JP2001115126A - 可撓性プリント配線回路用エポキシ樹脂接着剤 - Google Patents

可撓性プリント配線回路用エポキシ樹脂接着剤

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JP2001115126A
JP2001115126A JP29373999A JP29373999A JP2001115126A JP 2001115126 A JP2001115126 A JP 2001115126A JP 29373999 A JP29373999 A JP 29373999A JP 29373999 A JP29373999 A JP 29373999A JP 2001115126 A JP2001115126 A JP 2001115126A
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epoxy
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JP29373999A
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Kenka Kyu
健華 邱
Tokuso Son
徳崢 孫
Gafun Sai
雅芬 蔡
Sengyoku Chin
千玉 陳
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TAKYO KAGI KOFUN YUGENKOSHI
Original Assignee
TAKYO KAGI KOFUN YUGENKOSHI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着強度が高められ、かつ良好な耐熱性と靭性
を有し、特に可撓性プリント配線回路の製造に適するエ
ポキシ樹脂接着剤を提供する。 【解決手段】本発明によるエポキシ樹脂接着剤は、1ま
たはそれ以上のエポキシ樹脂、硬化剤、特定のゴム、任
意に、無機充填剤、およびヒンダードピペリジンオキサ
イドからなるエポキシ樹脂接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂接着
剤に関するものである。さらに詳しくは、良好な接着
性、可撓性、耐熱性、および耐薬品性を有し、可撓性プ
リント配線回路の製造に適したエポキシ樹脂接着剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】可撓性プリント配線回路は極薄く、高密
度でしかも大量生産が重要である新製品の分野用にその
潜在力を開発するのに十分に値するものである。典型的
な可撓性プリント配線回路は誘電層、導電層およびマス
ク層の三層構造が使用され、接着剤でこれらを接合して
可撓性プリント配線回路の積層板とする。積層板が必要
とする特性に合わせて、使用する接着剤を特に選択しな
ければならない。すなわち、選択される接着剤は、積層
板の製造工程および可撓性プリント配線回路の加工工程
の要求に合う接着剤でなければならない。
【0003】接着剤は、可撓性プリント配線回路の特性
である良好な耐熱性、機械的強度、耐薬品性、接着力お
よび可撓性などの要求を満たすものでなければならず、
容易に加工処理できるものでなければならない。エポキ
シ樹脂は良好な温度特性、電気特性、機械的強度および
耐薬品性などの優れた特性を具えており、銅箔やポリイ
ミドフィルムに良く接着する。このためエポキシ樹脂は
プリント配線回路または可撓性プリント配線回路の接着
剤材料として使用されるが、エポキシ樹脂の硬化反応時
にアミン類、酸無水物もしくはフェノール化合物を含む
物質を使用すると、架橋密度が極端に高くなり、エポキ
シ樹脂が脆くなりやすいという欠点が見られる。よっ
て、この種のエポキシ樹脂接着剤を使用した可撓性プリ
ント配線回路に湾曲が発生した場合、容易に脆くなる接
着剤は重大な損害を生む恐れがある。
【0004】架橋密度を低下して可撓性を高めるための
従来の方法としては、エポキシ樹脂自体、もしくは硬化
剤複合物を使用して一方を過剰に使い硬化を進行させて
いた。しかし、硬化反応時に分子連鎖がエポキシ樹脂に
よりもしくは分子末端に位置する硬化剤によって停止
し、エポキシ樹脂の温度特性および化学的特性のいずれ
もが大いに低下する。別途、ゴム成分によってエポキシ
樹脂の質を改良する方法がある。この方法によれば、架
橋密度を低下させずに靭性を保持することができる。し
かも、温度特性も少し低下するだけである。
【0005】ゴムをエポキシ樹脂に混合することによっ
て、満足できる靭性が得られ、かつ耐薬品性およびその
接着性が低下することがない。但し、温度特性について
はやはり低下が見られる。これは、ゴム成分が高温の積
層工程、もしくは高温のハンダ付け工程において容易に
酸化もしくは劣化するためである。したがって、ゴム混
合エポキシ樹脂組成物に抗酸化物を加えることによって
前記酸化の問題を克服することができる。本発明では式
1のヒンダードピペリジンオキサイド化合物をエポキシ
樹脂およびゴム成分の両方の抗酸化剤とする。
【0006】
【化3】
【0007】高温の製造工程において、このようなヒン
ダードピペリジンオキサイド化合物は、エポキシ成分と
ゴム成分とを同時に安定させることができる。本発明で
は、少量のヒンダードピペリジンオキサイド化合物をエ
ポキシ樹脂組成物に加えると、可撓性プリント配線回路
の積層板の剥離強度が高められることを見出した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は積層板の接着
強度を高め、かつ靭性が低下することのないエポキシ樹
脂接着剤の調製方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による接着剤は、
1またはそれ以上のエポキシ樹脂、ゴム化合物、硬化
剤、ヒンダードピペリジンオキサイド化合物からなり、
任意に1またはそれ以上の無機充填剤を添加してもよ
い。また、本発明のエポキシ樹脂接着剤は、1またはそ
れ以上の臭素化エポキシ樹脂およびブタジエンゴムを混
合して調製される。また別の実施形態では、さらに多官
能価のエポキシ樹脂を含ませることにより、高温下の積
層工程およびハンダ付け工程におけるエポキシ樹脂接着
剤の耐熱性を高めることができる。さらに、本発明のエ
ポキシ樹脂接着剤は、ヒンダードピペリジンオキサイド
化合物を添加してエポキシ樹脂の抗酸化剤とすると同時
に、ゴム成分の抗酸化剤とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂接着剤は、
次の組成物からなる。 (a)1またはそれ以上のエポキシ樹脂; (b)硬化剤; (c)ゴム (d)任意に、無機充填剤;および (e)ヒンダードピペリジンオキサイド化合物
【0011】適用されるエポキシ樹脂には、次のエポキ
シ樹脂を単独またはそれらを組み合わせて用いる。すな
わち、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノール
Fエポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAエポキシ樹
脂、臭素化ビスフェノールFエポキシ樹脂、フッ素化ビ
スフェノールAエポキシ樹脂、フッ素化ビスフェノール
Fエポキシ樹脂、o−クレゾールノボラックエポキシ樹
脂またはフェノールノボラックエポキシ樹脂から選ばれ
る。
【0012】接着剤の耐熱性を高めるために、エポキシ
樹脂は臭素化エポキシ樹脂を選択することが好ましく、
エポキシ樹脂100重量部につき少なくとも55重量部
を含む。また、接着剤の耐熱性および耐薬品性を高める
ために多官能価エポキシ樹脂を含むことが好ましい。多
官能価エポキシ樹脂の含量は、エポキシ樹脂100重量
部につき1ないし45重量部が好ましい。多官能価エポ
キシ樹脂の例には、o−クレゾールノボラックエポキシ
樹脂またはフェノールノボラックエポキシ樹脂、もしく
はテトラ官能基を含むエポキシ樹脂(次式2)が含まれ
る。
【0013】
【化4】
【0014】適用される硬化剤には、3,3−ジアミノ
ジフェニルスルフォン(3,3−DDS)、4,4−ジ
アミノジフェニルスルフォン(4,4−DDS)、メチ
レンジフェニルアミン(DDM)、4,4’−オキシジ
アニリン(ODA)、m−フェニレンジアミン(MP
D)およびジシアンジアミド(DICY)が含まれる。
【0015】適用される硬化促進剤には、2−メチルイ
ミダゾール(2MZ)、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール(2E4MZ)、2−フェニルイミダゾール(2
PZ)、ジメチルアミノメチルフェノール、トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルア
ミン(BDMA)、およびジシアンジアミド(DIC
Y)が含まれ、そのうちイミダゾール触媒が比較的好ま
しい。
【0016】適用されるゴムには、カルボキシル末端ブ
タジエンアクリロニトリル(CTBN)、スチレンブタ
ジエンゴム(SBR)、アミン末端ブタジエンアクリロ
ニトリル(ATBN)およびシリコーンゴムが含まれ
る。多くの種類の弾性体材料がエポキシ樹脂の靭性を改
善することができる。本発明ではブタジエンアクリロニ
トリルが好ましいゴムである。エポキシ樹脂中のゴムの
含量を増加させると、弾性体の占める割合も増加する。
このためゴムの含量が多すぎるとエポキシ樹脂の機械的
特性が劣化する。本発明では、エポキシ樹脂100重量
部につきゴムは、10ないし200重量部が好ましい。
【0017】無機充填剤はエポキシ樹脂の熱伝導性、熱
膨張率、および寸法安定性などの特性を改変できる。無
機充填剤の添加はエポキシ樹脂の加工処理に影響を与え
る。したがって、本発明はエポキシ樹脂の製造工程、お
よびエポキシ樹脂接着剤の最終的な応用状況によって添
加する無機充填剤の種類と含有量を決定する。適合する
無機充填剤にはシリカ、雲母、酸化アルミニウム、水酸
化アルミニウム、酸化チタン、タルク、水酸化マグネシ
ウム、炭酸亜鉛、三酸化アンチモニイが含まれる。
【0018】本発明は、ヒンダードピペリジンオキサイ
ド化合物(前記式1を参照、式中、R1,R2、R3およ
びR4は同じかまたは異なり、水素またはC1-3アルキル
基から選ばれ、Xは水素、ヒドロキシル基、アルキル
基、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアリール基
から選ばれる)を添加して、エポキシ樹脂接着剤の耐熱
性を高める。本発明の実施例に用いるヒンダードピペリ
ジンオキサイド化合物は、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ヒドロキシピペリジンオキサイド(TMHP
O)である。なお、本発明は以下のピペリジンの例を包
含できるが、これらに限定されるものではない。
【0019】2,2,6,6−テトラエチル−4−ヒド
ロキシピペリジンオキサイド 2,2,6,6−テトラプロピル−4−ヒドロキシピペ
リジンオキサイド 2,2,6,6−テトラメチル−4−メチルピペリジン
オキサイド 2,2,6,6−テトラエチル−4−メチルピペリジン
オキサイド 2,2,6,6−テトラプロピル−4−メチルピペリジ
ンオキサイド 2,2,6,6−テトラメチル−4−メトキシピペリジ
ンオキサイド 2,2,6,6−テトラエチル−4−メトキシピペリジ
ンオキサイド 2,2,6,6−テトラプロピル−4−メトキシピペリ
ジンオキサイド 2,2,6,6−テトラメチル−4−フェノキシピペリ
ジンオキサイド 2,2,6,6−テトラエチル−4−フェノキシピペリ
ジンオキサイド 2,2,6,6−テトラプロピル−4−フェノキシピペ
リジンオキサイド
【0020】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げるが、本発
明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施
例においては、特に記載しない限り「部」は「重量部」
であり、「phr」は樹脂100重量部に対する重量部
である。この実施例で使用するエポキシ樹脂の組成は、
2種の臭素化エポキシ樹脂(BEB−521A−70お
よびBEB−400T−60)と1種のフェノールノボ
ラックエポキシ樹脂(PNE−177)および/または
1種の四官能価エポキシ樹脂である。BEB−521A
−70の臭素含有量は20〜22%であり、エポキシ当
量は450〜500(wpe)である。また、BEB−
400T−60の臭素含有量は40〜50%であり、エ
ポキシ当量は380〜420(wpe)である。また、
PNE−177のエポキシ当量は172〜182であ
り、好ましい四官能価エポキシ樹脂は前記式2で表され
るテトラキスグリシジル−4−フェニロールエタンであ
る。
【0021】実施例1〜3では、エポキシ樹脂接着剤中
にヒンダードピペリジンオキサイドを抗酸化剤として用
いる。これら実施例の異なるエポキシ樹脂成分に少量の
2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリ
ジンオキサイド(TMHPO)を添加すると、エポキシ
樹脂の接着力が高められる。
【0022】実施例1:エポキシ樹脂接着剤を調合し製
造するための準備として、23部のBEB−521A−
70と、77部のBEB−400T−60と、82部の
カルボキシル末端ブタジエンアクリロニトリルゴム(C
TBN)と、20phrのジアミノジフェニルスルフォ
ン(DDS)と、1.5phrの2−メチルイミダゾー
ル(2MZ)と、42部の水酸化アルミニウム(Al(OH)
3)と、0.2phrのTMHPOとを、メチルエチル
ケトン溶剤を入れたプラスチック容器に加えて三本ロー
ルミルで混合し、すべての材料を完全に混合した後、プ
ラスチック容器から塗布装置に移した。これをポリイミ
ドフイルムに厚さ30ないし35μmに塗布し、コーテ
ィングを110℃で10分間焼く。エポキシ樹脂接着剤
をコーティングしたポリイミドフイルムを銅箔表面にか
ぶせ、積層したものを170℃−30Kg/cm2で3
0分間ホットプレスした。ホットプレスした積層板を長
さ15mm、幅200mmに切断し、剥離強度測定用の
試験体とする。この試験体の両端の銅箔をそれぞれ5m
mの幅で除去し、IPC−2.4.9の測定基準に従
い、50.8mm/minにて剥離強度を測定した。さ
らに、試験体を250℃に加熱したハンダ付け浴に10
秒間入れ、これを3回繰り返し、前記と同様の条件で剥
離強度を測定した。
【0023】実施例2:エポキシ樹脂接着剤を調合し製
造する。23部のBEB−521A−70と、62部の
BEB−400T−60と、15部のPNE−177
と、82部のCTBNと、20phrのDDSと、1.
5phrの2MZと、42部のAl(OH)3と、0.2ph
rのTMHPOとを、メチルエチルケトン溶剤を入れた
プラスチック容器に加えて三本ロールミルで混合し、す
べての材料を完全に混合した後、プラスチック容器から
塗布装置に移した。実施例1の銅箔積層板の製造工程お
よびその剥離強度測定を同様に繰り返した。フェノール
ノボラックエポキシ樹脂、PNE−177を追加したの
で、エポキシ樹脂接着剤の温度特性を高めることができ
た。
【0024】実施例3:エポキシ樹脂接着剤を調合し製
造する。23部のBEB−521A−70と、67部の
BEB−400T−60と、10部の四官能価エポキシ
樹脂(式2)と、82部のCTBNと、20phrのD
DSと、1.5phrの2MZと、42部のAl(OH)
3と、0.2phrのTMHPOとを、メチルエチルケ
トン溶剤を入れたプラスチック容器に加えて三本ロール
ミルで混合し、すべての材料を完全に混合した後、プラ
スチック容器から塗布装置に移した。実施例1の銅箔積
層板の製造工程およびその剥離強度測定を同様に繰り返
した。四官能価エポキシ樹脂を追加したので、エポキシ
樹脂接着剤の耐熱性、耐薬品性、および寸法安定性を高
めることができた。
【0025】比較例1〜3:実施例と比較するため、ヒ
ンダードピペリジンオキサイド化合物を含まない比較例
を以下に示す。但し、実施例1〜3と同様の方法で実施
した。さらに、積層板のハンダ付け浴による熱処理を加
える前と後における剥離強度測定を行った。
【0026】比較例1:エポキシ樹脂接着剤を調合し製
造する。23部のBEB−521A−70と、77部の
BEB−400T−60と、82部のCTBNと、20
phrのDDSと、1.5phrの2MZと、42部の
Al(OH)3とを、メチルエチルケトン溶剤を入れたプラス
チック容器に加えて三本ロールミルで混合し、すべての
材料を完全に混合した後、プラスチック容器から塗布装
置に移した。実施例1の銅箔積層板の製造工程およびそ
の剥離強度測定を同様に繰り返した。
【0027】比較例2:エポキシ樹脂接着剤を調合し製
造する。23部のBEB−521A−70と、62部の
BEB−400T−60と、15部のPNE−177
と、82部のCTBNと、20phrのDDSと、1.
5phrの2MZと、42部のAl(OH)3とを、メチルエ
チルケトン溶剤を入れたプラスチック容器に加えて三本
ロールミルで混合し、すべての材料を完全に混合した
後、プラスチック容器から塗布装置に移した。実施例1
の銅箔積層板の製造工程およびその剥離強度測定を同様
に繰り返した。
【0028】比較例3:エポキシ樹脂接着剤を調合し製
造する。23部のBEB−521A−70と、67部の
BEB−400T−60と、10部の四官能価エポキシ
樹脂(式II)と、82部のCTBNと、20phrのD
DSと、1.5phrの2MZと、42部のAl(OH)3
を、メチルエチルケトン溶剤を入れたプラスチック容器
に加えて三本ロールミルで混合し、すべての材料を完全
に混合した後、プラスチック容器から塗布装置に移し
た。実施例1の銅箔積層板の製造工程およびその剥離強
度測定を同様に繰り返した。
【0029】比較例1〜3による剥離強度の測定結果
は、ハンダ付け浴による熱処理を加える前には約1.8
2〜1.97kgf/cm2であり、熱処理を加えた後
には約1.58〜1.76kgf/cm2であった。T
MHPOを添加しないエポキシ樹脂接着剤の場合、積層
板をなす銅箔とポリイミドフイルムとの間の接着強度は
劣る。逆に、TMHPOを添加した実施例1〜3のエポ
キシ樹脂接着剤の場合、その剥離強度はハンダ付け浴に
よる熱処理を加える前には約2.41〜2.64kgf
/cm2であり、熱処理を加えた後には約3.12〜
3.68kgf/cm2であった。TMHPOは、異な
るエポキシ樹脂の調合に対して、ホットプレスによる積
層処理、あるいはハンダ付け浴による熱処理後の銅箔積
層板の接着に対して、いずれの場合にも接着力を高める
ことができる。実施例1〜3、比較例1〜3の各組成お
よび剥離強度測定の結果を表1に示す。
【0030】 (表1) 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 比較例3 BEB-521A-70 23 23 23 23 23 23 BEB-400T-60 77 62 67 77 62 67 PNE-177 -- 15 -- -- 15 -- 四官能価エポキシ-- -- 10 -- -- 10 CTBN 82 82 82 82 82 82 DDS (phr) 20 20 20 20 20 20 2MZ (phr) 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 Al(OH)3 42 42 42 42 42 42 TMHPO (phr) 0.2 0.2 0.2 -- -- -- 剥離強度 kgf/cm 2.62 2.41 2.64 2.64 1.92 1.97 剥離強度(ハンダ付け浴による熱処理後) kgf/cm 3.42 3.68 3.12 1.58 1.76 1.68
【0031】実施例4〜7:表1に示すように、銅箔積
層板に使用されるエポキシ樹脂接着剤の成分に少量のT
MHPOを添加すると、接着効果を著しく高めることが
できる。ただし、過量のTMHPOを添加すると相対的
にエポキシ樹脂接着剤の接着効果を高めることができな
くなり、もしくはエポキシ樹脂接着剤の耐熱特性が劣化
する場合もある。実施例4〜7は、エポキシ樹脂接着剤
の成分に異なる添加量のTMHPOを加え、銅箔積層板
における剥離強度に対する影響を観察した。実施例4〜
7においては、TMHPOの添加量を変更した以外は、
そのほか成分および製造工程とその準備、もしくは測定
方法などは、いずれも実施例1と同じである。
【0032】実施例4:TMHPOの添加量を0.5phr
にした以外は実施例1の方法を繰り返した。実施例5: TMHPOの添加量を1.0phrにした以外は
実施例1の方法を繰り返した。実施例6: TMHPOの添加量を5.0phrにした以外は
実施例1の方法を繰り返した。実施例7: TMHPOの添加量を10.0phrにした以外
は実施例1の方法を繰り返した。
【0033】表2に示すように、エポキシ樹脂接着剤の
成分中におけるTMHPOの添加量が5phrより低い
場合に銅箔積層板に対する接着力を高めることができ
る。但し、TMHPOの添加量が実施例7の10.0p
hrに達すると、良好な接着性を示さなくなくなる。こ
れは、エポキシ樹脂組織内に分散した小分子量のTMH
PO化合物が多すぎてエポキシ樹脂の機械的性質を低下
させるからである。本発明において、TMHPOの好ま
しい量は10phrを超えない量である。その結果を表
2に示す。
【0034】 (表2) 実施例1 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7 TMHPO (phr) 0.2 0.5 1.0 5.0 10.0 剥離強度 kgf/cm 2.62 2.37 2.46 2.44 0.93 剥離強度(ハンダ付け浴による熱処理後) kgf/cm 3.42 2.13 2.19 2.05 0.82
【0035】
【発明の効果】本発明によるエポキシ樹脂接着剤は、接
着強度が従来のものよりも高められ、かつ良好な耐熱性
と靭性を有し、特に可撓性プリント配線回路の製造に適
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔡 雅芬 台湾 新竹市科学園区力行四路2号 太巨 科技股▼ぶん▲有限公司内 (72)発明者 陳 千玉 台湾 新竹市科学園区力行四路2号 太巨 科技股▼ぶん▲有限公司内 Fターム(参考) 4J040 CA071 CA072 CA081 CA082 DB051 DB052 DF081 DF082 EC061 EC062 EC071 EC072 EC081 EC082 EC151 EC152 EK031 EK032 GA07 GA14 GA15 HA136 HA156 HA196 HA306 HA356 HC07 HC08 HC09 HC16 HC21 HC23 HD16 KA16 KA17 KA29 KA42 LA06 LA07 LA08 NA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1またはそれ以上のエポキシ樹脂; (b)硬化剤; (c)カルボキシ末端ブタジエンアクリロニトリル(C
    TBN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アミン
    末端ブタジエンアクリロニトリル(ATBN)およびシ
    リコーンゴムから選ばれる少なくとも1の、(a)のエ
    ポキシ樹脂100重量部につき10ないし200重量部の化合
    物; (d)任意に、無機充填剤;および (e)式1のヒンダードピペリジンオキサイド 【化1】 (式中、R1,R2、R3およびR4は同じかまたは異な
    り、水素またはC1-3アルキル基から選ばれ、Xは水
    素、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル
    基またはヒドロキシアリール基から選ばれる)、からな
    るエポキシ樹脂接着剤。
  2. 【請求項2】前記エポキシ樹脂の少なくとも1が臭素化
    ビスフェノールA樹脂または臭素化ビスフェノールF樹
    脂から選ばれる、請求項1記載のエポキシ樹脂接着剤。
  3. 【請求項3】前記エポキシ樹脂は、臭素化ビスフェノー
    ルA樹脂が(a)のエポキシ樹脂100重量部につき少
    なくとも55重量部である、請求項1記載のエポキシ樹
    脂接着剤。
  4. 【請求項4】前記エポキシ樹脂は、多官能価エポキシ樹
    脂が(a)のエポキシ樹脂100重量部につき1ないし
    45重量部である、請求項1記載のエポキシ樹脂接着
    剤。
  5. 【請求項5】前記硬化剤が、ジアミノジフェニルスルフ
    ォン(DDS)、メチレンジアニリン(DDM)、4,
    4’−オキシジアニリン(ODA)、m−フェニレンジ
    アミン(MPD)およびジシアンジアミド(DICY)
    から選ばれる、請求項1記載のエポキシ樹脂接着剤。
  6. 【請求項6】さらに少なくとも1またはそれ以上のイミ
    ダゾール硬化促進剤を含む、請求項1記載のエポキシ樹
    脂接着剤。
  7. 【請求項7】前記多官能価エポキシ樹脂が式2 【化2】 で表されるテトラキスグリシジル−4−フェニロールエ
    タンからなるエポキシ樹脂である、請求項4記載のエポ
    キシ樹脂接着剤。
  8. 【請求項8】前記多官能価エポキシ樹脂がクレゾールノ
    ボラックエポキシ樹脂またはフェノールノボラックエポ
    キシ樹脂である、請求項4記載のエポキシ樹脂接着剤。
  9. 【請求項9】前記ヒンダードピペリジンオキサイドが
    (a)のエポキシ樹脂100重量部につき10重量部を超え
    ない分量である、請求項1記載のエポキシ樹脂接着剤。
  10. 【請求項10】前記ヒンダードピペリジンオキサイドが
    2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリ
    ジンオキサイドである、請求項1記載のエポキシ樹脂接
    着剤。
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