われる本実施の形態1における装置の場合、下記に
述べる協調制御作用が行われる。
【0070】まず、図2のステップ23において、駆動
輪スリップ時であると判定されてもステップ30におい
て、変速段が1速状態である判断されると、ステップ2
0→ステップ21→ステップ22→ステップ23→ステ
ップ30→ステップ35へと進む流れとなり、駆動輪ス
リップの判定に基づき直ちにエンジンの駆動力を低減す
るトラクション制御が開始される。
【0071】そして、図2のステップ23において、駆
動輪スリップ時であると判定され、しかも、ステップ3
0において、変速段が1速以上の状態である判断される
と、ステップ23からステップ30〜ステップ35へと
進む流れとなり、協調制御が行われる。
【0072】この協調制御は、先ず、ステップ31にお
いて、強制的に変速させるダウンシフト指令がATコン
トローラ2に出力され、ステップ32〜ステップ34に
おいて、ダウンシフトの進行によりエンジンストールが
発生する可能性のないエンジン回転数域までエンジン回
転数が上昇するまで待たれ、ステップ35において、エ
ンジンの駆動力を低減する制御を開始するトラクション
作動指令がTCSコントローラ1に出力される。
【0073】すなわち、協調制御では、駆動輪スリップ
判定(ステップ23)→ダウンシフト指令(ステップ3
1)→エンジン回転数上昇待ち(ステップ32〜34)
→トラクション作動指令(ステップ35)という流れと
なる。
【0074】この協調制御作用を図3に示すタイムチャ
ートにより説明すると、駆動輪スリップの発生によりT
CS制御開始判定信号がoffからonになると(t
1)、トラクション作動指令による燃料カットに先行し
て2速から1速へ変速するダウンシフト指令が出力さ
れ、しかも、ダウンシフトが1速への変速が完了する直
前まで待たれ(t2)、この遅れ時間(t2−t1)を
経過した時点で燃料カットによるトラクション制御が行
われる。
【0075】このように、TCS制御開始判定信号の出
力から遅れ時間(t2−t1)だけトラクション制御の
開始が待たれるため、図3のエンジン回転数特性に示す
ように、この遅れ時間(t2−t1)の間にエンジン回
転数が上昇し、その後、燃料カットによりエンジン回転
数が低下してもエンジンストール回転数以下まで低下す
ることがなく、低エンジン回転での発進時や走行時であ
ってもTCS作動によるエンジンストールを確実に回避
することができる。
【0076】さらに、エンジン回転数が十分に上昇する
と、その時点t2で直ちにトラクション作動指令が出さ
れて燃料カットが行われるため、図3の前後輪回転数差
特性に示すように、TCS作動要求に応えて駆動輪スリ
ップを設定しきい値α以下に抑えるスリップ抑制が達成
される。
【0077】ステップ32〜ステップ34においては、
ダウンシフト指令を出力した時点での車速VSPとエン
ジン回転数NEにより、高車速ほど、また、高エンジン
回転ほど長い遅れ時間に設定され、ダウンシフト指令か
ら設定された遅れ時間を経過した後、TCSコントロー
ラ1に対しトラクション作動指令が出力される。
【0078】ここで、車速VSPとエンジン回転数NE
により遅れ時間を設定する理由は、ダウンシフト指令か
らダウンシフトが完了するまでの変速所要時間は、高車
速ほど、また、高エンジン回転ほど長い時間となること
による。
【0079】つまり、車速VSPとエンジン回転数NE
により変速所要時間を推定しながら遅れ時間を設定する
ことになり、ダウンシフト指令を出力した時点からトラ
クション制御の作動を開始するまでの遅れ時間を、ダウ
ンシフトが完了するまでの変速所要時間とほぼ一致する
設定とすることもできるし、変速所要時間より少し短い
時間の設定とすることもできる。この実施の形態1で
は、変速完了の直前で十分にエンジン回転数が上昇する
ことから、変速所要時間より少し短い時間を遅れ時間と
して設定している。
【0080】次に、効果を説明する。
【0081】(1) TCS&AT協調コントローラ3に
おいて、1速以外の変速段で発進や走行をしている時、
駆動輪スリップ時であると判定されると、先ず、ダウン
シフト指令がATコントローラ2に出力され、ダウンシ
フトの進行によりエンジンストールが発生する可能性の
ないエンジン回転数域までエンジン回転数が上昇するま
で待たれ、エンジン4の駆動力を低減する制御を開始す
るトラクション作動指令がTCSコントローラ1に出力
されるため、駆動輪スリップが発生した時、低エンジン
回転での発進時や走行時であってもTCS作動によるエ
ンジンストールを確実に回避しながら、TCS作動要求
に応えて駆動輪スリップの抑制を達成することができ
る。
【0082】(2) TCS&AT協調コントローラ3に
おいて、ダウンシフト指令を出力した時点での車速VS
Pとエンジン回転数NEにより、高車速ほど、また、高
エンジン回転ほど長い時間による遅れ時間タイマー値T
Mに設定され、ダウンシフト指令から設定された遅れ時
間タイマー値TMによる時間を経過した後、TCSコン
トローラ1に対しトラクション作動指令が出力されるた
め、タイマー管理によりエンジンストールを確実に回避
するトラクション制御の開始タイミングを得ることがで
きる。
【0083】(3) TCS&AT協調コントローラ3か
らATコントローラ2に出力されるダウンシフト指令
が、強制的にダウンシフトさせる変速指令であるため、
ダウンシフトしやすい変速パターンを選択する場合に
は、その時の運転点によってはダウンシフト指令から遅
れて変速が開始されることがあるが、強制的なダウンシ
フト指令の場合、常にダウンシフト指令から遅れること
なく変速が開始され、トラクション制御の開始時期を早
めることができる。
【0084】(実施の形態2)実施の形態2は請求項
3,請求項5,請求項6に記載の発明に対応するトラク
ション制御と自動変速制御との協調制御装置である。
【0085】構成については、図1に示す実施の形態1
の構成と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0086】次に、作用を説明する。
【0087】[協調制御作動処理]図4はTCSコント
ローラ1及びTCS&AT協調コントローラ3で行われ
るトラクションと自動変速の協調制御作動処理の流れを
示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明
する。
【0088】ステップ20〜ステップ23は、図2に示
すステップ20〜ステップ23と同様であるので説明を
省略する。
【0089】ステップ40では、ステップ23での駆動
スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数NE
が、トラクション制御装置が作動してもエンジンストー
ルが発生する可能性のある第1設定エンジン回転数NE
1以下であるかどうかが判断され、YESの場合はステ
ップ41へ進み、NOの場合はステップ45へ進む。
【0090】ステップ41では、ATコントローラ2か
らの変速段信号及びモードスイッチ信号に基づいて、変
速段が2速以上、または、スノーモード選択時(2速)
かどうかが判断され、YESの場合にはステップ43へ
進み、NOの場合にはステップ42へ進む。
【0091】ステップ42では、エンジン回転数NEが
NE≦NE1であり、且つ、変速段がダウンシフトの余
地がない1速であり、トラクション作動を行えばエンジ
ンストールの可能性が高いため、トラクション作動が禁
止される。
【0092】ステップ43では、ステップ41で変速段
が2速以上であると判断されると、ATコントローラ2
に対し強制的に変速段を1速下の変速段に下げるダウン
シフト指令(2→1や3→2等)が出力され、また、ス
テップ41でスノーモード選択時あると判断されると、
スノーモードからTCSモードの変速パターンに切り換
えるダウンシフト指令が出力され、ステップ44へ進
む。
【0093】ここで、ATコントローラ2には、車速V
SPと第1スロットル開度TVOをパラメータとして、
図5に示すように、通常走行を基準として各変速段の領
域が設定されたノーマルモードの変速パターンと、図6
に示すように、ノーマルモードにおける1速の使用領域
を全て2速の使用領域としているスノーモードの変速パ
ターンと、第1スロットル開度TVOが低い領域はノー
マルモード変速線より高速側で、第1スロットル開度T
VOが高い領域はノーマルモード変速線より低速側に設
定された変速線を有するTCSモードの変速パターンと
が予め設定されていて、モード切換スイッチ13へのス
イッチ操作によりノーマルモードとスノーモードの変速
パターンを選択され、スノーモードの選択時に駆動輪ス
リップが発生すると、TCSモードに切り換えられる。
【0094】ステップ44では、エンジン回転数NE
が、トラクション制御装置が作動してもエンジンストー
ルが発生することのない第2設定エンジン回転数NE2
以上かどうかが判断され、NE≧NE1の条件が成立す
るまで一定周期毎に判断は繰り返され、NE≧NE1の
条件が成立すると、ステップ45へ進む。
【0095】ステップ45では、ステップ34でYES
と判断されると、TCSコントローラ1に対しトラクシ
ョン作動指令が出力される。
【0096】このステップ40〜ステップ45が、TC
S&AT協調コントローラ3で行われる協調制御であ
る。
【0097】[協調制御作用]図4のステップ44にお
いて、ダウンシフト指令を出力した時点からのエンジン
回転数NEが監視され、トラクション制御装置が作動し
てもエンジンストールが発生することのない第2設定エ
ンジン回転数NE2に達するまで待たれ、第2設定エン
ジン回転数NE2に達したらステップ45へ進み、トラ
クション作動指令が出力される。
【0098】すなわち、トラクション制御を待つのはエ
ンジンストールの確実な回避を目指すためである。一
方、トラクション作動要求が出ている以上、なるべく早
くトラクション制御を開始したい。そこで、これら2つ
の要求をうまく両立させるため、エンジン回転数NEを
監視してトラクション制御の開始時期を決めるようにし
ている。
【0099】変速パターンとして、ダウンシフトしやす
いTCSモードの変速パターンが設定され、TCS&A
T協調コントローラ3からATコントローラ2に出力さ
れるダウンシフト指令が、その時点で選択されているス
ノーモードの変速パターンに代えTCSモードの変速パ
ターンを選択するパターン変更指令とされるため、パタ
ーン変更指令により、2速→1速のダウンシフトが行わ
れる。
【0100】ステップ23の駆動スリップ条件が成立し
た時点でのエンジン回転数NEが、トラクション制御装
置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のな
いエンジン回転数域(NE>NE1)である場合、ステ
ップ40からステップ45へと進み、ダウンシフトによ
る協調制御を行うことなく、直ちにトラクション作動指
令がTCSコントローラ1に出力される。
【0101】次に、効果を説明する。
【0102】(4) ステップ44において、ダウンシフ
ト指令を出力した時点からのエンジン回転数NEが監視
され、トラクション制御装置が作動してもエンジンスト
ールが発生することのない第2設定エンジン回転数NE
2に達するまで待たれ、第2設定エンジン回転数NE2
に達したらトラクション作動指令が出力されるため、エ
ンジンストールを確実に回避しながら、ダウンシフト指
令から最短の遅れ時間が経過した時点を、トラクション
制御の開始タイミングとすることができる。
【0103】(5) 変速パターンとして、ダウンシフト
しやすいTCSモードの変速パターンが設定され、TC
S&AT協調コントローラ3からATコントローラ2に
出力されるダウンシフト指令が、その時点で選択されて
いるスノーモードの変速パターンに代えTCS変速パタ
ーンを選択するパターン変更指令とされるため、変速パ
ターンの変更によりダウンシフトを実行させることがで
きる。
【0104】(6) ステップ23での駆動スリップ条件
が成立した時点でのエンジン回転数NEが、トラクショ
ン制御装置が作動してもエンジンストールが発生する可
能性のないエンジン回転数域(NE>NE1)である場
合、ダウンシフトによる協調制御を行うことなく、直ち
にトラクション作動指令がTCSコントローラ1に出力
されるため、実際にエンジンストールが発生するような
必要時にのみ、ダウンシフトによる協調制御が行われ、
それ以外の時には、直ちにトラクション制御が開始され
るため、無用なダウンシフトによる変速ショックを防止
できるばかりでなく、エンジンストール回避制御が不必
要な時に駆動スリップを応答良く抑制することができ
る。
【0105】(その他の実施の形態)実施の形態1,2
では、TCS&AT協調コントローラ3をTCSコント
ローラ1とATコントローラ2に対し独立のコントロー
ラとして設ける例を示したが、TCSコントローラ1内
にTCS&AT協調制御部を追加しても良いし、また、
ATコントローラ2内にTCS&AT協調制御部を追加
しても良い。
【0106】実施の形態1,2では、自動変速機として
有段変速機を用いる例を示したが、ベルト式やトロイダ
ル式等の無段変速機を用いても良い。
【0107】実施の形態1では、車速とエンジン回転数
によるタイマー管理にてTCS作動のタイミングをとる
例を示し、実施の形態2では、エンジン回転数の監視に
よりTCS作動のタイミングをとる例を示したが、変速
機の入出力回転数の比である変速比を測定し、変速の進
行を測定変速比の変化により監視しながらTCS作動の
タイミングをとるようにしても良いし、また、エンジン
回転数に相当する値である変速機入力回転数を監視しな
がらTCS作動のタイミングをとる例としても良い。
【0108】実施の形態1,2では、ダウンシフト指令
によりダウンシフトさせる構成として、強制的に変速指
令を出す例と、変速パターンを変更する例を示したが、
変速パターンの変速線自体を変更する例としても良い。
【0109】実施の形態1,2では、駆動輪スリップを
検出するスリップ状態として、駆動輪と従動輪の速度差
である前後輪回転速度差とする例を示したが、駆動輪ス
リップ率や駆動輪加速度等のように他のスリップ情報を
用いて駆動輪スリップを検出する例としても良い。
【0110】実施の形態2において、第1エンジン回転
数設定値NE1と第2エンジン回転数設定値NE2は、
固定値により与えても良いが、TCSのトルクダウン量
はスリップ状態(例えば、駆動輪加速度)により異なる
ため、第1エンジン回転数設定値NE1と第2エンジン
回転数設定値NE2もスリップ状態により変更する可変
値により与えても良い。この可変値で与えた場合、スリ
ップ状態(或いはトルクダウン量)にかかわらず、最適
のエンジン回転数設定値NE1,NE2を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のトラクション制御と自動変速制
御との協調制御装置が適用された車両を示す全体システ
ム図である。
【図2】実施の形態1のTCSコントローラ1及びTC
S&AT協調コントローラ3で行われるトラクション制
御と自動変速制御の協調制御作動処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図3】実施の形態1のトラクション制御と自動変速制
御との協調制御作用を示すタイムチャートである。
【図4】実施の形態2のTCSコントローラ1及びTC
S&AT協調コントローラ3で行われるトラクション制
御と自動変速制御の協調制御作動処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図5】実施の形態2のATコントローラ2に設定され
ているノーマルモードの変速パターンを示す図である。
【図6】実施の形態2のATコントローラ2に設定され
ているスノーモードの変速パターンを示す図である。
【図7】実施の形態2のATコントローラ2に設定され
ているTCSモードの変速パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 TCSコントローラ(トラクション制御装置) 2 ATコントローラ(自動変速制御装置) 3 TCS&AT協調コントローラ(協調制御手段) 4 エンジン 5 ENGコントローラ 6 自動変速機 7 アクセルペダル 8 第1スロットル弁 9 スロットルアクチュエータ 10 第2スロットル弁 11 スロットル開度センサ 12FR,12FL,12RR,12RL 車輪速センサ 13 モード切換スイッチ 14 車速算出部 15 エンジン回転数センサ FR 右前輪 FL 左前輪 RR 右後輪 RL 左後輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA36 AA48 AA53 AB01 AC01 AC08 AC15 AC18 AC19 AD02 AD04 AD10 AD31 AD51 AE04 AE08 AE31 AE40 AF01 3G093 AA05 AA06 BA01 BA03 BA05 CA10 CB05 CB06 DA01 DA06 DB03 DB04 DB05 EA05 EA09 EB03 FA08 FA10 FB04 3G301 HA01 JA04 JA31 JA38 KA12 KB01 LA03 LB01 LC03 MA01 MA24 NC02 ND18 NE21 NE23 PA11A PA11Z PB03A PF01Z PF03Z PF08A PF08Z 3J052 AA11 AA20 EA04 FB33 GC04 GC13 GC23 GC46 HA01 LA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を介してエンジンに連結され
    た駆動輪のスリップ相当値が設定しきい値以上であると
    判定する駆動輪スリップ判定手段と、駆動輪スリップ判
    定時にトラクション作動指令に基づいて前記エンジンの
    駆動力を低減する制御を開始する駆動力抑制手段とを備
    えたトラクション制御装置と、 変速指令に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する
    自動変速制御装置と、が共に搭載された車両において、 最大変速比以外で発進や走行をしている時、前記駆動輪
    スリップ判定手段により駆動輪スリップ時であると判定
    されると、先ず、ダウンシフト指令を自動変速制御装置
    に出力し、エンジンの駆動力を低減する制御を開始する
    トラクション作動指令をエンジン回転数が上昇するまで
    遅らせて前記駆動力抑制手段に出力する協調制御手段を
    設けたことを特徴とするトラクション制御と自動変速制
    御との協調制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトラクション制御と自動
    変速制御との協調制御装置において、 前記協調制御手段を、ダウンシフト指令を出力した時点
    での車速とエンジン回転数の少なくとも一方により、高
    車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い遅れ時間に設
    定し、ダウンシフト指令から設定された遅れ時間を経過
    した後、駆動力抑制手段に対しトラクション作動指令を
    出力する手段としたことを特徴とするトラクション制御
    と自動変速制御との協調制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のトラクション制御と自動
    変速制御との協調制御装置において、 前記協調制御手段を、ダウンシフト指令を出力した時点
    からのエンジン回転数を監視し、トラクション制御装置
    が作動してもエンジンストールが発生することのない第
    2設定エンジン回転数に達するまで待ち、第2設定エン
    ジン回転数に達したらトラクション作動指令を出力する
    手段としたことを特徴とするトラクション制御と自動変
    速制御との協調制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載のトラクショ
    ン制御と自動変速制御との協調制御装置において、 前記協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダ
    ウンシフト指令を、強制的にダウンシフトさせる変速指
    令としたことを特徴とするトラクション制御と自動変速
    制御との協調制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3記載のトラクショ
    ン制御と自動変速制御との協調制御装置において、 変速パターンとして、少なくとも他の変速パターンと比
    べてダウンシフトしやすいTCS変速パターンを設定
    し、 前記協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダ
    ウンシフト指令を、その時点で選択されている変速パタ
    ーンに代えTCS変速パターンを選択するパターン変更
    指令としたことを特徴とするトラクション制御と自動変
    速制御との協調制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5記載のトラクショ
    ン制御と自動変速制御との協調制御装置において、 駆動スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数
    が、トラクション制御装置が作動してもエンジンストー
    ルが発生する可能性のないエンジン回転数域である場
    合、ダウンシフトによる協調制御を行うことなく、直ち
    にトラクション作動指令を駆動力抑制手段に出力する手
    段としたことを特徴とするトラクション制御と自動変速
    制御との協調制御装置。
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