JP2001118576A - 二次電源 - Google Patents

二次電源

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JP2001118576A JP30010099A JP30010099A JP2001118576A JP 2001118576 A JP2001118576 A JP 2001118576A JP 30010099 A JP30010099 A JP 30010099A JP 30010099 A JP30010099 A JP 30010099A JP 2001118576 A JP2001118576 A JP 2001118576A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高耐電圧、高容量、かつ急速充放電サイクル特
性に優れた二次電源の提供。 【解決手段】活性炭を主体とする正極と、ラマンスペク
トルにおける1360cm-1近傍ピークと1580cm
-1近傍ピークの強度比I1360/I1580が0.12〜1.
0のリチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料とI
1360/I1580が0.01〜0.115の黒鉛化した炭素
材料とを含む負極と、リチウム塩を含む有機電解液と、
を有する二次電源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐電圧が高く、容
量が大きく、急速充放電サイクル信頼性の高い二次電源
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気二重層キャパシタの電極に
は、正極、負極ともに活性炭を主体とする分極性電極が
使用されている。電気二重層キャパシタの耐電圧は、水
系電解液を使用すると1.2V、有機系電解液を使用す
ると2.5〜3.3Vである。電気二重層キャパシタの
エネルギは電圧の2乗に比例するので、耐電圧の高い有
機電解液の方が水系電解液より高エネルギである。しか
し、有機電解液を使用した電気二重層キャパシタでもそ
のエネルギ密度は鉛蓄電池等の二次電池の1/10以下
であり、さらなるエネルギ密度の向上が必要とされてい
る。
【0003】これに対し、特開昭64−14882に
は、活性炭を主体とする電極を正極とし、X線回折によ
る[002]面の面間隔が0.338〜0.356nm
である炭素材料にあらかじめリチウムイオンを吸蔵させ
た電極を負極とする上限電圧3Vの二次電源が、また、
特開平8−107048には、リチウムイオンを吸蔵、
脱離しうる炭素材料にあらかじめ化学的方法又は電気化
学的方法でリチウムイオンを吸蔵させた炭素材料を負極
に用いる電池が、また、特開平9−55342には、リ
チウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料をリチウムと
合金を形成しない多孔質集電体に担持させる負極を有す
る、上限電圧4Vの二次電源が、提案されている。しか
しこれらの二次電源は、負極の炭素材料にあらかじめリ
チウムイオンを吸蔵させる工程を必要とする問題があっ
た。
【0004】また、電気二重層キャパシタ以外に大電流
充放電可能な電源にはリチウムイオン二次電池がある。
リチウムイオン二次電池は電気二重層キャパシタに比べ
て高電圧かつ高容量という性質を有するが、抵抗が高
く、急速充放電サイクルによる寿命が電気二重層キャパ
シタに比べ著しく短い問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、急速
充放電が可能で、高耐電圧かつ高容量でエネルギ密度が
高く、充放電サイクル信頼性の高い二次電源を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性炭を主体
とする正極と、ラマンスペクトルにおける1360cm
-1近傍のピーク強度I1360と1580cm-1近傍のピー
ク強度I1580の比I13 60/I1580が0.12〜1.0で
あるリチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料とI
1360/I1580が0.01〜0.115である黒鉛化した
炭素材料とを含む負極と、リチウム塩を含む有機電解液
と、を有することを特徴とする二次電源を提供する。
【0007】また、本発明は、活性炭を主体とする正極
と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を含む
負極と、リチウム塩を含む有機電解液と、を有する二次
電源において、前記負極には、ラマンスペクトルにおけ
る1360cm-1近傍のピーク強度I1360と1580c
-1近傍のピーク強度I1580の比I1360/I1580が0.
01〜0.115である黒鉛化した気相成長炭素繊維が
5〜20質量%含まれることを特徴とする二次電源を提
供する。
【0008】本明細書において、リチウムイオンを吸
蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極と集電体とを
接合して一体化させたものを負極体という。正極体につ
いても同様の定義とする。また、二次電池も電気二重層
キャパシタも二次電源の1種であるが、本明細書では、
正極に活性炭を含み、負極にリチウムイオンを吸蔵、脱
離しうる炭素材料を含む特定の構成の二次電源を単に二
次電源という。
【0009】一般に炭素のラマンスペクトルでは、13
60cm-1近傍と1580cm-1近傍とにピークが現れ
る。1360cm-1近傍のピークはDバンドのピークで
あり乱層構造に起因する。1580cm-1近傍のピーク
はGバンドのピークであり炭素の黒鉛構造に起因する。
したがって黒鉛構造のエッジ面が多いとこのピーク強度
比I1360/I1580は大きくなり、ベーサル面が多いと強
度比は小さくなる。また、I1360/I1580は炭素の黒鉛
化度を示すパラメータでもあり、この値が小さいほど黒
鉛化が進んでいる。本発明では導電剤として黒鉛化炭素
を使用するので、黒鉛化が進んでいる炭素の方が好まし
い。
【0010】そのため、本発明の二次電源においては、
1360/I1580が0.01〜0.115の炭素材料を使
用する。この値が0.115超の炭素材料では黒鉛化が
進んでいないため、負極の抵抗低減の効果がほとんど見
られない。一方、0.01未満の炭素材料は得ることが
困難である。好ましくは0.03〜0.115であり、
さらに好ましくは0.05〜0.11である。
【0011】なお、本明細書において1580cm-1
傍のピーク及び1360cm-1近傍のピークは、それぞ
れ1565〜1595cm-1に現れるピーク及び134
5〜1375cm-1に現れるピークを示すものとする。
【0012】本発明における特定のラマンスペクトル特
性を有する黒鉛化した炭素材料(以下、本発明における
黒鉛化炭素という。)の原料、製法等は特に限定されな
い。例えば石油系、石炭系のコークス、ピッチ等を原料
として最終的に2800℃以上で熱処理すると黒鉛化し
た炭素材料が得られる。本発明における黒鉛化炭素とし
ては、原料として気相成長炭素繊維(以下、VGCFと
いう。)を用いて、黒鉛化したものであることが好まし
い。VGCFは、鉄微粒子を触媒としてベンゼン蒸気を
1000℃付近で熱分解させることにより得られる。得
られたVGCFを不活性雰囲気中、2800℃以上で熱
処理すると黒鉛化できる。
【0013】本発明では、負極中に本発明における黒鉛
化炭素が含まれることにより、負極の抵抗が低減でき、
その結果二次電源の抵抗を低減できるため、高出力放電
に適する二次電源を得られる。負極の抵抗が低減する機
構としては、黒鉛化炭素自体の抵抗が低いことに加え、
黒鉛化炭素の存在によりリチウムイオンを吸蔵、脱離し
うる炭素材料間の導電性を高められるためと思われる。
特に黒鉛化したVGCFを用いると前記炭素材料間の導
電性を高める効果が大きい。黒鉛化したVGCFを使用
する場合、その効果を高めるためには実質的に繊維径が
0.1〜20μm、特に1〜10μmであることが好ま
しく、実質的に繊維長が1〜100μm、特に5〜50
μmであることが好ましい。
【0014】負極中の、本発明における黒鉛化炭素の量
は、5〜20質量%が好ましい。5質量%未満では、負
極の抵抗を低減できない。一方、20質量%超では、特
に黒鉛化したVGCF等の繊維を添加する場合、負極の
密度を上げることができず、負極容量が低下する。より
好ましくは、8〜15質量%である。
【0015】一般にリチウムイオン二次電池の場合は、
正極はリチウム含有遷移金属酸化物を主体とする電極、
負極はリチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主
体とする電極であり、充電によりリチウムイオンが正極
のリチウム含有遷移金属酸化物から脱離し、負極のリチ
ウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料へ吸蔵され、放
電により負極からリチウムイオンが脱離し、正極にリチ
ウムイオンが吸蔵される。したがって、本質的には電解
液中のリチウムイオンは電池の充放電に関与しない。
【0016】一方、本発明の二次電源は、充電により電
解液中のアニオンが正極の活性炭に吸着し、電解液中の
リチウムイオンが負極のリチウムイオンを吸蔵、脱離し
うる炭素材料へ吸蔵される。そして放電により負極から
リチウムイオンが脱離し、正極では前記アニオンが脱着
される。すなわち、本発明の二次電源では充放電に電解
液の溶質が本質的に関与しており、リチウムイオン電池
とは充放電の機構が異なっている。また、リチウムイオ
ン二次電池のように正極活物質自体にリチウムイオンが
吸蔵、脱離することがないため、本発明の二次電源は充
放電サイクル信頼性に優れている。
【0017】正極に活性炭、負極にリチウムイオンを吸
蔵、脱離しうる炭素材料を用いた二次電源では、電解液
に溶解しているイオンが充放電に関与する。したがっ
て、電解液の溶質濃度が低い場合には十分に充電できな
くなるおそれがある。溶質濃度としては0.5〜2.0
mol/L、特に0.75〜1.5mol/Lが好まし
い。
【0018】本発明の二次電源では、1度目の充放電サ
イクルにおける負極のサイクル効率は必ずしも100%
ではなく、吸蔵されたリチウムイオンで脱離しないもの
もある。その場合、電解液中のリチウムイオン濃度が減
少し次の充電から十分に充電できないおそれがあるの
で、正極にリチウム含有遷移金属酸化物を添加して特性
劣化を防ぐことが好ましい。この方法により、負極から
脱離できないリチウムイオンを補うことができる。この
場合、正極中に含まれるリチウム含有遷移金属酸化物は
0.1〜20質量%、特に3〜15質量%が好ましい。
0.1質量%未満ではその効果が小さく、一方、20質
量%超ではリチウム含有遷移金属酸化物の容量が大きい
ため、活性炭電極の特徴の高出力かつ高信頼性という二
次電源性能が得られなくなる。
【0019】上記リチウム含有遷移金属酸化物として
は、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn及びWからなる
群から選ばれる1種以上の遷移金属とリチウムとの複合
酸化物が好ましい。特に、Mn、Co及びNiからなる
群から選ばれる1種以上とリチウムとの複合酸化物が好
ましく、なかでもLixCoyNi(1-y)2又はLiz
24(ただし、0<x<2、0≦y≦1、0<z<
2。)で表される化合物が好ましい。
【0020】本発明において、正極に含まれる活性炭
は、比表面積が800〜3000m2/gであることが
好ましい。活性炭の原料、賦活条件は限定されないが、
例えば原料としてはやしがら、フェノール樹脂、石油コ
ークス等が挙げられ、賦活方法としては水蒸気賦活法、
溶融アルカリ賦活法等が挙げられる。本発明では特に、
水蒸気賦活したやしがら系活性炭又は水蒸気賦活したフ
ェノール樹脂系活性炭が好ましい。また、正極の抵抗を
低くするために、正極中に導電材として導電性のカーボ
ンブラック又は黒鉛を含ませておくのも好ましく、この
とき導電材は正極中に0.1〜20質量%であることが
好ましい。
【0021】正極体の作製方法としては、例えば活性炭
粉末にバインダとしてポリテトラフルオロエチレンを混
合し、混練した後シート状に成形して正極とし、これを
集電体に導電性接着剤を用いて固定する方法がある。ま
た、バインダとしてポリフッ化ビニリデン、ポリアミド
イミド、ポリイミド等を用い、これらを溶解したワニス
に活性炭粉末を分散させ、この液をドクターブレード法
等によって集電体上に塗工し、乾燥して得てもよい。正
極中に含まれるバインダの量は、正極体の強度と容量等
の特性とのバランスから質量比で1〜20%であること
が好ましい。
【0022】本発明におけるリチウムイオンを吸蔵、脱
離しうる炭素材料は、X線回折の測定による[002]
面の面間隔が0.335〜0.410nmであることが
好ましい。面間隔が0.410nm超の炭素材料は充放
電サイクルにおいて劣化しやすい。具体的には石油コー
クス、メソフェーズピッチ系炭素材料又は気相成長炭素
繊維を800〜3000℃で熱処理した材料、天然黒
鉛、人造黒鉛、難黒鉛性炭素材料等が挙げられる。本発
明ではこれらの材料はいずれも好ましく使用できる。こ
のなかでも[002]面の面間隔が0.335〜0.3
37nmの難黒鉛性炭素材料や、天然黒鉛又は易黒鉛性
炭素材料を2800℃以上で熱処理した[002]面の
面間隔が0.335〜0.337nmの材料は、リチウ
ムイオン吸蔵、脱離の電位が低く好ましい。
【0023】なお、本発明において負極に含有されるリ
チウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料は黒鉛系の炭
素材料であってもラマンスペクトルにおけるI1360/I
1580の値は通常0.01〜0.115の範囲には入ら
ず、通常0.12〜1.0の範囲である。
【0024】本発明における負極体は、正極体同様ポリ
テトラフルオロエチレンをバインダとしてリチウムイオ
ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料と本発明における黒鉛化
炭素とを混練してシート状に成形し、導電性接着剤を用
いて集電体に接着させて得られる。また、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリアミドイミド又はポリイミドをバインダ
とし、バインダとなる樹脂又はその前駆体を有機溶媒に
溶解させた液に前記炭素材料及び前記黒鉛化炭素を分散
させ、集電体に塗工し、乾燥させて得る方法もある。
【0025】集電体に液を塗工して負極体を得る方法に
おいて、バインダとなる樹脂又はその前駆体を溶解させ
る溶媒は限定されないが、バインダを構成する樹脂又は
その前駆体を容易に溶解でき、入手も容易であることか
らN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)
が好ましい。ここで、ポリアミドイミドの前駆体又はポ
リイミドの前駆体とは、加熱することにより重合してそ
れぞれポリアミドイミド又はポリイミドとなるものをい
う。
【0026】上に挙げたバインダは、加熱することによ
り硬化し、耐薬品性、機械的性質、寸法安定性に優れ
る。熱処理の温度は200℃以上であることが好まし
い。200℃以上であれば、ポリアミドイミドの前駆体
又はポリイミドの前駆体であっても通常重合して、それ
ぞれポリアミドイミド又はポリイミドとなる。また、熱
処理する雰囲気は窒素、アルゴン等の不活性雰囲気又は
133Pa以下の減圧下が好ましい。ポリアミドイミド
又はポリイミドは、本発明で使用される有機電解液に対
する耐性があり、また負極から水分を除去するために3
00℃程度の高温加熱又は減圧下の加熱をしても充分耐
性がある。
【0027】本発明における有機電解液に含まれるリチ
ウム塩は、LiPF6、LiBF4、LiClO4、Li
N(SO2CF32、CF3SO3Li、LiC(SO2
3 3、LiAsF6及びLiSbF6からなる群から選
ばれる1種以上が好ましい。溶媒はエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、
ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、スルホラン及びジメトキシエタン
からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好まし
い。これらのリチウム塩と溶媒とからなる電解液は耐電
圧が高く、電気伝導度も高い。
【0028】上記溶媒のなかでも、特にプロピレンカー
ボネートを含む溶媒が好ましい。活性炭は上記の溶媒の
なかで特にプロピレンカーボネートに対して安定であ
り、電解液溶媒中にプロピレンカーボネートは50%以
上含まれることが好ましい。しかし、プロピレンカーボ
ネート以外の溶媒系ではリチウムイオンを吸蔵、脱離し
うる炭素材料である黒鉛系の炭素材料を、プロピレンカ
ーボネートを含む溶媒系で使用するとリチウムイオンを
吸蔵できない。この場合、電解液中に12−クラウン−
4等のクラウンエーテルを添加すると黒鉛系の炭素材料
でもリチウムイオンの吸蔵が可能になる。このときのク
ラウンエーテルの濃度は電解液に対し0.1〜10質量
%が好ましい。0.1質量%未満ではクラウンエーテル
添加の効果は見られず、10質量%超では正極の劣化が
大きい。
【0029】また、特に好ましい電解液は、正極の活性
炭と組み合わせたときに高性能が得られるLiBF4
含むプロピレンカーボネート溶液であり、充放電サイク
ル特性及び電圧印加特性に優れる。
【0030】
【実施例】次に、実施例(例1、2)及び比較例(例
3)により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明
はこれらにより限定されない。なお、例1〜3における
セルの作製及び測定はすべて露点が−60℃以下のアル
ゴングローブボックス中で行った。
【0031】[例1]フェノール樹脂を原料として水蒸
気賦活法によって得られた比表面積2000m2/gの
活性炭80質量%、導電性カーボンブラック10質量
%、及びバインダとしてのポリテトラフルオロエチレン
10質量%からなる混合物をエタノールを加えて混練
し、圧延した後、200℃で2時間真空乾燥して電極シ
ートを得た。この電極シートから大きさ6cm×3c
m、厚さ150μmの電極を得て、ポリアミドイミドを
バインダとする導電性接着剤を用いてアルミニウム箔に
接合し、減圧下で300℃で2時間熱処理し、正極体と
した。
【0032】次に、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる
炭素材料として、X線回折による[002]面の面間隔
0.336nm、粒径6μmの黒鉛化メソカーボンマイ
クロビーズ(大阪ガス社製、ラマンスペクトルの強度比
1360/I1580は0.14)と、ラマンスペクトルの強
度比I1360/I1580が0.06の黒鉛化したVGCFと
を、ポリフッ化ビニリデンをNMPに溶解した溶液に分
散させて、銅からなる集電体に塗布し乾燥して負極体を
得た。負極中の黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ:黒
鉛化したVGCF:ポリフッ化ビニリデンは、質量比で
8:1:1であった。この負極体をさらにロールプレス
機でプレスし、大きさ6cm×3cm、厚さ15μmの
負極が形成された負極体とした。
【0033】上記のように得られた正極体と負極体をポ
リプロピレン製のセパレータを介して対向させ、1mo
l/LのLiBF4をエチレンカーボネートとジエチル
カーボネートの混合溶媒(体積比で1:1)に溶解した
溶液に充分な時間含浸させて、二次電源を得た。この二
次電源の初期容量を測定後、充放電電流180mAで
4.2Vから2.75Vまでの範囲で充放電サイクル試
験を行い、1000サイクル後の容量を測定し、容量変
化率を算出した。結果を表1に示す。
【0034】[例2]リチウムイオンを吸蔵、脱離しう
る炭素材料を、X線回折による[002]面の面間隔
0.373nm、粒径19μm、ラマンスペクトルの強
度比I1360/I 1580が0.76の難黒鉛性炭素材料に変
更し、負極の厚さを26μmとした以外は例1と同様に
して負極体を得た。上記負極体を用い、電解液として1
mol/LのLiBF4をエチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートとの混合溶媒(体積比で1:1)に
溶解した溶液を用いた以外は例1と同様にして二次電源
を作製し、例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0035】[例3]黒鉛化したVGCFを加えず、負
極中の難黒鉛性炭素材料とポリフッ化ビニリデンとの含
有割合を質量比で9:1とした以外は例2と同様にして
負極体を得た。この負極体を用いた以外は例1と同様に
して二次電源を作製し、例1と同様に評価した。結果を
表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、耐電圧が高く、容量が
大きく、かつ急速充放電サイクル信頼性の高い二次電源
を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA01 AA02 AA04 BA01 BB04 BC02 BD00 BD03 BD04 5H029 AJ02 AJ03 AJ05 AK03 AK08 AK18 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 HJ00 HJ02 HJ04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭を主体とする正極と、ラマンスペク
    トルにおける1360cm-1近傍のピーク強度I1360
    1580cm-1近傍のピーク強度I1580の比I1360/I
    1580が0.12〜1.0であるリチウムイオンを吸蔵、
    脱離しうる炭素材料とI1360/I1580が0.01〜0.
    115である黒鉛化した炭素材料とを含む負極と、リチ
    ウム塩を含む有機電解液と、を有することを特徴とする
    二次電源。
  2. 【請求項2】負極中に、前記黒鉛化した炭素材料が5〜
    20質量%含まれる請求項1に記載の二次電源。
  3. 【請求項3】前記黒鉛化した炭素材料が、気相成長炭素
    繊維を黒鉛化したものである請求項1又は2に記載の二
    次電源。
  4. 【請求項4】活性炭を主体とする正極と、リチウムイオ
    ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を含む負極と、リチウム
    塩を含む有機電解液と、を有する二次電源において、前
    記負極には、ラマンスペクトルにおける1360cm-1
    近傍のピーク強度I1360と1580cm-1近傍のピーク
    強度I1580の比I1360/I1580が0.01〜0.115
    である黒鉛化した気相成長炭素繊維が5〜20質量%含
    まれることを特徴とする二次電源。
  5. 【請求項5】前記リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭
    素材料は、[002]面の面間隔が0.335〜0.4
    10nmである請求項1、2、3又は4に記載の二次電
    源。
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