JP2001121613A - 表皮付き成形体の製造方法 - Google Patents

表皮付き成形体の製造方法

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JP2001121613A
JP2001121613A JP30351999A JP30351999A JP2001121613A JP 2001121613 A JP2001121613 A JP 2001121613A JP 30351999 A JP30351999 A JP 30351999A JP 30351999 A JP30351999 A JP 30351999A JP 2001121613 A JP2001121613 A JP 2001121613A
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molding
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公二 林
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孝弘 山口
Masaaki Harada
政明 原田
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に皮シボやステッチ等を付けて意匠性を
高めるとともにソフト感のある蝕感をもたせたリサイク
ル使用可能で、かつ表面凹凸の少ない表皮付き成形体の
製造方法を提供する。 【解決手段】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物の粉末をスラッシュ成形して得られた表皮4内面の屈
曲部6a、6b、6cに予めオレフィン系ホットメルト
接着剤を局部的に厚塗りして固化して厚肉接着層7を形
成し、この表皮4を一方の型9に設置し、表皮4の内面
にオレフィン系ホットメルト接着剤を付着させ、他方の
型8にオレフィン系樹脂を用いた芯体5を設置し、該両
方の型を嵌合して、表皮4芯体5を隙間のないように貼
り合わせる表皮付き成形体の製造方法にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表皮付き成形体の製
造方法に係り、詳しくはリサイクル使用が可能で、外層
に皮シボやステッチ等を付けて意匠性を高めるとともに
ソフト感のある蝕感を有し、かつ表面凹凸の少ない表皮
付き成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装品であるインストルメント
パネル、ドアートリム、コンソールボックス等の樹脂成
形体の製造方法としては、塩化ビニルとABS樹脂のブ
レンド樹脂をシート状に押し出した後、エッチング絞り
ロールによって模様を付け、これを真空成形によって賦
形した表皮材と、射出成形やスタンピング成形で賦形し
た芯材とをウレタン発泡型に設置した後、発泡ウレタン
を注入して一体成形する方法が主流であった。
【0003】しかし、塩化ビニルを使用した製品であ
り、これを焼却すると、ダイオキシンが発生することが
懸念され、リサイクル使用が困難であった。このため、
ソフト感のある表皮材をオレフィン系熱可塑性樹脂組成
物(TPO組成物)で造るため、2層あるいは3層の複
合表皮をパウダースラッシュ成形することが検討されて
いる。しかし、ソフト感をもたせるための発泡層を均一
に形成させることは難しく、特にポリプロピレン樹脂を
エラストマー成分で変性したTPO組成物の発泡セルを
微細で均質にすることは困難で、γ線による架橋等の特
殊な手段を必要とした。また、リサイクルが容易なオー
ルオレフィン構成材料をもつ自動車内装品を作製するに
あたり、オレフィン系の2層あるいは3層のシートを真
空成形した表皮に芯体用のオレフィン系樹脂を射出一体
成形する工法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、表皮が真空成
形のために、深絞り形状の絞り感、あるいは材質風合い
が劣るという欠点があった。また射出一体成形のため
に、絞りが潰れて見栄え、感触が劣るという欠点があっ
た。
【0005】また、ホットメルト接着剤を適用した表皮
と芯材の接着方法に関しても、種々提案されている。例
えば、(1)ホットメルト型接着剤フィルムを加熱した
表皮と加熱した芯材の間に配置し、加圧成形と同時に表
皮を芯材に接着させる方法(特公平6−84053号公
報)が提案されている。この方法では表皮(アンダーカ
ット成形可能)と射出成形した芯材(アンダーカット成
形が不可能)の形状が相違し、部分的に接着層を厚肉化
する必要がある場合、表皮と芯材との間に空間ができて
しまう不具合が発生することがあった。
【0006】(2)ホットメルト接着剤をプレコートし
た表皮を芯材に加熱接着させる方法は、特開平8−30
0577号公報に提案されているが、この方法もスラッ
シュ成形して得られた表皮に適用された実例はない。
【0007】(3)特公平7−8628号公報には、ポ
リオレフィン系接着剤を塗付した芯材を真空成形型にセ
ットし、オレフィン系発泡シートを加熱して、芯材側へ
真空成形して接着一体化する方法が提案されているが、
スラッシュ成形した表皮の適用を考えると、(1)に記
載した同内容のアンダーカット形状部に空間ができてし
まう不具合があった。
【0008】また、インストルメントパネル等の110
〜120°Cの耐熱性を必要とする部品における表皮と
芯材との接着強度を保つために使用されるホットメルト
接着剤は、高温塗付時も高粘度(約4,000〜10,
000mPa・S/180〜200°C)であり、少な
からず凹凸のあるスラッシュ成形して得られた発泡表皮
にスプレー塗付、ビード処理を施し、芯材と加圧接着さ
せる方法では、ホットメルト接着剤の流動性に乏しく、
塗付状態の凹凸、ビードの凸部が残留し、表皮表面に凹
凸を発生させてしまう問題があった。
【0009】また、凹凸をなくすために、表皮と芯材の
圧着力を高くしても、表皮の発泡層の破壊、セルの潰れ
が発生して、ソフト感を損なうばかりか、凹凸も完全に
は無くせず、外観が悪くなることがあった。
【0010】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、表面に皮シボやステッチ等を付けて意匠性を高
めるとともにソフト感のある蝕感をもたせたリサイクル
使用可能で、かつ表面凹凸の少ない表皮付き成形体の製
造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、スラッシュ成形して得られた表皮と芯体
の積層体からなる表皮付き成形体の製造方法において、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラ
ッシュ成形した表皮とオレフィン系樹脂を用いた芯体と
をオレフィン系ホットメルト接着剤にて接着した表皮付
き成形体の製造方法にあり、接着剤を含め全てオレフィ
ン系素材から構成されており、リサイクル使用が可能に
なる。
【0012】本願の請求項2記載の発明では、スラッシ
ュ成形して得られた表皮を一方の型に、芯体を他方の型
に設置し、両方の型を嵌合して、表皮と芯体とを積層し
てなる表皮付き成形体の製造方法において、上記の型に
設置する表皮として、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物の粉末をスラッシュ成形して得られた表皮内面
の屈曲部に予めオレフィン系ホットメルト接着剤を局部
的に厚塗りして固化し、該表皮の内面にオレフィン系ホ
ットメルト接着剤を付着させたものを使用する表皮付き
成形体の製造方法にあり、請求項1と同様にリサイクル
使用が可能になるばかりか、予め表皮と芯体の間に隙間
が発生する表皮内面の屈曲部(窪み部)にオレフィン系
ホットメルト接着剤を局部的に厚塗りして固化すること
によってこれを阻止し、表面凹凸が少ない外観形状の良
好な表皮付き成形体に仕上げることができる。
【0013】本願の請求項3記載の発明では、上記の表
皮が、少なくともソリッド層からなる外層と発泡層から
なる内層を積層するようにスラッシュ成形した複合表皮
である表皮付き成形体の製造方法にあり、内層にクッシ
ョン性を付与し、外層に皮シボやステッチ等を付けて意
匠性を高めるとともにソフト感のある蝕感をもたせたリ
サイクル使用な表皮付き成形体になる。
【0014】本願の請求項4記載の発明では、複合表皮
のソリッド層からなる外層が、少なくともポリプロピレ
ン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオ
イル、吸油能に優れたエラストマー、そして内部離型剤
を含む熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラッシュ
成形し、更に発泡層からなる内層が、少なくともポリプ
ロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロ
セスオイル、吸油能に優れたエラストマー、そして発泡
剤を含む粉末をスラッシュ成形したものである表皮付き
成形体の製造方法にある。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は上記表皮付き成形体の一つ
である自動車用インストルメントパネルの全体外観斜視
図、図2は図1のX−X断面図である。インストルメン
トパネル1は、ソフト部2とハード部3に区分され、ソ
フト部においては表面にはシボ付き模様をもった外層4
aと内層4bの2層からなる表皮4が表面を被覆し、裏
面には合成樹脂からなる芯材5を積層している。他方、
ハード部3は芯体5だけから構成されている。
【0016】上記表皮4は、図3に示すように外層4a
と内層4bからなる複合表皮であり、外層4aは少なく
ともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエン
ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、
そして内部離型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物
の粉末をスラッシュ成形したものである。内層4bは少
なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジ
エンゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマ
ー、そして発泡剤を含む熱可塑性エラストマー組成物の
粉末をスラッシュ成形したものである
【0017】図3に示す表皮4の成形では、外層4aに
使用する組成物の融点以上に加熱された型にこれを主と
して重力で落下させて投入し、一定時間経過後に型を反
転し、余分の組成物を回収箱に集める。型表面には組成
物が層となって付着しており、時間経過とともに溶融し
て厚さ0.3〜1.0mmのソリッドからなる外層が形
成される。続いて、内層4bに使用する組成物を外層4
aの上に落下させて投入し、一定時間経過後に型を反転
し、余分の組成物を回収箱に集める。外層4aに付着し
た層は時間経過とともに溶融して発泡層からなる厚さ
0.5〜1.5mmの内層が形成される。そして、型を
冷却して表皮4を脱型するものであり、これが繰り返し
行われる。
【0018】型の加熱方法としては、オイル循環あるい
は熱風炉へ入れる方法が一般的である。オイル循環はパ
イプ配管配置により型温度調整が容易であるが、型面か
らのみ加熱される。一方、熱風炉を用いると、型面およ
び成形物裏面の両面からの加熱が可能であるが、生産性
を考慮して熱風を300°C以上に設定することが多い
ため、成形物裏面の熱酸化劣化を起こさないように処方
や条件を配慮する必要がある。
【0019】熱風方式は、粉末スラッシュ成形を2層に
行う時に有効である。即ち、加熱された型に最外層とな
る1回目の粉末をスラッシュ成形し、半溶融状態で2回
目の粉末を付着させてスラッシュ成形し、その後加熱溶
融する。この場合、型面側のみからの加熱では、熱伝達
が不充分なので成形物裏面からの加熱も可能な熱風炉方
式が用いられることが多い。
【0020】ソリッド層からなる外層4aと発泡層から
なる内層4bを積層するようにスラッシュ成形して得ら
れた表皮4は、図4に示すように該表皮4の内面の屈曲
部6a、6b、6c等に予めオレフィン系ホットメルト
接着剤(7,000〜15,000mPa・S/160
〜180°C)を局部的に厚塗りして固化して厚肉接着
層7を形成し、平坦な内面に仕上げ、その後の芯材との
接着において隙間の発生が阻止される。
【0021】続いて、図5に示すように、上記の前処理
した表皮4を下型9に設置した後、3,000〜8,0
00mPa・S/約200°Cに温調したオレフィン系
ホットメルト接着剤を帯状のノズルを介して、吹出量約
20〜40g/秒、表皮塗付面からの距離約5〜20m
mにて約40〜60秒間、表皮の上面外周部を主に、5
0〜80%の範囲を塗付する。
【0022】一方、上型8には、図5に示すように成形
体の形状と類似した形状に射出成形したオレフィン系樹
脂を用いた芯体5が設置される。この場合、芯体5は、
図6に示すように複数の貫通穴10を設けておくこと
が、空気溜まりを阻止する上で好ましい。
【0023】しかして、上型8と下型9を閉じるが、型
温度を特に調節する必要はない。この時、接着剤が充満
するために間隙が必要であるので、表皮の最大厚みは型
空隙より芯体厚みを減じた寸法より薄くする必要があ
る。その間隙に接着剤を充填して一体化することによ
り、表皮の厚さバラツキを接着層剤で吸収させること
で、成形体表面に凹凸が出現することを無くせる。型閉
後約1〜5分のセットタイム後、脱型すると、図2に示
すように接着層12の厚みが表皮の各層のバラツキを吸
収する形態になり、表皮4表面の凹凸や表皮4と芯体5
との隙間もなく、ソフト感を保持されたインストルメン
トパネル1に仕上がる。
【0024】上記オレフィン系ホットメルト接着剤は、
例えばアタックティックポリプロピレン、非晶性ポリア
ルファオレフィン(エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン共重合体)、スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレン系ゴム(SEBS)等からなる少なくと
も1種のオレフィン系ポリマーに、石油系樹脂、ロジン
系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂等
からなる少なくとも1種の粘着付与樹脂を添加したもの
が主成分になり、他にポリプロピレン系、ポリエチレン
系のワックスや、ポリブテン、ポリイソブチレン等の液
状ゴムや、フェノール系老化防止剤を添加して物性を調
節しており、7,000〜15,000mPa・S/1
60〜180°C、3,000〜8,000mPa・S
/約200°Cの粘度を有している。
【0025】外層4aと内層4bに使用するポリプロピ
レン樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、α−オレフ
ィンとのブロックあるいはランダム共重合体のいずれで
もよいが、特にα−オレフィンとしてエチレンを用いた
ブロックあるいはランダム共重合体が成形体の柔軟性の
面からいって好ましい。また、圧力のかからない粉末ス
ラッシュ成形に用いるためには、ポリプロピレン樹脂の
溶融流動性の指数としてJIS K7210により23
0°C、荷重2.16kgfで測定したMFR(メルト
フローレート)が20g/10分以上であることが必要
である。上記ポリプロピレン樹脂は熱あるいは酸化によ
ってその主鎖が切断されるポリマーであり、架橋、硬化
するポリエチレン等と異なる性質をもっており、有機過
酸化物によってその主鎖が切断され、分子量が低下す
る。
【0026】また、外層4aと内層4bに使用する水素
添加スチレンブタジエンゴム(H−SBR)は、ポリプ
ロピレン樹脂との相溶性に優れており、ポリプロピレン
樹脂に混練すると柔軟になり、折曲げや白化しにくい熱
可塑性エラストマー組成物が得られる。水素添加スチレ
ンブタジエンゴムのスチレン含有量は30重量%以下が
好ましく、柔軟性に富む表皮を得るためには5〜15重
量%が適当である。
【0027】H−SBRは、スチレンとブタジエンがラ
ンダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを水素
添加している点で、ブロック共重合体であるSEBSと
異なっている。代表的なものとして、日本合成ゴム社製
の商品であるダイナロンシリーズがある。
【0028】ポリプロピレン樹脂とH−SBRとの混合
量は、重量比で80/20〜20/80の割合であり、
結晶性ポリプロピレン樹脂が多くなると、成形された表
皮が硬くなり、一方少なくなると引張強度が低下する。
【0029】また、外層4aにプロセスオイルを添加す
ることにより組成物中のエラストマー成分に吸収されて
溶融粘度を下げるとともに、表皮の硬度を下げ、柔軟性
をもたせる効果がある。上記プロセスオイルはゴム用に
使用されるものであり、パラフィン系、ナフテン系、ア
ロマ系に分類されるが、エラストマー成分との相溶性に
よりパラフィン系が好ましい。添加量は吸油能に優れた
エラストマー100重量部に対して5〜200重量部が
好ましい。200重量部を越えると、引張物性が低下
し、5重量部未満になると、溶融粘度が下がらず表皮が
硬くなる。
【0030】外層4aに使用する吸油能に優れたエラス
トマーは、ポリプロピレン樹脂と相溶性を有しており、
プロセスオイルと組成物中のオリゴマー成分を吸収する
性質を有するもので、スチレン・エチレンブチレン・ス
チレンブロックコポリマー(SEBS)やスチレン・エ
チレンプロピレン・スチレンブロックコポリマー(SE
PS)等のスチレン系ブロック共重合熱可塑性エラスト
マー、オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン
結晶ブロックコポリマー(CEBC)、エチレンプロピ
レンゴム(EPR)、そしてエチレン・オクテン共重合
体(POE)がある。
【0031】とりわけ、上記POEはメタロセン化合物
を中心とする触媒で反応点(サイト)が1分子に1つ
(シングル)であって、活性種がいずれのサイトにも均
質なシングルサイト触媒を用いて得られたポリマーであ
り、長鎖分岐構造をもち、分子量分布が狭く、組成分布
が均一で、そして低分子量のオリゴマーやワックスの含
有量が少ないと言った特長をもっている。そのため、ポ
リプロピレン樹脂とのブレンドにおいては、EPDM
(エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体)に比
べて流動分散性が良く、ポリプロピレン樹脂に微分散し
やすい特性があり、スラッシュ成形に適する材料にな
る。また、上記POEは通常のチーグラ・ナッタ触媒に
よって重合される直鎖状のもの、例えばエチレンとプロ
ピレンとを共重合した汎用のエチレンプロピレンゴムと
は分子構造上相違している。
【0032】上記SEBSはスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体(SBS)を水素添加したもの
であり、シエル化学社製の商品であるクレイトンGシリ
ーズ、旭化成社製の商品であるタフテックHシリーズ等
が挙げられる。このSEBSではスチレン含量が増える
につれて強度が上昇するが、柔軟性が低下する。また、
同SEBSではスラッシュ成形時に溶融してスチレンハ
ードセグメントが凝集し、平滑なシート状成形体を得に
くいことがある。従って、スチレン含量は40重量%以
下がよい。
【0033】SEPSはスチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体(SIS)を水素添加したもので、
クラレ社製の商品であるセプトンが代表的である。SE
BSと同様にスチレン含量が増えるにつれ柔軟性が低下
するために、スチレン含量は40重量%以下がよい。
【0034】上記吸油能に優れたエラストマーは、H−
SBRに比べてポリプロピレン樹脂に対する相溶性が劣
っており、ポリプロピレン樹脂に混練、添加するとμm
単位の大きさで分散するので、引張物性が低下する傾向
にある。しかし、ポリプロピレン樹脂、H−SBR、プ
ロセスオイルの3成分に吸油能に優れたエラストマーを
添加した4成分の場合には、組成物中のオリゴマー成分
とオイルを吸収して表面移行を阻止することができる効
果がある。尚、ポリプロピレン樹脂にH−SBRとプロ
セスオイルを添加した3成分の場合には、H−SBRが
吸油能に劣るため、組成物中のオリゴマー成分が表面移
行(ブリード)して粘着性をもち、これを用いて粉末ス
ラッシュ成形用に粉砕したエラストマー粉も粘着性をも
つため、ブロッキングしやすくなって粉体流動性に欠け
る。また、表皮も金型からの離型性にも欠ける。
【0035】上記吸油能に優れたエラストマーの添加量
は、H−SBR100重量部に対して20〜250重量
部である。20重量部未満になると、組成物中のオリゴ
マー成分とオイルを充分に吸収できなくなり、また25
0重量部を越えると、結晶性ポリプロピレン樹脂との分
散が悪くなり、引張物性が低下する傾向にある。
【0036】外層4aに使用する内部離型剤は、ジメチ
ルシロキサン、メチルハイドロキシポリシロキサン、メ
チルフェニルポリシロキサン等のシリコンオイル、高級
脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩等を挙げるこ
とができる。外層4aにおいて、その添加量は0.1〜
5.0重量%が好ましく、0.1重量%未満では充分な
離型効果は得られず、一方5.0重量%を越えると内層
との接着性が阻害される。
【0037】一方、内層4bは少なくとも結晶性ポリプ
ロピレン樹脂、H−SBR、5重量%以上の非晶性ポリ
プロピレン樹脂、そして発泡剤を含む粉末をスラッシュ
成形したものである。
【0038】内層4bのみに使用する発泡剤としては、
アゾ・ジ・カーボンアミド、ジ・ニトロソ・ペンタメチ
レンテトラミン、4,4’−オキシビス・ベンゼン・ス
ルフォニル・ヒドラジン等からなる化学発泡剤、あるい
はマイクロバルーン等の中空ビーズを添加したものであ
る。具体的には、化学発泡剤を粉体混合してもよいし、
組成物を混練するのと同時に添加してもよい。この時の
混練温度は発泡剤の分解温度以下、好ましくは20℃以
上低い温度がよい。
【0039】発泡剤の添加量は、ポリプロピレン樹脂、
水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイル、吸
油能に優れたエラストマーからなる組成物、もしくはこ
の組成物に活性水素を有するオレフィン系ポリマーを配
合した組成物100重量部に対して0.1〜8重量部、
好ましくは0.5〜4.0重量部である。0.1重量部
未満の場合には、発泡効果が少なく、一方、8重量部を
越えると発泡セルが粗くなり芯材の射出成形で破壊され
やすくなる。
【0040】内層4bのみに使用する接着改良剤である
活性水素を有するオレフィン系ポリマーとしては、酸変
性ポリプロピレン樹脂、水酸基含有ポリプロピレン樹
脂、エチレン・酢酸ビニルコポリマーの加水分解物、末
端カルボキシル基ポリブタジエン、末端水酸基ポリブタ
ジエン、末端カルボキシル基ポリブタジエン水素添加
物、末端水酸基ポリブタジエンの水素添加物、酸変性ス
チレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アク
リル酸共重合体を挙げることができる。尚、実施例では
OH変性ポリオレフィンを使用している。この添加量は
2〜20重量%が好ましく、2重量%未満では接着性の
改良効果が少なく、一方20重量%を越えると引張強度
の低下が大きくなる。
【0041】外層4aと内層4bに使用できる熱安定剤
としては、通常のポリオレフィンに用いられるものが使
用できる。一般的には、フェノールとリン系の酸化防止
剤を併用して使用するが、特に限定されるものではな
い。また、光安定剤としては、ラジカル捕捉剤であるヒ
ンダードアミン、ベンゾトリアゾール系のものが使用さ
れることもある。顔料は通常のオレフィン系に適した有
機、無機のものが使用される。更に、脂肪酸金属塩等の
滑剤や炭酸カルシウム、タルク等の充填剤等が必要に応
じて添加される。
【0042】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1 外層として、表1に示すようにポリプロピレン樹脂(P
P樹脂)、吸油能に優れたエラストマー(POE)、内
部離型剤をタンブラーでドライブレンドしたものを、二
軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)の原料供給ホッ
パーより供給し、プロセスオイルをベント口より注入し
ながらシリンダー温度210°C、スクリュー回転数3
00rpmで混練し、更に続いてH−SBR、プロセス
オイル、フェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化
剤をドライブレンドしたものを同様の二軸押出機の原料
供給ホッパーより供給し、プロセスオイルをベント口よ
り注入しながら同一の条件で混練し、押出してペレット
化した。尚、表中の重量部数に括弧を付けた材料は2回
目に添加したものである。そして、ターボミルT250
−4J(ターボ工業社製)に液体窒素に浸したペレット
を投入して粉砕し、1,000μmの篩い通過分のみを
集め、180μmの粉体を得た。尚、表中の重量部数に
括弧を付けた材料は2回目に添加したものである。
【0043】また、内層として、表1に示すように上記
外層の粉体100重量部に発泡剤としてアゾ・ジ・カー
ボンアミド粉体を2.0重量部添加してヘンシェルミキ
サーで混合した粉体を使用した。
【0044】
【表1】
【0045】次に、上記内外層用の粉体を用いてスラッ
シュ成形を行った。スラッシュ成形の方法としては、シ
ボ模様のついたスラッシュ成形型を加熱し、その中に上
記外層用の粉体を入れて付着させた後、溶融付着しなか
った粉体を除いて、更に加熱して外層を成形した。続い
て、この外層の上に内層用の粉体を同様にスラッシュ成
形型に入れて内層を形成した。その後、型を冷却して取
り出し、外層(厚さ0.7mm)、内層(厚さ3.1〜
3.6mm)の複合表皮を得た。
【0046】上記の内面の屈曲部に予めオレフィン系ホ
ットメルト接着剤(非晶性ポリアルファオレフィン、S
EBS、粘着付与樹脂、ワックス等からなり、7,00
0〜15,000mPaS/160〜180°C)を局
部的に厚塗りして固化し、平坦な内面に仕上げた。これ
を下型にセットした。
【0047】一方、複数の貫通穴を有するオレフィン系
樹脂を用いた芯体を上型にした。
【0048】上記下型にセットした表皮の内面に約5,
000mPa・S/約200°Cに温調した上記オレフ
ィン系ホットメルト接着剤を帯状のノズルを介して、吹
出量約20g/秒、塗付時間約50秒間、表皮の上面外
周部を主に70%の範囲を塗付した後、型を閉じた。
【0049】型閉後1分後のセットタイム後、脱型する
と、表皮表面の凹凸がなく、ソフト感も保有された状態
に仕上がった。
【0050】
【発明の効果】以上のように本願の請求項記載に係る表
皮付き成形体の製造方法では、接着剤を含め全てオレフ
ィン系素材から構成されており、リサイクル使用が可能
になるばかりか、予め表皮と芯体の間に隙間が発生する
表皮内面の屈曲部(窪み部)にオレフィン系ホットメル
ト接着剤を局部的に厚塗りして固化することによってこ
れを阻止し、表面凹凸が少ない外観形状の良好な表皮付
き成形体に仕上げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用インストルメントパネル
の全体外観斜視図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】使用する外層と内層から形成される表皮の断面
図である。
【図4】表皮の内面の屈曲部にオレフィン系ホットメル
ト接着剤を局部的に厚塗りして固化した状態の断面図で
ある。
【図5】上型の芯材を、下型に表皮を設置した状態を示
す。
【図6】芯材の断面図を示す。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル 2 ソフト部 3 ハード部 4 複合表皮 4a 外層 4b 内層 5 芯体 6a、6b、6c 屈曲部 7 厚肉接着層 8 上型 9 下型
フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA03 AA14 BB09 BB10 BB30 FF17 FF20 4F211 AA03 AA11 AA45 AA47 AC04 AD24 AG03 AG25 AH26 TA04 TC02 TC06 TD11 TH02 TN24 TN43 4F213 AA03 AA11 AA45 AA47 AC04 AD24 AG03 AG25 AH26 WA15 WA58 WB01 WB18 WC02 WE02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラッシュ成形して得られた表皮と芯体
    の積層体からなる表皮付き成形体の製造方法において、
    オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラ
    ッシュ成形した表皮とオレフィン系樹脂を用いた芯体と
    をオレフィン系ホットメルト接着剤にて接着したことを
    特徴とする表皮付き成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 スラッシュ成形して得られた表皮を一方
    の型に、芯体を他方の型に設置し、両方の型を嵌合し
    て、表皮と芯体とを積層してなる表皮付き成形体の製造
    方法において、上記の型に設置する表皮として、オレフ
    ィン系熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラッシュ
    成形して得られた表皮内面の屈曲部に予めオレフィン系
    ホットメルト接着剤を局部的に厚塗りして固化し、該表
    皮内面にオレフィン系ホットメルト接着剤を付着させた
    ものを使用することを特徴とする表皮付き成形体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記表皮が、少なくともソリッド層から
    なる外層と発泡層からなる内層を積層するようにスラッ
    シュ成形して得られた複合表皮である請求項1または2
    記載の表皮付き成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 複合表皮のソリッド層からなる外層が、
    少なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタ
    ジエンゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラスト
    マー、そして内部離型剤を含む熱可塑性エラストマー組
    成物の粉末をスラッシュ成形し、更に発泡層からなる内
    層が、少なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレ
    ンブタジエンゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエ
    ラストマー、そして発泡剤を含む粉末をスラッシュ成形
    したものである請求項3記載の表皮付き成形体の製造方
    法。
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