JP2001120847A - 弾性人形体用腕部及びその成形方法 - Google Patents
弾性人形体用腕部及びその成形方法Info
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Abstract
人形用腕部 【解決手段】弾性人形体用腕部には、金属製芯材10が
配置され、上記金属製芯材10の先端部又はその近傍に
は、上記腕部の断面より小さいスペーサ13が配置され
ているとともに、スペーサ13と上記腕部用成形材料は
相溶性を有している。
Description
及びその成形方法に関する。
脚部は曲げた状態が保持される方が人形に好みのポーズ
をとらせることができ、リアル性がアップすることか
ら、内部に金属製の芯材を埋設するのが好ましいとされ
ている。実際、芯材を埋めた部材も知られている。
図14に示されるように、芯材30が腕部を構成する合
成樹脂製の成形材料31の内部に埋設され、いわば成形
材料31の内部に浮かんでいるような状態であり、成形
材料31と一体化していなかったから、腕部を一方に曲
げた後、元のように真直状態に戻そうとすると、芯材3
0は内部で勝手にねじれ回転して逆の方向に曲がってし
まい、所望の形に定まりにくいという欠点があった。ま
た、芯材30の先端30aが腕部の表面から露出してし
まうという問題もあった。
の成形空間の所定位置に振れないように固定しておかな
ければならないが、成形空間内に成形材料を注入する場
合は、その注入圧力によって芯材が動いてしまい、成形
された腕部の中心からずれてしまうことがあった。
題点を解消し、内部で芯材がねじれ回転しにくく、成形
時に芯材を安定に保持することができる弾性人形用腕部
及びその成形方法を提供することをその課題とする。
め、本発明に係る弾性人形体用腕部は、以下の要件を備
えたことを特徴とする。 (イ)弾性人形体用腕部には、金属製芯材が配置されて
いること (ロ)上記金属製芯材の先端部には、上記腕部の断面よ
り小さいスペーサが配置されていること (ハ)上記スペーサと上記腕部用成形材料は相溶性を有
していること
備えるのが好ましい。
を形成するのが好ましい。
を形成するのがよく、前記スペーサには、前記芯材の先
端曲がり部に係合する係合穴を形成するのが望ましい。
成形方法は、以下の要件を備えたことを特徴とする。 (イ)成形金型に、弾性人形体用腕部の肩部から手部ま
でを成形する成形空間を形成すること (ロ)成形空間の中心に沿って金属製芯材を配置し、そ
の一端を成形空間の肩部の基部で固定し、他端又はその
近傍には成形空間の内壁に対して一定の間隔を保持する
ためのスペーサを設けること (ハ)スペーサの材料は、上記成形空間に注入する成形
材料と相溶性を有する合成樹脂材料で、成形材料の成形
温度よりも融点が低いものであること
成形方法は、以下の要件を備えるように構成してもよ
い。 (イ)成形金型に、弾性人形体用腕部の肩部から手部ま
でを成形する成形空間を形成すること (ロ)成形空間の中心に沿って金属製芯材を配置し、該
芯材を適宜手段により成形空間の所定位置に保持するこ
と (ハ)上記成形空間の肩部の係合溝に対応する部位に
は、成形時に成形材料の注入圧に抗して上記芯材を支持
する支持棒を設けたこと
形方法は、以下の要件を備えるように構成してもよい。 (イ)成形金型に、それぞれ弾性人形体用腕部の肩部か
ら手部までを成形する1対の成形空間を、互いの肩部の
基部を向き合わせにして対向形成すること (ロ)上記両成形空間の中心に沿って共通の金属製芯材
を配置し、その端部又はその近傍には上記各成形空間の
内壁に対して一定の間隔を保持するためのスペーサを設
けること (ハ)上記芯材は上記成形空間の間の一部に曲がり部が
形成されていること (ニ)上記成形金型の合わせ面には、上記芯材の曲がり
部に係合し、かつ上記芯材の反対側に係合して芯材を固
定する凸部を形成したこと (ホ)上記スペーサの材料は、上記成形空間に注入する
成形材料と相溶性を有する合成樹脂材料で、成形材料よ
りも融点が低いものであること
位には、成形時に成形材料の注入圧に抗して上記芯材を
支持する支持棒を設けるのが好ましい。
ンサート成形用金型の一例を示す。この金型は弾性人形
体用腕部を成形するものである。
金型3とからなり、この金型2と金型3とには腕部を形
成する左右一対の成形空間4a、4bがそれぞれ対称に
形成され、金型2と金型3とを合わせて射出口6から溶
融した合成樹脂を射出充填することにより腕部を成形す
るものである。
成され、ゲート部9は上記成形空間4a、4bの肩部に
開口し、射出口6から注入された樹脂はゲート部9から
成形空間4a、4b内に注入されるように形成されてい
る。
間の間の合わせ面にはそれぞれ凹溝5aが形成されてい
る。この凹溝5aは上記成形空間4a、4bからはみ出
した両腕部の金属製芯材10の一端10aを固定する固
定手段で、芯材10が密に嵌合できる程度の大きさに形
成され、金型2に金型3を合わせた時、金型2上に位置
決めされた芯材10が上記凹溝5a内に納まり、金型2
と金型3との間に押圧固定されるようにするものであ
る。
の腕部を成形する方法について説明する。まず、金属製
芯材10を金型2上に配置する。芯材10は鉄などの金
属から構成され、図2に示されるように、芯材の先端近
傍にはスペーサ13が設けられている。このスペーサ1
3は樹脂製で、砲弾形に形成され、その中心には芯材1
0の先端10bを挿通させる貫通孔14が形成されると
ともに周面には先細の突起15が貫通孔14に直交する
放射方向に複数突出形成されている。突起15の先端の
径は約0、1mm〜1mm程度とするのが好ましい。なお、
芯材10の先端には図4(a) に示すようなスペーサ13
の抜け止め18が形成されている。抜け止め部18は芯
材10の周面に一定の間隔に形成することにより回り止
めも兼ねるようにするのが好ましい。このような抜け止
め部18は同図(b) に示す溝状の形状であってもよい。
更に、同図(c) に示すように抜け止め部18がスペーサ
13から突出する構成であってもよい。抜け止め部と回
り止め部とは別個に形成されるようにしてもよい。
bに注入する材料と相溶性を有する合成樹脂材料で、成
形空間に注入する成形材料の成形温度よりも融点が同じ
か又は低いものを選択するものとする。例えば、成形材
料を熱可塑性エラストマーとし、その中で成形空間4
a、4b内に注入するものの溶融温度が100°C〜1
70°Cのものを選択するとともに、スペーサ13とし
てポリエチレンを選択し、その溶融温度が100°C〜
130°Cのものを選択すればよい。なお、成形材料の
温度とスペーサの融点との温度差は0°C〜100°C
まで可能である。スペーサ13の材料としては、その他
に、同種のエラストマー、エバーフレックス、PVC等
の軟質合成樹脂を使用する。なお、当然、成形材料もオ
レフィン系、ウレタン系等、多種のエラストマーを使用
できるし、成形材料とスペーサ材料が異なれば、成形温
度、融点も異なる。
と、芯材10の一端10aは金型2と金型3の凹溝5a
内で密着状態となり、成形空間4a、4bの中心に固定
される。また、芯材10の他端10bはスペーサ13の
突起15の先端が成形空間の内壁面に当接することによ
り、成形空間4a、4bの中心に位置するように保持さ
れる(図3参照)。
溶融した樹脂17を成形空間4a、4b内に注入する。
樹脂はゲート部9から成形空間4a、4b内に射出さ
れ、成形空間4a、4b内は樹脂で充填される。このと
き芯材10には多方向から樹脂の注入圧が加わるが、芯
材の一端10aがしっかりと固定されるとともに、芯材
10の他端10bがスペーサ13により成形空間4a、
4bの内壁面から所定間隔をおくように保持されている
ので、芯材10は成形空間内で安定に保持される。この
ため、成形時に芯材10は振れることがなく、所定の位
置に保持される。
を引き離して分離し、図5に示すような成形品17A
(腕部)を取り出す。
13の材料は成形材料よりも融点が低いから、成形材料
の注入によってスペーサ13は突起15側から溶けてし
まう。しかし、スペーサ13は一瞬のうちに溶融温度ま
で上昇するわけではない。溶融するのは成形空間4a、
4b内に成形材料が充填されてからである。したがっ
て、スペーサ13は成形時に芯材10が振れるのを十分
に防止することができるほか、成形材料が成形空間4
a、4b内に充填された後はその温度によって溶融し、
しかも成形材料とスペーサとは相溶性があるから、両者
は一体的になる。突起15の先端を先細にしておくこと
により、先端の溶融は速やかに行なわれて成形材料と一
体的になる。したがって、金型2、3から腕部17Aを
外したときに、成形品の表面に突起15の先端が露出し
たり、突起15の先端部分が成形品の表面に不自然な違
和感を感じさせたりすることがない。
は芯材10の一端10aが肩口まであり、他端10bに
はスペーサ13が溶融一体となっているから、成形品1
7Aを肘関節から曲げ伸ばししても芯材10がねじれ回
転しにくい。抜け止め部18により芯材10がスペーサ
13から抜け出して外部に露出することはないので、安
全に遊ぶことができる。また、芯材10には抜け止め部
18が形成されているので、芯材10とスペーサ13も
一体化し、芯材10がスペーサ13に対してさらにねじ
れ回転が防止されるから、腕部を自由に所望の形にする
ことができる。上記抜け止め部18が回り止めも兼ねて
いれば、さらに芯材10とスペーサ13との一体化は確
実になる。
が完全に溶け合って一体になる性質のみを意味するので
はなく、一部が溶融して互いにくっついて一体的な状態
となっていればよいものとする。
設ける必要はない。その近傍でもよい。
を一度に成形する成形方法を示すもので、成形金型1は
分割され、一方の分割金型2には、同図のようにそれぞ
れ弾性人形体用腕部の肩部から手部までを成形する1対
の成形空間4A、4Bを、互いの肩部の基部を向き合わ
せにして対向形成しておく。なお、成形材料の注入ゲー
ト部9は成形空間4A、4Bにおいて肩部の端部膨突部
に対応する部位22の上部に開口形成されている。
4A、4Bの中心に沿って共通の金属製芯材10を配置
する。芯材10の端部又はその近傍には上記各成形空間
4A、4Bの内壁に対して一定の間隔を保持するための
スペーサ13を設ける。上記芯材10は上記成形空間4
A、4Bの間の一部に円弧状の曲げ部19が形成されて
いる。スペーサ13の材料は、上述のものと同じく、成
形材料と相溶性を有する合成樹脂材料で、成形材料より
も融点が低いものとする。芯材10に抜け止め部を形成
する点も上述の図2及び図4(a) 、(b) 、(c) に示す例
と同じである。
上記分割金型2の合わせ面には、上記芯材10を成形空
間4A、4Bの間で固定する固定手段として、凸部2
0、21が形成されている。中央の凸部20は芯材10
の曲げ部19に係合する大きさに形成され、その両側の
凸部21は芯材10に対し互いに反対側から係合する位
置に形成されている。中央の凸部20を芯材10の曲げ
部19に係合することにより、芯材10は矢印P方向に
移動するのを阻止され、また、その両側の凸部21によ
り芯材10は矢印Q方向に移動するのを阻止され、さら
に中央の曲げ部19により芯材10がR方向に回転する
のが防止される。したがって、芯材10は成形金型1内
において所定の位置に固定される。
る部位23の中央よりやや下部には、図7に詳しく示す
ように、上記芯材10を支持する支持棒24が抜き差し
自在に設けられている。
定した後、図8(a) のように金型2、3を型閉じする。
凸部21(凸部20も同様)と芯材10とは同図(b) の
ように閉じられる。そして、上述の例と同じ要領で射出
口6から成形材料(溶融樹脂)16を成形空間4内に注
入する。注入圧は初めに芯材10の肩部に対応する部分
に直接に加えられるので、注入圧は大きく、芯材10は
図面の下方に押圧されるが、上記芯材10は支持棒24
によって注入圧が加わる反対側(下側)から支持されて
いるので、芯材10の安定性はさらに良好に確保され
る。同様に、各成形空間4の芯材10には多方向から樹
脂の注入圧が加わるが、成形空間からはみ出た芯材10
の中央部分は、成形金型の合わせ面の凸部20、21に
よりしっかりと固定されるとともに、芯材10の他端1
0bはスペーサ13により成形空間4の内壁面から所定
間隔をおくように保持されているので、芯材10全体は
成形空間4内で振れることなく安定に保持される。
引き離して分離し、支持棒24を抜いて図9に示すよう
な成形品17B(腕部)を取り出す。露出した芯材10
Aは切断して除去する。成形品17Bの係合溝25には
支持棒24を抜いた跡の穴26が形成される。しかし、
上記係合溝25は膨突部27とともに人形胴体の側面の
穴(図示せず)に係合される部分であるから、人形胴体
に係合された状態では穴25は外部に表われない。した
がって、外観上はなんら問題がない。
料は成形材料よりも融点が低く、成形材料とスペーサ1
3とは相溶性があるから、両者は一体的となり、成形品
の表面に突起15の先端が露出したり、突起15の先端
部分が成形品の表面に不自然な違和感を感じさせたりす
ることがない。また、スペーサ13が芯材10に固定さ
れているときは、芯材10とスペーサ13と成形材料に
よって構成された皮肉部材16aとは一体的となり、成
形品17Bを肘関節から曲げ伸ばししても芯材10がね
じれ回転しないので、腕部を自由に所望の形にすること
ができるとともに、芯材10がスペーサ13から抜け出
して外部に露出することはないから、安全に遊ぶことが
できる。
に抗して振れないように支持するために設けられるもの
であって、必ずしも上述のように凸部20、21やスペ
ーサ13とともに使用しなければならないわけではな
い。芯材は適宜手段により成形空間の所定位置に保持さ
れていればよい。同様に、凸部20、21とスペーサ1
3で芯材10を保持する場合は、必ずしも支持棒24ま
でも必要とするわけではなく、支持棒24も配置されて
いればより効果的であるということである。
間で固定する固定手段の他の例を示すもので、同図のよ
うに、芯材10に複数の曲げ部19を設けてもよい。ま
た、曲げ部19は必ずしも円弧状に限定されない。例え
ば、次の図11に示す形状のほか、V字形、U字形、コ
字形等であってもよい。
とスペーサを使用した場合の芯材の正面図である。上記
芯材10は中央部が変形V字形(芯材の表裏を簡単に判
別するため)で、先端には円弧状の曲がり部28が形成
されている。曲がり部28は円弧状でなくてもよい。V
字形でもコ字形でもよい。
るように円柱状の外形を有し、前後と上方に開口する開
口溝29(溝幅は芯材10の直径とほぼ同じ)の前下部
に前部下壁30を、開口溝29の後上部には後部上壁3
1を形成し、前部下壁30には係合穴33を形成し、後
部上壁31は上下の部分31a、31bに2分割したも
のである。さらに、後部上壁31の前方の左右の内側壁
には断面が三角形状の突部32が形成されている。両突
部32間の間隔は上記芯材10の直径よりも小さくなる
ように設定されている。また、スペーサ13の外周面に
は4本の突起15が放射状に突出形成されている。前後
と左右の突起15は同じ高さ位置に形成されてはいない
が、図2に示したスペーサ13と同じ間隔保持効果を有
するほか、前後の突起15の位置が対角線上についてい
るので、金型内で芯材10が前後に揺れるのを防ぐ効果
がある。
取り付けるときは、図13に点線で示すように芯材10
の先端曲がり部28を開口溝29の前部から差し込んだ
後、スペーサ13を回転させて曲がり部28の先端を前
部下壁30の係合穴33に係合させ、曲がり部28より
も上の部分は上記突部32を越えて後部上壁31に当接
するようにすればよい。
の曲がり部28の先端はスペーサ13の係合穴33に係
合しているので、芯材10はスペーサ13から抜け出し
にくい。また、芯材10の真直部分は後部上壁31と突
部32との間に保持されるから、スペーサ13は取付時
と逆の方向には回転しにくい。したがって、成形時に成
形材料が注入されたときの圧力でスペーサ13が芯材1
0から外れることはない。
先端部28は曲がっているので、成形後に腕部を構成す
る成形材料から突出してはみ出にくいほか、万が一外部
に突出しても、真直のまま突出する場合に比べてはるか
に安全である。
ているので、その表面積は非常に大きい。したがって、
成形時に成形空間内に成形材料が注入されたときに、成
形材料とスペーサ13との接触面積も多くなる。このた
め、両者はよく溶け合って一体的になりやすい。
材の先端部には、上記腕部の断面より小さいスペーサが
配置されているから、芯材は腕部の中心に納まるほか、
内部で芯材がねじれ回転したり、スペーサが外部に露出
することがない。また、上記スペーサと腕部用成形材料
は相溶性を有しているから、成形時に両者は一体にな
り、腕部を外部から触ったときに違和感がなく、触感は
自然である。
サの周面には先細の突起を備えているから、成形時に成
形材料は成形空間を流れやすく、またスペーサの突起は
溶融されやすい。
ペーサの抜け止め部が形成されているので、芯材とスペ
ーサも一体化し、芯材がスペーサに対してねじれ回転し
にくく、腕部を自由に所望の形にすることができるとと
もに、成形された腕部を安全に使用することができる。
は曲がっているから、成形後に腕部を構成する成形材料
から突出してはみ出にくいほか、万が一外部に突出して
も、真直のまま突出する場合に比べてはるかに安全であ
るとともに、スペーサには上記曲がり部に係合する係合
穴が形成されているので、スペーサの表面積は非常に大
きい。したがって、成形時に成形空間内に成形材料が注
入されたときに、成形材料とスペーサとの接触面積も多
くなる。このため、両者はよく溶け合って一体的になり
やすい。また、芯材の先端は曲がっているから、スペー
サが成形材料の注入圧力によって芯材から抜け出るのを
防ぐことができる。
の一端は成形空間の肩部の基部で金型によって固定さ
れ、他端又はその近傍はスペーサによって成形空間の内
壁に対して一定の間隔が保持されている。このため、成
形時に芯材が振れることがなく、所定の位置に保持され
る。
を有し、成形材料よりも融点が低い合成樹脂材料である
から、両者は一体化し、成形品の表面に突起の先端が露
出したり、突起の先端部分が成形品の表面に不自然な違
和感を感じさせたりすることがない。
中心に沿って金属製芯材を適宜手段により保持するとと
もに、成形空間の肩部の係合溝に対応する部位には、成
形時に成形材料の注入圧に抗して上記芯材を支持する支
持棒を設けたから、成形金型の肩部に対応する部分から
成形材料が注入されたとき、その注入圧は初めに芯材の
肩部に対応する部分に大きく加えられるが、上記芯材は
支持棒によって注入圧が加わる反対側から支持されてい
るので、芯材は振れることなく安定に保持される。ま
た、成形された腕部の係合溝には支持棒を抜いた後の穴
が形成されるが、この穴は腕部の係合溝に形成されるの
で、人形胴体に取り付けられたときには外部から見える
ことはなく、外観上の問題はない。
1対の腕部を成形することができるとともに、共通の芯
材を1対の成形空間に配置するので、曲がり部を備えた
芯材を成形空間の間に形成された金型の凸部によって固
定することができる。このため、成形空間内で芯材の肩
部側の部分は動かないように保持され、また手部側の端
部はスペーサによって所定の位置に保持することができ
るから、芯材の片寄りがない弾性人形用腕部を成形する
ことができる。
係る発明による効果に加え、さらに、成形金型の肩部に
対応する部分から成形材料が注入されたとき、その注入
圧は初めに芯材の肩部に対応する部分に大きく加えられ
るが、上記芯材は支持棒によって注入圧が加わる反対側
から支持されているので、芯材の安定性はさらに良好に
確保される。また、成形された腕部には支持棒を抜いた
後の穴が形成されるが、この穴は腕部の係合溝に形成さ
れるので、人形胴体に取り付けられたときには外部から
見えることはなく、外観上の問題はない。
形用金型の一方の金型の平面図および上記金型の側面の
断面図
の断面図
金型の平面図
面図
図
場合の芯材の正面図
Claims (8)
- 【請求項1】 以下の要件を備えたことを特徴とする弾
性人形体用腕部。 (イ)弾性人形体用腕部には、金属製芯材が配置されて
いること (ロ)上記金属製芯材の先端部又はその近傍には、上記
腕部の断面より小さいスペーサが配置されていること (ハ)上記スペーサと上記腕部用成形材料は相溶性を有
していること - 【請求項2】 前記スペーサは周囲に先細の突起を備え
た、請求項1記載の弾性人形体用腕部。 - 【請求項3】 前記芯材には前記スペーサの抜け止め部
が形成された、請求項1又は2に記載の弾性人形体用腕
部。 - 【請求項4】 前記金属製芯材の先端に曲がり部を形成
し、前記スペーサには、前記曲がり部に係合する係合穴
を形成した、請求項4記載の弾性人形体用腕部。 - 【請求項5】 以下の要件を備えたことを特徴とする弾
性人形体用腕部の成形方法。 (イ)成形金型に、弾性人形体用腕部の肩部から手部ま
でを成形する成形空間を形成すること (ロ)成形空間の中心に沿って金属製芯材を配置し、そ
の一端を成形空間の肩部の基部で固定し、他端又はその
近傍には成形空間の内壁に対して一定の間隔を保持する
ためのスペーサを設けること (ハ)スペーサの材料は、上記成形空間に注入する成形
材料と相溶性を有する合成樹脂材料で、成形材料の成形
温度よりも融点が低いものであること - 【請求項6】 以下の要件を備えたことを特徴とする弾
性人形体用腕部の成形方法。 (イ)成形金型に、弾性人形体用腕部の肩部から手部ま
でを成形する成形空間を形成すること (ロ)成形空間の中心に沿って金属製芯材を配置し、該
芯材を適宜手段により成形空間の所定位置に保持するこ
と (ハ)上記成形空間の肩部の係合溝に対応する部位に
は、成形時に成形材料の注入圧に抗して上記芯材を支持
する支持棒を設けたこと - 【請求項7】 以下の要件を備えたことを特徴とする弾
性人形体用腕部の成形方法。 (イ)成形金型に、それぞれ弾性人形体用腕部の肩部か
ら手部までを成形する1対の成形空間を、互いの肩部の
基部を向き合わせにして対向形成すること (ロ)上記両成形空間の中心に沿って共通の金属製芯材
を配置し、その端部又はその近傍には上記各成形空間の
内壁に対して一定の間隔を保持するためのスペーサを設
けること (ハ)上記芯材は上記成形空間の間の一部に曲がり部が
形成されていること (ニ)上記成形金型の合わせ面には、上記芯材の曲がり
部に係合し、かつ上記芯材の反対側に係合して芯材を固
定する凸部を形成したこと (ホ)上記スペーサの材料は、上記成形空間に注入する
成形材料と相溶性を有する合成樹脂材料で、成形材料よ
りも融点が低いものであること - 【請求項8】 前記成形空間の肩部の係合溝に対応する
部位には、成形時に成形材料の注入圧に抗して上記芯材
を支持する支持棒を設けた請求項6に記載の弾性人形体
用腕部の成形方法。
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