JP2761670B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、記録手段により被記録材に画像を記録し、
該画像の定着を促進させるための定着手段が着脱可能に
装着される記録装置に関する。
〔従来の技術〕
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画
像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材
上に画像を形成していくように構成されている。
前記記録装置は、記録ヘッドの種類により、インクジ
ェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービー
ム式等に分けることができる。
そのうち、特に、インクジェット式(インクジェット
記録装置)は、記録ヘッドから被記録材にインクを吐出
させて記録を行なうように構成されており、高精細な画
像を高速で記録することができ、ノンインパクト方式で
あるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用し
てカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有
している。
上記記録装置として、記録した被記録材上の画像の定
着を促進するための定着器が着脱可能に装着される構成
のものがある。
上記記録装置のうちでも、特にインクジェット記録装
置では、記録された被記録材上のインクが自然には乾燥
し難い場合があり、そのような場合を考慮して、被記録
材上の画像インクを加熱乾燥するなどして定着を促進さ
せる定着器を設けることが行われており、その場合に、
前記定着器を着脱可能に装着することが行われている。
第8図は、インクジェット記録装置のうち、特にキヤ
ノン株式会社が提唱しているバブルジェット方式の記録
装置における、記録ヘッドの動作原理を示す模式図であ
る。
第8図において、記録ヘッド50には、インクを一時的
に貯留するための液室(不図示)に通じる液路51が形成
されており、該液路51の先端は記録ヘッド50のフェイス
面(被記録材と所定の間隔をもって対向する面)52に開
口して吐出口53を形成している。
前記液路51内はインク(記録液)54で満た また、前記液路51の吐出口54近傍の内壁面には、ヒー
ター(電気熱変換体)55が設けられている。
前記ヒーター55は通電用の電極56に接続されている。
(A)はヒーター55に通電する前の状態を示す。
画像信号に応じてヒーター55に通電すると、該ヒータ
ーが発熱し、該ヒーターと接する面の近傍のインク54が
急激に加熱される(B)。
この加熱によりインク54内に急激な気化が生じ
(C)、気泡57が生じる。
この気泡57の成長(膨張)により、インクに圧力が加
わり、インクが吐出口53から膨出する(D)。
インクが吐出口53から充分に膨出した時点で気泡57と
インク54との境界部を冷却すると(E)、吐出口53から
膨出したインクがインク滴58となって吐出すると同時
に、膨張した気泡57が収縮する(F)。
(G)は、以上の動作によって、被記録材に向かう適
正量の飛翔的インク滴が形成されるとともに、液路51内
の気泡が消滅した時の状態を示す。
こうして、被記録材上にインク滴を付着させてドット
を形成(記録)し、さらに、次の吐出動作(記録動作)
に備えることができる。
以上のような記録方法によれば、被記録材に付着した
インクの定着製は、該被記録材の吸水性等の特性によっ
て大きく異なることになる。
例えば、前記被記録材が普通紙などの通常の用紙であ
る場合と、吸水性のわるいOHPシートである場合とで
は、インクの定着性が異なることになる。
すなわち、通常の用紙の場合は、インクを速やかに吸
収するので、特に定着手段を設けなくても記録に支障は
生じないが、OHPシートの場合は、吸水性が悪いため、
ある程度の時間(例えば、数分程度)をおくか、あるい
は加熱等の手段を用いて急速に乾燥させる必要があるこ
とがある。
このような事情のため、特に、インクジェット記録装
置では、加熱乾燥型の定着器を装着することが提案され
ている。
〔発明が解決しようとする技術的課題〕
しかし、従来の記録装置では、次のような技術的課題
があった。
i)定着器内蔵型の記録装置では、使用頻度の低いOHP
シートのためにわざわざ定着器を常備することになり、
機器の大型化、コストアップおよび消費電力の増大を招
き、OHPシートを使わないユーザーにとっては蛇足にな
っていた。
ii)着脱可能な定着器を使用する従来の記録装置では、
通常紙に記録するかOHPシートに記録するかで、いちい
ち定着器を外したり取り付けたりする必要があり、ユー
ザーにとって取り扱いが面倒であった。
iii)オプションとしての定着器を持たないユーザーで
も、OHPシートへの記録を欲する場合があるが、その場
合の対処が困難であった。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、定着手段の装着の有無に関わ
らずOHPシートへの記録を行なうことができ、かつ、定
着手段を有する場合には記録画像の乾燥を待つ必要がな
く、それぞれの場合に有利に対処し得る記録装置を提供
することである。
〔課題解決のための手段〕
本発明は、記録手段により被記録材に画像を記録する
記録装置において、被記録材に記録された画像の定着を
促進するための定着手段を取り外し可能に装着するため
の装着部と、前記定着手段が記録装置に装着されたこと
を検知するための検知手段と、前記被記録材が通常シー
トであるか否かを判別するための被記録材判別手段とを
有し、該被記録材が通常シートでない場合であっても、
前記定着手段の装着の有無に係わらず記録を行なう構成
とすることにより、上記目的を達成するものである。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明による記録装置の一実施例を示す紙送
り方向の断面図であり、第2図は第1図の記録装置の内
部構成の平面図である。
第1図および第2図において、記録ヘッド10が装填さ
れたキャリッジ1は、ガイドレール5によって、矢印線
S方向に往復移動可能に案内支持されている。
前記キャリッジ1は、キャリッジモーター4により、
一対のプーリー3、3に張架されたワイヤ2を介して、
矢印線S方向に往復駆動することができる。
カセット11内に収納された用紙やプラスチック薄板等
の被記録材12は、給紙ローラ13によって一枚づつ送り出
され、ガイド14を通して一対のローラから成る紙送りロ
ーラ15の間に送給される。
紙送りローラ15へ送給された被記録材12は、記録ヘッ
ド10とプラテン16との間の隙間を通して、一対のローラ
から成る引っ張りローラ17の間へ送給される。
こうして供給された被記録材12は、紙送りローラ15お
よび引っ張りローラ17によって張力を与えられた状態
で、記録ヘッド10で記録され、かつ所定のピッチで紙送
りされる。
符号40は記録ヘッド10の記録部を示す。
記録された被記録材12は、開口18を通して、記録部か
ら送り出される。
前記給紙ローラ13、紙送りローラ15および引っ張りロ
ーラ17は、紙送りモーター8により、ギヤ列や必要なク
ラッチ手段等を含む伝動機構を介して、それぞれ、所定
のタイミングおよび周速比で回転駆動される。
キャリッジ1には、第2図に示すように、装置本体側
の制御手段(不図示)と記録ヘッド10との間で、画像デ
ータや制御信号等の伝達を行なうためのフレキシブルケ
ーブル9が取り付けられている。
なお、第1図および第2図中の記録ヘッド10は、熱エ
ネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記
録ヘッドであって、熱エネルギーを発生するための電気
熱変換体を備えたものである。
また、前記インクジェット記録ヘッド10は、前記電気
熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる
膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化
を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行な
うものである。
第5図は、前記記録ヘッド10のインク吐出部(記録
部)40を模式的に示す部分斜視図である。
第5図において、被記録材12に所定の隙間(例えば、
約0.5〜2.0mm程度)をおいて対面する吐出口面41には、
所定のピッチで複数の吐出口42が形成され、共通液室43
と各吐出口42とを連通する各液路44の壁面に沿ってイン
ク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体
(発熱抵抗体など)45が配設されている。
本例においては、記録ヘッド10は、前記吐出口42がキ
ャリッジ1の走査方向と交叉する方向に並ぶような位置
関係で、キャリッジ1に装填されている。
こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応す
る電気熱変換体45を駆動(通電)して、液路44内のイン
クを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口
42からインクを吐出させる記録ヘッド10が構成されてい
る。
第1図および第2図において、前記記録装置の被記録
材12の出口側、すなわち、前記開口18が設けられた側面
には、定着器20が着脱可能に装着されている。
第1図において、この定着器20はその内部を通して被
記録材12を搬送し得るように構成されており、前記開口
18側の入口21および反対側の出口22を有し、該出口22に
は排紙トレイ23が設けられている。
そこで、前記定着器20の内部には、加熱搬送路24、並
びにそれぞれ一対のローラから成る第1の搬送ローラ2
5、第2の搬送ローラ26、第3の搬送ローラ27が設けら
れている。
中間に位置する第2の搬送ローラ26は、加熱搬送路24
の領域で被記録材12を正確に案内するように配置されて
いる。
また、定着器20に設けられている排紙トレイ23は、定
着器20に固定されていても、あるいは着脱可能であって
もよい。
着脱可能な場合には、定着器20を装着部19に装着する
際に記録装置から取り外した排紙トレイを定着器20に取
り付けてもよい。
前記各搬送ローラ25、26、27は、定着器20を記録装置
の装着部19に取り外し可能に装着した状態で、伝動機構
(不図示)を介して、該記録装置の駆動源(紙送りモー
ター8等)により、回転駆動可能に接続されており、し
たがって、記録装置の制御手段によって制御可能になっ
ている。
なお、装着部19に対して定着器20を取り外し可能に装
着する機構としては、図示しない公知の機構が用いられ
る。
また、前記加熱搬送路24のヒーター等の発熱手段も、
記録装置の制御手段による通電制御によって作動するよ
うに接続されている。
上記記録装置には、前記定着器20が装着されたか否か
を検知するためのセンサー手段Pが装着部19に設けられ
ている。
この定着器センサー手段としては、検知出力が得られ
るものであれば、種々の型式のものを使用することがで
き、例えば、機械的、磁気的あるいは光学的に動作する
スイッチ類などを使用することができる。
また、以上の記録装置には、供給された被記録材12が
通常用紙であるかOHPシートであるかを判別する被記録
材判別手段が設けられている。
第3図この被記録材判別手段の構成を示す模式図であ
る。
第3図において、キャリッジ1には反射型センサー31
が装着されており、記録動作開始前にキャリッジ1が被
記録材12を判別できる位置へ移動し、前記反射型センサ
ー31で該被記録材からの反射光量を読み取る。
前記判別位置は黒っぽい色のプラテン16上の所定位置
に設定されている。
被記録材12が無い場合は、プラテン16が黒っぱい色で
あることから、反射型センサー31から発した光はほとん
ど吸収されてしまう。
被記録材12が通常用紙の場合は、該通常用紙が白であ
るので、反射型センサー31から発した光はほとんどが紙
面で反射し、該反射型センサーの受光部に入力される。
被記録材12がOHPシートである場合は、これらの中間
であり、ある範囲の光量が反射して前記受光部に入力さ
れることになる。
こうして、反射型センサー31により、被記録材12の種
類に応じた出力を得ることができる。
反射型センサー31からの出力は、A/D変換器32でデジ
タル信号に変換され、CPU33に入力される。
種々の条件で値自体は変化するが、反射型センサー31
からは、例えば、白い通常用紙の場合は5V、OHPシート
の場合は3V、被記録材が無い場合は1Vというような出力
が得られる。
さらに、上記記録装置には、被記録材12が通常用紙で
あるかOHPシートであるかによって、紙送り機構を切り
換えるための手段が設けられている。
第4図は、通常用紙とOHPシートでの紙送り機構の切
り換え手段を示す模式図である。
第4図において、被記録材12が通常用紙の場合は、
(A)に示すように、紙送りローラ15と引っ張りローラ
17の両方で被記録材12を紙送り駆動しながら記録する。
一方、被記録材12がOHPシートの場合は、インク吸収
性がわるいので、記録直後にローラ17で引っ張ると、吸
収されていないインクで該ローラを汚してしまう虞れが
ある。
このため、OHPシートの場合は、(B)に示すよう
に、引っ張りローラ17を構成する記録面側(インク付着
面側)のローラを公知の解除機構によって解除し、OHP
シートの強い腰を利用して紙送りを行なう。
以上の構成によって、本発明の記録装置、すなわち、
記録手段10により被記録材12に画像を記録する記録装置
において、被記録材12に記録された画像の定着を促進す
るための定着手段20を取り外し可能に装着するための装
着部19と、前記定着手段20が記録装置に装着されたこと
を検知するための検知手段Pと、前記被記録材12が通常
シートであるか否かを判別するための被記録材判別手段
31、32、33とを有し、該被記録材12が通常シートでない
場合であっても、前記定着手段20の装着の有無に係わら
ず記録を行なうことを特徴とする記録装置が提供され
る。
第6図は、以上説明した記録装置の紙送り機構の制御
動作のフローチャートである。
なお、このフローチャートでは、定着器20が装着され
ている場合の動作を示す。
第6図において、ステップS1で記録開始命令を受ける
と、ステップS2で定着器20が装着されているか否かをセ
ンサーPからの信号で判別し、次に、ステップS3で被記
録材12が通常用紙であるかOHPシートであるかをセンサ
ー31からの信号で判別する。
OHPシートである場合には、ステップS4へ進み、第4
図の(B)に示すように貼っ張りローラ17を解除した
後、ステップS5の記録動作に入る。
ステップS3で通常用紙であると判別した場合には、そ
のままステップS5へ進んで記録動作に入る。
第7図は、定着器20が装着部19に装着されていない状
態でOHPシートに記録する場合を含む制御動作のフロー
チャートである。
第7図において、ステップS11で記録開始命令を受け
ると、ステップS12で定着器20が装着されているか否か
をセンサーPからの信号で判別する。
定着器20が装着されている場合には、第6図の場合と
同様であり、ステップS13で被記録材12が通常用紙であ
るかOHPシートであるかをセンサー31からの信号で判別
し、OHPシートである場合には、ステップS14で第4図の
(B)に示すように引っ張りローラ17を解除した後、ス
テップS15の記録動作を行なう。
また、前記ステップS13で通常用紙である場合には、
そのままステップS15へ進んで記録動作に入る。
一方、ステップS12で定着器20が装着されていないと
判別された場合には、ステップS16へ進んで定着器無し
を表示し、ユーザーに対して注意を促す。
この定着器無しの表示は、例えば、記録装置が複写機
やファクシミリなどの場合には、操作部にその旨のメッ
セージを出す方法等で行なうことができる。
また、記録装置がプリンターである場合には、ホスト
にコマンドを伝えるか、該プリンターの操作部にその旨
を表示する方法で行なうことができる。
こうして、定着器無しの表示を行なった後、前述した
通り、ステップS13で被記録材12が通常用紙であるかOHP
シートであるかを判別し、OHPシートである場合には、
ステップS14で第4図の(B)のように引っ張りローラ1
7を解除した後、ステップS15の記録動作を行ない、前記
ステップS13で通常用紙であることを判別した場合に
は、そのままステップS15へ進んで記録動作を行なう。
以上説明した実施例によれば、ユーザーは、定着器20
の装着の有無に関わらずOHPシートでの記録を行なうこ
とができ、かつ、定着器を有する場合は、ユーザーが記
録後にインク等の乾きを待つ必要性を無くすことがで
き、したがって、それぞれの場合に有利に対処すること
ができ、取り扱い性に優れた記録装置を提供することが
できた。
なお、以上の実施例では、主に本発明をインクジェッ
ト記録装置に適用する場合について説明したが、本発明
は、定着を必要とする他の記録方式を用いた記録装置に
おいても同様に適用でき、同様の効果を達成し得るもの
である。
また、以上の実施例では、被記録材12に沿って移動す
るキャリッジ1上に記録ヘッド10を搭載し、紙幅方向に
主走査するシリアル型式の記録装置の場合を例に挙げて
説明したが、本発明は、紙幅方向の記録領域の全部また
は一部をカバーするライン記録ヘッドを使用するライン
型式の記録装置においても同様に適用でき、同様の効果
を達成し得るものがある。
さらに、以上の実施例では、1個の記録ヘッド10で記
録する記録装置の場合を説明したが、本発明は、異なる
色で記録する複数の記録ヘッドを備えたカラー記録装
置、あるいは色彩が同じで濃度が異なる複数の記録ヘッ
ドを使用する諧調記録用の記録装置など、記録ヘッドの
個数にも関係無く同様に適用でき、同様の作用効果を達
成し得るものである。
また、以上の実施例における記録ヘッド10としては、
記録部とインク溜め部を一体にしたカートリッジタイプ
の記録ヘッド、記録部(インク吐出部40など)とインク
溜め部(インクタンクなど)を別体とし、例えば、カプ
ラーおよびチューブを介して結合する構造の記録ヘッ
ド、あるいはインク溜め部をを有しない記録部のみから
成る構造の記録ヘッドなど、種々の構造の記録ヘッドを
使用することができる。
なお、本発明は、インクジェット記録装置に適用する
場合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用い
る記録ヘッドを使用するものに適用できるが、中でも、
キヤノン株式会社によって提唱されているバブルジェッ
ト方式のインクジェット記録装置において優れた効果を
もたらすものである。
かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達
成できるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうのが好ましい。
この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス
型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド
型の場合には、液体(インク)が保持されているシート
や液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録
情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与
える少なくとも一つの駆動信号を印加することによっ
て、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘ
ッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号
に一対一対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るの
で有効である。
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体
(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成す
る。
この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡
の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体
(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパル
ス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書、同第4345262号明細書に記載されているようなもの
が適している。
尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特
許第4313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、更に優れた記録を行なうことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリ
ットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開
昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収す
る開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59年
第138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効で
ある。
すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっ
ても、本発明によれば、記録を確実に効率よく行なうこ
とができるようになるからである。
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対
しても、本発明は有効に適用できる。
そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組
み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形
成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよ
い。
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装
置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装
着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体か
らのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプ
の記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にイン
クタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッド
を用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明に記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので好まし
いものである。
これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手
段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モードを行なうことも安定した記録を行
なうために有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば、単色のインクに対応して1個のみが設け
られたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して複数個数設けられるものであってもよい。
すなわち、例えば、記録装置の記録モードとしては、
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによる
か、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又は、混
色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも
本発明は極めて有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいは、インクジェット方式では、インク
自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってイ
ンクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するも
のが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが
液状をなすものであればよい。
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの
固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして
使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸発
防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるか
して、いずれにしても、熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化し、液状インクが吐出され
るものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能で
ある。
このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報
あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、
多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物とし
て保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよ
うな形態としてもよい。
本発明においては、上述した各インクに対して最も有
効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものであ
る。
さらに加えて、本発明によるインクジェット記録装置
の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像
出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合
わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、記
録手段により被記録材に画像を記録する記録装置におい
て、被記録材に記録された画像の定着を促進するための
定着手段を取り外し可能に装着するための定着部と、前
記定着手段が記録装置に装着されたことを検知するため
の検知手段と、前記被記録材が通常シートであるか否か
を判別するための被記録材判別手段とを有し、該被記録
材が通常シートでない場合であっても、前記定着手段の
装着の有無に係わらず記録を行なう構成としたので、定
着器の有無に関わらず通常シートでない被記録材への記
録を行なうことができ、かつ、定着器を有する場合は記
録画像の乾燥を待つ必要がなく、それぞれの場合に有利
に対処し得る記録装置が提供される
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による記録装置の一実施例を示す紙送り
方向に沿った断面図、第2図は第1図の記録装置の内部
構造を示す平面図、第3図は第1図の記録装置の被記録
材判別手段の構成を示す模式図、第4図は第1図の記録
装置の紙送り機構における通常用紙とOHPシートでの切
り換え手段を示す模式図、第5図は第1図中の記録ヘッ
ドの記録部の模式的構造を示す部分斜視図、第6図は第
1図の記録装置の紙送り機構の制御動作のフローチャー
ト、第7図は第1図の記録装置の定着器無しでOHPシー
トに記録する場合を含む制御動作のフローチャート、第
8図は電気熱変換体を使用するインクジェット記録ヘッ
ドのインク吐出の原理を示す模式図である。 以下に、図面中の主要な構成部分を表す符号を列挙す
る。 1……キャリッジ、4……キャリッジモーター、8……
紙送りモーター、10……記録ヘッド、12……被記録材、
15……紙送りローラ、16……プラテン、17……引っ張り
ローラ、19……装着部、20……定着器、24……加熱搬送
路、25、26、27……搬送ローラ、31……被記録材判別手
段(反射型センサー)、33……CPU、40……記録部(イ
ンク吐出部)、42……吐出口、45……電気熱変換体、P
……センサー手段(定着手段の装着の有無)。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録手段により被記録材に画像を記録する
    記録装置において、被記録材に記録された画像の定着を
    促進するための定着手段を取り外し可能に装着するため
    の装着部と、前記定着手段が記録装置に装着されたこと
    を検知するための検知手段と、前記被記録材が通常シー
    トであるか否かを判別するための被記録材判別手段とを
    有し、該被記録材が通常シートでない場合であっても、
    前記定着手段の装着の有無に係わらず記録を行なうこと
    を特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】前記被記録材判別手段がOHPシートである
    ことを検知した時、記録部より紙送り方向下流側の送り
    ローラを解除することを特徴とする請求項1に記載の記
    録装置。
  3. 【請求項3】前記記録手段が、熱エネルギーを利用して
    インクを吐出する記録ヘッドであって、熱エネルギーを
    発生するための電気熱変換体を備えているインクジェッ
    ト記録ヘッドであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】前記記録ヘッドが、前記電気熱変換体によ
    って印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による
    気泡の成長によって生じる状態変化を利用して、吐出口
    よりインクを吐出させることを特徴とする請求項3に記
    載の記録装置。
  5. 【請求項5】前記被記録材が通常シートでない場合と
    は、OHPシートであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の記録装置。
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