JP2001113736A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリアルスキャンの記録方式において、記録
速度と記録画質の双方の要求に応えることができるイン
クジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録装置
を提供すること。 【解決手段】 キャリッジ２９に搭載可能な第１、第２
のインクジェット記録ヘッド２０、２８を用いて、画像
を記録可能なシリアルスキャン型の記録装置において、
第１のインクジェット記録ヘッド２０のノズル列５１，
５２，および５３と、第２のインクジェット記録ヘッド
２０のノズル列５４および５５から吐出されるインク
は、それぞれシアンインク、マゼンタインク、イエロー
インク、マゼンタインク、シアンインクであり、往走査
方向と復走査方向において同じ順番となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出可能
なインクジェット記録ヘッド、および、それを用いるシ
リアルスキャン型のインクジェット記録装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、インクを吐出可能なインクジ
ェット記録ヘッドを用いて、被記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録装置としては、そのインクジェッ
ト記録ヘッドを走査させることによって画像を記録する
シリアルスキャン型のインクジェット記録装置が知られ
ている。

【０００３】近年、このようなシリアルスキャン型のイ
ンクジェット記録装置には、以下のような開発傾向があ
る。

【０００４】（１）記録の高速化 （２）カラー記録の高画質化 （１）の記録の高速化については、データ処理速度、給
紙速度、および用紙の送り速度の高速化が図られている
と共に、記録ヘッドの往走査および復走査の双方におい
て記録を行う、いわゆる双方向記録も一部で実用化され
ている。

【０００５】（２）のカラー記録の高画質化に関して
は、例えば、濃淡２種類のインクを併用して画質濃度の
微妙な表現を実現したり、より小さなインク滴を吐出す
るノズルを用いて、画質の粒状感をなくしたりする試み
がなされている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シリアルスキャン型のインクジェット記録装置におい
て、例えば、記録ヘッドの走査方向に並列に並んだ複数
のノズル列のそれぞれに、吐出すべきインクとして異な
るインクを割り当てて、双方向記録によって被記録媒体
上にインクを重ねて画像を記録しようとした場合には、
記録ヘッドの往走査時と復走査時におけるインクの打ち
込み順序が逆になってしまう。例えば、グリーンを表現
するために、記録ヘッドの往走査時にシアンインク、イ
エローインクの順にインクを重ね打ちした場合、記録ヘ
ッドの復走査時には、逆に、イエローインク、シアンイ
ンクの順にインクが重ね打ちされる。

【０００７】このように重ね打ちされる複数種のインク
は、用紙等の被記録媒体上において完全に混合して浸透
するわけではない。そのため、インクの打ち込み順序が
異なった場合、被記録媒体には、その厚さ方向において
重なり順序が異なるインクの層が生じ、目視上の色調が
異なったものとなる。この結果、記録ヘッドの往走査、
復走査による走査ライン毎に、記録画像に色ムラが生じ
てしまう。

【０００８】従来においては、記録ヘッドの一方向の走
査時に記録を行う片方向記録方式を採用して、色ムラを
防止する代わりに記録速度を落としての対処、あるいは
双方向記録を採用して、記録速度を上げる代わりに画質
を低下させる対処のいずれかを選択するしかなかった。
つまり、記録の高画質化と高速化を両立させることがで
きなかった。

【０００９】また、例えば、シアン、マゼンタ、および
イエローの濃インクを吐出するためのノズルと、シア
ン、マゼンタ、およびイエローの淡インクを吐出するた
めのノズルが形成された記録ヘッドを用いた場合には、
写真調の画像を記録することができる。しかし、淡イン
クを使用せずにグラフ等のグラフィック記録を行う場合
には、記録速度の低下、色ムラの発生が生じてしまう。
そのため、高速かつ高品位のグラフィック記録と、写真
調の記録とを両立させることができなかった。

【００１０】本発明の目的は、シリアルスキャンの記録
方式において、記録速度と記録画質の双方の要求に応え
ることができるインクジェット記録ヘッド、およびイン
クジェット記録装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは、シリアルスキャン型のインクジェット記
録装置に用いられ、吐出可能なインクの種類毎に対応す
る複数のノズル列が走査方向に並列に配列されたインク
ジェット記録ヘッドにおいて、少なくとも２種類のイン
クを吐出するための少なくとも３つの前記ノズル列が往
走査方向と復走査方向に同じ順番に配列されていること
を特徴とする。

【００１２】本発明のインクジェット記録装置は、イン
クを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを用い、前記
インクジェット記録ヘッドを走査させつつ、前記被記録
媒体に画像を記録するシリアルスキャン型のインクジェ
ット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッド
は、吐出可能なインクの種類毎に対応する複数のノズル
列が走査方向に並列に配列され、かつ少なくとも２種類
のインクを吐出するための少なくとも３つの前記ノズル
列が往走査方向と復走査方向に同じ順番に配列されてお
り、前記インクジェット記録ヘッドの往走査と復走査の
両方向の走査時に、前記インクジェット記録ヘッドを用
いて前記被記録媒体に画像を記録可能な双方向記録制御
手段を備えたことを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１４】（第１の実施形態）図１から図４は、本発
明の第１の実施形態を説明するための図である。

【００１５】図１において、１はシャーシであり、その
他の部品を支持する構造体を成す。２はオートシートフ
ィーダ（以下、「ＡＳＦ」という）であり，不図示の給紙
ローラと用紙分離機構により、ＡＳＦ２内に集積された
記録用紙（被記録媒体）の束３から、その用紙を１枚ず
つピックアップして、それを後述するＬＦローラ６まで
送る。ＡＳＦ２において、用紙は、左端基準４に突き当
てて積載され、用紙サイズに合わせて左右にスライドで
きる右端側のサイドガイド５に突き当てられることによ
って、位置決めされる。

【００１６】ピックアップされた用紙は、ＬＦローラ６
とピンチローラ７の接点まで送られる。ＬＦローラ６の
表面は、塗着処理により、所定の摩擦係数になるよう加
工されている。ゴム製のピンチローラ７は、その両端が
ピンチローラガイド８に軸支されて、自由に回転でき
る。ピンチローラガイド８は、回転軸９を中心として回
転可能であり、不図示のバネにより、ピンチローラ７を
ＬＦローラ６に押し付ける方向に付勢されている。給紙
ローラによってピックアップされた用紙は、その先端が
静止したＬＦローラ６に達した後、給紙ローラによって
さらに数ｍｍ送られる。この過程において、用紙はたわ
んでループ状を成し、用紙のコシの強さにより、用紙先
端とＬＦローラ６の軸との平行度を確保する、いわゆる
レジ取りが行われる。そのレジ取りが終るとＬＦローラ
６が回転し、用紙は、ＬＦローラ６とピンチローラ７に
挟持されて所定量送られ、そして記録スタンバイ位置に
て停止される。

【００１７】ＬＦローラ６の左端には、シャーシ１を介
してＬＦギア１０が圧入されている。このＬＦギア１０
には、それと同軸上にＬＦプーリ１１が一体的に形成さ
れている。ＬＦプーリ１１と排紙プーリ１３との間には
ＬＦベルト１２が架け渡されており、下流側の排紙プー
リ１３に駆動力が伝達される。ＬＦギア１０は、ＬＦモ
ータギア１４とギア列を構成し、ＬＦモータ１５から駆
動力が伝達される。

【００１８】１６はプラテンであり、ＬＦローラ６とピ
ンチローラ７に挟持された用紙は、プラテン１６の表面
上を通過する。１７は、排紙プーリ１３に固定された排
紙ローラであり、ＬＦモータ１５により回転駆動され
る。排紙ローラ１７にはゴム部１８が１１個設けられて
おり、それらのゴム部１８に対して、拍車１９が不図示
の付勢手段によって押し付けられている。プラテン１６
の表面上を通過した用紙は、ゴム部１８と拍車１９に挟
持されて送られる。拍車１９は星状の形状であって、ゴ
ム部１８と点接触するため、記録済みの用紙を挟持して
も記録画像がこすれることはない。

【００１９】２０，２８は、それぞれ第１および第２の
インクジェット記録ヘッドであり、第１の記録ヘッド２
０には、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエロー
のインクを吐出するための４列のノズル列５０，５１，
５２，および５３が形成されている。また、第２の記録
ヘッド２８には、マゼンタおよびシアンのインクを吐出
するための２列のノズル列５４，５５が形成されてい
る。ノズル列５０〜５５のそれぞれは、用紙の送り方向
に沿って１／６００インチピッチで並ぶ２５６ノズルに
よって形成されている。これらの記録ヘッド２０，２８
を後述するキャリッジ２９にセットしたときに、図１中
の左側から右側に向かって、「ブラック」、「シアン」、
「マゼンタ」、「イエロー」、「マゼンタ」、および「シアン」
のインクを吐出するためのノズル列５０，５１，５２，
５３，５４，および５５が順に並列することになる。

【００２０】記録ヘッド２０，２８は、画像信号に応じ
て、ノズルから用紙に向かってインクを吐出する。記録
ヘッド２０，２８は、例えば、それぞれのノズルに連通
するインク流路中に、記録素子としてヒーター（電気熱
変換体）を備えた構成とすることができる。その場合、
ヒーターの熱エネルギーによってインク流路中のインク
に気泡を発生させ、その気泡の成長に伴なって、そのイ
ンク流路に対応するノズルのインク吐出口から、インク
が吐出される。それぞれの記録ヘッド２０，２８には、
それらから吐出されるインクを供給するためのインクタ
ンク２２〜２７が着脱可能に取り付けられ、それらのイ
ンクタンク２２〜２７は、インク残量がなくなったとき
に個別に交換される。ブラックインクを収容するインク
タンク２２は、ブラックインクの使用頻度を考慮して、
他のインクタンクよりも大容量となっている。

【００２１】記録ヘッド２０，２８は、キャリッジ２９
内に挿入されて、位置決め固定される。キャリッジ２９
内には、装置本体からの信号を記録ヘッド２０、２８の
それぞれに個別に伝達するための電極部３０が計２つ設
けられている。電極部３０は、キャリッジ２９に記録ヘ
ッド２０，２８がセットされたときに、記録ヘッド２
０，２８側に設けられた不図示のヘッド側電極に押し付
けられて、記録ヘッド２０，２８との間の導通が成され
る。これらの電極のなかには、キャリッジ２９に記録ヘ
ッドがセットされているか否かの判別、およびキャリッ
ジ２９にセットされた記録ヘッドの種類を判別するため
の電極も存在する。すなわち、記録ヘッドの種類毎に異
なった抵抗値に設定された２つのヘッド側電極間の抵抗
値を読み取ることによって、記録ヘッドがセットされて
いるか否かと、その記録ヘッドの種類を判別することが
できる。また、４５，４６，４７は、記録ヘッド２０，
２８を位置決めするためにキャリッジ２９に設けられた
基準面である。

【００２２】シャーシ１の裏面に固定されているメイン
ボード２２と、キャリッジ２９は、フレキシブルケーブ
ル３１によって接続されている。そのフレキシブルケー
ブル３１の終端に、電極部３０が設けられている。

【００２３】図２は、第３のインクジェット記録ヘッド
６０の斜視図である。

【００２４】この第３の記録ヘッド６０は、第２の記録
ヘッド２８と外形が全く同一であり、その第２の記録ヘ
ッド２８と交換可能にキャリッジ２９に搭載されるよう
になっている。その記録ヘッド６０には、淡シアンおよ
び淡マゼンタインクを吐出するためのノズル列６３およ
び６４が形成されている。６１は淡シアンインクを収容
するインクタンク、６２は淡マゼンタインクを収容する
インクタンクであり、これらは記録ヘッド６０に着脱可
能に取り付けられる。淡シアンインクと淡マゼンタイン
クは、第１の記録ヘッド２０から吐出されるシアンイン
クとマゼンタインクよりも濃度の低いインクであり、自
然なグラデーションや粒状感のない画像を記録したいと
きに使用される。

【００２５】図１において、３３は、キャリッジ２９の
軸受部３４を貫通するキャリッジシャフトであり、その
両端はシャーシ１に支持されている。３５はキャリッジ
レールであり、その両端もシャーシ１に支持されてい
る。キャリッジ２９において、用紙の搬送方向下流側に
設けられた不図示のスライダーは、キャリッジレール３
５の上面を摺動する。

【００２６】キャリッジ２９は、キャリッジシャフト３
３とキャリッジレール３５にガイドされることにより、
記録ヘッド２０，２８または６０を搭載したまま、用紙
の搬送方向（副走査方向）と直交する主走査方向に沿っ
て往復動自在される。キャリッジ２９にはキャリッジベ
ルト３６が接合され、そのベルト３６は、キャリッジモ
ータ３７のプーリとアイドラプーリ３８との間に架け渡
されている。キャリッジモータ３７の回転により、ベル
ト３６を介して、キャリッジ２９が主走査方向に往復移
動する。キャリッジ２９の移動時は、記録ヘッド２０，
２８、または６０における吐出口の形成面と、用紙表面
との間隔は、１〜１．５ｍｍに保持される。

【００２７】図３は、記録動作を説明するためのフロー
チャートである。

【００２８】まず、記録装置の電源オン（ステップＳ
１）により、電極部３０からの入力情報に基づいて、キ
ャリッジ２９上における記録ヘッドの有無と、その記録
ヘッドの種類が判別される（ステップＳ２）。キャリッ
ジ２９上に、記録ヘッド２０と記録ヘッド２８の両方が
共にセットされていないとき、または記録ヘッド２０と
記録ヘッド６０の両方が共にセットされていないとき
は、ブザー等の手段によってユーザーに報知すると共
に、キャリッジ２９を主走査方向の移動範囲内における
中央の交換作業位置に移動させて、セットされていない
記録ヘッドのセットを促す。キャリッジ２９上に、記録
ヘッド２０と記録ヘッド２８の両方がセットされている
とき、または記録ヘッド２０と記録ヘッド６０の両方が
セットされているときは、キャリッジ２９は、そのまま
待機状態となる（ステップＳ３）。

【００２９】記録装置は、キャリッジ２９にセットされ
ている記録ヘッドの組合せに応じた記録方法を選択す
る。すなわち、キャリッジ２９に第１、第２の記録ヘッ
ド２０，２８がセットされたときは、キャリッジ２９の
往復の両方向移動時に記録動作する双方向記録を選択
し、またキャリッジ２９に第１、第３の記録ヘッド２
０，６０がセットされたときは、キャリッジ２９の一方
向の移動時にのみ記録動作をする片方向記録を選択す
る。

【００３０】キャリッジ２９に第１、第２の記録ヘッド
２０，２８がセットされたときは、主走査方向に沿って
並ぶ６つのノズル列の内、５つのノズル列５１，５２，
５３，５４，５５から吐出されるインク色は、「シア
ン」、「マゼンタ」、「イエロー」、「マゼンタ」、「シアン」
となり、それらのインクの打ち込み順序は、往走査およ
び復走査のいずれによっても同じになる。したがって、
双方向記録によっても記録画像の色調に違いが生ぜず、
色ムラのない高品位の画像を高速記録できる。

【００３１】一方、キャリッジ２９に第１、第３の記録
ヘッド２０，６０がセットされたときは、主走査方向に
沿って並ぶ６つのノズル列の内、５つのノズル列５１，
５２，５３，６３，６４から吐出されるインク色は、
「シアン」、「マゼンタ」、「イエロー」、「淡シアン」、「淡
マゼンタ」となる。そのため、双方向記録による高速記
録はできないものの、淡シアンインクと淡マゼンタイン
クを用いることにより、より粒状感のない自然な画像を
記録することができる。

【００３２】このように、記録ヘッドを交換することに
よって、要求される記録速度と記録画質に応じることが
でき、記録装置は用途の広いものとなる。

【００３３】その後、記録信号が入力されると（ステッ
プＳ４）、上述したように用紙を記録スタンバイ位置に
静止させてから、キャリッジ２９を一方向に往走査させ
つつ、記録ヘッドによって、用紙上に１行分の画像を記
録する（ステップＳ５）。さらに記録データが存在して
いるときは、記録方式に応じた紙送り動作をする。すな
わち、双方向記録の場合には、キャリッジ２９が一方向
の往動を減速してから、逆の他方向の復動を加速する間
に、１行の記録幅分だけ用紙を送ってから（ステップＳ
７）、キャリッジ２９を他方向に復走査させつつ、記録
ヘッド２０，２８によって次の１行分の画像を記録する
（ステップＳ５）。一方、片方向記録の場合には、キャ
リッジ２９が他方向に復動する間に、１行の記録幅分だ
け用紙を送ってから（ステップＳ７）、再び、キャリッ
ジ２９を一方向に往走査させつつ、記録ヘッド２０、６
０によって次の１行分の画像を記録する（ステップＳ
５）。

【００３４】そして、画像の記録終了まで、このような
記録ヘッドによる記録動作と用紙の搬送動作とを繰り返
す。画像の記録終了後は、記録済みの用紙を不図示の排
紙トレイ上に排紙する（ステップＳ８）。

【００３５】図４は、記録ヘッドの交換時の動作を説明
するためのフローチャートである。

【００３６】第２、第３の記録ヘッド２８，６０を互い
に交換する場合、およびそれぞれの記録ヘッド２０，２
８，６０を新規なものと交換する場合、操作者は、不図
示のヘッド交換ボタンを押す（ステップＳ１１）。その
後、キャリッジ２９は、記録装置の左右方向における真
中の走査位置（記録ヘッドの交換作業位置）に移動して
（ステップＳ１２）、記録ヘッドの交換を促す。その
後、操作者は、記録ヘッドを交換し（ステップＳ１
３）、再度、ヘッド交換ボタンを押す（ステップＳ１
４）。これにより、キャリッジ２９は、記録スタンバイ
位置（図１中の位置）に移動して（ステップＳ１５）、
次の記録に備える。

【００３７】（第２の実施形態）前述した第１の実施形
態においては、第３の記録ヘッド６０として、淡シアン
インクを吐出するためのノズル列６３と、淡マゼンタイ
ンクを吐出するためのノズル列６４が形成された記録ヘ
ッドを用いた。その他、第３の記録ヘッド６０として
は、ノズル径が小さくて、インクの吐出量が少ない記録
ヘッドを用いることもできる。

【００３８】例えば、第３の記録ヘッド６０として、第
２の記録ヘッド２８と同じシアンインクとマゼンタイン
クを吐出し、かつ、それらのインクの吐出量が少ない記
録ヘッドを用いことができる。この場合には、用紙に着
弾したインクのドット径が小さくなるため、特に、ハイ
ライト部において粒状感の少ない自然な画像を記録する
ことができる。さらに、上述した第１の実施形態のよう
に、インクタンクを各色毎に単独で交換可能とした方式
と組み合わせた場合、ユーザーは、第２の記録ヘッド２
８と第３の記録ヘッド６０との間においてタンクを交換
することができる。そのため、例えば、第３の記録ヘッ
ド６０におけるインクタンク内のインク残量がなくなっ
た場合に、第２の記録ヘッド２８のインクタンクを用い
ることができ、わざわざ第３の記録ヘッド６０のための
インクタンクを入手する必要がない。また、このような
ことは、グラフ等のグラフィック記録に比して、写真調
の画像を記録する頻度が少ないユーザーにとって、経済
的に有利となる。

【００３９】（第３の実施形態）上述した第１の実施形
態においては、キャリッジ２９にセットされる２つの記
録ヘッドの内、１つしかセットされていない場合に、キ
ャリッジ２９が交換作業位置に移動して、他の１つの記
録ヘッドのセットを促した。しかし、第１の記録ヘッド
２０しかセットされていない場合にも片方向記録が可能
であるため、この場合には、片方向記録をするように制
御してもよい。また、例えば、第２の記録ヘッド２８が
寿命に達した場合、新規な第２の記録ヘッド２８を購入
するまでの間は、第１の記録ヘッド２０だけを用いて記
録を継続することもできる。

【００４０】また、例えば、複数種のインクを吐出する
ための全てのノズル列が往走査方向と復走査方向に同じ
順番に配列され、かつ、それらのノズル列が第１、第２
の記録ヘッド２０，２８に同数ずつ形成されている場合
には、それら第１、第２の記録ヘッド２０，２８を用い
て双方向記録ができると共に、それらのいずれか一方だ
けを用いて片方向記録をすることもできる。その場合に
は、電極部３０を用いて、キャリッジ２９に第１、第２
の記録ヘッド２０、２８のいずれがセットされているか
を判断し、それらの一方がセットされているときは、キ
ャリッジ１９の往動時に記録動作（往走査時の片方向記
録）をするように制御し、また、それらの他方がセット
されているときは、キャリッジ１９の復動時に記録動作
（復走査時の片方向記録）をするように制御することが
できる。このような片方向記録によっては、記録速度は
低下するものの、セットできない記録ヘッドを入手する
までの間、記録を継続できる利点がある。

【００４１】（第４の実施形態）図５は、本発明の第４
の実施形態を説明するための要部の斜視図である。図５
において、前述した実施形態と同様の部分には同一符号
を付して、その説明を省略する。

【００４２】図５において、キャリッジ２９には開口部
１００が設けられている。さらに、第１の記録ヘッド２
０に、開口部１０１，１０２，１０３が設けられ、また
第２の記録ヘッド２８に、開口部１０４，１０５が設け
られている。１０９は、記録装置本体に固定された反射
型のフォトセンサであり、その内部に、レーザーフォト
ダイオード１０８とフォトセンサ１０７が含まれてい
る。レーザーフォトダイオード１０８から発せられた光
線は、開口部１００、および１０１〜１０６を通って、
インクタンク２２〜２７の底面に達する。キャリッジ２
９の移動に応じて、インクタンク２２〜２７の内の任意
の底面に、レーザーフォトダイオード１０８からの光線
を照射することができる。

【００４３】インクタンク２２〜２７の底面には不図示
のプリズム形状部が存在し、その部分に照射された光線
は、図５中の直線１１０を光軸としてフォトセンサ１０
７に反射される。インクタンク２２〜２７は透明の樹脂
製であり、そらの中にインクがある場合とない場合にお
ける光の屈曲率の相違により、その反射光を受光した際
のフォトセンサ１０７の電圧に差が生じる。これを利用
して、インクタンク２２〜２７内のインクの残量検知が
可能となる。

【００４４】記録信号が入力された際に、キャリッジ２
９を移動させつつ、インクの残量検知をする。そして、
キャリッジ２９にセットされている第１、第２の記録ヘ
ッド２０，２８に備わるインクタンク２２〜２７の内、
いずれかが空であることが検知された場合には、たとえ
キャリッジ２９に第１、第２の記録ヘッド２０，２８が
セットされていたとしても、記録方式を双方向記録から
片方向記録に切り換える。このように、記録ヘッド２
０，２８のいずれかのインクタンクが空になっても、直
ちに記録不能とすることなく、記録方式を切り換えて記
録を続行する。そのため、片方向記録に切り換えた時点
にて、交換すべき新規なインクタンクを用意する時間的
余裕を生むことができる。したがって、稼動効率の優れ
た記録装置を実現することができる。

【００４５】（他の実施形態）１つのインクジェット記
録ヘッドにおいて、複数種のインクを吐出するための全
てのノズル列は、往走査方向と復走査方向に同じ順番に
配列してもよい。このような記録ヘッドを用いることに
より、高速記録と高画質化を実現する双方向記録が可能
となる。

【００４６】（その他）なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
（例えば電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化，高精細化が
達成できるからである。

【００４７】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書，同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型，
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体（インク）
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長，収縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐
出させて、少なくとも１つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体（インク）の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第４４６３３５９号明細書，同第
４３４５２６２号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第４３１３１２４号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。

【００４８】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口，液路，電気熱変換体
の組合せ構成（直線状液流路または直角液流路）の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第４５５８３３３号明細書，米国特許第４４
５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭５９−１３８４６１号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。

【００４９】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。

【００５０】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。

【００５１】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して１個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。

【００５２】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭５４−５６８４７号公報あるいは特開昭６０−７
１２６０号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。

【００５３】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。

【００５４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インク
ジェット記録ヘッドにおいて、少なくとも２種類のイン
クを吐出するための少なくとも３つのノズル列が往走査
方向と復走査方向に同じ順番に配列されていることによ
り、インクジェット記録ヘッドの往走査と復走査の両方
向の走査時に少なくとも２種類のインクの打ち込み順序
を同一にして、双方向記録をすることができ、この結
果、双方向記録による高速記録と、色ムラのない高品位
な画像記録とを同時に実現することができる。

【００５５】また、インクジェット記録ヘッドにおい
て、シアンインク、マゼンタインク、およびイエローイ
ンクの３種類のインクを吐出するための５つ以上のノズ
ル列が往走査方向と復走査方向に同じ順番に配列されて
いることにより、それらの３種類のインクの打ち込み順
序を同一にして、双方向記録をすることができる。

【００５６】また、複数のインクジェット記録ヘッドに
対して、少なくとも２種類のインクを吐出するための少
なくとも３つのノズル列を分けて配列することにより、
複数のインクジェット記録ヘッドを用いての記録が可能
となる。

【００５７】その場合、複数のインクジェット記録ヘッ
ドは、シアンインク、マゼンタインク、およびイエロー
インクを吐出するための少なくとも３つのノズル列が配
列された第１のインクジェット記録ヘッドと、シアンイ
ンク、マゼンタインク、およびイエローインクの内の２
種類以上のインクを吐出するための少なくとも２つのノ
ズル列が配列された第２のインクジェット記録ヘッドと
し、そして、それら第１、第２のインクジェット記録ヘ
ッドの使用形態において、シアンインク、マゼンタイン
ク、およびイエローインクの３種類のインクを吐出する
ための５つ以上のノズル列を往走査方向と復走査方向に
同じ順番に配列させてもよい。

【００５８】さらに、その第２のインクジェット記録ヘ
ッドの代わりに、その第２のインクジェット記録ヘッド
とは異なるインクを吐出可能な第３のインクジェット記
録ヘッドを用いることを可能とすることにより、第１の
インクジェット記録ヘッドと共に、第２または第３のイ
ンクジェット記録ヘッドを選択的に用いて、様々な要望
に応じた記録をすることができる。具体的には、第１、
第２のインクジェット記録ヘッドを用いた場合には、双
方向記録による記録速度の高速化と、色ムラのない高品
位な画像の記録とを同時に実現することができる。ま
た、第１、第３のインクジェット記録ヘッドを用いた場
合には、例えば、第３のインクジェット記録ヘッドから
蛍光色などの異なる種類のインクを吐出して表現力豊か
な画像を記録したり、第３のインクジェット記録ヘッド
から耐水作用をもつ処理液を吐出して画像の耐水性を高
めたり、あるいは、第３のインクジェット記録ヘッドか
ら第１のインクジェット記録ヘッドとは異なる濃度のイ
ンクを吐出して、自然なグラデーションをもつ写真調の
画像を記録することができる。

【００５９】さらにまた、第３のインクジェット記録ヘ
ッドに、第１のインクジェット記録ヘッドのノズル列か
ら吐出可能なシアンインク、マゼンタインク、およびイ
エローインクよりも低濃度のシアンインク、マゼンタイ
ンク、およびイエローインクを吐出可能な少なくとも３
つのノズル列を配列してもよい。その場合には。第１、
第２のインクジェット記録ヘッドを用いることにより、
双方向記録による記録速度の高速化と、色ムラのない高
品位な画像の記録とを同時に実現することができる。ま
た、第１、第３のインクジェット記録ヘッドを用いた場
合には、高濃度のインクと低濃度のインクによって写真
調の画像を記録することができる。

【００６０】さらにまた、第３のインクジェット記録ヘ
ッドは、第１のインクジェット記録ヘッドのノズル列か
ら吐出されるインク滴とは異なる量のインク滴を吐出可
能なノズル列を配列してもよい。この場合には、第１、
第３のインクジェット記録ヘッドを用いることにより、
特に、ハイライト部や微妙なグラデーションを必要する
部分を小さいインク滴によって形成して、写真調の画像
を記録することができる。

【００６１】また、往走査方向および復走査方向に沿っ
て往復移動し、かつ第１、第２、および第３のインクジ
ェット記録ヘッドの搭載が可能なキャリッジを備え、そ
のキャリッジに搭載されているインクジェット記録ヘッ
ドの種類に応じて、双方向記録、または片方向記録を選
択することにより、キャリッジに搭載されたインクジェ
ット記録ヘッドの種類に応じて、最適な記録方式を自動
的に設定することができる。

【００６２】その場合、キャリッジに第２、第３のイン
クジェット記録ヘッドが搭載されていないときに、キャ
リッジに搭載されている第１のインクジェット記録ヘッ
ドを用いて、少なくとも画像の一部を片方向記録によっ
て記録してもよい。これにより、例えば、第２、第３の
インクジェット記録ヘッドが寿命に達して、それらの新
規なものを手配中のときに、第１のインクジェット記録
ヘッドのみを用いて最適な記録を継続実施して、記録装
置の稼動効率を向上させることができる。

【００６３】また、第１、第２のインクジェット記録ヘ
ッドにインクを供給する複数のインクタンク内のインク
残量を検知する残量検知手段を備えて、それらのインク
タンクの内の少なくとも１つのインク残量が所定量以下
となったときに、双方向記録から片方向記録に切り換え
ることにより、一部のインクタンクのインク残量がなく
なった場合に、直ちに記録不能とせずに、他のインクタ
ンクのインクを用いて最適な記録を継続実施して、記録
装置の稼動効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態の要部を説明するため
の斜視図である。

【図２】図１における第２の記録ヘッドと交換可能な第
３の記録ヘッドの斜視図である。

【図３】図１の記録装置の記録動作を説明するためのフ
ローチャートである。

【図４】図１の記録装置における記録ヘッド交換時の動
作を説明するためのフローチャートである。

【図５】本発明の第４の実施形態を説明するための要部
の斜視図である。

【符号の説明】

２０ 第１のインクジェット記録ヘッド ２２，２３，２４，２５，２６，２７，６１，６２ イ
ンクタンク ２８ 第２のインクジェット記録ヘッド ２９ キャリッジ ５０，５１，５２，５３，５４，５５，６３，６４ ノ
ズル列 ６０ 第３のインクジェット記録ヘッド １０９ 反射型フォトセンサ

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリアルスキャン型のインクジェット記
   録装置に用いられ、吐出可能なインクの種類毎に対応す
   る複数のノズル列が走査方向に並列に配列されたインク
   ジェット記録ヘッドにおいて、 少なくとも２種類のインクを吐出するための少なくとも
   ３つの前記ノズル列が往走査方向と復走査方向に同じ順
   番に配列されていることを特徴とするインクジェット記
   録ヘッド。
2. 【請求項２】 シアンインク、マゼンタインク、および
   イエローインクの３種類のインクを吐出するための５つ
   以上のノズル列が往走査方向と復走査方向に同じ順番に
   配列されていることを特徴とする請求項１に記載のイン
   クジェット記録ヘッド。
3. 【請求項３】 インクを吐出するための熱エネルギーを
   発生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項
   １または２に記載のインクジェット記録ヘッド。
4. 【請求項４】 インクを吐出可能なインクジェット記録
   ヘッドを用い、前記インクジェット記録ヘッドを走査さ
   せつつ、前記被記録媒体に画像を記録するシリアルスキ
   ャン型のインクジェット記録装置において、 前記インクジェット記録ヘッドは、吐出可能なインクの
   種類毎に対応する複数のノズル列が走査方向に並列に配
   列され、かつ少なくとも２種類のインクを吐出するため
   の少なくとも３つの前記ノズル列が往走査方向と復走査
   方向に同じ順番に配列されており、 前記インクジェット記録ヘッドの往走査と復走査の両方
   向の走査時に、前記インクジェット記録ヘッドを用いて
   前記被記録媒体に画像を記録可能な双方向記録制御手段
   を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
5. 【請求項５】 前記インクジェット記録ヘッドは、シア
   ンインク、マゼンタインク、およびイエローインクの３
   種類のインクを吐出するための５つ以上のノズル列が往
   走査方向と復走査方向に同じ順番に配列されていること
   を特徴とする請求項４に記載のインクジェット記録装
   置。
6. 【請求項６】 前記インクジェット記録ヘッドを複数用
   いて前記被記録媒体に画像を記録可能であり、 少なくとも２種類のインクを吐出するための少なくとも
   ３つのノズル列は、前記複数のインクジェット記録ヘッ
   ドに分けて配列されていることを特徴とする請求項４に
   記載のインクジェット記録装置。
7. 【請求項７】 前記複数のインクジェット記録ヘッド
   は、シアンインク、マゼンタインク、およびイエローイ
   ンクを吐出するための少なくとも３つのノズル列が配列
   された第１のインクジェット記録ヘッドと、シアンイン
   ク、マゼンタインク、およびイエローインクの内の２種
   類以上のインクを吐出するための少なくとも２つのノズ
   ル列が配列された第２のインクジェット記録ヘッドであ
   り、 前記第１、第２のインクジェット記録ヘッドの使用形態
   において、シアンインク、マゼンタインク、およびイエ
   ローインクの３種類のインクを吐出するための５つ以上
   の前記ノズル列が往走査方向と復走査方向に同じ順番に
   配列されていることを特徴とする請求項６に記載のイン
   クジェット記録装置。
8. 【請求項８】 前記第２のインクジェット記録ヘッドの
   代わりに、その第２のインクジェット記録ヘッドとは異
   なるインクを吐出可能な第３のインクジェット記録ヘッ
   ドを用いることが可能であり、 前記インクジェット記録ヘッドの往走査または復走査の
   一方向の走査時に、前記第３のインクジェット記録ヘッ
   ドを用いて前記被記録媒体に画像を記録可能な片方向記
   録制御手段を備えたことを特徴とする請求項７に記載の
   インクジェット記録装置。
9. 【請求項９】 前記第３のインクジェット記録ヘッド
   は、前記第１のインクジェット記録ヘッドのノズル列か
   ら吐出可能なシアンインク、マゼンタインク、およびイ
   エローインクよりも低濃度のシアンインク、マゼンタイ
   ンク、およびイエローインクを吐出可能な少なくとも３
   つのノズル列が配列されていることを特徴とする請求項
   ８に記載のインクジェット記録装置。
10. 【請求項１０】 前記第３のインクジェット記録ヘッド
    は、前記第１のインクジェット記録ヘッドのノズル列か
    ら吐出されるインク滴とは異なる量のインク滴を吐出可
    能なノズル列が配列されていることを特徴とする請求項
    ８に記載のインクジェット記録装置。
11. 【請求項１１】 前記往走査方向および前記復走査方向
    に沿って往復移動し、かつ前記第１、第２、および第３
    のインクジェット記録ヘッドの搭載が可能なキャリッジ
    と、 前記キャリッジの往走査および復走査の両方向の移動時
    に、前記第１、第２、第３のインクジェット記録ヘッド
    の内の２つを用いて前記被記録媒体に画像を記録可能な
    双方向記録制御手段と、 前記キャリッジの往走査および復走査の一方向の移動時
    に、前記第１、第２、第３のインクジェット記録ヘッド
    の内の少なくとも１つを用いて前記被記録媒体に画像を
    記録可能な一方向記録制御手段と、 前記キャリッジに搭載された前記インクジェット記録ヘ
    ッドの種類を判別する判別手段と、 前記判別手段によって判別された前記インクジェット記
    録ヘッドの種類に応じて、前記双方向記録制御手段また
    は前記一方向記録制御手段を選択的に機能させる選択手
    段とを備えたことを特徴とする請求項８から１０のいず
    れかに記載のインクジェット記録装置。
12. 【請求項１２】 前記選択手段は、前記キャリッジに前
    記第２、第３のインクジェット記録ヘッドが搭載されて
    いないときに、前記キャリッジに搭載されている前記第
    １のインクジェット記録ヘッドを用いて、少なくとも画
    像の一部を前記片方向記録制御手段により記録させるこ
    とを特徴とする請求項１１に記載のインクジェット記録
    装置。
13. 【請求項１３】 前記第１、第２のインクジェット記録
    ヘッドの往走査および復走査の両方向の走査時に前記被
    記録媒体に画像を記録可能な双方向記録制御手段と、 前記第１、第２のインクジェット記録ヘッドの往走査お
    よび復走査の一方向の走査時に、前記被記録媒体に画像
    を記録可能な一方向記録制御手段と、 前記第１、第２のインクジェット記録ヘッドにインクを
    供給する複数のインクタンク内のインク残量を検知する
    残量検知手段と、 前記残量検知手段によって、前記複数のインクタンクの
    内の少なくとも１つのインク残量が所定量以下であるこ
    とが検知されたときに、前記双方向記録制御手段による
    記録から、前記片方向記録制御手段による記録に切り換
    える切り換え手段とを備えたことを特徴とする請求項４
    から１２のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
14. 【請求項１４】 前記インクジェット記録ヘッドは、イ
    ンクを吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変
    換体を有することを特徴とする請求項４から１３のいず
    れかに記載のインクジェット記録装置。