JP2001044643A - 高密度多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

高密度多層プリント配線板の製造方法

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JP2001044643A
JP2001044643A JP21585199A JP21585199A JP2001044643A JP 2001044643 A JP2001044643 A JP 2001044643A JP 21585199 A JP21585199 A JP 21585199A JP 21585199 A JP21585199 A JP 21585199A JP 2001044643 A JP2001044643 A JP 2001044643A
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copper
copper foil
hole
carbon dioxide
holes
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JP21585199A
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English (en)
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Sadahiro Kato
禎啓 加藤
Kenichi Shimizu
賢一 清水
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント配線板に用いる銅張多層
板に、高出力の炭酸ガスレーザーを直接照射して小径の
貫通孔及び/又はビア孔をあける製造方法において、表
裏の孔のランド銅箔のズレがなく、内層銅箔の表裏層銅
箔との接続信頼性に優れたプリント配線板の製造方法を
提供する。 【解決手段】 少なくとも3層以上の銅箔層を有
する銅張多層板の銅箔の上に、金属酸化処理を施し、こ
の上から、高出力の炭酸ガスレーザーを直接照射して外
層及び内層銅箔を含めて貫通孔及び/又はビア孔を形成
した後、銅箔表裏表面及び発生した内外層銅箔バリをア
ルカリ性溶液でエッチング除去し、酸化銅処理層除去後
に銅メッキを行って得られる銅張多層板を用いてプリン
ト配線板を作成する。 【効果】 スルーホール用貫通孔及び/又はビ
ア孔部の孔内外層部の銅箔バリを除去でき、かつ表層銅
箔と孔内部の銅箔の接続性が非常に良好で、信頼性に優
れた貫通孔を得ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも3層以
上の銅箔層を有する多層板の表層銅箔面に、酸化金属処
理を施し、高出力の炭酸ガスレーザーを直接照射して外
層及び内層銅箔を含めスルーホール用貫通孔及び/又は
ビア孔をあけた後に、アルカリ性のエッチング液にて孔
部に残存する内外層の銅箔をエッチング除去し、酸性の
溶液にて銅箔上のアルカリ性の金属処理層を溶解除去
し、ついで全体を銅メッキして作成される銅張多層板を
用いてプリント配線板を製造する方法に関する。得られ
た多層プリント配線板は、小径の孔を有する、高密度の
小型プリント配線板として、新規な半導体プラスチック
パッケージ用等に主に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体プラスチックパッケージ等
に用いられる高密度のプリント配線板は、スルーホール
用の貫通孔をドリルであけていた。近年、ますますドリ
ルの径は小径となり、孔径が0.15mmφ以下となってきて
おり、このような小径の孔をあける場合、ドリル径が細
いため、孔あけ時にドリルが曲がる、折れる、加工速度
が遅い等の欠点があり、生産性、信頼性等に問題のある
ものであった。また、外層すなわち表裏層の銅箔にあら
かじめネガフィルムを使用して所定の方法で同じ大きさ
の孔をあけておき、更には内層の銅箔にも同様の孔を予
めエッチングで形成したものを配置しておき、炭酸ガス
レーザーで表裏を貫通するスルーホール用孔を形成しよ
うとすると、内層銅箔の位置ズレ、上下の孔に位置ズレ
を生じ、接続不良、及び表裏のランド形成不良等の欠点
があった。更には、内層として銅箔がスルーホール貫通
孔の中間に存在する場合、外層の銅箔をエッチング除去
し、低エネルギーで孔あけを行なっても、内層銅箔の孔
あけができずに、貫通孔が形成できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、少なくとも3層以上の銅箔層を有する多
層板に小径のスルーホール用貫通孔及び/又はビア孔を
形成し、内層銅箔、外層銅箔の孔部に張り出したバリを
エッチング除去し、銅メッキしてスルーホールの接合性
を向上した銅張多層板を用いるプリント配線板の製造方
法に関する。
【0004】
【発明が解決するための手段】少なくとも3層以上の銅
箔層を有する多層板の銅表面に金属酸化処理を施し、こ
の表面に高出力の炭酸ガスレーザーエネルギーを直接照
射してスルーホール用貫通孔等を形成する。加工後、銅
箔の表面は機械的研磨でバリをとることもできるが、内
層の銅箔のバリをも除去するため、薬液によるエッチン
グが好適である。本発明の製造方法によれば、孔周囲の
両面の銅箔が残存したスルーホールメッキ用貫通孔及び
/又はビア孔を形成できる。また、内層銅箔の接続性に
優れた孔が得られる。更には、加工速度はドリルであけ
る場合に比べて格段に速く、生産性も良好で、経済性に
も優れている。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、炭酸ガスレ
ーザーを用いて、少なくとも3層以上の銅箔層を有する
多層板にスルーホール用貫通孔及び/又はビア孔、特に
小径の孔をあける方法として適している。孔あけ等の加
工を施された銅張多層板を用いた多層プリント配線板
は、主に半導体チップの搭載用として使用される。本発
明の製造方法は特に、多層板の炭酸ガスレーザーによる
孔あけにおいて、レーザーを照射する多層板の表面に、
金属酸化処理を施し、炭酸ガスレーザーを直接銅箔表面
に照射して銅箔を加工除去することによる、スルーホー
ル用貫通孔及び/又はビア孔の形成に関する。
【0006】本発明で使用する銅張多層板は、少なくと
も3層以上の銅箔層が存在する多層板であり、この多層
板には基材補強されたもの、フィルム基材のもの、補強
基材の無い樹脂単独のもの等が使用可能である。本発明
の銅箔表面に処理する酸化金属処理としては、酸化銅処
理、MM処理(MacDermid社)等の一般に公知の銅箔表面
処理が挙げられる。基材としては、一般に公知の、有
機、無機の織布、不織布が使用できる。具体的には、無
機の繊維としては、E、S、D、Mガラス等の繊維等が
挙げらる。又、有機繊維としては、全芳香族ポリアミ
ド、液晶ポリエステル、ポリベンザゾール等の繊維が挙
げられる。これらは、混抄でも良い。
【0007】本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物の
樹脂としては、一般に公知の熱硬化性樹脂が使用され
る。具体的には、エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エス
テル樹脂、 多官能性マレイミドーシアン酸エステル樹
脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリフェニ
レンエーテル樹脂等が挙げられ、1種或いは2種類以上が
組み合わせて使用される。出力の高い炭酸ガスレーザー
照射による加工でのスルーホール形状の点からは、ガラ
ス転移温度が150℃以上の熱硬化性樹脂組成物が好まし
く、耐湿性、耐マイグレーション性、吸湿後の電気的特
性等の点から多官能性シアン酸エステル樹脂組成物が好
適である。
【0008】本発明の好適な熱硬化性樹脂分である多官
能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上の
シアナト基を有する化合物である。具体的に例示する
と、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシア
ナトベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-
ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレ
ン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフ
ェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロ
パン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シ
アナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイ
ト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、および
ノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られる
シアネート類などである。
【0009】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エ
ステル化合物類も用いられ得る。また、これら多官能性
シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって
形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000のプ
レポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の
多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ル
イス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級ア
ミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒とし
て重合させることにより得られる。このプレポリマー中
には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーと
プレポリマーとの混合物の形態をしており、このような
原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶
な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0010】エポキシ樹脂としては、一般に公知のもの
が使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂;ブタ
ジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシク
ロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポリ
エポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン樹
脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポリ
グリシジル化合物類等が挙げられる。これらは1種或い
は2種類以上が組み合わせて使用され得る。
【0011】ポリイミド樹脂としては、一般に公知のも
のが使用され得る。具体的には、多官能性マレイミド類
とポリアミン類との反応物、特公昭57-005406 に記載の
末端三重結合のポリイミド類が挙げられる。これらの熱
硬化性樹脂は、単独でも使用されるが、特性のバランス
を考え、適宜組み合わせて使用するのが良い。
【0012】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の有機、無機のの充填
剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベ
リング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チ
キソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み
合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化合
物は硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0013】前記した熱硬化性樹脂組成物は、それ自体
は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済
性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱
硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量
部に対して0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部
である。
【0014】基材補強多層板は、まず上記補強用基材に
熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥させてBステージと
し、プリプレグを作成する。次に、このプリプレグを所
定枚数重ね、少なくとも片面に銅箔を配置して、加熱、
加圧下に積層成形し、3層以上の銅箔層を有する多層板
とする。外層の銅箔の厚みは、好適には3〜10μm、
内層は9〜18μmである。
【0015】多層板、好ましくは基材補強した多層板に
貫通孔及び/又はビア孔を形成した銅張多層板に回路を
形成し、銅箔表面処理後、少なくとも片面に、Bステー
ジの基材補強プリプレグ、或いは基材補強していない樹
脂シート、樹脂付き銅箔、塗料塗布による樹脂層等を配
置し、必要により、その外側に銅箔を置き、加熱、加
圧、好ましくは真空下に積層成形した銅張多層板を使用
する。
【0016】多層板の、炭酸ガスレーザーを照射する面
の、少なくとも孔形成位置の銅箔表面に、酸化金属処理
を施し、その上から炭酸ガスレーザーを直接照射するこ
とにより、銅箔を加工して孔あけを行う。
【0017】炭酸ガスレーザーを、高出力で照射して孔
を形成した場合、外層及び内層の銅箔にバリが発生す
る。これは、それぞれ別々の方法で除去可能であるが、
好適には、アルカリ性の薬液を吹き付けて外層及び内層
の銅箔バリをエッチング除去する。加工によって生じた
内外層の銅箔バリを除去した後、表層の酸化金属処理層
を酸溶液で除去し、銅メッキによって全体をメッキし、
定法にてプリント配線板とする。得られた表裏銅箔層は
銅箔が薄いものを用いるほど細密パターン形成に適して
おり、高密度のプリント配線板を作成することが可能で
ある。
【0018】本発明の孔部に発生した銅箔バリをエッチ
ング除去する方法としては、特に限定しないが、例え
ば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-2
5090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25
995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263
488号公報で開示された、薬品で金属表面を溶解除去す
る方法(SUEP法と呼ぶ)による。エッチング速度
は、一般には0.02〜1.0μm/秒 で行う。また、内層の銅
箔バリをエッチング除去する場合、エッチング液の吹き
付け角度、圧力を適宜選択する。
【0019】炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある
9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。出力 は特に
限定しないが、好適には20〜60mJ/パルスにてパル
ス発振で、必要パルス(ショット)照射して銅箔及び絶
縁層を加工し、孔をあける。貫通孔をあける場合、最初
から最後まで20〜60mJ/パルス から選ばれるエネル
ギーを照射する方法、銅箔を加工後、エネルギーを下げ
て絶縁層を加工する方法等、いずれの方法でも加工可能
である。
【0020】多層板の裏面には、孔が貫通した場合のレ
ーザーによるレーザーマシーンテーブルの損傷を防ぐた
めに、単に金属板を配置することも可能であるが、好ま
しくは、金属板の表面の少なくとも一部と接着した樹脂
層を多層板の裏面銅箔と密着させて配置し、スル−ホー
ル用貫通孔あけ後に樹脂付金属板を取り除き、表裏の孔
周辺部及び内部の銅箔バリをエッチング除去してから酸
化金属処理を溶解除去する。孔あけ後にアルカリ性エッ
チング液を吹き付け、孔の中の内層銅箔バリを溶解除去
するとともに、外層に銅箔バリが発生する場合にはその
バリをも除去し、その後、銅箔表層に処理した酸化金属
処理層を酸溶液で溶解除去し、銅メッキを施す。
【0021】加工された孔部の表層、内層銅箔の樹脂と
接着していた面には1μm程度の樹脂層が銅箔表面に残存
する場合が殆どである。この樹脂層を、エッチング前に
デスミア処理等の一般に公知の処理で事前に除去が可能
であるが、液が小径の孔内部に到達しない場合、内層の
銅箔表面に残存する樹脂層の除去残が発生し、銅メッキ
との接続不良になる場合がある。従って、より好適に
は、まず気相で孔内部を処理して樹脂の残存層を完全に
除去し、次いで孔内部及び表裏の銅箔バリをエッチング
除去する。気相処理としては一般に公知の処理が使用可
能であるが、例えばプラズマ処理、低圧紫外線処理等が
挙げられる。プラズマは、高周波電源により分子を部分
的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。これ
は、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカル種に
よる穏やかな処理が一般には使用され、処理ガスとし
て、反応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガス
としては、主に酸素が使用され、科学的に用面処理をす
る。不活性ガスとしては、主にアルゴンガスを使用す
る。このアルゴンガス等を使用し、物理的な表面処理を
行う。物理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面を
クリーニングする。低紫外線は、波長が短い領域の紫外
線であり、波長として、184.9nm、253.7nm がピークの
短波長域の波長を照射し、樹脂層を分解除去する。孔内
部は、通常の銅メッキを施すことも可能であるが、また
銅メッキで孔内部を一部、好適には80%以上充填するこ
ともできる。
【0022】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
【0023】実施例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン900部、ビス(4-
マレイミドフェニル)メタン100部を150℃に熔融させ、
撹拌しながら4時間反応させ、プレポリマーを得た。こ
れをメチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合
溶剤に溶解した。これにビスフェノールA型エポキシ樹
脂(商品名:エピコート1001、油化シェルエポキシ<株>
製)400部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品
名:ESCN-220F、住友化学工業<株>製)600部を加え、均
一に溶解混合した。更に触媒としてオクチル酸亜鉛0.4
部を加え、溶解混合し、これに無機充填剤(商品名:焼成
タルク、日本タルク<株>製)500部、及び黒色顔料8部
を加え、均一撹拌混合してワニスAを得た。このワニス
を厚さ100μmのガラス織布に含浸し150℃で乾燥して、
ゲル化時間(at170℃)120秒、ガラス布の含有量が56重量
%のプリプレグ(プリプレグB)を作成した。また、ガラス
含有量44重量%のプリプレグCを作成した。
【0024】厚さ12μmの電解銅箔を、上記プリプレグ
B 2枚の上下に配置し、200℃、20kgf/cm2、30mmHg以下
の真空下で2時間積層成形し、絶縁層厚み200μmの両面
銅張積層板Dを得た。これの上下に回路を形成し、銅箔
表面に黒色酸化銅処理を施して、上下に上記プリプレグ
Cを各1枚配置し、その外側に7μmの電解銅箔を置き、
同様に積層成形して4層の多層板Eを得た。
【0025】この4層板の銅箔(図1、a)表面に酸化銅
処理(e)を施し、裏面には50μmのアルミニウム(g)の
片面に厚さ20μmの水溶性ポリエステル樹脂(f)を塗膜と
して付着させたバックアップシートFを作成し、これの
樹脂面が銅箔側を向くように配置し(図1、(1)工程)
てから、炭酸ガスエネルギー25mJ/パルス にして8ショ
ット照射して、孔径100μmのスルーホール用貫通孔をあ
けた(図1、(2)工程)。表面の酸化銅処理をそのまま
にし、プラズマ装置の中に入れて処理し、過マンガン酸
カリ水溶液にて超音波中で湿潤処理後、SUEPアルカ
リ性水溶液を高速で吹き付けて、内外層の銅箔バリをも
溶解除去した(図1、(3)工程)。この板に銅メッキを
15μm付着させた(図1、(4)工程)後、既存の方法に
て回路(ライン/スペース=70/70μm)、ハンダボー
ル用パッド等を形成し、少なくとも半導体チップ部、ボ
ンディング用パッド部、ハンダボールパッド部を除いて
メッキレジストで被覆し、ニッケル、金メッキを施し、
プリント配線板を作成した。このプリント配線板の評価
結果を表1に示す。
【0026】実施例2 実施例1のプリプレグCを1枚使用し、上下に12μmの電
解銅箔を置き、同様に積層成形し、両面銅張積層板を得
た。この板の表裏に回路を形成後、黒色酸化銅処理を施
した後、上下に上記プリプレグCを各1枚配置し、その
外側に、35μmの銅箔キャリアに3μmの電解銅箔を接着
したものを重ね、同様に積層成形して4層板Gを作成した
後、35μmの銅箔キャリアを剥離した。この4層板Gの銅
箔表面を同様に酸化銅処理を行い、裏面には実施例1の
バックアップシートFを密着させて配置した。
【0027】この上から、炭酸ガスレーザーの出力20mJ
/パルスにて9ショット照射して貫通孔を、内層銅箔を貫
通する形態であけた。裏面のバックアップシートGを除
去し、アルカリ性のエッチング液を高速で孔あけした孔
内部を吸引して通し、内外層の銅箔バリをエッチング除
去し、その後表裏の酸化銅処理を実施例1と同様に溶解
除去してから、過マンガン酸カリ水溶液にて処理を行な
って、同様に銅メッキを行い、同様にプリント配線板と
した。評価結果を表1に示す。
【0028】比較例1 実施例1の銅張多層板を用い、表面に何も付着せずにに
炭酸ガスレーザーで同様に孔あけを行なったが、孔はあ
かなかった。
【0029】比較例2 実施例1の多層板を用い、表面の銅箔上をマジックで黒
く塗り、その上から孔径100μmの孔を炭酸ガスレーザー
のエネルギー25mJ/パルス にて同様のショット数で孔あ
けを行なったが、銅箔に孔は形成できなかった。
【0030】比較例3 エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045)2,000部、ジシ
アンジアミド70部、2ーエチルイミダゾール2部をメチル
エチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解
し、更に実施例1の絶縁性無機充填剤を800部加え、攪
拌混合して均一分散してワニスを得た。これを厚さ100
μmのガラス織布に含浸、乾燥して、ゲル化時間140秒
(at170℃),ガラス含有量55重量%のプリプレH、ゲル
化間180秒、ガラス含有量43重量%のプリプレグIを得
た。このプリプレグHを2枚使用し、両面に12μmの電解
銅箔を置き、190℃、20kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で
2時間積層成形して両面銅張積層板Jを得た。この積層板
Jの両面に回路を形成し、黒色酸化銅後、その両面にプ
リプレグIを各1枚於き、その外側に12μm銅箔を配置
し、同様に積層成形した。この上に酸化銅処理を施し、
裏面にバックアップシートFを配置し(図2、(1)工
程)、同様に孔あけして貫通孔を形成した(図2、
(2)工程)。SUEP処理を行わず、また気相処理も行わ
ずに通常の銅メッキを施した(図2、(3)工程)。評
価結果を表1に示す。
【0031】比較例4 実施例1の多層板を用い、ドリル径150μmのメカニ
カルドリルにて、回転数10万rpm にて同様に400μm
間隔で貫通孔をあけた。SUEP処理を行わず、デスミア処
理を1回施し、その後、通常の方法で銅メッキを行い、
プリント配線板を作成した。評価結果を表1に示す。
【0032】比較例5 実施例1において、両面銅張多層板Eを用い、内層のス
ルーホールとなる箇所の銅箔を孔径100μmとなるように
上下銅箔をエッチング除去し、回路を形成した後、銅箔
表面を黒色酸化銅処理して、その外側にプリプレグCを
置き、その外側に12μmの電解銅箔を配置し、同様に積
層成形して4層板を作成した。この多層板を用い、貫通
孔を形成する表面の位置に孔径100μmの孔を900個、銅
箔をエッチングしてあけた。同様に裏面にも同じ位置に
孔径100μmの孔を900個あけた(図3、(1)工程)。
1パターン900個を70ブロック、合計63,000の孔を、表
面から炭酸ガスレーザーで、出力15mJ/パルスにて6ショ
ットかけ、スルーホール用貫通孔をあけた(図3、
(2)工程)。後は比較例4と同様にして、SUEP処理を
行わずに、デスミア処理を1回施し、銅メッキを15μm
施し(図3、(3)工程)、表裏に回路を形成し、同様
にプリント配線板を作成した。評価結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】<測定方法> 1)表裏孔位置のズレ及び孔あけ時間 ワークサイズ250mm角内に、孔径100μmの孔を900孔/ブ
ロック として70ブロック(孔計63,000孔)作成した。
炭酸ガスレーザー(孔径100μm)及びメカニカルド
リル(孔径150μm)で孔あけを行ない、1枚の銅張
板に 63,000孔をあけるに要した時間、及び表裏ランド
用銅箔とのズレ、及び内層銅箔のズレの最大値を示し
た。 2)回路パターン切れ、及びショート 実施例、比較例で、孔のあいていない板を同様に作成
し、ライン/スペース=70/70μmの櫛形パターンを
作成した後、拡大鏡でエッチング後の200パターンを目
視にて観察し、パターン切れ、及びショートしているパ
ターンの合計を分子に示した。 3)ガラス転移温度 DMA法にて測定した。 4)スルーホール・ヒートサイクル試験 各スルーホール孔にランド径250μmを作成し、900孔を
表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・ハンダ・浸せ
き30秒→室温・5分 で、500サイクルまで実施し、抵抗
値の変化率の最大値を示した。 5)ランド周辺銅箔切れ 孔周辺に径200μmのランドを形成した時の、ランド
部分の銅箔欠けを観察した。 6)耐マイグレーション性(HAST) 孔壁間150μm、ランド径200μmのスルーホールを
それぞれ独立して1個ずつつなぎ、これを平行に50個
つないで、100セット作成し、130℃、85%RH、1.8
VDC にて所定時間処理後に、取り出し、スルーホール間
の絶縁抵抗値を測定した。
【0035】
【発明の効果】少なくとも3層以上の銅箔層を有する多
層板の銅表面に直接、好適には20〜60mJ/パルスから
選ばれた高出力のエネルギーの炭酸ガスレーザーを照射
して銅箔を孔あけする際に、炭酸ガスレーザーが照射さ
れる銅張板の、好適には厚さ3〜9μm銅箔表面に、酸化
銅処理を施し、この上から炭酸ガスレーザーを直接照射
して貫通孔あけを行ない、次いで貫通孔部に張り出して
いる内外層銅箔バリを、アルカリ性エッチング液でその
ままエッチング除去して孔部の内外層銅箔バリをエッチ
ング除去し、表層の酸化金属処理層を除去後、銅メッキ
を施して得られる銅張多層板を用いてプリント配線板を
製造することにより、スルーホール貫通孔において、銅
張板の表裏の孔のランド銅箔のズレもなく、メカニカル
ドリルで孔あけするのに比べて格段に加工速度が速くで
き、生産性についても大幅に改善でき、高密度のプリン
ト配線板を作成でき、信頼性に優れたものを得ることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の多層板の炭酸ガスレーザーによるス
ルーホール用貫通孔あけ(2)、SUEPによるバリ除
去(3)、銅メッキ(4)の工程図である。
【図2】比較例3の多層板の炭酸ガスレーザーによる貫
通孔あけ及び通常の銅メッキの工程図である(SUEP
無し)。
【図3】比較例5の多層板の炭酸ガスレーザーによる孔
あけ及び銅メッキの工程図である(SUEP無し)。
【符号の説明】
a 銅箔 b ガラス布基材熱硬化性樹脂層 c 炭酸ガスレーザーによるスルーホール貫通孔あけ
部 d SUEP処理された貫通孔 e 黒色酸化銅処理 f 水溶性ポリエステル樹脂層 g アルミニウム箔 h 発生した銅箔のバリ i SUEP処理された内層銅箔 j 銅メッキされたスルーホール部 k SUEPを行わずに銅メッキしたスルーホール部 l ズレを生じた内層銅箔 m SUEP処理せずに銅メッキされた内層バリ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 賢一 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京工場内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB02 BB12 CC31 CC53 CD11 CD25 CD32 GG11 5E346 AA06 AA12 AA15 AA42 AA43 BB01 BB15 CC32 CC58 EE02 EE06 EE09 EE13 EE14 EE19 FF02 FF03 FF07 GG01 GG15 GG16 GG17 GG27 GG28 HH07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅箔を炭酸ガスレーザーで除去できるに
    十分なエネルギーを用いて、炭酸ガスレーザーのパルス
    発振により、直接炭酸ガスレーザーを照射し、少なくと
    も3層以上の銅箔層を有する銅張多層板に貫通孔及び/
    又はビア孔を形成した銅張多層板を用いる多層プリント
    配線板の製造方法において、銅張多層板の製造方法が、 a. 銅張多層板外層の銅箔表面に酸化金属処理を施し、
    炭酸ガスレーザーエネルギーを直接照射して、外層及び
    内層の銅箔を含めて貫通孔及び/又はビア孔をあける工
    程、 b. 孔あけ後、アルカリ性の液で外層及び内層の銅箔バ
    リを溶解除去する工程、 c. 表層の酸化金属処理を溶解解去する工程、 d. 銅メッキを施す工程、 からなることを特徴とする多層プリント配線板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 表層の銅箔厚みが3〜9μmである請求
    項1記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭酸ガスレーザーエネルギーが、20〜
    60mJ/パルス である請求項1又は2記載の多層プリン
    ト配線板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340785A (ja) * 2004-04-30 2005-12-08 Hitachi Via Mechanics Ltd プリント基板およびプリント基板の加工方法並びにプリント基板の製造方法
JP2007129147A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Hitachi Via Mechanics Ltd レーザ加工を用いたプリント配線板及びその製造方法
EP2228261A1 (de) 2009-03-13 2010-09-15 Rheinmetall Landsysteme GmbH Ein- und Aus- bzw. Aufstiegsleiter für ein Objekt

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JP4694349B2 (ja) * 2005-11-07 2011-06-08 日立ビアメカニクス株式会社 レーザ加工を用いたプリント配線板及びその製造方法
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