JP2001120282A - ポリクローナルおよびモノクローナルオリゴ体(合成オリゴヌクレオチドに基づく抗体様試薬)およびオリゴ体の作成方法 - Google Patents

ポリクローナルおよびモノクローナルオリゴ体(合成オリゴヌクレオチドに基づく抗体様試薬)およびオリゴ体の作成方法

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JP2001120282A JP2000252476A JP2000252476A JP2001120282A JP 2001120282 A JP2001120282 A JP 2001120282A JP 2000252476 A JP2000252476 A JP 2000252476A JP 2000252476 A JP2000252476 A JP 2000252476A JP 2001120282 A JP2001120282 A JP 2001120282A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】抗体と同等の用途に有用なオリゴ体試薬とその
作成法の提供。 【解決手段】高親和性でなく高特異性に基づく方法によ
り選択される天然又は誘導体化オリゴヌクレオチドを含
んでなる、合成オリゴヌクレオチドに基づく抗体様試薬
又はオリゴ体であって、多くの用途で天然のポリクロナ
ール又はモノクロナール抗体のように作用するユニーク
な能力を有し、未変性及び/又は変性タンパク質の両方
の認識に関与するするすべての用途(例えば、ウエスタ
ンブロット、免疫沈降、免疫組織染色、放射免疫定量
法、ELISA、疾患のための薬剤、診断のためのミク
ロトレイなど)に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(関連出願への相互参照)本出願は、20
00年5月19日に出願の米国仮出願第60/205,
238号(1999年8月26日出願のアルゼンチン出
願第990104272号に基づく)に基づく優先権を
主張する。
【0002】(発明の分野)本発明は、合成抗体様試薬
(以降「オリゴ体」と呼ぶ)およびこれを効率的に調製
するための方法に関する。この試薬は、未変性または変
性タンパク質に対して非常に高い特異性を有する、オリ
ゴヌクレオチドの組合せライブラリーから選択される2
本鎖または1本鎖オリゴヌクレオチドにより構成され
る。この試薬は、先行技術において既知のどの合成試薬
にも存在しない特徴である、免疫ブロッティング、免疫
組織染色および免疫沈降のような種々の用途において、
モノクローナルまたはポリクローナル抗体の代替物とし
ての効力が証明された。
【0003】(発明の背景)タンパク質の検出、単離お
よび精製では、タンパク質を未変性または変性型のいず
れかで認識する抗体の能力が利用される。しかし、必要
な抗体、特にモノクローナル抗体は、これらの抗体の入
手および精製のための方法が一般に時間と費用がかかる
ために、必ずしも容易に利用できるとは限らない。さら
に、抗体を開発するために、免疫系に認識させるべき分
子は、「抗原性」である必要があり、すなわち外来タン
パク質として免疫系に認識される必要があり、これはよ
くある状況ではない。一方抗体はかさ高く、これは組織
へのこれらの拡散および腫瘍のような標的へのこれらの
利用可能性に影響するだけでなく、免疫原性反応の引き
金になりうる性質である。これらの要因は、特に、抗体
の治療的応用に影響しこれを限定する。
【0004】したがって、「合成抗体」、すなわちウェ
スタンブロット、免疫組織染色、免疫沈降などのような
測定法において抗体のように作用することができる、動
物、哺乳動物細胞、免疫系などを必要とせずに得られる
合成分子を開発できれば、非常に有益である。研究と診
断の重要な道具であること以外に、これらの分子はさら
に、癌または自己免疫過程のような疾患における免疫療
法のための方法の効率を改善する助けとなろう。
【0005】高い親和性でタンパク質を認識する試薬を
調製するために、最近いくつかの方法が着想および応用
されている。これらの方法は、オリゴヌクレオチドでは
ない標的(例えばタンパク質、低分子、代謝物)に結合
するある種のオリゴヌクレオチド(DNAまたはRN
A)の能力に基づいている。これらの試薬は、ランダム
配列の領域を含む組合せ合成から誘導される配列を有す
る、1本鎖の集団から構成され、4つの塩基(A、C、
G、およびT)の混合物を合成の各工程に添加すること
により得られる。このように、数十億の異なるコンホメ
ーション(約10 14個)を有しており、そのいくつか
は、高い親和性で標的に結合することができる、1本鎖
オリゴヌクレオチドのライブラリーまたはコレクション
が得られる。この領域における最初の研究は、ツエルク
(Tuerk)とゴールド(Gold)(ツエルク(Tuerk)とゴ
ールド(Gold)(1990)「指数関数的濃縮によるリガン
ドの系統的進化:バクテリオファージT4 DNAポリ
メラーゼに対するRNAリガンド」, Science, 249:505
-10)、エリントン(Ellington)とゾスタック(Szosta
k)(エリントン(Ellington)とゾスタック(Szosta
k)(1990)「特異的リガンドに結合するRNA分子の
インビトロ選択」, Nature, 346:818-22)およびブラッ
クウェル(Blackwell)とヴァイントラウプ(Weintrau
b)(ブラックウェル(Blackwell)とヴァイントラウプ
(Weintraub)(1990)「結合部位選択により現れるM
yoDおよびE2Aタンパク質複合体のDNA結合優先
における差と類似性」, Science, 250:1104-10)により
行われた。
【0006】ある標的に対して親和性を有するこれらの
ライブラリーのメンバーを選択するための方法を、ラリ
ー・ゴールド(Larry Gold)と共同研究者達(ツエルク
(Tuerk)とゴールド(Gold)(1990)「指数関数的濃
縮によるリガンドの系統的進化:バクテリオファージT
4 DNAポリメラーゼに対するRNAリガンド」,Sci
ence, 249:505-10)は、セレックス(SELEX)と呼び;
一方エリントン(Ellington)と共同研究者達(エリン
トン(Ellington)とゾスタック(Szostak)(1990)
「特異的リガンドに結合するRNA分子のインビトロ選
択」, Nature, 346:818-22)は、これらの試薬を「アプ
タマー(aptamers)」と呼んだ。簡単に述べると、ラン
ダムコア配列を有するオリゴヌクレオチドの混合物を、
一般には固体支持体に結合した標的分子で刺激する。標
的に親和性を有するこれらのオリゴヌクレオチドの結合
後、洗浄工程を利用して、低親和性または親和性のない
オリゴヌクレオチドを廃棄することにより、高い親和性
を有するものを選択および分離することができる。次に
結合した高い親和性のオリゴヌクレオチドを標的から分
離して、ライブラリーの5’および3’末端両方の固定
配列に対して相補的な配列を含む前進および逆進プライ
マーを用いることによりPCR増幅する。この方法によ
って、2本鎖オリゴヌクレオチドの多数のコピーが得ら
れる。次にこれらの鎖は、いくつかの異なる方法を使用
することにより分離して、多数のコンホメーションの1
本鎖分子として標的に再度結合させることができる。こ
のサイクルを数回繰り返すことにより、各工程において
標的に対する高い親和性を有するアプタマーの量を増大
させることができる。この一般法のいくつかの変法が、
引用文献に言及される。
【0007】しかしセレックス(SELEX)により得られ
る結果は、未だ満足のいくものではない。最初の研究の
10年後でさえ、約150種の異なる分子に対する限ら
れた量のアプタマーしか得られていない。例としては、
トロンビン(ボック(Bock)ら(1992)「ヒトトロンビ
ンに結合してこれを阻害する1本鎖DNA分子の選
択」, Nature, 355:564-6)、セレクチンP(ジェニソ
ン(Jenison)ら(1998)「P−セレクチン−依存性好
中球−血小板接着のオリゴヌクレオチドインヒビタ
ー」, Antisense Nucleic Acid Drug Dev., 8:265-7
9)、VEGF(ジェリネック(Jellinek)ら(1994)
「血管内皮増殖因子に対する高親和性RNAリガンドに
よる受容体結合の阻害」, Biochemistry, 33:10450-6;
ラックマン(Ruckman)ら(1998)「165アミノ酸型
の血管内皮増殖因子(VEGF165)に対する2’−
フルオロピリミジンRNAに基づくアプタマー。エクソ
ン7がコードするドメインを必要とする相互作用によ
る、受容体結合およびVEGF誘導性血管透過性の阻
害」, J. Biol. Chem., 273:20556-67);インターフェ
ロンγ(バラスブラマニアン(Balasubramanian)ら(1
998)「インターフェロン−ガンマ−阻害性オリゴデオ
キシヌクレオチドはインターフェロン−ガンマのコンホ
メーションを変化させる」, Mol. Pharmacol., 53:926-
32;リー(Lee)ら(1996)「オリゴヌクレオチドはイ
ンターフェロン−ガンマのシグナル伝達をブロックす
る」, Transplantation, 62:1297-301;クービック(Ku
bik)ら(1997)「受容体結合を阻害する、ヒトIFN
−ガンマに対する2’−フルオロ−、2’−アミノ−、
および2’−フルオロ−/アミノ−修飾RNAリガンド
の単離と性状解析」,J. Immunol., 159:259-67);CD
4(デイヴィス(Davis)ら(1998)「フローサイトメ
トリーのための2’−F−ピリミジン−含有RNAアプ
タマーによる細胞表面ヒトCD4の染色」, Nucleic Ac
ids Res., 26:3915-24;クラウス(Kraus)ら(1998)
「CD4抗原に結合してCD4+Tリンパ球機能を阻害
することができる新規なRNAリガンド」, J. Immuno
l., 160:5209-12);ズブチリシン(タケノ(Takeno)
ら(1999)「ズブチリシンのプロテアーゼ活性を特異的
に阻害するRNA分子の選択」, J. Biochem., 125:111
5-9);肝炎からのプロテアーゼNS3(クマール(Kum
ar)ら(1997)「相補的ランダムRNAのプールからの
C型肝炎ウイルスのNS3タンパク質に特異的なRNA
アプタマーの単離」, Virology, 237:270-82;アーヴィ
ル(Urvil)ら(1997)「C型肝炎ウイルスのNS3プロ
テアーゼに特異的に結合するRNAアプタマーの選
択」, Eur. J. Biochem., 248:130-8);エラスターゼ
(デイヴィス(Davis)ら(1996)「フローサイトメト
リーにおける高親和性DNAリガンドの使用」, Nuclei
c Acid Res.,24:702-6;チャールトン(Charlton)ら
(1997)「ヒト好中球エラスターゼのアプタマーインヒ
ビターを使用する炎症のインビボイメージング」, Che
m. Biol., 4:809-16;ブレス(Bless)ら(1997)「肺
炎症性損傷における好中球エラスターゼのアプタマーイ
ンヒビターの保護作用」, Curr. Biol., 7:877-80);
HIV−1ウイルスのいくつかのタンパク質(ボイジア
ウ(Boiziau)ら(1997)「HIV−1 TAR成分の
インビトロ転写のためのDNA鋳型に対するアプタマー
の同定」, Antisense Nucleic Acid Drug Dev., 7:369-
80;アレン(Allen)ら(1996)「特異的なRNA構造
モチーフはHIV−1ヌクレオキャプシドタンパク質
(NCp7)による高親和性結合を仲介する」, Virolo
gy, 225:306-15;バーグランド(Berglund)ら(1997)
「HIV−1ヌクレオキャプシドタンパク質に関する高
親和性結合部位」, Nucleic Acid Res., 25:1042-9;ボ
イジアウ(Boiziau)ら(1999)「HIV−1トランス
−活性化−応答性RNA成分に対して選択されたDNA
アプタマーはRNA−DNAキッシング複合体を形成す
る」, J. Biol. Chem., 274:12730-7;ギヴァー(Give
r)ら(1993)「HIV−1Revに対する高親和性R
NAリガンドの選択と設計」, Gene, 137:19-24;ジェ
ンセン(Jensen)ら(1994)「HIV−1 Revタン
パク質に対するインビトロで選択したRNAリガンドの
性状解析」, J. Mol. Biol., 235:237-47;マロッツィ
(Marozzi)ら(1998)「Tatタンパク質によるHI
V−1 TAR変種のインビトロ選択」, J. Biotechno
l., 61:117-28;シュナイダー(Schneider)ら(1995)
「1型ヒト免疫不全ウイルスの逆転写酵素の高親和性s
sDNAインヒビター」, Biochemistry, 34:9599-61
0;ツエルク(Tuerk)とマクドガル−ウォー(MacDouga
l-Waugh)(1993)「機能性核酸のインビトロ進化:H
IV−1タンパク質の高親和性RNAリガンド」, Gen
e, 137:33-9);低分子、例えばアデノシン(バーク(B
urke)とゴールド(Gold)(1997)「S−アデノシルメ
チオニンのアデノシン残基に対するRNAアプタマー:
セレックス(SELEX)の主題と再現性における変化から
の構造の推理」, Nucleic Acids Res., 25:2020-4;ヒ
ュイゼンガ(Huizenga)とゾスタック(Szostak)(199
5)「アデノシンとATPに結合するDNAアプタマ
ー」, Biochemistry, 34:656-65)、ドーパミン(マニ
ロニ(Mannironi)ら(1997)「ドーパミンRNAリガ
ンドのインビトロ選択」, Biochemistry, 36:9726-34)
などを含む。
【0008】多少異なる方策を用いて、スー(Xu)とエ
リントン(Ellington)は、タンパク質Revの断片に
対応する合成ペプチドにセレックス(SELEX)を応用し
た(スー(Xu)とエリントン(Ellington)(1996)
「抗−ペプチドアプタマーはアミノ酸配列を認識してタ
ンパク質エピトープに結合する」, Proc. Natl. Acad.S
ci. USA., 93:7475-80)。10サイクルの選択後、タン
パク質Revに結合できるRNAが得られた。しかし、
このタンパク質は天然にRNAに結合するため、この結
果が一般化できるかどうかを知ることは困難であった。
さらに、特異性は納得のゆくように証明されなかった。
ゲルシフト測定法を使用して特異性を証明したが、タン
パク質の混合物(例えば核抽出物、細胞質ゾルなど)で
はなく、ゲルシフトで通常行われるようにわずかな他の
純粋なタンパク質を使用して行った。さらに、ウェスタ
ンブロットは行わなかった。したがって、使用した方法
は、納得のゆくように特異性を証明しなかった。ここ
で、このことがアプタマーまたはセレックス(SELEX)
に関するどの研究にも共通の、非常に重大な限界である
ことに注意することが重要である。すなわちタンパク質
に対して選択された試薬の特異性は、抗体のための適切
な方法(例えば、総タンパク質の混合物を使用して準備
されたウェスタンブロット、または免疫組織染色または
免疫沈降)では明白に証明されていない。
【0009】したがって、タンパク質−オリゴヌクレオ
チド高親和性に基づく先行技術の方法では、未変性また
は変性された任意の標的タンパク質に対して抗体と同等
な試薬は産生されていないし、また、このようなアプタ
マーの特異性も納得のゆく証明がされていない。さら
に、これまで報告された方法は、時間と手間がかかり、
一般に10サイクル〜25サイクルの選択/増幅を必要
とし、選択の方法中にセンス鎖とアンチセンス鎖の分離
を必要とする。さらに、セレックス(SELEX)方法後に
これらの試薬を得るためには、純粋で未変性型の標的タ
ンパク質を持つ必要があり、そして最終産物は、未変性
タンパク質のみを認識する(ヴァイス(Weiss)ら(199
7)「RNAアプタマーはプリオンタンパク質PrPと
特異的に相互作用する」, J. Virol., 71:8790-7)必要
があり、このことが別の重大な限界である。全体とし
て、セレックス(SELEX)法の有効性は、10年後にな
っても、セレックス(SELEX)方法により得られた試薬
は、非常に要求の厳しい抗体市場を侵略はおろか探索さ
えしていないという事実により充分に明らかになってい
る。
【0010】(発明の要約)先行技術の問題点は、合成
ペプチド、合成オリゴヌクレオチド、PCR、および最
も重要なことに「標的スイッチング」と命名された方策
(これは、主として親和性よりむしろ特異性に基づく選
択を意味する)の利用を組合せる本発明により克服され
る。こうして産生された試薬は、そのオリゴヌクレオチ
ドの性質とその抗体としての挙動のために「オリゴ体」
と呼ばれる。利点の1つは、本発明は一般にわずかに4
サイクルまたは5サイクルの選択/増幅しか必要としな
いことである。さらに、得られる試薬は、非常に高い特
異性が証明されており、これはウェスタンブロット、免
疫組織染色および免疫沈降を用いて、初めて検証されて
いる。増幅後にDNA鎖の分離を必要とせず、そして合
成ペプチドを使用するため、最終的な標的を純粋な形で
得る必要がない。さらに、本法は免疫系とは独立してい
るため、「抗原性」領域を必要とすることなくタンパク
質の異なる領域に対して「モノクローナルオリゴ体」ま
たは「ポリクローナルオリゴ体」を産生することが可能
である。本発明のオリゴ体が標的タンパク質の「抗原
性」領域に限定されないという事実は、従来の抗体にま
さる重要な利点である。対応するペプチドを合成しかつ
標的タンパク質に対するオリゴ体を調製することが可能
であるためには、タンパク質(またはADNまたはAR
N)の一部の配列を知ることが必要なだけである。オリ
ゴ体は、放射性同位体またはビオチンの結合のようなオ
リゴヌクレオチドを標識するための任意の従来法で標識
することができる。
【0011】本発明は「オリゴ体」を説明し、そしてこ
れらを組合せライブラリーから効率的に入手するための
方法を含む。オリゴ体はその特異性と応用に関して抗体
と類似した性質を有する。本発明で説明されるオリゴ体
を入手するための方法は、純粋なタンパク質を必要とし
ない。さらに本方法はまた、データベースから得られる
対応するDNAまたはRNA配列からの部分的コード配
列を知ることまたは単に推測すること、そしてそのタン
パク質を発現する組織の非常に粗い調製物を有すること
で充分であるため、目的のタンパク質が精製されていな
い状況にも応用可能である。
【0012】本発明の方策は、「一時的標的」として標
的タンパク質の断片に対応する合成ペプチドを使用する
こと、およびこの合成ペプチドを認識できるオリゴヌク
レオチドの最初の選択を行うことである。次に検出可能
な結合が得られた後(これは、通常わずか1または2サ
イクルの選択/PCR増幅後に起こる)、合成ペプチド
(一時的標的)を「最終標的」(これは、好ましくはタ
ンパク質の非常に粗い調製物として存在する)で置き換
える。この方策は、「標的スイッチング」と呼ばれるよ
うに、標的タンパク質に特異的なオリゴ体を入手するた
めに非常に重要である。必要であれば、特異性の改善が
もはや得られなくなるまで、最終標的で新しいサイクル
の選択が繰り返されるが、これは通常わずか2または3
選択サイクル後に起こる。こうしてオリゴ体(すなわ
ち、抗体と非常に類似した挙動を示す試薬)は、合成ペ
プチドと、最終的標的タンパク質を含むタンパク質混合
物を使用することにより得られる。さらに本発明によ
り、CPD1についての図4および例4に示されるよう
に、そのADN配列の断片から推測されるタンパク質に
対する「オリゴ体」を調製することができる。タンパク
質CPD1は、これまで実験室で精製されておらず、従
って良好なモデル系である(ジーンバンク(GenBank)
受け入れ番号U89345)。
【0013】本発明の方法において、「一時的標的」と
して合成ペプチドを使用することによるライブラリーサ
ブセットの最初の選択、およびこれに続く「標的スイッ
チング」は非常に重要である。合成ペプチドを使用する
ことにより選択されるサブセットは、標的のスイッチン
グ後、未変性、変性または両方の形の「最終標的」を認
識することができる。これは、液相または固相において
多数のコンホメーションを取る合成ペプチドの能力によ
り促進される(クロダ(Kuroda)ら(1994)「モンテカ
ルロ(Monte-Carlo)シミュレーションにより試験した
水溶液中のエンドセリン−1のC末端のコンホメーショ
ン」, FEBS Lett., 355:263-6;リー(Li)ら(1995)
「環境および/または1次配列の微調整によるペプチド
コンホメーションの操作」, Biopolymers, 35:667-75)
が、これらのいくつかは、未変性または変性標的タンパ
ク質に存在するコンホメーションを有する。特異性は、
この新しいサブセットから、標的のスイッチング後、数
千のタンパク質の混合物と一緒の最終標的の存在のため
に得られる(ウェスタンブロット、ゲルシフトなど
で)。
【0014】本発明は、タンパク質を認識するための試
薬の製造において重要な革新を導入し、未変性および変
性タンパク質の両方の認識を初めて可能にする。さら
に、ウェスタンブロット、免疫組織染色および免疫沈降
のような、以前は合成試薬に対して予め除外されており
抗体だけに制限されていた方法を使用することにより、
本発明のオリゴ体の特異性が初めて明瞭に証明された。
【0015】何らかの型の最終標的を認識できるオリゴ
体を産生する必要に応じて、最終標的は、未変性または
変性型の形で存在しなければならない。あるいは、両方
の形が認識できる試薬が開発されるなら、両方の形の混
合物により構成されていてもよい。合成ペプチドの使用
も重要である。また標的のコンホメーションの空間が、
セレックス(SELEX)のように、未変性タンパク質に許
されるほとんど暴露されない適切なコンホメーションに
制限されていないため、これにより純粋なタンパク質の
必要性が回避され、試薬の入手に成功する確率が増大す
る。当然ながら、未変性タンパク質中で合成ペプチドの
配列が塞がれているならば、オリゴ体は変性タンパク質
だけを認識し未変性タンパク質を認識しない可能性もあ
る。このため、表面に暴露されるであろう標的タンパク
質中の領域を同定または予測することができるある種の
コンピュータプログラムを使用すること、および「一時
的標的」として対応する合成ペプチドを使用することが
推奨される。
【0016】一方、本方法にはさらに別の利点がある。
例えば、ペプチド中の抗原性領域は必要とされないた
め、本方策は免疫系とは独立である。その代わり、オリ
ゴ体は、標的タンパク質中の特異的領域に対して、また
はあるファミリーのタンパク質を同定しようとするなら
ばコンセンサス配列に対して、またはユニークな配列な
どに対して得ることができる。
【0017】さらに本発明の1つの変法では、各サイク
ルにおいて一時的にせよ鎖を分離する必要なく、特異的
結合領域を得ることができる。このための方策は、結合
後に抽出される産物の最初の指数関数的増幅の実施、続
いて標識ヌクレオチドの存在下での線状増幅(または1
つだけのプライマーを使用する不斉PCR)である。こ
の方法を使用することにより、センスおよびアンチセン
ス鎖を分離する面倒な方法を回避しながら、1つの標識
鎖のみを得ることができる。
【0018】あるいは、鎖は、迅速な加熱と冷却により
一時的に分離することができる。しかし時に、選択され
るオリゴヌクレオチドの高い解離温度(Tm)が、この
単純な操作の利用を妨害する。
【0019】本発明はまた、別の非常に重要な変法を含
む。最初の増幅/選択サイクル後に高分子量種の形成が
観察された。これらの種は、各サイクルにおいてサイズ
が大きくなり、最終的には選択が不可能になる。この問
題は、指数関数的増幅後、アガロースゲルにおける分離
を使用して、各サイクルにおいて得られる産物を精製す
ることにより克服されている。次に、以後のPCR増幅
ではさらなるポリマー形成は観察されないが、未だ理由
は不明であるが、分子量は時に最初のライブラリーサイ
ズの1倍または2倍増大する。しかし、サイズが1倍ま
たは2倍大きいこれらの種は、結合に関しては完全に能
力がある。
【0020】望ましくない高分子量ポリマーの形成を回
避するための代替方策は、PCR増幅工程で使用される
前進および逆進プライマーのサイズを増大させることで
ある(最初のライブラリーにおいて、これは必要でな
い)。32量体(前進)プライマーおよび38量体(逆
進)プライマーによって、高分子量ポリマーがうまく回
避されることが証明された。別の代替法は、エンド/エ
キソヌクレアーゼ活性を回避するために、配列中に誘導
体化オリゴヌクレオチドを使用することであり、この方
策は、未だ理由は不明であるが、PCR増幅中の望まし
くないポリマーの形成を阻害する(結果は示していな
い)。
【0021】言及した種々の方策の中で最も重要なもの
(これは本発明の成功への鍵である)は、高親和性より
むしろ高特異性に基づく選択の使用であった。従来他の
研究者が使用した方法は、特異性は当然高親和性に至る
ことを仮定して、主として多数回の選択を実施して非常
に親和性の高いサブセットを探索することである(イー
トン(Eaton)ら(1995)「特異的なものを獲得しよ
う:特異性と親和性の間の関係」, Chem. Biol., 2:633
-8、を参照のこと)。しかしこの先行技術の仮定は、正
しくない。例えば、アプタマーは低分子を認識すること
ができるため、ペプチド鎖中のアミノ酸アルギニンを非
常に高い親和性で認識するオリゴヌクレオチドを単離す
ることができる。しかし、このオリゴヌクレオチドは、
表面に暴露されたアルギニンを有する大部分のタンパク
質、および混合物中のほぼ全ての変性タンパク質を認識
することは間違いない。したがってこのアプタマーはア
ルギニンに対する高い親和性を有するであろうが、非常
に非特異的でもある。一方本発明は、中程度の親和性で
タンパク質に結合するオリゴヌクレオチドでも非常に特
異的でありうるという事実を利用する。実際このこと
は、多数のモノクローナル抗体について起こり、これら
は中程度の親和性であるが高い特異性を有する。こうい
う理由で、本発明において使用される主要な方策は、最
初の工程で親和性にあまり注目することなく、可能な限
り即座に、非常に特異的な種を捜す選択を行うことであ
る。従って、検出可能なシグナルを有するのに充分な最
小数のサイクルを一時的標的で実施し、選択標的を即座
に、タンパク質の混合物中に存在する最終標的にスイッ
チングして、親和性ではなく主として特異性に関して選
択する。特異的結合が得られて初めて親和性に注目し
て、特異性の高いクローンから検出目的に充分な親和性
を有するクローンを選択する。すなわち、本発明の方策
は、セレックス(SELEX)または類似の方法で利用され
たものとはちょうど逆であり、後者では高親和性種を捜
し、多数回のサイクルの選択/増幅を実施する。このよ
うな選択が一旦行われると、ライブラリー(および性
質)の最も重要な特色である多様性が、小さくなるかま
たは消失する。そこで、高親和性を示すもののサブセッ
トから特異的な試薬を捜すことは既に遅すぎる。親和性
よりむしろ特異性に関する選択という本発明の方策によ
り我々は、10年以上の間他の研究者にも非常に大きな
困難を克服する合成(オリゴヌクレオチドに基づく)抗
体または「オリゴ体」を初めて作りだすことが可能にな
ったため、この方策は非常に重要である。
【0022】セレックス(SELEX)方法に内在するもう
1つの困難さは、得られた高親和性化合物は必ずコンホ
メーションが非常に限定されており、このため標的のコ
ンホメーションの小さな変更でも結合が破壊されてしま
うことである。セレックス(SELEX)方法が未変性タン
パク質または小さな硬直した低分子だけに有用であった
のは、恐らくこのためであろう。
【0023】1.要約すると、本発明の利点は下記を含
む:(1)非常に少数回のサイクルの選択/増幅しか必
要としない:通常合成ペプチドでは2回、そしてタンパ
ク質の混合物では2回か3回。すなわち、先行技術の方
法で通常必要とされる10回〜25回に比較して、最大
4回か5回のサイクルしが必要でない。(2)標的タン
パク質は純粋である必要がない。それどころか、好まし
くは非常に粗調製物として使用するのがよい。この性質
により、たとえ標的タンパク質が未だ精製されていない
としても、データベースから推測される配列を持つタン
パク質に対してオリゴ体を作ることができる。また、こ
の方法を使用して、3つの可能性ある枠に対するオリゴ
体を合成し、次にどれが実際に天然に存在するかを決定
することにより、正しい読み枠を求めることが可能であ
る。(3)各増幅工程後、鎖を永久に分離させることを
必要としない。単に加熱/冷却またはpH変更と中和に
より一時的に分離を行うか、あるいは鎖の一方を過剰に
得るための線状増幅を行うことを要するだけである。こ
のことは、選択中にも、さらには最終産物についても真
である。しかし試料の加熱後の希釈は、再結合を回避す
るために注意深く試験すべきであり、そしてTmは適切
である必要がある。Tmが高すぎると、鎖を分離するた
めの異なる方法が必要となる。(4)モノクローナル抗
体に比較して、「オリゴ体」は、迅速な設計と製造、低
コスト、高親和性(nM範囲)、免疫系からの独立(標的
が抗原性である必要がない)および良好な拡散性(天然
の抗体より少なくとも5倍小さい)という利点がある。
この最後の性質は、モノクローナル抗体では標的への近
づきやすさが限定されているために失敗してきた腫瘍や
他の疾患の治療において、うまく使用できる確率を改善
する。オリゴ体は、その抗原性には無関係に、標的タン
パク質の異なる領域に対して、容易に製造することがで
きる。(5)診断、遺伝子発現研究などにおいて使用す
るため、DNAについて使用されるものと同様なチップ
を容易に製造することができる。
【0024】したがって、本発明は、オリゴ体、これら
を入手するための方法、およびこれまで抗体が使用され
てきた用途におけるオリゴ体の使用に関する。(発明の
詳細な説明)
【0025】本発明は、天然のまたは変性型のタンパク
質を非常に特異的に認識するユニークな能力と、測定法
(ウェスタンブロット、免疫組織染色、および免疫沈降
を含むが、これらに限定されない)で抗体として挙動す
るユニークな能力を有する分子を含んでなる、ランダム
配列のオリゴヌクレオチドのライブラリーを使用して得
られる「オリゴ体」すなわち結合試薬を得る方法であっ
て、
【0026】i)ランダムコア配列を含有するオリゴヌ
クレオチドのライブラリーを合成し、このライブラリー
を前進プライマーと逆進プライマーを使用してPCRに
より指数関数的に増幅し(合成中に現れる末端切断型を
最少にする方法);次に、増幅したライブラリーを精製
し、精製した生成物を1つのプライマーのみを使用する
線状または不斉PCR増幅に供し; ii)工程i)で得られた線状に増幅した生成物を、標的
タンパク質の領域に対応する合成ペプチドで作成した
「一時的標的」とともにインキュベートする。好ましく
は合成ペプチドは固体マトリックスに結合しているが、
液相への結合も使用でき、次に当該分野で公知のいくつ
かの方法のうち任意のものを使用して結合種と遊離種と
を分離する; iii)標的に結合したオリゴヌクレオチドを洗浄し、次
に溶出して、一時的標的に特異的に結合するオリゴヌク
レオチドを選択し; iv)次に、工程iii)で選択したオリゴヌクレオチドを
PCRにより指数関数的に増幅し、増幅した生成物を精
製し、そして次に、精製した生成物を、標識物質の存在
下で1つのプライマーのみを使用する線状PCR増幅に
供し; v)検出可能な結合が得られるまで工程ii)、iii)お
よびiv)を繰り返して、一時的標的に結合した選択され
たオリゴヌクレオチドを回収する。典型的には工程i
i)、iii)およびiv)は、1回または2回のみ繰り返せ
ばよい; vi)「最終標的」を含有するタンパク質の混合物により
合成ペプチドまたは「一時的標的」を変化させ(標的ス
イッチング)、工程vで回収したオリゴヌクレオチドを
最終標的とともにインキュベートし、最終標的に特異的
に結合するオリゴヌクレオチドを選択し; vii)工程Vi)で選択したオリゴヌクレオチドをPCR
により指数関数的に増幅し、増幅生成物を精製し、そし
て次に、精製した生成物を1つのプライマーのみを使用
する線状PCR増幅に供し、線状増幅されたオリゴヌク
レオチドを回収し; viii)標的分子について特異的結合がもはや得られなく
なるまで工程vi)とvii)を繰り返し、得られた特異的
に結合したオリゴヌクレオチド(これは、「ポリクロー
ナルオリゴ体」を構成する)を採取する;これらの特異
的結合オリゴヌクレオチドまたはポリクローナルオリゴ
体はPCR増幅することができ、ベクター−T(プロメ
ガ社(Promega Corp.))のような適当なベクターに連
結し、クローン化し、スクリーニングし、精製して、一
定の規定配列を有する「モノクローナルオリゴ体」を得
ることができる。このモノクローナルオリゴ体は、次に
PCR増幅、プラスミド消化、またはオリゴヌクレオチ
ド合成機を使用する完全な化学合成により、有用な量で
得ることができる。
【0027】オリゴ体を得る方法を図1に要約する。こ
の方法の異なる工程を調節するために、線状PCR増幅
工程の間、32P標識ヌクレオチドを使用してオリゴヌク
レオチドを標識する。オリゴヌクレオチドはまた、ビオ
チン化のような他の方法により問題無く標識することも
できる。こうして最後の工程で得られるポリクローナル
オリゴ体は、ウェスタンブロット、ドットブロット、免
疫組織染色、および免疫沈降(後者では、例えばビオチ
ン標識を使用する)のために直接使用することができ
る。あるいは、選択方法の最後に、オリゴヌクレオチド
プローブを標識するために通常使用される任意の他の方
法(例えば、ビオチン化し、ジゴキシゲニンまたは蛍光
性化合物に結合した塩基で、ターミナルトランスフエラ
ーゼを使用し、2次プローブでハイブリダイゼーション
など)によりオリゴ体を標識することができる。ビオチ
ン標識は、免疫沈降、親和性カラム、疾患の治療などに
特に有用である。当該分野で公知の他に多くの標識法が
ある。図7は、最後の増幅工程でビオチン化プライマー
(前進プライマー)を加えて標識したモノクローナルオ
リゴ体の例を示す。
【0028】一時的標的として使用される合成ペプチド
を設計するために、標的タンパク質の一部の断片がわか
っていなければならない。読みとり枠(読みとり枠)も
公知であることが好ましいが、必ずしも必要ではない。
読みとり枠が不明なら、3つの読みとり枠に対応するペ
プチドを合成し、それぞれ別々に試験することが必要で
あろう。対応する配列が入手できないなら、一時的標的
として純粋なタンパク質を使用しなければならないであ
ろう。
【0029】未変性のタンパク質を認識できるオリゴ体
を開発することが目的であり、充分な配列情報が入手で
きるなら、抗原性部位を予測するのに有用な任意のソフ
トウェアを使用して、一時的標的として使用される断片
を選択することが便利である。こうして、オリゴ体に認
識される未変性のタンパク質の確率を上昇させることが
できる。これは、予測された「抗原性領域」が通常分子
の表面にあるためであり、これらが「抗原性」であるた
めではない。というのは、前記したように、本発明の方
法は免疫系とは独立しているため抗原性が必要ないから
である。抗原性領域を予測するために適したコンピュー
タープログラムの例の1つは、ジェニティックコンピュ
ーターグループ(Genetic Computer Group)(オックス
フォードモレキュラー(Oxford Molecular)、www.gcg.
com)のGCGパッケージである。一時的標的ペプチド
は、最近のペプチド合成機の古典的固相法を使用して合
成することが好ましい。
【0030】例1 実験法 オリゴ体を得るための方法を図1に要約する。
【0031】オリゴヌクレオチドライブラリーの合成と
増幅 一般に、PCR増幅ライブラリーを得るために3つのオ
リゴヌクレオチドが必要である。1つは前進プライマー
であり、これは約20〜40塩基の非ランダム配列を含
有する。第2は、逆進プライマーであり、これもまた、
同様の非ランダム配列を含有する。第3は、組合せライ
ブラリー(combinatorial library)であり、これは、
前進プライマーに対応する配列と、その後に長さが異な
る(通常30〜80塩基)ランダムコア配列と、その後
に逆進プライマーに相補的な別の非ランダム配列を含有
する。前進(または逆進)プライマーは、随時ビオチン
に結合して、鎖の分離を促進したり、またはオリゴヌク
レオチドの標識を促進する。本例で使用したオリゴヌク
レオチドは、以下のものである:
【0032】 オリゴ1(前進プライマー、領域5’):5’−CTG
CAGCCGCGGGGATCCT−3’(配列番号
1) オリゴ2(逆進プライマー、領域3’):5−GCCA
CTAAGCTTGAATTCGACTAGA−3’
(配列番号2) オリゴ3(ライブラリー):5−CTGCAGCCGC
GGGGATCCN56TCTAGTCGAATTACA
AGCTT AGTGGC−3(配列番号3)、 ここで、N56はランダムポリヌクレオチドコアライブラ
リー配列である。もちろんこれらのオリゴヌクレオチド
は、単なる例であり、誘導体化オリゴヌクレオチドやプ
ライマー配列を使用して、本発明から逸脱することな
く、その長さまたは組成を変更することができる。興味
深いことに誘導体化オリゴヌクレオチドは、例えばビオ
チン化を使用すると、理由は不明であるが、好ましくな
い高分子量ポリマーの形成を避けることが観察された
(結果は示していない)。まだ誰も、これらの好ましく
ない高分子量ポリマーの形成を報告していないことに注
目されたい。
【0033】合成後、プライマーのみがHPLCで精製
される。100量体(またはこれより長い)オリゴヌク
レオチドが選択されているため、合成中の収率は低い。
生成物の大部分は、末端切断型副産物からなり、PCR
増幅前の未成熟HPLC精製は、末端切断型のみを生じ
るであろう。不純物を除去するために、対応するプライ
マー(オリゴ1とオリゴ2)でPCRを使用して、ライ
ブラリーを増幅することが必要である。この増幅工程と
その後のアガロースゲルでの精製を使用して、最終ライ
ブラリーが得られる。
【0034】ライブラリー増幅と標識 元々のライブラリーを増幅するために我々は以下のプロ
トコールを使用した:
【0035】元々のライブラリーを増幅するために以下
のプロトコールを使用した。元々の凍結乾燥オリゴヌク
レオチドを、DNAseを含有しない水の中で最終濃度
100μMに溶解した。
【0036】プライマー、オリゴ1:25μMのストッ
ク溶液4.8μl(最終濃度1.2μM) プライマー、オリゴ2:25μMのストック溶液4.8
μl(最終濃度1.2μM) Taqポリメラーゼ:5U/μlのストック溶液1μl
(最終濃度0.05U/μl) 鋳型、オリゴ3:10μMのストック溶液10μl(最
終濃度5μM) 緩衝液:緩衝液10×(KCl 500mM、トリス−
塩酸 100mM 25℃でpH9.0、トリトン−X
100 1%)10μl MgCl2:25mMのストック溶液6μl(最終濃度
1.5mM) DNAseを含有しない水、63.5μl(最終容量1
00μl) 塩基(DNTPs):25mMのストック溶液1.0μ
l(各DNTPの最終濃度0.25mM) 標識物:1.5×106cpm((α−32P)dCTP、3
000Ci/mmol、NEG513H、NEN)。
【0037】増幅は、以下のようにプログラムしたサイ
クルを使用して行った: 最初のサイクル:94℃で5分 35サイクル:94℃で30秒、50℃で30秒、72
℃で60秒 最後の伸長:72℃で5分
【0038】これらのパラメータは、元々のライブラリ
ーの長さ(すなわち、省略される最終長さなど)に従っ
て最適化することができる。
【0039】こうして、ランダム配列を含む2本鎖が得
られた。これらの鎖は、他の研究者が記載したように、
最初の測定法で永久分離を行った。以後、一般に鎖の永
久分離は必要ではないことが発見され、従って、しばし
ば一時的分離のみを使用した(図5と6を参照)。最後
に、線状(不斉)増幅を使用すると、この場合PCR産
物は1つの鎖のみを有するため、鎖の一時的分離は必要
ないことが観察された。従って、これは増幅に使用する
のに好適な方法であった。
【0040】はじめに、鎖を分離するために、ボック
(Bock)ら(ボック(Bock)ら(1992)「ヒトトロ
ンビンに結合してこれを阻害する1本鎖DNA分子の選
択」,Nature, 355:564-6)が記載した方法を若干変更し
て行った。ビオチン化プライマー2の存在下でPCR増
幅と標識後、2つの鎖を、ストレプトアビジンマグネス
フィア(MagneSphere)常磁性ビーズ(プロメガ社(Pro
mega Corp.))を使用して分離した。2本鎖は、ビオチ
ン化プライマーを含有する末端を介してアビジンに結合
する。次に他の鎖を、0.15N NaOHを使用して
溶出する。詳細な方法は以下の通りである。
【0041】85μlのPCR増幅産物を、85μlの
水(蒸留し、オートクレーブで滅菌した)と85μlの
ストレプトアビジンマグネスフィア(MagneSphere)常
磁性ビーズとに混合した。スラリーを室温で10分イン
キュベートした。次に、磁性ラック(プロメガ社(Prom
ega Corp.))を使用して、ビーズを溶液から分離し、
上清を廃棄した。ビーズを220μlずつの0.1%S
SCで数回洗浄した。最後にビーズを73μlの0.1
5N NaOHに再懸濁し、1分後再度分離し、上清を
回収した。0.15N NaOHによる抽出をもう一度
繰り返し、46μlの0.2M NaAcを加えて上清
を中和した。こうして1本鎖オリゴヌクレオチドが得ら
れ、次にこれを、最初に「一時的標的」を含有するニト
ロセルロース膜と、次に「最終標的」を含有するニトロ
セルロース膜とインキュベートした。
【0042】本発明のオリゴヌクレオチドの選択をスト
レプトアビジンマグネスフィア(MagneSphere)常磁性
ビーズを使用して説明したが、両方の鎖を分離するのに
他の方法を使用できることも理解されたい。例えばcD
NAをプラスミド中に挿入し、次にRNAに翻訳し、c
DNAに逆転写して、続いてRNAaseで処理して1
本鎖cDNAを遊離させる。他の方法を用いることも可
能であり、当該分野で公知である。しかし、両方の鎖の
永久的分離は不要なことが多いことがわかり、これは操
作を大幅に単純化する。多くの場合、以下の方法の鎖の
一時的分離が必要である。
【0043】DNA鎖の一時的分離 前記したように、初期PCR増幅後に鎖の永久的分離は
必要ないことが観察されている。こうしてこの方法は大
幅に簡略化された。これはまた、追加の利点を有する:
両方の鎖が存在するために、存在するライブラリーのメ
ンバーの数は2倍になり、有用な化合物を得る可能性が
増加する。さらに試薬は2本鎖として保存でき使用直前
に分離され、これはこれらの安定性を大幅に上昇させ
る。例外的に鎖の永久的分離が必要な場合がある:例え
ば、標的に結合する高親和性種が存在しない時、および
アンチセンス鎖との競合が重要な時、または選択された
オリゴヌクレオチドのTmが非常に高い時。鎖を分離す
るための好適な方法は非常に簡単である:PCR産物を
90℃で5分加熱し、次に氷上で急速に冷却する。他の
方法も可能である:例えば、0.1N NaOHを加
え、次に急速に中和する。
【0044】線状(または不斉増幅) 前記したように、各選択サイクルで初期の指数関数的P
CR後に、線状(または不斉)増幅が行われるなら、鎖
の一時的分離でさえ不要であることが見いだされた。す
なわち放射能標識せずに初期PCR増幅後、生成物をア
ガロースゲルにかけて精製して、プライマーおよび可能
なポリマー性副産物を除去し、最後に1つのプライマー
のみを使用して不斉PCRを行う。このPCRは、指数
関数的(正常)PCRについて前記したものと同じ条件
下で行うが、これは1つだけのプライマーの存在下でか
つ放射能標識下で行われる。好ましくは、使用されるプ
ライマーは前進プライマーであり、すなわち5’領域に
対応するプライマーである。cDNAバンドを含有する
ゲルの領域は臭化エチジウムを使用して視覚化され、ゲ
ルからの精製は視覚化領域を切り出し、次にワットマン
1ろ紙を使用して調製したセルロースの層に12,00
0×gで10分遠心分離して溶出する(チャン(Chuan
g)とブラットナー(Blattner)(1994)「ペーパ
ースラリーを介する遠心分離によるアガロースからウル
トラファスト(Ultrafast)DNA回収」,Biotechniqu
es, 17: 634, 636)。ジンクリーン(GenClean)は、短
いcDNA断片の収率が低いため便利ではない。
【0045】合成ペプチドの固体マトリックスへの結合 「一時的標的」に結合するライブラリーのメンバー(す
なわち、合成ペプチド)を単離するために、分離法が必
要である。原理的には固相または液相法が使用できる
が、簡便さから固相法が好ましい。異なる固相法の中
で、以下の実験についてはニトロセルロースへの吸着が
選択された。約0.25m2のニトロセルロース断片
を、飽和濃度の一時的標的ペプチドを含有する溶液に加
えた。約2時間平衡化後、膜を風乾する。遊離のペプチ
ドを、PBS(pH7.4)を使用して各回5分で3回
洗浄した。
【0046】ある場合には、初期選択をするためにまた
は後で標的スイッチングをすることができるように、合
成ペプチドをBSAに架橋することが必要であった(例
2と3は、PP2AとPP2Bに架橋した合成ペプチド
で作成した)。初期選択での失敗は、ニトロセルロース
への結合が弱いことを意味し、これはBSAへの架橋に
より促進される。架橋していないペプチドを使用する標
的スイッチングの間の失敗は、タンパク質鎖中の実際の
コンフォメーションを模倣するコンフォメーションでペ
プチドを固定することを、おそらく架橋法が助けている
ことを示唆する。しかし架橋が必要な正確な理由は不明
である。当該分野で公知のいくつかの可能性があり、こ
れらはしばしば、ウサギで抗体を産生するのに応用され
る。
【0047】オリゴ体の選択 最初の工程は、一時的標的(合成ペプチド)または最終
標的(タンパク質)を封じ込めるのに使用されるマトリ
ックス(ニトロセルロース、活性化セファロースなど)
中の非特異的部位をブロックするために使用される固相
マトリックスまたはタンパク質に結合するライブラリー
からの、オリゴヌクレオチドの前吸着である。以下の実
験では、ニトロセルロースをマトリックスとして使用し
たが、結合および遊離種を分離するための任意の他の固
相または液相法を使用してもよい。ニトロセルロース
(ペプチド無し、0.25cm2)をまず、カゼイン5
%(乾燥、無脂肪ミルク)を使用して30分ブロックし
た。次に70μlのPCR増幅/標識オリゴヌクレオチ
ドライブラリーを、ニトロセルロースマトリックスとと
もにカゼイン(PBS緩衝液中50mg/ml)を含有する
溶液200μl中に加え、一晩インキュベートして前吸
着を行った。いったん前吸着が完了すると、残りのオリ
ゴヌクレオチドを、標的ペプチド(一時的標的)を含有
するマトリックスとともに一晩インキュベートし、次に
前記したように工程i)〜viii)を行った。
【0048】ある場合には、この前吸着工程は不要であ
った。飽和濃度で存在するペプチドとともにニトロセル
ロースに結合したペプチドで選択工程を1回または2回
行い、次に標的が未変性のタンパク質なら標的タンパク
質とともにドットブロットを行い、標的が変性タンパク
質なら標的タンパク質とともにウェスタンブロットを行
い、(カゼインでブロックされたニトロセルロースを用
いて)、そして次に、前記したように得られる生成物を
クローン化することで充分である。一時的標的から最終
標的にスイッチする時は、適切な選択法を使用すること
が非常に重要である。未変性のタンパク質を認識するこ
とができるオリゴ体を単離することが目的であるなら、
ドットブロット、液相での分離、免疫組織染色、ゲルシ
フト、カラム分離または他の非変性法などを、選択に使
用すべきである。すなわち、標的タンパク質をできるだ
け未変性の状態に維持する分離法を選択すべきである。
これは、未変性のタンパク質に対するオリゴ体は、コン
フォメーションの変化に対して非常に感受性であるかも
知れないためである。一方、変性標的タンパク質を認識
することができるオリゴ体を単離することが目的である
なら、こうして標的を維持する方法(例えば、ウェスタ
ンブロット)を使用すべきである。しかし時に、天然の
抗体で起きるように、変性標的に対して作成されたオリ
ゴ体が未変性のタンパク質も認識することがあり、その
逆もある。これは確かに、以下の例でCPD1で起きて
いるが、必ずしもいつもこうではない。
【0049】クローニング:前記方法で得られた「オリ
ゴ体」は、ランダムコンフォマーのライブラリーに由来
するため、ポリクローナルである。しかし前記の方法に
より選択されたライブラリーの異なるメンバーはまた、
モノクローナル型で得ることもできる。モノクローナル
「オリゴ体」を得るために、ふつうの非ビオチン化プラ
イマーを使用して最終ポリクローナルオリゴ体のPCR
増幅後に、オリゴヌクレオチドを、ベクター−T(プロ
メガ社(Promega Corp.))または他のベクターのよう
な適当なベクターに連結し、製造業者の説明書に従って
コンピタントな細菌中にトランスフェクトする。トラン
スフェクション後、いくつかのクローンを単離し、「コ
ロニー−PCR」法を使用して挿入体を増幅する。次に
標的タンパク質に結合した各挿入体の能力を、ウェスタ
ンブロットを使用して解析する。こうして例5のモノク
ローナルオリゴ体が得られ、これは次に、例6〜10の
出発物質として使用した。
【0050】特異性を決定するためのオリゴ体の性状解
析 小脳から単離した総タンパク質から作成したウェスタン
ブロット(図2〜8)を使用して、オリゴ体の特異性を
決定した。この結果はまた、免疫沈降(例8と図8)と
免疫組織染色(例9と図9)を使用して確認した。
【0051】化学合成したオリゴ体:モノクローナルオ
リゴ体がいったん選択され、クローン化され、配列決定
されると、その配列を使用して、オリゴヌクレオチド合
成機により完全な化学合成オリゴ体を作製することがで
きる。そのような試薬を使用して現像させたウェスタン
ブロットを図10に示す。これは、ウェスタンブロット
で抗体のように挙動できる最初の化学合成試薬である。
【0052】得られた試薬の有用性 得られたオリゴ体は、モノクローナル抗体またはポリク
ローナル抗体が使用されるすべての用途に有用である。
さらに図7に示すように、モノクローナル抗体またはポ
リクローナル抗体で通常行われるように、ビオチンで誘
導体化したプライマー1を使用して、オリゴ体を標識す
ることが可能である。誘導体化は結果に影響を与えな
い。さらなる詳細については例7を参照されたい。オリ
ゴ体はまた、図8に示すように免疫沈降に有用であり、
これは、沈降法の間タンパク質が未変性型で維持される
ため、ある場合にはオリゴ体が未変性タンパク質と変性
タンパク質の両方を認識することができることを意味す
る(例8)。さらに図9に示すように、オリゴ体はま
た、免疫組織染色の試薬として有用である(例9を参
照)。
【0053】これらの結果は、診断検査、免疫組織染
色、免疫沈降などの用途で、オリゴ体が天然のモノクロ
ーナル抗体またはポリクローナル抗体に置き換わること
ができることを証明している。ビオチンによる標識はほ
んの一例である。蛍光性化合物を使用してオリゴ体を標
識し、これらを他のタンパク質に担体として結合し、お
よび/またはこれらを治療薬などの担体として使用する
こともできる。従って、本発明のオリゴ体は、ほとんど
すべての用途においてモノクローナル抗体またはポリク
ローナル抗体に置き換わることができ、前記したように
天然の抗体に対して重要な利点を有する。クローン化お
よび配列決定後、これらのオリゴヌクレオチドは、診断
または他の同様の用途に使用されるチップまたは他の固
相マトリックス上で容易に合成される。
【0054】例2 PP2Aに対するポリクローナルオリゴ体の産生 固定した既知の配列が両側に位置するコアランダム領域
を含有する合成オリゴヌクレオチドを用いて、1本鎖D
NA分子のライブラリーを作成した。このライブラリー
を、5’末端と3’末端に対応するプライマーを使用し
てPCRにより増幅した。逆進プライマーをビオチン化
した。次にストレプトアビジンビーズへの結合と、Na
OHによる溶出および中和を使用して、鎖を分離した。
オリゴヌクレオチド混合物を、一時的標的として合成ペ
プチドとともにインキュベートし、これをニトロセルロ
ースに結合させた。合成ペプチドは標的タンパク質の断
片に対応した。この場合、ペプチドは、タンパク質ホス
ファターゼ2A(PP2A)の触媒性サブユニットCの
残基298−309(Pro−His−Val−Thr
−Arg−Arg−Thr−Pro−Asp−Tyr−
Phe−Leu)(配列番号4)に対応し、これをBS
Aに架橋させた。ペプチドに結合したオリゴヌクレオチ
ドを選択し、放射能標識を使用してPCRにより増幅し
た。鎖の「永久的」分離法を使用して2本鎖を分離し、
得られたオリゴヌクレオチドを、ニトロセルロースに結
合したペプチドで再度インキュベートした。結合したオ
リゴヌクレオチドの量(cpm)を、ドットブロット定量
により定量した。対照と比較して充分な結合が検出され
るまで、サイクルを繰り返した。この場合3サイクルが
必要であった。結果を表1に要約するが、これは、選択
/増幅の初期サイクルの間に一時的標的として使用した
合成ペプチドに結合したオリゴヌクレオチドの量の定量
の例である。表1の第2および第3のカラム中の数値
は、ドットブロット測定法により測定した最初の3つの
連続サイクルの間の、合成ペプチドに結合したcpmと対
応する対照に結合したcpmである。
【0055】
【0056】「標的スイッチング」工程に従った。この
工程では、前工程で選択したオリゴヌクレオチドの混合
物を使用して、オリゴヌクレオチド混合物が正常な放射
能標識抗体であるかのように、ウェスタンブロットを現
像させた。同時に、PP2Aに対応するスポットを市販
の抗体を使用して同定した。このスポットに結合したオ
リゴヌクレオチドのPCR増幅を使用して、さらなる選
択を行った。新しいウェスタンブロットで得られた結果
を、市販のウサギ抗体を使用して得られた結果と比較し
た。図1から明らかなように、結果は同一である。
【0057】例3:PP2B、触媒性サブユニット(サ
ブユニットα)に対するポリクローナルオリゴ体の産生 例2と同じ方法に従い、タンパク質ホスファターゼ2B
(PP2B)のサブユニットαに対するポリクローナル
オリゴ体を得た。オリゴ体を調製するのに使用した合成
ペプチドは、ウサギで作成した市販の抗体をブロックす
る同じ市販のものであり、アミノ酸268−280(A
rg−Met−Pro−Pro−Arg−Arg−As
p−Ala−Met−Pro−Ser−Asp−Al
a)(配列番号5)に対応した。これをまた、BSAに
架橋させた。ポリクローナルオリゴ体で得られた結果
(オートラジオグラフィーで現像させた)を市販の抗体
で得られた結果(アルカリホスファターゼを含有する2
次抗体として現像させた)と比較すると、図3から明ら
かなように同じであった。
【0058】例4:CPD1(cDNA配列から推定さ
れるタンパク質、ジーンバンク(GenBank)MM
U89345)に対するポリクローナルオリゴ体の産生 CPD1の断片に対応する、BSAに架橋していない合
成ペプチド(Cys−Pro−Asn−Leu−Thr
−Tyr−Leu−Asp−Leu−Ser−Gly−
Asn-Lys-Ile−Lys)(配列番号6)を使用
して、例2の方法に従って、ポリクローナルオリゴ体を
得た。得られたオリゴ体は、グルタルアルデヒドを使用
してBSAに架橋した同じペプチドによりウサギで得ら
れた天然のポリクローナル抗体と、全く同様に挙動し
た。結果を図4に示す。
【0059】例5:CPD1に対するモノクローナルオ
リゴ体の産生 例4で得られたポリクローナルオリゴ体をPCR増幅
し、ベクター−T(プロメガ社(Promega Corp.))に
連結し、クローン化した。いくつかのクローンを単離
し、その挿入体を、ミニウェスタンブロットを使用し
て、CPD1に結合する能力について試験した。1つの
クローンを選択し、PCR増幅し、鎖を分離し、抗体様
活性について試験した。図5に示すように、すでにモノ
クローナルであるこのオリゴ体は、例4で得られたポリ
クローナルオリゴ体と全く同様に挙動した。
【0060】モノクローナルオリゴ体を配列決定し、以
下の配列を有することがわかった:5’−CTGCAG
CCGCGGGGATCCTggttagccccga
ggactggtttgcactgacatgcgcg
tgtggttggctactcgTCTAGTCGA
ATTCAAGCTTAGTGGC−3’(配列番号
7)。このオリゴヌクレオチドは、タンパク質CPD1
に特異的な多くの可能なオリゴ体のほんの一例である。
【0061】例6:CPD1に対する2本鎖モノクロー
ナルオリゴ体の産生 例5で産生されたオリゴ体の2本鎖を、一時的分離した
後、90℃で5分加熱してインキュベートし、次に氷で
急速に冷却した。あるいはこの一時的分離は、いくつか
の方法で行った:例えば、NaOHでpHを変化させ、
次に緩衝液で急速に中和した。冷却後、オリゴヌクレオ
チドを使用して、図6に示すようにウェスタンブロット
を現像させた。図6から明らかなように、鎖の永久的分
離無しで使用される、PCR増幅後に得られた2本鎖モ
ノクローナルオリゴ体は、両方の鎖の永久的分離後に使
用されるものと同様に有効であった(図4と図5を比較
されたい)。本例は、最終産物の選択プロセスの間また
は結合反応の間、2本鎖を分離することが必要ではない
ことを証明している。
【0062】例7:ビオチンによるモノクローナルオリ
ゴ体の標識 例5で得られたオリゴ体をビオチンを使用して標識し
た。標識は、最後のPCR増幅の間ビオチン化前進プラ
イマーを使用して行った。図7から明らかなように、結
果は放射能標識により以前に得られたものと同一であっ
たため、ビオチン化はオリゴ体の結合性に影響を与えな
かった。本例は、放射能標識以外に、オリゴヌクレオチ
ドまたは抗体をを標識するために典型的に使用された他
の方法を、本発明のオリゴヌクレオチドを標識するのに
使用できることを証明している。
【0063】例8:CPD1に対するモノクローナルオ
リゴ体によるウェスタンブロットと免疫沈降 新たに単離した小脳を、プロテイナーゼインヒビターの
カクテルを含有するPBS中でホモジナイズした(最終
濃度:EDTA 10mM、フェナントロリン10m
M、E−64 10μM、ロイペプチン 100μM、
アプロチニン10mg/ml、ペプスタチンA 10μM)
(シグマ社(Sigma Co.)、セントルイス、ミズーリ
州)。100μgのタンパク質を10%SDS−PAG
Eにかけ、ニトロセルロース膜に移し、PBS+5%B
SAでブロックし、4℃でウサギポリクローナル抗体を
使用してインキュベートして前記したように2次抗体で
現像させたか、またはビオチン化モノクローナルオリゴ
体を使用してPBS+5%BSAで室温で1時間インキ
ュベートしストレプトアビジン−APで現像させた。免
疫沈降のために、ラドリッザニ(Radrizzani)と共同研
究者らが発表した方法(ラドリッザニ(Radrizzani)ら
(1995)「マウス小脳中のThy1.2合成速度の
進化的制御」, J. Neurosci. Res., 42: 220-7)を若干
変更して行った。簡単に説明すると、マウス小脳の小断
片を35S−メチオニンの存在下でインキュベートし、タ
ンパク質を抽出し、そしてビオチン化上流プライマーの
存在下でPCR増幅を使用してビオチンで標識したモノ
クローナルオリゴ体およびストレプトアビジン常磁性ビ
ーズ(プロメガ社(Promega Corp.))を使用して、免
疫沈降を行った。前例で記載したように、CPD1オリ
ゴ体に対応する挿入体を、ビオチン化プライマーを使用
してPCR増幅した。ウェスタンブロットを再度行い、
結果をCPD1の免疫沈降と比較した。図8から明らか
なように、モノクローナルオリゴ体はウェスタンブロッ
ト中で、同じ合成ペプチドを使用してウサギ中で現像さ
せたポリクローナルオリゴ体と全く同様に挙動する。観
察された唯一の差は、ポリクローナル抗体を使用した
時、免疫前血清に対応するバンドが存在することであ
る。ノーザンブロットでは、CPD1は小脳中で2つの
アイソフォーム(CPD1hとCPD1l)で発現される
タンパク質である(結果は示してない)。ポリクローナ
ル抗体またはモノクローナル抗体で現像させた小脳から
のウェスタンブロットはまた、2つのアイソフォームを
示し、これらは生後5〜17日(P5からP17)の成
長の間に差別的に発現され、34Kdのアイソフォーム
が最も多かった。これらの結果は、クローニング後にオ
リゴ体をビオチンで標識して得られ、従って標的を認識
するオリゴ体の能力に影響を与えることなくビオチン標
識が可能であることを再確認している。PCR増幅中に
32P−dCTPでオリゴヌクレオチドを標識して、同様
の結果が得られた。これは、少なくともこの場合、前進
プライマーと逆進プライマー配列に対応するオリゴ体の
末端は、おそらく結合に関与しないことを示す。興味深
いことに、ビオチンで標識したオリゴ体はまた、CPD
1を「免疫沈降」するのに有用であった(図8Dを参
照)。これは、オリゴ体が、GCGコンピュータープロ
グラムで予測されるように、未変性および変性CPD1
の両方を認識することができることを示す。これらの結
果は、オリゴ体が、未変性タンパク質(例えば、免疫沈
降中)と変性タンパク質(例えば、ウェスタンブロット
中)の両方を認識できること、および合成抗体様試薬で
作成した特異的「免疫沈降」の最初の例であることを示
す。
【0064】例9:CPD1に対するモノクローナルオ
リゴ体を使用する「免疫組織染色」 抗体として挙動するオリゴ体の特異性と能力をさらに証
明するために、免疫組織染色を行った。生後7日目のマ
ウスの小脳(C57BL/6Jマウス)を解剖し、アル
コール/酸(95%エタノール:5%酢酸、−20℃で
4時間)で固定し、脱水し、パラフィン包埋した。5μ
mの組織切片を、シラン化処理(シラン、シグマ(Sigm
a Co.)、セントルイス、ミズーリ州)したカバーガラ
スでマウントし、脱パラフィンを行い、再度水を加え、
PBS−5%BSAを使用して1時間ブロックした。切
片を、アフィニティ精製したウサギポリクローナル抗体
に4℃で一晩暴露し、PBSで2回リンスし、2次抗体
(ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ 1:1000)で1
時間インキュベートし、DAB(ギブコビーアールエル
(Gibco BRL)、ゲーサーズバーグ、メリーランド州)
で現像させた。モノクローナルオリゴ体を使用する免疫
組織染色のために、5’−ビオチン化プライマーをPC
R反応物に加えることにより、ビオチン化モノクローナ
ルオリゴ体を作成した(5’−Biot−CTGCAG
CCGCGGGGATCCT−3’)(配列番号8)。
PCR増幅後、cDNA鎖を加熱(94℃、5分)によ
り分離し、PBS−5%BSAで10倍希釈した。スラ
イドをPBS−5%BSAでインキュベートして非特異
部位をブロックした後、オリゴ体を組織と室温で1時間
インキュベートし、次にストレプトアビジン−ペルオキ
シダーゼ(プロメガ社(Promega Corporation)、マジ
ソン、ウィスコンシン州)で現像させた。オリゴ体を過
剰のブロックペプチドと4℃で一晩プレインキュベート
し、次に前記したように現像させて、対照試料を作成し
た。図9に示すように、ウサギで作成したアフィニティ
精製したポリクローナル抗体を使用して得られた結果
(図9A)は、モノクローナルオリゴ体で得られた結果
(図9B)と区別できなかった。モノクローナルオリゴ
体を、CPD1に対応する合成ペプチドとプレインキュ
ベートして作成した対照は、染色を示さなかった(図9
C)。CPD1の染色は顆粒細胞とプルキンエ細胞で観
察され、ここで核膜と原形質膜染色が存在した。これ
は、合成抗体様試薬を使用して作成した「免疫組織染
色」の最初の例である。
【0065】例10:化学合成したオリゴ体を使用して
作成したウェスタンブロット 例5に記載のように得られた配列(配列番号7)を使用
しオリゴヌクレオチド合成機(ベックマン(Beckman)
オリゴ1000M)を使用して、CPD1に対して化学
合成オリゴ体を作成した。この試薬は、完全に化学合成
により作成した最初の合成抗体様試薬である。図(図1
0)から明らかなように、合成オリゴ体は、小脳抽出物
中に存在するすべてのタンパク質の混合物で作成したウ
ェスタンブロット中のCPD1を、非常に特異的に認識
する。実験の前面に追加のスポットが1つだけ見られ
る。これはまた、他の例に記載される結果(PCR増幅
産物が使用された)を確認している。
【0066】本発明は、一時的標的の使用、「標的スイ
ッチング」法、および最も重要なことは、親和性ではな
く特異性に基づいた選択により、従来技術とは区別され
る。本発明はまた、必要な工程の数が少ないことにより
特徴付けられる。得られるオリゴ体は、ウェスタンブロ
ット、免疫組織染色、および免疫沈降により初めて証明
されるように、その挙動と特異性が従来の抗体と同一で
ある。さらに、未変性のタンパク質と変性タンパク質の
両方に特異的結合を示す、合成抗体様試薬(オリゴ体)
が初めて得られる。これらのユニークな性質は、通常抗
体を使用する方法に、これらの試薬が適するものとして
いる。
【0067】前記説明と例は、オリゴ体が、非常に特異
的に、未変性または変性タンパク質を認識する能力にお
いて、抗体と同一の挙動をすることを単に例示するため
に提示したものであり、オリゴ体は、未変性または変性
タンパク質の認識に関与するすべての用途(例えば、ウ
ェスタンブロット、免疫沈降、免疫組織染色、放射免疫
定量法、ELISA、疾患の治療ための薬剤、診断ため
のミクロトレイなど)において抗体を置換できることが
明らかであるため、決して限定するものではない。当業
者は、本発明の精神と実体を取り込んだ開示した実施態
様の変更を思いつくであろうが、本発明は、本発明およ
び添付の請求項ならびにその相当物の範囲のすべての変
更を含むものと広く解釈される。
【0068】文献 ツエルク(Tuerk)とゴールド(Gold)(ツエルク(Tue
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【図面の簡単な説明】
以後、本発明を以下の添付図面を参照してさらに詳細に
説明する。
【図1】図1は、オリゴ体を入手するために使用される
方法の概略図を示す。
【図2】図2は、タンパク質PP2Aに特異的なポリク
ローナル抗体で染色した小脳からの総タンパク質のウェ
スタンブロットを示す。ここで、「A」は、アルカリホ
スファターゼに結合した2次抗体で現像させた、市販の
ポリクローナル抗体で得られたウェスタンブロット(対
照)であり、そして「B」は、32Pで標識した「オリゴ
体」を使用し、オートラジオグラフィーにより現像させ
て得られた「ウェスタンブロット」である。
【図3】図3は、タンパク質PP2Bαに対するポリク
ローナル抗体で現像させた、小脳からの総タンパク質の
ウェスタンブロットを示す。ここで、「A」は、PP2
Bαに対する市販のポリクローナル抗体を使用して得ら
れ、アルカリホスファターゼに結合した2次抗体で現像
させたウェスタンブロット(対照)であり、そして
「B」は、32Pで標識したポリクローナル「オリゴ体」
を使用し、オートラジオグラフィーにより現像させて得
られた「ウェスタンブロット」である。
【図4】図4は、タンパク質CPD1に対するポリクロ
ーナル抗体を使用することにより現像させた、小脳から
の総タンパク質のウェスタンブロットを示す。ここで、
「A」は、CPD1に対応する合成ペプチドの注射によ
りウサギで産生したポリクローナル抗体を使用して得ら
れ、アルカリホスファターゼに結合した2次抗体で現像
させたウェスタンブロット(対照)であり、そして
「B」は、32Pで標識した、同じ合成ペプチドで得られ
たポリクローナル「オリゴ体」を使用し、オートラジオ
グラフィーにより現像させて得られた「ウェスタンブロ
ット」である。両方の抗体ともCPD1の多数のアイソ
フォームを認識する。
【図5】図5は、CPD1に対する抗体を使用すること
により現像させた、小脳からの総タンパク質のウェスタ
ンブロットを示す。ここで、「A」は、CPD1に対応
する合成ペプチドを利用してウサギで製造したポリクロ
ーナル抗体を使用して得られ、アルカリホスファターゼ
に結合した2次抗体で現像させたウェスタンブロット
(対照)であり、そして「B」は、32Pで標識したモノ
クローナル「オリゴ体」を使用し、オートラジオグラフ
ィーにより現像させて得られたウェスタンブロットであ
る。
【図6】図6は、タンパク質CPD1に対する32P標識
2本鎖モノクローナル「オリゴ体」を使用して現像させ
た、生後日数の異なる(P7、P13、およびP17)
小脳からの総タンパク質のウェスタンブロットを示す。
使用直前にオリゴ体溶液を95℃に加熱して、鎖を分離
し、オートラジオグラフィーによりブロットを現像させ
た。ウサギポリクローナル抗体(図6参照)を使用して
検出した同じアイソフォームが観察される。
【図7】図7は、タンパク質CPD1に対する抗体を使
用することにより現像させた、生後日数の異なる(P
5、P7、P13、およびP17)小脳からの総タンパ
ク質のウェスタンブロットを示す。ここで、「A」は、
CPD1ペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を
使用して得られ、アルカリホスファターゼに結合した2
次抗体で現像させたウェスタンブロット(対照)であ
り、そして「B」は、PCR増幅の間にビオチン化され
た2本鎖モノクローナル「オリゴ体」で得られ、アビジ
ン−アルカリホスファターゼにより現像させたウェスタ
ンブロットである。両方の抗体で同じアイソフォームが
得られる。
【図8】図8は、CPD1に対するモノクローナルオリ
ゴ体を使用した「ウェスタンブロット」と「免疫沈降」
を示し、生後5〜17日(P5、P7、P1、およびP
17)のマウスから新に単離した新鮮な小脳をホモジナ
イズし、100μgのタンパク質を10%SDS−PA
GEにかけ、ニトロセルロース膜に移し、PBS−BS
A 5%でブロックした。図中、「A」は、ウサギポリ
クローナル1次抗体で4℃で一晩インキュベートし、次
に2次抗体で室温で1時間インキュベートし、ヤギ抗ウ
サギアルカリホスファターゼ結合体とNTB/BCIP
を使用して現像させたウェスタンブロットである。
「B」は、免疫前ウサギ血清を使用してAのように得ら
れた結果である。「C」は、ビオチン化モノクローナル
オリゴ体を使用して、PBS−5%BSA中で室温で1
時間インキュベートし、PBSで3回洗浄し、ストレプ
トアビジン−PAで現像させて得られた結果である。
「D」は、P7でのウェスタンブロットと35S−CPD
1の「免疫沈降」の比較であり、ここでカラム「1」
は、免疫前ウサギ血清を使用した生後7日のウェスタン
ブロットであり、カラム「2」は、ウサギポリクローナ
ル抗体を使用したウェスタンブロットであり、カラム
「3」は、モノクローナルオリゴ体を使用したウェスタ
ンブロットであり、カラム「4」は、モノクローナルオ
リゴ体と35Sで標識したタンパク質を使用したウェスタ
ンブロットである。「h」と「l」の文字は、高分子量
および低分子量アイソフォームを意味し、灰色の矢印
は、免疫前血清に対応するバンドである。
【図9】図9は、CPD1の免疫組織染色であり、ここ
でマウス小脳(C57BL/6Jマウス)は生後7日目
に解剖し、アルコール/酸(95%エタノール:5%酢
酸、−20℃で4時間)で固定し、脱水し、パラフィン
に包埋した。5μmの組織切片を、シラン化処理(シラ
ン、シグマ(Sigma Co.)、セントルイス、ミズーリ
州)したカバーガラスでマウントし、脱パラフィンを行
い、再度水を加え、PBS−5%BSAを使用して1時
間ブロックした。図中、「A」は、アフィニティ精製し
たウサギポリクローナル抗体に4℃で一晩暴露し、PB
Sで2回リンスし、2次抗体(ヤギ抗ウサギペルオキシ
ダーゼ 1:1000)で1時間インキュベートし、D
AB(ギブコビーアールエル(Gibco BRL)、ゲーサー
ズバーグ、メリーランド州)で現像させた切片である。
「B」は、ビオチン化モノクローナルオリゴ体を用いて
得られた「免疫組織染色」である。試薬は、5’−ビオ
チン化プライマーをPCR反応物に加えることにより作
成した(5’−Biot−CTGCAGCCGCGGG
GATCCT−3’)。PCR増幅後、cDNA鎖を加
熱(94℃、5分)により分離し、PBS−5%BSA
で10倍希釈した。スライドをPBS−5%BSAでイ
ンキュベートして非特異部位をブロックした後、オリゴ
体を組織と室温で1時間インキュベートし、次にストレ
プトアビジン−ペルオキシダーゼ(プロメガ社(Promeg
a Corporation)、マジソン、ウィスコンシン州)で現
像させた。ビオチン化−オリゴ体で染色したウェスタン
ブロットで得られたバンドは、32P標識オリゴ体を使用
して現像させたものと同一(結果は示してない)である
ため、ビオチンの存在は、PCR増幅や標的への結合に
影響を与えない。「C」は、オリゴ体を過剰のブロッキ
ングペプチドとプレインキュベート(4℃で一晩)し、
次に「B」に記載したようにインキュベートして現像さ
せた対照試料である。
【図10】図10は、図1に示すオリゴ体配列を使用し
てオリゴヌクレオチド合成機中で作成した、CPD1に
対する合成オリゴ体を用いて得られたウェスタンブロッ
トを示す。この試薬は、完全に化学合成により作成した
最初の合成抗体様試薬であり、天然の抗体のようにウェ
スタンブロット中のタンパク質を認識することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/566 C12N 15/00 ZNAA

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高親和性ではなく高特異性に基づく方法
    により選択される天然または誘導体化オリゴヌクレオチ
    ドを含んでなる、合成オリゴヌクレオチドに基づく抗体
    様試薬または「オリゴ体」であって、多くの用途で天然
    のポリクローナルまたはモノクローナル抗体のように作
    用するユニークな能力を有して、未変性および/または
    変性タンパク質の両方を非常に特異的に認識する上記試
    薬。
  2. 【請求項2】 オリゴ体を得る方法であって、 均一な、プライマー結合5’末端配列と3’末端配列、
    および間にランダムなコア配列を有する、オリゴヌクレ
    オチドのライブラリーを提供する工程;オリゴヌクレオ
    チドライブラリーを、最終標的分子(これに対してオリ
    ゴ体が得られる)の一部に対応する合成一時的標的と一
    緒に、一時的標的に対する特異的結合を示すライブラリ
    ーからオリゴヌクレオチドを結合させるのに充分な時間
    インキュベートする工程;未結合オリゴヌクレオチドを
    一時的標的から分離し、次にインキュベーション中に一
    時的標的に結合するオリゴヌクレオチドを溶出および採
    取することにより、一時的標的に特異的に結合するオリ
    ゴヌクレオチドを選択する工程;採取したオリゴヌクレ
    オチドを増幅する工程;検出可能な結合が得られるま
    で、一時的標的とのインキュベーション、選択および増
    幅工程を繰り返す工程;次に、検出可能な結合を示す採
    取および増幅したオリゴヌクレオチドを、他の分子との
    混合物中に最終標的分子を含む標的混合物と一緒に、採
    取および増幅したオリゴヌクレオチドからオリゴヌクレ
    オチドを最終標的分子に結合させるのに充分な時間イン
    キュベートする工程;最終標的から未結合オリゴヌクレ
    オチドを分離し、続いて上昇した特異性で最終標的に結
    合するオリゴヌクレオチドを溶出および採取することに
    より、上昇した特異性で最終標的に結合するオリゴヌク
    レオチドを選択する工程;最終標的から採取した、上昇
    した特異性で結合するオリゴヌクレオチドを増幅する工
    程;および最終標的に対する結合特異性の上昇がもはや
    観察されなくなるまで、最終標的分子を含む標的混合物
    とのインキュベーション、選択および増幅工程を繰り返
    す工程を含んでなる、上記方法。
  3. 【請求項3】 最終標的分子はタンパク質であり、かつ
    一時的標的は該タンパク質の断片に対応する合成ペプチ
    ドである、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 合成ペプチドは、該タンパク質の抗原性
    断片に対応する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 増幅は、オリゴヌクレオチドライブラリ
    ーからのオリゴヌクレオチドの均一な5’および3’末
    端部分に結合するプライマーを使用する、ポリメラーゼ
    連鎖反応により行われる、請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 増幅は、標的に結合する採取したオリゴ
    ヌクレオチドを指数関数的PCR増幅に供し;指数関数
    的に増幅したオリゴヌクレオチドを精製して、末端切断
    型オリゴヌクレオチドとポリマーを除去し;そして次
    に、精製したオリゴヌクレオチドを、1つだけのプライ
    マーを使用する線状PCR増幅に供して1本鎖オリゴヌ
    クレオチドを得ることにより行われる、請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 増幅したオリゴヌクレオチドが標識され
    た型で得られるように、線状PCR増幅は標識物の存在
    下で行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 標識物は、放射性標識物、ビオチンおよ
    び蛍光標識物よりなる群から選択される、請求項7に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 一時的標的は固体マトリックスに結合し
    ている、請求項2に記載の方法。
  10. 【請求項10】 固体マトリックスはニトロセルロース
    紙である、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 固体マトリックスは、非特異的結合部
    位をブロックするために前処理される、請求項9に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 分離は、固体マトリックスから未結合
    オリゴヌクレオチドを洗浄することにより行われる、請
    求項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 インキュベーションは、一時的標的と
    一緒に2回または3回だけ、そして最終標的と一緒に2
    回または3回だけ行われる、請求項2に記載の方法。
  14. 【請求項14】 インキュベーションサイクルの総数は
    5回を超えない、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 結合特異性の上昇がもはや観察されな
    くなった後に採取したオリゴヌクレオチドを、適切なベ
    クターに連結し、クローン化し、スクリーニングし、精
    製し、配列決定して、モノクローナルオリゴ体を得る、
    請求項2に記載の方法。
  16. 【請求項16】 PCR増幅、プラスミド消化または化
    学合成(天然または誘導体化オリゴヌクレオチドを使用
    する)により、得られるモノクローナルオリゴ体を大量
    に産生することをさらに含んでなる、請求項15に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 最終標的は、未変性タンパク質であ
    り、そして上昇した特異性で最終標的に結合するオリゴ
    ヌクレオチドの選択は、ドットブロット、液相分離、免
    疫組織染色、ゲルシフトおよびカラム分離よりなる群か
    ら選択される、最終標的タンパク質を天然のコンホメー
    ションに維持する非変性法により行われる、請求項2に
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 請求項2に記載の方法により得られ
    る、標的タンパク質に特異的に結合するオリゴヌクレオ
    チドを含んでなるオリゴ体。
  19. 【請求項19】 請求項15に記載の方法により得られ
    る、標的タンパク質に特異的に結合するオリゴヌクレオ
    チドを含んでなるモノクローナルオリゴ体。
  20. 【請求項20】 オリゴヌクレオチドは、未変性および
    /または変性タンパク質を認識する、請求項18に記載
    のオリゴ体。
  21. 【請求項21】 標的タンパク質に特異的に結合するオ
    リゴヌクレオチドからなるオリゴ体を結合させた固体マ
    トリックスを含んでなる製造品。
  22. 【請求項22】 2本鎖または1本鎖の核酸から作られ
    る生成物を含んでなるオリゴ体。
  23. 【請求項23】 天然または修飾化学基を有するリボ核
    酸を含んでなるオリゴ体。
  24. 【請求項24】 天然または修飾化学基を含む、デオキ
    シリボ核酸を含んでなるオリゴ体。
  25. 【請求項25】 バイオテクノロジー、研究または臨床
    に重要な任意のポリマー(タンパク質、炭水化物、オリ
    ゴヌクレオチドなど)または分子であってよい、最終標
    的の断片を一時的標的として使用することにより得られ
    るオリゴ体。
  26. 【請求項26】 修飾合成ペプチド(例えば、リン酸
    化、イソプレニル化、グリコシル化)を一時的標的とし
    て使用して得られるオリゴ体。
  27. 【請求項27】 薬物の担体(吸着または共有結合)と
    して、または生理学的方法のインヒビター/アクチベー
    ターとして使用されるか、あるいは工業的または商業的
    に重要な研究または他の用途に使用されるオリゴ体。
  28. 【請求項28】 ウェスタンブロット、免疫組織染色、
    免疫沈降、放射免疫定量法、ELISAなどのような、
    診断のために抗体が使用される種々の用途に使用される
    オリゴ体。
  29. 【請求項29】 タンパク質精製、親和性クロマトグラ
    フィー、ライブラリースクリーニング、細胞選別、およ
    び共焦点顕微鏡法のような、種々のバイオテクノロジー
    の用途に使用されるオリゴ体。
  30. 【請求項30】 種々の疾患の診断のためのキットに使
    用されるオリゴ体。
  31. 【請求項31】 疾患の治療のための製剤としてのオリ
    ゴ体。
JP2000252476A 1999-08-26 2000-08-23 ポリクローナルおよびモノクローナルオリゴ体(合成オリゴヌクレオチドに基づく抗体様試薬)およびオリゴ体の作成方法 Pending JP2001120282A (ja)

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