JP2001114342A - 梱包用紙製あて板の製造方法 - Google Patents
梱包用紙製あて板の製造方法Info
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Abstract
大きいあて板の製造方法を提供する。 【解決手段】 原紙の数枚程度を接着剤で貼り合わせて
なる合成紙であって、最外部の表裏2枚の原紙は、ポリ
イソシアネートを含浸したものを用いる梱包用紙製あて
板の製造方法において、ポリイソシアネートが2,2′
−MDIと2,4′−MDIの合計量が2〜20質量
%、4,4′−MDIが35〜60質量%、3核体以上
のポリメリックMDIが55〜20質量%であることを
特徴とする前記あて板の製造方法である。
Description
強された紙製あて板の製造方法に関する。
などの平板の周面部分におけるキズ防止や運送時の保護
材としては、一般的にベニヤ板やハードボードなどが使
用されている。ベニヤ板やハードボードに代わるものと
して、特開平6−239369号公報に記載の紙製梱包
用あて板が知られている。このあて板の製造方法は、原
紙の数枚程度を接着剤で貼り合わせて合成紙を作成し、
該合成紙を強化剤としてウレタン系樹脂を溶剤で凡そ2
0〜70%となした溶液中に浸漬し、又は該合成紙の周
面に塗布し、その後乾燥して所定の及び寸法に切断する
方法である。
枚の帯状紙を長手方向の折り曲げ線を中心に二つ折りに
して積層してなる断面L字状ペーパーアングル材におい
て、少なくとも一方の表面に熱硬化性樹脂層を設けてな
るペーパーアングル材が記載されている。この公報で用
いられている熱可塑性樹脂としてジイソシアネート系樹
脂が示されていて、さらに具体的には、商品名PHB−
40なるジイソシアネート系プレポリマーが記載されて
いる。
は、中芯紙及びライナー紙の内表面のうち少なくと1面
にポリイソシアネート組成物、又はその溶液を塗布し、
未硬化の該ポリイソシアネート組成物と中芯紙の段頂部
に塗布した活性水素を有する未硬化のの接着剤により、
該中芯紙の段頂部と該ライナー紙とを接着せしめてなる
強化ダンボールが記載されている。
レタン樹脂やポリイソシアネートを用いることは、上記
のように知られている。強化剤を含浸しやすくするに
は、強化剤の粘度を下げる必要があり、特開平6−23
9369号公報では、溶剤を用いて粘度を下げている。
特開昭60−224537号公報では、種々のポリイソ
シアネートを例示している。そのなかで好ましいものと
して、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを挙げ、
その具体例としては、三井日曹ウレタン(株)のMDI
−CR200を例示している。しかし、上記のような一
般的な粗製ジフェニルメタンジイソシアネートの粘度
は、130〜200mPa・sであり、紙への含浸が速
やかに行われないという問題点があった。
ため、種々検討した結果、本発明者は、特定の組成のポ
リメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを強化剤
に用いれば、溶剤を用いなくても紙への含浸が速やかに
行え、強度の大きいあて板を作るという目的を達成する
ことができることを見出し、本発明に到達した。即ち、
本発明は3〜5枚の原紙を接着剤で貼り合わせてなる合
成紙であって、最外部の表裏2枚の原紙は、ポリイソシ
アネートを含浸したものを用いる梱包用紙製あて板の製
造方法において、ポリイソシアネートが、2,2′−ジ
フェニルメタンジイソシアネートと2,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートの合計量が2〜20質量%、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが35〜
60質量%、3核体以上のポリメチレンポリフェニレン
ポリイソシアネートが55〜20質量%であることを特
徴とする前記あて板の製造方法である。
発明に用いられる原紙は、未使用の原紙であってもよい
し、ポリイソシアネートで強化されることから、故紙の
リサイクル品であってもよい。環境保護の機運の高まり
から故紙のリサイクル品を用いることが好都合である。
原紙の厚さは、0.3〜2mmのものが好ましく、表層
用と芯層用の厚さは、同じであっても、異なっていても
よい。異なる場合は、表層用より芯層用が厚いほうが曲
げ強度が出やすいので好ましい。
どの天然系でも、ポリウレタン樹脂などの合成樹脂系で
あってもよい。
は、接着剤による接着工程の前であっても後であっても
よいが、浸漬操作の容易さからは、接着工程より後の方
が浸漬層に漬けるだけでよいので好ましい。
ので、接着剤が水分を含んでいる場合でも、厳密な乾燥
をしないでもポリイソシアネートの含浸工程に入ること
ができる。
過する方法でも、あるいは表裏両面からポリイソシアネ
ートを塗布することでも行うことができる。
は、低粘度で、低温結晶性が少なく、複雑な変性をして
いないものが良いので、2核体以上の混合物であるポリ
メチレンポリフェニレンポリイソシアネートの中でも、
特定の異性体比の2核体を特定量含有するものが選ばれ
る。即ち、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネー
トと2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの合
計量が2〜20質量%、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネートが48〜60質量%、3核体以上のポリ
メチレンポリフェニレンポリイソシアネートが50〜2
0質量%であるポリイソシネートである。以下、本発明
において、ジフェニルメタンジイソシアネートをMD
I、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを
ポリメリックMDIと表記する。上記において、2,
2′−MDIと2,4′−MDIの合計量(A)と、
4,4′−MDI(B)と、3核体以上のポリメリック
MDI(C)の合計量は、100%である。原紙への浸
透性を良くするには、ポリイソシアネートの低粘度化を
図らなければならない。この低粘度化は、2核体と3核
体以上の比において、2核体を多くすることで達成され
るが、最も一般的な2核体の成分である4,4′−MD
Iを、これも一般的に市販されているポリメリックMD
Iに添加すれば、4,4′−MDIの結晶性のため、低
温で結晶化しやすくなる。ちなみに、4,4′−MDI
の凝固点は、39℃である。
業的な製法について述べる。ポリメリックMDIは、該
当するポリメチレンポリフェニレンポリアミンのホスゲ
ン化によって得られる。このポリメチレンポリフェニレ
ンポリアミンは、アニリンとホルムアルデヒドの縮合反
応により得られる。従って、核体分布からはアニリン2
分子とホルムアルデヒド1分子が縮合した2核体が一番
多く、次いでアニリン3分子とホルムアルデヒド2分子
が縮合した3核体、更には4核体以上の含有量はだんだ
ん少なくなる。また、一番多い2核体の異性体分布は、
アニリンのアミノ基からみてp−位で結合した4,4′
−異性体が最も多く、次いでp−位とo−位の2,4′
−異性体、最小はo−位で結合した2,2′−異性体で
ある。さらに、該当するポリアミンのホスゲン化によっ
て得られるポリメリックMDIの低温安定性向上のた
め、あるいは、エラストマー用等の原料としての需要が
ある2核体を、ホスゲン化後のポリメリックMDIから
蒸留によって分離し、ポリメリックMDI中の2核体含
有量を減少させることも行われている。
分布及び異性体分布の好ましい態様は、2,2′−MD
Iと2,4′−MDIの合計量が2〜20質量%、4,
4′−MDIが35〜60質量%、3核体以上のポリメ
リックMDIが55〜20質量%であるポリイソシネー
トである。上記において、2,2′−MDIと2,4′
−MDIの合計量(A)と、4,4′−MDI(B)
と、3核体以上のポリメリックMDI(C)の合計量
は、100%である。更に好ましくは、2,2′−MD
Iと2,4′−MDIの合計量が4〜20質量%、4,
4′−MDIが40〜60質量%、3核体以上のポリメ
リックMDIが50〜30質量%であるポリイソシアネ
ートである。
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などの添加剤を
加えることができる。更に、ポリウレタン発泡処方で用
いられるシリコン整泡剤なども添加することができる。
り、原紙への浸透性が良く、強度の大きいあて板を製造
することができる。また、強化剤のポリイソシアネート
の貯蔵にあたって冬季固化のおそれが少ない。
するが、本発明は、これらに限定して解釈されるもので
はない。なお、ここで用いられる「部」及び「%」は特
に断らない限り質量基準である。
−MDIが39%、3核体以上のポリメリックMDIが
60%である市販品のポリメリックMDIを500部、
2,2′−MDI+2,4′−MDIが20%、4,
4′−MDIが80%の異性体含有MDIを230部、
2,2′−MDI+2,4′−MDIが6%、4,4′
−MDIが36%、3核体以上のポリメリックMDIが
58%である試作ポリメリックMDIを270部混合し
てポリイソシアネート−1を得た。このポリイソシアネ
ート−1は、2,2′−MDI+2,4′−MDIが
6.7%、4,4′−MDIが47.6%、3核体以上
のポリメリックMDIが45.7%で、粘度は、25℃
で70mPa・sであった。このポリイソシアネート
は、−10℃×1週間では結晶の析出はなかった。
−MDIが39%、3核体以上のポリメリックMDIト
が60%である市販品のポリメリックMDIを700
部、2,2′−MDI+2,4′−MDIが20%、
4,4′−MDIが80%の異性体含有MDIを130
部、2,2′−MDI+2,4′−MDIが6%、4,
4′−MDIが36%、3核体以上のポリメリックMD
Iが58%である試作ポリメリックMDIを170部混
合してポリイソシアネート−2を得た。このポリイソシ
アネート−2は、2,2′−MDI+2,4′−MDI
が4.3%、4,4′−MDIが43.8%、3核体以
上のポリメリックMDIが51.9%で、粘度は、25
℃で100mPa・sであった。このポリイソシアネー
トは、−10℃×1週間では結晶の析出はなかった。
DI+2,4′−MDIが1%、4,4′−MDIが3
9%、3核体以上のポリメリックMDIが60%である
市販品のポリメリックMDIをそのまま用いた。粘度
は、25℃で165mPa・sであり、このポリイソシ
アネートは、−10℃×1週間では結晶の析出はなかっ
た。
張り合わせ、さらにこの2枚の表裏にでんぷん糊を付け
て、厚さ1mmの再生紙からなる原紙を2枚張り合わせ
た。合計4枚の原紙からなる張り合わせ板をポリイソシ
アネート−1の液に5分間浸け、空中で20分間液切れ
を行い、その後40〜60℃で24時間乾燥を行い、紙
製あて板を得た。紙製のあて板の物性をまとめて表1に
示す。表中の質量は、30mm×250mmの寸法の試
験片の質量である。 吸水率 :JIS A 5905 曲げ強さ:JIS A 5905 に準じて測定した。
ート−2の液に浸けた以外は実施例1と同様にして紙製
あて板を得た。
ート−3の液に浸けた以外は実施例1と同様にして紙製
あて板を得た。
Claims (1)
- 【請求項1】 3〜5枚の原紙を接着剤で貼り合わせて
なる合成紙であって、最外部の表裏2枚の原紙は、ポリ
イソシアネートを含浸したものを用いる梱包用紙製あて
板の製造方法において、ポリイソシアネートが、2,
2′−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネートの合計量が2〜20
質量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
が35〜60質量%、3核体以上のポリメチレンポリフ
ェニレンポリイソシアネートが55〜20質量%である
ことを特徴とする前記あて板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29689199A JP3787832B2 (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 梱包用紙製あて板の製造方法 |
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-
1999
- 1999-10-19 JP JP29689199A patent/JP3787832B2/ja not_active Expired - Fee Related
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