JP2001120816A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 パチンコ機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パチンコ機用ランプの点灯等を制御するためランプ照明回路と、
パチンコ球の入賞の際の効果音等を発生する音発生回路と、
パチンコ機用の盤面上に設けられた図柄変動表示装置を制御する図柄変動表示回路と、
これらランプ照明回路、音発生回路及び図柄変動表示回路を制御する主基板上の制御回路とを少なくとも備えるパチンコ機において、
前記主基板上の制御回路は、前記図柄変動表示回路にトリガ信号を出力した後、図柄変動表示回路が、前記ランプ照明回路及び前記音発生回路にトリガ用制御信号を出力して制御することを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】 請求項1に記載のパチンコ機において、
図柄変動表示回路の動作は、図柄変動表示回路がランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力した後に、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始することを特徴とするパチンコ機。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のパチンコ機において、
パチンコ機用の賞球の払い出しを制御する賞球払出回路を備え、この賞球払出回路に、前記主基板上の制御回路がトリガ信号を出力して制御し、前記主基板上の制御回路からトリガ信号を入力した賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、図柄変動表示回路が前記ランプ照明回路及び前記音発生回路にトリガ用制御信号をそれぞれ出力することを特徴とするパチンコ機。
【請求項4】 請求項3に記載のパチンコ機において、
前記賞球払出回路の動作は、賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、そのトリガ用制御信号を入力した図柄変動表示回路が、更にランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力した後、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始することを特徴とするパチンコ機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機用ランプの点灯等を制御するためランプ照明回路、効果音等を発生する音発生回路、及び、図柄変動表示装置を制御する図柄変動表示回路を制御する主基板上の制御回路を少なくとも備えるパチンコ機に関し、特に、主基板上の制御回路の負担を軽減するとともに、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止と、音発生回路による効果音等の発生及び停止と、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅とをできるだけ同期させて、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じさせないパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のパチンコ機は、遊技内容に変化を加えることによって、パチンコ機の遊技者の興味を高めるべく種々の役物(入賞を容易にするための特別な装置)を遊技盤に備える。例えばパチンコ球が始動入賞口に入賞すると、CRT等の図柄表示装置に表示されている変動図柄が変動を開始し、一定時間経過した後に表示された図柄が一定確率で揃うと(例えば「7、7、7」等のゾロ目)、大当たりとして大入賞口が所定回数続けて開いて、図柄表示装置に大当たり映像が表示されるとともに、大きな効果音が流れ、表示ランプが点滅するものがある。
【0003】
そのようなパチンコ機には、各種の制御に非常に多くの電子制御回路が組み込まれており、例えばCRT用の表示回路、ランプ点灯及び点滅用のランプ回路、効果音発生用の音発生回路或いは賞球払い出し用の賞球回路などの各種回路が、主基板上のマイクロコンピュータ等を含む制御回路によって制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような図12に示すパチンコ機の場合、例えばマイクロコンピュータ等を含む主基板101上の制御回路が、スピーカ102aを駆動制御する音発生回路102、枠ランプ及び盤面ランプ103aを駆動制御するランプ照明回路103及び図柄変動表示装置104aを駆動制御する図柄変動表示回路104の全てに対して、同期を取るために、常にトリガ信号を出力する構成であるため、主基板101上の制御回路の負担が大きくなる。
具体的には、複数の図柄変動表示部を備える図柄変動表示装置104aの場合、図柄変動表示部が順番に停止する際に、その都度、主基板101上の制御回路から音発生回路102、ランプ照明回路103及び図柄変動表示回路104に、同期を取るために、トリガ信号を出力する必要があるので、主基板101上の制御回路の負担が大きくなる。
そして、このような主基板101上の制御回路の負担増加に伴い、例えば図柄変動表示装置104の動作開始及び動作停止、音発生回路102による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路103によるランプの点灯及び点滅で時間差が生じやすく、パチンコ機遊技者に違和感を感じさせることもある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、主基板上の制御回路の負担を軽減するとともに、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅をできるだけ同期させて、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない、優れたパチンコ機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係るパチンコ機によれば、パチンコ機用ランプの点灯等を制御するためランプ照明回路と、パチンコ球の入賞の際の効果音等を発生する音発生回路と、パチンコ機用の盤面上に設けられた図柄変動表示装置を制御する図柄変動表示回路と、これらランプ照明回路、音発生回路及び図柄変動表示回路を制御する主基板上の制御回路とを少なくとも備えるパチンコ機において、前記主基板上の制御回路が前記図柄変動表示回路にトリガ信号を出力した後、図柄変動表示回路が、前記ランプ照明回路及び前記音発生回路にトリガ用制御信号を出力して制御することを特徴とする。
【0007】
このような特徴を有する請求項1に記載のパチンコ機においては、主基板上の制御回路が図柄変動表示回路にトリガ信号を出力した後、図柄変動表示回路が、ランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力して制御することができるので、主基板上の制御回路は、同期を取るため図柄変動表示回路が出力するようなトリガ用制御信号を、図柄変動表示回路、ランプ照明回路及び音発生回路に出力しないため、主基板上の制御回路の負担を軽減することができる。
また、図柄変動表示回路が、ランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力して制御することができるので、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差が生じにくい。
それにより、主基板上の制御回路の負担を軽減するとともに、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差をできるだけ少なくして、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない、優れたパチンコ機となる。
この場合、トリガ用制御信号は、主基板上の制御回路によるトリガ信号の出力後、次のトリガ信号を入力する前に、図柄変動表示回路から出力されるのが望ましい。
【0008】
また、請求項2に係るパチンコ機によれば、請求項1に記載のパチンコ機において、図柄変動表示回路の動作は、図柄変動表示回路がランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力した後に、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始することを特徴とする。
【0009】
このような特徴を有する請求項2に記載のパチンコ機においては、図柄変動表示回路の動作は、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始するので、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差がなくなり、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない。
【0010】
また、請求項3に係るパチンコ機によれば、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機において、パチンコ機用の賞球の払い出しを制御する賞球払出回路を備え、この賞球払出回路に、前記主基板上の制御回路がトリガ信号を出力して制御し、この主基板上の制御回路からトリガ信号を入力した賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、そのトリガ用制御信号を入力した図柄変動表示回路が、更に前記ランプ照明回路及び前記音発生回路にトリガ用制御信号をそれぞれ出力することを特徴とする。
【0011】
このような特徴を有する請求項3に記載のパチンコ機においては、主基板上の制御回路は、賞球払出回路にトリガ信号を出力し、このトリガ信号を入力した賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、図柄変動表示回路が、更にランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号をそれぞれ出力するので、賞球払出回路の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差が生じにくい。また、主基板上の制御回路は、トリガ信号を賞球払出回路に出力し、図柄変動表示回路が出力するようなトリガ用制御信号を賞球払出回路に出力しないため、主基板上の制御回路の負担を軽減することができる。
この場合、トリガ用制御信号は、主基板上の制御回路によるトリガ信号の出力後、次のトリガ信号を入力する前に、賞球払出回路から出力されるのが望ましい。
【0012】
更に、請求項4に係るパチンコ機によれば、請求項3に記載のパチンコ機において、 前記賞球払出回路の動作は、賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、そのトリガ用制御信号を入力した図柄変動表示回路が、更にランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力した後、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始することを特徴とする。
【0013】
このような特徴を有する請求項4に記載のパチンコ機においては、賞球払出回路の動作は、賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、そのトリガ用制御信号を入力した図柄変動表示回路が、更にランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力した後に、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始するので、賞球払出回路の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差がなくなり、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない。
【0014】
また、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のパチンコ機において、前記ランプ照明回路、音発生回路及び図柄変動表示回路が一枚の基板上に設けられているのが好ましい
このようにランプ照明回路、音発生回路及び図柄変動表示回路が一枚の基板上に設けられている場合、基板枚数が減るとともにその組み立てが容易になるので、製造コストが低減化する。
【0015】
また、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のパチンコ機において、複数の図柄変動表示部を備える図柄変動表示装置を有し、その図柄変動表示部は、順番に停止するようにしてもよい
このように図柄変動表示部は、順番に停止して、例えば「7、7、7」等のゾロ目で停止した状態で大当たりとなるので、パチンコ機遊技者に遊技に対する期待感を生じさせて、興趣を強く感じさせることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパチンコ機について具体化した実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
先ず、実施形態に係るカード式パチンコ機の全体構成について図1に基づいて説明する。図1は実施形態に係るカード式パチンコ機全体を示した正面図である。このカード式パチンコ機とは、プリペイドカード等により球貸し等を行うことができるパチンコ機をいう。
【0017】
カード式パチンコ機は、いわゆるCR機と称され、図1に示すように、パチンコ機1とカード式球貸機21とによって構成されている。これらパチンコ機1とカード式球貸機21は、左右に並んで設置されるが、この場合、カード式球貸機21は、2台のパチンコ機1(左側のパチンコ機は図示せず)の間に位置して、右側のパチンコ機1の左側面側に位置する。
【0018】
このパチンコ機1は、所定量のパチンコ球を賞球として払い出す、いわゆる第一種パチンコ機である。また、このパチンコ機1では、後述する入賞口、図柄表示装置、電動役物及び、ゲート等の各種構造物が、遊技盤2上に配設されている。
その遊技盤2の下側には、賞球を受ける上部受け皿3が配設され、この上部受け皿3の下側には、スピーカ3aを内蔵したプレート4が配設されている。また、そのプレート4の下側には、下部受け皿5が配設される。また、下部受け皿5の右方側には、ハンドル6に連結された発射装置が配設されており、上部受け皿3の遊技球がその発射装置6a(図4参照)へ送られるように構成されている。
【0019】
一方、遊技盤2の前面側周囲には、遊技中のエラーを表示するエラー表示ランプ7が配設されている他に、「当たり」を表示する当たり表示ランプ8,8が配設されている。また、遊技盤2の前側は、ステンレス等の金属製枠を有するガラス扉9により被覆されており、ガラス扉9はその側方(左)側に設けられたヒンジ部材等を介して開閉自在に支持されている。
【0020】
そして、ヒンジ部材等の反対側(右)側に設けられた鍵穴9bに、遊技店の管理者等が鍵を挿入して回転操作して、ロックを解除することにより、ガラス扉9を前方側へ開くことができる。また、遊技盤2のガラス扉9の外側上方には、賞球及び球切れ表示ランプ10、10が設けられている。
【0021】
ここで、カード式球貸機21について説明すると、このカード式球貸機21の上下方向におけるほぼ中央には、カード挿入口22が配設されている。そのカード挿入口22の上方側には、カード利用可能表示ランプ23、端数表示スイッチ24、連結台方向表示25、及びカード挿入中表示ランプ26が下方に向かって順に配設されている。
そして、カード利用可能表示ランプ23が点灯しているときに、遊技者はカード挿入口22にカードを挿入することができる。また、端数表示スイッチ24は、挿入されたカードが100円未満の金額である旨を表示する。また、連結台方向表示25は、左右のパチンコ機1のいずれかを示すことにより、左右どちらのパチンコ機1が、球貸し処理をできるかを表示する。更に、カード挿入中表示ランプ26は、カードがカード挿入口22に挿入されている間点灯している。
【0022】
また、パチンコ機1の上部受け皿3の中央付近には、球貸し操作部11が配設されており、この球貸し操作部11には、度数表示12、貸出スイッチ13、貸出スイッチLED14、及び返却スイッチ15が配設されている。その球貸し操作部11の度数表示12は、カード残高を表示している。また、貸出スイッチLED14が点灯しているときに、貸出スイッチ13の操作が可能であり、この貸出スイッチ13の操作によって、遊技球の貸し出しが行われるが、貸し出される貸球は、後述する態様で、上部受け皿3に払い出される。
そして、遊技者が、そのパチンコ機1のパチンコ遊技を止めるときは、返却スイッチ15を操作することによって、そのカード挿入口22内に挿入されているカードの排出が行われる。
【0023】
ここで、パチンコ機1における遊技盤2上の遊技領域の構成について説明する。この遊技領域は、所定厚さの板材からなる遊技盤2上に入賞口などの各構造物が配設され、各構造物を囲むように環状のレール18が遊技盤2上に立設されている。このレール18は、発射されたパチンコ球を遊技領域内に案内する案内路を構成し、遊技盤2上の上方側部には、レール18に沿って打ち込まれるパチンコ球の進行を制限するための段差部16が設けられている。そして、その段差部16には、軸支された返しゴム(図示せず)が配設されている。
また、遊技領域のほぼ中央には、図柄表示装置を構成するLCD表示器19が遊技盤2の裏面側から前面側へ取り付けられている。このLCD表示器19は、変動図柄を表示するべく、複数の図柄変動表示部を構成する画面が左側、中央、右側に3分割された液晶パネルである。そして、LCD表示器19の左側、中央、右側にそれぞれ表示された図柄が変動しながら順番に停止し、全てが停止した状態が全体として所定の図柄(例えば「777」等)を構成する場合に、遊技者にとって有利な遊技状態である「いわゆる大当たり」となる。
また、LCD表示器19の上方または左右には、入賞口20a、20bが配設されており、これら入賞口20a、20bには、遊技盤2の裏面に設けられた賞球樋が連通されている。そして、この入賞口20a、20bに入ったパチンコ玉を検出する入賞口スイッチ(図示せず)が、遊技盤2の裏側に設けられており、入賞口20a、20bに入賞したことを入賞口スイッチ(図示せず)が検出すると、所定の個数の賞球が上部受皿3に排出されるように構成されている。また、LCD表示器19内の上方部には、変動図柄の始動回数を遊技者に知らせるための、変動図柄始動記憶表示器27が設けられている。
【0024】
また、LCD表示器19の下方には、第1種始動口28が配設されており、この第1種始動口28には、遊技盤2の裏面に設けられた賞球樋が連通されている。そして、この第1種始動口28に入ったパチンコ玉を検出する始動口スイッチ(図示せず)が遊技盤2の裏側に設けられており、この第1種始動口28に入賞して始動口スイッチが入賞したことを検出すると、LCD表示器19の変動図柄であるルーレットが回転して、所定の個数の賞球が上部受皿3に排出されるように構成されている。
また、LCD表示器19の左右上側には、各電飾ランプ29が設けられており、これら電飾ランプ29は、LCD表示器19の変動図柄が変動する際に点滅する。
また、各電飾ランプ29の左右下側には、各ゲート30が配設されている。このゲート30には、パチンコ球の通過を検出する検出スイッチ(図示せず)が備えられ、この検出スイッチがパチンコ球の通過を検出することにより、LCD表示器19と、入賞口20aとの間にある普通図柄表示器20が所定の数字等を表示するように構成されている。
また、各ゲート30の左右下側には、電飾ランプが施された下入賞口20cが配設されており、これら下入賞口20cには、遊技盤2の裏面に設けられた賞球樋が連通されている。そして、各下入賞口20cへの入賞を検出する下入賞口スイッチ(図示せず)が、遊技盤2の裏側に設けられ、下入賞口20cに入賞したことを下入賞口スイッチが検出すると、所定の個数の賞球が上部受皿3に排出されるように構成されている。
【0025】
そして、第1種始動口28の下方には、大入賞口30aを有する特別電動役物30bが配設されており、この大入賞口30aは、長い横幅を有するとともに開閉扉を備えている。そして、第1種始動口28又はゲート30にパチンコ球が入り、LCD表示器19の画面の、左側、中央、右側にそれぞれ表示された図柄が変動した後に、所定状態を達成した場合(例えば、777のように揃った場合等)に開閉扉が開かれるように構成されている。
この開閉扉には、遊技盤2の裏面に設けられた賞球樋が連通されており、大入賞口30a内には、開閉扉が開かれたときに入賞したパチンコ球の個数をカウントするための大入賞口カウントスイッチ(図示せず)が設けられている。そして、大入賞口カウントスイッチがカウントしたパチンコ球の個数に対応する分の所定の個数の賞球が上部受皿3に排出されるように構成されている。この場合、大入賞口30aの開閉扉は、25秒間経過又は10個のパチンコ球が入賞するまで大入賞口カウントスイッチにより検出されるまで開放される。
また、大入賞口30aの内部には、遊技者にとって有利な遊技状態に設定するための「いわゆるVゾーン」が仕切り形成されており、当該Vゾーンへの入賞検出用のVスイッチが設けられている。
【0026】
次に、図2及び図3において、パチンコ機1の背面側の構成について説明する。図2は実施形態に係るパチンコ機1全体を示した背面図である。図3はそのパチンコ機1の賞球及び貸球の払い出しに係る機構セット盤の要部を拡大した背面図である。
パチンコ機1は、図2に示すように、木製の外枠31に対して木製の内枠32がヒンジ部材等を介して開閉自在に取り付けられている。また、この内枠32のほぼ中央部には、遊技盤2を着脱自在に支持するための機構盤(図示せず)が取り付けられている。そして、この機構盤の裏側には、合成樹脂製の機構セット盤34が開閉自在となるように蝶番により取り付けられている。
【0027】
また、パチンコゲーム機1の裏側最上段には、上方に開口した賞球タンク35が機構セット盤34上に固定されている。その賞球タンク35の直上には、パチンコ球の補給装置36が配設されており、この補給装置36は、垂直にパチンコ球を賞球タンク35内に落下させるため、吐出部(図示せず)が設けられている。
その賞球タンク35には、パチンコ球を送るための、タンクレール37が取り付けられており、賞球タンク35の傾斜した底面に設けられた連通孔(図示せず)を介してパチンコ球をタンクレール37に落下させる。そのタンクレール37の内部には、図3に示すように、パチンコ球を1列に整列流出し、賞球ケース38へパチンコ球を送る通路が形成されている。
その賞球ケース38内には、パチンコ球を下方側へ案内する賞球案内部38Aが設けられている。この賞球案内部38Aには、パチンコ球搬送用の賞球通路39が形成され、この賞球通路39はパチンコ球を更に下流側へ1列で送る。
【0028】
尚、賞球ケース38内には、図3に明示するように、賞球通路39を通過するパチンコ球を確認する球有り検出スイッチ52と、パチンコ球の払い出しを調節する払い出しソレノイド51等とが装着されている。そして、これら賞球タンク35、タンクレール37、賞球案内部38A、賞球ケース38、球有り検出スイッチ52、及び払い出しソレノイド51等により賞球及び貸球の払い出しシステムが構成されている。
また、その賞球ケース38の下流側には、パチンコ球の排出部が形成され、入賞球を排出する入賞球排出通路40及び下皿排出路41が設けられている。その下皿排出路41は、下皿5内の賞球のオーバーフローを検出するための下皿オーバーフロースイッチ59を内蔵する。また、内枠32の裏側には、下部受皿ボックス42がボルトにより取り付けられており、下皿排出路41を介して上皿3から溢れたパチンコ球を受けて下皿5に案内する。これら下皿排出路41及び下部受皿ボックス42により下皿受け部を構成する。
【0029】
また、機構セット盤34の中央部に形成された開口部65(図3参照)には、遊技盤2の裏面を覆うカバー44が装着されている。このカバー44には、音発生回路が設けられた音声基板44a、ランプ照明回路が設けられたランプ基板44b及び図柄変動表示回路が設けられた表示基板44cが固着されており、更に、ランプ基板44bの下側には、カバーに覆われた主基板43が固着されている。この主基板43には、パチンコゲーム機1のメイン動作を制御する制御回路が設けられている。
これら主基板43、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cは、盤面機構部W2(図4参照)を構成しており、パチンコ機1の盤面2上の構造物等の相違により、パチンコ機1の機種毎に、構造物用のランプ及びCRT等の配置、種類、大きさ等が異なり、これら部品の共通化が困難である。
【0030】
そして、主基板43の下側には、遊技盤2の裏面に近接するように、賞球基板45が取り付けられており、この賞球基板45は、遊技盤2の裏面から離れて位置する主基板43の一部と重なり合っている。この賞球基板45には、入賞球排出ソレノイド57(図3参照)及び賞球貸球の払出装置61(図4参照)を駆動制御させるための制御回路が設けられている。また、賞球基板45の側方(右側)下方には、電源基板49が設けられている。
これら電源基板49及び賞球基板45は、この実施の形態の場合、枠機構部W1を構成しており、パチンコ機1の盤面2上の構造物等が相違しても、共通化しやすい部品からなり、大量生産によりコストの低減化を図りやすい。
【0031】
また、機構セット盤34の上方角部(図2中、右上角部)には、中継基板46が設けられており、この中継基板46は、パチンコゲーム機1とホールコンピュータをつなぐ機能を果たす。
また、機構セット盤34の最上側の賞球タンク35の底面外側の一端(底面の右端部外側)には、図3に示すように、賞球タンクスイッチ50が設けられている。この賞球タンクスイッチ50は、賞球タンク35内のパチンコ球の有無を検出し、パチンコ球無しを検出すると、その検出信号を主基板43Aに出力する。
【0032】
前記賞球ケース38内には、払出ソレノイド51、球有り検出スイッチ52の他に、払出カウントスイッチ53及び爪車54が設けられている。
具体的には、払出ソレノイド51の下方には、そのオン・オフ駆動により、所定の角度毎(実施形態では、約60度毎)に回転駆動される爪車54が配置されており、この爪車54は、パチンコ球を順次送り出すように回転自在に設けられる。また、爪車54へ送られるパチンコ球を検出するための球有り検出スイッチ52が、爪車54の上側に配設されている。また、払出カウントスイッチ53は、爪車54の下側に設けられており、パチンコ球の通過を検出すると、検出信号を主基板43Aに出力する。
【0033】
そして、排出ソレノイド51のオン・オフ駆動によって払い出されたパチンコ球は、下方に送られて賞球払出口60を介して上部受け皿3に送られる。この場合、上部受け皿3から溢れた賞球は、下皿排出路41を介して下部受皿ボックス42に送られる。
また、この下皿排出路41内の側方に配置された下皿オーバーフロースイッチ59は、下部受け皿5内の賞球のオーバーフローを検出するべく、このパチンコ球有りを検出すると、検出信号を主基板43Aに出力する。
【0034】
また、機構セット盤34の下方の内側には、パチンコ球の案内用の入賞球案内樋55が設けられている。この入賞球案内樋55は、各入賞口や始動口に入賞した入賞球は、二点鎖線矢印で示されるように、一列に整列されて下流側の入賞球排出カム58へ案内される。この入賞球排出カム58は、入賞球案内樋55側から送られる入賞球が1個入る凹部(図示せず)を、入賞球案内樋55側(図3の左端側)に形成しており、入賞球排出カム58は、この凹部に入ったパチンコ球を入賞球排出路40に送ることができるように回転自在に支持されている。
その入賞球排出カム58の遊技盤2側には、入賞球排出カム58の凹部に保持される入賞球の有無を検出するための、入賞球検出スイッチ56が取り付けられており、この入賞球検出スイッチ56は、パチンコ球有りを検出すると、検出信号を主基板43Aに出力する。
【0035】
また、入賞球排出カム58の他端縁(図3の右端)部には、この入賞球排出カム58を所定角度だけ回転させるための、入賞球排出ソレノイド57が装着されている。更に、入賞球排出カム58には、通常時に、入賞球排出カム58の他端縁部を下側に押し下げるためのバネ(図示せず)が取り付けられている。
そして、賞球基板45の制御に基づき、入賞球排出ソレノイド57がオン駆動され、入賞球排出カム58の他端縁部を引き上げる結果、入賞球排出カム58の凹部に保持されていた入賞球が、入賞球排出路40に1個排出される。
その後、入賞球排出ソレノイド57がオフ駆動することによって、入賞球排出カム58の他端縁部をバネによって押し下げる結果、再度、入賞球案内樋55側の凹部に入賞球が1個入り、この態様の繰り返しにより、入賞球が入賞球排出路40に1個ずつ順次排出される。
【0036】
これら入賞球案内樋55、入賞球検出スイッチ56、入賞球排出ソレノイド57、入賞球排出カム58、及び入賞球排出通路40等により入賞球排出システムが構成されている。また、払出ソレノイド51、球有り検出スイッチ52、及び爪車54等から構成される賞球貸球払出装置61が、賞球貸球払出手段として機能する。また、払出カウントスイッチ53が、払出球検出手段として機能する。また、入賞球検出スイッチ56が、入賞球検出手段として機能する。
【0037】
また、前記賞球ケース38の下側には、インターフェース基板48がカバーに覆われて取り付けられている。そして、インターフェース基板48のコネクタと、カード式球貸機21の背面のコネクタとが、接続コード(図示せず)により相互に接続される。
次に、実施形態に係るカード式パチンコ機の賞球及び貸球の払い出しに係る制御システムの構成について説明する。図4は実施形態に係るカード式パチンコ機の賞球及び貸球の払い出しに係る制御システムの概略を示すブロック図である。この制御システムは、図4に示すように、枠機構部W1と盤面機構部W2とからなる。
【0038】
その枠機構部W1は、賞球基板45の他に、内枠32等に取り付けられる補助部品、電気部品、付属部品等を備えるものであって、一般にパチンコ機1の種類が替わっても、賞球の払い出し等については同様の動作が行われるので、そのための部品は共通化しやすい。それに対し、盤面機構部W2は、遊技盤2に配設されたランプ等の点灯、LCD表示器19及び普通図柄表示器20等を表示させるためのものであり、パチンコ機1の種類毎に、部品の配置、種類、大きさ等が異なるので、部品の共通化が困難なものが多い。
【0039】
この場合、枠機構部W1は、図4に示すように、電源基板49、賞球基板45、賞球貸球の払出装置61、発射装置6aを備える他に、エラー表示ランプ7、表示ランプ8、賞球及び球切れ表示ランプ10等からなる枠ランプW3、更にスピーカ3aを備えている。一方、盤面機構部W2は、主基板43の他に、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cを備えており、更に、LCD表示器19及び普通図柄表示器20等からなる表示器W4を備える他に、電飾ランプ29等からなる盤面ランプW5を備えている。
もっとも、枠機構部W1及び盤面機構部W2の構成物は、必ずしも一義的ではなく、部品の共通化等の点を考慮して、パチンコ機1毎に変化する。
【0040】
最初に、枠機構部W1について説明する。
その電源基板49は、所定の電圧の電流を作るための基板であって、具体的には、AC(交流)24V(ボルト)を変圧するとともに整流する直流32V(ボルト)用の電源49aを設ける他に、AC(交流)24V(ボルト)を変圧するとともに整流する直流12V(ボルト)用の電源49b、更に、動作用電圧の一つとしての用いるため、AC24Vを変圧するとともに整流する直流5V(ボルト)用の電源49cを設ける。これら電源49b及び電源49cは、レギュレータ及びコンデンサー、抵抗を組み合わせた回路からなる。
また、電源基板49は、電源49cの電圧5V(ボルト)の直流が、停電等の電気事故によって電圧低下を招いた場合に、直流5Vのバックアップ電圧を供給するため、電源49cの直流5Vにより常に充電されるバックアップ電源49dを設ける。
その賞球基板45は、賞球の払い出し動作を制御するための基板であって、賞球払出回路として、その制御動作を所定の手順で実行することができるCPU83A、その動作プログラムデータを格納するROM83B、及びデータの書き込み及び読み出しを行うRAM83C、入出力装置(I/Oポート)83D及び電源監視回路83E等を装着している。
【0041】
次に、盤面機構部W2について説明する。
その主基板43は、パチンコ機1のメイン動作を制御するための基板であって、制御回路として、制御動作を所定の手順で実行することができるCPU43A、その動作プログラムデータを格納するROM43B、及びデータの書き込み及び読み出しを行うRAM43C、入出力装置(I/Oポート)43D等を装着している。
また、音声基板44aは、スピーカ3aから出力される効果音等の制御するための基板であって、音発生回路として、その制御動作を所定の手順で実行することができるCPU85A、その動作プログラムデータ及び効果音データ等を格納するROM85B、及びデータの書き込み及び読み出しを行うRAM85C、入出力装置(I/Oポート)85D等を装着している。
【0042】
更に、ランプ基板44bは、パチンコ機1の遊技盤2上の前記盤面ランプW5及び前記枠ランプW3を制御するための基板であって、ランプ照明回路として、その制御動作を所定の手順で実行することができるCPU86A、その動作プログラムデータ及び発光パターンデータ等を格納するROM86B、及びデータの書き込み及び読み出しを行うRAM86C、入出力装置(I/Oポート)86D等を装着している。
また、表示基板44cは、パチンコ機1の遊技盤2のLCD表示器19及び普通図柄表示器20を制御するための基板であって、図柄変動表示回路として、その制御動作を所定の手順で実行することができるCPU87A、その動作プログラムデータ及び表示パターンデータ等を格納するROM87B、及びデータの書き込み及び読み出しを行うRAM87C、入出力装置(I/Oポート)87D、画像デジタル処理(VDP)装置87E等を装着している。
【0043】
この場合、電源基板49の電源49cは、主基板43のCPU43A、ROM43B、RAM43C及び入出力装置43Dに、動作用電圧としての5V(ボルト)の電圧の直流を供給して、主基板43のCPU43A、ROM43B、RAM43C及び入出力装置43Dを正常に動作させる。
また、電源基板49の電源49cは、賞球基板45の電源監視回路83Eを介して、賞球基板45のCPU83A、ROM83B、RAM83C及び入出力装置83Dに、5V(ボルト)の電圧の直流を供給して、そのCPU83A、ROM83B、RAM83C及び入出力装置83Dを正常に動作させる。尚、動作用電圧の電圧低下を招いた場合に、バックアップ電源49dは、RAM83Cにバックアップ電圧を供給できる。
【0044】
ここで、電源基板49の電源49cが、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cに5V(ボルト)の電圧の直流を供給していない理由は、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cには、図示しない変圧器がそれぞれ設けられており、この変圧器によって、電源49bが供給する12V(ボルト)の直流を電圧5V(ボルト)の直流に変圧して、その変圧した直流を音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cのCPU85A〜87A、ROM85B〜87B、RAM85C〜87C、及び入出力装置85D〜87Dに供給して、正常な動作を行わせ得るからである。
【0045】
また、電源49bは、主基板43、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cに、電圧の12V(ボルト)の直流を供給して、主基板43、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cに設けられたセンサ類等を作動させる。また、電源49bは、払出装置61に12Vの電圧の直流を供給して、払出装置61に設けられたセンサ類を作動させる。
また、電源49aは、AC24Vを変圧して直流32Vを作り、払出装置61に設けられたモータ類を作動させる。
また、AC24Vは、払出装置61に直接に供給され、この払出装置61に設けられたモータ類を駆動させ、更に、カード式球貸機21に直接に供給され、このカード式球貸機21を駆動させる。
【0046】
また、主基板43のCPU43Aは、RAM43C、ROM43B及び入出力装置43Dに接続されており、その入出力装置43Dは、賞球基板45、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cの入出力装置83D、85D〜87Dに接続されている。それにより、主基板43のCPU43Aは、賞球基板45、音声基板44a、ランプ基板44b及び表示基板44cのCPU83A、85A〜87Aとの間で信号を伝達することができる。
また、賞球基板45のCPU83Aは、電源監視回路83E、RAM83C、ROM83B及び入出力装置83Dに接続されており、その入出力装置83Dは、発射装置6a、払出装置61及びカード式球貸機21に接続されている。それにより、賞球基板45のCPU83Aは、発射装置6a、払出装置61及びカード式球貸機21との間で信号を伝達することができる。
【0047】
音声基板44aのCPU85Aは、RAM85C、ROM85B及び入出力装置85Dに接続されており、その入出力装置85Dは、スピーカ3aに接続されている。それにより、音声基板44aのCPU85Aは、入出力装置85Dを介してスピーカ3aを制御することができ、このスピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等を出力する。
また、ランプ基板44bのCPU86Aは、RAM86C、ROM86B及び入出力装置86Dに接続されており、その入出力装置86Dは、枠ランプW3及び盤面ランプW5に接続されている。それにより、ランプ基板44bのCPU86Aは、入出力装置86Dを介して、枠ランプW3及び盤面ランプW5を制御することができ、これら枠ランプW3及び盤面ランプW5は、遊技者の興味を起こすようにランプを点灯することができる。
更に、表示基板44cのCPU87Aは、RAM87C、ROM87B、入出力装置87D及び画像デジタル処理(VDP)装置87Eに接続されており、その画像デジタル処理装置87Eは、表示器W4のLCD表示器19に接続されている。それにより、表示基板44cのCPU87Aは、画像デジタル処理装置87Eを介して、表示器W4のLCD表示器19を制御することができ、この表示器W4は、遊技者の興味を起こす映像を表示することができる。
【0048】
このように実施の形態に係るパチンコ機1の場合、主基板43にCPU43A等、賞球基板45にCPU83A等、音声基板44aにCPU85A等、ランプ基板44bにCPU86A等及び表示基板44cにCPU87A等を備えているが、これらCPU43A、83A、85A乃至87A等の機能は、必ずしも同等でない。すなわち、CPU43A、83A、85A乃至87Aの演算処理速度、及びROM43B、83B、85B乃至87B等の記憶容量等に差異があって、主基板43のCPU43A等の機能が、その他のCPU83A、85A乃至87A等の機能より劣ることが多い。そのため、主基板43上のCPU43Aの負担を軽減して、その負担を他のCPU83A、85A乃至87Aが負担するのが、パチンコ機1全体の処理能力を向上させるには望ましい。
そのため、主基板43のCPU43Aを動作させるためのROM43Bに記憶されるプログラム量、及びRAM43Cに記憶されるデータ量を減らして、その分例えば表示基板44cのCPU87Aを動作させるためのROM87Bに記憶されるプログラム量、及びRAM87Cに記憶されるデータ量を増加させて、パチンコ機1全体の処理能力を向上させるのが望ましい。
【0049】
次に、貸し球を行う際の動作について説明する。
賞球基板45のCPU83Aは、先ずカード式球貸機21から所定個数の貸球の払い出しを指令する貸球払出指令を入力しているか否かを判定する。具体的には、遊技者が貸出スイッチ13を操作した際に、その操作に基づいた貸球要求信号が、カード式球貸機21から、賞球基板45の入出力装置83Dを介してCPU83Aに対して入力されるので、賞球基板45のCPU83Aは、貸球要求信号が入力されたか否かを判定できる。賞球基板45のCPU83Aは、貸球要求信号を入力したと判定した場合には、必要に応じて、貸球要求信号を主基板43のCPU43Aに通知する。
そして、賞球基板45のCPU83Aは、ROM83Bに格納されている制御プログラムに従って設定貸球数を計算してRAM83Cに格納後、払出装置61を駆動して、貸球として1個パチンコ球を払い出す。その際に、賞球基板45のCPU83Aは、払い出し完了の検出信号を確認しながら、払い出される貸球の個数をカウントする。
【0050】
例えば、所定のパチンコ球(例えば100個のパチンコ球)を貸し球として払い出す際に、現在の総払い出し残個球データが、RAM83Cに記憶される。その球貸し動作の実行中において、賞球基板45のCPU83Aは、パチンコ球1個の払い出しを行って、払い出し完了の検出信号により確認する毎に、既に貸し出したパチンコ球数のデータを1個加算してRAM83Cに記憶する他に、総払い出し残個球のデータを1個減算して、現在の総払い出し残個球情報として、RAM83Cに記憶する。
そして、賞球基板45のCPU83Aは、必要に応じて、既に貸し出したパチンコ球数のデータ、及び、これから貸し出すパチンコ球数のデータの和を計算して、貸し出し動作が正しいことを確認する。
【0051】
そして、賞球基板45のCPU83Aは、払い出された貸球のカウント個数が、予めRAM83Cに格納されている設定貸球数(例えば100個のパチンコ球)になったか否かを判定し、払い出された貸球のカウント個数が設定貸球数になっていない場合には、払い出し処理を続行する。一方、設定貸球数になった場合には、賞球基板45のCPU83Aは、払出装置61による貸球の払い出しを停止し、必要に応じて、貸球の払い出し終了を主基板43のCPU43Aに通知する。
【0052】
次に、賞球の払い出し動作について説明する。
主基板43のCPU43Aは、ROM43Bに記憶されている動作プログラムデータに従って、例えば各入賞口への入賞を検出した場合、各入賞データ、及び、大当たり等の遊技データ等をRAM43Cに記憶する。但し、主基板43上のCPU43A等の負担を軽減するべく、主基板43上のRAM43Cに記憶するデータを減らして、賞球基板45及び表示基板44cのRAM83C及びRAM87Cに記憶させ、賞球基板45及び表示基板44cのCPU83A及びCPU87Aを動作させる。
【0053】
この場合、主基板43上のCPU87Aからトリガ信号等を入力する賞球基板45のCPU83Aは、各入賞口毎に入賞個数のデータを、賞球基板45のRAM83Cに記憶させる。具体的には、賞球基板45のCPU83Aは、各入賞口毎に入賞個数のデータを、賞球基板45のRAM83Cから読み出して、入賞個数のデータに1を加算して、再度、加算した入賞個数のデータを、RAM83Cに記憶させる入賞加算処理を実行する。
反対に、賞球の払い出しの際に、賞球基板45のCPU83Aは、入賞個数のデータをRAM83Cから読み出し、その入賞個数のデータから1を減算して、再度、減算した入賞個数のデータを賞球基板45のRAM83Cに記憶させる入賞減算処理を実行する。
【0054】
その後、賞球基板45のCPU83Aは、所定の賞球(例えば15個とか5個の賞球)を払い出すことを命じる賞球数データを払出装置61に出力する。その際、賞球基板45のCPU83Aが、入賞に対して払い出される賞球個数データを、設定賞球数(例えば15個とか5個)としてRAM83Cに格納する。
そして、賞球基板45のCPU83Aは、ROM83Bに格納されている制御プログラムに従って、払出装置61の駆動を開始し、その払出装置61は、所定の入賞球(例えば15個とか5個のパチンコ球)を払い出す。その際に、賞球基板45上のCPU83Aが、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aにトリガ用制御信号T4(図8参照)を出力して、賞球基板45上のCPU83Aの動作開始を、そのトリガ用制御信号T4を入力したランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aの動作開始と同期させる。
【0055】
かかる払い出しの際、賞球基板45のCPU83Aは、賞球として1個パチンコ球が払い出されたことを確認しながら、払出装置61により払い出された賞球の個数をカウントし、この払い出された賞球のカウント個数が、RAM83Cに格納されている設定賞球数になったか否かを判定する。
ここで、払い出された賞球のカウント個数が設定賞球数になっていない場合には、賞球基板45のCPU83Aは、払出装置61により払い出される賞球の個数のカウントを継続し、払出装置61の駆動を続行する。その際、賞球基板45上のCPU83Aが、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aにトリガ用制御信号T4(図8参照)を出力する。
【0056】
この払い出し動作(例えば15個のパチンコ球)の実行中において、賞球基板45のCPU83Aは、既に払い出したパチンコ球数(例えば5個のパチンコ球)のデータ、及び、これから払い出すパチンコ球数(例えば10個のパチンコ球)のデータの双方を、球情報(内部情報)として、RAM83Cに記憶させる。
そして、例えば15個のパチンコ球を賞球として、賞球払い出し動作を実行する場合には、賞球基板45のCPU83Aは、1個払い出す毎にRAM83Cから双方データを読み出し、既に払い出したパチンコ球数のデータに1を加算するとともに、これから払い出すパチンコ球数のデータから1を減算して、双方のデータをRAM83Cに記憶させ、更に、払い出すパチンコ球数のデータ、及び、既に払い出したパチンコ球数のデータの双方の和が、所定の払い出し総数(15個)であることを確認する。
【0057】
そして、払い出された賞球のカウント個数が、設定賞球数になった場合には、賞球基板45のCPU83Aは、必要に応じて、主基板43のCPU43Aに対して、賞球の払い出しを停止した旨の指令を出力する。その後、賞球基板45のCPU83Aは、払出装置61の駆動を停止して、処理を終了する。
【0058】
次に、主基板43、賞球基板45、ランプ基板44b、音声基板44a及び表示基板44c上のCPU43A、CPU83A、CPU85A、CPU86A及びCPU87Cの動作について、図5乃至図10に基づいて説明する。ここで図5は、主基板43から表示基板44cへ指令するトリガ信号T1、及び動作開始した後次のトリガ信号T1が入力される前に、表示基板44cからランプ基板44b及び音声基板44aへ出力するトリガ用制御信号T2の流れを示すブロック図である。図6は、主基板43から賞球基板45へ出力するトリガ信号T3の流れを示し、更に賞球基板45から表示基板44cへ、その表示基板44cからランプ基板44b及び音声基板44aへ出力するトリガ用制御信号T4の流れを示すブロック図である。
【0059】
また、図7は、主基板43、表示基板44c、ランプ基板44b及び音声基板44aの動作を示すタイミングチャートである。図8は、主基板43、賞球基板45、音声基板44a及び表示基板44cの動作を示すタイミングチャートである。図9及び図10は、主基板43、ランプ基板44b、音声基板44a及び表示基板44cの各回路動作の概要を示すフローチャートであって、図9(a)は主基板43上の制御回路の動作を示し、図9(b)は表示基板44c上の図柄変動用の表示回路の動作を示し、図10(a)はランプ基板44b上のランプ照明回路の動作を示し、図10(b)は音声基板44a上の音声回路の動作を示す。
【0060】
最初に、主基板43上のCPU43Aは、図9(a)に示すように、トリガ信号T1を出力し(S1)、次のトリガ信号T1を出力するか否かを判断する(S2)。S2でYESの場合、主基板43上のCPU43Aは次のトリガ信号T1を出力し(S3)、S2でNOの場合、主基板43上のCPU43Aは待機する。
一方、表示基板44c上のCPU87Aは、図9(b)に示すように、トリガ信号T1を入力した(S10)後に、トリガ用制御信号T2(T2a)を出力する(S11)。そして、表示基板44c上のCPU87Aは、LCD表示器19の表示画面変動を開始させる(S12)。
【0061】
また、ランプ基板44b上のCPU86Aは、図10(a)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2a)を入力する(S21)。そして、ランプ基板44b上のCPU86Aは、LCD表示器19の表示画面変動動作の開始と同期して、枠ランプW3及び盤面ランプW5の点灯動作を開始する(S22)。
また、音声基板44a上のCPU85Aは、図10(b)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2a)を入力する(S31)。そして、音声基板44a上のCPU85Aは、LCD表示器19の表示画面変動動作の開始と同期して、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等を発生する(S32)。
【0062】
この場合の信号の流れを示すと、主基板43上のCPU43Aが、図5に示すように、LCD表示器19の表示画面変動の際の動作開始時に表示基板44c上のCPU87A、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aにトリガ信号T1を出力した後、表示基板44c上のCPU87Aが、次のトリガ信号T1を入力する前、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aにトリガ用制御信号T2(T2a、T2b、T2c、T2d、T2e、T2f)を出力する。
【0063】
それにより、主基板43上のCPU43Aが、LCD表示器19の表示画面変動の際の動作開始時に、表示基板44c上のCPU87Aに、図5に示すように、トリガ信号T1を出力し、その後、表示基板44c上のCPU87Aが、図7に示すトリガ用制御信号T2aを、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aに出力して制御する結果、図7に示すように、表示器W4の表示動作、枠ランプW3及び盤面ランプW5の点灯動作Aa、及びスピーカ3aの効果音等の発生動作Baが同時に行われる。すなわち、LCD表示器19の画面の、左側、中央、及び右側の図柄変動表示部にそれぞれ表示された図柄の変動を開始し、同時に、枠ランプW3及び盤面ランプW5は、遊技者の興味を起こすように表示ランプ8の点灯を開始し、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等の発生を開始する。
【0064】
その後、表示基板44c上のCPU87Aが、図9(b)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2b)を出力した(S13)後、LCD表示器19の画面の左側(第1図柄)を停止させる制御を行う(S14)。また、ランプ基板44b上のCPU86Aは、図10(a)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2b)を入力した(S23)後に、LCD表示器19の表示画面変動動作と同期して、枠ランプW3及び盤面ランプW5の点灯動作を継続する(S24)。
また、音声基板44a上のCPU85Aは、図10(b)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2b)を入力した(S33)後に、LCD表示器19の表示画面変動動作と同期して、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等の発生を継続する(S34)。
【0065】
その結果、表示基板44c上のCPU87Aが、図7に示すトリガ用制御信号T2bを、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aに出力して制御することにより、例えばLCD表示器19の画面の左側(第1図柄)を停止させるのに対し、同画面の中央(第2図柄)、同画面の右側(第3図柄)に表示された図柄変動を継続し、更に、枠ランプW3及び盤面ランプW5は、遊技者の興味を起こすように表示ランプ8の点灯動作Abを行い、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等の発生動作Bbを続ける。
【0066】
その後、表示基板44c上のCPU87Aが、図9(b)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2c)を出力した(S15)後、LCD表示器19の画面の中央側(第2図柄)を停止させる制御を行う(S16)。また、ランプ基板44b上のCPU86Aは、図10(a)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2c)を入力した(S25)後に、LCD表示器19の表示画面変動動作と同期して、枠ランプW3及び盤面ランプW5の点灯動作を継続する(S26)。
また、音声基板44a上のCPU85Aは、図10(b)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2c)を入力した(S35)後に、LCD表示器19の表示画面変動動作と同期して、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等の発生を継続する(S36)。
その結果、表示基板44c上のCPU87Aが、図7に示すトリガ用制御信号T2cを、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aに出力して制御することにより、例えばLCD表示器19の画面の左側(第1図柄)及び同画面の中央(第2図柄)を停止させるのに対し、同画面の右側(第3図柄)に表示された図柄変動を継続し、更に、枠ランプW3及び盤面ランプW5は、遊技者の興味を起こすように表示ランプ8の点灯動作Acを行い、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等の発生動作Bcを続ける。
【0067】
その後、表示基板44c上のCPU87Aが、図9(b)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2d)を出力した(S17)後、LCD表示器19の画面の右側(第3図柄)を一時停止させる制御を行い(S18)、所定回数だけ(この場合2回)S17に戻る(S19)。また、ランプ基板44b上のCPU86Aは、図10(a)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2c)を入力した(S27)後に、LCD表示器19の表示画面変動動作と同期して、枠ランプW3及び盤面ランプW5の点灯動作を継続し(S28)、所定回数だけ(この場合2回)S27に戻る(S29)。
【0068】
また、音声基板44a上のCPU85Aは、図10(b)に示すように、トリガ用制御信号T2(T2d)を入力した(S37)後に、LCD表示器19の表示画面変動動作と同期して、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等の発生を継続し(S38)、所定回数(この場合2回)だけS37に戻る(S39)。
その結果、表示基板44c上のCPU87Aが、図7に示すトリガ用制御信号T2d(T2e、T2f)を、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aに出力して制御することにより、例えばLCD表示器19の画面の左側(第1図柄)及び同画面の中央(第2図柄)を停止させ、同画面の右側(第3図柄)に表示された図柄変動を一旦停止させ、更に、枠ランプW3及び盤面ランプW5は、遊技者の興味を起こすようにランプの点灯動作Ad(Ae、Af)を行い、スピーカ3aは、遊技者の興味を起こすような効果音等の発生動作Bd(Be、Bf)を続ける。
【0069】
それにより、主基板43上のCPU43Aは、次のトリガ信号T1を出力する前に、従来の場合と異なって、表示基板44c上のCPU87Aが、同期をとるべく、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aに対して出力するようなトリガ用制御信号T2を、主基板43上のCPU43Aが出力しないため、主基板43上のCPU43Aの負担を軽減することができる。
また、次のトリガ信号T1を入力する前、表示基板44c上のCPU87Aが、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aにトリガ用制御信号T2a、T2b、T2c、T2d、T2e、T2fを出力して制御することができるので、表示基板44c上のCPU87Aの動作開始及び動作停止、音声基板44a上のCPU85Aによる効果音等の発生及び停止、更にランプ基板44b上のCPU86Aによる表示ランプ8の点灯及び点滅で時間差が生じにくい。
【0070】
特に、この実施の形態の場合、主基板43上のCPU43Aは、動作開始時に前記表示基板44c上のCPU87Aにトリガ信号T1のみを出力するので、主基板43上のCPU43Aの負担を軽減することができる。
【0071】
そして、表示基板44c上のCPU87Aが、最初のトリガ信号T1を入力した後、次のトリガ信号T1を入力する前、前記ランプ基板44b上のCPU86A及び前記音声基板44a上のCPU85Aにトリガ用制御信号T2a、T2b等を出力するので、トリガ用制御信号T2a、T2b等を出力した表示基板44c上のCPU87Aの動作は、そのトリガ用制御信号T2a、T2b等を入力したランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aの動作開始と確実に同期して開始する。それにより、表示基板44c上のCPU87Aの動作開始及び動作停止、音声基板44a上のCPU85Aによる効果音等の発生及び停止、更にランプ基板44b上のCPU86Aによる表示ランプ8の点灯及び点滅で時間差がなくなり、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない。
【0072】
また、主基板43上のCPU43Aが、図8に示すように、賞球基板45上のCPU83Aにトリガ信号T3(T3a)を出力するものの、次のトリガ信号T3(T3b)を出力する前、表示基板44c上のCPU87Aがトリガ用制御信号T4(T4a)を出力する。そして、賞球基板45上のCPU83Aのトリガ信号T3(T3b)の出力後に、表示基板44c上のCPU87Aが、図8に示すランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aにトリガ用制御信号T4(T4b)を出力する。
かかる賞球基板45上のCPU83Aの動作が、そのトリガ用制御信号T4(T4a、T4b)を入力したランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aの動作開始と同期して開始するので、賞球基板45上のCPU83Aの動作開始及び動作停止、音声基板44a上のCPU85Aによる効果音等の発生及び停止、更にランプ基板44b上のCPU86Aによる表示ランプ8の点灯及び点滅で時間差がなくなり、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない。
【0073】
以上詳細に説明した通り、この実施形態に係るパチンコ機1によれば、パチンコ機用ランプW3、W5の点灯等を制御するためのランプ基板44b上のCPU86A等の制御回路と、パチンコ球の入賞の際の効果音等を発生する音声基板44aのCPU85A等の制御回路と、パチンコ機用の盤面2上に設けられたLCD表示器19を制御する表示基板44cのCPU87A等の制御回路と、これらランプ基板44bのCPU86A等の制御回路、音声基板44aのCPU85A等の制御回路、及び、表示基板44cのCPU87A等の制御回路を制御する主基板43上のCPU43Aの制御回路とを少なくとも備える。
そのパチンコ機1において、主基板43上のCPU43A等の制御回路は、動作開始時に表示基板44cのCPU87A等の制御回路にトリガ信号T1を出力した後、次のトリガ信号T1を入力する前、表示基板44cのCPU87A等の制御回路が、音声基板44aのCPU85A等の制御回路及び前記ランプ基板44bのCPU86A等の制御回路にトリガ用制御信号T2(T2a、T2b等)を出力して制御するので、LCD表示器19の画面の左側(第1図柄)、中央(第2図柄)、及び右側(第3図柄)の動作開始時からその動作停止までの時間、表示基板44c上のCPU87A、ランプ基板44b上のCPU86A及び音声基板44a上のCPU85Aが確実に同期して動作する。
【0074】
そして、表示基板44c上のCPU87Aが、次のトリガ信号T1を入力する前、前記ランプ基板44b上のCPU86A及び前記音声基板44a上のCPU85Aにトリガ用制御信号T2(T2a、T2b等)を出力するので、表示基板44c上のCPU87Aの動作開始及び動作停止、音声基板44a上のCPU85Aによる効果音等の発生及び停止、更にランプ基板44b上のCPU86Aによるランプの点灯及び点滅で時間差がなくなり、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない。
【0075】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論であり、以下のようにしてもよい。例えば、パチンコ機としては、上記第1種パチンコ機に限らず、例えば第2種パチンコ機、第3種パチンコ機に適用しても良い。また、カード式パチンコ機以外の通常のパチンコ機において、この発明を実施してもよい。
また、主基板43から表示基板44c、ランプ基板44b及び音声基板44aへの指令、及び、表示基板44cからランプ基板44b及び音声基板44a等への指令ついては、LCD表示器19の表示画面変動を1例として列挙したにすぎず、それ以外の態様(例えば大当たり等)においても同様な動作が行われる。
【0076】
また、他の実施の形態としては、図11に示すように、CPU80及びメモリ81を含む制御回路が、スピーカ82aを駆動制御する音発生回路82と、枠ランプ及び盤面ランプ83aを駆動制御するランプ照明回路83と、図柄変動表示装置84aを駆動制御する図柄変動表示回路84とに接続された状態で、CPU80及びメモリ81を含む制御回路、音発生回路82、ランプ照明回路83及び図柄変動表示回路84を一枚の基板85上に設けてもよい。この場合、賞球回路を設けた賞球基板(図示せず)及び主基板(図示せず)が基板85と別体となって、この賞球回路及び主基板の制御回路から、CPU80及びメモリ81を含む制御回路に駆動信号が出力されることになる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した通り、請求項1に係るパチンコ機によれば、主基板上の制御回路が前記図柄変動表示回路にトリガ信号を出力した後、図柄変動表示回路が、ランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力して制御することができるので、主基板上の制御回路は、同期を取るために図柄変動表示回路が出力するようなトリガ用制御信号を図柄変動表示回路、ランプ照明回路及び音発生回路に出力しないため、主基板上の制御回路の負担を軽減することができる。また、図柄変動表示回路が、ランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力して制御することができるので、従来技術と異なり、同期が取りやすく、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差が生じにくい。
従って、主基板上の制御回路の負担を軽減するとともに、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差をできるだけ少なくして、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない、優れたパチンコ機を提供することができる。
【0078】
また、請求項2に係るパチンコ機によれば、図柄変動表示回路の動作は、図柄変動表示回路がランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力した後に、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始するので、図柄変動表示装置の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差がなくなり、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない。
【0079】
また、請求項3に係るパチンコ機によれば、主基板上の制御回路は、賞球払出回路にトリガ信号を出力して制御し、このトリガ信号を入力した賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、そのトリガ用制御信号を入力した図柄変動表示回路が、更に前記ランプ照明回路及び前記音発生回路にトリガ用制御信号をそれぞれ出力するので、賞球払出回路の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差が生じにくい。また、主基板上の制御回路は、トリガ信号を賞球払出回路に出力し、図柄変動表示回路が出力するようなトリガ用制御信号を賞球払出回路に出力しないため、制御回路の負担を軽減することができる。
【0080】
更に、請求項4に係るパチンコ機によれば、賞球払出回路の動作は、賞球払出回路が、図柄変動表示回路にトリガ用制御信号を出力し、そのトリガ用制御信号を入力した図柄変動表示回路が、更にランプ照明回路及び音発生回路にトリガ用制御信号を出力した後に、そのトリガ用制御信号を入力したランプ照明回路及び音発生回路の動作開始と同期して開始するので、賞球払出回路の動作開始及び動作停止、音発生回路による効果音等の発生及び停止、更にランプ照明回路によるランプの点灯及び点滅で時間差がなくなり、パチンコ機遊技者が遊技に違和感を感じることがない。
【0081】
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】
この実施形態に係るカード式パチンコ機全体を示した正面図である。
【図2】
実施形態に係るパチンコ機の背面図である。
【図3】
実施形態に係るパチンコ機の賞球及び貸球の払い出しに係る機構セット盤の要部を拡大した背面図である。
【図4】
実施形態に係るパチンコ機に係る制御システムの概要を示すブロック図である。
【図5】
実施形態に係るパチンコ機の信号の流れの概略を示すブロック図である。
【図6】
実施形態に係るパチンコ機の主基板の制御回路から賞球回路へ、その賞球回路から表示回路へ、及び表示回路からランプ照明回路及び音声回路へ指令する信号の流れを示すブロック図である。
【図7】
実施形態に係るパチンコ機の主基板の制御回路、表示回路、ランプ回路及び音声回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】
実施形態に係るパチンコ機の主基板の制御回路、賞球回路、ランプ回路、音声回路及び表示回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】
実施形態に係るパチンコ機の動作を示すフローチャートであって、(a)は主基板の制御回路の概略動作を示すフローチャート、(b)は表示回路の動作を示すフローチャートである。
【図10】
実施形態に係るパチンコ機の動作を示すフローチャートであって、(a)はランプ照明回路の概略動作を示すフローチャート、(b)は音声回路の概略動作を示すフローチャートである。
【図11】
他の実施形態に係るパチンコ機の主基板の制御回路、表示回路、ランプ回路及び音声回路のブロック図である。
【図12】
従来のパチンコ機に係る制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・パチンコ機
2・・・遊技盤
3a・・・スピーカ
3・・・上皿
5・・・下皿
28・・・第1種始動口
30a・・・大入賞口
43・・・主基板
44a・・・音声基板
44b・・・ランプ基板
44c・・・表示基板
45・・・賞球基板
43A、83A、85A、86A、87A・・・CPU
43C、83C、85C、86C、87C・・・RAM
43B、83B、85B、86B、87B・・・ROM
49・・・電源基板
W1・・・枠機構部
W2・・・盤面機構部
T1、T3・・・トリガ信号
T2(T2a、T2b等)、T4・・・トリガ用制御信号
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