JP2001121021A - 厨芥処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厨芥処理システムの機能を完全に発揮させる
ため、配管で粉砕厨芥を完全に流しきることが可能な厨
芥処理システムを提供する。 【解決手段】 厨芥処理システムにおいて、粉砕速度可
変機構を有する厨芥粉砕手段を設け、処理する厨芥の量
および／もしくは粉砕し易さ等の厨芥情報、粉砕速度等
の処理状況の検知し、厨芥の粉砕速度を可変制御するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、事業所や家庭など
で発生する厨芥などの有機性廃棄物を処理する厨芥処理
システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】厨芥等の有機性廃棄物は、腐敗により異
臭、液だれを起こし、生活空間、作業空間の衛生性を著
しく損なう。特開平０３−８９９５４号公報、特開平０
４−３０５２８４号公報や、特開平１０−１８０２３６
号公報に開示されるディスポーザを用いた厨芥処理シス
テムは、家庭の台所や事業所で有機性廃棄物の発生場所
から、発生の都度処理できるため、台所や事業所の作業
空間の衛生性向上には極めて有効なシステムである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のシステムを有効に活用するためには、厨芥粉砕手段と
してのディスポーザ等で処理された厨芥を完全に流しき
るべく移送媒体の供給条件を適正化する必要があるが、
そのための有効な移送媒体供給方法、供給装置は提案さ
れていない。特に集合住宅等においては、建物の建築エ
ネルギー、消費資材の削減のため、集合化が進み、集合
規模が大型化、高層化する傾向にある。住宅の集合化
は、同一の配管に繋ぎ込まれるディスポーザ等厨芥粉砕
機器の数量を増大させ、配管閉塞の危険性が増すと言っ
た問題点があった。

【０００４】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、本発明は、厨芥処理システムの機能を
完全に発揮させるため、配管で粉砕厨芥を完全に流しき
ることが可能な厨芥処理システムを提供することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明に係わる厨芥処理システムでは、粉砕厨芥を移送
する配管へ直接および／もしくは厨芥粉砕手段部を介し
て移送媒体を適正条件で供給して配管内への粉砕厨芥の
堆積を防止した。供給する移送媒体には、上水、中水、
雨水や、移送に用いた水を浄化処理した処理水等が使用
可能で、その節水のため、間欠供給や、供給流体に水に
気体を混合させた気液２相流や、水と気体を交互に流す
ことも有効である。さらに、業務用厨房、住宅のキッチ
ンシンクから排出される含油排水による配管の汚損によ
り粉砕厨芥の配管内流動性が著しく低下することから、
配管内汚損洗浄を兼ねて、水の加温供給や、アルカリ、
酵素などの洗浄薬剤を含む薬剤の添加も有効である。

【０００６】厨芥処理システムで粉砕厨芥を配管移送す
るためには、粉砕厨芥を十分な移送媒体中に分散させて
低濃度スラリ−として流動させる必要がある。ところ
で、厨芥を厨芥粉砕手段に予め投入し、粉砕運転を開始
する従来の厨芥破砕手段では、運転開始時に集中的に厨
芥粉砕物が発生し、極めて高濃度のスラリ−を形成し、
配管内の流動性を阻害する。そこで、粉砕開始時の粉砕
速度を遅くし、運転初期の高濃度スラリ−形成を回避し
た。粉砕速度の制御は、厨芥粉砕をモ−タ−を利用して
行う場合は回転数制御により可能となる。本願の第１、
第３発明である。

【０００７】また、厨芥の粉砕速度は厨芥の処理量や厨
芥の粉砕し易さ等の厨芥の性状によっても異なる。そこ
で、厨芥破砕手段に厨芥の投入処理量、粉砕し易さなど
の厨芥情報の検知手段および／もしくは厨芥の粉砕速度
を検知する手段を設け、該検知手段からの情報で厨芥粉
砕速度をスラリ−が高濃度にならないように可変制御す
るものとした。厨芥粉砕をモ−タ−を利用して行う場合
はモータ−への供給、消費電気の情報、トルク等を検知
することで厨芥情報が得られる。厨芥粉砕速度は、厨芥
量の時間変化情報等から得られる。移送供給媒体の供給
速度も厨芥の粉砕速度に合わせて、制御し、スラリ−濃
度が高濃度にならないように、あるいは稀薄となり、過
剰なエネルギ−消費を招かないように適正化するものと
した。本願の第２、第６発明である。

【０００８】また、厨芥破砕手段に接続される配管の縦
管部では、粉砕厨芥と移送媒体のスラリ−は、固形物と
液体に分離する傾向があり、縦管長さが長いほど、分離
が顕著となる、これは、液体は管壁を伝い流れするのに
対し、固体は管中を落下するためである。固液の分離
は、縦管終了後の横管部で閉塞を招く。そこで、厨芥破
砕手段を設置する時に、該厨芥破砕手段に接続される配
管の縦管部長さ、材質、管径、継ぎ手構造、横管部の管
径、勾配ほかの設計情報で、粉砕速度、特に粉砕開始時
の速度の設定値を可変調整して、高層階に設置される厨
芥粉砕手段から排出される粉砕厨芥スラリ−濃度を低く
保ち、縦管での固液分離による配管閉塞の危険性を回避
した。本願の第４、第５発明である。

【０００９】

【発明の実施の形態】厨芥等の有機性廃棄物をディスポ
ーザのような厨芥粉砕手段にて粉砕し、水で配管移送し
て、発生場所近傍、住宅では、戸建て住宅、市街区単
位、集合住宅単位で、工場では工場単位等で設置した廃
棄物処理部まで移送し、廃棄物処理施設にて浄化処理す
る。あるいは、下水処理場で生活排水とともに一括浄化
処理する。有機性廃棄物は、その発生場所、住宅では台
所に設置したディスポーザのような厨芥粉砕手段で処理
されるため、廃棄物の発生の都度処理が出来、住宅内へ
の厨芥などの有機性廃棄物を行政等のゴミ回収日まで保
管する必要がなくなり、住空間、作業空間の衛生性が向
上する。また、住宅内等でのゴミの保管時に、有機性廃
棄物を事前に分別できることから、他の乾燥した廃棄物
の保管が衛生的になるだけでなく、保管場所を有機性廃
棄物の腐敗を前提に密閉構造等にする必要がなくなり、
保管が容易となる。また、有機性廃棄物以外の乾燥した
廃棄物をまとめてゴミに出し、回収後、機械等で分別
し、リサイクルする工程においても、有機性廃棄物の事
前分別を提供する本システムは、リサイクル工程の作業
性を大幅に向上させる。

【００１０】このディスポーザシステムの環境効果を引
き出すためには、ディスポーザのような厨芥粉砕手段で
粉砕した厨芥を確実に後段の工程に移送する必要があ
る。本発明は、ディスポーザシステム実用化の鍵となる
粉砕厨芥の確実なる配管移送システムを提供するもので
ある。

【００１１】

【実施例】本発明の内容をより理解しやすくする為、以
下に発明の実施例を図表に基づいて説明する。

【００１２】図１に本発明の実施例を示す。厨芥粉砕
は、台所シンクに設置したディスポーザ（１）にて行う
ものとし、厨芥投入口には、粉砕部を密閉する安全ふた
（２）を設けた。ディスポーザは、安全ふた開閉検知部
（３）からのふた密閉の信号がないと動かない構造と
し、ディスポーザの運転、停止を指令するスイッチ機構
を兼ねるものとした。移送媒体には、上水を使用し、デ
ィスポーザの運転に合わせて上水を自動供給した。

【００１３】図２に本願発明の厨芥処理システムの制御
例を示す。本実施例では、予め厨芥をディスポーザに投
入し、安全ふたを閉めて粉砕処理を開始した。本実施例
では、ディスポーザの粉砕速度の制御はモーターの回転
数を制御して実施し、給水量は、開閉弁の開閉を制御し
て行った。制御は、スイッチの稼働信号をトリガーと
し、制御部内のタイマーにより、各部の操作を決定し
た。モーター回転数は段階的に上昇させ、給水も初期に
は、開閉弁を２個開けて大量給水し、運転初期のディス
ポーザ排水中の固形分スラリー濃度が高くなるのを防止
した。モーター停止後の再度の大量給水は、トラップ内
に残存する粉砕厨芥の洗浄排出のためで、その後は弁を
間欠的に開けて弁１個を連続解放した場合より給水量を
低下させ、節水性を確保した。最後に再度１個の弁を開
閉してトラップ（１０）封水用の水を供給した。なお、
装置の簡略化のため、ディスポーザの運転停止は、制御
部のタイマ−信号にて行なった。なお、粉砕速度を低速
に制御する運転開始時とは、厨芥粉砕手段に投入された
厨芥の半分量以上が粉砕されて粉砕手段から排出される
までの時間とした。

【００１４】

【発明の効果】住宅用、業務用のディスポーザシステム
は、次世代のゴミ分別回収の社会資本の一つと位置付け
られる。そなわち、厨芥等の有機性廃棄物は、その発生
場所に設置したディスポーザのような厨芥粉砕手段で処
理することで、他の廃棄物との混合を防ぎ、別系統で処
理、あるいはリサイクルを図る。そのためには、ディス
ポーザのような厨芥粉砕手段で粉砕された厨芥が確実に
後工程に搬送される必要があるが、有効な方法が見いだ
されていなかった。本発明は、確実なる搬送システムを
提供することにより、ディスポーザのような厨芥粉砕手
段を社会資本の一部として利用することを可能とするも
のある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ディスポーザシステム概略図

【図２】厨芥処理システム全自動運転プログラム

【符号の説明】

１…ディスポ−ザ、２…安全ふた、３…安全ふた開閉検
知部(スイッチ兼用)、４…自動給水・制御部、５…モー
ター回転数制御部、６、７…制御弁、８…制御部、９…
逆流防止部、１０…トラップ、１１…配管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4D004 AA02 AA03 CA04 CB13 CB45 DA01 DA02 DA12 4D067 DD02 DD06 GA17 GB03

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 厨芥等の有機性廃棄物を粉砕する厨芥粉
   砕手段と、前記厨芥粉砕手段により粉砕された粉砕厨芥
   を移送する配管と、前記粉砕厨芥を前記配管中を移送さ
   せるための移送媒体を供給する移送媒体供給手段と、厨
   芥粉砕手段および／もしくは移送媒体供給手段の運転を
   制御する制御手段と、制御手段に厨芥処理の開始および
   ／もしくは停止を指令する指令手段とを有する厨芥処理
   システムにおいて、 該厨芥粉砕手段は、厨芥の粉砕速度可変機構を有するこ
   とを特徴とする厨芥処理システム。
2. 【請求項２】 前記厨芥粉砕手段には、処理する厨芥の
   量および／もしくは粉砕し易さ等の厨芥情報、粉砕速度
   等の処理状況の検知手段を有し、制御手段にて該検知手
   段からの情報により厨芥の粉砕速度を可変制御すること
   を特徴とする請求項１に記載の厨芥処理システム。
3. 【請求項３】 前記制御手段では、厨芥粉砕処理の開始
   時は粉砕速度を遅く制御することを特徴とする請求項１
   および２に記載の厨芥処理システム。
4. 【請求項４】 前記制御手段には、厨芥破砕手段が接続
   される配管の設計情報に合わせて厨芥粉砕手段の処理速
   度および／もしくは移送媒体供給手段の運転条件の設定
   値を可変できる設定調整手段を有することを特徴とする
   請求項１から３に記載の厨芥処理システム。
5. 【請求項５】 前記制御手段の設定調整手段では、前記
   厨芥破砕手段に接続される配管の縦管部の長さに対し、
   負の相関で、厨芥破砕手段の運転処理の破砕速度を遅く
   設定することを特徴とする請求項４に記載の厨芥処理シ
   ステム。
6. 【請求項６】 前記制御手段では、検知手段での厨芥粉
   砕速度と正の相関で移送媒体の供給速度を制御すること
   を特徴とする請求項１から５に記載の厨芥処理システ
   ム。