JP2001108444A - 振動子の駆動装置 - Google Patents

振動子の駆動装置

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JP2001108444A
JP2001108444A JP28972099A JP28972099A JP2001108444A JP 2001108444 A JP2001108444 A JP 2001108444A JP 28972099 A JP28972099 A JP 28972099A JP 28972099 A JP28972099 A JP 28972099A JP 2001108444 A JP2001108444 A JP 2001108444A
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signal
vibrator
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reference voltage
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JP28972099A
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Kazuo Hasegawa
和男 長谷川
Daisuke Takai
大輔 高井
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のPLL回路を用いた駆動装置では、外
乱により駆動周波数が振動子の反共振周波数よりも高い
周波数帯に外れると、駆動周波数が振動子の反共振周波
数にロックしてしまい検出信号の周波数を再ロックする
ことができなくなる。 【解決手段】 ヒステリシスを持たせたコンパレータを
有する制御手段20よりVCO15の制御信号SIを監
視する。制御電圧VIが、ヒステリシスの上限値を超え
て振動子11の反共振周波数よりも高い周波数帯に相当
する電圧となった場合には、制御手段20が制御電圧V
Iを一時的に低下させる。これにより、駆動周波数SD
振動子11の共振周波数よりも低い周波数に強制的に遷
移させられ、駆動周波数SDが振動子11の反共振周波
数にロックするのを防止し、検出信号SK1およびSK2
再びロックできるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PLLを用いた振
動子の駆動回路に係わり、特にPLLのロックが外れ
て、駆動信号の駆動周波数が振動子の反共振周波数より
も高い周波数帯に遷移した場合に、駆動信号が振動子の
検出信号を再びロックできるようにした振動子の駆動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来のPLLを用いた振動子の
駆動回路を示すブロック構成図である。
【0003】図7に示す駆動回路は、被駆動部材となる
振動子1がフェーズ・ロックト・ループ(PLL)回路
2内に組み込まれている。すなわち、PLL回路2は、
振動子1、位相比較手段3、ローパスフィルタ4、VC
O(電圧制御発振器)5、分周器6および駆動手段7と
から構成されている。
【0004】以下においてはローパスフィルタ4から出
力される制御信号をSI(アナログ信号)、VCO5か
ら出力される発振信号(ディジタル値)をSV(発振周
波数fV)、分周器6から出力される参照信号(ディジ
タル値)をSB(周波数fB)、駆動手段7から出力され
る駆動信号(交流アナログ信号)をSD(駆動周波数
D)、振動子1の出力信号(振動子1から直接出力さ
れる検出信号SKをディジタル信号に変換したもの)を
O(出力周波数fO)として説明する。なお、参照信号
Bの周波数fBと駆動信号SDの駆動周波数fDとは同一
の関係にある。
【0005】位相比較手段3には、振動子1の出力信号
Oと分周器6の参照信号SBが入力される。位相比較手
段3では、前記出力信号SOと参照信号SBの位相を比較
し、参照信号SBに対し振動子1の出力信号SOが遅れて
いる場合には、VCO5の発振信号SVの発振周波数fV
を上げるパルス波形を出力し、逆の場合には発振周波数
Vを下げるパルス波形を出力する。ローパスフィルタ
4は、前記パルス波形に含まれている不要な高周波成分
のカットを行うと同時に、パルス波形を積分平滑してV
CO5を制御するためのアナログ波形からなる制御信号
Iの生成を行う。そして、VCO5は、前記制御信号
Iを受け、制御信号SIの制御電圧VIに比例した発振
周波数fVからなる発振信号SVを出力する。
【0006】分周器6では、前記VCO5の発振周波数
Vを分周し、振動子1の共振周波数faに近い周波数
帯の参照信号SBを生成する。この参照信号SBは、駆動
手段7と前記位相比較手段3に出力される。駆動手段7
に送信された参照信号SBは、駆動手段7内において増
幅され、駆動信号SDとして振動子1に与えられ、前記
振動子1が発振駆動させられる。
【0007】図8は振動子の位相特性を示す図であり、
周波数に対する振動子1の駆動信号SDと検出信号S
K(振動子1から直接出力されるアナログ信号)との位
相差を示している。図8に示すように、参照信号SB
検出信号SKの位相差を示す位相曲線αが0°とクロス
するところが、共振周波数faおよび反共振周波数fr
である。分周器6が出力可能な参照信号SBの周波数fB
は、VCO5の発振周波数f Vに依存する。そして、こ
のPLL回路2では、参照信号SBの制御範囲(最小周
波数と最大周波数の間)内に前記共振周波数faが含ま
れ、反共振周波数frは含まれないように前記VCO5
の発振周波数fVが設定されている。
【0008】VCO5は、ローパスフィルタ4から出力
される制御信号SIに基づき前記分周器6の参照信号SB
と振動子1の出力信号SOとの位相差を小さくさせる方
向に発振周波数fVを変化させる。これにより、駆動信
号SDが振動子1の検出信号S Kに一致するように動作す
る。
【0009】図8の実線に示すように、VCO5の発振
周波数fVが、外乱等により振動子1の共振周波数fa
よりも低い周波数f1にずれると、前記発振周波数fV
は+90°方向の進み位相となる。このとき位相比較手
段3は、発振周波数fVを上げるパルス波形を出力する
ため、ローパスフィルタ4から高い制御電圧VIの制御
信号SIがVCO5に与えられる。よって、VCO5の
発振周波数fVは高い周波数帯方向(図示右方向)に移
動させられるため、駆動周波数fDが振動子1の検出信
号SKの周波数に一致するようになる。すなわち、図8
に示すように、このPLL回路2では、VCO5の発振
周波数fVを高い周波数方向(位相差を少なくする−9
0°方向)に遷移させることにより、駆動信号SD(参
照信号SB)が検出信号SKの周波数にロックするように
動作する。
【0010】逆に、発振周波数fVが、反共振周波数f
rよりも低く且つ共振周波数faよりも高い周波数f2
にずれると、VCO5の発振周波数fVは−90°方向
の遅れ位相となる。VCO5は、位相比較手段3および
ローパスフィルタ4の制御信号SIを受け、発振周波数
Vを低い周波数帯(位相差を少なくする−90°方
向:図示左方向)に遷移させることにより、上記同様に
駆動信号SD(参照信号SB)が検出信号SKの周波数に
ロックするように動作する。
【0011】以上のように、従来のPLL回路では、V
CO5が一度ロック状態になると、駆動信号SDの周波
数fDが振動子1の検出信号SKの周波数を追従し、常に
その間の位相差を0°に追い込むように動作するため、
振動子1が安定して発振できるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】分周器6から出力され
る参照信号SBの周波数fBの範囲は、VCO5の発振能
力により決定されるが、前記共振周波数faおよび反共
振周波数frは振動子1ごとにばらつきがあるため、す
べての振動子1を駆動することができるようにするため
には、駆動周波数fDの範囲(VCO15の制御範囲)
を広くしておく必要がある。
【0013】しかし、駆動周波数fDの範囲が広いと、
共振周波数faよりもわずかに高い周波数帯に反共振周
波数frが存在する場合、すなわち共振周波数faと反
共振周波数frとが接近している振動子1の場合には、
駆動周波数fDの範囲内に振動子1の前記共振周波数f
aと反共振周波数frとが含まれ、以下に示すような問
題が生じる。
【0014】図8に点線で示す位相曲線βは、共振周波
数faと反共振周波数fr′とが接近している状態を示
している。
【0015】上記のように共振周波数faと反共振周波
数fr′とが極めて接近する特性を有する振動子1で
は、電源ノイズやその他の外乱により、例えばVCO5
の発振周波数fVが共振周波数faのみならず反共振周
波数fr′を超えた高い周波数帯にずれると、+90°
の進み位相となる。ところが、上記のように従来のPL
L回路2では、進み位相の場合にはVCO5の発振周波
数fVを高い周波数帯に遷移させるように動作する。こ
のため、VCO5の発振周波数fVは、更に高い周波数
帯に遷移させられてしまう。したがって、従来のPLL
回路2では、発振周波数fVが反共振周波数fr′を超
えた高い周波数帯にずれると、駆動信号SD(参照信号
B)の周波数は共振周波数faからますます離れる方
向に遷移させられてしまい、再び共振周波数fa付近で
振動子1の検出信号SKの周波数にロックすることがで
きず振動子1の発振が不安定になる。
【0016】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、振動子を駆動するPLL回路のロックが外
れても、再びロック状態に復帰させることにより、振動
子を安定して駆動できるようにした振動子の駆動装置を
提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動すべき共
振周波数と前記共振周波数よりも高い反共振周波数とを
有する振動子と、VCO(電圧制御発振器)と、前記V
COから前記振動子に与えられる駆動周波数信号と前記
振動子からの検出信号との位相を比較する位相比較手段
とを有し、前記位相比較手段で比較された位相差に基づ
く電圧が前記VCOへ発振周波数を制御する制御信号と
して与えられ、前記駆動周波数信号に基づいて前記振動
子に駆動信号が与えられる振動子の駆動装置において、
前記VCOに与えられる前記制御信号と第1の基準電圧
とを比較し、前記制御信号の電圧が前記第1の基準電圧
を超えたときに、前記制御信号を前記第1の基準電圧よ
りも低い電圧に低下させる制御手段が設けられ、前記振
動子に与えられる駆動信号が前記反共振周波数に至らな
いように前記第1の基準電圧が設定されていることを特
徴とするものである。
【0018】本発明では、VCOの制御信号を監視する
ことにより、電源ノイズ等の外乱によってVCOの発振
周波数が変動し、振動子の駆動信号の周波数が他の周波
数帯域、特に振動子の反共振周波数を超える高い周波数
帯に遷移させられた場合においても、駆動信号の周波数
を振動子の共振周波数以下の周波数帯に強制的に戻すこ
とができるようになる。よって、駆動信号を駆動信号を
共振周波数の近傍で振動子の検出信号の周波数に再びロ
ックさせることができる。これにより、振動子の発振を
安定化させることができる。
【0019】また前記VCOの発振周波数を分周手段に
より分周した参照信号が、前記駆動周波数信号となるも
のが好ましい。
【0020】例えば、前記位相比較手段がEX−or回
路で、このEX−or回路で得られた信号が、この信号
の振幅の中点となる電位の第2の基準電圧に基づいて平
滑化されて前記VCOに与えられる制御信号が生成さ
れ、前記制御手段では、前記制御信号の電圧が前記第1
の基準電圧を超えたときに前記第2の基準電圧を低下さ
せるように動作するものである。
【0021】EX−or回路で得られた信号(EX1出
力およびEX2出力)のデューティー比が50%のと
き、すなわち駆動信号と検出信号の位相差が0のとき
に、ローパスフィルタで積分平滑された制御信号SI
電圧が電源電圧の半値(Vcc/2)となるように設定さ
れている。VCOは前記Vcc/2を中心に動作し、すな
わち制御信号の電圧が前記Vcc/2を超えると発振周波
数を低下させ、制御信号の電圧が前記Vcc/2よりも低
くなると発振周波数を上げるように動作する。第2の基
準電圧を下げ、VCOが発振可能な周波数以下に相当す
る電圧まで制御信号の電圧を低下させる。これにより、
確実に駆動信号SDの周波数を振動子の共振周波数より
も低い周波数に遷移させることができる。
【0022】また振動子から2種類の検出信号が得られ
る場合には、前記振動子の異なる場所から2種類の検出
信号が得られ、前記位相比較手段が2個設けられて、一
方の位相比較手段では一方の前記検出信号と前記駆動周
波数信号との位相が比較され、他方の位相比較手段では
他方の前記検出信号と前記駆動周波数信号との位相が比
較され、前記両位相比較手段で検出された位相差を加算
する加算手段が設けられ、前記加算された位相差に応じ
て前記制御信号が生成されるものである。
【0023】これにより、両検出信号間に位相差が生じ
ている場合には、前記位相差に応じた制御信号の電圧に
より、VCOの発振周波数を設定すことができるように
なる。
【0024】上記においては、前記2個の位相比較手段
がEX−or回路であり、前記加算手段では、2個の前
記EX−or回路で得られた信号が加算され、加算され
た信号が、この加算された信号の振幅の中点となる電位
の第2の基準電圧に基づいて平滑化されて前記VCOに
与えられる制御信号が生成され、前記制御手段では、前
記制御信号の電圧が前記第1の基準電圧を超えたときに
前記第2の基準電圧を低下させるように動作するものが
好ましい。
【0025】また前記制御手段には、VCOに与えられ
る制御信号の電圧と前記第1の基準電圧とを比較するコ
ンパレータが設けられ、このコンパレータからの出力が
前記第2の基準電圧を設定するものであり、前記制御信
号の電圧が前記第1の基準電圧を超えたときに前記コン
パレータが前記第2の基準電圧を低下させるものであ
る。
【0026】この場合、前記コンパレータは、ヒステリ
シスを有し、前記ヒステリシスの下限値が振動子の前記
共振周波数よりも低い周波数に相当する制御電圧に設定
されているものが好ましい。
【0027】コンパレータのヒステリシスの上限値は、
反共振周波数に相当する制御電圧よりも高い周波数帯に
設定されている。このため、制御信号に過大な外乱が混
入しPLLのロックが外れ、VCOの発振周波数が変動
して駆動周波数がコンパレータのヒステリシスの上限値
に相当する周波数を超えた高い周波数帯に遷移すると、
前記コンパレータの出力を反転させることができる。ま
た反共振周波数とヒステリシスの上限値に相当する周波
数との間の周波数帯に遷移した場合には、PLLの機能
によりVCOの発振周波数がさらに高い周波数に移行さ
せられ、最終的にヒステリシスの上限値に相当する周波
数を越えるため、前記同様にコンパレータの出力を反転
させることができる。
【0028】同時に、コンパレータの第1の基準電圧
は、ヒステリシスの下限値以下に低下させられるため、
駆動周波数を振動子の共振周波数以下に確実に設定する
ことができる。よって、再び駆動周波数を振動子の検出
信号の周波数にロックさせることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。
【0030】図1は、本発明における振動子の駆動装置
を示すブロック構成図であり、例えばジャイロスコープ
用のものである。
【0031】図1に示すように、この駆動装置10では
PLL(フェーズ・ロックト・ループ)回路12が設け
られている。PLL回路12は、位相比較手段13、ロ
ーパスフィルタ14、電圧制御発振器(VCO)15お
よび分周器16とから構成されている。そして、前記分
周器16と位相比較手段13との間に、駆動部17、セ
ラミック振動子などからなる振動子11および検出部1
8が設けられている。
【0032】前記駆動部17は、前記分周器16から出
力される参照信号SBを増幅するとともに正弦波状の駆
動信号SDを生成する。したがって、この駆動装置で
は、分周器16から出力される参照信号SBの周波数fB
と駆動部17の駆動信号SDの駆動周波数fDとは同じ周
波数となっている。
【0033】振動子11の出力には、2つの検出電極1
1a,11bが設けられている。上記振動子の駆動装置
がジャイロスコープ用として使用された場合において、
この駆動装置をある回転系におくと、振動子11にコリ
オリ力が作用する。そして、前記検出電極11a,11
bからそれぞれ出力される検出信号SK1とSK2の間に
は、コリオリ力に比例した位相差が発生する。前記検出
信号SK1とSK2は電流出力信号であり、検出部18に設
けられた電流/電圧変換手段(I/V変換手段)18
a,18bにより、それぞれ電圧信号に変換され、さら
に二値化手段18c,18dにより所定のスレッショル
ドレベルでディジタル信号D1,D2にそれぞれ変換さ
せられる。なお、前記ディジタル信号D1,D2は、必
要に応じて信号が反転され、前記参照信号SBと同極性
となるように設定されている。
【0034】位相比較手段13は、前記検出部18の各
ディジタル信号D1,D2と参照信号SBとの位相をそ
れぞれ比較する。ディジタル信号D1に対し参照信号S
Bの位相が遅れている場合には、VCO15の発振周波
数fVを上げるパルス波形を出力し、位相が進んでいる
場合には前記発振周波数fVを下げるパルス波形を出力
する。なお、ディジタル信号D2についても同様であ
る。これら位相比較手段13の出力は、加算手段19に
より加算され、ローパスフィルタ(積分平滑手段)14
に出力される。
【0035】ローパスフィルタ14では、前記加算手段
19で加算された信号を第2の基準電圧Vcc/2を基準
に積分平滑し、平滑後の制御信号SIをVCO15に出
力する。
【0036】VCO15では、前記制御信号SIに比例
した発振周波数fVからなる発振信号SVが生成される。
そして、分周器16では、前記発振信号SVを分周し、
所定の周波数の参照信号SBを生成する。そして、前記
参照信号SBは、上記のように位相比較手段13および
駆動部17に出力される。
【0037】また図1に示すように、前記駆動装置10
には制御手段20が設けられており、前記ローパスフィ
ルタ14から出力される制御信号SIが監視されてい
る。
【0038】前記制御手段20は、ヒステリシスを有す
るコンパレータ、第1の基準電圧V R、第2の基準電圧
Vcc/2、基準電圧変更手段22,インバータ回路23
などで構成されている。そして、後述するように制御手
段20は、VCO15の周波数ロックが外れたときに、
VCO15が再びロック状態に復帰できるようにローパ
スフィルタ14に必要な信号の送出を行っている。
【0039】図2は、図1に示す振動子の駆動装置の実
施の形態を示す回路構成図、図3は検出部および位相比
較手段での各信号のタイミングチャートを示す図、図4
は位相比較手段の出力、加算手段の出力および制御信号
との関係を示すタイミングチャートである。
【0040】図2に示す駆動装置10Aでは、VCO1
5→分周器16→位相比較手段13→ローパスフィルタ
14→VCO15により第1のループ回路が形成され、
VCO15→分周器16→駆動部17→振動子11→検
出部18→位相比較手段13→ローパスフィルタ14→
VCO15により第2のループ回路が形成されている。
前記位相比較手段13は、2つのEX−or(排他的
論理和)回路13a,13bから構成されている。
【0041】図3に示すように、上記検出信号SK1とS
K2の間にコリオリ力に比例した位相差λが生じている場
合には、ディジタルD1とD2との間にも前記位相差λ
が出力される。またローパスフィルタ14は、後述する
ように完全積分器として動作するため、制御信号S
Bは、前記ディジタルD1とD2との中心点からφ=9
0°(π/2)だけ遅れた信号となる。そして、第1の
EX−or回路13aでは、前記参照信号SBとディジ
タル信号D1の排他的論理和出力信号EX1(EX1出
力)が生成される。同様に第2のEX−or回路13b
では、前記参照信号SBとディジタル信号D2の排他的
論理和出力信号EX2(EX2出力)が生成される。そ
して、前記EX1出力およびEX2出力は、前記ディジ
タル信号D1およびD2の2倍の周波数となる。
【0042】これらEX1出力とEX2出力は、抵抗R
0とR1からなる加算手段19により加算され、概念的
に図4に示すような加算信号(EX1+EX2)が生成
される。
【0043】ローパスフィルタ14は、演算増幅器X1
の反転入力端子(−端子)に抵抗R1とコンデンサC1
とを外付けしたアクティブ型のフィルタである。そし
て、ローパスフィルタ14から出力される制御信号SI
の位相は、加算信号(EX1+EX2)により制御され
る。
【0044】またローパスフィルタ14の演算増幅器X
1の非反転入力端子(+端子)側には、制御手段20A
の出力として通常第2の基準電圧Vcc/2が印加されて
おり、反転入力端子(−端子)には前記加算手段19に
接続されている。よって、このローパスフィルタ14で
は、前記EX−or回路13a,13bで得られ、加算
手段19で加算された加算信号(EX1+EX2)が、
加算信号(EX1+EX2)の振幅の中点となる電位
(第2の基準電圧Vcc/2)を基準に積分平滑され、ア
ナログ信号からなる制御信号SIが生成される。そし
て、VCO15では、前記制御信号SIに基づき、発振
信号SVを生成するが、この発振信号SVを分周した参照
信号SBが前記ディジタル信号D1とD2との位相差λ
の中心点からφ=90°だけ遅れたときにロックするよ
うに動作する。
【0045】制御手段20Aは、演算増幅器X2を主体
とするコンパレータ21と抵抗R2,R3,R4,R5
およびトランジスタTr1からなる基準電圧変更手段
(インピーダンス変換手段)22、トランジスタTr2
からなるインバータ回路23とから構成されている。
【0046】前記演算増幅器X2の反転入力端子(−端
子)には、電源電圧Vccを抵抗R2と抵抗R3とにより
抵抗分割した第1の基準電圧VR(=R3・Vcc/(R
2+R3))が印加されている。演算増幅器X2の反転
入力端子と出力端子との間には、抵抗R4,R5および
トランジスタTr1が設けられ、基準電圧変更手段22
が構成されている。トランジスタTr1のコレクタは、
抵抗R4を介して前記反転入力端子に接続され、ベース
は抵抗5を介して前記演算増幅器X2の出力端子に接続
されている。そして、トランジスタTr1のエミッタは
グランドに接地されている。前記演算増幅器X2の出力
端子とローパスフィルタ14(演算増幅器X1)の非反
転入力端子(+端子)との間には、抵抗R6とトランジ
スタTr2(インバータ回路)が設けられている。すな
わち、演算増幅器X2の出力端子は、抵抗R6を介して
トランジスタTr2のベースに接続されている。トラン
ジスタTr2のコレクタは、演算増幅器X1の非反転入
力端子に接続されるとともに、抵抗R7を介して第2の
基準電圧Vcc/2(電源電圧Vccの1/2の電圧)に接
続されている。そして、トランジスタTr2のエミッタ
はグランドに接地されている。また演算増幅器X1(ロ
ーパスフィルタ14)の出力端子は、VCO15の制御
入力端子15aおよび前記演算増幅器X2(コンパレー
タ21)の非反転入力端子(+端子)にそれぞれ接続さ
れている。
【0047】基準電圧変更手段22は、第1の基準電圧
Rを決定する抵抗の分割比を変えるものであり、前記
コンパレータ21の出力レベルに応じて動作する。コン
パレータ21の出力がLレベルのときには、トランジス
タTr1がオフ状態となるので、第1の基準電圧VR
抵抗R2とR3の分割比により決定される(VR=R3
・Vcc/(R2+R3))。一方、コンパレータ21の
出力がHレベルのときには、トランジスタTr1がオン
状態となる。よって、第1の基準電圧VRは、抵抗R3
とR4との並列抵抗をr1(=R3・R4/(R3+R
4))とすると、抵抗R2と前記並列抵抗r1との分割
比で決定される(VR=r1・Vcc/(R2+r
1))。
【0048】例えば、R2:R3=1:4で、且つR
2:r1=4:1となるように設定される。この場合、
コンパレータ21の出力がLレベルのときには、VR
4・Vcc/5に設定され、コンパレータ21の出力がH
レベルのときには、VR=Vcc/5に設定される。した
がって、この演算増幅器X2は、上限値Vh=4・Vcc
/5、下限値VL=Vcc/5のヒステリシスを持つコン
パレータ21としての機能を有する。
【0049】インバータ回路23は、コンパレータ21
の出力レベルにより反転する。コンパレータ21の出力
がLレベルのときには、トランジスタTr2がオフ状態
となるため、演算増幅器X1(ローパスフィルタ14)
の非反転入力端子には、第2の基準電圧Vcc/2が印加
される。一方、コンパレータ21の出力がHレベルのと
きには、トランジスタTr2がオン状態となるため、演
算増幅器X1(ローパスフィルタ14)の非反転入力端
子は、ほぼ接地電位に設定される。
【0050】前記コンパレータ21は、ローパスフィル
タ14から出力される制御信号SIの電圧VIと第1の基
準電圧VRとを比較し、VR>VIのときにLレベル信号
を出力し、VR<VIのときにHレベル信号を出力する。
そして、制御電圧VIが第1の基準電圧VRよりも低いと
き、すなわちVR>VIであれば、演算増幅器X1の出力
は、位相比較器13から位相差に応じた加算信号(EX
1+EX2)をローパスフィルタ14で積分平滑した制
御信号SIがVCO15の制御入力端子15aに供給さ
れる。一方、制御電圧VIが第1の基準電圧VRより高い
とき、すなわちVR<VIであれば、インバータ回路23
が起動し演算増幅器X1の非反転入力端子の入力電圧が
Lレベルとなるため、VCO15の制御入力端子15a
にLレベル信号が印加される。
【0051】前記VCO15は、制御入力端子15aに
前記コンパレータ21(演算増幅器X2)の上限値Vh
に相当する電圧が印加されると、VCO15が出力可能
な最大周波数よりもわずかに低い周波数に設定される。
一方、制御入力端子15aに前記コンパレータ21(演
算増幅器X2)の下限値VLに相当する電圧を印加した
ときに、VCO15が出力可能な最小周波数よりもわず
かに高い周波数に設定される。
【0052】前記駆動装置10Aの電源を投入すると、
PLL回路12、制御手段20A、駆動部17および検
出部18等に電源電圧Vccが供給される。
【0053】電源投入直後の演算増幅器X2では、非反
転入力端子の電圧よりも反転端子に入力される第1の基
準電圧VRの方が高い状態(VR>VI)にある。よっ
て、コンパレータ21(演算増幅器X2)の出力は、
「L」レベルであり、トランジスタTr1およびTr2
は共にオフ状態にあるため、ローパスフィルタ14(演
算増幅器X1)の非反転入力端子には、第2の基準電圧
Vcc/2が供給される。
【0054】演算増幅器X1では、反転入力端子に与え
られる加算手段19からの加算信号(EX1およびEX
2)が、非反転入力端子に入力される第1の基準電圧V
cc/2を基準にアナログ信号に積分平滑され、前記VC
O15の制御入力端子15aに制御信号SIとして出力
される。例えば、加算手段19からの加算信号(EX1
およびEX2)が、発振周波数fVを上げる信号である
場合には、第2の基準電圧Vcc/2よりも高い電圧VI
からなる制御信号SIが前記VCO15に出力される。
反対に加算手段19からの加算信号(EX1およびEX
2)が、発振周波数fVを下げる信号である場合には、
第2の基準電圧Vcc/2よりも低い電圧VIからなる制
御信号SIが前記VCO15に出力される。
【0055】VCO15の発振信号SVは、前記制御信
号SIに比例した発振周波数fVを前記最小周波数と最大
周波数の範囲内で生成し、これを分周器16に与える。
分周器16は、発振信号SVを分周した参照信号SBを生
成する。なお、振動子11の共振周波数faおよび反共
振周波数frは、前記参照信号SBの最小周波数と最大
周波数の範囲内に設定されている。
【0056】前記駆動部17には、ローパスフィルタ1
7aとドライブ手段17bが設けられており、参照信号
Bから余分な高周波成分を除去するとともに、これを
正弦波状に増幅して振動子11を駆動するための駆動信
号SDを生成する。なお、参照信号SBの周波数fBと駆
動信号SDの駆動周波数fDとは、同一周波数である。ま
たローパスフィルタ17aは、2次系のフィルタであ
り、駆動信号SDは参照信号SBに対し位相が90°遅れ
る関係となっている。
【0057】振動子11は、駆動部17のドライブ手段
17bより与えられる駆動信号SDにより発振する。こ
の駆動信号SDの駆動周波数fDが、振動子11の共振周
波数faと一致するときに、振動子11は最も効率良く
発振する。よって、駆動信号SDを共振周波数faに一
致させることが好ましい。
【0058】そして、上記図8に示すように駆動振動S
Dの周波数と検出信号SKとの間の位相差を0°となると
ころが共振周波数faである。したがって、駆動信号S
Dが、振動子の検出信号SK1とSK2との中心点をロック
するように動作させると振動子11の効率が最も良くな
る。このため、この駆動装置では、参照信号SBが検出
部18から出力されるディジタル信号D1とD2との中
心点をロックするように、実際にはディジタル信号D1
とD2との中心点から参照信号SBの立上がりまでの位
相が90°を維持することにより、振動子11の発振を
安定させている。
【0059】次に、電源ノイズ等の外乱による影響につ
いて説明する。図5は振動子の位相特性を示す図であ
る。図5には、周波数に対する振動子11の駆動信号S
Dと検出信号SK1又はSK2との位相差の関係が示されて
おり、同図に示すように位相差が0°となる点が2箇所
ある。このうち周波数の低い方が振動子11のインピー
ダンスが最小となる共振周波数faであり、周波数の高
い方がインピーダンスが最大となる反共振周波数frを
示している。なお、振動子11の共振周波数fa近傍に
おいて、検出電極11aの検出信号SK1と検出電極11
bの検出信号SK2との位相差の中心点と駆動信号SD
位相差が0°となるように駆動させられている。
【0060】電源ノイズ等の外乱がVCO15に入る
と、制御信号SIの電圧レベルが変動するため、PLL
回路12でのロックが外れる。すなわち、制御信号SI
の電圧レベルが変動すると、参照信号SBの周波数さら
には駆動信号SDの駆動周波数f Dが遷移するため、振動
子11の検出信号SK1およびSK2と一致しなくなる。こ
こで駆動周波数fDの遷移後の周波数を遷移周波数とし
てfmとすると、遷移周波数fmは以下に示すような3
つの態様に分けることができる。
【0061】(1)遷移周波数fmが共振周波数faよ
りも低い場合(fm<fa) 制御信号SIの電圧の変動が第2の基準電圧Vcc/2以
下の変動の場合には、遷移周波数fm1(遷移後の駆動
周波数fD)は、図5に示すように前記共振周波数fa
よりも低い周波数帯Waに遷移する。このとき、遷移周
波数fm1の位相は+90°方向にずれるため、駆動信
号SDは検出電極11aの検出信号SK1と検出電極11
bの検出信号SK2との位相差の中心点に対し進み位相の
関係となる。この場合、上記制御手段20Aでは、制御
信号SIの電圧VIが第1の基準電圧VR以下であるため
(VI<Vcc/2<VR)、コンパレータ21の出力は
「L」レベルである。よって、トランジスタTr1およ
びTr2はオフ状態が維持される。すなわち、制御電圧
Iが第1の基準電圧VR以下に一時的にずれるような外
乱が混入しても、制御電圧VIは外乱混入前の電圧に戻
り、PLL回路12が遷移周波数fm1を共振周波数f
aの方向に戻すよう動作するため、駆動信号S Dの駆動
周波数fDを振動子11の検出信号SK1およびSK2の周
波数にロックさせることができる。
【0062】(2)遷移周波数fmが共振周波数faと
反共振周波数frとの間の場合(fa<fm<fr) 制御信号SIの電圧VIが第2の基準電圧Vcc/2以上に
変動すると、前記外乱のレベルによっては、遷移周波数
fm2(遷移後の駆動信号SDの駆動周波数fD)が前記
共振周波数faと反共振周波数frとの間の周波数帯W
bに移動することがある(図5参照)。この場合、検出
電極11aの検出信号SK1と検出電極11bの検出信号
K2との位相差の中心点と駆動信号SDとの位相差は、
−90°方向の遅れ位相の関係となる。ただし、この場
合の制御信号SIの電圧VIの変動は、コンパレータ21
の上限値Vh(Vh<VR=4/5・Vcc)以下であるた
め、VCO15の制御可能な範囲内であり、コンパレー
タ21の出力は「L」レベルが維持される。よって、ト
ランジスタTr1およびTr2もオフ状態が維持され、
第1の基準電圧VRおよび演算増幅器X1の非反転端子
の入力電圧(第2の基準電圧Vcc/2)の設定値は変化
しない。よって、制御信号SIの電圧VIは、外乱の混入
により一時的に変動しVCO15の発振周波数fVおよ
び駆動部17の駆動周波数fVが乱れることがある。し
かし、(1)同様にPLL回路12は、遷移周波数fm
2を共振周波数faの方向に戻すよう動作するため、駆
動信号SDの駆動周波数fDを、振動子11の検出信号S
K1およびSK2の周波数にロックさせることができる。
【0063】(3)遷移周波数fmが反共振周波数fr
よりも高い場合(fr<fm) VCO15に混入した外乱により、制御信号SIの電圧
Iがコンパレータ21の上限値Vh(4/5・Vcc)を
超えると、図5に示すようにVCO15の発振周波数f
Vが高い周波数帯Wcに変動する。よって、駆動信号SD
の駆動周波数f D(参照信号の周波数fB)は、前記反共
振周波数fr以上の高い遷移周波数fm3となる。この
場合、遷移周波数fm3(駆動周波数fD)は、振動子
11の検出信号SK1と検出電極11bの検出信号SK2
の位相差の中心点に対し、+90°方向に遷移した進み
位相の関係となる。よって、制御信号SIの電圧VIと第
1の基準電圧VRとの関係は、VI>VR=Vhとなるた
め、コンパレータ21の出力が「H」レベルに反転させ
られる。
【0064】また遷移周波数fm3が、反共振周波数f
rとヒステリシスの上限値Vhに相当する周波数との間
である場合には、制御信号SIの電圧VIは上限値Vhを
越えていないのでコンパレータの出力は反転しないこと
になる。しかし、この場合の遷移周波数fm3(駆動周
波数fD)は、前記+90°方向に遷移した進み位相の
関係と同様になる。よって、PLL回路12は、遷移周
波数fm3を反共振周波数frから離れる高い周波数方
向に追い込み、最終的にはヒステリシスの上限値Vhに
相当する周波数を越える周波数に設定する。よって、前
記同様にVI>VR=Vhの関係となるため、コンパレー
タ21の出力をHレベルに反転させることができる。
【0065】そして、コンパレータ21の出力がHレベ
ルに反転すと、トランジスタTr1およびTR2がオン
状態となるため、演算増幅器X1の非反転端子の電圧
は、ほぼグランドレベルに設定される。これにより、演
算増幅器X1の制御信号SIの電圧VIは、コンパレータ
21のヒステリシスの下限値VLよりも低い電圧となる
ため、VCO15の発振周波数fVを低い周波数帯に遷
移させることができる。よって、分周器16から出力さ
れる参照信号SBの周波数fBが低下させられるため、遷
移周波数fm3(駆動周波数fD)を振動子11の共振
周波数faよりも低い周波数帯Waに遷移させることが
できる。すなわち、上記(1)において駆動周波数fD
が共振周波数faよりも低い周波数帯Waへ遷移した場
合と同様となるため、PLL回路12Aを再びロック状
態とすることができる。
【0066】上記において、第1の基準電圧VRは、コ
ンパレータ21の出力が「H」レベルに反転すると、ト
ランジスタTr1はオン状態であるため、ヒステリシス
の下限値VLに設定される(VR=VL)。一方、演算増
幅器X1の出力である制御電圧VIは、前記下限値VLよ
りも低い接地電位となる。よって、コンパレータ21で
は、VR=VL>VIとなるため、再び「L」レベルに反
転させられる。これにより、トランジスタTr1および
Tr2がオフ状態となるので、演算増幅器X1の出力が
第2の基準電圧Vcc/2に復帰させられ、コンパレータ
21のヒステリシスが上限値Vhに設定し直される。
【0067】すなわち、このコンパレータ21は、ヒス
テリシスの第1の基準電圧VRのレベルを上限値Vhに設
定しておき、第1の基準電圧VRを超える外乱が入った
ときには、一度第1の基準電圧VRを下限値VLに下げ
る。そして、制御信号SIの電圧VIが下限値VL以下、
すなわち駆動信号SDの駆動周波数fDを振動子11の共
振周波数fa以下に下げてから、第1の基準電圧VR
再びヒステリシスの上限値Vhに設定し直す。これによ
り、駆動周波数fDを共振周波数fa以下に確実に下げ
ることが可能となる。よって、PLL回路12は、駆動
周波数fDを振動子11の検出信号SK1およびSK2の周
波数にロックし直すことが可能となる。
【0068】上記(1)ないし(3)に示すように、こ
のPLL回路を用いた圧電振動子11の駆動回路では、
外乱等によりVCO15の発振周波数fVが他の周波数
帯に遷移し、駆動信号SDが駆動周波数fDが振動子11
の検出信号SK1およびSK2の周波数から外れた場合であ
っても、制御手段20Aにより再び一致させることがで
きる。これにより、駆動周波数fDは、常に振動子11
の検出信号SK1およびSK2の周波数を追従するように動
作するため、振動子11は安定した発振ができるように
なる。
【0069】またVCO15の発振周波数fVが外乱に
より遷移しても、ロック状態とすることができるため、
起動時にロック外れを防止するための起動コンデンサを
不要とすることができる。
【0070】図6は制御手段の他の実施の形態を示す回
路構成図である。図6に示す制御手段20Bは、抵抗R
11、コンデンサC11とからなる遅延手段31と、コ
ンパレータ32およびダイオードDとから構成されてい
る。
【0071】前記コンパレータ32を構成する演算増幅
器X3の非反転端子(+端子)には、電源電圧Vccを抵
抗R12およびR13で抵抗分割した第1の基準電圧V
Rが入力されている。また演算増幅器X3の非反転端子
と出力端子との間が抵抗R14で接続されている。一
方、演算増幅器X3の反転入力端子には、ローパスフィ
ルタ14を構成する演算増幅器X1の出力端子に接続さ
れ、VCO15の制御信号SIが入力されるものとなっ
ている。前記演算増幅器X1の非反転端子には、抵抗R
7およびコンデンサC2とからなる遅延手段31が接続
されており、第2の基準電圧Vcc/2が印加可能となっ
ている。そして、演算増幅器X1の非反転端子と演算増
幅器X3の出力端子との間にはダイオードDが設けられ
ている。前記ダイオードDのアノード側は、演算増幅器
X1の非反転端子に接続され、カソード側が演算増幅器
X3の出力端子に接続されている。
【0072】前記コンパレータ32(演算増幅器X3)
の出力端子側の内部構造は、オープンコレクタ型であ
る。そして、非反転入力端子の電位が反転入力端子の電
位よりも高いときには、前記オープンコレクタを構成す
るトランジスタ(図示せず)がオフ状態となるため、出
力端子が第1の基準電圧VRとなるので「H」レベルに
設定される。なお、このときの第1の基準電位VRは、
抵抗R12とR13との抵抗分割により決定される(V
R=R13・Vcc/(R12+R13))。このため、
上記第1の実施の形態同様に、R12:R13=1:4
となるように選定すると、第1の基準電位VRをコンパ
レータ32のヒステリシスの上限値Vhに設定すること
ができる(VR=Vh)。したがって、ダイオードDとコ
ンパレータ32(演算増幅器X3)内のトランジスタに
より、基準電圧変更手段(インピーダンス変換手段)お
よびインバータが構成されている。
【0073】一方、ダイオードDのアノード側の電位
は、第2の基準電圧Vcc/2または接地電位となるた
め、コンパレータ32の出力がHのときにはカソード側
の電位(VR=Vh)の方が高い状態にある。このとき、
ダイオードDはオフ状態であり、演算増幅器X1の非反
転入力端子は第2の基準電位Vcc/2に設定される。よ
って、演算増幅器X1の出力端子は、第2の基準電位V
cc/2を基準とする制御信号SIをVCO15の制御入
力端子15aに出力する。
【0074】上記において、前記制御信号SIに外乱が
混入すると、制御信号SIの電圧VIが変動するため、V
CO15の発振周波数fVが遷移する。このため、上記
の場合同様に駆動周波数fDが遷移して上記(1)ない
し(3)の場合と同様となる。
【0075】このうち、(1)の遷移周波数fmが共振
周波数faよりも低い場合(fm<fa)および(2)
の遷移周波数fmが共振周波数faと反共振周波数fr
との間の場合(fa<fm<fr)には、制御信号SI
の電圧VIは第1の基準電圧V R以下である。よって、コ
ンパレータ32の出力はいずれの場合もHレベル出力で
あるため、ダイオードDはオフ状態となり、演算増幅器
X1の反転入力端子には、第2の基準電圧Vcc/2が印
加された状態である。よって、PLL回路12Aが、遷
移周波数fm1又はfm2を共振周波数faの方向に戻
すよう動作するため、駆動信号SDの駆動周波数fDを振
動子11の検出信号SK1またはSK2の周波数にロックさ
せることができる。
【0076】一方、制御信号SIの電圧VIに、この電圧
レベルを超えるような過大な外乱が混入すると、駆動周
波数fDが,振動子11の反共振周波数frを超えた高
い周波数帯(図5のWc)に遷移する。この場合、コン
パレータ32の反転入力端子の電位(VI)が、非反転
入力端子の電位(VR)を超えるため、前記コンパレー
タ32(演算増幅器X3)内のオープンコレクタを構成
するトランジスタがオン状態となる。このため、コンパ
レータ32の出力は「L」レベルに反転する。この際、
演算増幅器X3に接続された抵抗R14の端子は、前記
オン状態のトランジスタを介してグランド電位に接地さ
れる。このため、抵抗R13と抵抗R14の並列抵抗をr
2とすると(r2=R12・R13/(R12+R1
3))、第1の基準電圧VRは、抵抗R12と並列抵抗
をr2との抵抗分割により決定される(VR=r2・Vcc
/(R12+r2))。よって、上記の実施の形態同様
に、抵抗R13とR14とを適切な抵抗値に選定するこ
とにより、このときの第1の基準電圧VRをコンパレー
タ32のヒステリシスの下限値VLに設定し、前記抵抗
R12とR13とで設定される第1の基準電圧VR(=
R12・Vcc/(R12+R13))をヒステリシスの
上限値Vhに設定することができる。
【0077】前記第1の基準電圧VRが下限値VLに設定
されると、ダイオードDのカソード側の電位はグランド
電位となり、アノード側には第2の基準電圧Vcc/2が
接続されているため、ダイオードDがオン状態となる。
よって、演算増幅器X1の非反転入力端子の電位はグラ
ンド電位となる。これにより、演算増幅器X1から出力
される制御信号SIの制御電圧VIが低下させられるた
め、VCO15から出力される発振周波数fVを低い周
波数帯に遷移させることができ、参照信号SBおよび駆
動周波数fDの周波数を振動子11の共振周波数fa以
下に設定することができる。
【0078】そして、一度演算増幅器X3の出力端子の
制御信号SIの電圧VIがヒステリシスの下限値VL以下
に低下すると、コンパレータ32(演算増幅器X3)の
出力端子の電位が再び「H」レベルに反転するため、第
1の基準電圧VRはヒステリシスの上限値Vhに設定し直
される。そして、演算増幅器X1の非反転入力端子の電
位は、抵抗R7と起動コンデンサC2の時定数により、
第2の基準電圧Vcc/2までゆっくり立ち上る。これに
より、制御信号SIの電圧VIも緩やかに上昇するため、
VCO15の発振周波数fVを低い周波数から除々に高
い周波数に遷移させ、VCO15が制御可能な周波数の
範囲に至らせることができる。よって、振動子11の駆
動周波数fDを低い周波数帯から除々に振動子11の共
振周波数fa付近に接近させることができ、駆動周波数
Dを振動子11の検出信号SK 1およびSK2の周波数に
ロックさせることが可能となる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、外乱によ
りPLL回路のロックが外れ、駆動周波数が振動子の検
出信号の周波数からずれ、反共振周波数よりも高い周波
数に遷移しても、駆動周波数が振動子の反共振周波数に
ロックすることを防止できる。さらに駆動信号の周波数
が振動の検出信号の周波数を追従できるようになる。よ
って、振動子を安定して発振させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における振動子の駆動装置を示すブロッ
ク構成図、
【図2】図1に示す振動子の駆動装置の実施の形態を示
す回路構成図、
【図3】検出部および位相比較手段での各信号のタイミ
ングチャートを示す図、
【図4】位相比較手段の出力、加算手段の出力および制
御信号との関係を示すタイミングチャート図、
【図5】振動子の位相特性を示す図、
【図6】制御手段の他の実施の形態を示す回路構成図、
【図7】従来のPLLを用いた振動子の駆動回路を示す
ブロック構成図、
【図8】振動子の位相特性を示す図、
【符号の説明】
10 駆動装置 11 振動子 12 PLL回路 13 位相比較手段 13a,13b EX−or(排他的論理和)回路 14 ローパスフィルタ 15 VCO(電圧制御発振器) 16 分周器 17 駆動部 18 検出器 20A,20B 制御手段 21,32 コンパレータ 22 基準電圧変更手段(インピーダンス変換手段) 23 インバータ回路 D ダイオード Tr1,Tr2 トランジスタ Vcc 電源電圧 VR 第1の基準電圧 Vcc/2 第2の基準電圧 Vh コンパレータの上限値 VL コンパレータの下限値 fa 共振周波数 fr,fr′ 反共振周波数 SI 制御信号 VI 制御信号の電圧(制御電圧) SV VCOの発振信号 fV VCOの発振周波数 SB 参照信号 fB 参照信号の周波数 SD 駆動信号 fD 駆動周波数 fm 遷移周波数(遷移後の駆動周波数) X1,X2,X3,X4 演算増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F105 BB04 CC04 CD11 5J106 AA04 BB05 CC01 CC26 CC38 CC52 DD21 DD46 GG01 HH03 JJ01 KK12 KK30 LL05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動すべき共振周波数と前記共振周波数
    よりも高い反共振周波数とを有する振動子と、VCO
    (電圧制御発振器)と、前記VCOから前記振動子に与
    えられる駆動周波数信号と前記振動子からの検出信号と
    の位相を比較する位相比較手段とを有し、前記位相比較
    手段で比較された位相差に基づく電圧が前記VCOへ発
    振周波数を制御する制御信号として与えられ、前記駆動
    周波数信号に基づいて前記振動子に駆動信号が与えられ
    る振動子の駆動装置において、 前記VCOに与えられる前記制御信号と第1の基準電圧
    とを比較し、前記制御信号の電圧が前記第1の基準電圧
    を超えたときに、前記制御信号を前記第1の基準電圧よ
    りも低い電圧に低下させる制御手段が設けられ、 前記振動子に与えられる駆動信号が前記反共振周波数に
    至らないように前記第1の基準電圧が設定されているこ
    とを特徴とする振動子の駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記VCOの発振周波数を分周手段によ
    り分周した参照信号が、前記駆動周波数信号となる請求
    項1記載の振動子の駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記位相比較手段がEX−or回路で、
    このEX−or回路で得られた信号が、この信号の振幅
    の中点となる電位の第2の基準電圧に基づいて平滑化さ
    れて前記VCOに与えられる制御信号が生成され、前記
    制御手段では、前記制御信号の電圧が前記第1の基準電
    圧を超えたときに前記第2の基準電圧を低下させるよう
    に動作する請求項1または2に記載の振動子の駆動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記振動子の異なる場所から2種類の検
    出信号が得られ、前記位相比較手段が2個設けられて、
    一方の位相比較手段では一方の前記検出信号と前記駆動
    周波数信号との位相が比較され、他方の位相比較手段で
    は他方の前記検出信号と前記駆動周波数信号との位相が
    比較され、前記両位相比較手段で検出された位相差を加
    算する加算手段が設けられ、前記加算された位相差に応
    じて前記制御信号が生成される請求項1又は2に記載の
    振動子の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記2個の位相比較手段がEX−or回
    路であり、前記加算手段では、2個の前記EX−or回
    路で得られた信号が加算され、加算された信号が、この
    加算された信号の振幅の中点となる電位の第2の基準電
    圧に基づいて平滑化されて前記VCOに与えられる制御
    信号が生成され、前記制御手段では、前記制御信号の電
    圧が前記第1の基準電圧を超えたときに前記第2の基準
    電圧を低下させるように動作する請求項4記載の振動子
    の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段には、VCOに与えられる
    制御信号の電圧と前記第1の基準電圧とを比較するコン
    パレータが設けられ、このコンパレータからの出力が前
    記第2の基準電圧を設定するものであり、前記制御信号
    の電圧が前記第1の基準電圧を超えたときに前記コンパ
    レータが前記第2の基準電圧を低下させる請求項3また
    は5記載の振動子の駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記コンパレータは、ヒステリシスを有
    し、前記ヒステリシスの下限値が振動子の前記共振周波
    数よりも低い周波数に相当する制御電圧に設定されてい
    る請求項6記載の振動子の駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009192458A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Panasonic Corp 角速度センサ
JP2013164296A (ja) * 2012-02-09 2013-08-22 Denso Corp 自励共振回路

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