JP2001114500A - 産業車両の制動装置 - Google Patents

産業車両の制動装置

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JP2001114500A
JP2001114500A JP29479899A JP29479899A JP2001114500A JP 2001114500 A JP2001114500 A JP 2001114500A JP 29479899 A JP29479899 A JP 29479899A JP 29479899 A JP29479899 A JP 29479899A JP 2001114500 A JP2001114500 A JP 2001114500A
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Japan
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clutch
shift
hydraulic pressure
brake
hydraulic
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JP29479899A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Taniguchi
浩之 谷口
Takaki Ogawa
隆希 小川
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業車両において、前後進クラッチを制動装
置に流用することで制動専用の主制動装置を廃止でき、
しかも制動装置のメンテナンス頻度を少なく済ませる。 【解決手段】 コントローラ21は、シフトレバー22
の操作位置に応じて電磁切換弁12を切換制御する。油
圧ポンプ17からの各バルブ19,20を通じた設定油
圧は、前進クラッチ8と後進クラッチ9の両受圧室8
a,9aのうちシフト操作位置に応じた側に伝達され
る。また、ブレーキペダル13と機械的に作動連結され
たマスタシリンダ14はブレーキペダル13の踏力に応
じた油圧を発生させる。シフトレバー22が中立位置に
操作された状態では、マスタシリンダ14が両受圧室8
a,9aと連通する。また、シフトレバー22が前進位
置または後進位置に操作された状態では、マスタシリン
ダ14が両受圧室8a,9aのうちシフト側と反対側の
クラッチの受圧室と連通するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
を装備するフォークリフト等の産業車両において、ブレ
ーキペダル等のブレーキ操作手段が操作されたときにそ
の操作力に応じた制動力を得るために車両に設けられる
産業車両の制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の産業車両であるエンジン
式フォークリフトにおいては、ブレーキペダルを踏み込
んだ際に作動される制動装置として、車輪に設けられた
ドラムブレーキ装置等の常用ブレーキが採用されてい
た。ブレーキペダルはマスタシリンダと作動連結され、
マスタシリンダは常用ブレーキと油圧配管で接続されて
いる。ブレーキペダルを踏み込むと、その踏力に応じた
油圧がマスタシリンダに発生し、マスタシリンダと油圧
配管で連結された常用ブレーキが作動され、その踏力に
応じた制動力が得られるようになっていた。近年、フォ
ークリフトにもトルクコンバータを備えた変速機を使用
するものがある。通常、フォークリフトでは変速機に前
進クラッチと後進クラッチが装備され、シフトレバーの
操作位置に応じた側のクラッチが接続されるようになっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フォークリ
フトは荷の運搬作業に使用され、荷取りや荷置きの度に
頻繁にブレーキが使用される。このようにフォークリフ
トではブレーキ使用頻度が比較的高いため、ドラムブレ
ーキ装置のブレーキライニング等の部品摩耗が激しく、
ブレーキ装置のメンテナンスを比較的頻繁に行う必要が
あった。メンテナンス中はフォークリフトを使用できな
くなるため、作業効率の低下などの問題も生じる。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たものであって、その目的は、産業車両において、前後
進クラッチを制動装置に流用することで制動専用の主制
動装置を廃止でき、しかも制動装置のメンテナンス頻度
を少なく済ませることができる産業車両の制動装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、エンジンの出力をトルクコ
ンバータを介して出力軸に伝達する油圧式の前進クラッ
チ及び後進クラッチを備えた変速機と、前記変速機を切
換操作するためのシフト操作手段と、前記前進クラッチ
及び後進クラッチの各受圧室内の油圧を増減して当該各
クラッチを前記シフト操作手段の前進・中立・後進の操
作位置に応じた接続状態に切換えるシフト切換手段と、
車両を制動させるために操作するブレーキ操作手段と、
前記ブレーキ操作手段の操作力により作動されその操作
力に応じた油圧を発生させる油圧発生手段と、前記シフ
ト操作手段が中立位置に操作された状態では前記前進ク
ラッチと後進クラッチの両受圧室に前記油圧発生手段の
油圧が作用するように油圧伝達経路を選択するととも
に、前記シフト操作手段が前進位置または後進位置に操
作された状態では前記前進クラッチと後進クラッチのう
ち前記クラッチ制御手段により接続されたシフト側のク
ラッチと反対側のクラッチの受圧室に前記油圧発生手段
の油圧が作用するように油圧伝達経路を選択する油路選
択手段とを備えている。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記シフト切換手段及び油路選択手段
は、前記前進クラッチと後進クラッチのうち前記シフト
操作手段の操作位置に応じた接続すべきクラッチの受圧
室にシフト用油圧源からの設定油圧を伝えるためのシフ
ト用油圧経路と、前記ブレーキ操作手段の操作時に係合
されるクラッチの受圧室に前記油圧発生手段の油圧を作
用させるための制動用油圧経路とを、前記シフト操作手
段の操作位置に応じて選択する切換弁手段と、前記切換
弁手段を前記シフト操作手段の操作位置に応じた切換位
置に切り換える弁切換手段とを備えている。
【0007】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記切換弁手段は電磁切換方式であっ
て、前記弁切換手段は、前記シフト操作手段の操作位置
を検出する操作位置検出手段と、該操作位置検出手段か
らの検出信号に基づいてそのシフト操作位置に応じた切
換位置に前記切換弁手段を切り換える電磁制御をする弁
制御手段とを有することを要旨とする。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記切換弁手段は、前記シフト操作手
段の操作により切り換えられる手動切換弁と、前記手動
切換弁が開弁された油路を通じて伝えられる油圧をパイ
ロット圧として駆動されるパイロット式切換弁とを有す
ることを要旨とする。
【0009】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一項に記載の発明において、前記ブレーキ操作
手段が操作されたことを検知するブレーキ操作検知手段
と、該ブレーキ操作検知手段からの検知信号に基づいて
ブレーキ操作を検知したときには、シフト操作位置に応
じた接続側のクラッチの接続を切り離すクラッチ切断手
段を備えている。
【0010】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一項に記載の発明において、前記ブレーキ操作
手段が操作されたことを検知するブレーキ操作検知手段
と、該ブレーキ操作検知手段からの検知信号に基づいて
ブレーキ操作を検知したときに、エンジン回転数の最大
値を小さく制限するエンジン回転数制御手段とを備えて
いる。
【0011】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
シフト操作手段を操作すると、シフト切換手段により前
進クラッチ及び後進クラッチの各受圧室内の油圧が増減
されて各クラッチが前進・中立・後進の操作位置に応じ
た接続状態に切換えられる。この際、油路選択手段によ
って、シフト操作手段が中立位置に操作された状態では
前進クラッチと後進クラッチの両受圧室に油圧発生手段
の油圧が作用するように油圧伝達経路が選択され、シフ
ト操作手段が前進位置または後進位置に操作されたとき
に前進クラッチと後進クラッチのうちクラッチ制御手段
により接続された接続側のクラッチと反対側のクラッチ
の受圧室に油圧発生手段の油圧が作用するように油圧伝
達経路が選択される。シフト操作手段が中立位置にある
状態でブレーキ操作手段が操作されると、その操作力に
応じた油圧発生手段の油圧が前進及び後進クラッチの両
受圧室に作用して両クラッチが同時係合することにより
制動力が発生する。また、シフト操作手段が前進位置ま
たは後進位置にあるときにブレーキ操作手段が操作され
ると、その操作力に応じた油圧発生手段の油圧がシフト
側と反対側のクラッチの受圧室に作用し、シフト側のク
ラッチと反対側のクラッチが係合することにより制動力
が発生する。前進及び後進クラッチを制動装置としても
流用するので、従来使用されていたドラムブレーキ装置
など専用の制動装置が不要となる。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加え、切換弁手段は弁切換手段に
よりシフト操作手段の操作位置に応じた切換位置に切り
換えられる。切換弁手段が切り換えられることにより、
シフト操作手段の操作位置に応じたシフト用油圧経路と
制動用油圧経路とが選択される。その結果、シフト操作
手段の操作位置に応じた接続されるべきクラッチの受圧
室にシフト用油圧源からの設定油圧が伝えられ、油圧発
生手段はブレーキ操作手段の操作時に係合されるべきク
ラッチの受圧室と油圧が作用する状態に接続される。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加え、操作位置検出手段からの検
出信号に基づくシフト操作位置に応じた切換位置に切換
弁手段は弁制御手段により電磁制御によって切り換えら
れる。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加え、シフト操作手段が手動操作
されることにより手動切換弁が切り換えられると、手動
切換弁のその開弁された油路を通じて伝えられる油圧を
パイロット圧としてパイロット式切換弁が駆動され、各
油圧の伝達経路となる油路が選択される。従って、電気
的な制御を伴わずに油圧伝達経路の切換え(選択)が可
能となる。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜3のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、ブレー
キ操作検知手段からの検知信号に基づいてブレーキ操作
が検知されたときは、シフト操作位置に応じたシフト側
(接続側)のクラッチの接続がクラッチ切断手段により
切り離される。従って、トルクコンバータの内部滑りが
抑制され、トルクコンバータ内の油温上昇が抑制され
る。
【0016】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
〜5のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、ブレー
キ操作検知手段からの検知信号に基づいてブレーキ操作
が検知されたときは、エンジン回転数制御手段によりエ
ンジン回転数の最大値が小さく制限される。従って、ト
ルクコンバータの内部滑りが抑制され、トルクコンバー
タ内の油温上昇が抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を産業車両としてのエンジン式フォークリフトに具体化
した第1の実施形態を図1に基づいて説明する。
【0018】図1に示すように、エンジン1の出力軸1
aはトルクコンバータ2を備えた変速機3に連結され、
変速機3は差動装置4を介して駆動輪5を有する車軸6
に連結されている。エンジン1にはスロットルアクチュ
エータ7が設けられ、スロットルアクチュエータ7の作
動によってスロットル開度が調節されてエンジン1の回
転数、即ちエンジン1の出力軸1aの回転数が調節され
る。
【0019】変速機3は入力軸(メインシャフト)3a
及び出力軸(カウンタシャフト)3bを備え、入力軸3
aに前進クラッチ8及び後進クラッチ9が設けられてい
る。前進クラッチ8及び後進クラッチ9と出力軸3bと
の間には図示しないギヤ列がそれぞれ設けられ、各クラ
ッチ8,9及び各ギヤ列を介して入力軸3aの回転が出
力軸3bに伝達される。両クラッチ8,9には油圧式の
クラッチが使用され、受圧室8a,9a内の油圧によっ
て接続力が調節可能に、かつ受圧室8a,9a内の油圧
を高めると接続力が大きくなるように構成されている。
また本実施形態では、各クラッチ8,9には湿式多板ク
ラッチが使用されている。この実施形態では、前進クラ
ッチ8及び後進クラッチ9を制動装置として流用する構
成を採用している。
【0020】前進クラッチ8及び後進クラッチ9の各受
圧室8a,9aは、管路10,11を通じて切換弁手段
としての電磁切換弁12の2つの出力ポートと接続され
ている。電磁切換弁12は本例では4ポート3位置切換
弁である。フォークリフトの運転室床面付近に設けられ
たブレーキ操作手段としてのブレーキペダル13は、油
圧発生手段としてのマスタシリンダ14と機械的に作動
連結されている。ブレーキペダル13が操作されると、
その踏力に応じた油圧がマスタシリンダ14の内部に発
生するようになっている。マスタシリンダ14は管路1
5を通じて電磁切換弁12の一方の入力ポートに接続さ
れている。
【0021】また、電磁切換弁12の他の1つの入力ポ
ートに接続された管路16は、油圧ポンプ17と接続さ
れている。油圧ポンプ17はエンジン1の回転時に変速
機3に伝達される回転力により駆動され、オイルタンク
18内の油を汲み上げて管路16に吐出する。管路16
上には油圧ポンプ17と電磁切換弁12との間におい
て、レギュレータバルブ19および電磁比例式圧力調整
弁20が設けられている。圧力調整弁20には例えばデ
ューティ弁などが用いられる。レギュレータバルブ19
は油圧ポンプ17の吐出圧を設定油圧に調節するための
ものである。圧力調整弁20はそのソレノイド20a
が、弁制御手段としてのコントローラ21により電流値
制御されることによって、圧力調整弁20の下流側に位
置する電磁切換弁12へ伝わる管路16内の油圧を連続
変化させるためのものである。なお、油圧伝達経路は、
管路10,11,15,16等により構成され、特にシ
フト用油圧経路は管路10,11,16等により構成さ
れ、制動用油圧経路は管路10,11,15等により構
成される。また、シフト用油圧源は、油圧ポンプ17、
レギュレータバルブ19及び圧力調整弁20等から構成
される。
【0022】電磁切換弁12は2つのソレノイド12
a,12bがコントローラ21によって励消磁制御され
ることにより、3位置のいずれかの切換位置に切換制御
される。運転室に設けられたシフト操作手段としてのシ
フトレバー(前後進レバー)22は、前進位置(F位
置)・中立位置(N位置)・後進位置(R位置)の3つ
の操作位置に切換え操作可能となっている。シフトレバ
ー22の操作位置を検知する操作位置検出手段としての
シフトスイッチ23は、シフトレバー22の前進位置・
中立位置・後進位置に応じた検知信号を出力する。
【0023】コントローラ21にはシフトスイッチ23
が電気的に接続されており、コントローラ21はシフト
スイッチ23からの検出信号に基づきシフトレバー22
の操作位置を認知する。コントローラ21は、シフトレ
バー22の操作位置に応じた切換位置に電磁切換弁12
を切換制御する。つまり、電磁切換弁12は、2つの入
力ポートに接続された管路15,16と、2つの出力ポ
ートに接続された管路10,11との接続の組合せを決
める油路を選択する機能を果たす。
【0024】すなわち、シフトレバー22が中立位置に
あるときには、コントローラ21は電磁切換弁12を図
1に示すN位置に配置する。電磁切換弁12がN位置に
あるときは、管路16は2つの管路10,11のいずれ
とも連通が遮断されるとともに、管路15が2つの管路
10,11の両方と連通するようになっている。
【0025】シフトレバー22が前進位置にあるときに
は、コントローラ21は電磁切換弁12をF位置に配置
する。電磁切換弁12がF位置にあるときは、管路16
は管路10と連通するとともに、管路15が管路11と
連通するようになっている。つまり、前進クラッチ8の
受圧室8aに設定油圧の圧油が導入されて前進クラッチ
8が接続されるとともに、後進クラッチ9の受圧室9a
にマスタシリンダ14の油圧が作用する状態に保持され
る。
【0026】シフトレバー22が後進位置にあるときに
は、コントローラ21は電磁切換弁12をR位置に配置
する。電磁切換弁12がR位置にあるときは、管路16
は管路11と連通するとともに、管路15が管路10と
連通するようになっている。つまり、後進クラッチ9の
受圧室9aに設定油圧の圧油が導入されて後進クラッチ
9が接続されるとともに、前進クラッチ8の受圧室8a
にマスタシリンダ14の油圧が作用する状態に保持され
る。なお、シフト切換手段は、電磁切換弁12、油圧ポ
ンプ17、レギュレータバルブ19、圧力調整弁20、
コントローラ21、シフトスイッチ23及び管路10,
11,16等から構成される。また、油路選択手段は、
電磁切換弁12、コントローラ21、シフトスイッチ2
3及び管路10,11,15等から構成される。さらに
弁切換手段は、コントローラ21及びシフトスイッチ2
3から構成される。
【0027】荷役作業時にフォークリフトを微速走行さ
せるためにクラッチを半クラッチ状態にするために操作
するインチングペダルを設けることもできる。この場
合、インチングペダルは、所定領域以上深いストローク
域(ブレーキ領域)ではブレーキペダル13と機械的に
連動するように設けられている。インチングペダルの操
作量を検出するポテンショメータなどからなるインチン
グセンサの検出信号に基づいて圧力調整弁20のソレノ
イド20aを電流値制御し、受圧室8a,9aに作用す
る油圧をインチングペダルの操作量と共に減少させて半
クラッチ状態を作り出す制御をする。あるいはインチン
グペダルと機械的に連結されたスプールを有する圧力調
整弁を、管路16上における圧力調整弁20と電磁切換
弁12との間の位置に設け、インチングペダルの操作量
と共に受圧室8a,9aに作用する油圧を減少させて半
クラッチ状態を作り出す構成とすることもできる。な
お、インチングペダルがブレーキ領域直前まで踏み込ま
れて両クラッチ8,9の接続が一旦完全に切り離された
後、さらにインチングペダルが踏み込まれブレーキペダ
ル13が動き始めたときは、そのブレーキペダル13の
操作を検知するブレーキスイッチなどの検知センサから
の信号に基づきコントローラ21が電磁切換弁12をN
位置に切り換え、ブレーキ踏力に応じた油圧が両受圧室
8a,9aに作用するようにする。
【0028】荷役作業に使用される荷役用油圧機器の油
圧源となる荷役用ポンプ(油圧ポンプ)24は、エンジ
ン1により駆動されるように設けられている。また、エ
ンジン1に内蔵されたエンジン回転数センサ25はコン
トローラ21と電気的に接続されている。コントローラ
21はエンジン回転数センサ25からの入力信号に基づ
きスロットルアクチュエータ7をフィードバック制御す
る。
【0029】また、図示しない車速センサからの信号に
よりフォークリフトが停止したとみなせる停止車速(例
えば2km/h以下)であることが認知されると、コン
トローラ21は図示しない駐車ブレーキを作動するよう
にしているため、フォークリフトを停止状態に保持でき
るようになっている。
【0030】次に制動装置の動作を説明する。フォーク
リフトの運転中はエンジン1が駆動され、油圧ポンプ1
7からの吐出圧はレギュレータバルブ19および圧力調
整弁20を通じて設定油圧に調圧される。
【0031】シフトレバー22が前進位置に操作されて
いるときは、電磁切換弁12はF位置に配置される。こ
の状態では管路16,10が接続されることにより圧力
調整弁20で調圧された設定油圧が前進クラッチ8の受
圧室8aに作用し、前進クラッチ8が接続状態とされ
る。このため、フォークリフトが前進走行する。この状
態ではマスタシリンダ14が管路15,11を通じて後
進クラッチ9の受圧室9aと連通する状態となる。
【0032】フォークリフトの前進走行中にブレーキペ
ダル13を踏み込んだときは、マスタシリンダ14の内
部にブレーキ踏力に応じた油圧が発生し、この油圧が管
路15,11を通じて受圧室8aに作用する。その結
果、後進クラッチ9が半クラッチで係合し、前進クラッ
チ8と後進クラッチ9が同時係合することによって制動
力が得られる。
【0033】一方、シフトレバー22が後進位置に操作
されているときは、電磁切換弁12はR位置に配置され
る。この状態では管路16,11が接続されることによ
り圧力調整弁20で調圧された設定油圧が後進クラッチ
9の受圧室9aに作用し、後進クラッチ9が接続状態と
される。このため、フォークリフトが後進走行する。こ
の状態ではマスタシリンダ14が管路15,10を通じ
て前進クラッチ8の受圧室8aと連通する状態となる。
【0034】フォークリフトの後進走行中にブレーキペ
ダル13を踏み込んだときは、マスタシリンダ14の内
部にブレーキ踏力に応じた油圧が発生し、この油圧が管
路15,10を通じて受圧室8aに作用する。その結
果、前進クラッチ8が半クラッチで係合し、前進クラッ
チ8と後進クラッチ9が同時係合することによって制動
力が得られる。
【0035】また、シフトレバー22が中立位置に操作
されているときは、電磁切換弁12はN位置に配置され
る。この状態では管路16は管路10,11のいずれと
も接続されないため、前進クラッチ8と後進クラッチ9
が共に切断状態とされる。また、この状態ではマスタシ
リンダ14が管路15と管路10,11との接続を通じ
て前進クラッチ8と後進クラッチ9の両受圧室8a,9
aと連通する状態となる。
【0036】シフトレバー22を中立位置に操作した状
態でブレーキペダル13を踏み込んだときは、マスタシ
リンダ14の内部に発生したブレーキ踏力に応じた油圧
が管路15,10,11を通じて両受圧室8a,9aに
作用し、前進クラッチ8と後進クラッチ9がブレーキ踏
力に応じた係合圧にて半クラッチで同時係合し、制動力
が得られる。このように本実施形態では、前進クラッチ
8と後進クラッチ9が常用ブレーキとしても機能する。
【0037】この実施の形態からは以下の効果が得られ
る。 (1)ブレーキペダル13が踏み込まれたときに作動さ
せる常用ブレーキとして前後進クラッチ8,9を利用し
ているので、制動使用頻度の割には制動装置のメンテナ
ス頻度を相対的に少なく済ませられる。特に湿式クラッ
チであるためクラッチ8,9の制動使用時の発熱および
摩耗速度が小さく抑制され、耐久性に優れ、メンテナン
ス頻度の低減効果が高い。例えばクラッチ材質の選択次
第によってはメンテナスフリーをも実現できる。また、
ドラムブレーキ装置等の従来制動専用に採用されていた
制動装置を廃止することができる。
【0038】(2)ブレーキペダル13の踏力によって
発生した油圧をシフト側と反対側のクラッチの受圧室に
ダイレクトに作用させて制動力を得る方式なので、ブレ
ーキ応答性がよくなり、しかもブレーキフィーリング性
能を高めることができる。
【0039】(3)前後進クラッチ8,9を同時係合さ
せるブレーキ方式なので、シフト反対側のクラッチのみ
を係合させる片側係合のブレーキ方式に比べ、強い制動
力を得ることができる。つまり、片側係合のブレーキ方
式では、スイッチバックと同じ現象となって、トルクコ
ンバータ2の内部滑りによる制動力の損失が発生し易い
が、前後進クラッチ8,9を同時係合させることによ
り、入力軸3aに正逆回転力を同時に付与でき、高い制
動力が得られる。
【0040】(4)車速センサからの信号に基づき車両
を停止とみなせる停止速度となると、駐車ブレーキを作
動させるので、フォークリフトを停止状態に保持するこ
とができる。
【0041】(第2の実施形態)次に第2の実施形態に
ついて説明する。前記第1の実施形態で採用した前後進
クラッチ8,9を同時係合させるブレーキ方式では制動
エネルギーが大きくトルクコンバータ2の油温上昇が起
き易いため、この実施形態ではこの点の対策を施してい
る。なお、前記第1の実施形態と同様の構成については
同じ符号を付して説明を省略し、特に異なる点について
詳しく説明する。
【0042】前記第1の実施形態と異なる点としてこの
実施形態では、ブレーキペダル13が操作されたか否か
を検知するためのブレーキ操作検知手段としてのブレー
キスイッチ30が設けられている。マスト31に沿って
昇降可能に設けられたフォーク32は、運転室に設けら
れた図示しない荷役レバー(リフトレバー)の操作によ
り荷役用ポンプ24からの圧油がリフトシリンダ33に
導入される油路が選択されることによってリフトシリン
ダ33が伸長駆動して上昇する。また、その荷役レバー
の操作によりリフトシリンダ33をオイルタンクと接続
する油路が選択されることによって、フォーク32等の
自重によりリフトシリンダ33内の作動油がオイルタン
クへ排出されることでフォーク32は下降する。リフト
シリンダ33にはその内部の油圧を検出する圧力センサ
からなる荷重センサ34が設けられている。荷重センサ
34はフォーク32の積載荷重を検出し、積載荷重に対
応した検出信号を出力する。荷重センサ34は積載荷重
を検出可能なセンサであればよく、特に圧力センサに限
定はされない。ブレーキスイッチ30および荷重センサ
34は、クラッチ切断手段及びエンジン回転数制御手段
としてのクラッチ切断手段及びエンジン回転数制御手段
としてのコントローラ21に電気的に接続されている。
なお、荷役用ポンプ24には図示しない油圧回路を介し
てマスト31を傾動させるティルトシリンダ(図示せ
ず)が接続されている。
【0043】コントローラ21はブレーキスイッチ30
からの入力信号に基づきブレーキペダル13が操作され
たことを認知したときは、圧力調整弁20のソレノイド
20aを電流値制御し、シフト側のクラッチの受圧室に
作用する油圧がシフト側のクラッチの接続を完全に切り
離すことが可能な圧力値となるように設定油圧を調圧す
る。
【0044】また、コントローラ21はブレーキスイッ
チ30の検出信号に基づきブレーキペダル13が操作さ
れてたことを認知したときは、エンジン回転数を予め設
定された設定回転数以下に小さく制限するようにスロッ
トルアクチュエータ7を制御する。設定回転数は例えば
アイドル回転数に設定されている。
【0045】また、コントローラ21はフォークリフト
の発進ショックを抑制するため、発進時の所定区間(例
えば設定車速に達するまでの区間)はシフト側クラッチ
の係合圧を半クラッチの初期クラッチ圧に制御する。こ
の場合、荷重センサ34から入力する検出信号に基づき
積載荷重を推定し、推定積載荷重値に応じた初期クラッ
チ圧となるように圧力調整弁20のソレノイド20aを
電流値制御する。積載荷重が重いときほど発進時の初期
クラッチ圧を大きくする制御をすることで、積載荷重に
影響されずいつも一定の発進加速度が得られるようにし
ている。なお、発進時に初期クラッチ圧を付与するこの
制御は、前記第1の実施形態において採用することもで
きる。
【0046】シフトレバー22の操作位置に応じた電磁
切換弁12の切換位置については前記第1の実施形態と
同様であり、各切換位置における管路15,16と管路
10,11との接続関係も同様である。但し、ブレーキ
ペダル13を踏んだときの制御内容が異なる。
【0047】例えばフォークリフトの前進走行中にブレ
ーキペダル13を踏んだときは、ブレーキスイッチ30
の検知信号に基づきブレーキペダル13が操作されたこ
とがコントローラ21に認知される。すると、コントロ
ーラ21は圧力調整弁20のソレノイド20aを電流値
制御して設定油圧を低下させることにより前進クラッチ
8の接続を切り離す。これと同時にコントローラ21は
スロットルアクチュエータ7を制御してエンジン回転数
を設定回転数、例えばアイドル回転数に小さく制限す
る。そして、ブレーキペダル13の踏力によってマスタ
シリンダ14に生じた油圧が後進クラッチ9の受圧室9
aに作用し、後進クラッチ9がブレーキ踏力に応じた強
さで係合する。
【0048】つまり、ブレーキ踏力によって生じた油圧
によって後進クラッチ9が係合するとほぼ同時に前進ク
ラッチ8の接続が切り離されるとともにエンジン回転数
が例えばアイドル回転数に低下するので、制動エネルギ
ーが小さく抑えられる。
【0049】また、フォークリフトの後進走行中にブレ
ーキペダル13を踏んだときは、ブレーキスイッチ30
の検知信号に基づきブレーキペダル13が操作されたこ
とを認知したコントローラ21は、圧力調整弁20のソ
レノイド20aを電流値制御してその設定油圧を低下さ
せて後進クラッチ9の接続を切り離すと共に、スロット
ルアクチュエータ7を制御してエンジン回転数を例えば
アイドル回転数に低下させる。この結果、ブレーキ踏力
によって生じた油圧によって前進クラッチ8が係合する
とほぼ同時に後進クラッチ9の接続が切り離されるの
で、制動エネルギーが小さく抑えられる。このようにこ
の実施形態ではシフト側クラッチが接続状態にある走行
中にブレーキペダル13を踏み込んだときの制動エネル
ギーが小さく抑えるられるので、トルクコンバータ2の
内部滑りが相対的に緩和され油温上昇が小さく抑えられ
る。
【0050】また、シフトレバー22が中立位置に操作
された状態で、ブレーキペダル13が踏まれたときは、
コントローラ21によりスロットルアクチュエータ7が
制御されてエンジン回転数が例えばアイドル回転数に低
下する。
【0051】この実施形態によれば前記第1の実施形態
で述べた(1),(2)の効果が同様に得られる他、以
下の効果が得られる。 (5)ブレーキペダル13が踏まれたときは、シフト側
クラッチの接続を切り離すとともに、エンジン回転数を
例えばアイドル回転数に制限するので、制動エネルギー
が小さく抑えられ、トルクコンバータ2の内部滑りによ
る油温上昇を小さく抑えることができる。
【0052】(6)フォークリフトの発進時の所定区間
では、荷重センサ34からの検出値に基づき推定される
積載荷重に応じた初期クラッチ圧にシフト側クラッチを
接続するので、発進ショックを低減できるうえ、積載荷
重に影響されずいつもほぼ一定の発進加速度を得ること
ができる。
【0053】(第3の実施形態)次に第3の実施形態を
図3に基づいて説明する。この実施形態は電気的制御を
廃止した制動装置とした例である。なお、前記各実施形
態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略
する。
【0054】図3に示すように、シフトレバー22は手
動切換弁40と作動連結されている。手動切換弁40は
3ポート3位置切換弁であって、1つの入力ポートには
油圧ポンプ17から延びる管路41が接続されている。
管路41上には油圧ポンプ17と手動切換弁40との間
にレギュレータバルブ19およびリリーフ弁42が設け
られており、油圧ポンプ17からの吐出圧はレギュレー
タバルブ19およびリリーフ弁42を通じてシフト用設
定油圧に調整される。手動切換弁40は、シフトレバー
22が中立位置に操作されたときにN位置に配置され、
シフトレバー22が前進位置に操作されたときにF位置
に配置され、シフトレバー22が後進位置に操作された
ときにR位置に配置される。
【0055】手動切換弁40の2つの出力ポートには2
本の油圧配管43,44が接続されている。2本の油圧
配管43,44はパイロット式切換弁45の1つの入力
ポートに対し、その入力ポートから延びた1本が2本に
分岐する状態で接続されている。2本の油圧配管43,
44上には相手側の配管からの圧油が流入することを阻
止する逆止弁46,47が、それぞれ分岐点の上流側の
箇所に設けられている。
【0056】パイロット式切換弁45は4ポート3位置
切換弁であり、他の1つの入力ポートには、ブレーキペ
ダル13の操作力に応じた油圧を発生するマスタシリン
ダ14と接続された管路15が接続されている。また、
パイロット式切換弁45には、2本の油圧配管43,4
4のそれぞれから分岐する2本のパイロット配管48,
49が接続されており、2本のパイロット配管48,4
9を通じて伝達される油圧(パイロット圧)によりパイ
ロット式切換弁45は3位置に切換えられるようになっ
ている。なお、シフト切換手段は、油圧ポンプ17、レ
ギュレータバルブ19、リリーフ弁42、手動切換弁4
0、油圧配管43,44、逆止弁46,47、パイロッ
ト配管48,49、管路10,11等により構成され
る。油路選択手段は、油圧ポンプ17、レギュレータバ
ルブ19、リリーフ弁42、手動切換弁40、油圧配管
43,44、逆止弁46,47、パイロット配管48,
49、管路10,11,15等により構成される。ま
た、切換弁手段は、手動切換弁40及びパイロット式切
換弁45により構成される。弁切換手段は、油圧配管4
3,44、逆止弁46,47及びパイロット配管48,
49により構成される。
【0057】シフトレバー22が中立位置に操作されて
手動切換弁40がN位置に配置された状態では、管路4
1は油圧配管43,44のいずれとも接続されず、パイ
ロット配管48,49のいずれにもパイロット圧が立た
ないので、パイロット式切換弁45はN位置に配置され
る。このN位置では油圧配管43,44と管路10,1
1との接続が完全に遮断されるとともに、マスタシリン
ダ14に接続された管路15が2本の管路10,11の
両方と接続され、マスタシリンダ14が前進クラッチ8
と後進クラッチ9の両受圧室8a,9aと連通する状態
になる。
【0058】また、シフトレバー22が前進位置に操作
されて手動切換弁40がF位置に配置された状態では、
管路41と油圧配管43とが接続され、油圧配管43に
シフト用設定油圧が作用するとともに、パイロット配管
48にパイロット圧が立ち、パイロット式切換弁45が
F位置に配置される。このF位置では、油圧配管43か
らシフト用設定油圧が前進クラッチ8の受圧室8aに伝
達されて前進クラッチ8が接続されるとともに、マスタ
シリンダ14に接続された管路15が後進クラッチ9の
受圧室9aと連通する状態になる。この状態でブレーキ
ペダル13が踏まれれば、マスタシリンダ14にその踏
力に応じて生じた油圧が後進クラッチ9の受圧室9aに
作用し、後進クラッチ9がブレーキ踏力に応じた係合圧
にて係合し、その踏力に応じた制動力が得られる。
【0059】さらにシフトレバー22が後進位置に操作
されて手動切換弁40がR位置に配置された状態では、
管路41と油圧配管44とが接続され、油圧配管44に
シフト用設定油圧が作用するとともに、パイロット配管
49にパイロット圧が立ち、パイロット式切換弁45が
R位置に配置される。このR位置では、油圧配管44か
らシフト用設定油圧が後進クラッチ9の受圧室9aに伝
達されて後進クラッチ9が接続されるとともに、マスタ
シリンダ14に接続された管路15が前進クラッチ8の
受圧室8aと連通される。この状態でブレーキペダル1
3が踏まれれば、マスタシリンダ14にその踏力に応じ
て生じた油圧が前進クラッチ8の受圧室8aに伝達さ
れ、前進クラッチ8がブレーキペダル13の踏力に応じ
た係合圧にて係合し、その踏力に応じた制動力が得られ
る。
【0060】従って、この実施形態によれば、前記第1
の実施形態で述べた(1)〜(4)の効果が同様に得ら
れる他、シフトレバー22の操作による機械的制御のみ
で油圧伝達経路(油路)の選択ができ、前記各実施形態
で必要であったコントローラによる電気的制御を駐車ブ
レーキの制御を除き廃止することができる。
【0061】なお、実施の形態は、前記内容に限定され
ず以下の態様で実施してもよい。 ○ 前記第3の実施形態では2つの切換弁を使用した
が、2つの切換弁の機能を兼ね備えた1つの切換弁で構
成することもできる。例えば図4に示すように、シフト
レバー22により手動切換え操作される手動切換弁51
は、4ポート3位置切換弁であり、シフトレバー22の
操作位置に応じたクラッチ8,9の接続状態とするため
の油路と、マスタシリンダ14の油圧の伝達先の受圧室
8a,9aを決めるための油路とを選択するる2種類の
油路選択機能を兼ね備える。この構成によれば、制動装
置に使用する切換弁の個数が少なく済み、制動装置の構
成を簡単にすることができる。なお、手動切換弁51
は、シフト切換手段、油路選択手段、切換弁手段及び弁
切換手段を構成する。
【0062】○ 第1及び第2の実施形態では、電磁切
換弁12はシフト用とブレーキ用の2種類の油路選択機
能を1つの切換弁が行う構成であったが、シフト用とブ
レーキ用の2種類の油路選択機能をそれぞれ1機能ずつ
別々に設けられた2つの電磁切換弁が行う構成とするこ
ともできる。
【0063】○ 第2の実施形態において、制動エネル
ギーを小さくするための制御として、エンジン回転数を
設定回転数に制限するエンジン回転数制御と、シフト側
クラッチの接続を切り離す制御とのうち一方のみを採用
することもできる。
【0064】○ 第3の実施形態及び図4に示すような
機械的制御方式において、ブレーキペダル13の操作を
検知するブレーキスイッチを設け、ブレーキ操作された
ときにコントローラがエンジン回転数を例えばアイドル
回転数に制限する制御を行ってもよい。この構成によれ
ば、トルクコンバータ2の油温上昇を相対的に低く抑え
ることができる。もちろん、第1の実施形態のような同
時係合方式においてもエンジン回転数を制限する制御を
採用できる。
【0065】○ 前記第2の実施形態等において、エン
ジン回転数を制限する際の設定回転数はアイドル回転数
に限定されず、制動エネルギーを低減可能なその他の回
転数を適宜設定してよい。
【0066】○ ブレーキをかけた際に変速機3で制動
がかかるため、車両停止時に変速機3から駆動輪5まで
の動力伝達軸(例えば3b,6)が駆動輪5の回転慣性
力により一旦捻れその捻れが復元する際に起こる車体の
揺れ戻しを防ぐため、駆動輪5に補助ブレーキを設けて
もよい。補助ブレーキは少なくとも車両停止時に作動さ
れれば足りる。この構成によればフォークリフト停止時
の車体の揺れ戻しを防ぐことができる。この場合、補助
ブレーキは必要となるが、主ブレーキ装置は廃止でき
る。
【0067】○ 前後進クラッチは湿式クラッチに限定
されない。乾式クラッチであってもよい。 ○ シフトレバー22は前進・中立・後進の3位置のみ
に操作される構成に限定されない。例えば前進位置に1
速・2速の操作位置があってもよい。
【0068】○ 制動装置を適用する産業車両はフォー
クリフトに限定されず、例えばトラクタショベル等に適
用してもよい。前記各実施形態及び別例から把握できる
請求項以外の技術的思想を以下に記載する。
【0069】(1)請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記前進クラッチ及び後進クラッチは湿式クラッチであ
る。この構成によれば、湿式クラッチであるため、制動
時におけるクラッチの発熱および摩耗を抑制できるの
で、超寿命でメンテナンス頻度が少なくて済む制動装置
を提供できる。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜6の発明
によれば、シフト中立位置でブレーキ操作したときはそ
の操作力により発生する油圧が作用して両クラッチが係
合して制動力が得られ、前進位置または後進位置のシフ
ト操作位置でブレーキ操作したときはその操作力により
生じた油圧が作用してシフト側と反対側のクラッチが係
合して制動力が得られるので、前進及び後進クラッチを
制動装置として利用することができる。よって、従来使
用されていたドラムブレーキ等の制動専用の制動装置を
廃止できる。
【0071】請求項2〜6に記載の発明によれば、シフ
ト操作位置に応じたクラッチの接続状態の選択と、ブレ
ーキ操作により発生する油圧の伝達先のクラッチの選択
に、シフト操作位置に応じて切り換えられる切換弁手段
を使用するので、制動装置を比較的簡単に構成できる。
【0072】請求項4に記載の発明によれば、シフト操
作手段の操作により手動で切換えられた手動切換弁が開
弁されたときの油圧をパイロット圧としてパイロット式
切換弁を駆動する構成なので、油圧伝達経路を選択する
のに電気的制御を不要にすることができる。
【0073】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、ブレー
キ操作を検知したときにはシフト側クラッチの接続が切
り離されるので、トルクコンバータの内部滑りが抑制さ
れれ、トルクコンバータの油温上昇を低く抑えることが
できる。
【0074】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
〜5のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、ブレー
キ操作を検知したときにはエンジン回転数の最大値を小
さく制限するので、トルクコンバータの内部滑りが抑制
され、トルクコンバータの油温上昇を低く抑えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態における制動装置の模式図。
【図2】 第2の実施形態における制動装置の模式図。
【図3】 第3の実施形態における制動装置の模式図。
【図4】 別例の制動装置の模式図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…トルクコンバータ、3…変速機、5
…駆動輪、8…前進クラッチ、9…後進クラッチ、8
a,9a…受圧室、10,11…油圧伝達経路、シフト
用油圧経路及び制動用油圧経路を構成する管路、12…
シフト切換手段及び油路選択手段を構成するとともに切
換弁手段としての電磁切換弁、13…ブレーキ操作手段
としてのブレーキペダル、14…油圧発生手段としての
マスタシリンダ、15…油圧伝達経路及び制動用油圧経
路を構成する管路、16…油圧伝達経路及びシフト用油
圧経路を構成する管路、17…シフト用油圧源を構成す
る油圧ポンプ、19…シフト用油圧源を構成するレギュ
レータバルブ、20…シフト用油圧源を構成する圧力調
整弁、21…シフト切換手段、油路選択手段及び弁切換
手段を構成するとともに弁制御手段、クラッチ切断手段
及びエンジン回転数制御手段としてのコントローラ、2
2…シフト操作手段としてのシフトレバー、23…シフ
ト切換手段、油路選択手段及び弁切換手段を構成すると
ともに操作位置検出手段としてのシフトスイッチ、30
…ブレーキ操作検知手段としてのブレーキスイッチ、4
0…シフト切換手段、油路選択手段及び切換弁手段を構
成する手動切換弁、42…シフト用油圧源を構成するリ
リーフ弁、43,44…弁切換手段及びシフト用油圧経
路を構成する油圧配管、45…シフト切換手段、油路選
択手段及び切換弁手段を構成するパイロット式切換弁、
46,47…弁切換手段を構成する逆止弁、48,49
…弁切換手段を構成するパイロット配管、51…シフト
切換手段、油路選択手段、切換弁手段及び弁切換手段と
しての手動切換弁。
フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA11 AA68 AB07 AC01 AC09 AC16 AC18 AD02 AD31 AD41 AE03 AE32 AE41 3F333 AA02 AB13 DB05 FA20 FA31 FH08 3J057 AA04 BB04 GA12 GB27 GB30 GB36 GC10 HH04 JJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力をトルクコンバータを介
    して出力軸に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進ク
    ラッチを備えた変速機と、 前記変速機を切換操作するためのシフト操作手段と、 前記前進クラッチ及び後進クラッチの各受圧室内の油圧
    を増減して当該各クラッチを前記シフト操作手段の前進
    ・中立・後進の操作位置に応じた接続状態に切換えるシ
    フト切換手段と、 車両を制動させるために操作するブレーキ操作手段と、 前記ブレーキ操作手段の操作力により作動されその操作
    力に応じた油圧を発生させる油圧発生手段と、 前記シフト操作手段が中立位置に操作された状態では前
    記前進クラッチと後進クラッチの両受圧室に前記油圧発
    生手段の油圧が作用するように油圧伝達経路を選択する
    とともに、前記シフト操作手段が前進位置または後進位
    置に操作された状態では前記前進クラッチと後進クラッ
    チのうち前記クラッチ制御手段により接続されたシフト
    側のクラッチと反対側のクラッチの受圧室に前記油圧発
    生手段の油圧が作用するように油圧伝達経路を選択する
    油路選択手段とを備えている産業車両の制動装置。
  2. 【請求項2】 前記シフト切換手段及び油路選択手段
    は、 前記前進クラッチと後進クラッチのうち前記シフト操作
    手段の操作位置に応じた接続すべきクラッチの受圧室に
    シフト用油圧源からの設定油圧を伝えるためのシフト用
    油圧経路と、前記ブレーキ操作手段の操作時に係合され
    るクラッチの受圧室に前記油圧発生手段の油圧を作用さ
    せるための制動用油圧経路とを、前記シフト操作手段の
    操作位置に応じて選択する切換弁手段と、 前記切換弁手段を前記シフト操作手段の操作位置に応じ
    た切換位置に切り換える弁切換手段とを備えている請求
    項1に記載の産業車両の制動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の産業車両の制動装置に
    おいて、 前記切換弁手段は電磁切換方式であって、前記弁切換手
    段は、前記シフト操作手段の操作位置を検出する操作位
    置検出手段と、該操作位置検出手段からの検出信号に基
    づいてそのシフト操作位置に応じた切換位置に前記切換
    弁手段を切り換える電磁制御をする弁制御手段とを有す
    る産業車両の制動装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の産業車両の制動装置に
    おいて、 前記切換弁手段は、前記シフト操作手段の操作により切
    り換えられる手動切換弁と、前記手動切換弁が開弁され
    た油路を通じて伝えられる油圧をパイロット圧として駆
    動されるパイロット式切換弁とを有する産業車両の制動
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の産
    業車両の制動装置において、 前記ブレーキ操作手段が操作されたことを検知するブレ
    ーキ操作検知手段と、該ブレーキ操作検知手段からの検
    知信号に基づいてブレーキ操作を検知したときには、シ
    フト操作位置に応じた接続側のクラッチの接続を切り離
    すクラッチ切断手段を備えている産業車両の制動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の産
    業車両の制動装置において、 前記ブレーキ操作手段が操作されたことを検知するブレ
    ーキ操作検知手段と、該ブレーキ操作検知手段からの検
    知信号に基づいてブレーキ操作を検知したときに、エン
    ジン回転数の最大値を小さく制限するエンジン回転数制
    御手段とを備えている産業車両の制動装置。
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