JP2001109006A - 液晶注入方法及び液晶注入装置 - Google Patents

液晶注入方法及び液晶注入装置

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JP2001109006A
JP2001109006A JP28435599A JP28435599A JP2001109006A JP 2001109006 A JP2001109006 A JP 2001109006A JP 28435599 A JP28435599 A JP 28435599A JP 28435599 A JP28435599 A JP 28435599A JP 2001109006 A JP2001109006 A JP 2001109006A
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pressure
temperature
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Kiyoyuki Morita
清之 森田
Yasuhiro Hioki
康弘 日置
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速で液晶表示パネルへの液晶注入充填を行
い、かつ均一で表示品質の高い液晶表示装置を実現する
ための液晶注入方法及び装置を提供する。 【解決手段】 液晶表示パネル103をベッセル104
内に設置し、ベッセル104内に二酸化炭素と液晶の混
合物105を充満させて圧力を加え、温度も上昇させ、
ベッセル104内の温度を二酸化炭素の臨界温度Tc以
上に、かつ圧力を二酸化炭素の臨界圧力Pc以上に保持
する。この状態では、液晶は二酸化炭素に溶解してい
る。超臨界状態の二酸化炭素と液晶の混合物105の粘
度は低いため、小さな間隙にも高速で浸透する。次に、
ベッセル104内の圧力を低下させて、1気圧に戻す。
二酸化炭素は気体となって液晶表示パネル103の間隙
から排出され、結果的に液晶だけが間隙内に注入充填さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示パネルの
製造に用いるための液晶注入方法及び液晶注入装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置はCRTに替るディ
スプレイ装置として発展し、ノート型パーソナルコンピ
ュータのみならず、デスクトップ型パーソナルコンピュ
ータの表示装置や、比較的小さなテレビ受像機のブラウ
ン管までも一部置き換えが進んでいる。液晶表示装置を
さらに普及させるためには、現在よりも価格を低くし
て、CRTと同等の価格にする必要がある。そのために
は製造コスト削減、即ち製造の生産性向上が必須条件で
ある。製造の生産性向上のためにはTATを短くする必
要がある。現在TATの長い工程として最初に挙げられ
るのが、液晶表示パネルへの液晶注入工程である。
【0003】従来、液晶表示パネルへの液晶注入は一般
的に次のように行われていた。まず、表示素子駆動に必
要な素子を各々のガラス基板上に形成した後、スペーサ
を介してガラス基板を対向して貼り合わせる。次に、排
気装置を有する液晶注入用真空チャンバに内に、昇降可
能に支持された前記液晶表示パネルと、液晶を入れた液
晶皿とを設置する。この時、前記液晶表示パネルは液晶
注入口を下に向けて、液晶を入れた液晶皿の上方に設置
する。液晶注入用真空チャンバを排気して真空状態にし
た後、昇降装置を動作させて液晶表示パネルの液晶注入
口を液晶皿中の液晶に浸す。次に、液晶注入用真空チャ
ンバ中に空気または窒素を徐々に導入すると、液晶表示
パネル内部の圧力(ほぼ真空)と液晶注入用真空チャン
バ内の気体の圧力差により、常温でも液晶皿中の液晶が
吸い上げられて液晶表示パネル内部に注入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では生産性に問題があり、特に10インチを超える
大型液晶表示パネルでは、注入工程に2〜4時間もの長
時間を要していた。液晶表示パネルへの液晶注入に要す
る時間は、微細間隙への高粘度流体の注入という課題と
同じため、注入時の液晶表示パネル内外気圧差、液晶材
料の粘度、液晶表示パネルの間隙幅、液晶表示パネルの
パネル面および注入口の形状が大きく影響する。ところ
が、液晶表示パネルの間隙幅、液晶表示パネルのパネル
面および注入口の形状等は、表示装置としての性能等で
制約を受けているために任意には変えられない。よっ
て、液晶注入時間短縮のためには、内外気圧差を大きく
するか、液晶の粘度を下げることが考えられる。
【0005】液晶の粘度を下げるために、液晶充填時に
液晶表示パネルを加熱する方法が考えられるが、熱伝導
の低い真空中での加熱であることに加え、液晶表示パネ
ル材料も熱伝導の低いガラス基板を用いるため、赤外ラ
ンプヒータ加熱等では液晶表示パネル面内の温度を均一
にすることが困難である。よって、結果的に液晶表示パ
ネル面内の温度にむらを生じ、これがパネル面内の表示
むらを引き起こす。さらに、液晶表示パネルの加熱、冷
却にも長時間を要するため、加熱だけでは必ずしも生産
性の向上にはつながらなかった。
【0006】一方、内外気圧差を大きくするために外気
圧を高くして注入すると、外気圧にほぼ反比例して液晶
注入時間は短縮できる。ところが、液晶表示パネル内に
生じる高圧力・高粘性な液晶材料の高速流体は、ガラス
板間に設置されているスペーサを押し動かし、透明電極
やゲート、ソースラインの破損、断線を生じ、歩留まり
低下を引き起こす。また、配向膜に損傷を与え、TFT
ではリバースツイストドメインという逆捻れの不良を引
き起こし易くなる。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決すること
により、液晶表示パネルの生産性を飛躍的に向上し、か
つ表示品質の高い液晶表示装置を実現するための液晶注
入方法及び液晶注入装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶注入方法
は、液晶表示パネル内の微細空間中に液晶注入充填させ
る方法であって、液晶表示パネルを容器内に設置する工
程と、液晶を溶解するための流動体を超臨界状態もしく
は亜臨界状態に保持する工程と、上記液晶を上記流動体
に接触させて上記流動体中に溶解させる工程と、上記容
器内にて上記液晶表示パネルと上記流動体とを接触させ
て上記液晶表示パネル内の微細空間中に上記流動体を導
入する工程と、上記容器内の圧力、温度の少なくとも一
方を変化させた後上記液晶表示パネルを上記容器内から
取り出す工程を備えている。
【0009】この方法により、流動体が超臨界状態もし
くは亜臨界状態においては液晶を溶解する機能を顕著に
高めることを利用して、液晶表示パネル内の微細空間中
に効率よく液晶注入充填することができる。その場合、
超臨界状態や亜臨界状態にするための温度は、一般的に
比較的低温であるので、被処理物の温度をそれほど高い
温度に加熱しなくても液晶を容易に注入充填することが
できる。従って、高温にすると品質が劣化する性質を有
する液晶についても、品質の劣化を招くことなく注入充
填することが可能となる。また、高い処理効率により注
入充填に要する時間も短い。
【0010】本発明の液晶注入装置は、液晶表示パネル
内の微細空間中に液晶を注入するための液晶注入装置で
あって、液晶表示パネルを設置するためのベッセルと、
流動体を超臨界状態もしくは亜臨界状態に保持するよう
上記流動体の温度及び圧力を調整する温度圧力調整装置
と、上記液晶表示パネルへ注入充填するための液晶材料
を供給するための液晶供給装置と、上記液晶供給装置か
ら供給される原料を上記流動体に溶解させて上記液晶の
濃度を制御する液晶濃度制御装置と、上記ベッセル内の
圧力を一定に保持するための背圧制御装置とを備えてい
る。
【0011】これにより、液晶表示パネル内の微細空間
中に効率よく液晶を注入充填することができる。さら
に、使用後の上記流動体の圧力もしくは温度を変化させ
て上記流動体と上記液晶とを分離するための気液分離装
置と、上記気液分離装置にて分離された液晶を回収する
液晶回収装置と、を備えることにより、流動体や液晶材
料の再利用を行う機能を有する液晶注入装置が得られ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る液晶注入方法及び液晶注入装置について図面を参照し
ながら説明する。
【0013】(第1の実施形態)図1〜図3は、本発明
の第1の実施形態による液晶注入方法の工程を示す部分
断面図である。
【0014】まず、図1に示す工程において、液晶表示
装置構成上必要な素子や配向膜等を主として主面上に作
り込んだガラス基板101を、ガラス等で形成されたス
ペーサ102を介して張り合わせる。このようにして形
成されたものを以降、液晶表示パネル103と呼ぶ。
【0015】次に、図2において、液晶表示パネル10
3をベッセル104内に設置する。ベッセル104内に
徐々に二酸化炭素と液晶の混合物105を充満させて圧
力を加え、温度も上昇させ、ベッセル104内の温度を
二酸化炭素の臨界温度Tc(=31.2℃)以上に、か
つ圧力を二酸化炭素の臨界圧力Pc(=72.8気圧
(atm )≒7.4MPa)以上に保持する。この状態で
は、ベッセル104内の二酸化炭素105は全て超臨界
状態となっている。超臨界状態の二酸化炭素105に対
する有機物つまり炭素化合物の溶解度は非常に高いた
め、液晶は二酸化炭素105に全て溶解している状態で
ある。超臨界状態の二酸化炭素と液晶の混合物105の
粘度は低いため、μmオーダーの非常に小さな間隙にも
高速で浸透することができる。よって、液晶表示パネル
103の2枚のガラス基板101間に存在する間隙(主
にスペーサ102で規定される間隙)内にも高速で超臨
界状態の二酸化炭素と液晶の混合物105が浸透させる
ことができる。次に、ベッセル104内の圧力を低下さ
せて、1気圧に戻す。液晶表示パネル103の間隙内に
浸透した二酸化炭素と液晶の混合物105の中で、二酸
化炭素は気体となって液晶表示パネル103の間隙から
排出され、結果的に液晶だけが間隙内に注入充填され
る。この時、ベッセル104内の温度は二酸化炭素10
5の臨界温度Tc(=31.2℃)以上であればよいた
め、通常の熱処理に比較して非常に低温で液晶の注入充
填をすることが可能となる。また、超臨界状態の二酸化
炭素105は粘度も小さく、表面張力も小さいため、ガ
ラス板間に設置されているスペーサを押し動かして透明
電極やゲート、ソースラインを破損、断線することも少
なく、歩留まり低下を引き起こすことはない。同様の理
由で、配向膜に損傷を与えるような不良を引き起こすこ
ともない。さらに、超臨界状態の流体は熱伝導率が高い
ため、液晶は均一に注入充填され、表示品質の高い液晶
表示装置を実現することができる。
【0016】本実施形態においては、70℃、80atm
で30分間、液晶表示パネル103をベッセル104内
に設置することで、10インチ液晶表示パネルへの液晶
の注入充填を行うことができる。これは従来に比較して
4〜6倍高速であり、液晶表示パネルの生産性を飛躍的
に向上し、かつ表示品質の高い液晶表示装置を実現する
ことが可能となる。
【0017】本実施形態では、あらかじめ液晶を溶解し
た二酸化炭素105を用いて液晶表示パネル103内へ
の液晶の注入充填を行ったが、これ以外にも、以下のよ
うな方法がある。図3において、液晶表示パネル103
と、液晶107を満たした液晶皿106とをベッセル1
04内に設置する。必要に応じて液晶表示パネル103
の一部を図3のように液晶107に接触させる。次に、
ベッセル104内に徐々に二酸化炭素150を充満させ
て圧力を加え、温度も上昇させ、ベッセル104内の温
度を二酸化炭素の臨界温度Tc以上に、かつ圧力を二酸
化炭素の臨界圧力Pc以上に保持する。この状態では、
ベッセル104内の二酸化炭素150は全て超臨界状態
となっている。超臨界状態の二酸化炭素150に対する
有機物つまり炭素化合物の溶解度は非常に高いため、液
晶は超臨界状態の二酸化炭素150に多く溶解を始め
る。同時に、液晶表示パネル103内外の圧力差によ
り、液晶表示パネル103と接触している液晶107が
超臨界状態の二酸化炭素150に溶解しながら液晶表示
パネル103内のμmオーダーの非常に小さな間隙に浸
透を開始する。超臨界状態の二酸化炭素150の粘度は
低いため、μmオーダーの非常に小さな間隙にも高速で
浸透することができる。よって、液晶表示パネル103
の2枚のガラス基板101間に存在する間隙(主にスペ
ーサ102で規定される間隙)内にも高速で超臨界状態
の二酸化炭素150が浸透させることができる。この
時、二酸化炭素150の流量、圧力上昇速度等をうまく
条件設定することにより、液晶表示パネル103内外の
圧力差を常時10気圧以下に制御することができる。こ
れにより、液晶表示パネル103の内外圧力差による破
損を防止することができる。次に、ベッセル104内の
圧力を低下させて、1気圧に戻す。液晶表示パネル10
3の間隙内に浸透した二酸化炭素と液晶の混合物の中
で、二酸化炭素は気体となって液晶表示パネル103の
間隙から排出され、結果的に液晶だけが間隙内に注入充
填される。この時、ベッセル104内の温度は二酸化炭
素150の臨界温度Tc(=31.2℃)以上であれば
よいため、通常の熱処理に比較して非常に低温で液晶の
注入充填をすることが可能となる。また、圧力を下げる
時には、必要に応じて液晶表示パネル103を液晶皿1
06中の液晶107から引き上げ、接触を防止すること
もできる。
【0018】図4は、二酸化炭素の状態図を示す。同図
において、横軸は温度を表し縦軸は圧力を表している。
温度が臨界温度Tc110で圧力が臨界圧力Pc111
の点(Tc,Pc)が臨界点112である。温度が臨界
温度Tc110以上で圧力が臨界圧力Pc111以上の
範囲が超臨界領域Rcp108である。温度が臨界温度T
c以上で圧力が臨界圧力Pcよりもやや低い範囲及び圧
力が臨界圧力Pc以上で温度が臨界温度Tcよりもやや
低い範囲が亜臨界領域Rpcp 109である。この超臨界
領域Rcp108においては、二酸化炭素が気体,液体,
固体とは異なる相である超臨界状態(超臨界流動体)と
なっており、気体,液体,固体などとは異なる性質を示
すことが知られている。
【0019】本実施形態においては、超臨界状態の二酸
化炭素を用いて液晶表示パネル103中のμmオーダー
の非常に小さな間隙に液晶を注入充填したが、本発明は
かかる実施形態に限定されるものではない。つまり、上
記亜臨界状態においても、二酸化炭素への液晶の溶解度
は通常の状態に比べるとかなり向上することが期待でき
る。すなわち、液晶表示パネル材料,サイズ,形状など
における温度,圧力の制約がある場合は、温度あるいは
圧力のどちらか一方が臨界点を超えた範囲である亜臨界
領域Rpcp の二酸化炭素を用いてもよい。
【0020】また、本実施形態においては、超臨界流動
体として二酸化炭素を用いたが、二酸化炭素以外の物質
であっても液晶を溶解する機能が高く、粘度が低い物質
であれば、液晶を注入充填するための超臨界流動体とし
て用いることができる。
【0021】さらに、超臨界流動体又は亜臨界流動体
に、適量のエントレ−ナ(抽出助剤)として例えばエタ
ノール,オクタンなどを混入すると、温度や圧力条件に
よってはさらに液晶の溶解度が向上し、注入充填効果が
向上する。
【0022】本実施形態の方法は、液晶表示パネル中へ
の液晶の注入充填だけでなく、超臨界もしくは亜臨界状
態とその他の温度圧力状態における溶質物質の溶媒に対
する溶解度の違いを利用して微細空間への物質充填に広
く適用できる。これらについても、上述の作用効果を発
揮できることがあるからである。
【0023】(第2の実施形態)図5は、第2の実施形
態における超臨界流動体中での液晶注入を行なう液晶注
入装置の構造を概略的に示す部分断面図である。
【0024】図5に示すように、液晶注入装置には、液
晶表示パネル中に液晶を注入充填するためのベッセル2
14が設けられている。そして、このベッセル214の
中に例えば液晶表示パネル201が設置されている。本
実施形態においては、液晶表示装置構成上必要な素子や
配向膜等を主として主面上に予め作り込んだガラス基板
が、ガラス等で形成されたスペーサを介して張り合わさ
れた液晶表示パネル201を用いる。また、ベッセル2
14に超臨界流動体や溶質を供給するための供給系とし
て、超臨界流動体の材料である二酸化炭素を供給するた
めのボンベ210と、二酸化炭素を超臨界領域又は亜臨
界領域にするよう温度又は圧力を制御するための温度圧
力調整装置211と、注入充填すべき各々の液晶の濃度
を調節するための液晶濃度制御装置212と、液晶濃度
制御装置212に液晶を供給するための液晶供給装置2
13とが設けられている。温度圧力調整装置211は、
ボンベ210と配管を介して接続され、ボンベ210か
ら供給される液体もしくは気体の二酸化炭素の温度及び
圧力温度を二酸化炭素の臨界温度(31.2℃)以上
に、圧力を二酸化炭素の臨界圧力(72.8atm )以上
につまり超臨界領域Rcpに保持し、ベッセル214に供
給するための超臨界状態の二酸化炭素202を生成する
ものである。ただし、上述のように二酸化炭素を亜臨界
領域Rpcp に保持してもよい。液晶供給装置213は、
注入充填すべき液晶を構成する材料をそれぞれ内蔵する
容器を備えており、必要に応じて複数設置する。液晶濃
度制御装置212は、温度圧力調整装置211及び液晶
供給装置213と配管を介して接続されており、液晶供
給装置213から供給される液晶材料を溶質として超臨
界状態の二酸化炭素中に溶解し、所定の濃度に制御し
て、ベッセル214に供給するものである。
【0025】そして、以下の順序で液晶表示パネル20
1中への液晶の注入充填が行なわれる。液晶濃度制御装
置212において、温度圧力調整装置211から供給さ
れる超臨界状態の二酸化炭素と、液晶供給装置213か
ら供給される各液晶との混合割合が制御される。前述の
通り、超臨界状態の二酸化炭素202は液晶に対する溶
解度が非常に高いため、二酸化炭素は高濃度の液晶を含
むことができる。液晶濃度制御装置212からは液晶を
溶解した二酸化炭素202がベッセル214内に供給さ
れる。ベッセル214内においては、温度制御装置(図
示せず)により温度が100℃に制御され、ベッセル2
14と配管を介して接続された背圧制御装置215によ
り内部の圧力が80atmに制御される。このような方法
により、第1の実施形態と同様、液晶表示パネル201
中への液晶の注入充填が行われる。
【0026】さらに、図5に示すように、背圧制御装置
215に配管を介して接続された気液分離装置216を
接続することもできる。気液分離装置216内では超臨
界状態の二酸化炭素202の圧力、温度を低下させるこ
とにより液晶に対する溶解度を低下させ、気体である二
酸化炭素と液体状の液晶とを分離するものである。分離
した二酸化炭素は配管を介して温度圧力調整装置211
に戻し、再利用することもできる。一方、液晶は、液晶
回収装置217にて回収し、場合によっては再利用する
こともできる。
【0027】本実施形態においては、超臨界流動体とし
て二酸化炭素を用いたが、二酸化炭素以外の物質であっ
ても液晶を溶解する機能が高い物質であれば、液晶を溶
解するための超臨界流動体として用いることができる。
【0028】さらに、超臨界流動体又は亜臨界流動体
に、適量のエントレ−ナ(抽出助剤)として例えばエタ
ノール,オクタンなどを混入すると、温度や圧力条件に
よってはさらに高速、均一に液晶を注入充填することが
できる。
【0029】また、第1の実施形態で述べたように、ベ
ッセル214内に液晶皿に満たした液晶を設置して液晶
を注入充填する場合も、本実施形態と同様の装置で実施
が可能である。この場合は、温度圧力調整装置211と
液晶濃度制御装置212は、基本的に不要となる。必要
に応じて、液晶表示パネル201と液晶皿に満たした液
晶との接触を制御する装置を追加することもできる。
【0030】
【発明の効果】本発明の液晶注入方法によれば、流動体
が超臨界状態もしくは亜臨界状態においては液晶を溶解
する機能を顕著に高めることを利用して、液晶表示パネ
ル内の微細空間中に効率よく液晶注入充填することがで
きる。その場合、超臨界状態や亜臨界状態にするための
温度は、一般的に比較的低温であるので、被処理物の温
度をそれほど高い温度に加熱しなくても液晶を容易に注
入充填することができる。従って、高温にすると品質が
劣化する性質を有する液晶についても、品質の劣化を招
くことなく注入充填することが可能となる。また、高い
処理効率により注入充填に要する時間も短い。よって、
液晶表示パネルの生産性を飛躍的に向上し、かつ表示品
質の高い液晶表示装置を実現することが可能になる。
【0031】本発明の液晶注入装置によれば、液晶表示
パネル内の微細空間中に効率よく液晶を注入充填するこ
とができる。さらに、使用後の上記流動体の圧力もしく
は温度を変化させて上記流動体と上記液晶とを分離する
ための気液分離装置と、上記気液分離装置にて分離され
た液晶を回収する液晶回収装置と、を備えることによ
り、流動体や液晶材料の再利用を行う機能を有する液晶
注入装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による液晶表示パネル
を示す部分断面図
【図2】本発明の第1の実施形態による液晶注入工程を
示す部分断面図
【図3】本発明の第1の実施形態による液晶注入工程を
示す部分断面図
【図4】二酸化炭素の状態図
【図5】第2の実施形態における液晶注入装置の構造を
概略的に示す部分断面図
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 スペーサ 103 液晶表示パネル 104 ベッセル 105 超臨界状態の二酸化炭素と液晶の混合物 106 液晶皿 107 液晶 108 超臨界領域 109 亜臨界領域 110 臨界温度 111 臨界圧力 112 臨界点 201 液晶表示パネル 202 超臨界状態の二酸化炭素 210 二酸化炭素ボンベ 211 温度圧力調整装置 212 液晶濃度制御装置 213 液晶供給装置 214 ベッセル 215 背圧制御装置 216 気液分離装置 217 液晶回収装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示パネルへの液晶注入方法であっ
    て、液晶表示パネルを容器内に設置する工程と、液晶を
    溶解するための流動体を超臨界状態もしくは亜臨界状態
    に保持する工程と、前記液晶を前記流動体に接触させて
    前記流動体中に溶解させる工程と、前記容器内にて前記
    液晶表示パネルと前記流動体とを接触させて前記液晶表
    示パネル内の微細空間中に前記流動体を導入する工程
    と、前記容器内の圧力、温度の少なくとも一方を変化さ
    せた後前記液晶表示パネルを前記容器内から取り出す工
    程を備えることを特徴とする液晶注入方法。
  2. 【請求項2】 液晶表示パネルへの液晶注入方法であっ
    て、液晶表示パネル及び液晶を容器内に設置し、前記液
    晶表示パネルの一部を前記液晶に接触させる工程と、流
    動体を超臨界状態もしくは亜臨界状態に保持する工程
    と、前記容器内にて前記液晶表示パネルと前記流動体と
    を接触させて前記液晶表示パネル内の微細空間中に前記
    流動体を導入する工程と、前記容器内の圧力、温度の少
    なくとも一方を変化させた後前記液晶表示パネルを前記
    容器内から取り出す工程を備えることを特徴とする液晶
    注入方法。
  3. 【請求項3】 流動体として、二酸化炭素を用いること
    を特徴とする請求項1または2に記載の液晶注入方法。
  4. 【請求項4】 液晶表示パネルへ液晶を注入するための
    液晶注入装置であって、液晶表示パネルを設置するため
    のベッセルと、流動体を超臨界状態もしくは亜臨界状態
    に保持するよう前記流動体の温度及び圧力を調整する温
    度圧力調整装置と、前記液晶表示パネルへ注入充填する
    ための液晶材料を供給するための液晶供給装置と、前記
    液晶供給装置から供給される原料を前記流動体に溶解さ
    せて前記液晶の濃度を制御する液晶濃度制御装置と、前
    記ベッセル内の圧力を一定に保持するための背圧制御装
    置と、を備えていることを特徴とする液晶注入装置。
  5. 【請求項5】 使用後の前記流動体の圧力もしくは温度
    を変化させて前記流動体と前記液晶とを分離するための
    気液分離装置と、前記気液分離装置にて分離された液晶
    を回収する液晶回収装置と、を備えていることを特徴と
    する請求項4に記載の液晶注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100420524B1 (ko) * 2002-01-07 2004-03-02 엘지전자 주식회사 액정표시장치의 액정 주입방법 및 장치
KR101157943B1 (ko) 2009-12-23 2012-07-03 인텔렉추얼디스커버리 주식회사 정밀 임계온도표시기 및 그의 제조방법

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