JP2001107036A - 蛍光被覆体製造支援方法、その製造支援システム並びに発光素子用蛍光被覆体 - Google Patents

蛍光被覆体製造支援方法、その製造支援システム並びに発光素子用蛍光被覆体

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JP2001107036A
JP2001107036A JP28458199A JP28458199A JP2001107036A JP 2001107036 A JP2001107036 A JP 2001107036A JP 28458199 A JP28458199 A JP 28458199A JP 28458199 A JP28458199 A JP 28458199A JP 2001107036 A JP2001107036 A JP 2001107036A
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勉 小田喜
Mitsuharu Utsuki
光春 宇津木
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益次 田崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顧客の要求する、均一な色調の蛍光材を含有
するフィルタを迅速、容易に製造可能にする。 【解決手段】 CPU2は演算手段21、検索手段22
を備える。演算手段21は顧客から提示される2種類の
LEDの光源色度座標x,yとLEDに蛍光被覆体を装
着した状態で得られる発光色の要求色度座標x1,y1
とから蛍光体材料に関連する係数a〜dを算出する。R
OM3は蛍光体材料特定情報を表1の形式で記憶する登
録データ記憶部31を有する。検索手段22は算出され
た係数a〜dを検索パラメータとして登録データ記憶部
31内の表1から適合する所要の蛍光体材料特定情報を
抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオード
(以下、LEDという)等の半導体発光素子その他の発
光素子に被覆して素子の発光色を変換する蛍光被覆体の
製造を支援する方法、支援システム並びに製造支援方法
を用いて製造された発光素子用蛍光被覆体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、低消費電力及び長寿命を有する光
源としてLEDが知られている。LEDは基台材料の種
類等に起因して固有の波長光を放射するもので、主に
R、G、Bの三原色を発光するものがそれぞれ製造さ
れ、光源の他種々の用途に適用されるに至っている。
【0003】また、近年、特定の波長光を励起する蛍光
材料をフィルタ上に形成し、これをLEDを被せて合成
色として白色の発光色を得るものが知られている。白色
光を得ることで、その用途が広がり、また、所望する着
色剤を含有して形成されたフィルタをさらに装着するこ
とで、白色をさらに別の任意の発光色に変えることがで
きるという利点がある。
【0004】一方、近年、青色LEDのチップYAG
(アルミン酸イットリウム)系蛍光体の層を設けた白色
LEDが提案されている。この白色LEDは、蛍光体の
層によって励起された光と青色LEDからの光が合成さ
れて白色光が作り出されるようになっている。この白色
LEDは着色剤を含有したカラーフィルタが装着される
ことで、所望の発光色を得ることができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同一の
材料で製造されたLEDであっても、構成材料側(チッ
プ等)のばらつきや製造設備側の稼働環境等に起因して
発光特性すなわち色調が全て均一には製造できず、個々
にばらつきを有している。図5は、任意に選択された複
数の青色LEDのサンプルを発光させて得られた色度の
分布を示すものである。この図5(CIE(国際照明委
員会)に準拠した標準表色系)に示すように、各青色L
EDはサンプルAの色度座標(x、y)=(0.20
7,0.116)〜サンプルBの色度座標(x、y)=
(0.359,0.067)の範囲で色度にばらつきが
見られる。このばらつきは色度で0.01以上の差があ
るため視認可能であり、従って、このような青色LED
に同じ蛍光体が含有されたフィルタを被覆して色変換を
施しても、得られる光の色調は依然としてばらつきを有
しており、用途等によってはユーザの要求を満足し得る
ものとはいえなかった。また、蛍光体フィルタによって
白色光に変換された青色LEDに着色剤を含有したカラ
ーフィルタをさらに装着しても、輝度の著しい低下及び
褪色に問題があった。
【0006】一方、図6は、任意に選択された複数の白
色LEDのサンプルを発光させて得られた色度の分布を
示すもので、青色LEDチップ自体の色調ばらつきとチ
ップ上の蛍光体の添加量や層厚ばらつき等に起因する色
調ばらつきとが作用した結果、色度x、y値共に0.0
5程度のばらつきを有している。従って、かかる白色L
EDに蛍光体を含有する同一のフィルタを被覆して所定
の色に変換しても、得られる光の色調は青色LEDの場
合以上にばらつきを有したものとなり、また、着色剤が
含有されたカラーフィルタの装着に対しても青色LED
の場合と同様な問題を有している。
【0007】そこで、メーカでは、測色作業を行って青
色(又は白色)LEDをばらつきの範囲内に対して更に
細かい色調範囲ごとに仕分けし、ランクを付して管理す
るようにし、また、ユーザ側においては上記仕分けされ
たLEDに対し、更に要求色精度に対応して設定された
色調範囲に仕分けるべく測色作業を行って、要求を満た
すLEDのみを用いるようにしており、結果的に歩留ま
りが悪く、かつコストアップとなっていた。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、仕分けされたそれぞれの発光素子に対して変換後の
発光色をより均一な色調に変え得る蛍光被覆体を容易か
つ迅速に製造工程に提供し得る製造支援方法、そのシス
テム並びに該方法を用いて製造された発光素子用蛍光被
覆体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蛍光被覆体
製造支援方法は、発光素子の光源色情報と該光源色を変
換して得られる要求発光色情報との関係を蛍光体材料に
関連する係数を介して関係付けておき、特定の発光素子
の光源色情報及び要求発光色情報から前記係数を求め、
得られた係数から蛍光体材料を特定するようにしたもの
である。
【0010】この構成によれば、特定の発光素子の光源
色情報及び要求発光色情報を外部の顧客(メーカやユー
ザ)から提示されるなどした場合に、発光素子の光源色
情報と要求発光色情報との関係を蛍光体材料に関連する
係数を介して関係付けた内容に対して、提示された特定
の発光素子の光源色情報及び要求発光色情報を適用させ
て、まず係数を求め、次いで、求めた係数に関連する蛍
光体材料を直ちに特定する。特定される材料としては、
要求発光色情報に一致するもの乃至は(一致するものが
ないときは)予め得ておいた複数の事前データに近似す
るものとなる。これにより、顧客が要求する要求発光色
情報を実質満足する蛍光原料の種類、組成比、基材に対
する混合比(重量部)等を蛍光体特定情報として、現実
に発光素子の入手を待つまでもなく、素早く得ることが
可能となり、しかも、かかる蛍光体材料特定情報を必要
に応じて顧客へ迅速に提示でき、かつ製造の了解(製造
注文)があれば、形状等が判っていることを条件に、発
光素子に被覆可能な形状を有する蛍光被覆体を直ちに製
造することが可能となる。
【0011】ここに、顧客から入手される光源色情報を
有する発光素子は、顧客がメーカであれば、前述したよ
うに該メーカにおいてばらつきの範囲内に対して更に細
かい色調範囲ごとに仕分けしている各仕分け毎のもので
あり、また、顧客がユーザであれば、ユーザ側で更に要
求色精度に対応して設定された色調範囲に仕分けされた
後のものである。従って、仕分けされた発光素子に対し
て、該仕分け毎の発光素子に対する変換後の発光色を、
少なくとも仕分け分の色調ばらつきを越えることのな
い、より均一な色調に変え得る蛍光被覆体が作成され
る。また、異なる仕分け分に対して要求される要求発光
色情報が同一の場合でも、異なる仕分け分の光源色情報
から蛍光体の材料特定情報を得ることが可能となり、こ
れにより、異なる仕分け分の発光素子であっても、各仕
分け分に対応して製造された蛍光被覆体を被覆すること
で、被覆後の色調を同一にすることが可能となる。
【0012】請求項2記載の発明は、前記関係付けが、
数3の行列式により表されるものとし、この行列式から
係数a、b、c、dを求め、得られた係数a〜dから蛍
光体材料を特定するようにしたものである。
【0013】
【数3】
【0014】但し、x、y:発光素子の光源色度 x1、y1:(蛍光被覆体を被せて得られる)要求発光
色度 この構成によれば、行列式が予め記憶されており、この
行列式に光源色情報及び要求色情報を代入することで係
数a〜dを算出するようにすればよい。なお係数の数は
4個であるから、これらの係数を計算上特定するには、
1つの要求発光色度x1、y1に対して、少なくとも発
光素子の光源色度情報を2種類入手する必要がある。こ
の2種類は、前記同一の仕分け分に含まれるものであ
る。2種類の情報は無作為に選出されたものでもよい
し、また、該仕分け分の発光素子の平均色度に対して反
対方向にばらついた適宜な値の情報でもよい。
【0015】請求項3記載の発明は、蛍光体材料を特定
する情報が係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記録
されており、得られた係数a〜dに適合する蛍光体材料
特定情報をテーブルから読み出して報知するようにした
ものである。これにより、テーブル中の蛍光体材料を所
有しておけば、該当する蛍光体材料特定情報が読み出さ
れ報知されると、直ちに蛍光被覆体の製造開始が可能と
なる。
【0016】請求項4記載の発明は、この蛍光体材料
は、蛍光原料の種類、組成比、及び基材に対する混合比
(重量部)で特定されるようにすれば、正確な再現性が
可能となる。発光素子が入荷されるに先立って蛍光体が
特定されるので、素子形状や寸法などが入手できれば、
特定された蛍光体材料を用いた蛍光被覆体が迅速に製造
可能となる。
【0017】請求項5記載の蛍光被覆体製造支援システ
ムは、発光素子の光源色情報と該光源色を変換して得ら
れる要求発光色情報とを蛍光体材料に関連する係数を介
して関係付けて記憶する記憶手段と、特定の発光素子の
光源色情報及び要求発光色情報から前記係数を求める第
1の演算手段と、得られた係数から蛍光体材料を特定す
る情報を抽出する検索手段とを備えたものである。ま
た、好ましくは、この記憶手段は、数4を記憶するもの
であり、第1の演算手段は係数a、b、c、dを例えば
逆算等により求めるものであり、検索手段は得られた係
数a〜dに適合する蛍光体材料を特定する情報を抽出す
るものである(請求項6)。
【0018】
【数4】
【0019】但し、x、y:LEDの光源色度 x1、y1:(蛍光被覆体を被せて得られる)要求発光
色度 請求項7記載の発明は、記憶手段が、蛍光体材料を特定
する情報を係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記憶
したものであり、検索手段は第1の演算手段で求めた係
数a〜dに適合する蛍光体材料特定情報をテーブルより
抽出するものである。また、請求項8記載の発明は、記
憶手段が、蛍光体材料を、蛍光原料の種類、組成比、及
び基材に対する混合比で特定する情報として記憶したも
のである。
【0020】請求項9記載の発明は、前記発光素子の光
源色情報及び要求発光色情報を外部端末から受信可能な
データ通信手段を備えたことを特徴とするものであり、
請求項10記載の発明は、前記抽出された蛍光体材料特
定情報および前記発光素子の光源色情報から定まる予測
発光色情報を求める第2の演算手段を備え、データ通信
手段は、前記予測発光色情報を前記外部端末へ送信する
ことを特徴とするものである。これにより、現物の発光
素子が入手できていない段階から、製造された蛍光被覆
体の特性を予測でき、かつ迅速な製造移管が提供可能と
なる。
【0021】請求項11記載の発光素子用蛍光被覆体
は、請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光被覆体製造支
援方法を用いて製造されたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図2は本支援システムを用いて製
造されたフィルタの一例を示す縦断面図である。図2に
おいて、蛍光被覆体としてのフィルタ11はLED12
のチップ部をモールドした樹脂部の紡錘状(や半球)等
の外形に沿った形状に形成されると共に、好ましくは均
一な所定の厚みに設定されている。このフィルタ11は
蛍光体を基材である樹脂に混合して、LED11の外形
に一致する形状(多少伸長してフィットする形状も実質
含む)に成形して製造されたもので、LEDの光源光と
該光源光の一部を利用して蛍光体で励起された光とを混
合してある。製造方法については詳細は後述する。
【0023】図1は本発明に係る蛍光被覆体製造支援シ
ステムの一実施形態における制御構成を示すブロック図
である。図1において、蛍光被覆体製造支援システム1
はコンピュータで構成されており、CPU(Central Pr
ocessing Unit:中央演算処理装置)2、ROM(Read
Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)
4、オペレータが各種操作指令を行うための入力部5及
び表示画面を持つ表示部6を備えると共に、外部と通信
可能なデータ通信手段としての送受信部7とを有してい
る。
【0024】CPU2は、各部に対する動作を統括的に
制御するものである。ROM3は、各部の基本的な動作
を行わせる動作制御プログラムの他に、本発明に適用さ
れる蛍光被覆体の製造を支援する製造支援プログラムが
記憶されていると共に、後述する表1に示すようなテー
ブルデータが記憶されている。RAM4は、CPU2に
よる処理途中のデータを一時的に記憶するためのもので
ある。入力部5はキーボードやマウス、さらにはポイン
ティングデバイス(タッチパネル)などで構成されてお
り、必要なデータの入力やCPU2に対する種々の動作
をオペレータから指令するためのものである。表示部6
は、液晶表示装置やCRT表示装置などから構成され、
オペレータの入力データや入力指令内容を確認的に表示
すると共に、前記製造支援プログラムに基づく処理によ
って得られた結果を適宜表示するものである。また、必
要に応じてプリンタを備え、得られた処理結果(蛍光体
材料特定情報)をプリンタに印字出力するようにしても
よい。
【0025】送受信部7は、公衆電話回線(有線および
無線)やファクシミリの他、専用回線やインターネット
などのネットワーク(電子メール含む)を介してデータ
通信を可能とするものである。なお、送受信部7はCP
U2から制御されるものに限定されず、個別の指示に応
答して動作するものでもよい。また、本システムに通信
機能を内蔵させ、得られた結果を直接(あるいはオペレ
ータによる送信指示を受けて)顧客に送信するようにし
てもよい。
【0026】CPU2は、演算手段21、検索手段22
を備える。演算手段21は、製造支援プログラムに基づ
いて、数5に示す行列式を利用して以下の計算を実行す
る。すなわち、顧客から提示される2種類のLEDの光
源色度座標x,yとLEDに蛍光被覆体を装着した状態
で得られる発光色の要求色度座標x1,y1とから蛍光
体材料に関連する係数a〜dを算出する。また、特定さ
れた係数a〜dと光源色度座標x,yとから予測色度座
標x1,y1を算出する。
【0027】
【数5】
【0028】ただし、x,yはLEDの発光色を表わす
光源色度を示す座標であり、a〜dは蛍光原料の種類、
組成比および重量部(基材に対する混合比)より定まる
固有の係数(定数)であり、x1,y1は蛍光被覆体
(以下、フィルタという)装着した状態での前記した要
求色度や予測色度を示す座標である。なお、係数a〜d
を求める際には、係数a〜dを求めるべく数5を逆算し
た形の式で計算を行うことになるが、式の概念としては
実質的に差がないので、便宜的に数5で示している。
【0029】ROM3は後述する表1のデータを記憶す
る登録データ記憶部31を有しており、検索手段22
は、登録データ記憶部31内の表1から、後述するよう
に係数a〜dを検索パラメータとして所要の蛍光体材料
を抽出するものである。
【0030】次に、製造支援処理手順を説明する。◇ まず、本製造支援システムの稼働に先立つ事前作業とし
ての表1の作成について、青色LEDの光源光を白色光
に変換する蛍光体材料を例に説明する。
【0031】ある色調で発光する青色LEDの色度座標
x,yに対して種々の材料(蛍光原料の種類、組成比お
よび重量部)を用いてフィルタを製造し、これらのフィ
ルタを青色LEDにそれぞれ被覆して色測定を行って実
測色度座標x1,y1を求める。一方、各フィルタに含
有される蛍光原料の種類、組成比および重量部に応じて
特定される固有の係数a〜dを求める。
【0032】続いて、先の青色LEDとは微妙に異なる
色調を有する青色LEDについて前記と同様に複数のフ
ィルタを製造し、色測定を行って実測色度座標x1,y
1を求めると共に、材料固有の係数a〜dを求める。こ
の場合のフィルタとしては先の青色LEDで採用したも
のも必要に応じて採用してもよい。それぞれのフィルタ
を被覆した場合に得られる白色光の色調は、光源として
の青色LEDの色調に応じて当然、微妙に異なるが、そ
のうち、白色光として許容可能な範囲の色調が得られた
フィルタの情報のみを有効な情報とし、それ以外すなわ
ち許容される白色の色調から外れたものは除外される。
【0033】さらに、それぞれ色調の微妙に異なる青色
LEDについて同様の作業を行う。ここに、微妙に異な
る色調の青色LEDとは、実質的に同様の色調と見なせ
る如き、前述した区分けされた範囲毎のものである。全
ての青色LEDについて上記作業を実施することが好ま
しい一方、情報量の膨大さ及び作業量との関係から、本
実施形態では区分け範囲毎の青色LEDについて情報を
入手する事前作業に止めている。そして、各区分の青色
LED毎に表1に示すような表を作成する。
【0034】また、かかる事前作業は青色LEDの他
に、各区分の赤色LEDや緑色LED等他の発光色を有
するLEDと、それぞれ微妙に異なる色調の白色光に変
換し得るフィルタとの関係、すなわち係数等を求めるよ
うにする。
【0035】そして、得られた各区分けされた色調のL
ED毎に、少なくともそれぞれの材料を特定する情報
(蛍光原料の種類、組成比および重量部)及び固有の係
数a〜dが対応して表1に示すテーブル形式で登録デー
タ記憶部31に書き込まれる。登録データの書き込み
は、入力部5を用いて行ったり、あるいは色測定器側で
データ入力したときは、該測定器からデータ転送して登
録データ記憶部31に書き込むようにすることも可能で
ある。
【0036】表1は、上述した登録データ記憶部31の
記憶内容の一例を示すもので、ある区分の青色LEDに
関するデータである。表1では、蛍光体としてYAG蛍
光体を用いた例で示しており、それぞれの白色光を得る
べく、組成比および重量部とそれぞれに固有の係数a〜
dをテーブル形式で示している。表は、各区分のLED
をグループ単位として、その中でさらに各蛍光原料の種
類及び組成比が各重量部毎に(表1では20重量部と2
5重量部とが示されている)表にされている。
【0037】なお、表の形式は表1に限定されず、1つ
のまとまった表としてもよい。
【0038】
【表1】
【0039】この事前作業の後、以下の製造支援処理手
順が実行可能となる。◇図3は本製造支援システムにお
ける製造支援手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS1では、フィルタ被覆対象となるLE
Dについて、(1つの区分毎に)2種類の光源色情報
(色度座標x、y)及び要求色度座標x1、y1が外部
(顧客;メーカあるいはユーザ)の通信端末装置から送
受信部7を介してデータ入力され、あるいはデータ入手
がファクシミリや電話からの音声によるときは入力部6
を介してのオペレータによるデータ入力の待ち状態とさ
れる。光源色情報(色度座標x、y)及び所望の要求色
度座標x1、y1の入力があると(ステップS1でYE
DS)、入力情報は一旦RAM4に記憶され、次いで、
数5に示す行列式を用いて、2種類の光源色度座標x、
yおよび1つの要求色度座標x1、y1から係数a〜d
の算出が行われる(ステップS3)。
【0040】続いて、算出された係数a〜dと登録デー
タ記憶部31内のテーブルデータとの照合処理を検索手
段22により実行する(ステップS5)。この照合処理
は、まず対象となるLEDと同一の区分に属するグルー
プの検索から実行される。対象となるLEDの光源色度
情報x、yは入力しているので、この情報(2種類の光
源色度情報が存在するため、両者の平均値を採用するな
どすればよい)と各グループのLEDの色度情報とを比
較することで行う。基本的には、色度値がの差が採用と
なるものを検索すれ場よい。あるいは、各グループのL
EDの色度の範囲を登録しておくようにすれば、対象と
なるLEDの色度が包含される色度範囲のグループを検
索するようにすればよい。
【0041】グループの特定が終了すると、次に、該グ
ループ内の表に対して、係数の照合による検索処理が実
行される。まず、係数同士の完全一致(所定の桁まで)
が存在するか否かを検索し(ステップS7)、完全一致
した場合には当該係数a〜dに対応する蛍光原料の種
類、組成比および重量部に関する材料特定情報を抽出す
る(ステップS9)。一方、完全一致の係数が存しない
場合には(ステップS7NO)、算出された係数a〜d
に最も近い係数a〜dを表から抽出する検索し(ステッ
プS11)、検索した係数a〜dに対応する蛍光原料の
種類、組成比および重量部の材料特定情報を抽出する
(ステップS13)。最も近い係数a〜dの特定は、例
えば対応する係数間の差の合計が最小となるものを、あ
るいは他の好適な手法を採用して抽出すればよい。
【0042】その後、光源色度座標(x,y)および特
定した係数a〜dから予測色度座標(x1,y1)を計
算し、必要ならば、予測色度の計算結果を顧客先に伝送
するなどして、特定した材料及び予測色度座標について
の顧客先の承認(製造注文)を得る。なお、ステップS
7で、係数a〜dが登録データ記憶部31内の表の係数
と一致したときは要求色度座標と予測色度座標とは完全
に一致する。
【0043】その後、LEDの形状データなどを入手し
て製造を開始する。製法としては、例えば抽出した蛍光
体条件データを満足するような各構成物質を化学量論比
に秤量し、エタノール中で混合し、乾燥後、るつぼ中で
摂氏1500度焼成を行って、所望の蛍光体を製造する
ことができる。さらに、その蛍光体を特定された重量部
だけ基材であるシリコーンゴム材料に混合してフィルタ
の材料を製造する。フィルタの材料をフィルタ用金型内
に注入して加熱プレスを用いて成形することで、顧客先
が所望する均一な色度座標の発光色を得るフィルタが製
造される。したがって、現物のLEDが入荷されるまで
に、あるいは入荷されなくても(この場合製造したフィ
ルタのみを顧客に納入すればよい)独自に製造ができ、
納期をより短縮した形で注文が取れ、かつ製造、納入が
できることとなる。
【0044】以上の構成により、フィルタを通して、顧
客先が要求する均一な要求色度座標の発光色を得るため
の蛍光体材料特定情報を自動的、かつ素早く得ることが
でき、この蛍光体条件データに基づいて、対象となるL
EDに最適なフィルタを迅速に製造することができるも
のである。
【0045】また、フィルタ被覆対象のLEDが異なる
色調区分に亘屡ような顧客の製造依頼であって、それら
に対して同一の要求色度座標が提示された場合でも、各
区分毎のLEDに対して前述と同様な処理手順を実行し
て各区分毎の材料の特定を行えばよく、このようにする
ことで、異なる区分に亘って被覆後の発光色度座標とし
て実質的に一致したフィルタをそれぞれ短期で製造する
ことができる。
【0046】ここで、予測色度座標と実測した色度座標
とに差がないことを具体的に検証する。
【0047】まず、セリウム(Ce)で付活した蛍光原
料の種類、組成比がY1.8Gd1.2Al512であるYA
G蛍光体を、シリコーンゴムに添加量(濃度)として2
3重量部だけ混合し、厚さ0.35mmのフィルタをフ
ィルタ用金型と加熱プレスを用いて成形して製造した。
この場合、YAG蛍光体の組成比は、Y:Gd:Al=
1.8:1.2:5である。このフィルタの係数(係
数)a〜dはそれぞれ、実験データからa=1.65
6、b=0.880、c=1.151、d=1.824
であることが判っている。
【0048】次に、発光波長のピーク値が466nm、
468nm、470nm,472nmである4種類の青
色LEDをそれぞれ通電電流20mAで点灯させ、所定
距離を置いて発光波長分光放射輝度計(PR−704
Photo Research社製)で色度を測定した。ここで、得
られた青色LEDの発光色の色度座標(x,y)と上記
係数a〜dの各値を数5の行列式に代入することによ
り、上記YAG蛍光体を23重量部混合したフィルタを
被覆して点灯させたときの発光色の色度座標を予測す
る。一方、実測した色度座標(x11,y11)を、青色L
EDの発光色の色度座標(x,y)を計測したときと同
様にして計測した。それらを比較した比較結果を次の表
2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】上記表2において、予測色度座標と実測色
度座標との差は殆どなかった。つまり、人間の目で色度
が識別できるオーダは0.01以上であるが、色度座標
の予測値と実測値においてx値およびy値共に0.00
1程度のオーダであって、これは目視で識別不能な差で
あった。したがって、予測色度座標から色度座標の実測
値を充分に予測することが可能であることが判った。
【0051】また、上記YAG蛍光原料の種類および組
成比は同一で、重量部を15重量部に、また12重量部
に順次変えた場合にも、次の表3、4のようになり、上
記と同様に予測色度座標と実測色度座標とには差がなか
った。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】なお、フィルタの係数a〜dは、15重量
部を混合した場合には実験データから、a=1.51
7、b=0.422、c=0.890、d=1.337
であり、15重量部を混合した場合には実験データか
ら、a=1.481、b=0.239、c=0.79
4、d=1.159であった。
【0055】したがって、表2〜表4により、蛍光体の
重量部が異なる場合にも、発光色の色度座標の実測値と
近いレベル(目視識別範囲内のレベル)で発光色の色度
座標を容易かつ正確に予測することができた。また、こ
こでは示していないが、重量部の場合と同様に、蛍光体
の種類および組成比が異なる場合にも、発光色の色度座
標の実測値と近いレベル(目視識別範囲内のレベル)で
発光色の色度座標を容易かつ正確に予測することができ
ることが判った。
【0056】このことから、予測色度座標と実測色度座
標は実質等しくなるため、青色LEDの光源色度座標、
要求色度座標データが顧客の通信端末装置から得られ、
予め実験に基づいて係数a〜dが判っていると、所定の
蛍光体を含有させたフィルタをその青色LEDに被覆し
て点灯させたときの発光色の色度座標を、数5を用いて
計算することで、容易に素早く予測できることになる。
【0057】なお、上記実施形態では、演算手段21
が、LEDの光源色度座標x,yおよび、LEDにフィ
ルタを装着して得られる発光色の要求色度座標x1,y
1から係数a〜dを計算し、検索手段22が、算出した
係数a〜dと表1のテーブルデータの係数a〜dとの一
致または略一致を検索し、一致または略一致するテーブ
ルデータの係数a〜dから、蛍光原料の種類(例えばY
AG蛍光体など)、組成比および重量部を自動的に検索
するようにしたが、テーブルデータの係数a〜dとの一
致検索処理や、一致する係数a〜dに対応した蛍光原料
の種類、組成比および重量部の検索処理をオペレータの
操作により行うようにしてもよい。また、表1のような
テーブルデータは印刷された紙データであってもよく、
紙データの表を用いて、表の係数a〜dとの一致検索
や、一致する表の係数a〜dに対応した蛍光原料の種
類、組成比および重量部の検索を目視で行うようにして
もよい。
【0058】また、上記実施形態では、所望の均一な色
度を得る場合について説明したが、これに限らず、色度
調整に加えて輝度調整を含めた色(色調)調整としても
よい。この場合、検索手段22は、相対発光強度(輝
度)が異なる蛍光体の複数種類の中から選択したり、複
数の蛍光体材料を組み合わせた複合的な蛍光体材料を選
択して、略同じ所望の輝度値になるようするようにすれ
ばよい。好ましくは、選定した蛍光原料の種類と同一の
種類において、照合結果で適合する係数a〜dに対応し
た蛍光原料の種類、組成比および重量部を抽出するよう
にすればよい。例えば後述する、Y1.8GD1.2Al5
12、Y2.4Gd0.6Al512、Y3Al512を用いて蛍
光被覆体(蛍光体の種類)を製造する場合、上記それぞ
れの主発光波長における相対発光強度100,86,8
9から、顧客が要求する輝度となるように線形補間的な
計算を施して配分量を調整設定することができる。
【0059】さらに、LED用透光性被覆材としてのフ
ィルタをキャップ状にしたものを例に説明したが、これ
に限らず、LEDを被覆するシート形状であってもよ
い。透光性被覆材をシート状に形成するには、蛍光体
(蛍光体)と結着樹脂とを溶融混練し、インフレーショ
ン法、T型ダイス法、溶液流延法およびカレンダー法な
どを採用すればよい。
【0060】また、本実施形態では表色系として色度を
採用したが、これに限定されず、他の表色系を用いて
も、実質的に本発明の目的は達成可能である。
【0061】なお、光源に使用するLEDとして、Ga
N系青色LEDの他、各種のLEDも用いることがで
き、具体的には、例えばGa:ZnO赤色LED、Ga
AsP系赤色LED、GaAsP系橙・黄色LED、G
aP:N緑色LED、SiC青色LED、II−VI族青色
LED(例えばZnSeを発光材料に用いたLED;発
光波長464nm)などを挙げることができる。これら
の中で、青色LEDの発光波長が最も短くエネルギーが
高いので、より効果的に蛍光体を励起することができる
ため、輝度を稼ぐことができるという利点がある。続い
て緑色LED、さらに橙・黄色LED、赤色LEDの順
に好ましい。また、LEDの形態は何れの形態であって
もよく、例えばLEDランプ、チップタイプLED、セ
グメントタイプLEDなどが好適に使用できる。なお、
発光素子としては発光ダイオードや半導体発光素子でも
よい。
【0062】また、使用する発光物質として、Y1.8
1.2Al512、Y2.4Gd0.6Al512、Y3Al5
12などのYAG蛍光体を用い、付活剤としてセリウムの
他、所謂蛍光体、発光顔料、発光染料などの多種多様な
蛍光物質を用いることができる。有機系蛍光体として
は、例えばアリルスルホアミド・メラミンホルムアルデ
ヒド共縮合染色物、ペリレン系蛍光体などを挙げること
ができ、また、無機系蛍光体としては、例えばアルミン
酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩などを挙げることができる。
これらの中でも長期間使用可能な点や、効率よく発光す
る点からペリレン系蛍光体やアルミン酸イットリウムが
特に好ましい。さらに、蛍光体に添加する付活剤として
は、例えばセリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリ
ニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロムなどの
元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ま
しい。母体結晶と付活剤の組み合わせとしてアルミン酸
イットリウム(YAG蛍光体)とセリウムの組み合わせ
が好ましく、YAG蛍光体を効率よく発光させることが
できる。
【0063】また、発光物質と混合して使用する樹脂と
しては、シリコーンゴムの他、例えばアクリル樹脂、ポ
リカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、シリコーン系エラストマー、ポリオレフィン系
エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーな
どの樹脂を使用することができる。これらの中でも、シ
リコーン系エラストマーなどが好適に使用される。本実
施形態で用いたシリコーンゴムはシリコーン系エラスト
マーに属するものである。(実施例)GaN系青色LE
D12a、12b(E1L33−3B 豊田合成社製)
を20mAで点灯させ、所定距離を置いて分光放射輝度
計(PR−704 Photo Research社製)で測定し、
発光波長として472nmと464nmとを得た。発光
波長が472nmである青色LED12aは、色度座標
でx=0.1226,y=0.1069であり、輝度は
30.45cd/m2であった。また、発光波長が46
4nmである青色LED12bは、色度座標でx=0.
1369,y=0.0611であり、輝度は25.54
cd/m2であった。両者を比べると、色度座標のx値
で0.043、y値で0.0458の差があり、x、y
値共に差が0.01以上あることから、目視では色度が
違ったように見えてしまい(例えば前述した異なる区
分)、輝度でも4.91cd/m2の差があった。
【0064】フィルタ11aは、セリウム(Ce)で付
活したY1.8Gd1.2Al52のYAG蛍光体を、結着樹
脂としてのシリコーンゴム材料に23重量部混合し、フ
ィルタ用金型と加熱プレスを用いて成形して製造した。
フィルタ11aの厚さは0.35mmであった。
【0065】このフィルタ11aを青色LED12a,
12bにそれぞれ装着し、通電電流20mAで点灯さ
せ、所定距離を置いて発光波長分光放射輝度計(PR−
704Photo Research社製)で測定した。このときの
色度座標および輝度値を表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】表5において、x値の差は0.01以下
で、人間の目には識別できない程度の差であって無視で
きるものの、y値の差は、0.01以上であって人間の
目では明らかに識別できた。
【0068】一方、表5から、青色LED12a,12
bの発光波長ピーク値および色度が異なれば、同一のフ
ィルタ11aを該青色LED12a,12bに被覆させ
ても、均一な色度および輝度が得られないことが判っ
た。なお、フィルタ11aを介在させることで、輝度
は、青色LED12aが30.45cd/m2から6
8.7cd/m2に、青色LED12bが25.54c
d/m2から84.8cd/m 2になり、いずれも上昇し
たことが判った。
【0069】さらに、セリウム(Ce)で付活した蛍光
体であるY2.4Gd0.6Al512とY3Al512を3:
2の割合で混合してシリコーンゴム中に18重量部添加
し、厚さ0.35mmのフィルタ11bをフィルタ用金
型と加熱プレスを用いて成形して製造した。このフィル
タ11bを青色LED12a,12bのうち、発光ピー
クが464nmである青色LED12bに装着して通電
電流20mAで点灯させ、所定距離を置いて発光波長分
光放射輝度計(PR−704 Photo Research社製)
で測定した。このときのフィルタ11bの色度座標およ
び輝度値を表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】表5、6の内容をグラフにした図4におい
て、色度座標Aは、発光波長ピークが472nmである
青色LED12aにフィルタ11aを被覆して得られた
色度座標であり、色度座標Bは発光波長ピークが464
nmである青色LED12bに蛍光体(Y1.8Gd1.2
512)を23重量部の添加量を添加したフィルタ1
1aを被覆して得られた色度座標であり、色度座標Cは
青色LED12bにフィルタ11bを被覆して得られた
色度座標である。色度座標Aと色度座標Cは非常に近い
色調(色度と輝度)の値になり、目視では殆ど識別でき
ない(同一区分に属することとなった)ことが判った。
同じ青色LED12bに対してフィルタ11aからフィ
ルタ11bに変えることによって、図4中の色度座標B
から色度座標Cに色度座標および輝度値が変化した。
【0072】このことから発光特性(発光波長ピーク)
が異なる青色LED12a,12bを用いても、使用す
る蛍光体の種類、組成比(Gdの組成物量)および添加
量(濃度)を異ならせた蛍光体材料を用いて成形したフ
ィルタ11a,11bを用いることで、発光色度および
発光強度(輝度)を変化させることによって、均一な色
調(色度と輝度)を得ることができることが確認でき
た。
【0073】ここで、使用した蛍光体は、Y23,Gd
1.23,Al23,CeO2を化学量論比に秤量し、エ
タノール中で混合し、乾燥後るつぼ中で摂氏1500度
にて焼成を行って製造したものであった。一般に、Gd
23の添加量が増加するほど、蛍光体の主発光波長にお
ける発光強度が減少した。ここでは、それに反するが、
輝度を調節するために、Y1.8Gd1.2Al512、Y2.4
Gd0.6Al512、Y 3Al512の蛍光体全体として主
発光波長における相対発光強度が100,86,89で
ある蛍光体を使用して輝度値を調整した。
【0074】以上のように、LED12a,12bのよ
うに色調が異なっていても、略同じ色度座標および輝度
が得られるように、含有する蛍光体の種類(Y1.8Gd
1.2Al512)、組成比(Y:Gd:Al=1.8:
1.2:5の混晶比)および添加量(23重量部)の蛍
光体を用いたフィルタ11aを一方のLED12aに装
着させ、また、含有する蛍光原料(体)の種類(Y2.4
Gd0.6Al512とY3Al512の混合物)、組成比
(Y:Gd:Al=2.4:0.6:5と、Y:Al=
3:5との混合比3:2)および添加量(18重量部)
の蛍光体を用いたフィルタ11bを他方のLED12b
に装着させることで、色度座標および輝度が略同じ均一
な色調を得ることができ、従来行っていた色調範囲毎の
仕分け作業(選別作業)を行う必要がなく、歩留まりよ
く安価なものとすることができる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、発光素子が入荷される
に先立って蛍光体が特定され、素子形状や寸法などが入
手できれば、特定された蛍光体を用いた蛍光体被覆材を
迅速に製造できる。また、蛍光体被覆材を介して、区分
の異なる色調の発光素子間において所望のより均一な色
調を得ることができる。
【0076】また、数式を利用することで、素早くかつ
正確に所望する蛍光体材料を特定することができる。
【0077】また、データ通信手段を介して予測色情報
を顧客に送信することができるため、現物がなくても、
製造承認の判断が容易、可能となり、結局、製造の迅速
化に寄与できる。
【0078】さらに、請求項11によれば、光源色調が
異なる発光素子に対して、本被覆体を介在させることに
よって略同じ要求色情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光被覆体製造支援システムの一
実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【図2】図1の蛍光被覆体製造支援システムを用いて製
造されるフィルタの構成を示す縦断面図である。
【図3】図1の蛍光被覆体製造支援システムにおける動
作の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例において、各蛍光体により得られる色度
座標および輝度を示す図である。
【図5】任意の青色LEDにおける色度座標のばらつき
を示す図である。
【図6】複数の白色LEDにおける色度座標のばらつき
を示す図である。
【図7】図6の色度座標(x値)に対する輝度値のばら
つきを示す図である。
【符号の説明】
1 蛍光被覆体製造支援システム 2 CPU 21 演算手段(第1の演算手段、第2の演算手段) 22 検索手段 3 ROM 31 登録データ記憶部 4 RAM 5 表示部 6 入力部 7 送受信部(データ通信手段) 11,11a,11b フィルタ 12,12a,12b 青色LED
フロントページの続き (72)発明者 小田喜 勉 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社朝日ラバー内 (72)発明者 宇津木 光春 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社朝日ラバー内 (72)発明者 田崎 益次 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社朝日ラバー内 (72)発明者 市川 明 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社朝日ラバー内 Fターム(参考) 4H001 CA01 XA08 XA13 XA39 XA64 YA58 5F041 CA37 CA38 CA40 CA46 DB01 EE25

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子の光源色情報と該光源色を変換
    して得られる要求発光色情報との関係を蛍光体材料に関
    連する係数を介して関係付けておき、特定の発光素子の
    光源色情報及び要求発光色情報から前記係数を求め、得
    られた係数から蛍光体材料を特定することを特徴とする
    蛍光被覆体製造支援方法。
  2. 【請求項2】 前記関係付けは、数1により表されるも
    のであり、係数a、b、c、dを求め、得られた係数a
    〜dから蛍光体材料を特定することを特徴とする請求項
    1記載の蛍光被覆体製造支援方法。 【数1】 但し、x、y:発光素子の光源色度 x1、y1:(蛍光被覆体を被せて得られる)要求発光
    色度
  3. 【請求項3】 前記蛍光体材料を特定する情報は、前記
    係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記録されてお
    り、得られた係数a〜dに適合する蛍光体材料特定情報
    を前記テーブルから読み出して報知することを特徴とす
    る請求項2記載の蛍光被覆体製造支援方法。
  4. 【請求項4】 前記蛍光体材料は、蛍光原料の種類、組
    成比、及び基材に対する混合比で特定されるものである
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の蛍光被
    覆体製造支援方法。
  5. 【請求項5】 発光素子の光源色情報と該光源色を変換
    して得られる要求発光色情報とを蛍光体材料に関連する
    係数を介して関係付けて記憶する記憶手段と、特定の発
    光素子の光源色情報及び要求発光色情報から前記係数を
    求める第1の演算手段と、得られた係数から蛍光体材料
    を特定する情報を抽出する検索手段とを備えた蛍光被覆
    体製造支援システム。
  6. 【請求項6】 前記記憶手段は、数2を記憶するもので
    あり、前記第1の演算手段は、係数a、b、c、dを求
    めるものであり、前記検索手段は、得られた係数a〜d
    に適合する蛍光体材料を特定する情報を抽出することを
    特徴とする請求項5記載の蛍光被覆体製造支援システ
    ム。 【数2】 但し、x、y:発光素子の光源色度 x1、y1:(蛍光被覆体を被せて得られる)要求発光
    色度
  7. 【請求項7】 前記記憶手段は、蛍光体材料を特定する
    情報を前記係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記憶
    したものであり、前記検索手段は、第1の演算手段で求
    めた係数a〜dに適合する蛍光体材料特定情報を前記テ
    ーブルより抽出することを特徴とする請求項6記載の蛍
    光被覆体製造支援システム。
  8. 【請求項8】 前記記憶手段は、蛍光体材料を、蛍光原
    料の種類、組成比、及び基材に対する混合比で特定する
    情報として記憶したものであることを特徴とする請求項
    5〜7のいずれかに記載の蛍光被覆体製造支援システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記発光素子の光源色情報及び要求発光
    色情報を外部端末から受信可能なデータ通信手段を備え
    たことを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載の蛍光
    被覆体製造支援システム。
  10. 【請求項10】 前記抽出された蛍光体材料特定情報お
    よび前記発光素子の光源色情報から定まる予測発光色情
    報を求める第2の演算手段を備え、データ通信手段は、
    前記予測発光色情報を前記外部端末へ送信することを特
    徴とする請求項9記載の蛍光被覆体製造支援システム。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光
    被覆体製造支援方法を用いて製造された発光素子用蛍光
    被覆体。
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