JP2001106932A - アゾ色素合成法 - Google Patents

アゾ色素合成法

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JP2001106932A
JP2001106932A JP28137599A JP28137599A JP2001106932A JP 2001106932 A JP2001106932 A JP 2001106932A JP 28137599 A JP28137599 A JP 28137599A JP 28137599 A JP28137599 A JP 28137599A JP 2001106932 A JP2001106932 A JP 2001106932A
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JP28137599A
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Takemare Nakamura
剛希 中村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B27/00Preparations in which the azo group is formed in any way other than by diazotising and coupling, e.g. oxidation

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 式(I): 【化1】 (D1は−N(R1)(R2)又は−O−PGを示し、R1及び
2は水素原子又はアルキル基などを示し、PGは水素
原子、アルキル基、又は水酸基の保護基などを示し;R
3〜R6は水素原子又は置換基を示し;BGは−CON
(R7)(R8)などを示す)で表される化合物と、式(I
I): 【化2】 (Lは芳香族求核置換反応で離脱可能な基を示し;Xは
窒素原子又は炭素原子をを示し;QはC及びXと結合し
て5又は6員の芳香環を形成する非金属原子団を示す)
で表される化合物との間で置換反応を行い、必要に応じ
て得られた化合物を酸化剤で処理する工程を含む、下記
一般式(III)で表される化合物を製造する方法。 【化3】 【効果】 ジアゾニウム塩を経由するカップリング反応
では合成することができないアゾ色素を効率的に製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料やインクジェット用カラーインク、電子写真用
トナー染料などに有用なアゾ色素の製造方法及びその製
造用中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】アゾ色素は色素の中でも最も重要なもの
の1つとして知られる。合成法に関しても極めて多種の
方法が知られており、これに関しては多くの文献に記載
されている。これらの中でも最も一般的な方法は、芳香
族ジアゾニウム化合物と電子供与的な芳香族化合物との
カップリングである。また、Zollinger著「A
zo and Diazo Chemistry」(I
ntersciencePublisher,In
c.,New York刊)やPatai編、「The
Chemistry of Functional
Groups−TheChemistry of Di
azonium and Diazo Groups」
に記載のあるように、ジアゾニウム化合物は芳香族アミ
ンをニトロソ化する方法や芳香族ヒドラジンを酸化して
合成する方法など知られている。しかしながら、ジアゾ
ニウム化合物自体が不安定な場合があり、反応の相手と
なるカプラーの活性が非常に高い場合を除いて色素を得
ることが極めて困難となる。
【0003】また、特開平8−851331号公報には
カプラーとアリールヒドラジド酸化体のカップリング反
応によるアゾ色素合成法が記載されている。この方法は
上記の問題を解決する1つの手段となりうるが、アリー
ルヒドラジドの合成が困難な場合があり、またカプラー
としてアニリン誘導体を用いた時には満足のいく収率が
得られないという問題があり、より汎用的な方法が求め
られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、アゾ
色素の効率的な製造方法を提供することにある。より具
体的には、ジアゾニウム化合物を経ることなく効率的に
アゾ色素を製造する方法を提供することである。また、
本発明の別の課題は、アゾ色素の製造用中間体として有
用な化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記一般式(I)
で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物
との間で置換反応を行い、得られた生成物を必要に応じ
て酸化剤で処理することにより、極めて効率的にアゾ色
素を製造できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、下記一般式(I):
【化5】 (式中、D1は−N(R1)(R2)又は−O−PGを示し、
1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又
はアリール基を示し、PGは水素原子、アルキル基、ア
リール基、又は水酸基の保護基を示し;R3、R4
5、及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を示
し;BGは−CON(R7)(R8)、−SO2N(R 7)
(R8)、−CO−R7、−COO−R7、又は−SO2−R
7を示し、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子、アル
キル基、又はアリール基を示し;R1とR3、R 1とR5
PGとR3、PGとR5、R3とR4、R5とR6、及び/又
はR7とR8は互いに結合して環を形成してもよい)で表
される化合物又はその塩と、下記一般式(II):
【化6】 (式中、Lは芳香族求核置換反応で離脱可能な基を示
し;Xは窒素原子又はC−Subを表し、Subは水素
原子又は置換基を示し;QはC及びXと結合して5又は
6員の芳香環を形成する非金属原子団を示す)で表され
る化合物又はその塩との間で置換反応を行い、必要に応
じて得られた化合物又はその塩を酸化剤で処理する工程
を含む、下記一般式(III):
【化7】 (式中、R3、R4、R5、R6、X、及びQは上記と同義
であり、D2はD1と同義であるか、又はD1から官能基
変換された置換基を示す)で表される化合物又はその塩
を製造する方法が提供するものである。
【0007】この発明の好ましい態様によれば、BGが
−CON(R7)(R8)であり、一般式(I)で表される化
合物又はその塩と一般式(II)で表される化合物又はそ
の塩との間で置換反応を行うことにより得られた化合物
又はその塩を酸化剤で処理して一般式(III)で表され
る化合物又はその塩を製造する方法が提供される。
【0008】別の観点からは、上記一般式(I)
(D1、R3、R4、R5、R6、及びBGは上記と同義で
ある。ただしBGが−SO2−R7である場合を除く)で
表される化合物又はその塩と上記一般式(II)(L、
X、及びQは上記と同義である)で表される化合物又は
その塩との間で置換反応を行う工程を含む、下記一般式
(IV):
【化8】 (式中、D2、R3、R4、R5、R6、BG、X、及びQ
は上記と同義である。ただしBGが−SO2−R7である
場合を除く)で表される化合物又はその塩の製造方法;
及び上記一般式(IV)で表される化合物又はその塩が提
供される。上記一般式(IV)で表される化合物又はその
塩においてBGが−CON(R7)(R8)であることが好ま
しい。また、本発明により、アゾ色素の製造用中間体で
ある上記一般式(IV)で表される化合物又はその塩が提
供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書において、アルキル基又
はアルキル部分を含む置換基のアルキル部分は、直鎖
状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれ
でもよい。炭素数は特に限定されないが、例えば、1〜
20個、より好ましくは1〜16個、さらに好ましくは
1〜12個、特に好ましくは1〜8個程度である。例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、シクロプロピル基、n−ブチル、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基など
を挙げることができる。また、アリール基としては、環
を構成する炭素原子数が6〜14個、より好ましくは6
〜12個、さらに好ましくは6〜10個程度の単環性、
2環性、又は3環性のアリール基を用いることができ、
より具体的には、フェニル基、ナフチル基などが好まし
い。
【0010】R1及びR2が示すアルキル基またはアリー
ル基は、1又は2個以上の置換基を有していてもよい。
置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されず、
2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも
異なっていてもよい。置換基の例としては、例えば、ハ
ロゲン原子(本明細書において「ハロゲン原子」という
場合には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ
素原子のいずれでもよい)、メルカプト基、シアノ基、
ニトロ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒド
ロキシ基、アミノ基、イソチオシアナート基、イソシア
ナート基、炭素原子数が1〜8のアルコキシ基(例え
ば、メトキシ基、エトキシ基など)、炭素原子数が6〜
20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフ
トキシ基など)、炭素原子数が2〜10のアルコキシカ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基)、炭素原子数が6〜20のアリールオキ
シカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基な
ど)、炭素原子数が2〜10のアシル基(例えば、アセ
チル基、ピバロイル基など)、炭素原子数が2〜8のア
シルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基など)、炭素原子数が2〜8のアシルアミノ基
(例えば、アセチルアミノ基など)、炭素原子数が1〜
8のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタ
ンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基など)、炭素原
子数が1〜20のスルフィニル基(例えば、メタンスル
フィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィ
ニル基など)、炭素原子数が1〜8のスルホニルアミノ
基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホ
ニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基など)、炭
素原子数が1〜10のカルバモイル基(例えば、カルバ
モイル基、メチルカルバモイル基、モリホリノカルバモ
イル基など)、炭素原子数が1〜20の置換アミノ基
(例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジ
ルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基など)、
炭素原子数が2〜10のスルファモイル基(例えば、メ
チルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペ
リジノスルファモイル基など)、炭素原子数が0〜15
のアンモニウム基(例えば、トリメチルアンモニウム
基、トリエチルアンモニウム基など)、炭素原子数が0
〜15のヒドラジノ基(例えば、トリメチルヒドラジノ
基など)、炭素原子数が1〜15のウレイド基(例え
ば、ウレイド基、N,N-ジメチルウレイド基など)、炭素
原子数が1〜15のイミド基(例えば、スクシンイミド
基など)、炭素原子数が1〜20のアルキルチオ基(例
えば、メチルチオ基、エチルチオ基など)、炭素原子数
が6〜20のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ
基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチ
オ基、2−ピリジルチオ基、ナフチルチオ基など)、炭
素原子数1〜20の置換又は無置換のヘテロ環基(例え
ば、ピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、
フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、2−
ピラジル基など)、炭素原子数2〜18の不飽和炭化水
素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1−シクロヘキ
セニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基など)、炭
素原子数が6〜20の置換若しくは無置換のアリール基
(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、炭素原子数
が1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基など)が挙げられる。
【0011】R1及びR2が示すアルキル基は1又は2個
以上の不飽和結合を含んでいてもよい。アルキル基上の
置換基として、より好ましくは、ハロゲン原子、アリー
ル基、カルボアミド基、スルホンアミド基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ト
リフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基、スル
ファモイル基、スルホ基、ヘテロ環基、多重結合を有す
る基などが挙げられる。R1及びR2が示すアルキル基の
炭素数は特に限定されないが、置換基を含めて1〜50
が好ましく、1〜30がさらに好ましく、1〜20が最
も好ましい。
【0012】R1及びR2が示すアリール基は1又は2個
以上のヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、イオ
ウ原子など)を含んでいてもよく、環上の好ましい置換
基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、
カルボアミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カ
ルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、トリフル
オロメチル基などのハロゲン化アルキル基、スルファモ
イル基、スルホ基、ヘテロ環基、多重結合を有する基な
どが挙げられる。R1及びR2が示すアリール基の炭素数
は特に限定されないが、置換基を含めて2〜50である
ことが好ましく、3〜30がより好ましく、4〜20が
最も好ましい。
【0013】また、R1及びR2は互いに結合して環を形
成していてもよい。環としては、例えば、5〜7員環を
形成することができ、環上にはさらに1又は2個以上の
置換基が存在していてもよい。環は1又は2個以上のヘ
テロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、イオウ原子な
ど)を含んでいてもよく、1又は2個以上の二重結合を
含んでいてもよい。環上には、さらに1又は2以上の置
換基が存在していてもよく、置換基としては上記に例示
したものを用いることができる。
【0014】PGは水素原子、アルキル基、アリール
基、または水酸基の保護基を表す。PGがアルキル基又
はアリール基を示す場合には、その意味は上述のR1
びR2で述べたものと同様である。PGが水酸基の保護
基を表すとき、水酸基の保護基としてはセオドーラ・W
・グリーン、ピーター・G・M・ワッツ(Theodora W.
Greene, Peter G. M. Wuts)著、プロテクティブ・グル
ープ・イン・オーガニック・シンセシス(Protective G
roup in Organic Synthesis)、第2版、ジョン・ウィ
レイ・アンド・サンズ(John Wiley & Sons, Inc.)刊
の第2章、10頁から142頁に記載されているもの
や、そこで引用されているものを用いることができる。
より具体的には、アセチル基、ピバロイル基、テトラヒ
ドロピラニル基、メトキシメチル基、t−ブチル基、ベ
ンジル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンゼンスルホ
ニル基などが挙げられる。
【0015】R3、R4、R5、及びR6が示す一価の置換
基の種類は特に限定されないが、例えば、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、カルボアミド基、スルホ
ンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバ
モイル基、シアノ基、トリフルオロメチル基などのハロ
ゲン化アルキル基、スルファモイル基、アルケニル基、
アルキニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、又はアミノ基
などを用いることができ、これらはさらに1又は2個以
上の置換基を有していてもよい。R3、R4、R5、及び
6が炭素原子を含む置換基を表すとき、炭素数はそれ
ぞれ1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1
〜18が最も好ましい。
【0016】また、R1とR3、R1とR5、PGとR3
PGとR5、R3とR4、及び/又はR5とR6は互いに結
合して環を形成してもよい。形成される環の員数として
は5〜7が好ましく、5または6がさらに好ましい。環
は1又は2個以上のヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸
素原子、イオウ原子など)を含んでいてもよく、1又は
2個以上の二重結合を含んでいてもよい。環上には1又
は2個以上の置換基が存在していてもよく、置換基とし
ては上記に例示した置換基を用いることができる。
【0017】R7及びR8がアルキル基又はアリール基を
示す場合には、その意味は上述のR1及びR2で述べたも
のと同様である。アルキル基又はアリール基は1又は2
以上の置換基を有していてもよく、置換基の例として
は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボア
ミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、シアノ基、トリフルオロメチ
ル基などのハロゲン化アルキル基、スルファモイル基、
アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、スルホ
基、アミノ基が挙げられる。R7及びR8は互いに結合し
て環を形成してもよい。形成される環の員数としては5
〜7が好ましく、5又は6がさらに好ましい。環は1又
は2個以上のヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原
子、イオウ原子など)を含んでいてもよく、1又は2個
以上の二重結合を含んでいてもよい。環上には1又は2
個以上の置換基が存在していてもよく、置換基としては
上記に例示した置換基を用いることができる。
【0018】BGの総炭素数は、0〜50が好ましく、
1〜30がより好ましく、1〜20が最も好ましい。ま
た、BGとしては−CON(R7)(R8)が最も好ましく、
さらにR7とR8の少なくとも一方が水素原子であること
が好ましい。
【0019】Lは芳香族求核置換反応で離脱可能な基を
示す。このような基は当業者に適宜選択可能であるが、
好ましくは、ハロゲン原子、アリールオキシ基(フェノ
キシ基、2−ホルミルフェノキシ基、4−ニトロフェノ
キシ基、2−ピリジルオキシ基など)、スルホニルオキ
シ基(メタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホ
ニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基
など)、スルホニル基(メタンスルホニル基、フェニル
スルホニル基など)、アルキルまたはアリールチオ基
(メチルチオ基、フェニルチオ基、4−ピリジルチオ基
など)、ニトロ基、スルホ基などを用いることができ
る。
【0020】XがC−Subを示す場合、炭素原子上に
置換するSubは水素原子又は置換基を示す。Subが
置換基を示す場合には、ハメットのシグマパラ(σp)
値が0.3以上の電子吸引性基であることが好ましい。
このような電子吸引性基の例としては、例えば、ニトロ
基、スルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメ
チル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シ
アノ基、アシル基、ヘテロ環基などが好ましい。
【0021】Qは一般式(II)において、炭素原子
(C)とXに結合して5又は6員の芳香族環を形成する
非金属原子団を示すが、ここで形成される環は単環又は
2環以上の多環式環系であってもよい。2環式以上の環
系の場合には、芳香族縮合環系又は非芳香族環を縮合し
た環系であってもよい。C、X、及びQによって形成さ
れる環の例としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン
環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、1,
2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、
1,2,4,5−テトラジン環、ピロール環、イミダゾ
ール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、
1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾ
ール環、イソチアゾール環、1,2,4−チアジアゾー
ル環、1,3,4−チアジアゾール環、オキサゾール
環、イソオキサゾール環、1,2,4−オキサジアゾー
ル環、1,3,4−オキサジアゾール環、フラン環、チ
オフェン環などが好ましく、さらにここで挙げた環を任
意に複数縮環させた多環式のものも好ましく用いること
ができる。
【0022】Qは1又は2個以上の置換基を有していて
もよく、その例としてはR3〜R6の例として示したもの
が挙げられるが、本発明において行われる芳香族求核置
換反応を容易にするために、さらに電子吸引性基を有し
ていてもよい。この電子吸引性基の例としてはSubの
例として挙げた電子吸引性基、ハロゲン原子、ポリハロ
メチル基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられ、こ
れらの電子吸引性基を1つ以上有しているものも好まし
い。
【0023】上記の式(I)ないし(IV)で表される化
合物は酸付加塩を形成する場合がある。酸付加塩として
は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩,硫酸塩、
又は燐酸塩などの鉱酸塩の他、p−トルエンスルホン酸
塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、リン
ゴ酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩を挙げることができ
る。また、置換基の種類によっては塩基付加塩を形成す
る場合もある。さらに、上記の式(I)ないし(IV)で
表される化合物又はその塩は水和物又は溶媒和物として
存在することがある。式(IV)で表される遊離形態若し
くは塩の形態の化合物、又はそれらの水和物若しくは溶
媒和物はいずれも本発明の範囲に包含される。また、本
発明の方法には、上記の任意の物質を用いてもよい。
【0024】さらに、上記の式(I)ないし(IV)で表
される化合物は、置換基の種類によっては1又は2個以
上の不斉炭素を有する場合がある。このような場合、1
又は2個以上の不斉炭素に基づく光学異性体,および2
個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体などの立
体異性体が存在することがある。式(IV)で表される化
合物についての純粋な形態の任意の立体異性体、立体異
性体の任意の混合物、ラセミ体などはいずれも本発明の
範囲に包含される。また、本発明の方法には、上記の任
意の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体
などを用いてもよい。
【0025】以下に一般式(I)で表される化合物の具
体例を示すが、本発明で用いられる化合物はこれらに限
定されることはない。
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】また、一般式(II)で表される化合物の具
体例を示すが、本発明で用いられる化合物はこれらに限
定されることはない。
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】一般式(I)で表される化合物は以下の反
応式で示す方法に従って、アニリンと非対称のアゾジカ
ルボニル化合物とを反応させ、一方のカルボニル部分を
選択的に脱保護することにより合成できる(一般式
(I)においてD1が−N(R1)(R2)の場合を示す)。
【0035】
【化16】
【0036】第1段目の反応については、類似の反応が
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Jour
nal of Organic Chemistry)、59巻3号、682頁
(1994年)に記載されており、この反応を参考にし
て反応を行うことができる。R’COを脱保護する反応
条件についてはR’によって異なるが、その例について
はセオドーラ・W・グリーン、ピーター・G・M・ワッ
ツ(Theodora W. Greene,Peter G. M. Wuts)著、プロ
テクティブ・グループ・イン・オーガニック・シンセシ
ス(Protective Group in Organic Synthesis)、第2
版、ジョン・ウィレイ・アンド・サンズ(John Wiley &
Sons, Inc.)発行に水酸基やアミノ基の保護基の脱保
護方法として詳しく述べられている。
【0037】一般式(II)で表される化合物は一般的
に知られている骨格であり、市販されている化合物も多
い。合成法もすべて既知であり、この分野の成書を参考
にすることで容易に合成することができるが、いくつか
の化合物について実施例に具体的に示した。
【0038】本発明のアゾ色素の製造方法に従って、一
般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される
化合物との間で芳香族求核置換反応を行い、製造中間体
として一般式(IV)で表される化合物が得られる場合に
は、引き続いて酸化反応を行うことによりアゾ色素へと
導くことができる。
【0039】この芳香族求核置換反応においては、溶媒
として種々の溶媒を用いることができる。また、反応は
無溶媒でも行うことができるが、多くの場合、温度調節
を容易にするためや反応を速やかに進行させるために、
溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては極性溶媒又
は非極性溶媒、あるいはプロトン性溶媒又は非プロトン
性溶媒のいずれを用いてもよく、例えば、アルコール
類、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素、飽和炭
化水素、ハロゲン化アルキル類、ニトリル類、アミド
類、カルボン酸類、ケトン類などを用いることができ
る。使用可能な溶媒の例を挙げると、n−ヘキサン、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クメン、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロ
エタン、1,2−ジクロロエタン、ニトロメタン、ニト
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、メタノール、水、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、酢酸、プロピオン
酸、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、アセトン、
メチルエチルケトンなどであるが、一般的には芳香族求
核置換反応は非プロトン性極性溶媒中で行うことが好ま
しく、本発明においても非プロトン性極性溶媒が好まし
く用いられる。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセタミド、ヘ
キサメチルホスホラミド、アセトニトリルなどが好まし
く、これらの非プロトン性極性溶媒を混合して、あるい
はこれらの非プロトン性極性溶媒に上で例を挙げた溶媒
などを混合して用いることもできる。
【0040】芳香族求核置換反応の反応温度は特に限定
されず、一般式(I)及び一般式(II)の組合せにより
適宜の温度を選択できるが、反応溶媒などを工夫して−
40〜200℃で反応することが好ましい。例えば、室
温〜180℃がより好ましく、40℃〜160℃で反応
を行うことが最も好ましい。
【0041】多くの場合、芳香族求核置換反応は塩基の
存在下で行うことが望ましい。塩基の種類は特に限定さ
れず、種々の種類のものが使用可能である。例えば、リ
チウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミドなどの
金属アミドやナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキ
シド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシ
ド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どのトリアルキルアミン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、テトラメチルグアニ
ジンなどのアミジン、グアニジン類、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの金属炭酸塩、
水素化ナトリウムなどの金属水素化物など有機合成で塩
基として一般的に使用されているものを有効に使用する
ことができる。本発明においては、金属炭酸塩が一般的
により好ましく用いられる。
【0042】一般式(I)で表される化合物と一般式
(II)で表される化合物とを芳香族求核置換反応に付す
ることにより、BGが−SO2−R7である場合には、一
般式(III)で表されるアゾ色素を製造することができ
る。一般式(I)において、BGが−CONR78、−
SO2NR78、−COR7、−COOR7である場合に
は、上記の芳香族求核置換反応により一般式(IV)で表
される化合物が生成するので、さらにこの化合物を酸化
することによって一般式(III)で表される化合物を製
造することができる。この場合、芳香族求核置換反応の
後で一般式(IV)で表される化合物を単離して酸化反応
に付してもよいが、単離せずにそのまま酸化反応を行っ
てもよい。
【0043】酸化反応において用いられる酸化剤として
は、有機合成で一般的に用いられる酸化剤を使用するこ
とができる。より具体的にはクロム酸、重クロム酸カリ
ウム、ピリジニウムクロロクロマート、過マンガン酸カ
リウム、二酸化マンガン、酸化銀などの金属酸化物やm
−クロロ過安息香酸、過酢酸などの過酸、過酸化水素、
t−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸化物、過ヨウ
素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、ヨウ素、臭
素、塩素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスク
シンイミドなどのハロゲン系酸化剤、硝酸、亜硝酸など
の窒素酸化物類などを用いることができる。BGが−C
ONR78である場合には、酸化剤として二酸化マンガ
ン、酸化銀、次亜塩素酸ナトリウム、N−クロロスクシ
ンイミド、N−ブロモスクシンイミド、1,3−ジクロ
ロ−5,5−ジメチルヒダントインなどが好ましく用い
られる。
【0044】一般式(IV)で表される化合物を単離して
酸化反応を行う際には、溶媒として極性溶媒、非極性溶
媒あるいはプロトン性溶媒、非プロトン性溶媒でも用い
ることができる。アルコール類やエーテル類、エステル
類、芳香族炭化水素、飽和炭化水素、ハロゲン化アルキ
ル類、ニトリル類、アミド類、カルボン酸類、ケトンな
どである。例としては、n−ヘキサン、石油エーテル、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロ
エタン、1,2−ジクロロエタン、ニトロメタン、ニト
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、メタノール、水、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、酢酸、プロピオン
酸、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどである。
一般にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン1,2−ジ
クロロエタン、ニトロメタン、酢酸エチル、アセトン、
メチルエチルケトンなどを用いることができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。なお、以下の実施例において、化合物番号
は上記に好ましい態様として例示した化合物の番号に対
応している。 例1:化合物I−1の合成 例1−1:化合物(A)の合成
【化17】 カルバジン酸ベンジルエステル16.6gをアセトニト
リルに溶解し、室温にてイソシアン酸ブチル11.0g
をこれに滴下した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、得
られた結晶を次の反応にそのまま用いた。ここで得られ
た結晶を塩化メチレンに分散し、室温下、次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液(有効塩素濃度5%)を原料が消失する
まで滴下した。反応の進行に伴って反応液は次第にオレ
ンジ色を呈し、固液不均一系が次第に均一となる。反応
終了後、分液によって有機相を取り、シリカゲルを用い
た短いカラムを使用してクロマトグラフィーにより精製
し、化合物(A)を得た。得られた生成物はオイル状で
あるが、−20℃に保存すると結晶となった。収量1
2.1g、収率46.0%(2工程)。
【0046】例1−2:化合物(B)の合成
【化18】
【化19】 化合物(C)10gをクロロホルム50ミリリットルに
溶解し、塩化亜鉛0.5gを添加して撹拌した。次い
で、化合物(A)11.2gを反応液に添加した。室温
で1晩放置後、溶媒を留去し、酢酸エチルと水を加えて
抽出した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製した。目的物の検出はTLCで行い、T
LCを展開後、ヨウ素雰囲気下に暴露すると黄色に発色
するスポットが目的物である。目的物は油状物として得
られた。収量11.1g、収率54.8%。
【0047】例1−3:化合物I−1の合成 化合物(B)60gにメタノール500ミリリットルを
加え、室温で撹拌した。これにパラジウム−活性炭素
(パラジウム10%)2gに少量の水を加え、メタノー
ルで懸濁して加え、さらにギ酸アンモニウム60gを加
え、55℃で4時間反応した。反応終了後、反応液をセ
ライト濾過し、濾液を減圧濃縮し、酢酸エチルと水を加
えて抽出した。有機相を取り、無水硫酸ナトリウムで乾
燥したのち、減圧で濃縮した。得られた褐色の油状物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物
を得た。収量36.1g、収率81.1%。
【0048】例2:化合物II−4の合成 2,4,5−トリクロロニトロベンゼン22.6g
(0.1モル)を300ミリリットルのジメチルホルム
アミドに溶解し、メタンスルフィン酸ナトリウム塩8
1.7gを加え、12時間加熱環流した。反応終了後、
反応液を水に注ぎ、析出した結晶を濾取、水洗、乾燥
し、化合物II−4を得た。収量28.0g、収率7
1.7%。
【0049】例3:化合物例II−11の合成 例3−1:化合物(D)の合成
【化20】 150gの2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジ
アゾールを800ミリリットルのジメチルホルムアミド
に溶解し、280gの炭酸カリウムを添加した。次に、
室温でヨウ化メチル300gのヨウ化メチルをゆっくり
滴下した。滴下終了後、40℃に加温し、3時間反応し
た。反応終了後、反応混合物をエバポレーターを使って
濃縮し、1リットルの酢酸エチル、2リットルの水を加
えて抽出した。有機相を濃縮し、短いカラムを使ってシ
リカゲルクロマトグラフィーで精製した。目的物は無色
の液体であった。収量150.5g、収率84.4%。
【0050】例3−2:化合物II−11の合成 化合物(D)20g(0.112モル)を酢酸220ミ
リリットルと混合し、撹拌した。次に、0.5gのタン
グステン酸ナトリウムを添加し、65℃に加熱した。温
度の急激な上昇に気をつけながら、35%過酸化水素5
4ミリリットルをゆっくり滴下した。反応温度は75℃
〜83℃に設定し、5時間反応した。冷却後、反応液を
氷水に注ぎ、析出した結晶を濾取した。水洗を行い、乾
燥して化合物II−11を無色結晶として得た。収量2
0.9g、収率77%。
【0051】例4:化合物例II−14の合成 3−ニトロベンツアミジン塩酸塩(アルドリッチ社製)
5g(0.0248モル)を塩化メチレン30ミリリッ
トルに懸濁し、パークロロメチルメルカプタン4.32
gをこれに添加した。ドライアイスとメタノールを用い
て−20℃に冷却し、水酸化ナトリウム4.36g/水
10ミリリットルの溶液を反応混合物にゆっくり滴下し
た。滴下終了後、−5〜0℃で20分撹拌し、室温で3
時間撹拌した。反応終了後、反応液をセライトを用いて
濾過し、濾液を分液水洗した。有機相を濃縮し、得られ
た結晶をヘキサン/酢酸エチルから再結晶した。収量
5.45g、収率91%。
【0052】例5:アゾ色素(E)の合成
【化21】
【0053】例5−1:化合物(F)の合成
【化22】 550mgの化合物I−6、160mgの化合物II−
8を10ミリリットルのジメチルホルムアミドに溶解
し、炭酸カリウム500mgを添加して、窒素気流下1
40℃で3時間撹拌した。冷却後、酢酸エチルと水を添
加して抽出を行い、有機相をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製した。目的物は褐色の油状物として得
られた。収量480mg、収率70.8%。
【0054】例5−2:アゾ色素(E)の合成 化合物(F)300mgを塩化メチレンに溶解し、これ
に二酸化マンガン1gを添加し、5時間加熱環流した。
セライトを用いて濾過した後、濾液をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製した。目的物はシアン色の固
体として得られた。収量80mg、収率44.5%。 λmax(DMF) 624 nm
【0055】例5−3:比較実験 ジアゾニウム塩を用いるカップリング反応による色素合
成を試みた。2−アミノ−5−ニトロピリジンをジアゾ
ニウム塩を得る方法としてリン酸−亜硝酸ナトリウム法
で行い、N−エチル−N−(2−メタンスルホニルアミ
ノ)エチル−3−メチルアニリンと反応したが、アゾ色
素(E)は得られなかった。
【0056】例6:アゾ色素(G)の合成
【化23】
【0057】例6−1: 化合物(H)の合成
【化24】 350mgの化合物I−2、250mgの化合物II−
14を15ミリリットルのジメチルホルムアミドに溶解
し、炭酸カリウム400mgを添加して窒素気流下13
0℃で5時間撹拌した。冷却後、酢酸エチルと水を添加
して抽出を行い、有機相をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製した。目的物は黄褐色の油状物として得
られた。収量320mg、収率57.8%。
【0058】例6−2:アゾ色素(G)の合成 化合物(H)300mgをアセトンに溶解し、これに二
酸化マンガン1gを添加し、加熱環流すると鮮やかなマ
ゼンタ色を呈した。反応収量後、セライトを用いて濾過
した後、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製した。目的物は赤褐色の固体として得られた。収量
110mg、収率51.2%。 λmax(DMF) 542 nm
【0059】例6−3:比較実験 アゾ色素(G)を得る目的でジアゾニウム塩を用いるカ
ップリング反応による色素合成を試みた。別途合成した
5−アミノ−3−(3−ニトロフェニル)−1,2,4
−チアジアゾール(合成例4で用いた3−ニトロベンツ
アミジン塩酸塩をイソチオシアン酸ナトリウムと反応さ
せ、臭素で酸化することで合成できる。)に亜硝酸ナト
リウムと塩酸を用いるジアゾニウム塩の合成を適用し、
原料の5−アミノ−3−(3−ニトロフェニル)−1,
2,4−チアジアゾールの消失を確認した後、N,N−
ジエチル−m−トルイジンと反応させたが、アゾ色素
(G)はまったく得られなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明の方法によれば、通常のジアゾニ
ウム塩を経由するカップリング反応では合成することが
できないアゾ色素を効率的に製造することができる。ま
た、本発明の一般式(IV)で表される化合物はアゾ色素
の製造用中間体として有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I): 【化1】 (式中、D1は−N(R1)(R2)又は−O−PGを示し、
    1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又
    はアリール基を示し、PGは水素原子、アルキル基、ア
    リール基、又は水酸基の保護基を示し;R3、R4
    5、及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を示
    し;BGは−CON(R7)(R8)、−SO2N(R 7)
    (R8)、−CO−R7、−COO−R7、又は−SO2−R
    7を示し、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子、アル
    キル基、又はアリール基を示し;R1とR3、R 1とR5
    PGとR3、PGとR5、R3とR4、R5とR6、及び/又
    はR7とR8は互いに結合して環を形成してもよい)で表
    される化合物又はその塩と、下記一般式(II): 【化2】 (式中、Lは芳香族求核置換反応で離脱可能な基を示
    し;Xは窒素原子又はC−Subを表し、Subは水素
    原子又は置換基を示し;QはC及びXと結合して5又は
    6員の芳香環を形成する非金属原子団を示す)で表され
    る化合物又はその塩との間で置換反応を行い、必要に応
    じて得られた化合物又はその塩を酸化剤で処理する工程
    を含む、下記一般式(III): 【化3】 (式中、R3、R4、R5、R6、X、及びQは上記と同義
    であり、D2はD1と同義であるか、又はD1から官能基
    変換された置換基を示す)で表される化合物を又はその
    塩を製造する方法。
  2. 【請求項2】 BGが−CON(R7)(R8)であり、一般
    式(I)で表される化合物又はその塩と一般式(II)で
    表される化合物又はその塩との間で置換反応を行うこと
    により得られた化合物を酸化剤で処理して一般式(II
    I)で表される化合物又はその塩を製造する請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(I)(D1
    3、R4、R5、R6、及びBGは上記と同義である。た
    だしBGが−SO2−R7である場合を除く)で表される
    化合物又はその塩と請求項1に記載の一般式(II)
    (L、X、及びQは上記と同義である)で表される化合
    物又はその塩との間で置換反応を行う工程を含む、下記
    一般式(IV): 【化4】 (式中、D2、R3、R4、R5、R6、BG、X、及びQ
    は上記と同義である。ただしBGが−SO2−R7である
    場合を除く)で表される化合物又はその塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の一般式(IV)で表され
    る化合物又はその塩。
  5. 【請求項5】 BGが−CON(R7)(R8)である請求項
    4に記載の化合物又はその塩。
  6. 【請求項6】 アゾ色素の製造用中間体である請求項4
    又は5に記載の化合物又はその塩。
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