JP2001113124A - 排ガス処理装置及び処理方法 - Google Patents

排ガス処理装置及び処理方法

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JP2001113124A
JP2001113124A JP29351399A JP29351399A JP2001113124A JP 2001113124 A JP2001113124 A JP 2001113124A JP 29351399 A JP29351399 A JP 29351399A JP 29351399 A JP29351399 A JP 29351399A JP 2001113124 A JP2001113124 A JP 2001113124A
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JP
Japan
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exhaust gas
adsorbent
gas treatment
harmful substances
activated carbon
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JP29351399A
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English (en)
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Kimitoshi Ose
公利 小瀬
Megumi Shida
惠 志田
Tetsuya Sakuma
哲哉 佐久間
Mitsuhiro Horaguchi
光弘 洞口
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種焼却炉、熱分解炉、溶融炉等から排出さ
れる排排ガス中に含有されるダイオキシン類等のハロゲ
ン化芳香族化合物等の有害物質の環境ホルモンを無害化
するための排ガス処理装置及び処理方法を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 焼却炉等からの排ガス11A中のダスト
成分を除去する第1の吸着剤12を排ガス通過方法と略
直交する方向に移動自在なダスト除去層13と、該ダス
ト除去層13を通過した排ガス11A中の有害物質を吸
着する第2の吸着剤14を排ガス通過方法と略直交する
方向に移動自在な吸着層15と、第1の吸着剤に付着し
たダスト成分を系外で除去し、吸着剤を再利用する篩手
段18と、有害物質を吸着した第2の吸着剤14を25
0〜300℃で加熱し、該吸着剤から有害物質を脱離す
ると共に吸着剤を再生し、再利用する再生手段19と、
上記脱離した有害物質を触媒作用により分解する触媒装
置20とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミ焼
却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、
熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガスを浄化する技
術に関し、特に排ガス中に含有される窒素酸化物やダイ
オキシン類等のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度
芳香族炭化水素,環境ホルモンを無害化するための排ガ
ス処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【背景技術】例えば都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却
炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉から排出される排ガス中
には、窒素酸化物の他、ダイオキシン類やPCB類に代
表される有害なハロゲン化芳香族化合物、高縮合度芳香
族炭化水素、環境ホルモン等の有害物質が含有され、人
体や動植物に被害をもたらし、自然環境を破壊するもの
として、深刻な社会問題化している。
【0003】従来、排ガス中に含まれる上記有害物質の
除去のためには、触媒を用いて該有害物質を分解処理す
る方法や、有害物質を吸着剤で吸着し、別途廃棄処分す
る方法等が提案されている。
【0004】このうち、吸着剤(活性炭等)を用いて吸
着処理する方法においては、排ガス中の有害物質を吸着
剤で吸着した後、有害物質を吸着した活性炭を高温で燃
焼してダイオキシン類等の有害物質を分解処理する必要
があるが、この燃焼の際に活性炭も同時に燃焼され、吸
着剤を再利用することができないという、問題がある。
【0005】また、ダイオキシン類を吸着処理した活性
炭を再利用する場合においては、吸着塔内で排ガスの通
過方向と直交する方向に活性炭を移動させ、吸着能が低
下した活性炭を順次系外へ取り出し、取り出したダイオ
キシン類を吸着した活性炭の再生を行うことが提案され
ている(特開平4−277005号公報参照)。
【0006】しかしながら、上記提案技術では、活性炭
の再生は300〜450℃の高い温度で処理する必要が
あるので、装置が大がかりとなるという問題がある。ま
た、当該温度範囲においては、脱離したダイオキシン類
前駆体の再合成によりダイオキシン類が発生するという
問題もある。
【0007】本発明は、上記問題に鑑み、排ガス中のダ
イオキシン類等の有害物質の処理を高効率でしかもコン
パクトな構成で処理することができる排ガス処理装置及
び処理方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の[請求項1]の排ガス処理装置の発明は、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉等から排出される排ガス中の有害物質
を吸着除去する排ガス処理装置であって、排ガス中のダ
スト成分を除去する第1の吸着剤を排ガス通過方法と略
直交する方向に移動自在なダスト除去層と、該ダスト除
去層を通過した排ガス中の有害物質を吸着する第2の吸
着剤を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在な吸
着層と、第1の吸着剤に付着したダスト成分を系外で除
去し、吸着剤を再利用する篩手段と、有害物質を吸着し
た第2の吸着剤を250〜300℃で加熱し、該吸着剤
から有害物質を脱離すると共に吸着剤を再生し、再利用
する再生手段と、上記脱離した有害物質を触媒作用によ
り分解する触媒装置とを具備してなることを特徴とす
る。
【0009】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、上記第2の吸着剤の移動の際に発生する微粉を吸着
する第3の吸着剤を排ガス通過方法と略直交する方向に
移動自在な捕集層を具備してなることを特徴とする。
【0010】[請求項3]の発明は、請求項2におい
て、上記ダスト除去層、吸着層及び捕集層が同一の容器
に内装されてなり、排ガスが順次通過することを特徴と
する。
【0011】[請求項4]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記吸着層を2以上備えてなることを特徴とす
る。
【0012】[請求項5]の発明は、請求項1におい
て、上記第1の吸着剤と第2の吸着剤とが活性炭である
ことを特徴とする。
【0013】[請求項6]の発明は、請求項2におい
て、上記第1の吸着剤と第2の吸着剤と第3の吸着剤と
が活性炭であることを特徴とする。
【0014】[請求項7]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記第2の吸着剤が活性炭と活性炭以外の吸着
剤との混合物であることを特徴とする。
【0015】[請求項8]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記第2の吸着剤が活性炭と活性炭以外の吸着
剤との混合比率が90:10〜50:50であることを
特徴とする。
【0016】[請求項9]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記第2の吸着剤の加熱処理を250〜300
℃で行うことを特徴とする。
【0017】[請求項10]の排ガス処理方法の発明
は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出される排ガス
中の有害物質を吸着除去する排ガス処理方法であって、
排ガス中のダスト成分を除去した後、排ガス中の有害物
質を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在な吸着
剤で吸着させ、有害物質を吸着した吸着剤を系外で加熱
し、吸着剤から有害物質を脱離させると共に吸着剤を再
生させ、再利用し、上記脱離した有害物質を触媒作用に
より分解することを特徴とする。
【0018】[請求項11]の発明は、請求項10にお
いて、上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリ
ハロゲン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロ
ゲン化フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ば
れる少なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高
縮合度芳香族炭化水素,環境ホルモンであることを特徴
とする。
【0019】[請求項12]の発明は、請求項11にお
いて、上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−
ダイオキシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラ
ン類(PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキ
シン類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(P
BDFs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類
(PFDDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDF
s)、ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PI
DDs)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)
であることを特徴とする。
【0020】[請求項13]の排ガス処理システムの発
明は、排ガス中の有害物質を浄化する排ガス処理システ
ムであって、排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置と、請
求項1又は2の排ガス処理装置とからなることを特徴と
する。また、排ガス中の窒素酸化物を処理する脱硝装置
を設けるようにしてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】図1は上記触媒を用いた排ガス処理装置の
概略図であり、図2は上記処理装置を組み込んだ排ガス
浄化システムの概略図である。
【0023】先ず、図2に示すように、排ガス浄化シス
テム100は、都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却炉,汚
泥焼却炉等の各種焼却炉101から排出される排ガス1
1を冷却するガス冷却装置102と、排ガス11中の煤
塵を除去する除塵装置103と、ハロゲン化芳香族化合
物,高縮合度芳香族炭化水素,環境ホルモン等の有害物
質を含んだ排ガスを吸着処理する吸着剤を設けた排ガス
処理装置104と、浄化された排ガスを外部へ排出する
煙突105とから構成されている。この排ガス浄化シス
テムによれば、先ず除塵装置103で排ガス中の煤塵を
除き、その後除塵された排ガス11中の有害物質を吸着
剤の吸着作用により除くことができ、排ガスの浄化をす
ることができる。
【0024】本実施の形態にかかる上記排ガス処理装置
104の一例を図1に示す。図1に示すように、排ガス
11中の細かなダスト成分を除去する第1の吸着剤12
を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在なダスト
除去層13と、該ダスト除去層13を通過した排ガス1
1中の有害物質を吸着する第2の吸着剤14を排ガス通
過方法と略直交する方向に移動自在な吸着層15と、上
記第2の吸着剤の移動の際に発生する微粉を吸着する第
3の吸着剤16を排ガス通過方法と略直交する方向に移
動自在な捕集層17と、第1の吸着剤に付着したダスト
成分を系外で除去し、吸着剤を再利用する篩手段18
と、有害物質を吸着した第2の吸着剤14を250〜3
00℃で加熱し、該吸着剤から有害物質を脱離すると共
に吸着剤を再生し、再利用する再生手段19と、上記脱
離した有害物質を含んだ加熱再生排ガス20を触媒作用
により分解する触媒装置21とを具備してなるものであ
る。
【0025】上記装置によれば、排ガス11中のダスト
成分をダスト除去層13で除去した後、排ガス11中の
有害物質を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在
な第2の吸着剤14で吸着させ、該有害物質を吸着した
第2の吸着剤14を系外において加熱再生手段19で加
熱し、第2の吸着剤14から有害物質を脱離させると共
に吸着剤を再生させ、再利用すると共に、上記脱離した
有害物質をダイオキシン類分解触媒を充填した触媒装置
21の触媒作用により分解することができる。
【0026】ここで、上記ダスト除去層13は、上述し
た除塵装置103を通過してもなお存在する排ガス11
中の細かなダスト成分を除去し、後流側に設けた移動自
在な吸着層15の吸着剤14の劣化及び目詰まり等を防
止している。この除去層13内を移動する第1の吸着剤
はダスト成分を分離するために、系外において篩手段1
8により分離され、再利用がなされている。なお、篩手
段18により分離したダスト成分においてもダストに付
着又は包含されている有害物質を除去するために、別途
高温焼却等の公知の手段による有害物質処理がなされて
いる。
【0027】本実施の形態では、上記吸着層15は2段
設けており、排ガス中の有害物質を順次吸着して、吸着
効率の向上を図っている。また、3段以上の複数段とし
てさらに吸着効率を向上させるようにしてもよい。ま
た、複数段の吸着層15を設ける場合には、上流側より
も下流側にいくにつれて吸着剤の粒径を漸次細かくなる
ようにして目詰まりを防止するようにしてもよい。
【0028】また、本実施の形態では、上記第2の吸着
剤14の移動の際に発生する微粉を吸着する第3の吸着
剤16を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在な
捕集層17を設けており、第2の吸着剤14が移動した
り、該吸着剤を供給するに際して発生する細かな塵(例
えば活性炭の場合には炭塵)を捕集し、外部への排出を
防止するようにしている。また、上記第3の吸着剤16
は図1に示すように、第1の吸着剤12と混合して、篩
手段18により篩にかけられ、再利用している。
【0029】また、本実施の形態においては、上記ダス
ト除去層13、吸着層15及び捕集層17は同一の容器
22に内装されてなり、排ガスが順次通過するようにし
ているが、別々の容器としてそれらを管により連結する
ようにしてもよい。
【0030】本実施の形態では、上記第1の吸着剤1
2、第2の吸着剤14及び第3の吸着剤16は、活性炭
を用いている。該活性炭としては、コール炭,やしがら
炭,樹脂炭,木質炭,又はピート炭等を挙げることがで
きるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】また、上記活性炭以外には、ダイオキシン
類を吸着する多孔性吸着剤として、例えば火山灰,シリ
カゲル,シラス,クロモソルブ等のシリカ系物質,ゼオ
ライト,モルデナイト等の粘土鉱物,アパタイト,骨
炭,リン酸アンモニウムマグネシウム造粒物等のリン酸
化合物,サンゴ化石,炭酸カルシウム等の炭酸系化合
物,アルミナ,結晶性シリケート,シリカアルミナ等が
用いられ、特にシリカゲル,結晶性シリケート,リン酸
アンモニウムマグネシウム造粒物,サンゴ化石,ゼオラ
イト及び火山灰を用いるのが好適である。
【0032】また、再生利用する第2の吸着剤14に用
いる活性炭としては、活性炭と上記活性炭以外の吸着剤
とを混合するようにしてもよい。これは、活性炭単独の
場合において、後述するように、有害物質を脱離する工
程で高温とする場合、上記活性炭以外の吸着剤が熱を逃
がし、スポット的な蓄熱・昇温あるいは着火を防止する
ためである。
【0033】この配合比率は、上記第2の吸着剤14が
活性炭と活性炭以外の吸着剤との混合比率は90:10
〜50:50とするのがよい。これは、50:50以上
の割合とすると活性炭の配合量が減少し、活性炭による
吸着効果が低減するからである。
【0034】上記第2の吸着剤の加熱再生処理は、N2
ガスを導入しつつ行い、250〜300℃で行うように
している。これは、250℃未満での加熱は脱離効率が
好ましくなく、一方300℃を超える場合には、活性炭
の着火・火災が起きやすくなる上に加熱設備が大がかり
とな、コンパクトな設備とすることができなくなるから
である。
【0035】ここで、本発明の触媒で分解処理する排ガ
ス中の有害物質とは、ダイオキシン類やPXB(Xはハ
ロゲンを表す。)類に代表される有害なハロゲン化芳香
族化合物、高縮合度芳香族炭化水素等の有害物質をいう
が、本発明の酸化触媒作用により分解できる排ガス中の
有害物質(又は環境ホルモン)であればこれらに限定さ
れるものではない。
【0036】本発明で分解処理する芳香族ハロゲン系化
合物としては、ダイオキシン類やPCB類に代表される
有害な物質(例えば環境ホルモン)であればこれらに限
定されるものではない。ここで、前記ダイオキシン類と
は、ポリハロゲン化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(P
XDDs)及びポリハロゲン化ジベンゾフラン類(PX
DFs)の総称であり(Xはハロゲンを示す)、ハロゲ
ン系化合物とある種の有機ハロゲン化合物の燃焼時に微
量発生するといわれる。ハロゲンの数によって一ハロゲ
ン化物から八ハロゲン化物まであり、これらのうち、特
に四塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)
は、最も強い毒性を有するものとして知られている。な
お、有害なハロゲン化芳香族化合物としては、ダイオキ
シン類の他にその前駆体となる種々の有機ハロゲン化合
物(例えば、フェノール,ベンゼン等の芳香族化合物
(例えばハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール
及びハロゲン化トルエン等)、ハロゲン化アルキル化合
物等)が含まれており、除去する必要がある。すなわ
ち、ダイオキシン類とは塩素化ダイオキシン類のみなら
ず、臭素化ダイオキシン類等のハロゲン化ダイオキシン
類を表す。また、PXB類(ポリハロゲン化ビフェニル
類)はビフェニルにハロゲン原子が数個付加した化合物
の総称であり、ハロゲンの置換数、置換位置により異性
体があるが、PCB(ポリ塩化ビフェニル)の場合で
は、2,6−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビ
フェニル、2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表
的なものであり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオ
キシン類が発生するおそれがあるものとして知られてお
り、除去する必要がある。なお、PXB類には当然コプ
ラナーPXBも含まれるのはいうまでもない。
【0037】また、高縮合度芳香族炭化水素は多核芳香
族化合物の総称であり、単数又は複数のOH基を含んで
もよく、発癌性物質として認められており、排ガス中か
ら除去する必要がある。
【0038】また、多くの製造工程においては、煤塵に
加えて、例えばホルムアルデヒド,ベンゼン又はフェノ
ールのような気体状有機化合物を含む排ガスが発生する
こともある。これらの有機化合物もまた、環境汚染物質
であり、人間の健康を著しく損ねるので、排ガスから除
去する必要がある。
【0039】また、本発明で処理される窒素酸化物と
は、通常NO及びNO2 の他、これらの混合物をいい、
NOxとも称されている。しかし、該NOxにはこれら
以外に各種酸化数の、しかも不安定な窒素酸化物も含ま
れている場合が多い。従ってxは特に限定されるもので
はないが通常1〜2の値である。雨水等で硝酸、亜硝酸
等になり、またはNOは光化学スモッグの主因物質の一
つであるといわれており、人体には有害な化合物であ
る。
【0040】本発明により、先ず吸着剤で有害物質を吸
着し、その後加熱再生手段19で有害物質を分離し、そ
の後触媒装置21の触媒作用により、上述した有害物質
であるハロゲン化芳香族化合物,高縮合度芳香族炭化水
素等の有害物質や気体状有機化合物を接触的に分解して
無害化処理することができる。このように本発明によれ
ば、排ガス中の有害物質を直接分解せずに、先ず吸着剤
で吸着し、排ガス成分を浄化すると共に、吸着した有害
物質を別途脱離させて加熱再生排ガス20中に含まれる
有害物質を分解除去するので、排ガス中に存在する重金
属等のような影響を受けることなく、触媒性能を効率的
に発揮することができる。すなわち、除塵装置からの排
ガスには細かなダスト成分に重金属が付着しており、こ
の重金属と塩素及びダイオキシン類の前駆体とが相乗的
に反応し、ダイオキシン類の再合成がなされるが、本発
明のように、先ず有害物質を吸着し、その後、別途有害
物質を脱離して触媒装置によりダイオキシン類等の有害
物質のみを分解することができるので、分解効率が向上
することになる。ここで、ダイオキシン類分解触媒とし
ては、公知のダイオキシン類分解触媒を用いればよい。
【0041】ここで、ダイオキシン類分解触媒として
は、例えばチタン(Ti),シリコン(Si),アルミ
ニウム(Al),Zr(ジルコニウム),P(リン),
B(ボロン)から選ばれる少なくとも一種からなる担体
又はこれらの二種以上の元素を含む複合酸化物からなる
担体に、例えばバナジウム(V),タングステン
(W),モリブデン(Mo),ニオブ(Nb)又はタン
タル(Ta)の酸化物のうち少なくとも一種類の酸化物
からなる活性成分を担持してなるもの等の触媒や公知の
ダイオキシン類分解触媒を用いることができ、特に限定
されるものではない。
【0042】上記ダイオキシン類分解触媒の触媒作用に
より、上記有害物質の内排ガス中のハロゲン化芳香族化
合物,ハロゲン化芳香族化合物の前駆体,PXB等のハ
ロゲン化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素、環境
ホルモンを分解処理することができる。
【0043】また、ダイオキシン類分解触媒として例え
ばピリジン吸着酸量を0.30mmol/g以上とした酸
化触媒の酸化分解によりより効果的に無害化処理をなす
ことができる。
【0044】図3に上記吸着剤を用いた排ガス処理シス
テムの概略の他の一例を示すが、本発明の排ガス処理装
置を用いた処理システムはこれに何ら限定されるもので
はない。
【0045】図3に示すように、他の処理システムとし
ては、図2に示すシステムにおいて、排ガス処理装置1
03の後流側に、別途脱硝装置106を設け、排ガス処
理装置104でダイオキシン類等の有害物質を吸着除去
した後に、窒素酸化物等を分解除去するようにしてい
る。
【0046】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の[請求項
1]の発明によれば、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から
排出される排ガス中の有害物質を吸着除去する排ガス処
理装置であって、排ガス中のダスト成分を除去する第1
の吸着剤を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在
なダスト除去層と、該ダスト除去層を通過した排ガス中
の有害物質を吸着する第2の吸着剤を排ガス通過方法と
略直交する方向に移動自在な吸着層と、第1の吸着剤に
付着したダスト成分を系外で除去し、吸着剤を再利用す
る篩手段と、有害物質を吸着した第2の吸着剤を250
〜300℃で加熱し、該吸着剤から有害物質を脱離する
と共に吸着剤を再生し、再利用する再生手段と、上記脱
離した有害物質を触媒作用により分解する触媒装置とを
具備してなるので、吸着剤により吸着した有害物質を別
途触媒作用により分解処理することができる。また、ダ
スト除去層の第1の吸着剤は篩手段により再利用するこ
とができる。
【0047】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、上記第2の吸着剤の移動の際に発生する微粉を吸着
する第3の吸着剤を排ガス通過方法と略直交する方向に
移動自在な捕集層を具備してなるので、第2の吸着剤の
細かな塵を捕集することでさらに浄化された排ガスとな
る。
【0048】[請求項3]の発明は、請求項2におい
て、上記ダスト除去層、吸着層及び捕集層が同一の容器
に内装されてなり、排ガスが順次通過するので、装置の
コンパクト化を図ることができる。
【0049】[請求項4]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記吸着層を2以上備えてなるので、吸着効率
が向上する。
【0050】[請求項5]の発明は、請求項1におい
て、上記第1の吸着剤と第2の吸着剤とが活性炭である
ので、排ガス中の有害物質の吸着効率が向上する。
【0051】[請求項6]の発明は、請求項2におい
て、上記第1の吸着剤と第2の吸着剤と第3の吸着剤と
が活性炭であるので、排ガス中の有害物質の吸着効率が
向上する。
【0052】[請求項7]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記第2の吸着剤が活性炭と活性炭以外の吸着
剤との混合物であるので、上記活性炭以外の吸着剤が熱
を逃がし、スポット的な着火等を防止することができ
る。
【0053】[請求項8]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記第2の吸着剤が活性炭と活性炭以外の吸着
剤との混合比率が90:10〜50:50であるので、
上記活性炭以外の吸着剤が熱を逃がし、スポット的な着
火等を防止することができる。
【0054】[請求項9]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記第2の吸着剤の加熱処理を250〜300
℃で行うので、有害物質の脱離が効率的に行われる。
【0055】[請求項10]の排ガス処理方法の発明
は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出される排ガス
中の有害物質を吸着除去する排ガス処理方法であって、
排ガス中のダスト成分を除去した後、排ガス中の有害物
質を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在な吸着
剤で吸着させ、有害物質を吸着した吸着剤を系外で加熱
し、吸着剤から有害物質を脱離させると共に吸着剤を再
生させ、再利用し、上記脱離した有害物質を触媒作用に
より分解するので、吸着剤により吸着した有害物質を別
途触媒作用により分解処理することができる。
【0056】[請求項11]の排ガス処理システムの発
明は、排ガス中の有害物質を浄化する排ガス処理システ
ムであって、排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置と、請
求項1又は2の排ガス処理装置とからなるので、先ず除
塵装置で排ガス中の煤塵を除き、排ガス中の有害物質を
吸着剤の吸着作用により除くことができ、排ガスの浄化
をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる排ガス処理装置の概略図
である。
【図2】排ガス処理システムの一例を示す概略図であ
る。
【図3】他の排ガス処理システムの一例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
11 排ガス 12 第1の吸着剤 13 ダスト除去層 14 第2の吸着剤 15 吸着層 16 第3の吸着剤 17 捕集層 18 篩手段 19 再生手段 20 加熱再生排ガス 21 触媒装置 22 容器 100 排ガス浄化システム 101 焼却炉 102 ガス冷却装置 103 除塵装置 104 排ガス処理装置 105 煙突 106 脱硝装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 哲哉 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 洞口 光弘 東京都港区芝5丁目34番6号 三菱重工環 境エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA12 AA21 AC02 AC04 BA04 BA12 BA14 CA07 CA08 CA13 DA41 DA45 DA46 DA47 EA02 EA08 GA01 GB03 GB08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガス中の有害物質を吸着除去する排ガス処理装置
    であって、 排ガス中のダスト成分を除去する第1の吸着剤を排ガス
    通過方法と略直交する方向に移動自在なダスト除去層
    と、 該ダスト除去層を通過した排ガス中の有害物質を吸着す
    る第2の吸着剤を排ガス通過方法と略直交する方向に移
    動自在な吸着層と、 第1の吸着剤に付着したダスト成分を系外で除去し、吸
    着剤を再利用する篩手段と、 有害物質を吸着した第2の吸着剤を250〜300℃で
    加熱し、該吸着剤から有害物質を脱離すると共に吸着剤
    を再生し、再利用する再生手段と、 上記脱離した有害物質を触媒作用により分解する触媒装
    置とを具備してなることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記第2の吸着剤の移動の際に発生する微粉を吸着する
    第3の吸着剤を排ガス通過方法と略直交する方向に移動
    自在な捕集層を具備してなることを特徴とする排ガス処
    理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記ダスト除去層、吸着層及び捕集層が同一の容器に内
    装されてなり、排ガスが順次通過することを特徴とする
    排ガス処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、 上記吸着層を2以上備えてなることを特徴とする排ガス
    処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記第1の吸着剤と第2の吸着剤とが活性炭であること
    を特徴とする排ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項2において、 上記第1の吸着剤と第2の吸着剤と第3の吸着剤とが活
    性炭であることを特徴とする排ガス処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2において、 上記第2の吸着剤が活性炭と活性炭以外の吸着剤との混
    合物であることを特徴とする排ガス処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2において、 上記第2の吸着剤が活性炭と活性炭以外の吸着剤との混
    合比率が90:10〜50:50であることを特徴とす
    る排ガス処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1又は2において、 上記第2の吸着剤の加熱処理を250〜300℃で行う
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  10. 【請求項10】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出
    される排ガス中の有害物質を吸着除去する排ガス処理方
    法であって、 排ガス中のダスト成分を除去した後、排ガス中の有害物
    質を排ガス通過方法と略直交する方向に移動自在な吸着
    剤で吸着させ、有害物質を吸着した吸着剤を系外で加熱
    し、吸着剤から有害物質を脱離させると共に吸着剤を再
    生させ、再利用し、上記脱離した有害物質を触媒作用に
    より分解することを特徴とする排ガス処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリハロゲ
    ン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化
    フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少
    なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度
    芳香族炭化水素,環境ホルモンであることを特徴とする
    排ガス処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオ
    キシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン類
    (PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキシン
    類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(PBD
    Fs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PF
    DDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDFs)、
    ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PIDD
    s)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)であ
    ることを特徴とする排ガス処理方法。
  13. 【請求項13】 排ガス中の有害物質を浄化する排ガス
    処理システムであって、 排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置と、請求項1又は2
    の排ガス処理装置とからなることを特徴とする排ガス処
    理システム。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 排ガス中の窒素酸化物を処理する脱硝装置を設けたこと
    を特徴とする排ガス処理システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001316106A (ja) * 2000-05-02 2001-11-13 Japan Organo Co Ltd 粒状活性炭再生方法
JP2018183780A (ja) * 2011-09-29 2018-11-22 ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニーJohnson Matthey Public Limited Company 精製方法

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