JP2001109431A - 発光表示パネルの駆動装置 - Google Patents

発光表示パネルの駆動装置

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JP2001109431A
JP2001109431A JP28510699A JP28510699A JP2001109431A JP 2001109431 A JP2001109431 A JP 2001109431A JP 28510699 A JP28510699 A JP 28510699A JP 28510699 A JP28510699 A JP 28510699A JP 2001109431 A JP2001109431 A JP 2001109431A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光に寄与しない無駄な電力消費を低減させ
ることができる発光表示パネルの駆動装置を提供する。 【解決手段】 走査期間には入力ビデオ信号に応じて複
数の走査線のうちの1の走査線上の発光させるべきEL
素子に対応する発光ドライブ線を指定し、1の走査線に
EL素子の発光閾値電圧より低い第1電位を印加しかつ
1の走査線以外の走査線に発光閾値電圧より高い第2電
位を印加し、発光のために発光ドライブ線に駆動電流を
供給しかつ発光ドライブ線以外のドライブ線に発光閾値
電圧より若干低い第3電位を印加し、走査期間の間のリ
セット期間にはその前後の走査期間各々において非発光
させるべきEL素子だけが接続されたドライブ線を非リ
セットドライブ線として指定し、第2電位を複数の走査
線の全てに印加し、非リセットドライブ線を除くドライ
ブ線に第2電位に等しい電位の第4電位を供給しかつ非
リセットドライブ線に第3電位を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネセンス素子等の容量性発光素子を用いた発光表示パ
ネルの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】低消費電力でかつ高表示品質であり、更
に薄型化が可能なディスプレイとして、有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の複数をマトリクス状に配列して構
成されるエレクトロルミネッセンスディスプレイが注目
されている。該有機エレクトロルミネッセンス素子は、
図1に示すように、透明電極101が形成されたガラス
板などの透明基板100上に、電子輸送層、発光層、正
孔輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層10
2、及び金属電極103が積層されたものである。透明
電極101の陽極にプラス、金属電極103の陰極にマ
イナスの電圧を加え、すなわち、透明電極及び金属電極
間に直流を印加することにより、有機機能層102が発
光する。良好な発光特性を期待することのできる有機化
合物を有機機能層に使用することによって、エレクトロ
ルミネッセンスディスプレイが実用に耐えうるものにな
っている。
【0003】有機エレクトロルミネッセンス素子(以
下、単にEL素子ともいう)は、電気的には、図2のよ
うな等価回路にて表すことができる。図から分かるよう
に、EL素子は、容量成分Cと、該容量成分に並列に結
合するダイオード特性の成分Eとによる構成に置き換え
ることができる。よって、有機エレクトロルミネッセン
ス素子は、容量性の発光素子であると考えられる。有機
エレクトロルミネッセンス素子は、直流の発光駆動電圧
が電極間に印加されると、電荷が容量成分Cに蓄積さ
れ、続いて当該EL素子固有の障壁電圧または発光閾値
電圧を越えると、電極(ダイオード成分Eの陽極側)か
ら発光層を担う有機機能層に電流が流れ始め、この電流
に比例した強度で発光する。
【0004】かかるEL素子の電圧V−電流I−輝度L
の特性は、図3に示すように、ダイオードの特性に類似
しており、発光閾値Vth以下の電圧では電流Iはきわめ
て小さく、発光閾値Vth以上の電圧になると電流Iは急
激に増加する。また、電流Iと輝度Lはほぼ比例する。
このようなEL素子は、発光閾値Vthを超える駆動電圧
をEL素子に印加すれば当該駆動電圧に応じた電流に比
例した発光輝度を呈し、印加される駆動電圧が発光閾値
電圧Vth以下であれば駆動電流が流れず発光輝度もゼロ
に等しいままである。
【0005】かかるEL素子の複数を用いた発光表示パ
ネルの駆動方法としては、単純マトリクス駆動方式が知
られている。図4に発光表示パネルの単純マトリクス駆
動方式の駆動装置の一例の構造を示す。発光表示パネル
においては、n個の陰極線(金属電極)B1〜Bnを横方
向に、m個の陽極線(透明電極)A1〜Amを縦方向に平
行に伸長して設けられ、各々の交差した部分(計n×m
個)にEL素子E1,1〜Em,nの発光層を挟む。画素を担
うEL素子E1,1〜Em,nは、格子状に配列され、垂直方
向に沿う陽極線A1〜Amと水平方向に沿う陰極線B1
nとの交差位置に対応して一端(上記の等価回路のダ
イオード成分Eの陽極線側)が陽極線に、他端(上記の
等価回路のダイオード成分Eの陰極線側)が陰極線に接
続される。陰極線は陰極線走査回路1に接続されて駆
動、陽極線は陽極線ドライブ回路2に接続されてそれぞ
れ駆動される。
【0006】陰極線走査回路1は、各陰極線の電位を個
々に定める陰極線B1〜Bnに対応する走査スイッチ51
〜5nを有し、個々が、電源電圧から得られる逆バイア
ス電位VCC(例えば10V)及びアース電位(0V)の
うちのいずれか一方を、対応する陰極線に接続する。陽
極線ドライブ回路2は、各陽極線を通じて駆動電流をE
L素子個々に供給する陽極線A1〜Amに対応した電流源
1〜2m(例えば定電流源)及びドライブスイッチ61
〜6mを有し、ドライブスイッチが電流を個々に陽極線
に流すオンオフ制御するように構成される。駆動源は定
電圧源等の電圧源を用いることも可能であるが、上述し
た電流−輝度特性が温度変化に対して安定しているのに
対し電圧−輝度特性が温度変化に対して不安定であるこ
と等の理由により、電流源(供給電流量が所望の値とな
るように制御される電源回路)を用いるのが一般的であ
る。電流源21〜2mの供給電流量は、EL素子が所望の
瞬時輝度で発光する状態(以下、この状態を定常発光状
態と称する。)を維持するために必要な電流量とされ
る。また、EL素子が定常発光状態にある時は、上述し
たEL素子の容量成分Cには供給電流量に応じた電荷が
充電されているため、EL素子の両端電圧は瞬時輝度に
対応した規定値Ve(以下、これを発光規定電圧と称す
る。)となる。
【0007】陽極線はまた、陽極線リセット回路3に接
続される。この陽極線リセット回路3は、陽極線毎に設
けられたシャントスイッチ71〜7mを有し、該シャント
スイッチが選択されることによって陽極線をアース電位
に設定する。陰極線走査回路1、陽極線ドライブ回路2
及び陽極線リセット回路3は発光制御回路4に接続され
る。
【0008】発光制御回路4は、図示せぬビデオ信号発
生系から供給されたビデオ信号に応じて当該ビデオ信号
が担う画像を表示させるべく陰極線走査回路1、陽極線
ドライブ回路2及び陽極線リセット回路3を制御する。
発光制御回路4は、陰極線走査回路1に対して、走査線
選択制御信号を発生し、ビデオ信号の水平走査期間に対
応する陰極線のいずれかを選択してアース電位に設定
し、その他の陰極線は逆バイアス電位VCCが印加される
ように走査スイッチ51〜5nを切り換える制御を行う。
逆バイアス電位VCCは、ドライブされている陽極線と走
査選択がされていない陰極線との交点に接続されたEL
素子がクロストーク発光することを防止するために、陰
極線に接続される定電圧源によって印加されるものであ
り、逆バイアス電位VCC=発光規定電圧Veと設定され
るのが一般的である。走査スイッチ51〜5nが水平走査
期間毎に順次アース電位に切り換えられるので、アース
電位に設定された陰極線は、その陰極線に接続されたE
L素子を発光可能とする走査線として機能することとな
る。
【0009】陽極線ドライブ回路2は、かかる走査線に
対して発光制御を行う。発光制御回路4は、ビデオ信号
が示す画素情報に従って当該走査線に接続されているE
L素子のどれをどのタイミングでどの程度の時間に亘っ
て発光させるかについてを示すドライブ制御信号を発生
し、陽極線ドライブ回路2に供給する。陽極線ドライブ
回路2は、このドライブ制御信号に応じて、ドライブス
イッチ61〜6mのいくつかをオンオフ制御し、陽極線A
1〜Amを通じて画素情報に応じた該当EL素子への駆動
電流の供給をなす。これにより、駆動電流の供給された
EL素子は、当該画素情報に応じた発光をなすこととな
る。
【0010】陽極線リセット回路3のリセット動作は、
発光制御回路4からのリセット制御信号に応じて行われ
る。陽極線リセット回路3は、リセット制御信号が示す
リセット対象の陽極線に対応するシャントスイッチ71
〜7mのいずれかをオンしそれ以外はオフとする。本願
と同一の出願人による特開平9−232074号公報に
は、単純マトリクス発光表示パネルにおける、走査線を
切り換える直前に格子状に配された各EL素子の蓄積電
荷を放出させるリセット動作を行う駆動法(以下、リセ
ット駆動法と呼ぶ)が開示されている。このリセット駆
動法は、走査線を切り換えた際のEL素子の発光立上り
を早めるものである。この単純マトリクス表示パネルの
リセット駆動法について図4〜図6を参照して説明す
る。
【0011】なお、以下に述べる図4〜図6に示す動作
は、陰極線B1を走査してEL素子E1,1及びE2,1を光
らせた後、陰極線B2に走査を移してEL素子E2,2及び
3, 2を光らせる場合を例に挙げたものである。また、
説明を分かり易くするために、光っているEL素子はダ
イオード記号にて示され、光っていないEL素子はコン
デンサ記号にて示される。また、陰極線B1〜Bnに印加
される逆バイアス電位VCCは、EL素子の発光規定電圧
Veと同じ10Vとされている。
【0012】先ず、図4においては、走査スイッチ51
のみが0Vのアース電位側に切り換えられ、陰極線B1
が走査されている。他の陰極線B2〜Bnには、走査スイ
ッチ52〜5nにより逆バイアス電位VCCが印加されてい
る。同時に、陽極線A1及びA2には、ドライブスイッチ
1及び62によって電流源21及び22が接続されてい
る。また、他の陽極線A3〜Amには、シャントスイッチ
3〜7mによって0Vのアース電位側に切り換えらてい
る。したがって、図4の場合、EL素子E1,1とE2,1
みが順方向にバイアスされ、電流源21及び22から矢印
のように駆動電流が流れ込み、EL素子E1,1及びE2,1
のみが発光することとなる。この状態においては、ハッ
チングして示される非発光のEL素子E3,2〜Em,nは、
それぞれ図示の如き極性に充電されることとなる。
【0013】この図4の定常発光状態から、次のEL素
子E2,2及びE3,2の発光をなす状態に走査を移行する直
前に、以下のようなリセット制御が行われる。すなわ
ち、図5に示すように全てのドライブスイッチ61〜6m
を開放するとともに、全ての走査スイッチ51〜5nと全
てのシャントスイッチ71〜7mを0Vのアース電位側に
切り換え、陽極線A1〜Amと陰極線B1〜Bnの全てを一
旦0Vのアース電位側にシャントし、オールリセットを
掛ける。このオールリセットが行われると、陽極線と陰
極線の全てが0Vの同電位となるので、各EL素子に充
電されていた電荷は図中の矢印で示すようなルートを通
って放電し、全てのEL素子の充電電荷が瞬時のうちに
無くなる。
【0014】このようにして全てのEL素子の充電電荷
をゼロにした後、今度は図6に示すように、陰極線B2
に対応する走査スイッチ52のみを0V側に切り換え、
陰極線B2の走査を行う。これと同時に、ドライブスイ
ッチ62及び63を閉じて電流源22及び23を対応の陽極
線に接続せしめるとともに、シャントスイッチ71,74
〜7mをオンとし、陽極線A1,A4〜Amに0Vを与え
る。
【0015】このように、上記リセット駆動法の発光制
御は、陰極線B1〜Bnのうちのいずれかをアクティブに
する期間である走査モードと、これに後続するリセット
モードとの繰り返しである。かかる走査モードとリセッ
トモードは、ビデオ信号の1水平走査期間(1H)毎に
行われる。仮にリセット制御をせずに、図4の状態から
図6の状態に直接移行したとすると、例えば、電流源2
3から供給される駆動電流は、EL素子E3,2に流れ込む
だけではなく、EL素子E3,3〜E3,nに充電された逆方
向電荷(図4に図示)のキャンセルにも費やされるた
め、EL素子E 3,2を定常発光状態にする(EL素子E
3,2の両端電圧を発光規定電圧Veにする)には時間を
要することとなる。
【0016】しかしながら、上述したリセット制御を行
うと、陰極線B2の走査に切り換わった瞬間において、
陽極線A2及びA3の電位は約VCCとなるため、次に発光
させるべきEL素子E2,2及びE3,2には、電流源22
び23だけではなく陰極線B1、B3〜Bnに接続された定
電圧源からの複数のルートからも充電電流が流れ込み、
この充電電流によって寄生容量が充電されて発光規定電
圧Veまで瞬時に達し定常発光状態に瞬時に移行でき
る。その後、陰極線B2の走査期間内においては上述し
たように電流源から供給される電流量はEL素子が発光
規定電圧Veでの定常発光状態を維持できるだけの電流
量とされているので、電流源22及び23から供給される
電流はEL素子E2,2及びE3,2のみに流れ込み、すべて
が発光に費やされる。すなわち図6に示される発光状態
を持続する。
【0017】以上述べたように、従来のリセット駆動法
によれば、次の走査線の発光制御に移行する前に、陰極
線と陽極線の全てが一旦アース電位である0V又は逆バ
イアス電位VCCの同電位に接続されてリセットされるの
で、次の走査線に切り換えられた際に、発光規定電圧V
eまでの充電を速くし、切り換えられた走査線上の発光
すべきEL素子の発光の立上りを早くすることができ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】図4及び図6に示した
ように、いずれかの陰極線にアース電位が印加されるこ
とにより走査が行われているとき、走査されていない陰
極線には電圧VCCが印加され、電流源からの電流供給が
行われてない陽極線にはアース電位が印加される。すな
わち、図4の場合にはEL素子E3,2〜Em,n各々の陽極
・陰極間に、また図6の場合にはEL素子E1,1,E4,1
〜Em,1,E1,3〜E1,n,E4,3〜Em,n各々の陽極・陰
極間にはほぼ電圧VCCが逆バイアスで印加される。この
逆バイアスの電圧Vccが印加されたEL素子は充電さ
れ、充電された電荷はその後の走査による陰極線のアー
ス電位供給や電流源からの電流供給により放電してしま
う。この充放電した電荷はEL素子の発光には全く寄与
しない無駄なものであるという問題点があった。特に、
その充放電による電力損失は発光表示パネル内のEL素
子の数に比例して大きくなるので、表示面積が大なるほ
ど無駄な電力損失も大きくなる。
【0019】そこで、本発明の目的は、発光に寄与しな
い無駄な電力消費を低減させることができる発光表示パ
ネルの駆動装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の発光表示パネル
の駆動装置は、互いに交差する複数のドライブ線及び複
数の走査線と、ドライブ線及び走査線による複数の交差
位置各々にて走査線及びドライブ線間に接続され極性を
有する複数の容量性発光素子とからなる発光表示パネル
の駆動装置であって、入力ビデオ信号の走査タイミング
に応じて複数の走査線のうちから1の走査線を選択する
走査期間を設定し、走査期間に入力ビデオ信号に応じて
1の走査線上の発光させるべき容量性発光素子に対応す
る発光ドライブ線を指定し、走査期間各々の間にリセッ
ト期間を設定し、リセット期間にその前後の走査期間各
々において非発光させるべき容量性発光素子だけが接続
されたドライブ線を非リセットドライブ線として指定す
る制御手段と、走査期間に1の走査線に容量性発光素子
の発光閾値電圧より低い第1電位を印加しかつ1の走査
線以外の走査線に発光閾値電圧より高い第2電位を印加
し、リセット期間に第2電位を複数の走査線の全てに印
加する走査手段と、走査期間に発光閾値電圧以上の正電
圧を発光させるべき容量性発光素子に順方向に印加する
ために発光ドライブ線に駆動電流を供給しかつ発光ドラ
イブ線以外のドライブ線に発光閾値電圧より若干低い第
3電位を印加し、リセット期間には複数のドライブ線の
うちの非リセットドライブ線を除くドライブ線に第2電
位に等しい電位の第4電位を供給しかつ前記非リセット
ドライブ線に第3電位を印加するドライブ手段と、を備
えたことを特徴としている。
【0021】かかる本発明の構成によれば、走査期間に
は、走査のために選択された1の走査線に発光閾値電圧
より低い第1電位が印加されかつ1の走査線以外の走査
線に発光閾値電圧より高い第2電位が印加され、複数の
ドライブ線のうちの発光させるべき容量性発光素子が接
続された発光ドライブ線以外のドライブ線には発光閾値
電圧より若干低い第4電位が印加される。この結果、走
査期間には1の走査線以外の走査線と発光ドライブ線以
外のドライブ線とが交差する位置に配置された容量性発
光素子各々には比較的低い逆バイアス電圧が印加され
る。その逆バイアス電圧によって充電される発光に寄与
しない電荷は従来より減少するので、無駄な電力消費を
低減させることができる。
【0022】更に、かかる本発明の構成によれば、リセ
ット期間においてはその前後の走査期間各々において非
発光させるべき容量性発光素子だけが接続されたドライ
ブ線を非リセットドライブ線として指定し、第2電位を
複数の走査線の全てに印加し、かつ複数のドライブ線の
うちの非リセットドライブ線を除くドライブ線に第2電
位に等しい電位の第4電位を供給しかつ非リセットドラ
イブ線に第3電位を印加することが行われる。これによ
り、その非リセットドライブ線に接続された容量性発光
素子に逆バイアス電圧による充電電荷が今回のリセット
期間に放電されず維持されるので、次の走査期間におい
てそれらの容量性発光素子に逆バイアス電圧が印加され
てもほとんど充電されない故、無駄な電力消費を低減さ
せることができる。
【0023】また、本発明の発光表示パネルの駆動装置
は、互いに交差する複数のドライブ線及び複数の走査線
と、ドライブ線及び走査線による複数の交差位置各々に
て走査線及びドライブ線間に接続され極性を有する複数
の容量性発光素子とからなる発光表示パネルの駆動装置
であって、入力ビデオ信号の走査タイミングに応じて複
数の走査線のうちから1の走査線を選択する走査期間を
設定し、走査期間に入力ビデオ信号に応じて1の走査線
上の発光させるべき容量性発光素子に対応する発光ドラ
イブ線を指定し、走査期間各々の間にリセット期間を設
定し、リセット期間にその次の走査期間において非発光
にさせるべき容量性発光素子だけが接続されたドライブ
線を非リセットドライブ線として指定する制御手段と、
走査期間に1の走査線に容量性発光素子の発光閾値電圧
より低い第1電位を印加しかつ1の走査線以外の走査線
に発光閾値電圧より高い第2電位を印加し、リセット期
間に第2電位を複数の走査線の全てに印加する走査手段
と、走査期間に発光閾値電圧以上の正電圧を発光させる
べき容量性発光素子に順方向に印加するために発光ドラ
イブ線に駆動電流を供給しかつ発光ドライブ線以外のド
ライブ線に発光閾値電圧より若干低い第3電位を印加
し、リセット期間には複数のドライブ線のうちの非リセ
ットドライブ線を除くドライブ線に第2電位に等しい電
位の第4電位を供給しかつ前記非リセットドライブ線に
第3電位を印加するドライブ手段と、を備えたことを特
徴としている。
【0024】かかる本発明の構成によれば、走査期間に
は、走査のために選択された1の走査線に発光閾値電圧
より低い第1電位が印加されかつ1の走査線以外の走査
線に発光閾値電圧より高い第2電位が印加され、複数の
ドライブ線のうちの発光させるべき容量性発光素子が接
続された発光ドライブ線以外のドライブ線には発光閾値
電圧より若干低い第4電位が印加される。この結果、走
査期間には1の走査線以外の走査線と発光ドライブ線以
外のドライブ線とが交差する位置に配置された容量性発
光素子各々には比較的低い逆バイアス電圧が印加され
る。その逆バイアス電圧によって充電される発光に寄与
しない電荷は従来より減少するので、無駄な電力消費を
低減させることができる。
【0025】更に、かかる本発明の構成によれば、リセ
ット期間においてはその次の走査期間において非発光さ
せるべき容量性発光素子だけが接続されたドライブ線を
非リセットドライブ線として指定し、第2電位を複数の
走査線の全てに印加し、かつ複数のドライブ線のうちの
非リセットドライブ線を除くドライブ線に第2電位に等
しい電位の第4電位を供給しかつ非リセットドライブ線
に第3電位を印加することが行われる。これにより、そ
の非リセットドライブ線に接続された容量性発光素子に
逆バイアス電圧による充電電荷が今回のリセット期間に
放電されず維持されるので、次の走査期間においてそれ
らの容量性発光素子に逆バイアス電圧が印加されてもほ
とんど充電されない故、無駄な電力消費を低減させるこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しつつ詳細に説明する。図7は本発明を容量性発光素
子としてEL素子を用いた発光表示パネルに適用したデ
ィスプレイ装置の概略的な構成を示している。このディ
スプレイ装置は、容量性発光表示パネル11と、発光制
御部12と、陰極線走査回路13と、陽極線ドライブ回
路14とを有する。
【0027】図8に示すように、発光表示パネル11に
おいては、図4〜図6に示したものと同様に、複数のE
L素子Ei,j(1≦i≦m,1≦j≦n)は、ドライブ線
の陽極線A1〜Am及び走査線の陰極線B1〜Bnの複数の
交差位置にマトリクス状に配置されかつ走査線及びドラ
イブ線間に接続されている。すなわち、EL素子は、略
平行に伸長した複数のドライブ線及び各々がドライブ線
に略垂直で略平行に伸長した複数の走査線の各交差位置
に配置されかつ走査線及びドライブ線に接続されてい
る。なお、図8においてEL素子Ei,jはコンデンサ記
号にて示されている。
【0028】発光表示パネル11には、陰極線B1 〜B
nには陰極線走査回路13が接続され、陽極線A1〜Am
には陽極線ドライブ回路14が接続されている。陰極線
走査回路13は陰極線B1〜Bn各々に対応して備えられ
た走査スイッチ161〜16nを有し、走査スイッチ16
1〜16n各々は対応する陰極線に対してアース電位及び
逆バイアス電位Vccのいずれか一方の電位を供給する。
走査スイッチ161 〜16nが発光制御部12からの制
御によって水平走査期間毎に順次アース電位に切り換え
られるので、アース電位に設定された陰極線B1 〜Bn
は、その陰極線に接続された素子を発光可能とする走査
線として機能することとなる。
【0029】陽極線ドライブ回路14は陽極線A1〜Am
各々に対応して備えられた電流源171〜17m、ドライ
ブスイッチ181〜18m及び電圧源201〜20mを有し
ている。電圧源201〜20m各々はその正負端子間に電
圧VLを生成する。電圧VLは発光閾値電圧Vthより以下
であってその発光閾値電圧Vthに近い電圧である。ドラ
イブスイッチ181〜18m各々は3つの固定接点を有す
る切換スイッチであり、可動接点は対応する陽極線A1
〜Amに接続されている。ドライブスイッチ18 1〜18
m各々の第1固定接点には対応する電圧源201〜20m
の正端子が接続され、第2固定接点には電流源171
17mの出力端子が接続され、第3固定接点には電位Vc
cが印加されている。なお、電圧源201〜20m各々の
負端子はアース接続されている。また、電位Vccは図示
していない電圧源から出力される。
【0030】発光制御部12は、図示せぬビデオ信号発
生系から供給されたビデオ信号に応じて当該ビデオ信号
が担う画像を発光表示パネル11に表示させるべく陰極
線走査回路13及び陽極線ドライブ回路14を制御す
る。この制御はリセット期間と走査期間とに分けられて
行われる。発光制御部12は、リセット期間にはリセッ
ト信号を発生する。リセット信号は陰極線走査回路13
及び陽極線ドライブ回路14に供給される。陰極線走査
回路13はリセット信号に応じて陰極線B1〜Bnの全て
に逆バイアス電位VCCが印加されるように走査スイッチ
161〜16nを切り換える制御を行う。陽極線ドライブ
回路14はリセット信号に応じて陽極線A1〜Amに電位
CCが印加されるようにドライブスイッチ181〜18m
を切り換える制御を行う。ただし、後述するように、前
回の走査期間又は今回の走査期間に発光するEL素子が
接続されていない陽極線(非リセットドライブ線)につ
いては電位VLが印加されるようにドライブスイッチ1
1〜18mが制御される。
【0031】発光制御部12は、走査期間において陰極
線走査回路13に対して、走査線選択制御信号を発生
し、ビデオ信号の水平走査期間に対応する陰極線B1
nのうちのいずれか1を選択してアース電位に設定
し、その他の陰極線は逆バイアス電位VCCが印加される
ように走査スイッチ161〜16nを切り換える制御を行
う。逆バイアス電位VCCは、ドライブされている陽極線
と走査選択がされていない陰極線との交点に接続された
素子がクロストーク発光することを防止するために、陰
極線に接続される定電圧源(図示せず)によって印加さ
れる。走査スイッチ161〜16nが水平走査期間毎に順
次アース電位に切り換えられるので、アース電位に設定
された陰極線B1〜Bnは、その陰極線に接続された素子
を発光可能とする走査線として機能することとなる。
【0032】また、発光制御部12は、走査期間におい
てビデオ信号が示す画素情報に従って走査線に接続され
ている素子のどれをどのタイミングでどの程度の時間に
亘って発光させるかについてを示すドライブ制御信号を
発生し、ドライブ制御信号は陽極線ドライブ回路14に
供給される。陽極線ドライブ回路14では、このドライ
ブ制御信号に応じて、ドライブスイッチ181〜18m
うちの発光させるべきEL素子が接続された陽極線に対
応するものが電流源側に切り換え制御され、陽極線A1
〜Amのうちの対応する陽極線を通じて画素情報に応じ
た該当素子への駆動電流の供給が行われ、それ以外のド
ライブスイッチは第1固定接点を選択して電圧源201
〜20mによる電位VLの供給が行われる。
【0033】発光制御部12内は、図7に示すように構
成されている。図7において、同期分離回路41は、供
給された入力ビデオ信号中から水平及び垂直同期信号を
抽出してこれらをタイミングパルス発生回路42に供給
する。タイミングパルス発生回路42は、これら抽出さ
れた水平及び垂直同期信号に基づいた同期信号タイミン
グパルスを発生してこれをA/D変換器43、制御回路
45及び走査タイミング信号発生回路47の各々に供給
する。A/D変換器43は、上記同期信号タイミングパ
ルスに同期して入力ビデオ信号を1画素毎に対応したデ
ィジタル画素データに変換し、これをメモリ44に供給
する。制御回路45は、後述する駆動方法に基づいて上
記同期信号タイミングパルスに同期した書込信号及び読
出信号をメモリ44に供給する。メモリ44は、書込信
号に応じて、A/D変換器43から供給された各画素デ
ータを順次取り込む。また、メモリ44は、読出信号に
応じて、このメモリ44内に記憶されている画素データ
を順次読み出して次段の出力処理回路46へ供給する。
走査タイミング信号発生回路47は、走査スイッチ及び
ドライブスイッチを制御するための各種タイミング信号
を発生してこれらを陰極線走査回路13及び出力処理回
路46の各々に供給する。これにより陰極線走査回路1
3には走査タイミング信号発生回路47から走査選択制
御信号が供給される。出力処理回路46は、走査タイミ
ング信号発生回路47からのタイミング信号に同期させ
て、メモリ44から供給された画素データに応じたドラ
イブ制御信号を陽極線ドライブ回路14に供給する。ま
た、制御回路45はリセット期間にはリセット信号を出
力処理回路46を介して陽極線ドライブ回路14に供給
し、走査タイミング信号発生回路47を介して陰極線走
査回路13に供給する。
【0034】発光制御部12の制御回路45における容
量性発光表示パネルの駆動動作を図9のフローチャート
に基づいて説明する。制御回路45は、供給される画素
データの1水平走査期間毎に発光制御ルーチンを実行す
る。発光制御ルーチンにおいては、先ず、1水平走査期
間分の画素データを取り込み(ステップS1)、その画
素データに応じて今回の走査期間に電位VLが印加され
るべき陽極線のうち前回の走査期間において電位VL
印加された陽極線(非リセットドライブ線)があるか否
かを判別する(ステップS2)。前回及び今回の走査期
間の各々において電位VLが印加される陽極線とはその
陽極線に接続された全てのEL素子はいずれの期間でも
発光しないことを意味する。この判別では、今回の走査
期間に第1固定接点に切換られるべく制御するドライブ
スイッチのうち前回の走査期間においても第1固定接点
に切換られるべく制御したドライブスイッチがあるか否
かを判別しても良い。
【0035】前回の走査期間及び今回の走査期間のうち
の少なくとも一方の期間に電位VLが印加されない陽極
線があるならば、全ての陽極線A1〜Am及び陰極線B1
〜Bnに電位Vccを印加させるリセット信号を発生する
(ステップS3)。一方、前回の走査期間において電位
Lが印加され、今回の走査期間も電位VLが印加される
べき陽極線があるならば、その陽極線に電位VLを印加
させて残りの陽極線及び全ての陰極線B1〜Bnに電位V
ccを印加させるべくリセット信号を発生する(ステップ
S4)。リセット信号は陰極線走査回路13及び陽極線
ドライブ回路14に供給される。
【0036】ステップS3のリセット信号の場合、陰極
線走査回路13はリセット信号に応じて全ての走査スイ
ッチ161〜16nの可動接点を電位Vcc側固定接点に切
り換える。陽極線ドライブ回路14はリセット信号に応
じて全てのドライブスイッチ181〜18nの可動接点を
電位Vcc側の第3固定接点に切り換える。これにより全
てのEL素子Ei,jの両端が電位Vccとなり、蓄電され
ていた素子の電荷は放電されることになる。
【0037】ステップS4のリセット信号の場合には、
陰極線走査回路13はリセット信号に応じて全ての走査
スイッチ161〜16nの可動接点を電位Vcc側固定接点
に切り換えるが、陽極線ドライブ回路14は前回及び今
回の走査期間各々において電位VLが印加される陽極線
に対応するドライブスイッチは電位VL側の第1固定接
点に切り換えられたままとなり、その他の陽極線に対応
するドライブスイッチは電位Vcc側の第3固定接点に切
り換えられる。前回及び今回の走査期間各々において電
位VLが印加される陽極線がAk(kは1〜mのうちの少
なくとも1)であるならば、EL素子Ek,jを除くEL
素子Ei,jの両端が電位Vccとなり、蓄電されていた素
子の電荷は放電されることになる。EL素子Ek,jには
電圧Vcc−VLが逆バイアスで印加される。
【0038】リセット期間は一定であっても良いし、走
査期間Tに応じて変化する長さであっても良い。制御回
路45は、リセット期間の終了後、ステップS1で取り
込んだ1水平走査期間分の画素データが示す画素情報に
応じて走査選択制御信号及びドライブ制御信号を発生す
る(ステップS5)。
【0039】走査選択制御信号は陰極線走査回路13に
供給される。陰極線走査回路13は走査選択制御信号が
示す今回の水平走査期間に対応する陰極線B1〜Bnのう
ちの1の陰極線をアース電位に設定するためにその1の
陰極線に対応する走査スイッチ(161〜16nのうちの
1の走査スイッチ16S、なお、Sは1〜nのうちの
1)をアース側に切り換える。その他の陰極線には逆バ
イアス電位VCCを印加するために走査スイッチ(161
〜16nのうちの1の走査スイッチ16S以外の全て)を
アース側に切り換える。
【0040】ドライブ制御信号は陽極線ドライブ回路1
4に供給される。陽極線ドライブ回路14では、ドライ
ブ制御信号が示す今回の水平走査期間内で陽極線A1
mのうちの発光駆動すべきEL素子が接続された陽極
線に対応するドライブスイッチ(181〜18mのうちの
いずれかのドライブスイッチ)が電流源(171〜17m
のうちの対応するもの)側の第2固定接点に切り換えら
れ、その他の陽極線に対応するドライブスイッチは電圧
源(201〜20mのうちの対応するもの)側の第1固定
接点に切り換えられる。
【0041】これにより、例えば、ドライブスイッチ1
1が電流源171側に切り換えられた場合には電流源1
1からドライブスイッチ181、陽極線A1、EL素子
1,S、陰極線BS、走査スイッチ16S、そしてアース
へと駆動電流が流れ、駆動電流の供給されたEL素子E
1,Sは、当該画素情報に応じた発光をなすこととなる。
第1固定接点に切換られたドライブスイッチが例えば、
183であれば、陽極線A3には電圧源203の電位VL
ドライブスイッチを介して印加され、EL素子E3,S
除くEL素子E3,1〜E3,nには電圧Vcc−VLが印加さ
れる。EL素子E3,Sには発光閾値電圧Vthより低い電
圧VLが順方向に印加される。よって、EL素子E3,1
3,nは印加電圧により充電される。
【0042】制御回路45は、ステップS5の実行後、
予め定められた走査期間Tが経過したか否かを判別する
(ステップS6)。走査期間Tは、例えば、予め定めら
れた水平走査期間及び画素データ中の輝度情報に対応し
て設定されている。走査期間の計測は図示しない内部カ
ウンタによって実行される。走査期間Tが経過したなら
ば、ドライブ停止信号を発生する(ステップS7)。こ
れにより走査期間Tが経過した場合には、制御回路45
は、ステップS7に進んでドライブ停止信号を発生して
発光制御ルーチンを終了し、次の水平走査期間が開始さ
れるまで待機することになる。次の水平走査期間が開始
されると、上記のステップS1〜S7の動作が繰り返さ
れる。図10はかかる発光駆動動作によるリセット期間
と走査期間Tとの関係を示している。図10の走査期間
Tはリセット期間の終了から次の水平走査期間の開始ま
でである。このように走査期間Tが次の水平走査期間の
開始までならば、ステップS6及びS7を省略しても良
い。
【0043】次に、かかる制御回路45の制御動作によ
って陰極線B1を走査して素子E1,1及びE2,1を光らせ
た後、陰極線B2に走査を移して素子E2,2及びE3,2
光らせる場合について図11〜図13を参照しつつ説明
する。また、図11〜図13においては図4〜図6の場
合と同様に説明を分かり易くするために、光っているE
L素子はダイオード記号にて示され、光っていないEL
素子はコンデンサ記号にて示されている。
【0044】先ず、図11においては、走査スイッチ1
1のみが0Vのアース電位側に切り換えられ、陰極線
1が走査されている。他の陰極線B2〜Bnには、走査
スイッチ162〜16nにより逆バイアス電位VCCが印加
されている。同時に、陽極線A1及びA2には、ドライブ
スイッチ181及び182によって電流源171及び172
が接続され、他の陽極線A3〜Amには、ドライブスイッ
チ183〜18mによって電位VLが印加される。従っ
て、図11の場合、EL素子E1,1とE2,1のみが順方向
にバイアスされ、電流源171及び172から矢印のよう
に駆動電流が流れ込み、素子E1,1及びE2,1のみが発光
することとなる。この発光状態においては、ハッチング
によって示されている非発光のEL素子E3,2〜Em,n
陽極陰極間には、電圧Vcc−VLが逆バイアスで印加さ
れ、それぞれ図示の如き極性で充電が行われることとな
る。電圧Vcc−VLは十分に低い電圧であるので、充電
電荷は従来に比べて小さい。また、ハッチングによって
示されている非発光のEL素子E3,1〜Em,1の陽極陰極
間には順方向に電圧VLが印加されるが、この電圧VL
発光閾値電圧Vthより低い電圧であるので、EL素子E
3,1〜Em,1は発光せず、充電されるだけである。
【0045】この図11の発光状態が走査期間Tだけ経
過すると、次の水平走査期間のEL素子E2,2及びE3,2
の発光をなす状態に走査を移行する前に、リセット制御
が行われる。図12に示すようにドライブスイッチ18
1〜183及び全て走査スイッチ161〜16nが電位Vcc
側に切り換えられるので、陽極線A1〜A3と陰極線B 1
〜Bnとが電位Vccに等しくされる。このリセット制御
により、各EL素子E1, 1〜E3,nに充電されていた電荷
は図中の矢印で示すようなルートを通って放電し、全て
の素子の充電電荷が瞬時のうちに無くなる。一方、陽極
線A4〜Amには今回の走査期間においても発光のための
駆動電流が供給されないので、ドライブスイッチ184
〜18mによって陽極線A4〜Amには電位VLが印加され
る。よって、EL素子E4,1〜Em,nには電圧Vcc−VL
が印加されるので、EL素子E4,2〜Em,nについては図
11の走査期間に充電された電荷はそのまま保持される
ことになる。EL素子E4,1〜Em,1についてはそれまで
の蓄積電荷が直ちに放電され、印加電圧Vcc−VLによ
る充電が行われる。
【0046】このようにしてEL素子E1,1〜E3,nの充
電電荷をゼロにした後、次の水平走査期間が開始される
と、今度は図13に示すように、陰極線B2に対応する
走査スイッチ162のみがアース電位側に切り換えら
れ、陰極線B2の走査が行われる。これと同時に、ドラ
イブスイッチ182及び183が電流源172及び173
に切り換えられて電流源172及び173の出力が対応の
陽極線A2及びA3に接続されるとともに、ドライブスイ
ッチ181が新たに電位VL側の第1固定接点に切り換え
られ、陽極線A1,A4〜Amには電位VLが与えられる。
従って、図13の場合、素子E2,2及びE3,2のみが順方
向にバイアスされ、電流源172及び173から矢印のよ
うに駆動電流が流れ込み、素子E2,2及びE3,2のみが発
光することとなる。この発光状態においては、ハッチン
グによって示されている非発光のEL素子E1,1、E1,3
〜E1,n、E4,1〜Em,1、E4,3〜Em,nの陽極陰極間に
は、電圧Vcc−VLが逆バイアスで印加され、EL素子
1,1、E1,3〜E1,nについては図示の如き極性で充電
が新たに行われることとなる。EL素子E4,3〜Em,n
ついては電荷が保持されているので、電圧Vcc−VL
印加されても充電はほとんど行われない。
【0047】このように、走査期間に非発光のEL素子
に印加される逆バイアス電圧Vcc−VLは従来よりも低
く、その逆バイアス電圧によって充電される発光に寄与
しない電荷は従来より減少する。また、前回の走査期間
に電位VLが印加され、今回の走査期間にも電位VLが印
加されるべき陽極線(非リセットドライブ線)は、その
非リセットドライブ線に接続されたEL素子はいずれも
それら前回及び今回の走査期間では発光しないので、逆
バイアス電圧Vcc−VLによる充電電荷が今回のリセッ
ト期間に放電されず維持されるので、今回の走査期間に
おける逆バイアス電圧Vcc−VLによる充電電荷量を上
記の例ではEL素子E4,3〜Em,nの分だけ減少させるこ
とができる。
【0048】なお、上記した実施例において、ステップ
S2では、今回の走査期間に電位V Lが印加されるべき
陽極線のうち前回の走査期間において電位VLが印加さ
れた陽極線(非リセットドライブ線)があるか否かが判
別されたが、図14に示すように、ステップS2では今
回の走査期間に電位VLが印加されるべき陽極線(非リ
セットドライブ線)があるか否かを判別しても良い。今
回の走査期間に電位VLが印加されるべき陽極線がない
ならば、ステップS3に進み、今回の走査期間に電位V
Lが印加されるべき陽極線があるならば、ステップS4
に進むのである。
【0049】図15〜図17は、図14に示した制御動
作によって陰極線B1を走査してEL素子E1,1及びE
2,1を光らせた後、陰極線B2に走査を移してEL素子E
2,2及びE3,2を光らせる場合の動作状態を各々示してい
る。図15はEL素子E1,1及びE2,1を発光させる走査
期間であり、図11と同様である。図15の発光状態が
走査期間Tだけ経過すると、次の水平走査期間のEL素
子E2,2及びE3,2の発光をなす状態に走査を移行する前
に、リセット制御が行われる。図16に示すようにドラ
イブスイッチ182〜183及び全て走査スイッチ161
〜16nが電位Vcc側に切り換えられるので、陽極線
2,A3と陰極線B1〜Bnとが電位Vccに等しくされ
る。このリセット制御により、各EL素子E2,1〜E2,n
及びE3,1〜E3,nに充電されていた電荷は図中の矢印で
示すようなルートを通って放電し、全ての素子の充電電
荷が瞬時のうちに無くなる。一方、陽極線A1,A4〜A
mには今回の走査期間においても発光のための駆動電流
が供給されないので、ドライブスイッチ181,184
18mによって陽極線A1,A4〜Amには電位VLが印加
される。よって、EL素子E1,1〜E1,n,E4,1〜Em,n
には電圧Vcc−VLが印加されるので、EL素子E4,2
m,nについては図11の走査期間に充電された電荷は
そのまま保持されることになる。EL素子E1,1,E4 ,1
〜Em,1についてはそれまでの充電電荷が直ちに放電さ
れ、印加電圧Vcc−VLによる充電が行われる。EL素
子E1,2〜E1,nはそれまでに電荷がほとんど充電されて
いないので、印加電圧Vcc−VLによる充電が行われ
る。
【0050】このようにしてEL素子E2,1〜E3,nの充
電電荷をゼロにした後、次の水平走査期間が開始される
と、今度は図17に示すように、陰極線B2に対応する
走査スイッチ162のみがアース電位側に切り換えら
れ、陰極線B2の走査が行われる。これと同時に、ドラ
イブスイッチ182及び183が電流源172及び173
に切り換えられる。この切換は図13の場合と同様であ
り、EL素子E2,2及びE3 ,2のみが順方向にバイアスさ
れ、電流源172及び173から矢印のように駆動電流が
流れ込み、素子E2,2及びE3,2のみが発光することとな
る。この動作は図13と同様である。この発光状態にお
いては、ハッチングによって示されている非発光のEL
素子E1,1、E1,3〜E1,n、E4,1〜Em,1、E4,3〜E
m,nの陽極陰極間には、電圧Vcc−VLが逆バイアスで印
加され、EL素子E1,1、E1,3〜E1,n、E4,3〜Em,n
には電荷が保持されているので、電圧Vcc−VLが印加
されても充電はほとんど行われない。
【0051】また、上記した実施例においては、第1電
位はアース電位に等しくされ、第2電位及び第4電位は
容量性発光素子の発光規定電圧Veにほぼ等しい電位V
ccにされているが、これに限定されることはない。
【0052】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、1の走査
線以外の走査線と発光ドライブ線以外のドライブ線とが
交差する位置に配置された容量性発光素子各々には比較
的低い逆バイアス電圧が印加され、その逆バイアス電圧
によって充電される発光に寄与しない電荷は従来より減
少するので、無駄な電力消費を低減させることができ
る。
【0053】また、かかる本発明によれば、非リセット
ドライブ線に接続された容量性発光素子に逆バイアス電
圧による充電電荷が今回のリセット期間に放電されず維
持されるので、次の走査期間においてそれらの容量性発
光素子に逆バイアス電圧が印加されてもほとんど充電さ
れない故、無駄な電力消費を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EL素子の断面図である。
【図2】EL素子の等価回路を示す図である。
【図3】EL素子の駆動電圧−電流−発光輝度特性を概
略的に示す図である。
【図4】EL素子を用いた発光表示パネルの従来の駆動
装置に適用されるリセット駆動法を説明するためのブロ
ック図である。
【図5】EL素子を用いた発光表示パネルの従来の駆動
装置に適用されるリセット駆動法を説明するためのブロ
ック図である。
【図6】EL素子を用いた発光表示パネルの従来の駆動
装置に適用されるリセット駆動法を説明するためのブロ
ック図である。
【図7】本発明による発光表示パネルの駆動装置の構成
を示すブロック図である。
【図8】図7の装置の発光表示パネル、陰極線走査回路
及び陽極線ドライブ回路を具体的に示す図である。
【図9】発光制御回路によって実行される発光駆動動作
を示すフローチャートである。
【図10】走査期間とリセット期間との関係を示す図で
ある。
【図11】図9の発光駆動動作を説明するためのブロッ
ク図である。
【図12】図9の発光駆動動作を説明するためのブロッ
ク図である。
【図13】図9の発光駆動動作を説明するためのブロッ
ク図である。
【図14】発光制御回路によって実行される発光駆動動
作の他の例を示すフローチャートである。
【図15】図14の発光駆動動作を説明するためのブロ
ック図である。
【図16】図14の発光駆動動作を説明するためのブロ
ック図である。
【図17】図14の発光駆動動作を説明するためのブロ
ック図である。
【符号の説明】
1,13 陰極線走査回路 2,14 陽極線ドライブ回路 21〜2m,171〜17m 電流源 3 陽極線リセット回路 51〜5n,161〜16n 走査スイッチ 61〜6m,181〜18m ドライブスイッチ 71〜7m シャントスイッチ 11 発光表示パネル A1〜Am 陽極線 B1〜Bn 陰極線 E1,1〜Em,n 有機エレクトロルミネッセンス素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに交差する複数のドライブ線及び複
    数の走査線と、前記ドライブ線及び前記走査線による複
    数の交差位置各々にて前記走査線及び前記ドライブ線間
    に接続され極性を有する複数の容量性発光素子とからな
    る発光表示パネルの駆動装置であって、 入力ビデオ信号の走査タイミングに応じて前記複数の走
    査線のうちから1の走査線を選択する走査期間を設定
    し、前記走査期間に前記入力ビデオ信号に応じて前記1
    の走査線上の発光させるべき容量性発光素子に対応する
    発光ドライブ線を指定し、前記走査期間各々の間にリセ
    ット期間を設定し、前記リセット期間にその前後の走査
    期間各々において非発光にさせるべき容量性発光素子だ
    けが接続されたドライブ線を非リセットドライブ線とし
    て指定する制御手段と、 前記走査期間に前記1の走査線に前記容量性発光素子の
    発光閾値電圧より低い第1電位を印加しかつ前記1の走
    査線以外の走査線に前記発光閾値電圧より高い第2電位
    を印加し、前記リセット期間に前記第2電位を前記複数
    の走査線の全てに印加する走査手段と、 前記走査期間に前記発光閾値電圧以上の正電圧を前記発
    光させるべき容量性発光素子に順方向に印加するために
    前記発光ドライブ線に駆動電流を供給しかつ前記発光ド
    ライブ線以外のドライブ線に前記発光閾値電圧より若干
    低い第3電位を印加し、前記リセット期間には前記複数
    のドライブ線のうちの前記非リセットドライブ線を除く
    ドライブ線に前記第2電位に等しい電位の第4電位を供
    給しかつ前記非リセットドライブ線に前記第3電位を印
    加するドライブ手段と、を備えたことを特徴とする発光
    表示パネルの駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記第1電位はアース電位であり、前記
    第2電位は前記容量性発光素子の発光規定電圧にほぼ等
    しいことを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動電流は電流源から供給されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記容量性発光素子は有機エレクトロル
    ミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1記載
    の駆動装置。
  5. 【請求項5】 互いに交差する複数のドライブ線及び複
    数の走査線と、前記ドライブ線及び前記走査線による複
    数の交差位置各々にて前記走査線及び前記ドライブ線間
    に接続され極性を有する複数の容量性発光素子とからな
    る発光表示パネルの駆動装置であって、 入力ビデオ信号の走査タイミングに応じて前記複数の走
    査線のうちから1の走査線を選択する走査期間を設定
    し、前記走査期間に前記入力ビデオ信号に応じて前記1
    の走査線上の発光させるべき容量性発光素子に対応する
    発光ドライブ線を指定し、前記走査期間各々の間にリセ
    ット期間を設定し、前記リセット期間にその次の走査期
    間において非発光にさせるべき容量性発光素子だけが接
    続されたドライブ線を非リセットドライブ線として指定
    する制御手段と、 前記走査期間に前記1の走査線に前記容量性発光素子の
    発光閾値電圧より低い第1電位を印加しかつ前記1の走
    査線以外の走査線に前記発光閾値電圧より高い第2電位
    を印加し、前記リセット期間に前記第2電位を前記複数
    の走査線の全てに印加する走査手段と、 前記走査期間に前記発光閾値電圧以上の正電圧を前記発
    光させるべき容量性発光素子に順方向に印加するために
    前記発光ドライブ線に駆動電流を供給しかつ前記発光ド
    ライブ線以外のドライブ線に前記発光閾値電圧より若干
    低い第3電位を印加し、前記リセット期間には前記複数
    のドライブ線のうちの前記非リセットドライブ線を除く
    ドライブ線に前記第2電位に等しい電位の第4電位を供
    給しかつ前記非リセットドライブ線に前記第3電位を印
    加するドライブ手段と、を備えたことを特徴とする発光
    表示パネルの駆動装置。
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