JP2001118729A - インダクタアレイ - Google Patents

インダクタアレイ

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JP2001118729A
JP2001118729A JP30095699A JP30095699A JP2001118729A JP 2001118729 A JP2001118729 A JP 2001118729A JP 30095699 A JP30095699 A JP 30095699A JP 30095699 A JP30095699 A JP 30095699A JP 2001118729 A JP2001118729 A JP 2001118729A
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Japan
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magnetic body
conductors
conductor
internal
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JP30095699A
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English (en)
Inventor
Kobo Motomitsu
弘法 元▲満▼
Kazuo Oishi
一夫 大石
Hidekazu Uryu
英一 瓜生
Tatsuya Nakamori
達哉 中森
Tomoyuki Washisaki
智幸 鷲▲崎▼
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部導体のインピーダンス値がばらつかない
インダクタアレイを提供することを目的とする。 【解決手段】 磁性体シートの積層体16よりなる板状
の磁性体と、前記磁性体内に所定の厚みをもって並置さ
れたインダクタ要素である複数の内部導体14と、前記
磁性体の対向した側面を含む側端部に設けられ、前記複
数の内部導体14と各々電気的に接続された複数の外部
電極17とを有し、隣り合う内部導体間に発生する磁束
密度、及び外側素子と前記磁性体の端部との間に発生す
る磁束密度が略同一となるように前記磁性体内における
前記複数の内部導体14の配列距離を規定したことを特
徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に使
用されるインダクタアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、従来のインダクタアレイについ
て、図面を参照しながら説明する。
【0003】図12は従来のインダクタアレイの斜視
図、図13は同インダクタアレイの分解斜視図である。
【0004】図12、図13において、磁性体1の両端
部にそれぞれ複数の外部電極2が設けられている。磁性
体1は、第1の磁性体シート3に形成された複数の内部
導体4、第2の磁性体シート5に形成された複数のバイ
ア電極6、第3の磁性体シート7が設けられている。第
1の磁性体シート3に形成された複数の内部導体4は上
下方向に2つ設けられており、上下の内部導体4はバイ
ア電極6によって接続され、独立したコイル状導体が複
数形成される。コイル状導体の上下には内部導体4が露
出しないように第3の磁性体シート7を適当な厚みにな
るように設けられている。なお、第1の磁性体シート
3、第2の磁性体シート5、第3の磁性体シート7はフ
ェライトからなり、同一の材料で形成するのが望まし
い。
【0005】また、内部導体4と電気的に接続されるよ
うに磁性体1の両端部に、複数の外部電極2がそれぞれ
設けられている。
【0006】以上のように構成された従来のインダクタ
アレイについて、以下にその製造方法を図面を参照しな
がら説明する。
【0007】まず、図14(a)〜(c)に示すよう
に、複数の内部導体4が形成された第1の磁性体シート
3、複数のバイア電極6が形成された第2の磁性体シー
ト5、第3の磁性体シート7をそれぞれ設ける。このと
き、各シートは適当な大きさに切断する。
【0008】次に、図14(d)に示すように、バイア
電極6によって内部導体4同士を接続して、独立したコ
イル状導体を複数形成し、コイル状導体の上下に内部導
体4が露出しないように第3の磁性体シート7を適当な
厚みになるように積層して磁性体1を設ける。そして、
磁性体1を焼結する。このとき、磁性体1の端面にコイ
ル状導体の端部が表出している。
【0009】最後に、磁性体1の両端面に、磁性体1か
ら表出したコイル状導体の端部と接続するように外部電
極2を形成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインダクタアレイは、積層位置や切断位置のばらつ
きによって、複数の内部導体4のうち最外側に位置する
内部導体と磁性体1の端部との距離や、各内部導体4間
の距離がばらつき、1つのインダクタアレイに複数形成
されている各内部導体4で発生する磁界による磁束密度
の大きさがばらつくため、内部導体4のインピーダンス
値がばらつくという課題を有していた。
【0011】すなわち、内部導体で発生する磁界は内部
導体を取り巻く磁性体の体積や形状によって影響を受け
るものであり、内部導体と磁性体の端部との距離が短い
部分があると、この部分によって磁界が規定され、且
つ、内部導体で発生する磁界は、隣接する内部導体で発
生する磁界と交わることはないため、複数の内部導体の
うち最外側に位置する内部導体で発生する磁界による磁
束密度は、複数の内部導体のうち最外側に位置する内部
導体と磁性体の端部との距離によって変化し、複数の内
部導体のうち最外側に位置しない内部導体で発生する磁
界による磁束密度は、隣り合う内部導体間の距離によっ
て変化するからである。
【0012】なお、内部導体に電流が流れると磁界が発
生し、この磁界を打ち消す方向に電流が流れて(逆起電
力)、インピーダンス値が上昇することは知られてお
り、従って内部導体で発生する磁界による磁束密度が大
きくなるとインピーダンス値も大きくなる。
【0013】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、内部導体のインピーダンス値がばらつかないインダ
クタアレイを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した従来の課題を解
決するために本発明のインダクタアレイは、磁性体シー
トの積層体よりなる板状の磁性体と、前記磁性体内に所
定の厚みをもって並置されたインダクタ要素である複数
の内部導体と、前記磁性体の対向した側面を含む側端部
に設けられ、前記複数の内部導体と各々電気的に接続さ
れた複数の外部電極とを有し、隣り合う内部導体間に発
生する磁束密度、及び前記複数の内部導体のうち最外側
に位置する内部導体と前記磁性体の端部との間に発生す
る磁束密度が略同一となるように前記磁性体内における
前記複数の内部導体の配列距離を規定したことを特徴と
するもので、この構成によれば、各内部導体で発生する
逆起電力がほぼ等しくなるため、内部導体のインピーダ
ンス値がばらつかないという効果が得られる。
【0015】すなわち、複数の内部導体のうち最外側に
位置する内部導体と磁性体の端部との距離W1を、隣り
合う内部導体間の距離W2を、例えばT<W1且つT<
W2(Tは内部導体の上面から磁性体の上面までの距
離、または内部導体の下面から磁性体の下面までの距
離)の関係が成り立つようにそれぞれ規定すれば、前述
したように内部導体と磁性体の端部との距離が短い部分
があると、この部分によって磁界の強さが規定されるた
め、各内部導体の磁界は全て、内部導体と磁性体の端部
との距離の取りうる値として最も小さい値であるTで規
定され、これにより、内部導体で発生する磁界による磁
束密度が、他の内部導体で発生する磁界による磁束密度
と略同一になる。
【0016】なお以下、複数の内部導体のうち最外側に
位置する内部導体を外側素子、複数の内部導体のうち最
外側に位置しない(外側素子でない)内部導体を内側素
子とする。つまり、内部導体は外側素子と内側素子とか
らなる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、磁性体シートの積層体よりなる板状の磁性体と、前
記磁性体内に所定の厚みをもって並置されたインダクタ
要素である複数の内部導体と、前記磁性体の対向した側
面を含む側端部に設けられ、前記複数の内部導体と各々
電気的に接続された複数の外部電極とを有し、隣り合う
内部導体間に発生する磁束密度、及び外側素子と前記磁
性体の端部との間に発生する磁束密度が略同一となるよ
うに前記磁性体内における前記複数の内部導体の配列距
離を規定したことを特徴とするもので、この構成によれ
ば、各内部導体で発生する逆起電力がほぼ等しくなるた
め、内部導体のインピーダンス値がばらつかないという
作用を有するものである。
【0018】請求項2に記載の発明は、磁性体シートの
積層体よりなる板状の磁性体と、前記磁性体内に所定の
厚みをもって並置されたインダクタ要素である複数の内
部導体と、前記磁性体の対向した側面を含む側端部に設
けられ、前記複数の内部導体と各々電気的に接続された
複数の外部電極とを有し、外側素子と前記磁性体の端部
との距離をW1、隣り合う内部導体間の距離をW2、前
記内部導体の上面から前記磁性体の上面までの距離、前
記内部導体の下面から前記磁性体の下面までの距離をそ
れぞれTとした場合、T<W1且つT<W2の関係が成
り立つことを特徴とするもので、この構成によれば、外
側素子を含む各内部導体で発生する磁界は全て、内部導
体と磁性体の端部との距離の取りうる値として最も小さ
い値であるTで規定されるため、内部導体で発生する磁
界による磁束密度が、他の内部導体で発生する磁界によ
る磁束密度と略同一になり、これにより、内部導体のイ
ンピーダンス値がばらつかないという作用を有するもの
である。
【0019】請求項3に記載の発明は、2×T<W2の
関係が成り立つことを特徴とするもので、この構成によ
れば、内部導体間には隣り合う2つの内部導体で発生す
る磁界が存在し、且つ内部導体間における内部導体で発
生する磁界はTとほぼ等しい距離しか存在しないため、
隣接する内部導体間の距離W2をTの2倍以上にすれ
ば、内部導体のインピーダンス値がさらにばらつかない
という作用を有するものである。
【0020】何故なら、内部導体間における内部導体で
発生する磁界が、隣接する内部導体で発生する磁界に妨
げられて狭い範囲にしか存在しなくなることがないた
め、内部導体で発生する磁界による磁束密度が、他の内
部導体で発生する磁界による磁束密度と略同一になるか
らである。
【0021】請求項4に記載の発明は、磁性体シートの
積層体よりなる板状の磁性体と、前記磁性体内に所定の
厚みをもって並置されたインダクタ要素である複数の内
部導体と、前記磁性体の対向した側面を含む側端部に設
けられ、前記複数の内部導体と各々電気的に接続された
複数の外部電極とを有し、外側素子の上面と前記磁性体
の上面との距離、外側素子の下面と前記磁性体の下面と
の距離をそれぞれL1、内側素子の上面と前記磁性体の
上面との距離、内側素子の下面と前記磁性体の下面との
距離をそれぞれL2とした場合、L1>L2の関係が成
り立つことを特徴とするもので、この構成によれば、内
側素子で発生する磁界の強さが制限されるため、内側素
子で発生する磁界の磁束密度を小さくできる。従って、
内側素子と外側素子とにおいてそれぞれ発生する磁界の
磁束密度を均一化でき、これにより、内部導体のインピ
ーダンス値がさらにばらつかないという作用を有するも
のである。なお、外側素子が内側素子より発生する磁束
密度の小さい理由は、外側素子は片側に位置する1つの
内部導体からしか磁気的な影響を受けないことに対し
て、内側素子は両側に位置する2つの内部導体から磁気
的な影響を受けるためである。
【0022】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1におけるインダクタアレイの一部切欠斜視図、図2
は同インダクタアレイの要部である積層体の分解斜視図
である。
【0023】図1、図2において、11は第1の磁性体
シートで、Agなどの導電材料を充填したスルーホール
12を有している。13は第2の磁性体シートで、第1
の磁性体シート11の上下面に複数設けられており、こ
の第2の磁性体シート13にはスルーホール12の直上
または真下である中央から外側に向かって広がるように
渦巻き状に形成され、且つその先端が第2の磁性体シー
ト13の一方の側縁まで延びている内部導体14となる
導体パターンを複数備えている。第1の磁性体シート1
1、第2の磁性体シート13、導体パターンを積層する
ことによって、複数の導体パターン同士をスルーホール
12によって接続し、所定の厚みをもったインダクタ要
素である内部導体14が複数形成されている。15は第
3の絶縁シートで、内部導体14の上下面に積層されて
いる。なお、第1の磁性体シート11、第2の磁性体シ
ート13、第3の磁性体シート15はフェライトからな
る。16は磁性体シートの積層体で、第1の磁性体シー
ト11、第2の磁性体シート13、第3の絶縁シート1
5、内部導体14が積層されて設けられている。この積
層体16よりなる板状の磁性体に複数の内部導体14が
並置され、複数の内部導体14のうち最外側に位置する
内部導体が外側素子、複数の内部導体14のうち最外側
に位置しない(外側素子でない)内部導体が内側素子と
なっている。つまり、内部導体14は外側素子と内側素
子とからなる。17は外部電極で、磁性体の対向した側
面を含む側端部に設けられ、複数の内部導体14と各々
電気的に接続されている。外部電極17は、Agからな
る端面電極、ニッケルめっき、すずなどの低融点金属め
っきの順に形成されて備えられている。
【0024】このとき、外側素子と磁性体の端部との距
離をW1、隣り合う内部導体14間の距離をW2、内部
導体14の上面から磁性体の上面までの距離、内部導体
14の下面から磁性体の下面までの距離をそれぞれTと
した場合、T<W1且つT<W2の関係が成り立ってい
る。
【0025】なお、Tのうち内部導体14の上面から磁
性体の上面までの距離をT1、内部導体14の下面から
磁性体の下面までの距離をT2とし、T1とT2はTと
ほぼ等しくなっている。
【0026】以上のように構成されたインダクタアレイ
について、以下にその製造方法を図面を参照しながら説
明する。
【0027】まず、図3(a)に示すように、フェライ
トのスラリーからグリーンシート法により第2の磁性体
シート13、第3の磁性体シート15を複数作製する。
【0028】次に、図3(b)に示すように、第3の磁
性体シート15の中央部に穴あけ加工して、この穴にA
gなどの導電材料を充填してなる複数のスルーホール1
2が設けられた第1の磁性体シート11を複数作製す
る。
【0029】次に、図3(c)に示すように、内部導体
14となる導体パターンを中央から外側に向かって広が
るように渦巻き状に、且つその先端が第2の磁性体シー
ト13の一方の側縁まで延びるように複数形成し、さら
にこの導体パターンはAgベーストを印刷することによ
って設けられている。
【0030】次に、第3の磁性体シート15を複数積層
した上面に、第1の磁性体シート11、第2の磁性体シ
ート13、導体パターンを、複数の導体パターン同士が
スルーホール12によって接続されて内部導体14が複
数形成されるように積層する。
【0031】次に、内部導体14の上面に第3の磁性体
シート15を複数積層して磁性シートの積層体16から
なる板状の磁性体を得る。そして、この磁性体に所定の
圧力を加えた後、空気中で加熱してバインダーを燃焼除
去し、850℃〜950℃程度の高温で焼成する。この
とき、磁性体の側縁部から内部導体14の端部が露出し
ている。
【0032】最後に、図4に示すように磁性体の対向し
た側面を含む側端部に外部電極17を、複数の内部導体
14と各々電気的に接続されるように設ける。なお、外
部電極17は、端面電極、ニッケルめっき、すずなどの
低融点金属めっきからなり、磁性体の側縁部から露出し
ている内部導体14の端部に、Ag系の導電ペーストを
塗布して550℃〜900℃で焼き付け端面電極を形成
し、この端面電極を覆うようにニッケルめっき、このニ
ッケルめっきを覆うようにすずなどの低融点金属めっき
を施すことによって設けられている。
【0033】上記製造方法によって以下に示す通り、
3.2×1.6×0.8mmサイズで4素子内蔵のインダ
クタアレイで代表特性すなわち100MHzでの目標とす
るインピーダンス値(以下特性Z100とする)が12
0Ωであるものを得た。各内部導体のインピーダンス値
のばらつきの大きさを特性Z100の平均値に対する割
合で求め、そのうち最も大きな差の値の絶対値をインダ
クタアレイの特性ばらつきR(%)として評価した。本
発明の実施の形態においては代表特性が120Ωである
ものを使用したが、代表特性が異なるものを用いても同
様な傾向の結果が得られるものである。
【0034】実施例1 (T1,T2<W2<W1) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を5枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を4枚使用し、T1,T2の寸法が0.22mm、W
1の寸法が0.35mm、W2の寸法が0.25mmの構造
を有するインダクタアレイを得た。このときの特性Z1
00は115,118,120,118Ωであり、ばら
つきRは2.3%であった。
【0035】比較例1 (W2<W1,T2<W1) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を3枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を6枚使用し、T1,T2の寸法が0.29mm、W
1の寸法が0.35mm、W2の寸法が0.25mmの構造
を有するインダクタアレイを得た。このときの特性Z1
00は117,134,132,115Ωであり、ばら
つきRは7.6%であった。
【0036】比較例2 (W2<W1<T1,T2) 実施例1の比較として、厚み0.1mmの磁性体シートよ
り、第1の磁性体シート11を1枚、第2の磁性体シー
ト13の1つの内部導体幅が0.45mmであるものを2
枚、第3の磁性体シート15を8枚使用し、T1,T2
の寸法が0.36mm、W1の寸法が0.35mm、W2の
寸法が0.25mmの構造を有するインダクタアレイを得
た。このときの特性Z100は118,141,14
4,120Ωであり、ばらつきRは10.1%であっ
た。
【0037】図5に本発明の実施の形態1におけるイン
ダクタアレイのインピーダンス値(実施例1)と比較例
2のインダクタアレイのインピーダンス値を比較して示
す。比較例2のインダクタアレイは内側素子のインピー
ダンス値が高くなっているのに対して、本発明では内側
素子のインピーダンス値の上昇が抑えられ、素子間での
インピーダンス値のばらつきが大幅に改善されている。
【0038】以上のように実施例1と比較例1、比較例
2より、T1,T2がW1とW2のいずれかより大きい
場合、インピーダンス値がばらつくことがわかる。
【0039】実施例2 (T1,T2<W1=W2) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を5枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を4枚使用し、T1,T2の寸法が0.22mm、W
1,W2の寸法が0.3mmの構造を有するインダクタア
レイを得た。このときの特性Z100は116,12
1,118,115Ωであり、ばらつきRは3.0%で
あった。
【0040】実施例3 (T1,T2≦W1=W2) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を3枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を6枚使用し、T1,T2の寸法が0.29mm、W
1,W2の寸法が0.3mmの構造を有するインダクタア
レイを得た。このときの特性Z100は114,13
2,131,119Ωであり、ばらつきRは8.1%で
あった。
【0041】以上のように実施例2と実施例3より、T
1,T2がW1,W2とほぼ等しい場合は、インピーダ
ンス値のばらつきを抑える効果が小さいことがわかる。
【0042】比較例3 (W1=W2<T1,T2) 実施例3の比較として厚み0.1mmの磁性体シートよ
り、第1の磁性体シート11を1枚、第2の磁性体シー
ト13の1つの内部導体幅が0.45mmであるものを2
枚、第3の磁性体シート15を8枚使用し、T1,T2
の寸法が0.3mm、W1,W2の寸法が0.29mmの構
造を有するインダクタアレイを得た。このときの特性Z
100は121,142,143,118Ωであり、ば
らつきRは9.1%であった。
【0043】以上のように実施例3と比較例3より、T
1,T2がW1,W2より大きいとインピーダンス値の
ばらつきが大きくなることがわかる。
【0044】実施例4 (T1,T2<W1<W2) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を5枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を4枚使用し、T1,T2の寸法が0.22mm、W
1の寸法が0.25mm、W2の寸法が0.35mmの構造
を有するインダクタアレイを得た。このときの特性Z1
00は114,119,119,116Ωであり、ばら
つきRは2.6%であった。
【0045】比較例4 (W1<T1,T2<W2) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を3枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を6枚使用し、T1,T2の寸法が0.29mm、W
1の寸法が0.25mm、W2の寸法が0.35mmの構造
を有するインダクタアレイを得た。このときの特性Z1
00は117,133,134,115Ωであり、ばら
つきRは7.8%であった。
【0046】比較例5 (W1<W2<T1,T2) 実施例4の比較として、厚み0.1mmの磁性体シートよ
り、第1の磁性体シート11を1枚、第2の磁性体シー
ト13の1つの内部導体幅が0.45mmであるものを2
枚、第3の磁性体シート15を8枚使用し、T1,T2
の寸法が0.36mm、W1の寸法が0.25mm、W2の
寸法が0.35mmの構造を有するインダクタアレイを得
た。このときの特性Z100は122,142,14
3,119Ωであり、ばらつきRは9.5%であった。
【0047】以上のように実施例4と比較例4、比較例
5より、T1,T2がW1,W2のいずれかより大きい
とインピーダンス値のがばらつきが大きくなることがわ
かる。
【0048】実施例5 (T1,T2<W1,W2) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を5枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を4枚使用し、T1,T2の寸法が0.22mm、W
1の寸法が0.25mm,0.45mm、W2の寸法が0.
25mmの構造を有するインダクタアレイを得た。このと
きの特性Z100は113,117,122,120Ω
であり、ばらつきRは4.2%であった。
【0049】比較例6 (W1,W2<T1,T2<W
1′) 厚み0.1mmの磁性体シートより、第1の磁性体シート
11を5枚、第2の磁性体シート13の1つの内部導体
幅が0.45mmであるものを2枚、第3の磁性体シート
15を4枚使用し、T1,T2の寸法が0.36mm、W
1,W1′の寸法が0.25mm,0.45mm、W2の寸
法が0.25mmの構造を有するインダクタアレイを得
た。このときの特性Z100は114,137,14
8,131Ωであり、ばらつきRは14.0%であっ
た。
【0050】実施例5と比較例6より、切断位置ばらつ
きによるW1寸法の変化に対してもT1,T2寸法をW
1,W2寸法よりも小さくすることで、素子間の特性ば
らつきRが低減されたことがわかる。
【0051】以上の結果より、T1,T2の寸法がW
1,W2の寸法より小さい場合はW1,W2の寸法に関
係なく特性ばらつきRが大幅に改善されていることがわ
かる。
【0052】上記した本発明の実施の形態1において
は、T<W1且つT<W2の関係が成り立つため、外側
素子を含む各内部導体14で発生する磁界は全て、内部
導体14と磁性体の端部との距離の取りうる値として最
も小さい値であるTで規定され、これにより、内部導体
14で発生する磁界による磁束密度が、他の内部導体で
発生する磁界による磁束密度と略同一になり、これによ
り、内部導体14のインピーダンス値がばらつかないと
いう効果が得られる。
【0053】さらに、2×T<W2の関係が成り立つよ
うにすれば、内部導体14間には隣り合う2つの内部導
体で発生する磁界が存在し、且つ内部導体14間におけ
る内部導体14で発生する磁界はTとほぼ等しい距離し
か存在しないため、隣接する内部導体14間の距離W2
をTの2倍以上にすれば、内部導体14のインピーダン
ス値がさらにばらつかないという効果が得られる。
【0054】何故なら、内部導体14間における内部導
体14で発生する磁界が、隣接する内部導体14で発生
する磁界に妨げられて狭い範囲にしか存在しなくなるこ
とがないため、内部導体14で発生する磁界による磁束
密度が、他の内部導体で発生する磁界による磁束密度と
略同一になるからである。
【0055】このように、隣り合う内部導体14間に発
生する磁束密度、及び外側素子と磁性体の端部との間に
発生する磁束密度が略同一となるように磁性体内におけ
る複数の内部導体14の配列距離を規定すれば、各内部
導体14で発生する逆起電力がほぼ等しくなるため、内
部導体14のインピーダンス値がばらつかない。
【0056】なお、本発明の実施の形態1においては、
第1の磁性体シート11を複数枚積層して上下の内部導
体間距離を広げ、第3の磁性体シート15のシート枚数
によりT1,T2寸法を調整したが、第3の磁性体シー
ト15に比べて厚みの大きな第1の磁性体シートを使用
してT1,T2寸法よりも内部導体間距離W2を広げて
も同様な結果が得られる。
【0057】また、図6は内部導体をらせん構造にした
場合の本発明の実施の形態1におけるインダクタアレイ
の一部切欠斜視図である。図7は同インダクタアレイの
要部である積層体の分解斜視図である。
【0058】なお、このインダクタアレイについては、
内部導体を螺旋状にした点のみが上記した本発明の実施
の形態1におけるインダクタアレイと異なるため、その
構造は簡単に説明する。
【0059】図6、図7において、第1の磁性体シート
21、スルーホール22を有する第2の磁性体シート2
3、内部導体24となる複数の導体パターンを積層する
ことによって、複数の導体パターン同士をスルーホール
22によって接続し、螺旋状の内部導体24が複数形成
されている。また、内部導体24の上下に第3の磁性体
シート25を積層することによって磁性体シートの積層
体26となる板状の磁性体が形成されている。そして、
磁性体の対向した側面を含む側端部に外部電極27が形
成されている。
【0060】以上のように構成されたインダクタアレイ
について、以下にその製造方法を図面を参照しながら簡
単に説明する。
【0061】次に、図8(a)に示すように、フェライ
トのスラリーからグリーンシート法により第1の磁性体
シート21、第3の磁性体シート25を複数作製する。
【0062】次に、図8(b)に示すように、複数のス
ルーホール22が設けられた第2の磁性体シート23を
複数作製する。
【0063】次に、図8(c),(d)に示すように、
内部導体24となる導体パターンを、Agペーストを印
刷することによって複数形成する。
【0064】次に、第3の磁性体シート25を複数積層
した上面に、第1の磁性体シート21、第2の磁性体シ
ート23、導体パターンを、複数の導体パターン同士が
スルーホール22によって接続されて螺旋状の内部導体
24が複数形成されるように積層する。
【0065】次に、内部導体24の上面に第3の磁性体
シート25を複数積層して磁性シートの積層体26から
なる磁性体を得る。
【0066】最後に、磁性体の対向した側面を含む側端
部に外部電極27を、複数の内部導体24と各々電気的
に接続されるように設ける。
【0067】上記した内部導体を螺旋状にした本発明の
実施の形態1におけるインダクタアレイについても、本
発明の実施の形態1におけるインダクタアレイと同様の
特性が得られることは言うまでもない。
【0068】(実施の形態2)図9は本発明の実施の形
態2におけるインダクタアレイの一部切欠斜視図、図1
0は同インダクタアレイの要部である積層体の分解斜視
図である。
【0069】図9、図10において、31は第1の磁性
体シートで、Agなどの導電材料を充填した複数のスル
ーホール32を有している。33は第2の磁性体シート
で、内側素子の内部導体34となる複数の導体パターン
のみを備えている。35は第3の磁性体シートで、外側
素子の内部導体34となる複数の導体パターン及びこの
導体パターン間にスルーホール32を複数備えている。
この導体パターンは、スルーホール32の直上または真
下である中央から外側に向かって広がるように渦巻き状
に形成され、且つその先端が第1の磁性体シート31、
第2の磁性体シート33、第3の磁性体シート35の一
方の側縁まで延びている。36は第4の磁性体シート
で、外側素子となる内部導体34同士を接続するための
複数のスルーホール32を有している。第1の磁性体シ
ート31、第2の磁性体シート33、第3の磁性体シー
ト35、第4の磁性体シート36、内部導体を積層する
ことによって、複数の導体パターン同士をスルーホール
32によって接続し、所定の厚みをもったインダクタ要
素である内部導体34が複数形成されている。このと
き、外側素子の内部導体34は、第1の磁性体シート3
1に形成されたスルーホール32を介して電気的に接続
されている。内側素子の内部導体34は、第1の磁性体
シート31、第3の磁性体シート35、第4の磁性体シ
ート36にそれぞれ形成されたスルーホール32を介し
て電気的に接続されている。37は第5の磁性体シート
で、内部導体34の上下面に積層されている。なお、第
1の磁性体シート31、第2の磁性体シート33、第3
の磁性体シート35、第4の磁性体シート36、第5の
磁性体シート37はフェライトからなる。38は磁性体
シートの積層体で、第1の磁性体シート31、第2の磁
性体シート33、第3の磁性体シート35、第4の磁性
体シート36、第5の磁性体シート37が積層されて設
けられている。この積層体38よりなる板状の磁性体に
複数の内部導体34が並置され、複数の内部導体34の
うち最外側に位置する内部導体が外側素子、複数の内部
導体34のうち最外側に位置しない(外側素子でない)
内部導体が内側素子となっている。つまり、内部導体3
4は外側素子と内側素子とからなる。39は外部電極
で、磁性体の対向した側面を含む側端部に設けられ、複
数の内部導体34と各々電気的に接続されている。外部
電極39は、Agからなる端面電極、ニッケルめっき、
すずなどの低融点金属めっきの順に形成されて備えられ
ている。
【0070】このとき、外側素子の上面と磁性体の上面
との距離、外側素子の下面と磁性体の下面と距離をそれ
ぞれL1、内側素子の上面と磁性体の上面との距離、内
側素子の下面と磁性体の下面と距離をそれぞれL2とし
た場合、L1>L2の関係が成り立っている。
【0071】なお、以下外側素子と磁性体の端部との距
離をW1、隣り合う内部導体34間の距離をW2とす
る。また、L1のうち外側素子の上面と磁性体の上面と
の距離をT1、外側素子の下面と磁性体の下面と距離を
T2とし、T1とT2はL1とほぼ等しくなっている。
さらに、L2のうち内側素子の上面と磁性体の上面との
距離をT3、内側素子の下面と磁性体の下面と距離をT
4とし、T3とT4はL2とほぼ等しくなっている。
【0072】以上のように構成されたインダクタアレイ
について、以下にその製造方法を図面を参照しながら説
明する。
【0073】まず、図11(a)に示すように、フェラ
イトのスラリーからグリーンシート法により第2の磁性
体シート33、第5の磁性体シート37を複数作製す
る。
【0074】次に、図11(b)に示すように、第2の
磁性体シート33に内側素子の内部導体34となる導体
パターンを中央から外側に向かって広がるように渦巻き
状に、且つその先端が第2の磁性体シート33の一方の
側縁まで延びるように形成する。
【0075】次に、図11(c)〜(e)に示すよう
に、第5の磁性体シート37に穴あけ加工して、この穴
にAgなどの導電材料を充填してなる複数のスルーホー
ル12が設けられた第1の磁性体シート31、第3の磁
性体シート35、第4の磁性体シート36をそれぞれ複
数作製する。このとき、第3の磁性体シート35には、
外側素子の内部導体34となる複数の導体パターンが中
央から外側に向かって広がるように渦巻き状に、且つそ
の先端が第3の磁性体シート35の一方の側縁まで延び
るように形成され、この導体パターン間にスルーホール
32が複数備えられている。また、第4の磁性体シート
36に備えられている複数のスルーホール32は、外側
素子となる内部導体34同士を接続するために設けられ
ている。
【0076】なお、これらの導体パターンはAgペース
トを印刷することによって設けられている。
【0077】次に、第5の磁性体シート37を複数積層
した上面に、第1の磁性体シート31、第2の磁性体シ
ート33、第3の磁性体シート35、第4の磁性体シー
ト36、導体パターンを、複数の導体パターン同士がス
ルーホール12によって接続されて内部導体34が複数
形成されるように積層する。
【0078】このとき、外側素子の内部導体34を、第
1の磁性体シート31に形成されたスルーホール32を
介して電気的に接続し、内側素子の内部導体34を、第
1の磁性体シート31、第3の磁性体シート35、第4
の磁性体シート36にそれぞれ形成されたスルーホール
32を介して電気的に接続することによって、それぞれ
形成する。
【0079】次に、内部導体34の上面に第5の磁性体
シート37を複数積層して磁性シートの積層体38から
なる板状の磁性体を得る。そして、この磁性体に所定の
圧力を加えた後、空気中で加熱してバインダーを燃焼除
去し、850℃〜950℃程度の高温で焼成する。この
とき、磁性体の側縁部から内部導体34の端部が露出し
ている。
【0080】最後に、磁性体の対向した側面を含む側端
部に外部電極39を、複数の内部導体34と各々電気的
に接続されるように設ける。なお、外部電極39は、端
面電極、ニッケルめっき、すずなどの低融点金属めっき
からなり、磁性体の側縁部から露出している内部導体3
4の端部に、Ag系の導電ペーストを塗布して550℃
〜900℃で焼き付け端面電極を形成し、この端面電極
を覆うようにニッケルめっき、このニッケルめっきを覆
うようにすずなどの低融点金属めっきを施すことによっ
て設けられている。
【0081】上記製造方法によって、1枚の磁性体シー
ト厚みが0.1mm、1個の内部導体幅が0.45mmであ
る磁性体シートを使用し、3.2×1.6×0.8mmサ
イズで4素子内蔵のインダクタアレイで代表特性すなわ
ち100MHzでの目標とするインピーダンス値(特性Z
100)が120Ωであるものを得た。各内部導体の特
性ばらつきの大きさを特性Z100の平均値に対する割
合で求め、そのうち最も大きな差の値の絶対値をインダ
クタアレイの特性ばらつきR(%)で評価した。
【0082】実施例6 (T3,T4<W2<W1<T
1,T2) 第1の磁性体シート31を1枚、第2の磁性体シート3
3を2枚、第3の磁性体シート35を2枚、第4の磁性
体シート36を4枚、第5の磁性体シート37を2枚使
用し、T1,T2の寸法が0.36mm、T3,T4の寸
法が0.15mm、W1の寸法が0.35mm、W2の寸法
が0.25mmの構造を有するインダクタアレイを得た。
このときの特性Z100は114,119,118,1
16Ωであり、ばらつきRは2.4%であった。
【0083】実施例7 (W2<T3,T4<W1<T
1,T2) 第1の磁性体シート31を1枚、第2の磁性体シート3
3を2枚、第3の磁性体シート35を6枚、第5の磁性
体シート37を2枚使用し、T1,T2の寸法が0.3
6mm、T3,T4の寸法が0.29mm、W1の寸法が
0.35mm、W2の寸法が0.25mmの構造を有するイ
ンダクタアレイを得た。このときの特性Z100は11
5,124,128,114Ωであり、ばらつきRは
6.4%であった。
【0084】実施例8 (T3,T4<W1=W2<T
1,T2) 第1の磁性体シート31を1枚、第2の磁性体シート3
3を2枚、第3の磁性体シート35を2枚、第4の磁性
体シート36を4枚、第5の磁性体シート37を2枚使
用し、T1,T2の寸法が0.36mm、T3,T4の寸
法が0.15mm、W1,W2の寸法が0.30mmの構造
を有するインダクタアレイを得た。このときの特性Z1
00は116,118,120,116Ωであり、ばら
つきRは2.1%であった。
【0085】実施例9 (W1=W2<T3,T4,<
T1,T2) 第1の磁性体シート31を1枚、第2の磁性体シート3
3を2枚、第3の磁性体シート35を6枚、第5の磁性
体シート37を2枚使用し、T1,T2の寸法が0.3
6mm、T3,T4の寸法が0.29mm、W1,W2の寸
法が0.30mmの構造を有するインダクタアレイを得
た。このときの特性Z100は113,127,12
9,114Ωであり、ばらつきRは6.8%であった。
【0086】実施例10 (T3,T4<W1<W2<
T1,T2) 第1の磁性体シート31を1枚、第2の磁性体シート3
3を2枚、第3の磁性体シート35を2枚、第4の磁性
体シート36を4枚、第5の磁性体シート37を2枚使
用し、T1,T2の寸法が0.36mm、T3,T4の寸
法が0.15mm、W1の寸法が0.25mm、W2の寸法
が0.35mmの構造を有するインダクタアレイを得た。
このときの特性Z100は115,117,119,1
15Ωであり、ばらつきRは2.1%であった。
【0087】実施例11 (W1<T3,T4<W2<
T1,T2) 第1の磁性体シート31を1枚、第2の磁性体シート3
3を2枚、第3の磁性体シート35を6枚、第5の磁性
体シート37を2枚使用し、T1,T2の寸法が0.3
6mm、T3,T4の寸法が0.29mm、W1の寸法が
0.25mm、W2の寸法が0.35mmの構造を有するイ
ンダクタアレイを得た。このときの特性Z100は11
4,127,125,114Ωであり、ばらつきRは
5.8%であった。
【0088】以上の実施例及び比較例を(表1)にまと
めて示す。
【0089】
【表1】
【0090】以上の結果より、T1,T2がT3,T4
よりも大きい何れの場合においても、W1,W2の寸法
に関係なく実施の形態1と同様に特性ばらつきRが従来
技術のR=10%よりも小さくなっており、内部導体間
の特性ばらつきの小さいインダクタアレイを得た。
【0091】なお、本発明の実施の形態2においては代
表特性値が120Ωであるものを使用したが、代表特性
が異なるものを用いても同様な傾向の結果が得られるも
のである。さらに、本発明の実施の形態2においてはT
1,T2,T3,T4の寸法を同一厚みの各磁性体シー
トにおける積層枚数で調整したが、厚みの異なる磁性体
シートによる積層枚数によって上記の構造を形成するこ
とにより、内部導体のインピーダンス値がばらつかない
インダクタアレイを得ることができる。
【0092】また、本発明の実施の形態1と同様に、螺
旋構造の内部導体を有するインダクタアレイにおいて
も、内部導体のインピーダンス値がばらつかないインダ
クタアレイを得ることができる。
【0093】上記した本発明の実施の形態2において
は、L1>L2の関係が成り立つため、内側素子で発生
する磁界の強さが制限され、これにより、内側素子で発
生する磁界の磁束密度を小さくできる。従って、内側素
子と外側素子とにおいてそれぞれ発生する磁界の磁束密
度を均一化でき、これにより、内部導体34のインピー
ダンス値がさらにばらつかないという効果が得られる。
なお、上記したことは、2つの外側素子のインピーダン
ス値がほぼ等しく、内側素子のインピーダンス値が高
く、さらに(L2を小さくすることによって)内側素子
の厚みが大きくなっても逆に外側素子よりインピーダン
ス値が高くならない場合に限定される。
【0094】また、外側素子が内側素子より発生する磁
束密度の小さい理由は、外側素子は片側に位置する1つ
の内部導体からしか磁気的な影響を受けないことに対し
て、内側素子は両側に位置する2つの内部導体から磁気
的な影響を受けるためである。
【0095】
【発明の効果】以上のように本発明のインダクタアレイ
は、磁性体シートの積層体よりなる板状の磁性体と、前
記磁性体内に所定の厚みをもって並置されたインダクタ
要素である複数の内部導体と、前記磁性体の対向した側
面を含む側端部に設けられ、前記複数の内部導体と各々
電気的に接続された複数の外部電極とを有し、隣り合う
内部導体間に発生する磁束密度、及び外側素子と前記磁
性体の端部との間に発生する磁束密度が略同一となるよ
うに前記磁性体内における前記複数の内部導体の配列距
離を規定したことを特徴とするもので、この構成によれ
ば、各内部導体で発生する逆起電力がほぼ等しくなるた
め、内部導体のインピーダンス値がばらつかないという
優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるインダクタアレ
イの一部切欠斜視図
【図2】同インダクタアレイの要部である積層体の分解
斜視図
【図3】(a)〜(c)同インダクタアレイの製造方法
を示す図
【図4】同インダクタアレイの斜視図
【図5】同インダクタアレイのインピーダンス値と比較
例2のインダクタアレイのインピーダンス値を比較した
【図6】内部導体をらせん構造にした場合の本発明の実
施の形態1におけるインダクタアレイの一部切欠斜視図
【図7】同インダクタアレイの要部である積層体の分解
斜視図
【図8】(a)〜(d)同インダクタアレイの製造方法
を示す図
【図9】本発明の実施の形態2におけるインダクタアレ
イの一部切欠斜視図
【図10】同インダクタアレイの要部である積層体の分
解斜視図
【図11】(a)〜(e)同インダクタアレイの製造方
法を示す図
【図12】従来のインダクタアレイの斜視図
【図13】同インダクタアレイの分解斜視図
【図14】(a)〜(d)同インダクタアレイの製造方
法を示す図
【符号の説明】
14,24,34 内部導体 16,26,38 積層体(磁性体) 17,27,39 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瓜生 英一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中森 達哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鷲▲崎▼ 智幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E043 AA09 AB09 5E070 AA01 AA05 AB03 AB10 BA12 CB03 CB13 CB17 CB18 CB20 EA01 EB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体シートの積層体よりなる板状の磁
    性体と、前記磁性体内に所定の厚みをもって並置された
    インダクタ要素である複数の内部導体と、前記磁性体の
    対向した側面を含む側端部に設けられ、前記複数の内部
    導体と各々電気的に接続された複数の外部電極とを有
    し、隣り合う内部導体間に発生する磁束密度、及び前記
    複数の内部導体のうち最外側に位置する内部導体と前記
    磁性体の端部との間に発生する磁束密度が略同一となる
    ように前記磁性体内における前記複数の内部導体の配列
    距離を規定したことを特徴とするインダクタアレイ。
  2. 【請求項2】 磁性体シートの積層体よりなる板状の磁
    性体と、前記磁性体内に所定の厚みをもって並置された
    インダクタ要素である複数の内部導体と、前記磁性体の
    対向した側面を含む側端部に設けられ、前記複数の内部
    導体と各々電気的に接続された複数の外部電極とを有
    し、前記複数の内部導体のうち最外側に位置する内部導
    体と前記磁性体の端部との距離をW1、隣り合う内部導
    体間の距離をW2、前記内部導体の上面から前記磁性体
    の上面までの距離、前記内部導体の下面から前記磁性体
    の下面までの距離をそれぞれTとした場合、T<W1且
    つT<W2の関係が成り立つことを特徴とするインダク
    タアレイ。
  3. 【請求項3】 2×T<W2の関係が成り立つことを特
    徴とする請求項2記載のインダクタアレイ。
  4. 【請求項4】 磁性体シートの積層体よりなる板状の磁
    性体と、前記磁性体内に所定の厚みをもって並置された
    インダクタ要素である複数の内部導体と、前記磁性体の
    対向した側面を含む側端部に設けられ、前記複数の内部
    導体と各々電気的に接続された複数の外部電極とを有
    し、前記複数の内部導体のうち最外側に位置する内部導
    体の上面と前記磁性体の上面との距離、前記複数の内部
    導体のうち最外側に位置する内部導体の下面と前記磁性
    体の下面との距離をそれぞれL1、前記複数の内部導体
    のうち最外側に位置しない内部導体の上面と前記磁性体
    の上面との距離、前記複数の内部導体のうち最外側に位
    置しない内部導体の下面と前記磁性体の下面との距離を
    それぞれL2とした場合、L1>L2の関係が成り立つ
    ことを特徴とするインダクタアレイ。
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