JP2001115873A - 燃料噴射式4サイクルエンジン - Google Patents
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Abstract
シュポッド制御の際にエンジンへの空気供給量が十分に
確保できる燃料噴射式4サイクルエンジンを提供する。 【解決手段】 燃料噴射式4サイクルエンジン(2)
は、シリンダ(7)内へ空気を導く吸気管(52)にス
ロットル弁(54)が設けられ、このスロットル弁をバ
イパスするバイパス流路(55)が形成され、このバイ
パス流路にはISCバルブ(81)が設けられている。
そして、ISCバルブの開度は、スロットル弁の開度ま
たはエンジン回転数が大きくなるにつれて大きくなって
いる。
Description
を導く吸気管にスロットル弁が設けられ、このスロット
ル弁をバイパスするバイパス流路が形成され、このバイ
パス流路にはISCバルブ(アイドルスピードコントロ
ールバルブ)が設けられている燃料噴射式4サイクルエ
ンジンに関する。
転数時にスロットル弁が急に閉じられた場合に、開くよ
うに制御(所謂、ダッシュポッド制御)されている。そ
して、エンジンへの吸気量不足で失火などが発生し、エ
ンジンの回転が停止したり、不調となったりすることを
防止している。この従来のISCバルブは、スロットル
弁の開度(以下、「スロットル開度」と呼ぶ)が大きい
場合およびエンジン回転数が低い場合には閉じ、スロッ
トル開度が小さく、かつ、エンジン回転数が高い場合に
開いている。
ブが安価なステップモーターなどの応答特性の遅い駆動
装置で駆動されていることがある。このステップモータ
ーは、図4に図示するように、スイッチをONとして電
気を供給しても、段階的に一定角度ずつ回転する。した
がって、ステップモーターにより駆動されるISCバル
ブは、所望の開度まで開くのに時間を要している。その
ため、図6の破線で図示するように、スロットル開度を
増大させて、エンジン回転数を増大させた後に、急にス
ロットル弁を閉じた場合に行われるダッシュポッド制御
の際に、ISCバルブは閉じた状態から開き始めるが、
ISCバルブの開く速度が遅く、間に合わないことがあ
る。すると、前述のように、エンジンへの空気供給量が
不足し、エンジンの回転が停止したり、不調となったり
する。そして、これを防止するために、ISCバルブの
1ステップで開く開度を大きくすると、ISCバルブに
よる空気量の調整の精度が低下するとともに、大きな容
量のISCバルブが必要となり、コストが増大する。
めのもので、応答特性の遅いISCバルブでも、ダッシ
ュポッド制御の際にエンジンへの空気供給量が十分に確
保できる燃料噴射式4サイクルエンジンを提供すること
を目的とする。
イクルエンジン(2)は、シリンダ(7)内へ空気を導
く吸気管(52)にスロットル弁(54)が設けられ、
このスロットル弁をバイパスするバイパス流路(55)
が形成され、このバイパス流路にはISCバルブ(8
1)が設けられている。そして、前記ISCバルブの開
度は、スロットル弁の開度またはエンジン回転数が大き
くなるにつれて大きくなっている。
ター(82)で駆動されている場合がある。
4サイクルエンジンの実施の一形態を図1ないし図7を
用いて説明する。図1は本発明の実施の形態の燃料噴射
式4サイクルエンジンを搭載した船外機の基本構成を示
す模式的構成図である。図2は吸気管およびISCバル
ブの配置の模式図である。図3はISCバルブの断面図
である。図4はISCバルブの稼働時のタイムチャート
である。図5はISCバルブの開度とスロットル開度と
の関係示すグラフである。図6はスロットル弁を開けて
から急に閉じた場合のタイムチャートである。図7はI
SCバルブを駆動するためのフローチャートである。
噴射式4サイクル多気筒エンジン2がカウリング内に搭
載されており、このエンジン2のクランク軸3は、縦置
き状態である。また、船外機1の下部には、プロペラ4
が回転可能に設けられている。このプロペラ4は、ドラ
イブシャフト5やプロペラシャフト6などを介して、エ
ンジン2のクランク軸3に連結されており、クランク軸
3により、プロペラ4を回転駆動できる。このエンジン
2はL型4気筒で、各シリンダ7は略水平に配置されて
いるとともに、上下に4段設けられている。各シリンダ
7には、ピストン8が往復動自在に配置され、コンロッ
ド9を介してクランク軸3に連結されている。また、ド
ライブシャフト5により、冷却水ポンプ27が駆動さ
れ、船外機外の水を吸い込んで、エンジン2などに冷却
水として供給している。
ボディ29には、エンジン温度センサー32が設けられ
ており、シリンダボディ29の温度すなわちエンジン温
度を検出している。また、クランク軸3の周囲には、パ
ルス発生手段としてのパルサコイル36が設けられ、ク
ランク軸3が回転すると、このパルサコイル36が、ク
ランク軸3の回転数(すなわちエンジン回転数)に応じ
た周波数のパルス信号を出力している。このパルサコイ
ル36がエンジン回転数センサー40を構成しており、
パルスの数をカウントすることによりエンジン回転数が
分かる。また、パルスの発生する際のクランク軸3の回
転角度は略一定であるので、パルスが発生した際には、
クランク軸3が特定の回転角度(パルス発生角度)にな
ったことが分かる。
ンダヘッド46で覆われている。このシリンダヘッド4
6には、各シリンダ7毎に、シリンダ7に空気を供給す
る吸気流路47と、燃焼室45の燃焼ガスを排気する排
気流路48とが設けられている。吸気流路47の吸気孔
を吸気弁49が開閉し、また、排気流路48の排気孔を
排気弁51が開閉している。吸気弁49は吸気弁用カム
シャフト49aで駆動され、排気弁51は排気弁用カム
シャフト51aで駆動されている。このカムシャフト4
9a,51aは、クランク軸3とタイミングベルトなど
を介して連動しており、クランク軸3が2回転すると、
カムシャフト49a,51aは1回転している。さら
に、シリンダヘッド46には点火プラグ50が着脱自在
に取り付けられている。
々、吸気管52が接続され、この4本の吸気管52の端
部はサージタンク53に接続されて集合している。吸気
管52には、各々スロットル弁54が設けられ、このス
ロットル弁54が、各気筒への吸気量を調整しており、
所謂独立スロットル形式となっている。また、詳細は後
述するバイパス流路55がスロットル弁54をバイパス
している。そして、スロットル弁54は、互いに連動し
ており、スロットル弁54の開度(すなわち、スロット
ル開度)は、スロットル開度センサー56が検出してい
る。このスロットル開度センサー56は、スロットル弁
54の開度を正常に検出している際には、出力電圧は0
よりも大きな値となっており、故障などをした際には、
略0電圧となっている。また、吸気管52の一本には、
スロットル弁54の下流側に、吸気圧センサー57が設
けられており、吸気管52内の気圧を検出している。さ
らに、吸気管52には、スロットル弁54の下流側に、
各々インジェクター58が設けられている。
て説明する。船外機1が搭載されているボート等の船体
59側には主燃料タンク61が設けられており、この主
燃料タンク61の燃料たとえばガソリンなどは、手動式
の第1の低圧ポンプ62によりフィルター63を経て、
第2の低圧ポンプ64に送られている。フィルター63
およびそれよりも下流の部材は、船外機1内に配置され
ている。そして、第2の低圧ポンプ64は、第1の低圧
ポンプ62から送られた燃料を、気液分離装置であるベ
ーパーセパレータータンク65に送る。このベーパーセ
パレータータンク65内には、燃料ポンプ66が配設さ
れ、この燃料ポンプ66が、供給配管67を介してイン
ジェクター58にベーパーセパレータータンク65内の
燃料を供給している。そして、この燃料はインジェクタ
ー58から吸気管52内に噴射されている。また、イン
ジェクター58で余った燃料は戻り配管68を通ってベ
ーパーセパレータータンク65に戻ってきている。
が設けられ、燃焼ガスの酸素濃度を検出している。そし
て、オイルポンプ28は、アッパーケーシング18内の
オイルパン76から潤滑オイルを吸い込み、オイル流路
77を介してクランク軸3の軸受けなどに供給してい
る。オイル流路77には、油温センサー78および油圧
センサー79が設けられており、油温センサー78は潤
滑オイルの温度を、また、油圧センサー79は潤滑オイ
ルの圧力を検出している。
流側がサージタンク53に、下流側が、各吸気管52に
おけるスロットル弁54よりも下流側の部分に接続され
ている。そして、バイパス流路55の中間部には、IS
Cバルブ81が設けられ、このISCバルブ81を駆動
装置としてのステップモーター82が駆動している。こ
のステップモーター82には、固定子83と可動子84
とが設けられ、可動子84の内面側には雌ねじ部86が
固定して設けられている。この雌ねじ部86に螺合する
雄ねじシャフト87は、ISCバルブ81の弁体に一体
に構成されている。また、押圧バネ88が雄ねじシャフ
ト87を下方すなわち閉方向に付勢している。そして、
可動子84が回転すると、雌ねじ部86が一体に回転
し、この雌ねじ部86の回転により、螺合する雄ねじシ
ャフト87およびISCバルブ81の弁体が押圧バネ8
8の付勢力に付勢されながら、上下動し、ISCバルブ
81を開閉している。
点火時期や、インジェクター58の燃料噴射量や噴射時
期などのエンジン稼働状態を制御するエンジンコントロ
ールユニット(ECU)91が設けられている。このエ
ンジンコントロールユニット91は、マイコンなどの制
御装置で、入力側に、エンジン回転数センサー40、大
気圧センサー92、船外機の傾動の角度を検出するトリ
ムセンサー93、油温センサー78、油圧センサー7
9、O2センサー71、スロットル開度センサー56、吸
気圧センサー57およびエンジン温度センサー32など
が、また、出力側に点火プラグ50の点火回路、インジ
ェクター58の駆動部やステップモーター82などが接
続されている。また、エンジンコントロールユニット9
1の内部には、CPU、タイマー、およびRAMやRO
Mなどからなる記憶部などが設けられている。
1の記憶部には、図5に図示するISCバルブの開度
(以下、「ISCバルブ開度」と呼ぶ)とスロットル開
度との関係が2次元マップで一対一で対応するように前
もって記憶されている。図5に示すように、ISCバル
ブ開度は、スロットル開度が大きくなるにつれて大きく
なるとともに、ISCバルブ開度の変化率は、スロット
ル開度が大きくなるにつれて小さくなっている。言い換
えると、逆に、スロットル開度が小さくなると、ISC
バルブ開度もそれにつれて小さくなっているとともに、
ISCバルブ開度の変化率は、スロットル開度が小さく
なるにつれて大きくなっている。また、このISCバル
ブ開度は、対応するスロットル開度の状態時に、急にス
ロットル弁54が全閉されても、エンジン2の回転が極
力不調とならないように決定されている。
ン2が稼働すると、空気がサージタンク53から吸気管
52を流れ、インジェクター58からガソリンなど燃料
が供給されて混合されている。空気は吸気管52を流れ
ている際に、スロットル弁54で流量が調整されている
とともに、このスロットル弁54をバイパスし、バイパ
ス流路55を通ってスロットル弁54の下流側に流れ込
んでいる。そして、吸気弁49が開いている際に、吸気
流路47を通って、燃焼室45に流入している。ピスト
ン8は上死点と下死点との間を往復動しており、クラン
ク軸3が2回転する間に、略上死点から略下死点への吸
気工程と、略下死点から略上死点への圧縮工程と、次の
略上死点から略下死点への燃焼工程と、略下死点から略
上死点への排気工程との4工程を行っている。この4工
程の間に、カムシャフト49a,51aは1回転してお
り、吸気工程の際に吸気弁49が開き、排気工程の際に
排気弁51が開いている。また、燃焼工程の始めの上死
点付近で点火プラグ50が点火され、吸気工程の初期の
付近で、インジェクター58から燃料が噴射されてい
る。そして、エンジンコントロールユニット91は、入
力側に接続されている種々のセンサーから入力される種
々のデータに基づいて、点火プラグ50の点火時期、イ
ンジェクター58の噴射時期および噴射時間(すなわ
ち、燃料噴射量)、並びにISCバルブ81の開度など
を決定し、制御している。
1によるスロットル開度の制御のフローを説明する。図
7において、ステップ1で、エンジンコントロールユニ
ット91は、スロットル開度センサー56からの検出値
すなわちスロットル開度をサンプリングする。ついで、
ステップ2において、サンプリングしたスロットル開度
から、エンジンコントロールユニット91の記憶部に記
憶されているスロットル開度とISCバルブ開度との関
係(2次元マップ)に基づいて、ISCバルブ開度の目
標値を求め、ステップ3に行く。ステップ3において、
ISCバルブ開度の目標値とISCバルブ開度の現在値
とを比較し、差が無い場合にはステップ1に戻り、差が
有る場合にはステップ4に行く。なお、エンジンコント
ロールユニット91は、ステップモーター82に出力し
た回転信号の今までの出力回数(すなわち、正転の出力
回数から反転の出力回数を減算した回数)から、ISC
バルブ開度の現在値が分かっている。そして、ステップ
4において、ISCバルブ81を駆動する。すなわち、
ステップモーター82に回転信号を入力して、差が小さ
くなる方向に回転させ、ISCバルブ81を開方向また
は閉方向に移動させる。そして、ステップ1に戻る。こ
の様にして、ISCバルブ開度が、図5に示す関係を維
持するように、スロットル開度に追随して変化してい
る。
いアクセルレバーなどを操作して、スロットル弁54の
開度を略閉じている状態から漸次増大すると、ISCバ
ルブ開度もそれに追随して大きくなり、エンジン回転数
も増大する。ついで、急にスロットル弁54を閉じる
と、ISCバルブ81も閉じる方向に変化する。しかし
ながら、ISCバルブ81は図4に図示するように、応
答特性が悪く、段階的に変位するので、図6において
も、スロットル弁54の変化に遅れながら追随して閉方
向に変位している。
と、ダッシュポッド制御が始まり、前述のように、従来
はISCバルブ81が閉まっている状態から開くが、こ
の実施の形態では、ISCバルブ81はすでに開いてお
り、この開いた状態から漸次閉まることになる。したが
って、エンジン2のシリンダ7には、必要な空気量が供
給され、エンジン2の回転が停止したり、また、不調と
なったりすることを極力防止することができる。
ISCバルブ81に塩付きが発生することがあるが、こ
の実施の形態では、ISCバルブ81の駆動装置とし
て、ステップモーター82が採用されており、駆動装置
としてソレノイドを採用した場合に比して、駆動力が大
きいので、塩付きが発生しても、ステップモーター82
の大きな駆動力でISCバルブ81を駆動させることが
できる。
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、
特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、
種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を
下記に例示する。 (1)燃料噴射式4サイクルエンジンは、船外機以外の
用途たとえば、水上オートバイやスノーモービルなどに
も用いることができる。また、気筒数は適宜変更可能で
ある。さらに、エンジンの形式はL型でも、V型でも、
また、筒内噴射式でも可能である。 (2)ISCバルブの駆動装置はステップモーターであ
るが、他の形式の駆動装置でも可能である。ただし、ス
テップモーターが最適である。 (3)ISCバルブ開度の目標値は、スロットル開度か
ら求められているが、ISCバルブ開度とエンジン回転
数との関係を2次元マップなどで一対一に対応するよう
にエンジンコントロールユニット91の記憶部に記憶さ
せ、このエンジン回転数からISCバルブ開度の目標値
を求めることも可能である。そして、ISCバルブ開度
は、エンジン回転数が増大するにつれて大きくなってい
る。言い換えると、ISCバルブ開度は、エンジン回転
数が減少するにつれて小さくなっている。また、ISC
バルブ開度は、他のファクターを加味して決定すること
も可能である。 (4)ISCバルブ開度と、スロットル開度またはエン
ジン回転数との関係は、ダッシュポッド制御の際に、エ
ンジンの回転が極力不調とならないならば、適宜変更可
能である。ただし、ISCバルブ開度は極力小さい方が
好ましい。また、ISCバルブ開度の変化率は、スロッ
トル開度が大きくなるにつれて小さくなっていることが
好ましい。 (5)バイパス流路55の上流側が、吸気管52におけ
るスロットル弁54よりも上流側に接続されていること
も可能である。
が、スロットル弁の開度またはエンジン回転数が大きく
なるにつれて大きくなっているので、スロットル弁が大
きく開いている状態から急に閉じた際に行われるダッシ
ュポッド制御の初期において、ISCバルブは開いてい
る状態となっている。したがって、バイパス流路を通っ
て、エンジンへの空気供給量が十分に行われる。その結
果、エンジンの回転が停止したり、また、不調になった
りすることを極力防止することができる。
で駆動されている場合には、ISCバルブをソレノイド
で駆動する場合に比して、ステップモーターの駆動力が
比較的大きく、ISCバルブに塩着きが発生していても
駆動することができるとともに、安価なステップモータ
ーを用いており、コストを極力低く抑えることができ
る。
クルエンジンを搭載した船外機の基本構成を示す模式的
構成図である。
図である。
である。
の関係示すグラフである。
合のタイムチャートである。
ャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 シリンダ内へ空気を導く吸気管にスロッ
トル弁が設けられ、このスロットル弁をバイパスするバ
イパス流路が形成され、このバイパス流路にはISCバ
ルブが設けられている燃料噴射式4サイクルエンジンに
おいて、 前記ISCバルブの開度は、スロットル弁の開度または
エンジン回転数が大きくなるにつれて大きくなっている
ことを特徴とする燃料噴射式4サイクルエンジン。 - 【請求項2】 前記ISCバルブが、ステップモーター
で駆動されていることを特徴とする請求項1記載の燃料
噴射式4サイクルエンジン。
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