JP2001107221A - 耐摩耗性皮膜被覆材料及びその製法 - Google Patents

耐摩耗性皮膜被覆材料及びその製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた密着性と靭性を有する皮膜を形成する
ことによって、高い耐摩耗性を発揮することの出来る耐
摩耗性皮膜被覆材料を提供すること。 【解決手段】 下記(A);下記(B);及び下記
(C)を含む皮膜が母材表面に被覆されたものであるこ
とを特徴とする耐摩耗性皮膜被覆材料。(A)Co、N
i、Mo及びCuよりなる群から選択される1種以上の
金属;(B)Al、Si、Fe、Ti、Mn、V、C
r、Nb、Zr及びWよりなる群から選択される1種以
上の金属の窒化物、炭化物若しくは炭窒化物;(C)金
属Fe;及びFeの窒化物、炭化物若しくは炭窒化物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた密着性と靭性
を兼ね備えた耐摩耗性皮膜を被覆した材料およびその製
造方法に関し、詳細には輸送機、産業機械、レジャー用
品等の分野において耐摩耗性が要求されるピストンリン
グ、バルブリフター、シム等の摺動部品及び、車軸、軸
受け、等速ジョイント、レールガイド、歯車等の転動部
品など各種機械部品の素材として有用な耐摩耗性皮膜被
覆材料、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より車軸などの転動部品やピストン
リングなどの摺動部品には、高い耐摩耗性が要求されて
おり、特に近年、皮膜の硬度だけでなく、靭性を付与し
て耐摩耗性の向上を図る技術が開発されている。例え
ば、特開平5−78821号には、Co、Ni及びMo
から選ばれる1種以上の金属と、Si、Ti、V、C
r、Fe、Zr、Nb及びWから選ばれる1種以上の金
属の炭化物又は窒化物との混合組織からなる皮膜を、イ
オンプレーティング法によって母材表面に被覆すること
により耐摩耗性、皮膜靭性を向上させたピストンリング
が提案されている。また特開平5−125521号に
は、TiNとNiよりなる皮膜をイオンプレーティング
法によって母材表面に被覆して密着性を向上させる技術
が開示されている。また本発明者らはAl、Si、F
e、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Hf、及びWよりな
る群から選択される1種以上の金属の炭化物、窒化物ま
たは炭窒化物中に、Co、Ni、Mo及びCuよりなる
群から選択される1種以上の金属を含む皮膜をイオンプ
レーティング法によって母材表面に被覆することにより
耐摩耗性及び靭性を向上させる技術を提案(特開平9−
71856号)している。
【0003】しかしながらこれら従来技術では、十分な
靭性を確保する為にNi、Co、Mo、又はCuを多量
に添加する必要があり、これら高価な金属の多量添加が
高コストの要因となっていた。特に成膜にイオンプレー
ティング法やスパッタリング法等の気相コーティング法
を用いる場合、特殊な組成のターゲット材を溶製した
り、或いは複数種のターゲットを用いる様な複雑な成膜
操作が必要となり、製造コストが大幅に上昇するため、
その適用は一部の高級品に限られていた。
【0004】また耐摩耗部材として鋼材が多用されてい
るが、この様な母材に施される従来技術の皮膜の主成分
は、母材とのヤング率差が大きいので、皮膜と母材が変
形する様な、局部的な面圧の高い環境下で使用すると、
皮膜と母材の界面に生じるせん断応力が高くなり、皮膜
と母材との密着性が低下するという問題が生じていた。
【0005】また更に、従来技術の皮膜を施した耐摩耗
部材を潤滑油存在下で使用すると、潤滑油と皮膜との相
性が悪い場合、例えば、部材の皮膜にNiが多量に含有
されていると、Niは潤滑油中のS系極圧剤と反応し、
Ni硫化物を生成して潤滑油を劣化させると共に、Ni
硫化物の生成によって極圧剤が減少する為に、潤滑油の
寿命が著しく低下するという問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を鑑
みてなされたものであり、その目的は優れた密着性と靭
性を有する皮膜を形成することによって、高い耐摩耗性
を発揮することの出来る耐摩耗性皮膜被覆材料を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明とは、下記(A);下記(B);及び下記(C)を
含む皮膜が母材表面に被覆されたものであることを特徴
とする耐摩耗性皮膜被覆材料である。(A)Co、N
i、Mo及びCuよりなる群から選択される1種以上の
金属;(B)Al、Si、Fe、Ti、Mn、V、C
r、Nb、Zr及びWよりなる群から選択される1種以
上の金属の窒化物、炭化物若しくは炭窒化物;(C)金
属Fe;及びFeの窒化物、炭化物若しくは炭窒化物こ
の際、皮膜中に金属Feの含有率が3wt%以上である
ことが望ましく、被覆される母材の硬度がHv600以
上のFe基合金であることが推奨される。
【0008】また上記の様な耐摩耗性皮膜被覆材料の製
造方法としては、下記(A);下記(D);及びFeを
含む合金ターゲットを用い、窒素及び/又はメタン存在
下で、物理蒸着法によって前記皮膜を母材表面に被覆す
れば良い。(A)Co、Ni、Mo及びCuよりなる群
から選択される1種以上の金属;(D)Al、Si、F
e、Ti、Mn、V、Cr、Nb、Zr及びWよりなる
群から選択される1種以上の金属尚、物理蒸着法として
は特にイオンプレーティング法が推奨され、成膜時のバ
イアス電圧を50V以下、処理温度を300℃以下とす
ることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記問題を解決す
るために研究を重ねた結果、皮膜に金属Feが残存して
いれば、膜の靭性や密着性を向上させることができるこ
とを知見し本発明に至った。
【0010】本発明に係る皮膜の成分として含まれるC
o、Ni、Mo及びCuよりなる群から選択される1種
以上の金属は、皮膜の靭性を向上させる成分であり、ま
たFeが窒化物、炭化物、或いは炭窒化物を生成するの
を阻害し、金属Feとして皮膜中に残存させるために必
要な成分である。こうした効果を発揮させるには、これ
らCo等から選択される1種以上の金属が皮膜中に存在
していればよいが、要求される靭性、及びFeの窒化
物、炭化物、或いは炭窒化物生成の阻害等の効果を十分
発揮させるには、2.5wt%以上含有させることが望
ましい。また上限は特に限定されないが、多量に含有し
ても効果が飽和すると共に、コストも上昇するので、3
0wt%以下の含有量とすることが推奨される。
【0011】尚、高い面圧下では、皮膜表面が塑性流動
を起こして加工硬化し、皮膜が破損することがあるの
で、この様な条件下に用いる場合は、皮膜の破損を防止
するために、Co、Ni、Mo及びCuよりなる群から
選択される1種以上の金属の皮膜中の含有率を15wt
%以上とすることが推奨される。
【0012】また本発明の皮膜の他の成分として、A
l、Si、Fe、Ti、Mn、V、Cr、Nb、Zr及
びWよりなる群から選択される1種以上の金属の窒化
物、炭化物、若しくは炭窒化物を含有させることが必要
である。これらの成分は、金属Fe;及びCo、Ni、
Mo、Cuよりなる群から選択される1種以上の金属に
よって構成されるマトリックスに分散して混合組織、或
いは分散組織を形成し、皮膜の硬度を向上させることが
できる。これらAl等の金属の窒化物、炭化物、若しく
は炭窒化物の皮膜中の含有量は特に制限されず、潤滑剤
の有無、摺動、又は転動速度、面圧などの摩耗条件、要
求寿命、マトリックスの種類等の使用条件によって適宜
決定しうるが、Hv800〜2000程度の皮膜硬度と
するには、好ましくは10wt%以上、より好ましくは
20Wt%以上含有させることが推奨され、上限は80
wt%が好ましく、より好ましくは50wt%である。
【0013】また更に本発明の皮膜の他の成分として、
金属Feを含有させることが必要である。皮膜中に金属
Feを含有させると、皮膜の靭性や密着性を向上させる
ことができる。
【0014】皮膜中の金属Fe含有量の上限は特に制限
されず、使用目的に応じて適宜金属Fe含有量を調節す
ることができる。金属Feの含有量が多いほど皮膜の靭
性、潤滑油との相性を向上させることができ、またコス
トの上昇を抑えることができるので、50wt%以上含
有することが推奨される。
【0015】また高い面圧下など皮膜表面が塑性流動を
起こして硬化しかねない環境で用いる場合、皮膜中に含
まれる金属Feが多くなると加工硬化を起こすことがあ
るので、金属Fe含有量を減少させ、例えば50wt%
以下にしてもよい。
【0016】皮膜中の金属Feが減少すると、皮膜の靭
性が低下すると共に、潤滑油との相性も悪化するので、
皮膜中の金属Fe含有量の下限は好ましくは3wt%、
より好ましくは10wt%とすることが望ましい。
【0017】尚、本発明の皮膜の含有成分である、C
o、Ni、Mo及びCuよりなる群から選択される1種
以上の金属;Al、Si、Fe、Ti、Mn、V、C
r、Nb、Zr及びWよりなる群から選択される1種以
上の金属の窒化物、炭化物若しくは炭窒化物;及びFe
の窒化物、炭化物若しくは炭窒化物の1種を除いた残部
は実質的に金属Feであるが、「残部は実質的に金属F
e」とは、Fe系合金中に通常含まれているC、P、
S、その他金属元素及びその窒化物、炭化物、若しくは
炭窒化物がマトリックス中に混入し、それらが皮膜中に
2wt%程度以下含有する場合、或いは皮膜の特性に大
きな影響を与えない範囲で酸化物や硼化物を混入させる
場合も本発明の範囲内とする意味である。
【0018】皮膜中の金属Feの存在形態は、均一な混
合組織であることが望ましいが、均一な混合組織ではな
く、局部的な偏在や分散組織の状態であっても十分な効
果を発揮することができる。
【0019】本発明に係る耐摩耗性皮膜が被覆される母
材の種類は特に限定されず、機械構造用鋼、工具用鋼、
軸受け鋼等のFe基合金や、Ti合金、Al合金、Mg
合金等の各種合金の他、超硬材料、セラミックスなどを
用いることができる。これらのうち高い硬度を有する素
材が好ましく、高い硬度を有していれば局部的な面圧が
かかる環境下で使用しても、母材の変形による皮膜の破
壊や、剥離を防止することができるので、母材として硬
度がHv600以上である素材が推奨され、この様な素
材としては、特にFe基合金が好ましい。Fe基合金で
あればヤング率が本発明に係る皮膜とほぼ同等の値を有
するため、皮膜と母材の界面に生じるせん断応力が高く
なっても、密着性を維持することができる。
【0020】本発明に係る耐摩耗性皮膜を母材に被覆す
る方法として、反応性のプラズマ溶射などを用いること
も可能であるが、イオンプレーティング法やスパッタリ
ング法などの物理蒸着法がが推奨され、これらの中で
も、成膜速度、反応性、密着性、操作性の観点からアー
クイオンプレーティング法(AIP法)に代表されるイ
オンプレーティング法が好ましい。
【0021】またこれら物理蒸着法による皮膜形成時の
プロセスガスとしては、窒素;メタン;或いは窒素、メ
タン混合ガスであり、該プロセスガス雰囲気中で成膜す
ることによって、Al、Si、Fe、Ti、Mn、V、
Cr、Nb、Zr及びWよりなる群から選択した金属を
窒化物、炭化物若しくは炭窒化物とすることができる。
【0022】物理蒸着法に用いるターゲット材として
は、(A)Co、Ni、Mo及びCuよりなる群から選
択される1種以上の金属;(D)Al、Si、Fe、T
i、Mn、V、Cr、Nb、Zr及びWよりなる群から
選択される1種以上の金属;及びFeを含有するターゲ
ット材であり、この様なターゲット材として例えば、市
販のオーステナイト系ステンレス等のFe基合金やニッ
ケルクロムモリブデン鋼等の合金鋼を用いることができ
るので、特殊な合金の溶製を必要とせず、また複数種の
ターゲット材を用いる成膜操作の様な複雑な作業を必要
としないので、コストの上昇を防ぐことができる。
【0023】尚、上記(D)より窒化物、炭化物若しく
は炭窒化物を形成する金属としてFeを選択した場合
は、実質的に金属Feと上記(A)より選択される金属
とを成分とするターゲット材を用いることになるが、皮
膜形成時に金属Feの一部が窒化物、炭化物若しくは炭
窒化物となり、結果として皮膜中には上記(A)と;F
eの窒化物、炭化物若しくは炭窒化物;及び金属Feの
3成分が含まれる。また上記(D)の金属としてFe以
外の金属(例えばCr)を選択しても、成膜過程で金属
Feの一部が窒化物、炭化物若しくは炭窒化物となり、
皮膜中には上記(A)より選択した金属;Crの窒化
物、炭化物若しくは炭窒化物;Fe;及びFeの窒化
物、炭化物若しくは炭窒化物が含まれることになる。
【0024】皮膜中のFeが金属Feであるか、或いは
Feの窒化物、炭化物若しくは炭窒化物であるかは、T
EM、或いはXRD(X線回析)等を用いて調べること
ができる。
【0025】尚、皮膜中の金属Feの含有量は、成膜時
の母材の処理温度、バイアス電圧を調整することによっ
ても調整することができる。Feの窒化、炭化、或いは
炭窒化を極力抑え、皮膜中に金属Feのまま残存させる
ためには、成膜時のバイアス電圧及び母材温度を通常よ
り低く調整することが推奨される。バイアス電圧の上限
は50Vとすることが望ましい。母材温度はターゲット
合金の組成や成膜条件によって変わるが、通常、300
℃以下とすることが好ましく、より好ましくは250℃
以下、さらに好ましくは200℃以下とすることが推奨
される。またこの様に成膜時の母材の処理温度を低くす
ると調質された母材の硬度を維持することができるので
好ましい。
【0026】母材に被覆される本発明に係る皮膜の厚み
は特に限定されず、用途や使用条件に応じて膜厚を選択
することができるが、皮膜が薄すぎると、用途によって
は十分な特性を発揮できない場合があるので、3μm以
上とすることが好ましい。また皮膜が厚すぎると膜靭性
の低下や表面粗度の悪化等をもたらす場合があるので2
0μm以下とすることが推奨される。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0028】クロムモリブデン浸炭窒化鋼を母材として
用い、この母材表面にアークイオンプレーティング法
(AIP)またはスパッタリング法によって下記表1に
示す条件(ターゲット材、プロセスガス、成膜時処理温
度)で皮膜を被覆し、得られた各種耐摩耗性皮膜被覆材
料の膜硬度、靭性、密着性、耐摩耗性について評価し
た。結果を表1に示す。
【0029】尚、各皮膜の膜厚はおよそ5μmとした。
また成膜時の処理温度を調節するために必要に応じて間
欠成膜を行うと共に、圧力調整のためにArガスを必要
に応じて適宜混入させた。製造方法の他の条件を以下に
示す。
【0030】 [アークイオンプレーティング法] ガス導入前真空度 :1×10-3〜5×10-5Torr スパッタクリーニング :−500〜−800V、2分(間欠) ガス導入後圧力 :0.5〜40mTorr 成膜時カソード電流 :100〜200A 成膜時バイアス電圧 :−5〜−50V 成膜前温度 :100〜150℃ [スパッタリング法] ガス導入前真空度 :5×10-4〜5×10-5Torr スパッタクリーニング :−700V、2分(間欠) ガス導入後圧力 :2×10-3Torr 成膜時カソード電流 :100〜200A 成膜時バイアス電圧 :−50〜−200V 成膜前温度 :100〜150℃ RF出力 :500W
【0031】各耐摩耗性皮膜被覆材料の膜の硬度、靭
性、密着性、及び耐摩耗性について評価を行った。各耐
摩耗性皮膜被覆材料の評価方法を以下に示す。 [硬度] マイクロビッカース硬度計 [靭性、密着性] スクラッチ試験機 圧子 :ダイヤモンド、先端径200μmR 速度 :10mm/min 荷重 :100N/min 靭性評価基準 :ピッチング発生荷重 密着性評価基準:剥離発生荷重(剥離が発生したものは
表中(剥離)と記載) 尚、靭性及び密着性はいずれか低い荷重で発生したもの
を評価した。 [耐摩耗性] ローラーピッチング試験 面圧 :3GPa 滑り率 :−40% 回転数 :1500rpm 潤滑油 :ディーゼルオイル(2L/min、90℃) 相手材 :SUJ2鋼 評価基準 :振動で試験片が停止するまでの回転数 [皮膜中のFe]TEM及びXRDを用いて皮膜中のFe
が金属Feであるか、Feの窒化物、炭化物、或いは炭
窒化物であるかを判断した。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかな様に、皮膜中に金属Fe
を含有し、他の皮膜成分等を満足する本発明例No.1
〜19は、優れた靭性、及び密着性を有し、耐摩耗性に
も優れた特性を示した。一方、本発明の範囲外である比
較例No.20〜22は十分な靭性もしくは密着性が得
られず、耐摩耗性も劣る。
【0034】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明の耐摩耗性
皮膜被覆材料は、優れた靭性と密着性を有する皮膜を形
成しており、十分な耐摩耗性を発揮することができた。
【0035】本発明の耐摩耗性皮膜被覆材料は、ピスト
ンリング、バルブリフター、シム等の摺動部品及び、車
軸、軸受け、等速ジョイント、レールガイド、歯車等の
転動部品の素材として、輸送機、産業機械、レジャー用
品等、幅広い分野に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 克浩 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 安部 聡 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 松島 義武 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内 Fターム(参考) 3J011 DA02 QA03 SB02 SB03 SB04 SB12 SB13 SB14 SB15 SB20 SD02 SD03 4K029 AA02 BA02 BA06 BA12 BA54 BA55 BA56 BA57 BA58 BA60 BB02 BC02 BD04 CA04 CA06 CA13 DC35 DD06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A);下記(B);及び下記
    (C)を含む皮膜が母材表面に被覆されたものであるこ
    とを特徴とする耐摩耗性皮膜被覆材料。 (A)Co、Ni、Mo及びCuよりなる群から選択さ
    れる1種以上の金属 (B)Al、Si、Fe、Ti、Mn、V、Cr、N
    b、Zr及びWよりなる群から選択される1種以上の金
    属の窒化物、炭化物若しくは炭窒化物 (C)金属Fe;及びFeの窒化物、炭化物若しくは炭
    窒化物
  2. 【請求項2】 前記金属Feの含有率が3wt%以上で
    ある請求項1に記載の耐摩耗性皮膜被覆材料。
  3. 【請求項3】 前記母材の硬度がHv600以上のFe
    基合金である請求項1または2のいずれかに記載の耐摩
    耗性皮膜被覆材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗
    性皮膜被覆材料を製造するにあたり、下記(A);下記
    (D);及びFeを含む合金ターゲットを用い、窒素及
    び/又はメタンの存在下で、物理蒸着法によって前記皮
    膜を母材表面に被覆することを特徴とする耐摩耗性皮膜
    被覆材料の製造方法。 (A)Co、Ni、Mo及びCuよりなる群から選択さ
    れる1種以上の金属 (D)Al、Si、Fe、Ti、Mn、V、Cr、N
    b、Zr及びWよりなる群から選択される1種以上の金
  5. 【請求項5】 前記物理蒸着法がイオンプレーティング
    法である請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 成膜時のバイアス電圧が50V以下であ
    る請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 成膜時の処理温度が300℃以下である
    請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
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