JP2001111239A - 高密度多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

高密度多層プリント配線板の製造方法

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JP2001111239A
JP2001111239A JP29043399A JP29043399A JP2001111239A JP 2001111239 A JP2001111239 A JP 2001111239A JP 29043399 A JP29043399 A JP 29043399A JP 29043399 A JP29043399 A JP 29043399A JP 2001111239 A JP2001111239 A JP 2001111239A
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copper foil
copper
hole
laser
holes
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JP29043399A
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English (en)
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Morio Take
杜夫 岳
Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Sadahiro Kato
禎啓 加藤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 孔径25〜200μmを有するプリント
配線板において、各銅箔層を全てスルーホール導体で接
続してプリント配線板を製造する。 【解決手段】 孔径が25〜180μmのレーザーで形
成された貫通孔を有する、少なくとも3層以上の多層銅
張板の貫通孔に導体を形成し、該導体により各銅箔層を
すべて接続する高密度多層プリント配線板の製造方法。 【効果】 簡単に高密度のプリント配線板が
作成でき、得られたプリント配線板はスルーホールの接
続信頼性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザーを用いて
形成された孔径が25μm以上180μm以下の孔が形成
された、少なくとも3層以上の銅箔層を有する多層プリ
ント配線板において、各銅箔層の接続をすべて貫通孔に
形成された導体で行って得られる多層銅張板を使用した
高密度多層プリント配線板の製造方法に関する。貫通孔
あけは、好適には孔径25μm以上80μm未満ではエキ
シマレーザー、YAGレーザー、孔径80μm以上180μm以
下では炭酸ガスレーザー、特に高出力の炭酸ガスレーザ
ーを直接照射して孔あけを行う。更には200μm以上の孔
径の貫通孔を形成する場合には、メカニカルドリルを用
いて、外層及び内層銅箔を孔あけ加工して貫通孔をあけ
る。ついで、好適には孔内部及び表裏層に残存する銅箔
バリをエッチング除去すると同時に銅箔の一部をも除去
した後、全体を銅メッキして作成される銅張多層板を用
いてプリント配線板を製造する方法に関する。得られた
多層プリント配線板は、小径の孔を有する、高密度の小
型プリント配線板として、新規な半導体プラスチックパ
ッケージ用等に主に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体プラスチックパッケージ等
に用いられる高密度のプリント配線板は、スルーホール
用の貫通孔を全てドリルであけていた。近年、ますます
ドリルの径は小径となり、孔径が180μm以下となってき
ており、このような小径の孔をあける場合、ドリル径が
細いため、孔あけ時にドリルが曲がる、折れる、加工速
度が遅い等の欠点があり、生産性、信頼性等に問題のあ
るものであった。また、表裏の銅箔にあらかじめネガフ
ィルムを使用して所定の方法で同じ大きさの孔をあけて
おき、更には内層の銅箔にも同様の孔を予めエッチング
で形成したものを配置しておき、炭酸ガスレーザーで表
裏を貫通する孔を形成しようとすると、内層銅箔の位置
ズレ、上下の孔の位置のズレを生じ、接続不良、及び表
裏のランドが形成できない等の欠点があった。更に、高
密度のプリント配線板とする場合、一般に知られている
方式は、フォトビア方式、レーザービア方式等であり、
これらは各層をブラインドビア孔で接続して積み上げて
いくビルドアップ方式である。この方式は1段ずつ上下
の層を積み上げていくため、工程が煩雑であり、作業性
が悪く、価格も高いものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、少なくとも3層以上の銅箔層を有する両
面銅張多層板に小径の貫通孔だけをレーザーで形成し、
内層銅箔、表裏銅箔を貫通孔で形成した導体だけで接続
し高密度のプリント配線板の製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、孔径が
25μm以上180μm以下のレーザーで形成された貫通孔を
有する、少なくとも3層以上の多層銅張板の貫通孔に導
体を形成し、該導体により各銅箔層をすべて接続するこ
とを特徴とする高密度多層プリント配線板の製造方法が
提供される。本発明の製造方法によれば、簡単に高密度
のプリント配線板が形成できる。プリント配線板はワイ
ヤボンディング搭載も可能であるが、特にフリップチッ
プの搭載に適したプリント配線板を製造できる。まず、
3層以上の銅箔層を有する多層の銅張積層板を作成し、
この所定の位置に、好適には、孔径25μm以上80μm
未満の孔はエキシマレーザー、YAGレーザーを用いて直
接銅箔上に照射して孔あけを行い、孔径80μm以上180
μm以下の孔は、融点900℃以上で、且つ結合エネルギー
が300kJ/mol以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は金
属粉の1種或いは2種以上を3〜97容積%を含む有機物
の補助材料を、好適には30〜100μm塗布して塗膜とす
るか、或いはこの樹脂を熱可塑性フィルムに付着させ
て、好適には、総厚み30〜200μmの厚みとしたものを銅
箔表面上に樹脂が銅箔側を向くようにして配置し、好適
にはラミネートして接着した後、あるいは銅箔表面に酸
化金属処理層又は薬液による処理層を設ける。次に炭酸
ガスレーザーの出力としては、好ましくは20〜60mJ/パ
ルスから選ばれたエネルギーの炭酸ガスレーザーを補助
材料等を配置した上から直接照射して貫通孔を形成す
る。この後、貫通孔及び全体に銅メッキを施し、定法に
よってプリント配線板とする。孔あけ後、銅箔の表面は
機械的研磨でバリをとることもできるが、内層の銅箔の
バリをも除去するため、薬液によるエッチングを行うの
が好ましい。孔あけ後に、補助材料を除去し、好適には
プラズマ処理を事前に行い、その後、内外層の銅箔バリ
をエッチング除去すると同時に、表裏層の銅箔を厚さ方
向に一部溶解除去して、好ましくは厚さ2〜7μm、さら
に好ましくは厚さ3〜5μmとする。
【0005】最初に表層に薄い銅箔を用いた場合、孔あ
け後、そのまま樹脂塗膜或いはシートを残し、薬液を高
速で吹き付けるか、吸引して、表層及び内層の銅箔バリ
を溶解除去する。その後、表裏の補助材料を、その樹脂
が可溶な溶液で溶解除去し、銅メッキでメッキアップし
て得られる両面銅張多層板を用い、表裏に回路形成を行
い、定法にてプリント配線板とする。表裏の回路を細密
にするためには、表裏層の銅箔を3〜7μmとすることが
好ましく、この場合にはショートやパターン切れ等の不
良の発生もなく、高密度のプリント配線板を作成するこ
とができる。また、内層銅箔接続の優れた孔が得られ
る。更には、加工速度はドリルであける場合に比べて格
段に速く、生産性も良好で、経済性にも優れているもの
が得られた。孔径180μm超える貫通孔が必要な場合
には、好適にはメカニカルドリルであける。もちろん孔
径25μm以上180μm以下の全ての貫通孔を、エキ
シマレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーで孔あ
け加工可能であるが、加工速度の格段に速い炭酸ガスレ
ーザーを有効に使用する設計とするのが好ましく、それ
ぞれの孔径により加工機械を選択する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、少なくとも3層以上の
銅箔層を有する銅張多層板に貫通孔、特に小径の貫通孔
をあけて作成された多層プリント配線板は、主に半導体
チップの搭載用として使用される。本発明で使用する多
層板は、各銅箔層に回路を形成し、必要により銅箔表面
処理を行い、一体積層成形して、少なくとも3層以上の
銅箔層を有する多層板である。この多層板の所定位置
に、所定の径の貫通孔だけをあけて各層の導通を取り、
プリント配線板とする。孔径25μm以上80μm未満の
孔の場合、エキシマレ−ザー、YAGレーザーを使用す
る。また孔径80μm以上180μm以下の孔場合、以下に示
す方式の炭酸ガスレーザーでの貫通孔あけを行う。更に
孔径180μm超えの貫通孔が必要な場合、好ましくは
メカニカルドリルで貫通孔あけを行う。しかしながら、
孔壁間200μm以下の高密度とし、孔の信頼性を確保
するためには、レーザーを使用するのが好適である。
【0007】多層板の炭酸ガスレーザーによる貫通孔あ
けにおいては、レーザーを照射する多層板の表面に、融
点900℃以上で、且つ結合エネルギー300kJ/mol以上の金
属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉の一種又は二種以
上と樹脂組成物とを混合した塗料を、塗布して塗膜とす
るか、熱可塑性フィルムの片面に、総厚み30〜200μmと
なるように樹脂組成物を付着させて得られる孔あけ用補
助シートを配置し、好適には銅箔面にラミネートして接
着し、或いは銅箔表面に酸化金属処理層又は薬液処理層
を設け、その上から炭酸ガスレーザーを直接銅箔表面に
照射し、銅箔に孔あけすると共に、貫通孔を形成する。
【0008】貫通孔あけ後、表裏及び内層の銅箔にはバ
リが発生する。銅箔が厚い場合、補助材料を剥離除去
し、孔周辺に発生する銅箔バリを除去すると同時に表裏
の銅箔を厚さ方向に一部溶解除去し、好ましくは2〜7
μmとする。表裏の銅箔の厚みが最初から薄い場合に
は、補助材料を表裏付着したまま高圧でエッチング液を
吹き付けるか吸引して、内外層の銅箔のバリを溶解除去
する。その後、表裏の補助材料を溶解除去する。その
後、定法にて全体を銅メッキし、回路形成等を行なって
プリント配線板を作成する。
【0009】本発明で使用する多層銅張板は、少なくと
も3層以上の銅箔層が存在する多層板であり、基材補強
されたもの、フィルム基材のもの、補強基材の無い樹脂
単独のもの等が使用可能である。しかしながら、寸法収
縮等の点からガラス布基材銅張多層板が好ましい。又、
高密度の回路を作成する場合、表層の銅箔は、2〜7μm
のものを最初から使用するか、9〜18μmの厚い銅箔を積
層成形しておいて、その後表層の銅箔をエッチング液で
2〜7μmとしたものを使用する。最初から薄い銅箔を使
用する場合、銅、アルミニウム等のキャリア付きが主に
使用される。
【0010】本発明の炭酸ガスレーザー孔あけ用補助材
料は、孔あけ時に銅張多層板の上に接着させて使用す
る。一般には、補助材料溶液を銅箔表面に塗布、乾燥し
て塗膜とするか、熱可塑性フィルムにワニスを塗布して
乾燥し、シート状として使用する。銅張多層板の上にシ
ートを、樹脂付着した面を銅箔側に向け、加熱、加圧下
にラミネートするか、或いは樹脂表層面3μm以下を水分
で事前に湿らした後、室温にて加圧下に表裏にラミネー
トすることにより、銅箔表面との密着性が良好となり、
孔形状の良好なものが得られる。補助材料の樹脂組成物
としては、好適には水溶性の樹脂組成物を使用する。孔
あけ後に、銅箔の厚さが厚い場合は補助材料を除去し、
その後両側からエッチング液で貫通孔周辺に発生した銅
箔バリを溶解除去するとともに、表裏の銅箔表面の一部
を溶解除去して、好適には厚さ2〜7μmとする。また表
裏の銅箔厚さが薄い場合、補助材料の樹脂はエッチング
液に溶解しないものを使用する。貫通孔あけ後、補助材
料の樹脂組成物を表裏銅箔表面に残し、樹脂が溶解しな
いエッチング溶液を高圧にて吹き付けるか、吸引して表
裏及び内層銅箔のバリをエッチング除去する。その後、
補助材料樹脂が溶解する有機溶剤で表裏の樹脂層を溶解
除去後、全体に銅メッキを施し、回路を形成してプリン
ト配線板を作成する。また、貫通孔あけ前に銅箔表面に
酸化金属処理層又は薬液処理層を設け、同様に炭酸ガス
レーザーで孔あけ、エッチングによる銅箔バリ除去、銅
箔の一部を溶解除去することも可能である。
【0011】銅張板の基材としては、一般に公知の、有
機、無機の織布、不織布が使用できる。具体的には、無
機の繊維としては、E、S、D、Mガラス等の繊維等が
挙げられる。又、有機繊維としては、全芳香族ポリアミ
ド、液晶ポリエステル、ポリベンザゾールの繊維等が挙
げられる。これらは、混抄でも良い。好適には、ガラス
繊維布が使用される。さらにフィルムも使用可能であ
る。
【0012】本発明で使用される銅張多層板の熱硬化性
樹脂組成物の樹脂としては、一般に公知の熱硬化性樹脂
が使用される。具体的には、エポキシ樹脂、多官能性シ
アン酸エステル樹脂、 多官能性マレイミドーシアン酸
エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有
ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられ、1種或いは2
種類以上が組み合わせて使用される。出力の高い炭酸ガ
スレーザー照射による加工でのスルーホール形状の点か
らは、ガラス転移温度が150℃以上の熱硬化性樹脂組成
物が好ましく、耐湿性、耐マイグレーション性、吸湿後
の電気的特性等の点から多官能性シアン酸エステル樹脂
組成物が好適である。また、孔形状を良くするために
は、一般に公知の無機フィラーを添加し、更には黒色の
染料、顔料を添加するのが好ましい。
【0013】本発明の好適な熱硬化性樹脂分である多官
能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上の
シアナト基を有する化合物である。具体的に例示する
と、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシア
ナトベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-
ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレ
ン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフ
ェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロ
パン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シ
アナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイ
ト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、および
ノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られる
シアネート類などである。
【0014】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エ
ステル化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シ
アン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形
成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプ
レポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の
多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ル
イス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級ア
ミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒とし
て重合させることにより得られる。このプレポリマー中
には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーと
プレポリマーとの混合物の形態をしており、このような
原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶
な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0015】エポキシ樹脂としては、一般に公知のもの
が使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂;ブタ
ジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシク
ロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポリ
エポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン樹
脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポリ
グリシジル化合物類等が挙げられる。これらは1種或い
は2種類以上が組み合わせて使用され得る。
【0016】ポリイミド樹脂としては、一般に公知のも
のが使用され得る。具体的には、多官能性マレイミド類
とポリアミン類との反応物、特公昭57-005406 に記載の
末端三重結合のポリイミド類が挙げられる。これらの熱
硬化性樹脂は、単独でも使用されるが、特性のバランス
を考え、適宜組み合わせて使用するのが良い。
【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の有機、無機の充填剤、
染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリン
グ剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ
性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わ
せて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は
硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体
は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済
性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱
硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量
部に対して0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部
である。
【0019】本発明で使用する補助材料の中の、融点90
0℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol 以上の金
属化合物としては、一般に公知のものが使用できる。具
体的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア
類、酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等の鉄
酸化物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化マン
ガン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化アル
ミニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバルト酸
化物、酸化錫等のスズ酸化物、酸化タングステン等のタ
ングステン酸化物、等が挙げられる。非酸化物として
は、炭化珪素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化珪
素、窒化チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希
土類酸硫化物等、一般に公知のものが挙げられる。その
他、カーボンも使用できる。更に、その酸化金属粉の混
合物である各種ガラス類が挙げられる。又、カーボン粉
が挙げられ、更に銀、アルミニウム、ビスマス、コバル
ト、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニ
ッケル、パラジウム、アンチモン、ケイ素、錫、チタ
ン、バナジウム、タングステン、亜鉛等の単体、或いは
それらの合金の金属粉が使用される。これらは一種或い
は二種以上が組み合わせて使用される。平均粒子径は、
特に限定しないが、1μm以下が好ましい。
【0020】炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離する
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着し
て、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさない
ようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特
に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分
を含むものは好適でない。配合量は、樹脂組成物中3〜9
7容積%、好適には5〜95容積%が使用され、樹脂に配合
され、均一に分散される。
【0021】補助材料に使用する樹脂としては、特に限
定はないが、表裏の銅箔の厚さが厚い場合、好適には水
溶性樹脂が使用される。具体的には、水溶性ポリエステ
ル樹脂、アクリレート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、澱粉等が使用される。この場合も
種々の添加剤が添加可能であり、エッチング中に溶解或
いは剥離脱落しないように選択して配合する。銅張板の
表裏の銅箔の厚さが薄い場合、樹脂はエッチング液に溶
解しないものを選択する。銅張多層板に接着後、紫外線
等で硬化させてエッチング液に溶解しないようにするこ
とも可能である。
【0022】金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉と
樹脂からなる組成物を作成する方法、及びシート状にす
る方法は特に限定しない。ニーダー等で無溶剤にて高温
で練り、熱可塑性フィルム上にシート状に押し出して付
着する方法、樹脂を溶剤に溶解させ、これに上記粉体を
加え、均一に攪拌混合して、塗料として銅箔面に塗布、
乾燥して塗膜とする方法、熱可塑性フィルム上に塗布、
乾燥して膜を形成する方法等、一般に公知の方法が使用
できる。厚みは、特に限定はしないが、塗布する場合、
塗膜の厚みは好適には30〜100μmとし、フィルムに塗布
してフィルム付き塗膜とする場合には、好適にはフィル
ムを含めた総厚み30〜200μmとなるようにする。
【0023】銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする場
合、塗布樹脂層を銅箔面に向け、ロールにて、温度は一
般に40〜150℃、好ましくは60〜120℃で、線圧は一般に
0.5〜20kg、好ましくは1〜10kgの圧力でラミネート
し、樹脂層を溶融させて銅箔面と密着させる。温度の選
択は使用する水溶性樹脂の融点で異なり、又、線圧、ラ
ミネート速度によっても異なるが、一般には、樹脂の融
点より5〜20℃高い温度でラミネートする。酸化金属処
理としては、一般に公知のものが使用可能である。例え
ば、黒色酸化銅処理、MM処理(MacDermid社)などが使
用される。また、薬液による処理、例えばメック(株)
のCZ処理等も使用可能である。基材補強銅張多層板は、
まず上記補強基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥さ
せてBステージとし、プリプレグを作成する。次に、こ
のプリプレグを所定枚数重ね、少なくとも片面に銅箔を
配置して、加熱、加圧下に積層成形し、3層以上の銅箔
層を有する銅張多層板とする。外層の銅箔の厚みは、好
適には3〜12μm、内層は9〜18μmである。銅箔の種類は
特に限定しないが、電解銅箔が接着力等の点からも好ま
しい。多層板は、好ましくは基材補強した銅張積層板に
回路を形成し、銅箔表面処理後、両面に、Bステージの
基材補強プリプレグ、或いは基材補強していない樹脂シ
ート、樹脂付き銅箔、塗料塗布による樹脂層等を配置
し、必要により、その外側に銅箔を置き、加熱、加圧、
好ましくは真空下に積層成形して銅張多層板とする。
【0024】銅張多層板の、炭酸ガスレーザーを照射す
る面の、少なくとも孔形成位置の銅箔表面に、融点900
℃以上で、且つ結合エネルギー300kJ/mol の金属化合物
粉3〜97容積%、好ましくは5〜95容積%含む酸性樹脂組
成物を、そのまま塗布して、好適には30〜100μmの塗膜
とするか、熱可塑性フィルム上に、総厚み30〜200μmと
なるように付着させ、これを何も処理していない銅箔面
に、加熱、加圧下にラミネートして貼り付けて密着させ
る。この上から、目的とする径まで絞った、好適には20
〜60mJ/パルスから選ばれた高出力のエネルギーの炭酸
ガスレーザー光を直接照射することにより、銅箔を加工
して孔あけを行う。もちろん、最初に40mJ/パルスで照
射して銅箔に孔をあけた後、樹脂層を、より低エネルギ
ーの15mJ/パルスで照射して孔を形成することも可能で
あり、エネルギーは限定するものではない。使用する樹
脂、基材などにより適宜選択する。
【0025】本発明の孔部に発生した銅のバリをエッチ
ング除去する方法としては、特に限定しないが、例え
ば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-2
5090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25
995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263
488号公報で開示された、薬品で金属表面を溶解除去す
る方法(SUEP法と呼ぶ)による。エッチング速度
は、一般には0.02〜1.0μm/秒 で行う。また、内層の銅
箔バリをエッチング除去する場合、エッチング液の吹き
付け角度、圧力を適宜選択する。
【0026】加工された孔部の表層裏側及び内層銅箔両
面に1μm程度の樹脂が残存しており、この残存樹脂層を
薬液エッチング前に除去すると、エッチングによる銅箔
バリの除去が容易となり、且つ銅メッキと内外層銅箔と
の接続信頼性を向上させるのに好ましい。樹脂層を除去
するには、デスミア処理等の一般に公知の処理が可能で
あるが、孔壁が浸食されてメッキしみ込みが大きくなる
ことが多く、好ましくは気相、特にプラズマ処理で前処
理して残存樹脂を除去し、その後、上記SUEP等の薬液エ
ッチングを行うことにより、銅箔バリはほぼ完全に除去
される。気相処理は特に限定しないが、好適にはプラズ
マ処理を使用する。プラズマは、高周波電源により分子
を部分的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。
これには、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカ
ル種による穏やかな処理がある。処理ガスとしては、反
応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガスとして
は、主に酸素が使用され、化学的に表面処理を行う。物
理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面をクリーニ
ングする。
【0027】炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある
9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。出力 は特に
限定しないが、好適には20〜60mJ/パルス にてパルス発
振で、必要パルス(ショット)照射して銅箔及び絶縁層
に孔をあける。貫通孔をあける場合、最初から最後まで
20〜60mJ/パルス から選ばれるエネルギーを照射する方
法、銅箔に孔をあけた後、エネルギーを下げて絶縁層に
孔をあける方法等、いずれの方法でもよい。銅張多層板
の裏面には、孔が貫通した場合のレーザーによるレーザ
ーマシーンのテーブルの損傷を防ぐために、単に金属板
を配置することも可能であるが、好ましくは、金属板の
表面の少なくとも一部に接着させた樹脂層を銅張多層板
の裏面銅箔と接着させて配置し、貫通孔あけ後に金属板
を剥離し、表裏の樹脂層はそのままにして表裏の孔周辺
部及び内部の銅箔バリをエッチング除去してから樹脂層
を溶解除去する。
【0028】エキシマレーザーは、波長248 〜308nm
、YAGレーザーは、波長351〜355nmが一般に使用され
る。もちろん、最初にエキシマレーザー、或いはYAGレ
ーザーで銅箔に孔をあけておき、その後炭酸ガスレーザ
ーで樹脂層を孔加工することも可能であり、孔加工方法
については限定されるものではない。また、波長も必ず
しも限定されるものではない。孔内部は、通常の銅メッ
キを施すことも可能であるが、また銅メッキで孔内部を
一部、好適には50容積%以上充填することもできる。
【0029】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
【0030】実施例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン900部、ビス(4-
マレイミドフェニル)メタン100部を150℃に熔融させ、
撹拌しながら4時間反応させ、プレポリマーを得た。こ
れをメチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合
溶剤に溶解した。これにビスフェノールA型エポキシ樹
脂(商品名:エピコート1001、油化シェルエポキシ<株>
製)400部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品
名:ESCN-220F、住友化学工業<株>製)600部を加え、均
一に溶解混合した。更に触媒としてオクチル酸亜鉛0.4
部を加え、溶解混合し、これに無機充填剤(商品名:焼成
タルク、日本タルク<株>製)1500部、及び黒色顔
料8部を加え、均一撹拌混合してワニスAを得た。このワ
ニスを厚さ100μmのガラス織布に含浸し150℃で乾燥し
て、ゲル化時間(at170℃)120秒、ガラス布の含有量が5
3重量%のプリプレグ(プリプレグB)を作成した。ま
た、ガラス含有量44重量%のプリプレグCを作成した。
【0031】厚さ12μmの電解銅箔を、上記プリプレグ
B2枚の上下に配置し、200℃、20kgf/cm2、30mmHg以下
の真空下で2時間積層成形し、絶縁層厚み200μmの両面
銅張積層板Dを得た(図1(1))。これの上下に回路を
形成し、銅箔表面に黒色酸化銅処理層を設けて、上下に
上記プリプレグCを各1枚配置し、その外側12μmの電解
銅箔を置き(図1(2))、同様に積層成形して4層の多
層板Eを得た(図1(3))。
【0032】一方、金属化合物粉として酸化銅粉(平均
粒子径:0.9μm)800部を、ポリビニルアルコールを水
に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合してワニスF
を得た。これを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムに厚さ25μmとなるように塗布、乾燥して、
金属化合物含有量35容積%の補助材料Gを得た。また、
裏面には上記ワニスFを厚み50μmのアルミニウムに厚
さ25μmとなるように塗布、乾燥してバックアップシー
トHを得た。これらを多層板Fの上下に樹脂面が銅箔側
に向くように配置し、100℃、2kgfの線圧でラミネート
し、この上から径100μmの孔を50mm角内の中央のフリッ
プチップ搭載部6mm角内に100個直接炭酸ガスレーザ
ーで、出力40mJ/パルス でまず1ショツト、次に出力を2
8mJ/パルス にして5ショット照射して、70ブロックの貫
通孔をあけた。一方、炭酸ガスレーザーで同じくフリッ
プチップ搭載部の周囲に、孔径150μmの貫通孔を100個
あけた(図1(4))。
【0033】表面の補助材料G、裏面のバックアップシ
ートHを剥離後、プラズマ装置の中に入れて処理し,その
後、SUEP液を高速で吸引して、表裏銅箔の厚みを3
μmとすると同時に内外層のバリを溶解除去した。この
後、波長248nmのレーザーにて孔径50μmの貫通孔
を50mm角内に45個あけ、デスミア処理後、銅メッキ
を15μm付着させ、同時に孔内部を90容積%充填した
後(図2(5))、既存の方法にて回路(ライン/スペー
ス=50/50μmを144個)、ボンディングパッド、ハ
ンダボールパッド等を形成し、少なくともボンディング
パッド、ハンダボールパッド以外をメッキレジストで被
覆し、ニッケル、金メッキを施し、プリント配線板を作
成した。評価結果を表1及び表2に示す。
【0034】実施例2 融点67℃で酸価71mgKOH/gのカルボキシル基含有ポリエ
ステル樹脂をブタノールに溶解した溶液の中に、金属化
合物粉(SiO2 57重量%、MgO 43重量%、平均柳
糸径:0.4μm)を加え、均一に攪拌混合してワニスIを得
た。一方、実施例1のプリプレグCを1枚使用し、上下
に12μmの電解銅箔を置き、同様に積層成形し、両面銅
張積層板を得た。この板の表裏に回路を形成後、黒色酸
化銅処理を施した後、上下に上記プリプレグCを各1枚
配置し、その外側に7μの電解銅箔を重ね、同様に積層
成形して4層板Jを作成した。このフリップチップを搭載
する中央部の6mm角の外周部に孔径200μmの孔をメカニ
カルドリルであけ、この中に孔埋め樹脂(商品名;BT-S
735、三菱ガス化学<株>製)を充填し、110℃・1時
間、更に160℃・3時間硬化してから、表層に残存した樹
脂を研磨して除去すると同時に表層銅箔の残存厚さを3
〜4μmとした。
【0035】一方、上記ワニスIを4層板の表裏面に塗布
乾燥して厚さ50μmとし、裏面の外側に離型剤付きのア
ルミニウムを配置し、この表面から、炭酸ガスレーザー
の出力35mJ/パルスにて5ショット照射して120μmの
貫通孔を、実施例1と同様に内層銅箔を貫通する形態で
あけた。裏面の補助樹脂層をそのままにしてアルミニウ
ムを剥離除去し、表層の補助樹脂層もそのままにして、
酸性エッチング液を高速で孔あけした孔部に吹きつけ、
表層及び内層の銅箔バリをエッチング除去し、その後表
裏の酸性ポリエステル樹脂を水酸化ナトリウム水溶液で
溶解除去してから、過マンガン酸カリ水溶液にて処理
し、全体を同様に銅メッキを行い、この200μm孔上の裏
面メッキ部にボールパッドを作成するようにして同様に
プリント配線板とした。評価結果を表1及び表2に示
す。
【0036】比較例1 実施例2の銅張板を用い、表面に何も付着せずに炭酸ガ
スレーザーで同様に孔あけを行なったが、孔はあかなか
った。
【0037】比較例2 実施例1の多層板を用い、表面の銅箔上をマジックで黒
く塗り、その上から孔径100μmの孔を炭酸ガスレーザー
のエネルギー40mJ/パルス にて同様のショット数で孔あ
けを行なったが、銅箔に孔は形成できなかった。
【0038】比較例3 エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045)2,000部、ジシ
アンジアミド70部、2ーエチルイミダゾール2部をメチル
エチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解
し、攪拌混合して均一分散してワニスKを得た。これを
厚さ100μmのガラス織布に含浸、乾燥して、ゲル化時間
140秒(at170℃),ガラス含有量55重量%のプリプレグ
L、ゲル化間180秒、ガラス含有量43重量%のプリプレグ
Mを得た。このプリプレグLを2枚使用し、両面に12μmの
電解銅箔を置き、170℃、20kgf/cm2、30mmHg以下の
真空下で2時間積層成形して両面銅張積層板Nを得た(図
3(1))。この銅張積層板Nにメカニカルドリルで孔
径250μmの貫通孔をあけ、デスミア処理後に銅メッキを
15μm付着させ、その両面に回路を形成し(図3
(2))、黒色酸化銅処理後、その両面にプリプレグM
を各1枚置き、その外側に12μm銅箔を配置し、同様に積
層成形した。この表裏の半導体チップ搭載範囲6mm角内
に孔径150μmでビア孔形成用の孔を144個銅箔をエッチ
ング除去し、炭酸ガスレーザーのエネルギー15mJ/パル
スで3ショット照射し、フリップチップ搭載部の外周部
にも同様に同一の孔径のビア孔を100個あけた。その後
デスミア処理を施し、銅メッキを施した。SUEP処理を行
わず、また気相処理も行わずに通常の銅メッキを15μ
m施して、同様にプリント配線板を作成した(図3
(3))。評価結果を表1及び表2に示す。
【0039】比較例4 実施例1の多層板を用い、ドリル径250μmのメカニカル
ドリルにて、回転数10万rpm にて同様に貫通孔をあけ
た。SUEP処理を行わず、デスミア処理を1回施し、その
後、通常の方法で銅メッキを行い、プリント配線板を作
成した。評価結果を表1及び表2に示す。
【0040】比較例5 実施例1の両面銅張板Dを用い、内層のスルーホールと
なる箇所の銅箔を孔径100μmとなるように上下銅箔をエ
ッチング除去し、回路を形成した後、銅箔表面を黒色酸
化銅処理して、その外側にプリプレグCを置き、その外
側に12μmの電解銅箔を配置し、同様に積層成形して4
層板を作成した。この多層板を用い、貫通孔を形成する
表面の位置に孔径100μmの孔を、銅箔をエッチングし
てあけた。同様に裏面にも同じ位置に孔径100μmの貫
通孔をあけ(図4(2))、表面から炭酸ガスレーザー
で、出力15mJ/パルスにて6ショットかけ、スルーホール
用貫通孔をあけた(図4(3))。後は比較例4と同様
にして、SUEP処理を行わずに、デスミア処理を1回行
い、銅メッキを15μm施し(図4(4))、表裏に回路
を形成し、同様にプリント配線板を作成した。評価結果
を表1及び表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】<測定方法> 1)表裏孔位置のズレ及び孔あけ時間 ワークサイズ250mm角内に、孔径100μmの孔を900孔/ブ
ロックとして70ブロック(孔計63,000孔)作成した。炭
酸ガスレーザーで孔径100μmの孔及びメカニカルド
リルで孔径150μmの孔あけを行ない、1枚の銅張板
に 63,000孔をあけるに要した時間、及び表裏ランド用
銅箔と孔とのズレ、及び内層銅箔のズレの最大値を示し
た。 2)回路パターン切れ、及びショート 実施例、比較例で、孔のあいていない板を同様に作成
し、ライン/スペース=50/50μmの櫛形パターンを
作成した後、拡大鏡でエッチング後の200パターンを目
視にて観察し、パターン切れ、及びショートしているパ
ターンの合計を分子に示した。 3)ガラス転移温度 DMA法にて測定した。 4)スルーホール・ビア孔・ヒートサイクル試験 各貫通孔に径300μmのランドを作成し、900孔を表裏
又はビア孔を交互につなぎ、1サイクルが、260℃・ハン
ダ・浸せき30秒→室温・5分 で、200サイクルまで実施
し、抵抗値の変化率の最大値を示した。 5)ランド周辺銅箔切れ 孔周辺に径300μmのランドを形成した時の、ランド
部分の銅箔欠けを観察した。 6)耐マイグレーション性(HAST) 孔壁間150μm、孔径100μmの銅メッキした貫通孔をそれ
ぞれ独立して表裏交互に1個ずつつなぎ、これを平行に
50個つないで、100セット作成し、130℃、85%RH、1.8V
DC にて所定時間処理後に、取り出し、スルーホール間
の絶縁抵抗値を測定した。 7)プレッシャークッカー処理後の電気絶縁性 L/S=50/50μmで回路を形成し、銅箔表面を黒色酸
化銅処理を行い、その上にそれぞれの積層で使用したプ
リプレグを置き、積層成形した後、これを121℃・203kP
aで処理後、取り出してから25℃・60%RHで2時間処理し
てから、500VDC印加60秒後に抵抗値を測定した。
【0044】
【発明の効果】本発明は孔径25μm以上180μm以下
の貫通孔を有する、少なくとも3層以上の銅箔層を有す
る多層プリント配線板であって、該貫通孔が全て銅メッ
キ導体で各層と接続した形態の高密度のプリント配線板
を提供する。さらに具体的には、特に孔径80μm以上18
0μm以下の孔あけにおいて、多層板の銅表面に直接、好
適には20〜60mJ/パルスから選ばれた高出力のエネルギ
ーの炭酸ガスレーザーを照射して銅箔を孔あけする際
に、炭酸ガスレーザーが照射される銅張板の銅箔表面
に、孔あけ補助材料として、少なくとも、融点900℃以
上で、且つ結合エネルギー300kJ/mol以上の金属化合物
粉、カーボン粉、又は金属粉を3〜97容積%含む樹脂組
成物よりなる樹脂塗膜或いは熱可塑性フィルム片面にそ
の樹脂層を付着させたシートを配置して銅箔面と接着さ
せるか、或いは銅箔表面に酸化金属処理又は薬液処理を
施して、この上から炭酸ガスレーザーを直接照射して貫
通孔あけを行ない、次いで貫通孔部に張り出している内
外層銅箔バリをエッチング除去すると同時に、表層の銅
箔の厚みを2〜7μmにしてから、補助材料を除去し、気
相処理を行い、更に銅メッキを施して得られる銅張多層
板を用いる高密度多層プリント配線板の製造方法が提供
される。貫通孔において、銅張板の表裏の孔とランド銅
箔とのズレもなく、ビルドアップ法に比較して簡単に、
経済性よくプリント配線板を製造することができ、厚み
2〜7μmの薄い銅箔を使うことにより、その後の銅メッ
キでメッキアップして得られた表裏銅箔の回路形成にお
いても、ショートやパターン切れ等の不良発生もなく高
密度のプリント配線板を作成でき、信頼性に優れたもの
を得ることができた。更には熱硬化性樹脂として、多官
能性シアン酸エステル樹脂組成物を使用することによ
り、得られた多層プリント配線板は、耐マイグレーショ
ン性、耐熱性等に優れたものが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の多層板の炭酸ガスレーザーによる貫
通孔あけ(4)までの製造工程図である。
【図2】実施例1の両面銅張多層板の炭酸ガスレ−ザー
による貫通孔あけ後のSUEPによるバリ除去とパルス銅メ
ッキ(5)、及びフリップチップを搭載した半導体プラ
スチックパッケージ(6)の製造工程図である。
【図3】比較例3の両面銅張多層板の内層板のドリルに
よる貫通孔あけ、銅メッキ、回路形成(2)、及び炭酸
ガスレーザーによるビア孔あけ、銅メッキ、回路形成
(3)したプリント配線板の工程図である(SUEP無
し)。
【図4】比較例5の両面銅張多層板の炭酸ガスレーザー
による孔あけ(3)及び銅メッキ(4)の工程図である
(SUEP無し)。
【符号の説明】
a 両面銅張積層板 b 銅箔 c プリプレグC d 回路 e 4層板 f 炭酸ガスレーザーによって形成した貫通孔 g 発生した内層銅箔のバリ h 発生した外層層銅箔のバリ i パルス銅メッキ j 半導体チップ k バンプ l メッキレジスト m ハンダボール n スルーホール o 銅メッキされたブラインドビア孔 p 位置ズレした内層銅箔 q SUEP処理を行わずに銅メッキされた貫通孔
フロントページの続き (72)発明者 加藤 禎啓 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京工場内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB01 BB02 BB12 BB13 BB15 CC31 CC52 CD11 CD25 CD27 CD29 CD32 GG12 GG20 5E346 AA43 CC08 CC32 DD22 EE13 FF07 FF13 FF23 GG15 GG17 GG22 HH31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔径が25〜180μmのレーザーで形成され
    た貫通孔を有する、少なくとも3層以上の多層銅張板の
    貫通孔に導体を形成し、該導体により各銅箔層をすべて
    接続することを特徴とする高密度多層プリント配線板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 下記工程a、b及びcから得られる銅張多
    層板を用いることを特徴とする請求項1記載の高密度多
    層プリント配線板の製造方法、 a. 少なくとも3層以上の銅箔層を有する多層板の銅箔
    表面に酸化金属処理層又は薬液処理層を設けるか、ある
    いは孔あけ用補助材料として、少なくとも、融点900℃
    以上で、且つ結合エネルギー300kJ/mol 以上の金属化合
    物粉、カーボン粉、又は金属粉の1種或いは2種以上の
    成分を3〜97容積%含む有機物層を配置する工程、 b. 銅箔を炭酸ガスレーザーで除去できるに十分なエネ
    ルギーを用いて、炭酸ガスレーザーのパルス発振によ
    り、直接炭酸ガスレーザーを照射して、表裏及び内層の
    銅箔に孔径80μm以上180μm以下の貫通孔をあける工
    程、 c. エキシマレーザー、YAGレーザーを照射して、表裏
    及び内層の銅箔に孔径25μm以上80μm未満の貫通
    孔をあける工程、及び d. 全体に銅メッキを施す工程。
  3. 【請求項3】 炭酸ガスレーザーエネルギーが、20〜60
    mJ/パルスから選ばれるエネルギーである請求項1又は
    2記載の高密度多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭酸ガスレーザーで孔あけした後、貫通
    孔部に張り出した表層及び内層の銅箔バリを薬液にて溶
    解除去すると同時に表裏の銅箔を厚さ方向に一部溶解除
    去することを特徴とする請求項1、2又は3記載の高密
    度多層プリント配線板の製造方法
  5. 【請求項5】 貫通孔あけした多層板の銅箔バリを除去
    する前に、プラズマ処理を行うことを特徴とする請求項
    4記載の高密度多層プリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 該銅張多層板に使用する熱硬化性樹脂と
    して、多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン酸エ
    ステルプレポリマーを必須成分とする樹脂組成物を使用
    する請求項請求項1,2,3、4又は5記載の高密度多
    層プリント配線板の製造方法。
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