JP2001105588A - 連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法 - Google Patents

連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法

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JP2001105588A
JP2001105588A JP28505399A JP28505399A JP2001105588A JP 2001105588 A JP2001105588 A JP 2001105588A JP 28505399 A JP28505399 A JP 28505399A JP 28505399 A JP28505399 A JP 28505399A JP 2001105588 A JP2001105588 A JP 2001105588A
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phase
excitation frequency
jet
excitation
ink
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JP28505399A
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Masayuki Muto
正行 武藤
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Silver Seiko Ltd
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Silver Seiko Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 励振周波数を変えながら測定されたジェット
電流の位相曲線から特徴を抽出することによってサテラ
イト粒子問題が発生しない最適励振周波数に自動設定す
る。 【解決手段】ジェット電流の位相曲線から最小値I
minに対応する位相点θ inを抽出し(ステップS
102)、最大値Imaxを抽出し(ステップS10
3)、閾値(Imax−δ)を設定する(ステップS1
04)。次に、閾値(I max−δ)以上である帯電制
御信号のスイッチング許容位相点θ,θp+1,…,
θを抽出し(ステップS105)、位相余裕Δθ
(θ+θ)−θを蓄積する(ステップS10
7)。励振周波数f,f,…,fM―1毎に蓄積さ
れた位相余裕Δθ(f),Δθ(f),…,Δθ
(fM―1)の中から最大値Δθ(max)に対応する
励振周波数を最適励振周波数foptとする(ステップ
S110)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続噴射型インクジ
ェット記録装置の最適励振周波数設定方法に関し、特に
ノズルに装着された振動子の励振周波数(励振信号の周
波数)を変化させてインクジェットの帯電周波数特性を
測定し、その結果からサテライト粒子(主粒子に比べて
微小なインク粒子)の発生と粒子化位相の安定性とを最
適にする最適励振周波数を自動的に設定する連続噴射型
インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】本願発明者は、ノズルに装着された振動
子の励振周波数を可変に調整できるようにし、励振周波
数を変化させながらジェット電流の位相曲線を測定し、
測定されたジェット電流の位相曲線の特徴抽出を行うこ
とによって、サテライト粒子問題およびファジィジェッ
ト問題に対して最適な励振周波数に自動的に設定できる
ようにした連続噴射型インクジェット記録装置をすでに
提案した(特開平8−258271号公報参照)。
【0003】ここで、サテライト粒子問題とは、インク
柱の表面変形の非線型性によって各主粒子の間にサテラ
イト粒子が発生するという問題である。サテライト粒子
の発生モードには、発生したサテライト粒子が後続主粒
子に合体するモードと、発生したサテライト粒子が先行
主粒子に合体するモードと、発生したサテライト粒子が
主粒子とは記録面に到達するまで合体しないモードとの
3種類がある。連続噴射型インクジェット記録装置で
は、サテライト粒子が発生しないモードが最も望ましい
が、発生しても帯電制御電極の中で速やかに合体する場
合には特に問題にならない。しかしながら、合体が遅く
帯電制御電極の出口近辺より後方で合体する場合や記録
面まで合体しない場合は、帯電サテライト粒子(通常、
比電荷は帯電主粒子より大きい)は偏向電場の影響を強
く受けて帯電主粒子より先に偏向し、その結果、帯電主
粒子にジェット飛翔軸と直角方向の静電反発力を作用し
て帯電主粒子の正常な偏向を疎外することになる。ま
た、帯電サテライト粒子が偏向されて正常な軌道から逸
脱し、記録される非帯電主粒子と合体すると、その非帯
電主粒子をわずかに偏向させてしまう。これらは、いず
れも画質を大きく低下させることになっていた。
【0004】また、ファジィジェット問題とは、励振信
号の位相に対して連続ジェット(インク柱)からインク
粒子に分裂する粒子化位相(タイミング)がインク粒子
ごとに異なって安定しない問題である。この粒子化点に
おける粒子化位相のわずかなばらつきは、インク粒子の
飛翔中の空気抵抗の影響で増幅され、ナイフエッジの近
辺またはその後方では大きな位置のふらつきとなって現
れる。また、プリント中における帯電制御信号のスイッ
チング位相は、励振信号の位相を基準にして一定に保た
れている。この状態で粒子化位相が変化すると、常に帯
電制御信号のスイッチング位相を最適に保持することが
できないことはもちろん、帯電制御信号の最適なスイッ
チング位相の測定も誤ることになる。このようなジェッ
トをファジィジェットと定義する。ファジィジェットの
場合は、ジェット飛翔軸方向のインク粒子位置のふらつ
きと帯電制御信号のスイッチング位相のふらつきとによ
る中途帯電インク粒子の発生によって前記サテライト粒
子問題と同様に画質の著しい低下が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の連続噴射型インクジェット記録装置では、サテ
ライト粒子問題およびファジィジェット問題に対する対
処が十分でないという問題点があった。
【0006】本願発明者は、サテライト粒子問題が、ジ
ェット電流の位相曲線における最小値を与える位相点と
帯電制御信号のスイッチングを許容する最初の位相点と
の位相間隔(ジェット電流の位相曲線の鮮鋭度に相当す
る),および帯電制御信号のスイッチングを許容する位
相区間(以下、スイッチング許容位相区間という)の大
きさ(以下、位相余裕という)という2つのパラメータ
で評価できることを見出した。
【0007】また、本願発明者は、ファジィジェット問
題が、ジェット電流の位相曲線の最大値と最小値との差
であるコントラストから評価できることを見出した。
【0008】本発明の第1の目的は、励振周波数を変え
ながらジェット電流の位相曲線を測定し、測定されたジ
ェット電流の位相曲線から特徴抽出を行い、各励振周波
数でのジェット電流の位相曲線において位相余裕の最大
値を与える励振周波数を最適励振周波数として設定する
ことにより、サテライト粒子問題が発生しないようにし
た連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数
設定方法を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、励振周波数を変え
ながらジェット電流の位相曲線を測定し、測定されたジ
ェット電流の位相曲線から特徴抽出を行い、各励振周波
数でのジェット電流の位相曲線においてコントラストの
最大値を与える励振周波数を最適励振周波数として設定
することにより、ファジィジェット問題が発生しないよ
うにした連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振
周波数設定方法を提供することにある。
【0010】本発明の第3の目的は、複数本のノズルに
対して順番に励振周波数を変えながらジェット電流の位
相曲線を測定し、測定されたジェット電流の位相曲線か
ら特徴抽出を行い、各ノズルについての各励振周波数で
のジェット電流の位相曲線における位相余裕の最小値の
中から最大値を与える励振周波数を最適励振周波数とし
て設定することにより、サテライト粒子問題が発生しな
いようにした連続噴射型インクジェット記録装置の最適
励振周波数設定方法を提供することにある。
【0011】本発明の第4の目的は、複数本のノズルに
対して順番に励振周波数を変えながらジェット電流の位
相曲線を測定し、測定されたジェット電流の位相曲線か
ら特徴抽出を行い、各ノズルについての各励振周波数で
のジェット電流の位相曲線におけるコントラストの最小
値の中から最大値を与える励振周波数を最適励振周波数
として設定することにより、ファジィジェット問題が発
生しないようにした連続噴射型インクジェット記録装置
の最適励振周波数設定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の連続噴射型イン
クジェット記録装置の最適励振周波数設定方法は、ノズ
ルからインクをインクジェットとして噴射させ、ノズル
に装着された振動子に印加された励振信号の励振周波数
(0≦k≦M−1)(Mは正整数)に同期してイン
クジェットをインク粒子に分裂させ、インク粒子を帯電
制御信号によって帯電させ、帯電インク粒子を偏向電場
で偏向することによって記録を行うとともに、インク粒
子を帯電制御信号の代わりに粒子化周期2πより短いパ
ルス幅θの位相探索パルスによって帯電させ、偏向電
場で偏向することなしに位相探索パルスの各位相点θ
(0≦i≦N−1)(Nは正整数)でのジェット電流を
検出することによって各励振周波数fでのジェット電
流の位相曲線を測定することができる連続噴射型インク
ジェット記録装置における最適励振周波数設定方法にお
いて、全ての励振周波数f,f,…,fM−1での
ジェット電流の位相曲線を測定して蓄積するジェット電
流位相曲線蓄積工程と、励振周波数fでのジェット電
流の位相曲線から最小値Iminに対応する位相点θ
minを抽出する最小値対応位相点抽出工程と、励振周
波数fでのジェット電流の位相曲線から最大値I
maxを抽出する最大値抽出工程と、励振周波数f
のジェット電流の位相曲線から閾値(Imax−δ)
(δ>0)以上である位相点θ,θp+ ,…,
θ,…,θ(θminに近い方からθ
θp+1,…とする。θ ,θp+1,…,θは連続
している位相点)を抽出するスイッチング許容位相点抽
出工程と、Δθ(f)=(θ+θ)−θを計算
し、励振周波数f での位相余裕Δθ(f)として蓄
積する位相余裕蓄積工程と、励振周波数f を変更して
前記最小値対応位相点抽出工程に制御を戻す励振周波数
変更工程と、全ての励振周波数f,f,…,f
M−1について蓄積された位相余裕Δθ(f),Δθ
(f),…Δθ(fM−1)の中から最大値Δθ(m
ax)を検索し、該最大値Δθ(max)に対応する励
振周波数を最適励振周波数fop として設定する最適
励振周波数設定工程とを含むことを特徴とする。
【0013】また、本発明の連続噴射型インクジェット
記録装置の最適励振周波数設定方法は、ノズルからイン
クをインクジェットとして噴射させ、ノズルに装着され
た振動子に印加された励振信号の励振周波数f(0≦
k≦M−1)(Mは正整数)に同期してインクジェット
をインク粒子に分裂させ、インク粒子を帯電制御信号に
よって帯電させ、帯電インク粒子を偏向電場で偏向する
ことによって記録を行うとともに、インク粒子を帯電制
御信号の代わりに粒子化周期2πより短いパルス幅θ
の位相探索パルスによって帯電させ、偏向電場で偏向す
ることなしに位相探索パルスの各位相点θ(0≦i≦
N−1)(Nは正整数)でのジェット電流を検出するこ
とによって各励振周波数fでのジェット電流の位相曲
線を測定することができる連続噴射型インクジェット記
録装置における最適励振周波数設定方法において、全て
の励振周波数f,f,…,fM−1でのジェット電
流の位相曲線を測定して蓄積するジェット電流位相曲線
蓄積工程と、励振周波数fでのジェット電流の位相曲
線から最小値Iminおよび該最小値Iminに対応す
る位相点θminを抽出する最小値・最小値対応位相点
抽出工程と、励振周波数fでのジェット電流の位相曲
線から最大値Imaxを抽出する最大値抽出工程と、Δ
(f)=Imax−Iminを計算し、励振周波
数fでのコントラストΔI(f)として蓄積する
コントラスト蓄積工程と、励振周波数f を変更して前
記最小値対応位相点抽出工程に制御を戻す励振周波数変
更工程と、全ての励振周波数f,f,…,fM−1
について蓄積されたコントラストΔI(f),ΔI
(f),…,ΔI(fM−1)の中から最大値Δ
(max)を検索し、該最大値ΔI(max)に
対応する励振周波数を最適励振周波数foptとして設
定する最適励振周波数設定工程とを含むことを特徴とす
る。
【0014】さらに、本発明の連続噴射型インクジェッ
ト記録装置の最適励振周波数設定方法は、複数本のノズ
ルを備え、各ノズルからインクをインクジェットとして
噴射させ、各ノズルに装着された振動子に印加された励
振信号の励振周波数f(0≦k≦M−1)(Mは正整
数)に同期してインクジェットをインク粒子に分裂さ
せ、インク粒子を帯電制御信号によって帯電させ、帯電
インク粒子を偏向電場で偏向することによって記録を行
うとともに、インク粒子を粒子化周期2πより短いパル
ス幅θの位相探索パルスによって帯電させ、偏向電場
で偏向することなしに位相探索パルスの各位相点θ
(0≦i≦N−1)(Nは正整数)でのジェット電流
を検出することによって各ノズルについての各励振周波
数fでのジェット電流の位相曲線を測定することがで
きる連続噴射型インクジェット記録装置における最適励
振周波数設定方法において、全てのノズルについての全
ての励振周波数f,f,…,fM−1でのジェット
電流の位相曲線を測定して蓄積するジェット電流位相曲
線蓄積工程と、あるノズルについての励振周波数f
のジェット電流の位相曲線から最小値Iminに対応す
る位相点θminを抽出する最小値対応位相点抽出工程
と、同ノズルについての励振周波数fでのジェット電
流の位相曲線から最大値Imaxを抽出する最大値抽出
工程と、同ノズルについての励振周波数fでのジェッ
ト電流の位相曲線から閾値(Imax−δ)(δ>0)
以上である位相点θ,θp+1,…,θ,…,θ
(θminに近い方からθ,θp+1,…とする。θ
,θp+1,…,θは連続している位相点)を抽出
するスイッチング許容位相点抽出工程と、Δθ(f
=(θ+θ)−θを計算し、同ノズルについての
励振周波数fでの位相余裕Δθ(f)として蓄積す
る位相余裕蓄積工程と、励振周波数fを変更して前記
最小値対応位相点抽出工程に制御を戻す励振周波数変更
工程と、同ノズルについての全ての励振周波数f,f
,…,fM−1での位相余裕Δθ(f),Δθ(f
),…,Δθ(fM−1)が蓄積されたときに次のノ
ズルに変更して前記最小値対応位相点抽出工程に制御を
戻すノズル変更工程と、全てのノズルについての全ての
励振周波数f,f,…,fM−1での位相余裕Δθ
(f),Δθ(f),…,Δθ(fM−1)が蓄積
されたときに、各ノズルについての全ての励振周波数f
,f,…,fM−1での位相余裕Δθ(f),Δ
θ(f ),…,Δθ(fM−1)の中から最小値Δθ
(min)を検索して記憶する最小値検索・記憶工程
と、全てのノズルについて記憶された最小値Δθ(mi
n)の中から最大値を検索し、該最大値に対応する励振
周波数を最適励振周波数f optとして設定する最適励
振周波数設定工程とを含むことを特徴とする。
【0015】さらにまた、本発明の連続噴射型インクジ
ェット記録装置の最適励振周波数設定方法は、複数本の
ノズルを備え、各ノズルからインクをインクジェットと
して噴射させ、各ノズルに装着された振動子に印加され
た励振信号の励振周波数f(0≦k≦M−1)(Mは
正整数)に同期してインクジェットをインク粒子に分裂
させ、インク粒子を帯電制御信号によって帯電させ、帯
電インク粒子を偏向電場で偏向することによって記録を
行うとともに、インク粒子を粒子化周期2πより短いパ
ルス幅θの位相探索パルスによって帯電させ、偏向電
場で偏向することなしに位相探索パルスの各位相点θ
(0≦i≦N−1)(Nは正整数)でのジェット電流を
検出することによって各ノズルについての各励振周波数
でのジェット電流の位相曲線を測定することができ
る連続噴射型インクジェット記録装置における最適励振
周波数設定方法において、全てのノズルについての全て
の励振周波数f,f,…,fM−1でのジェット電
流の位相曲線を測定して蓄積するジェット電流位相曲線
蓄積工程と、あるノズルについての励振周波数fでの
ジェット電流の位相曲線から最小値Iminおよび該最
小値Iminに対応する位相点θminを抽出する最小
値・最小値対応位相点抽出工程と、同ノズルについての
励振周波数fでのジェット電流の位相曲線から最大値
maxを抽出する最大値抽出工程と、ΔI(f
=Imax−Iminを計算し、同ノズルについての励
振周波数fでのコントラストΔI(f)として蓄
積するコントラスト蓄積工程と、励振周波数fを変更
して前記最小値対応位相点抽出工程に制御を戻す励振周
波数変更工程と、同ノズルについての全ての励振周波数
,f,…,fM−1でのコントラストΔI(f
),ΔI(f),…,ΔI(fM−1)が蓄積
されたときに次のノズルに変更して前記最小値・最小値
対応位相点抽出工程に制御を戻すノズル変更工程と、全
てのノズルについての全ての励振周波数f,f
…,fM−1でのコントラストΔI(f),ΔI
(f),…,ΔI(fM−1)が蓄積されたとき
に、各ノズルについての全ての励振周波数f,f
…,fM−1でのコントラストΔI(f ),ΔI
(f),…,ΔI(fM−1)の中から最小値ΔI
(min)を検索して記憶する最小値検索・記憶工程
と、全てのノズルについて記憶された最小値ΔI(m
in)の中から最大値を検索し、該最大値に対応する励
振周波数を最適励振周波数foptとして設定する最適
励振周波数設定工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0017】ここで、本発明の各実施の形態について詳
しい説明に入る前に、各実施の形態の理解の前提となる
主粒子とサテライト粒子との分裂挙動について説明す
る。
【0018】中途帯電インク粒子が生じないように帯電
制御信号をスイッチングさせるためには、インク粒子の
分裂挙動を正確に知らなければならない。特に、各主粒
子の間に生成されるサテライト粒子の分裂挙動を知るこ
とが重要である。
【0019】主粒子とサテライト粒子との分裂挙動は、
位相探索パルスによって測定されたジェット電流の位相
曲線(ジェット電流を位相探索パルスの位相点の関数と
してプロットした曲線)の形状から知ることができる。
以下、インク粒子の分裂挙動とジェット電流の位相曲線
との関係について述べる。
【0020】図3は、ジェット噴射素子の構造と連続ジ
ェットからのインク粒子の粒子化の様子とを示す。イン
ク粒子の電荷は、粒子化しようとしているインク粒子と
帯電制御信号が印加された帯電制御電極との間の空隙の
静電容量Cを介して誘導帯電される。
【0021】図4は、連続ジェット(インク柱)からの
インク粒子形成過程を示す。PimbleyとLee
は、サテライト粒子の発生モードを、じん帯の上流端
(U)と下流端(L)との分裂する順序と、彼らがサテ
ライト相互作用時間と定義したそれらの時間区間とに応
じて、低速サテライト発生モード,等速サテライト発生
モード,高速サテライト発生モード,および無サテライ
ト発生モードの4種類に分類した(W.T.Pimbl
ey and H.C.Lee,”Satellite
Droplet Formation in a L
iquid Jet”,IBM,J.Res.Dev.
21,21(1977))。
【0022】低速サテライト発生モードは、最初に下流
端(L)が分裂し、それに続いて上流端(U)が分裂す
るモードである。下流端(L)が分裂した後、じん帯
(サテライト粒子)とその上流のインク部分(主粒子)
との間で、サテライト相互作用時間の時間区間、インク
の表面張力によりじん帯を上流方向に加速する運動量の
輸送が生じる。その結果、サテライト粒子は、粒子化し
た後、後続主粒子に捕獲される。
【0023】等速サテライト発生モードは、上流端
(U)と下流端(L)とが同時に分裂するモードであ
る。すなわち、サテライト相互作用時間は零である。こ
のモードでは、じん帯と先行または後続インク部分との
間で運動量の輸送は生じない。その結果、サテライト粒
子と主粒子とは等速度で飛翔し、合体しない。
【0024】高速サテライト発生モードは、最初に上流
端(U)が後続するじん帯と接続された状態で連続ジェ
ットから分裂し、それに続いて空中で下流端(L)が分
裂するモードである。上流端(U)が分裂した後、じん
帯(サテライト粒子)とその下流のインク部分(主粒
子)との間で、サテライト相互作用時間の時間区間、イ
ンクの表面張力によりじん帯を下流方向に加速する運動
量の輸送が生じる。その結果、サテライト粒子は、粒子
化した後、先行主粒子を捕獲する。
【0025】無サテライト発生モードは、高速サテライ
ト発生モードにおいて、サテライト相互作用時間が、サ
テライト粒子が先行主粒子を捕獲する時間より長いモー
ドである。このモードでは、じん帯の下流端(L)が分
裂できず、サテライト粒子は生じない。
【0026】一般に、連続噴射型インクジェット記録で
は、主粒子とサテライト粒子との合体粒子がドットを作
る。したがって、連続噴射型インクジェット記録装置の
帯電制御システムは、主粒子だけでなく、それと合体す
るサテライト粒子も同一状態に帯電させなければならな
い。等速サテライト発生モードは、主粒子とサテライト
粒子とが合体しないことから、記録には利用できない。
【0027】インク粒子の電荷は、上流の連続ジェット
から注入される。主粒子およびサテライト粒子に分裂す
るインク部分の電位は、それらが連続ジェットから分裂
するとき、同時に、帯電電位か非帯電電位かのいずれか
に保たれていなければならない。したがって、帯電制御
信号は、インク粒子の粒子化に同期して、ある許容され
た位相区間内でスイッチングされなければならない。こ
の位相区間が、スイッチング許容位相区間である。
【0028】低速サテライト発生モード,高速サテライ
ト発生モード,および無サテライト発生モードにおける
スイッチング許容位相区間は、以下のように理解され
る。
【0029】高速サテライト発生モードおよび無サテラ
イト発生モードの場合、後で合体する主粒子とサテライ
ト粒子(じん帯)とは、接続された状態で連続ジェット
から分裂するので、サテライト粒子形成は、スイッチン
グ許容位相区間に影響を与えない。その結果、主粒子の
電位とサテライト粒子の電位とは、帯電制御信号によっ
て常に同一電位になるように制御される。
【0030】インク粒子の電荷は、粒子化しようとして
いるインク粒子と帯電制御電極との間の空隙の静電容量
Cと、連続ジェットの抵抗Rとで構成された、時定数C
RをもつCR時定数回路を介して供給される。帯電制御
信号のスイッチングが禁止される区間は、じん帯の上流
端(U)が分裂する直前の、抵抗Rが極端に高くなる位
相区間だけである。HertzとSamuelsson
は、この位相区間を、帯電制御信号のスイッチングが禁
止されるという意味で、禁制領域と定義した(C.H.
Hertz and B.A.Samuelsso
n,”Ink JetPrinting of Hig
h Quality Color Images,”
J.Imag.Tech.15,141(198
9))。禁制領域の幅は、インクの電気伝導度に強く依
存する。
【0031】低速サテライト発生モードの場合、サテラ
イト粒子と主粒子とは連続ジェットから順次分裂するの
で、サテライト粒子形成は、スイッチング許容位相区間
に直接関係する。帯電制御信号のスイッチングは、後で
合体するサテライト粒子(じん帯)と主粒子とが接続さ
れている区間、すなわちサテライト相互作用時間の区間
だけ許される。等速サテライト発生モードは、サテライ
ト相互作用時間が極端に小さい低速サテライト発生モー
ドの特別な場合であると考えられる。サテライト相互作
用時間は、連続ジェットの動作条件,インクの物理的性
質などに影響されると考えられる。じん帯の上流端
(U)が分裂する直前の禁制領域が除かれなければなら
ないことは、高速サテライト発生モードおよび無サテラ
イト発生モードの場合と同様である。
【0032】NilssonとPalmは、サテライト
相互作用時間が粒子化周期より長い低速サテライト発生
モードを観測した(Johan Nilsson an
d Lars Palm,”Electrical P
roperties of the Drop Fom
ation of a Continuous Ink
Jet,”Proc.of NIP12:Intern
ational Conference on Dig
ital Printing Technologie
s,p.32,(held Oct.27−Nov.
1,1996),Society for Imagi
ng Science and Technolog
y.)。このモードの場合、サテライト粒子(じん帯)
と主粒子とが常に接続された状態で、じん帯の下流端
(L)が連続ジェットから分裂するので、スイッチング
許容位相区間は、サテライト相互作用時間に影響されな
い。帯電制御信号は、じん帯の下流端(L)が分裂する
ときの禁制領域の中でだけスイッチングすることが禁止
される。
【0033】以上のことから、連続噴射型インクジェッ
ト記録で許容されるサテライト粒子の発生モードは、以
下の2つに要約される。
【0034】低速サテライト発生モード:帯電制御信号
は、じん帯の上流端(U)が分裂するときの禁制領域
(サテライト粒子の禁制領域)を除いたサテライト相互
作用時間の中だけでスイッチングできる。サテライト相
互作用時間が粒子化周期より長い場合は、帯電制御信号
は、じん帯の下流端(L)が分裂するときの禁制領域の
中でだけ、スイッチングすることが禁止される。
【0035】高速サテライト発生モードおよび無サテラ
イト発生モード:帯電制御信号は、じん帯の上流端
(U)が分裂するときの禁制領域の中でだけ、スイッチ
ングすることが禁止される。
【0036】ここで、本願発明者は、低速サテライト発
生モードにおいて、インク粒子の粒子化位相,サテライ
ト相互作用時間,および禁制領域のような、粒子化特性
を解析するための手法を提案し、その解析から得られた
情報を観測結果と比較する。高速サテライト発生モード
および無サテライト発生モードに関する説明は、低速サ
テライト発生モードの説明に含まれる。
【0037】HertzとSamuelssonは、連
続ジェットの抵抗Rは、帯電過程において、先行主粒子
の分裂直後の位相θ=0に最小値をもち、その粒子の分
裂直前の位相θ=2πに最大値をもつ、位相θに対して
双曲線的に増大する関数になることを示唆した。しかし
ながら、彼らは、粒子化過程の中にサテライト粒子の形
成を考慮していない。
【0038】低速サテライト発生モードの場合、電荷の
注入に関係する連続ジェットの抵抗Rは、じん帯の上流
端(U)の分裂の前後に対応して、(R+R)およ
びRで表すことができる。ここで、RおよびR
は、それぞれ、それらが連続ジェットから分裂すると
きに主粒子およびサテライト粒子になるインク部分の抵
抗である。以下、Rを主粒子の抵抗、Rをサテライ
ト粒子の抵抗と呼ぶことにする。もし、RおよびR
がともに、HertzとSamuelssonによって
示唆されたように双曲線的に増大する関数であるとする
と、粒子化周期2π内における抵抗Rは、図5(a)の
ように図示することができる。この図は、主粒子および
サテライト粒子が、θ=2πおよびθ=θでそれぞれ
分裂することを示している。サテライト相互作用時間
は、位相区間0≦θ≦θである。
【0039】NilssonとPalmによって観測さ
れた、サテライト相互作用時間が粒子化周期より長い低
速サテライト発生モードは、主粒子の抵抗Rだけで表
すことができる。
【0040】等速サテライト発生モードは、サテライト
粒子の粒子化位相θが限りなく0に近づいた低速サテ
ライト発生モードであると考えることができる。
【0041】高速サテライト発生モードおよび無サテラ
イト発生モードの場合、主粒子およびサテライト粒子に
なるインク部分は、接続された状態で連続ジェットから
分裂する。したがって、連続ジェットの抵抗Rは、主粒
子の抵抗Rとサテライト粒子の抵抗Rとの和(R
+R)になる。抵抗曲線の形は、図5(a)のR
同様になる。抵抗Rは、低速サテライト発生モードの場
合は、じん帯の下流端(L)のインク部分が支配的にな
るのに対して、じん帯の上流端(U)のインク部分が支
配的になる。
【0042】図5(b)は、位相探索パルスが種々の位
相で帯電制御電極に印加されたときの、主粒子およびサ
テライト粒子になるインク部分の電位φ(θ)および
φ(θ)の変化を示す。位相探索パルスは、パルス幅
θ(θ≪2π)および振幅Φを有し、励振周波数
と同じ繰り返し周波数をもつ負極性で幅の狭い電圧パル
スである。実線および破線は、時定数CRおよびC(R
+R)で変化する電位φ(θ)およびφ(θ)
をそれぞれ示す。
【0043】もし、位相探索パルスがθ=0(先行主粒
子が分裂した直後)で印加されたとすると、主粒子およ
びサテライト粒子のインク部分が連続ジェットから分裂
するとき、それらの電位φ(θ)およびφ(θ)
は、初期電位Φまで回復する。なぜならば、それらの
抵抗RおよびR、したがってそれらの時定数CR
およびCRは十分に小さいからである。
【0044】位相探索パルスの位相θを増加すると、サ
テライト粒子の電位φ(θ)は、ある位相θ(0<
θ<θ)において初期電位Φから減少し始める。
なぜならば、サテライト粒子になるインク部分が分裂す
るとき、電位φ(θ)は、初期電位Φまで回復でき
ないためである。電位φ(θ)は、θの増加とともに
Φs,1,Φs,2,…と最小値Φs,minまで減少
し、そこから初期電位Φ に向けて増加する。位相θが
θ(サテライト粒子が分裂した直後)まで増加する
と、電位φ(θ)は、再び初期電位Φまで回復す
る。位相θが0≦θ≦θのとき、電位φ(θ)は初
期電位Φに保たれている。
【0045】さらに、位相θを増加すると、電位φ
(θ)は、ある位相θ(θ<θ<2π)におい
て初期電位Φから減少し始め、Φm,1,Φm,2
…と最小値Φm,minまで減少し、そこからθ=2π
における初期電位Φに向けて増加する。位相θがθ
≦θ≦2πのとき、電位φ(θ)は初期電位Φに保
たれている。
【0046】位相探索パルスで帯電されたインク粒子流
によって運ばれる電荷が測定されたとすると、ジェット
電流I(θ)が位相θの関数として得られる。位相θ
に対するジェット電流I(θ)のプロットを、ジェッ
ト電流の位相曲線と定義する。ジェット電流I(θ)
は、それぞれ、電位φ(θ)およびφ(θ)に比例
する主粒子およびサテライト粒子の電荷による電流の和
である。したがって、ジェット電流の位相曲線は、図5
(c)に示すような形になる。最小値Φm,mi に対
応するジェット電流I(θ)の最小値は、最小値Φ
s,minに対応するジェット電流I(θ)の極小値
より小さくなる。なぜならば、主粒子の電荷量は、サテ
ライト粒子の電荷量より大きいからである。位相探索パ
ルスの立上りエッジが主粒子およびサテライト粒子が分
裂する位相2πおよびθに一致するとき、電位φ
(θ)およびφ(θ)は、最小値Φm,minおよ
びΦs,m inになり、したがって、ジェット電流I
(θ)も最小値になる。HertzとSamuelss
onによって定義された禁制領域は、位相区間(θ
θ)<θ<2πになる。同様に、サテライト粒子の禁
制領域は、(θ+θ)<θ<φになる。
【0047】帯電制御信号は、主粒子およびサテライト
粒子を同時に充電または放電させなければならないか
ら、サテライト相互作用時間が粒子化周期より短い低速
サテライト発生モードの場合は、0<θ<(θ
θ)の位相区間内でスイッチングしなければならな
い。その他の場合は、帯電制御信号は、位相区間0<θ
<(θ+θ)でスイッチングすることができる。な
ぜならば、サテライト粒子の分裂は、帯電過程に影響し
ないからである。
【0048】以上のことを踏まえ、ここで、ジェット電
流の位相曲線の特徴抽出によって帯電制御信号のスイッ
チング許容位相区間を求める方法について説明する。
【0049】図6(a),(b)および(c)は、低速
サテライト発生モード,等速サテライト発生モード,お
よび高速サテライト発生モードに対して実測されたジェ
ット電流の位相曲線の一例をそれぞれ示す。
【0050】図6(a)は、通常の(サテライト相互作
用時間が粒子化周期より短い)低速サテライト発生モー
ドの場合であり、図5(c)に対応している。L点はサ
テライト粒子を形成するじん帯の下流端(L)が分裂す
る位相、U点はじん帯の上流端(U)が分裂する位相で
ある。L点とU点との間の位相区間に相当する時間間隔
が、サテライト相互作用時間である。U点がL点に近づ
くに従って、サテライト相互作用時間は短くなり、著し
く近づいた状態が図6(b)の等速サテライト発生モー
ドである。高速サテライト発生モード,またはサテライ
ト相互作用時間が粒子化周期より長い低速サテライト発
生モードの場合は、飛翔中に合体する主粒子とサテライ
ト粒子との分裂は空中で生じるので、ジェット電流の位
相曲線には第2のピークが生じず、図6(c)に示すよ
うな曲線になる。
【0051】次に、ジェット電流の位相曲線の特徴を整
理し、特徴抽出によって帯電制御信号のスイッチング許
容位相区間を求める方法について説明する。ここでは、
図7および図8に示す低速サテライト発生モードにおけ
るジェット電流の位相曲線について説明するが、その結
果は他のサテライト粒子の発生モードにもそのまま適用
可能である。
【0052】ジェット電流の位相曲線の第1の特徴は、
2つの極小点を有する曲線であることである。第1の極
小点(最小値Imin)は先行主粒子の分裂に関係し、
第2の極小点はサテライト粒子の分裂に関係する。
【0053】ジェット電流の位相曲線の第2の特徴は、
第1の極小点(最小値Imin)からある位相間隔θ
でじん帯の下流端(L)が分裂(先行主粒子の分裂)す
る点まで立ち上がり、平坦部が続き、A点から下降を始
めることである。A点は、サテライト粒子が中途帯電状
態になり始める位相点である。さらに位相が進むと、第
2の極小点を経て、ジェット電流は再び回復する。回復
点は、じん帯の上流端(U)が分裂(サテライト粒子の
分裂)する点である。さらに位相θを進めると、B点か
ら第1の極小点に向けて下降を始める。B点は、主粒子
が中途帯電状態になり始める点である。
【0054】ジェット電流の位相曲線の第3の特徴は、
高速サテライト発生モード,無サテライト発生モード,
またはサテライト相互作用時間が粒子化周期より長い低
速サテライト発生モードの場合、第2の極小点が生じな
いことである。
【0055】以上の特徴から、帯電制御信号のスイッチ
ング許容位相区間は、L点の位相θからA点の位相θ
に位相探索パルスのパルス幅θを加えた位相(θ
+θ)までの位相区間θ≦θ≦(θ+θ)であ
ることがわかる。第2の極小点が現れない高速サテライ
ト発生モード,無サテライト発生モード,またはサテラ
イト相互作用時間が粒子化周期より長い低速サテライト
発生モードの場合のスイッチング許容位相区間は、θ
≦θ≦(θ+θ)となる。ただし、高速サテライト
発生モードおよび無サテライト発生モードの場合、L点
はじん帯の上流端(U)になる。しかし、特徴抽出によ
ってスイッチング許容位相区間を求める問題において
は、両者を区別する必要はない。
【0056】既述したように、サテライト粒子問題は、
ジェット電流の位相曲線の2つのパラメータで評価でき
る。
【0057】1つ目のパラメータは、位相間隔θ
(θ−θmin)である。等速サテライト発生モード
を排除するために、位相間隔θに上限を設ける。上限
は、ジェット電流の位相曲線の鮮鋭度に依存する。
【0058】2つ目のパラメータは、帯電制御信号のス
イッチング許容位相区間θ≦θ≦(θ+θ)であ
る。スイッチング許容位相区間θ≦θ≦(θ
θ)が大きいほど、粒子化位相の変動に対する余裕が
増大する。必要とするスイッチング許容位相区間θ
θ≦(θ+θ)の大きさである位相余裕Δθ=(θ
+θ)−θは、プリント中における粒子化位相の
変動量に関係する。このため、位相余裕Δθに下限を設
ける。
【0059】また、ファジィジェット問題も、ジェット
電流の位相曲線のコントラストΔIj=(Imax−I
min)から評価することができる。電流検出器が積分
回路で構成されているので、粒子化位相が不安定なジェ
ット電流の位相曲線は、粒子化位相が安定なそれに比べ
てジェット電流Ijの最大値Imaxと最小値Imin
との差であるコントラストΔIj=(Imax−I
min)が小さくなるからである。
【0060】(1) 第1の実施の形態 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る連続噴射型イ
ンクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手順
を示すフローチャートである。本実施の形態に係る連続
噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方
法の手順は、ジェット電流位相曲線取出しステップS1
01と、最小値対応位相点抽出ステップS102と、最
大値抽出ステップS103と、閾値設定ステップS10
4と、スイッチング許容位相点抽出ステップS105
と、位相間隔判定ステップS106と、位相余裕蓄積ス
テップS107と、励振周波数終了判定ステップS10
8と、励振周波数インクリメントステップS109と、
最適励振周波数設定ステップS110とからなる。
【0061】図2は、第1の実施の形態に係る最適励振
周波数設定方法が適用される連続噴射型インクジェット
記録装置の要部を示す構成図である。この連続噴射型イ
ンクジェット記録装置は、極細径円径オリフィスを有す
るノズル1と、ノズル1内のインクの電位を接地レベル
とするインク電極2と、ノズル1に装着されたピエゾ振
動子でなる振動子3と、ノズル1と同心の円形開口また
はスリット状の開口を有し画像データに対応してインク
ジェットの帯電を制御する帯電制御信号が印加される帯
電制御電極4と、帯電制御電極4の後方に接地されて配
置された接地電極5と、接地電極5に装着されたナイフ
エッジ6と、偏向電源E1と、偏向電源E1が接続され
接地電極5との間にジェット飛翔軸と直交する強電場を
作り帯電インク粒子を接地電極5側に偏向するための偏
向電極7と、偏向電極7を偏向電源E1に接続するか接
地するかを切り換えるスイッチSW1と、MPU10に
よって指定された発振周波数の基準クロックCLKを発
生する基準発振器CGと、基準クロックCLKをN(正
整数)分の1に分周して励振信号PCLKを作成する分
周器FDと、励振信号PCLKで振動子3を駆動する振
動子ドライバVDと、励振信号PCLKを基準クロック
CLKに応じてN段階に遅延したパルス列ω,ω
,ω ,…,ωN―1 を出力する遅延パルス発生
器DGと、遅延されたパルス列ω ,ω ,ω
…,ωN―1 のいずれか1つのパルスω(0≦i≦
N−1)を選択するマルチプレクサ(2)MP2と、画
像データを濃度階調に対応するパルス幅に変換するパル
ス幅変調器PMと、マルチプレクサ(2)MP2の出力
パルスωの立上りまたは立下りのエッジに同期して励
振信号PCLKの周期2πに比べて短いパルス幅θ
位相探索パルスθを発生する位相探索パルス発生器P
Gと、パルス幅変調器PMの出力の立上りまたは立下り
のエッジをマルチプレクサ(2)MP2の出力パルスω
の立上りまたは立下りのエッジに同期させる同期化回
路SCと、位相探索パルス発生器PGからの位相探索パ
ルスθと同期化回路SCからの出力とのいずれかを選
択するマルチプレクサ(1)MP1と、マルチプレクサ
(1)MP1の出力を電圧増幅して帯電制御信号として
帯電制御電極4に印加する高圧スイッチHVSと、接地
電極5および偏向電極7の後方の記録に関係しない領域
(以下、ホームポジションという)に配置された検出電
極を兼ねる導電性粒子キャッチャ8と、導電性粒子キャ
ッチャ8に一端が接続されたシールド線9と、インクジ
ェットが導電性粒子キャッチャ8に放電したインク粒子
の有する電荷を測定する電流検出器(電流/電圧変換
器)CDと、電流検出器CDの出力をA/D(アナログ
/デジタル)変換するA/D変換器ADCと、A/D変
換器ADCの出力に基づく基準クロックCLKの発振周
波数で発振するように基準発振器CGに指定するMPU
10とから、その主要部が構成されている。なお、MP
U10は、本実施の形態の連続噴射型インクジェット記
録装置の系全体も制御する。
【0062】基準発振器CGは、MPU10からの指令
で基準クロックCLKの発振周波数が中心周波数から±
5%〜±10%の周波数帯をM(正整数)等分する周波
数f,f ,f ,f ,…,fM―1に設定さ
れるようになっている。
【0063】遅延パルス発生器DGは、例えば、Ser
ial−In Paralell−Out型のNビット
シフトレジスタで構成される。
【0064】位相探索パルス発生器PGは、例えば、マ
ルチプレクサ(2)MP2の出力パルスωの立上りま
たは立下りのエッジでトリガされる単安定マルチバイブ
レータで構成される。
【0065】電流検出器CDは、積分回路で構成されて
いる。例えば、積分時間は粒子化周期の2×104 倍以
上、すなわち2×104 個以上のインク粒子のもつ電荷
が積分されて検出されるようになっている(特開平4−
144753号公報参照)。
【0066】なお、ジェット電流の位相曲線の特徴抽出
を精密に行うためには、鮮鋭な曲線が得られなければな
らない。そのためには、連続ジェットがインク粒子に分
裂するインクの表面張力により変形するときの機械的時
定数に対して電荷の充放電の時定数が十分に小さくなけ
ればならない。そのためには、電気伝導度の十分に大き
いインクが使用されなければならない。本実施の形態で
は、オリフィス径が約10μmのノズル1で流速約50
m/sのインクジェットを作り、ノズル1を1MHzで
励振する。粒子化長さは、0.7〜1.0mmである。
このインクジェットに本発明を適用するために必要なイ
ンクの電気伝導度は5mS/cm以上、望ましくは10
mS/cm以上である。
【0067】次に、このように構成された第1の実施の
形態に係る最適励振周波数設定方法の手順について、連
続噴射型インクジェット記録装置の動作とともに説明す
る。
【0068】なお、最適励振周波数設定の動作は、ノズ
ル1を搭載するキャリッジ(図示せず)がホームポジシ
ョンにあり、あらかじめ用意された最適励振周波数を自
動設定するための処理が起動されたときに実行される。
【0069】まず、インクがインクポンプ(図示せず)
で加圧されてインクチューブ(図示せず)を通じてノズ
ル1に導かれ、ノズル1からインクジェットが噴射され
て定常状態に保持される。また、MPU10は、スイッ
チSW1を接地側に切り換えて偏向電極7を接地レベル
とする。これにより、接地電極5および偏向電極7間の
偏向電場がオフされ、帯電インク粒子もナイフエッジ6
を通過する状態となる。さらに、MPU10は、マルチ
プレクサ(1)MP1に遅延パルス発生器DGの出力を
選択させる。
【0070】次に、MPU10は、基準発振器CGに対
し基準クロックCLKの発振周波数を初期設定する。
【0071】基準発振器CGは、基準クロックCLKを
出力し、基準クロックCLKは分周器FDで周波数が1
/Nに分周され、励振信号PCLKとして遅延パルス発
生器DGおよび振動子ドライバVDに入力される。すな
わち、励振信号PCLKの励振周波数PCLK(以下、
信号とその信号の周波数とに同一符号を付して説明す
る)は、CLK/Nである(例えば、CLK=16MH
z,N=16,PCLK=1MHz)。振動子ドライバ
VDは、分周器FDからの励振信号PCLKに応じて振
動子3を励振する。これにより、ノズル1から噴射され
るインクジェットは、振動子3による励振に同期して粒
子化する。
【0072】遅延パルス発生器DGは、励振信号PCL
Kがデータ、基準クロックCLKがシフトクロックとし
て入力され、励振信号PCLKの1周期が2π/Nずつ
順次遅延されたN組のパルス列ω ,ω ,ω
…,ωN―1 を出力する。N組のパルス列ω ,ω
,ω ,…,ωN―1 の中の1つのパルスωが、
MPU10によってマルチプレクサ(2)MP2を介し
て選択され、位相探索パルス発生器PGおよび同期化回
路SCに出力される。
【0073】位相探索パルス発生器PGは、マルチプレ
クサ(2)MP2からの出力パルスω の立上りまたは
立下りのエッジ(記録時と同一にする)に同期して、図
9中に示すように、励振信号PCLKの周期T(=2
π)に比べて短いパルス幅θの位相探索パルスθ
,θ ,θ ,…,θN―1のいずれか1つを発
生する(例えば、励振信号PCLKの周期T=1μs
ec(1MHz発振)のときに0.1〜0.3μse
c)。
【0074】位相探索パルス発生器PGから出力された
位相探索パルスθは、マルチプレクサ(1)MP1を
介して高圧スイッチHVSに入力され、高圧スイッチH
VSで電圧増幅されて帯電制御信号として帯電制御電極
4に印加される。したがって、振動子3の励振に同期し
て粒子化されるインク粒子は、位相探索パルスθに応
じて帯電される。いま、図9中に例示するように、位相
探索パルスθの極性は負極性であるので、インク粒子
は常時帯電されていて、位相探索パルスθが帯電制御
信号として帯電制御電極4に印加される時間(例えば、
0.1〜0.3μsec)だけ帯電電圧をオフされるこ
とになる。
【0075】帯電制御電極4で帯電されたインク粒子
は、偏向電場がオフされているので、偏向されずにナイ
フエッジ6を通過し、ホームポジションにある他からは
絶縁されている導電性粒子キャッチャ8に捕獲される。
【0076】導電性粒子キャッチャ8に捕獲された帯電
インク粒子の電荷は、ジェット電流I j としてシールド
線9を介して電流検出器CDで電圧となって現れる。電
圧に変換されたジェット電流Ij は、A/D変換器AD
Cでデジタルデータに変換され、MPU10のデータバ
スに出力される。
【0077】ジェット電流Ij の測定は、図9に示すよ
うに、MPU10がマルチプレクサ(2)MP2の出力
パルスωを順次切り換えて、励振信号PCLKに対し
て2πi/N(i=0,1,2,…,N−1)位相のず
れた各位相点θ ,θ ,θ ,…,θN―1を帯
電制御信号として帯電制御電極4に順次印加することに
より、各位相点θ ,θ ,θ ,…,θN―1
対して行われる。
【0078】各位相点θ ,θ ,θ ,…,θ
N―1毎に測定されたジェット電流Ijは、A/D変換
器ADCによってA/D変換されて、MPU10のメモ
リ(図示せず)にそれぞれ格納される。
【0079】図10は、位相探索パルスを用いて各位相
点θ ,θ ,θ ,…,θN― 毎に測定された
ジェット電流Ij の値をプロットしたジェット電流の位
相曲線の一例を示す図である。中途帯電インク粒子の有
無は、顕微鏡によってストロボ観察することにより判定
され、●が中途帯電インク粒子なしを、○が中途帯電イ
ンク粒子ありをそれぞれ示す。測定結果が、図10のよ
うな傾向を示すことは、図5で説明した通りである。ま
た、ジェット電流Ij の測定技術については、本願発明
者による特開平4−144753号公報に詳しく開示さ
れている。
【0080】以下、同様にして、MPU10は、基準発
振器CGの基準クロックCLKの発振周波数、すなわち
励振信号PCLKの励振周波数f,f,f,…,
M― を順次変化させながら、各励振周波数f,f
,f,…,fM―1でのジェット電流の位相曲線を
測定して蓄積する。
【0081】各発振周波数f,f,f,…,f
M―1におけるM組のジェット電流の位相曲線の測定が
完了すると、MPU10は、メモリに蓄積されたM組の
ジェット電流の位相曲線に基づいて各ジェット電流の位
相曲線の特徴抽出を行い、励振信号PCLKの最適励振
周波数を決定し、基準発振器CGの基準クロックCLK
の発振周波数を設定する。詳しくは、サテライト粒子問
題およびファジィジェット問題が発生しているかどうか
はジェット電流の位相曲線の形状から判定できるので、
MPU10は、M組のジェット電流の位相曲線から特徴
抽出を行い中途帯電インク粒子を発生させない帯電制御
信号のスイッチング許容位相区間を調べて、スイッチン
グ許容位相区間の大きさである位相余裕が最大になる励
振周波数を最適励振周波数とする(最適励振周波数の判
断基準)。
【0082】詳しくは、MPU10は、励振周波数f
(k=0より開始する)でのジェット電流の位相曲線を
取り出し(ステップS101)、ジェット電流の位相曲
線から第1の極小点(最小値Imin)を与える最小値
対応位相点θminを抽出する(ステップS102)。
【0083】次に、MPU10は、ジェット電流の位相
曲線からジェット電流Ijの最大値I maxを抽出し
(ステップS103)、閾値(Imax−δ)(δ>
0)を設定する(ステップS104)。ここで、δは、
ジェット径,粒子化長さ,インクの電気伝導度などによ
って決まるインクジェットの電気抵抗に依存する値であ
るが、本実施の形態の場合、(0.05〜0.3)(I
max−Imin)が適当であった。
【0084】続いて、MPU10は、ジェット電流Ij
がIj≧(Imax−δ)である位相点を調べ、最小値
対応位相点θminに近い位相点から位相点θの増加
する方向に順番に連続している位相点θ,θp+1
…,θ,…,θを抽出する(ステップS105)。
以下、θをスイッチング許容位相区間開始位相点とい
う。帯電制御信号のスイッチング許容位相区間は、前記
したように、θ≦θ≦(θ+θ)になる。
【0085】次に、MPU10は、最小値対応位相点θ
minとスイッチング許容位相区間開始位相点θとの
位相間隔θ=(θ−θmin)を求め、位相区間θ
が経験値Δθs1 以下かどうかを判定し(ステップ
S106)、以下でなければ励振周波数fをインクリ
メントして(ステップS110)、ステップS101に
制御を戻す。本実施の形態の場合、経験値Δθ
s1 は、(3〜5)π/8くらいが適当であった。
【0086】位相間隔θが経験値Δθs1以下であれ
ば、MPU10は、位相余裕Δθ(f )=(θ+θ
)−θを計算し、励振周波数fでの位相余裕Δθ
(f)としてメモリに蓄積する(ステップS10
7)。
【0087】続いて、MPU10は、励振周波数f
最大励振周波数fM―1に等しいかどうかを判定し(ス
テップS108)、等しくなけば励振周波数fをイン
クリメントして(ステップS109)、ステップS10
1に制御を戻し、ステップS101〜S108を励振周
波数fが終了するまで繰り返す。
【0088】励振周波数fが最大励振周波数fM―1
に等しければ、MPU10は、メモリに蓄積されている
位相余裕Δθ(f),Δθ(f),…,Δθ(f
M−1),の中から最大値Δθ(max)を検索し、そ
れに対応する励振周波数を最適励振周波数foptとし
て設定する(ステップS110)。
【0089】最適励振周波数foptを設定すると、M
PU10は、これに対応する発振周波数N・fopt
発振するように基準発振器CGに指令する。
【0090】なお、この後、MPU10が、スイッチS
W1を偏向電源E1側に切り換え、マルチプレクサ
(1)MP1を同期化回路SCの出力を選択するように
切り換え、マルチプレクサ(2)MP2を適切なスイッ
チング位相(たとえば、スイッチング許容位相区間θ
≦θ≦(θ+θ)の中央位置{(θ+θ)+θ
}/2を選択するように切り換えると、連続噴射型イ
ンクジェット記録装置がプリントモードとなる。
【0091】プリント時には、回転ドラム(図示せず)
に直結されたシャフトエンコーダ(図示せず)の出力か
ら作られた画素記録指令信号DCLKに同期した画像デ
ータが、ラインバッファ(図示せず;回転ドラムの1回
転分の画像データを蓄えたラインメモリ)からパルス幅
変調器PMに送られ、各画像データが濃度階調に対応す
るパルス幅に変換されて同期化回路SCに送られる。
【0092】同期化回路SCは、パルス幅変調器PMの
出力の立上りまたは立下りのエッジを励振信号PCLK
の立上りまたは立下りのエッジに同期(一致)させる。
【0093】同期化回路SCの出力は、マルチプレクサ
(1)MP1を介して高圧スイッチHVSに入力され、
高圧スイッチHVSはインクジェットの帯電に必要な電
位まで電圧増幅させて帯電制御信号として帯電制御電極
4に印加する。この帯電制御信号によって、インクジェ
ットは誘導帯電され、帯電インク粒子は、偏向電場の作
用で接地電極5側に偏向されてナイフエッジ6でカット
され、非帯電インク粒子のみが直進してナイフエッジ6
を通過し、回転ドラムに巻き付けられた記録媒体上にド
ットを形成する。これにより、画像データ(パルス幅変
調器PMの出力)が励振信号PCLKに同期し、しかも
インクジェットの粒子化と最適位相関係を保ちながら記
録媒体1枚分の記録を行うことができる。
【0094】(2) 第2の実施の形態 図11は、本発明の第2の実施の形態に係る連続噴射型
インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手
順を示すフローチャートである。図11を参照すると、
本実施の形態に係る連続噴射型インクジェット記録装置
の最適励振周波数設定方法の手順は、ジェット電流位相
曲線取出しステップS201と、最小値・最小値対応位
相点抽出ステップS202と、最大値抽出ステップS2
03と、閾値設定ステップS204と、スイッチング位
相許容位相点抽出ステップS205と、位相間隔判定ス
テップS206と、位相余裕判定ステップS207と、
コントラスト蓄積ステップS208と、励振周波数終了
判定ステップS209と、励振周波数インクリメントス
テップS210と、最適励振周波数設定ステップS21
1とからなる。
【0095】なお、第2の実施の形態に係る最適励振周
波数設定方法が適用される連続噴射型インクジェット記
録装置は、図2に示した第1の実施の形態に係る最適励
振周波数設定方法が適用される連続噴射型インクジェッ
ト記録装置と同様であるので、その詳しい説明を省略す
る。
【0096】この連続噴射型インクジェット記録装置で
は、M組のジェット電流の位相曲線から特徴抽出を行
い、ジェット電流の最大値と最小値との差であるコント
ラストが最大になる励振周波数を最適励振周波数とする
(最適励振周波数の判断基準)。
【0097】次に、第2の実施の形態に係る最適励振周
波数設定方法の手順について、連続噴射型インクジェッ
ト記録装置の動作とともに説明する。
【0098】全ての励振周波数f,f,…,f
M−1でのジェット電流の位相曲線を測定して蓄積する
までの処理は、第1の実施の形態の場合と全く同様であ
るので省略する。
【0099】ジェット電流の位相曲線の測定および蓄積
が完了すると、MPU10は、励振周波数f(k=0
から開始する)の位相曲線を取り出し(ステップS20
1)、ジェット電流Ij の最小値Iminおよび最小値
minに対応する最小値対応位相点θmin を抽出
する(ステップS202)。
【0100】次に、MPU10は、ジェット電流Ij
最大値Imaxを抽出し(ステップS203)、閾値
(Imax−δ)を設定する(ステップS204)。
【0101】続いて、MPU10は、ジェット電流Ij
がIj≧(Imax−δ)である位相点を調べ、最小値
対応位相点θminに近い位相点から位相点θの増加
する方向に順番に連続している位相点θ,θp+1
…,θ,…,θを抽出する(ステップS205)。
【0102】次に、MPU10は、最小値対応位相点θ
minとスイッチング許容位相区間開始位相点θとの
位相間隔θ=(θ−θmin)を求め、位相区間θ
が経験値Δθs1 以下かどうかを判定し(ステップ
S206)、以下でなければ励振周波数fをインクリ
メントして(ステップS210)、ステップS201に
制御を戻す。
【0103】位相間隔θが経験値Δθs1以下であれ
ば、MPU10は、位相余裕Δθ=(θ+θ)−θ
を計算し、位相余裕Δθが経験値Δθs2 以上かど
うかを判定し(ステップS207)、以上でなければ励
振周波数fをインクリメントして(ステップS21
0)、ステップS201に制御を戻す。本実施の形態で
は、経験値Δθs2 は、5π/8くらいが適当であっ
た。
【0104】位相余裕Δθが経験値Δθs2以上であれ
ば、MPU10は、ΔI(f)=Imax−I
minを計算し、励振周波数fでのコントラストΔI
(f)としてメモリに蓄積する(ステップS20
8)。
【0105】続いて、MPU10は、励振周波数f
最大励振周波数fM―1に等しいかどうかを判定し(ス
テップS209)、等しくなけば励振周波数fをイン
クリメントして(ステップS210)、ステップS20
1に制御を戻し、ステップS201〜S209を励振周
波数fが終了するまで繰り返す。
【0106】励振周波数fが最大励振周波数fM―1
に等しくなれば、MPU10は、メモリに蓄積されてい
るコントラストΔI(f),ΔI(f),…,
ΔI(fM−1)の中から最大値ΔI(max)を
検索し、それに対応する励振周波数fを最適励振周波
数foptとして設定する(ステップS211)。
【0107】以下の動作は、第1の実施の形態の場合と
同様である。
【0108】(3) 第3の実施の形態 図12は、本発明の第3の実施の形態に係る連続噴射型
インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手
順を示すフローチャートである。図12を参照すると、
第3の実施の形態に係る連続噴射型インクジェット記録
装置の最適励振周波数設定方法の手順は、ノズル番号初
期設定ステップS300と、ジェット電流位相曲線取出
しステップS301と、最小値対応位相点抽出ステップ
S302と、最大値抽出ステップS303と、閾値設定
ステップS304と、スイッチング許容位相点抽出ステ
ップS305と、位相間隔判定ステップS306と、位
相余裕蓄積ステップS307と、励振周波数終了判定ス
テップS308と、励振周波数インクリメントステップ
S309と、ノズル番号終了判定ステップS310と、
ノズル番号インクリメントステップS311と、位相余
裕最小値抽出・記憶ステップS312と、最適励振周波
数設定ステップS313とからなる。
【0109】図13は、本発明の第3の実施の形態に係
る最適励振周波数設定方法が適用される連続噴射型イン
クジェット記録装置の要部を示す構成図である。この連
続噴射型インクジェット記録装置は、複数本のノズル1
を搭載するカラー連続噴射型インクジェット記録装置で
あり、図2に示した第1の実施の形態の連続噴射型イン
クジェット記録装置における基準発振器CG,分周器F
D,接地電極5,ナイフエッジ6,偏向電極7,偏向電
源E1,スイッチSW1,遅延パルス発生器DG,位相
探索パルス発生器PG,導電性粒子キャッチャ8,シー
ルド線9,電流検出器CD,A/D変換器ADCおよび
MPU10以外は、C(シアン),M(マゼンタ),Y
(イエロー),BK(ブラック)の4色独立に構成する
ようにしたものである。したがって、図2に示した連続
噴射型インクジェット記録装置における部品と対応する
部品には同一符号を付して、それらの詳しい説明を省略
する。なお、基準発振器CGおよび分周器FDまでも4
色独立にすると、色毎に単位時間当たりの発生インク粒
子数が異なってくることになり、記録媒体上で4色の付
着インク量を制御して色表現するカラー連続噴射型イン
クジェット記録装置の場合には不都合が生じる。
【0110】このカラー連続噴射型インクジェット記録
装置では、4本のノズル1について独立に各励振周波数
,f ,f ,f ,…,fM―1でジェット
電流の位相曲線(データ数:4M)を測定した後に、ま
ず、4本のノズル1の中で1本でもサテライト粒子問題
のあるジェット電流の位相曲線があったならばその励振
周波数は他の3本のノズル1からも除外し、次に、残さ
れたジェット電流の位相曲線において、4本のノズル1
に対応する4組の位相余裕Δθの中で最小値Δθ(mi
n)が最大になる励振周波数を最適励振周波数とする
(最適励振周波数の判断基準)。
【0111】次に、第3の実施の形態に係る発明の最適
励振周波数設定方法の手順について、カラー連続噴射型
インクジェット記録装置の動作とともに説明する。
【0112】まず、MPU10は、ノズル1を順次切り
換えながら、全てのノズル1についての全ての発振周波
数f,f,f,…,fM―1でのジェット電流の
位相曲線の組を測定して蓄積する。このとき、各ノズル
1についての全ての励振周波数f,f,…,f
M−1でのジェット電流の位相曲線を測定して蓄積する
処理は、第1の実施の形態の場合と全く同様であるの
で、詳しい説明を省略する。
【0113】全てのノズル1についての全ての発振周波
数f,f,f,…,fM―1でのジェット電流の
位相曲線の組の蓄積が完了すると、MPU10は、ノズ
ル番号nを1に初期設定し(ステップS300)、励振
周波数f(k=0から開始する)でのジェット電流の
位相曲線を取り出し(ステップS301)、ジェット電
流Ij の最小値Iminに対応する最小値対応位相点θ
minを抽出する(ステップS302)。
【0114】次に、MPU10は、ジェット電流Ij
最大値Imaxを抽出し(ステップS303)、閾値
(Imax−δ)を設定する(ステップS304)。
【0115】続いて、MPU10は、ジェット電流Ij
がIj≧(Imax−δ)である位相点を調べ、最小値
対応位相点θminに近い位相点から位相点θの増加
する方向に順番に連続している位相点θ,θp+1
…,θ,…,θを抽出する(ステップS305)。
【0116】次に、MPU10は、位相間隔θ=(θ
−θmin)が経験値Δθs1 以下であるかどうか
を判定し(ステップS306)、以下でなければ励振周
波数f をインクリメントして(ステップS309)、
ステップS301に制御を戻す。
【0117】位相間隔θが経験値Δθs1 以下であ
れば、MPU10は、Δθ(f)=(θ+θ)−
θを計算し、励振周波数fでの位相余裕Δθ
(f)としてメモリに蓄積する(ステップS30
7)。
【0118】次に、MPU10は、励振周波数fが励
振周波数fM−1になったかどうかを判定し(ステップ
S308)、なっていなければ、励振周波数fをイン
クリメントして(ステップS309)、ステップS30
1に制御を戻し、ステップS301〜S308を励振周
波数fが終了するまで繰り返す。
【0119】ステップS308で励振周波数fが終了
すると、MPU10は、ノズル番号nが4になったかど
うかを判定し(ステップS310)、なっていなけばノ
ズル番号を1つインクリメントして(ステップS31
1)、ステップS301に制御を戻し、ステップS30
1〜S310をノズル1の数だけ繰り返す。
【0120】ステップS310でノズル番号nが4にな
ると、MPU10は、メモリに蓄積された各組の位相余
裕Δθ(f),Δθ(f),…,Δθ(fM−1
の中で最小値Δθ(min)を抽出してメモリに記憶し
(ステップS312)、記憶された4つの最小値Δθ
(min)の中の最大値に対応する励振周波数fを最
適励振周波数foptとして設定する(ステップS31
3)。
【0121】以下の動作は、マルチプレクサ(1)MP
1等が複数である点を除けば、第1の実施の形態の場合
と同様である。
【0122】(4) 第4の実施の形態 図14は、本発明の第4の実施の形態に係る連続噴射型
インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手
順を示すフローチャートである。図14を参照すると、
第4の実施の形態に係る連続噴射型インクジェット記録
装置の最適励振周波数設定方法の手順は、ノズル番号初
期設定設定ステップS400と、ジェット電流位相曲線
取出しステップS401と、最小値・最小値対応位相点
抽出ステップS402と、最大値抽出ステップS403
と、閾値設定ステップS404と、スイッチング許容位
相点抽出ステップS405と、位相間隔判定ステップS
406と、位相余裕判定ステップS407と、コントラ
スト蓄積ステップS408と、励振周波数終了判定ステ
ップS409と、励振周波数インクリメントステップS
410と、ノズル番号終了判定ステップS411と、ノ
ズル番号インクリメントステップS412と、コントラ
スト最小値抽出ステップS413と、最適励振周波数設
定ステップS414とからなる。
【0123】なお、第4の実施の形態に係る最適励振周
波数設定方法が適用されるカラー連続噴射型インクジェ
ット記録装置は、図13に示した第3の実施の形態に係
る最適励振周波数設定方法が適用されるカラー連続噴射
型インクジェット記録装置と同様であるので、その詳し
い説明を省略する。
【0124】このカラー連続噴射型インクジェット記録
装置では、4本のノズル1について独立に各励振周波数
,f ,f ,f ,…,fM―1でジェット
電流の位相曲線(データ数:4M)を測定した後に、ま
ず、4本のノズル1の中で1本でもサテライト粒子問題
のあるジェット電流の位相曲線があったならばその励振
周波数は他の3本のノズル1からも除外し、次に、残さ
れたジェット電流の位相曲線において、4本のノズル1
に対応する4組のコントラストΔIj の中で最小値ΔI
minが最大になる励振周波数を最適励振周波数とする
(最適励振周波数の判断基準)。
【0125】次に、第4の実施の形態に係る発明の最適
励振周波数設定方法の手順について、カラー連続噴射型
インクジェット記録装置の動作とともに説明する。
【0126】まず、MPU10は、ノズル1を順次切り
換えながら、全てのノズル1についての全ての発振周波
数f,f,f,…,fM―1でのジェット電流の
位相曲線の組を測定して蓄積する。このとき、各ノズル
1についての全ての励振周波数f,f,…,f
M−1でのジェット電流の位相曲線を測定して蓄積する
処理は、第1の実施の形態の場合と全く同様であるの
で、詳しい説明を省略する。
【0127】全てのノズル1についての全ての発振周波
数f,f,f,…,fM―1でのジェット電流の
位相曲線の組が蓄積されると、MPU10は、ノズル番
号nを1に初期設定し(ステップS400)、励振周波
数f(k=0から開始する)の位相曲線を取り出し
(ステップS401)、ジェット電流Ij の最小値I
mi および最小値Iminに対応する位相点θmin
を抽出する(ステップS402)。
【0128】次に、MPU10は、ジェット電流Ij
最大値Imaxを抽出し(ステップS403)、閾値
(Imax−δ)を設定する(ステップS404)。
【0129】続いて、MPU10は、位相探索パルスの
位相点θを最小値対応位相点θmi から遅れる方向
に移動させながらジェット電流Ij がIj≧(Imax
−δ)である位相点θ,θp+1,…,θ,…,θ
を抽出する(ステップS405)。
【0130】次に、MPU10は、位相間隔θ=(θ
−θmin)が経験値Δθs1 以下であるかどうか
を判定し(ステップS406)、以下でなければ励振周
波数f をインクリメントして(ステップS410)、
ステップS401に制御を戻す。
【0131】位相間隔θが経験値Δθs1 以下であ
れば、MPU10は、位相余裕Δθ=(θ+θ)−
θが経験値Δθs2 以上であるかどうかを判定し
(ステップS407)、以上でなければ励振周波数f
をインクリメントして(ステップS410)、ステップ
S401に制御を戻す。
【0132】位相余裕Δθが経験値Δθs2 以上であ
れば、MPU10は、ΔI(f)=Imax−I
minを計算し、励振周波数fでのコントラストΔθ
(f)としてメモリに蓄積する(ステップS40
8)。
【0133】続いて、MPU10は、励振周波数f
最大励振周波数fM―1に等しいかどうかを判定し(ス
テップS409)、等しくなけば励振周波数fをイン
クリメントして(ステップS410)、ステップS40
1に制御を戻し、励振周波数f が終了するまでステッ
プS401からS409の処理を繰り返す。
【0134】励振周波数fが最大励振周波数fM―1
に等しくなれば、MPU10は、ノズル番号nが4かど
うかを判定し(ステップS411)、ノズル番号nが4
でなければ、ノズル番号nを1つインクリメントして
(ステップS412)、ステップS401に制御を戻
し、ステップS401〜S411をノズル1の数だけ繰
り返す。
【0135】ステップS411でノズル番号nが4にな
ると、MPU10は、メモリに蓄積された各組(4組)
のコントラストΔθ(f),Δθ(f),…,Δθ
(f −1)の中での最小値Δθ(min)を抽出して
メモリに記憶し(ステップS413)、記憶された最小
値Δθ(min)の中の最大値に対応する励振周波数を
最適励振周波数foptと設定する(ステップS41
4)。
【0136】以下の動作は、第3の実施の形態の場合と
同様である。
【0137】ところで、図13に示した第3および第4
の実施の形態に係る最適励振周波数設定方法が適用され
るカラー連続噴射型インクジェット記録装置では、複数
本のノズル1に対して導電性粒子キャッチャ8,シール
ド線9,電流検出器CDおよびA/D変換器ADCは各
々1つずつしか設けられていないために各ノズル1から
のジェット電流の位相曲線は時系列で測定されるが、こ
れに対して、導電性粒子キャッチャ8,シールド線9,
電流検出器CDおよびA/D変換器ADCを各ノズル1
毎に設ければジェット電流の位相曲線の並列測定が可能
になり、測定時間が大幅に短縮される。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の最適励振
周波数設定方法によれば、励振周波数をM段階に切り換
えてM組のジェット電流の位相曲線を測定し、M組のジ
ェット電流の位相曲線に基づいて位相余裕の最大値を与
える励振周波数を最適励振周波数として設定するように
したことにより、サテライト粒子問題が発生しない最適
励振周波数の自動設定が可能になるという効果がある。
【0139】また、本発明の最適励振周波数設定方法に
よれば、励振周波数をM段階に切り換えてM組のジェッ
ト電流の位相曲線を測定し、M組のジェット電流の位相
曲線に基づいてコントラストの最大値を与える励振周波
数を最適励振周波数として設定するようにしたことによ
り、ファジィジェット問題が発生しない最適励振周波数
の自動設定が可能になるという効果がある。
【0140】さらに、本発明の最適励振周波数設定方法
によれば、n本のノズルについて順番に、励振周波数を
M段階に切り換えてn×M組のジェット電流の位相曲線
を測定し、n×M組のジェット電流の位相曲線に基づい
て各ノズルについてのM段階の位相余裕の中で最小値を
求め、n個の最小値の中から最大値を与える励振周波数
を最適励振周波数として設定するようにしたことによ
り、サテライト粒子問題が発生しない最適励振周波数の
自動設定が可能になるという効果がある。
【0141】さらにまた、本発明の最適励振周波数設定
方法によれば、n本のノズルについて順番に、励振周波
数をM段階に切り換えてn×M組のジェット電流の位相
曲線を測定し、n×M組のジェット電流の位相曲線に基
づいて各ノズルについてのM段階のコントラストの中で
最小値を求め、n個の最小値の中から最大値を与える励
振周波数を最適励振周波数として設定するようにしたこ
とにより、ファジィジェット問題が発生しない最適励振
周波数の自動設定が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る連続噴射型イ
ンクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手順
を示すフローチャートである。
【図2】図1に示した最適励振周波数設定方法が適用さ
れる連続噴射型インクジェット記録装置の要部を示す構
成図である。
【図3】ジェット噴射素子の構造と連続ジェットからの
インク粒子の粒子化の様子とを示す図である。
【図4】連続ジェットからのインク粒子形成過程を示す
図である。
【図5】(a)はインク部分の抵抗を表すグラフ、
(b)は位相探索パルスが種々の位相で帯電制御電極に
印加されたときの主粒子およびサテライト粒子になるイ
ンク部分の電位の変化を表すグラフ、(c)は低速サテ
ライト発生モードの場合のジェット電流の位相曲線を示
すグラフである。
【図6】(a),(b)および(c)は3つの代表的な
サテライト発生モードに対して実測されたジェット電流
の位相曲線をそれぞれ示す図である。
【図7】図6(a)のジェット電流の位相曲線の特徴を
取り出して説明する図である。
【図8】図2に示した連続噴射型インクジェット記録装
置において測定されたジェット電流の値をプロットした
ジェット電流の位相曲線の一例を示す図である。
【図9】位相探索パルスの発生タイミングを例示する図
である。
【図10】図9の位相探索パルスを用いて実測されたジ
ェット電流の位相曲線の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る連続噴射型
インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手
順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る連続噴射型
インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手
順を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態に係る最適励振周波数設定
方法が適用される連続噴射型インクジェット記録装置の
要部を示す構成図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る連続噴射型
インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方法の手
順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ノズル 2 インク電極 3 振動子 4 帯電制御電極 5 接地電極 6 ナイフエッジ 7 偏向電極 8 導電性粒子キャッチャ 9 シールド線 10 MPU ADC A/D変換器 CD 電流検出器 CG 基準発振器 CLK 基準クロック DG 遅延パルス発生器 DCLK 画素記録指令信号 E1 偏向電源 FD 分周器 HVS 高圧スイッチ MP1 マルチプレクサ(1) MP2 マルチプレクサ(2) PCLK 励振信号 PG 位相探索パルス発生器 PM パルス幅変調器 SC 同期化回路 SW1 スイッチ VD 振動子ドライバ S101,S201 ジェット電流位相曲線取出しステ
ップ S102 最小値対応位相点抽出ステップ S103,S203 最大値抽出ステップ S104,S204 閾値設定ステップ S105,S205 スイッチング許容位相点抽出ステ
ップ S106,S206 位相間隔判定ステップ S107 位相余裕蓄積ステップ S108,S209 励振周波数終了判定ステップ S109,S210 励振周波数インクリメントステッ
プ S110,S211 最適励振周波数設定ステップ S202 最小値・最小値対応位相点抽出ステップ S207 位相余裕判定ステップ S208 コントラスト蓄積ステップ S300,S400 ノズル番号初期設定ステップ S301,S401 ジェット電流位相曲線取出しステ
ップ S302 最小値対応位相点抽出ステップ S303,S403 最大値抽出ステップ S304,S404 閾値設定ステップ S305,S405 スイッチング許容位相点抽出ステ
ップ S306,S406 位相間隔判定ステップ S307 位相余裕蓄積ステップ S308,S409 励振周波数最大判定ステップ S309,S410 励振周波数インクリメントステッ
プ S310,S411 ノズル番号終了判定ステップ S311,S412 ノズル番号インクリメントステッ
プ S312 位相余裕最小値抽出・記憶ステップ S313,S414 最適励振周波数設定ステップ S402 最小値・最小値対応位相点抽出ステップ S407 位相余裕判定ステップ S408 コントラスト格納ステップ S413 コントラスト最小値抽出・記憶ステップ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズルからインクをインクジェットとして
    噴射させ、ノズルに装着された振動子に印加された励振
    信号の励振周波数f(0≦k≦M−1)(Mは正整
    数)に同期してインクジェットをインク粒子に分裂さ
    せ、インク粒子を帯電制御信号によって帯電させ、帯電
    インク粒子を偏向電場で偏向することによって記録を行
    うとともに、インク粒子を帯電制御信号の代わりに粒子
    化周期2πより短いパルス幅θの位相探索パルスによ
    って帯電させ、偏向電場で偏向することなしに位相探索
    パルスの各位相点θ(0≦i≦N−1)(Nは正整
    数)でのジェット電流を検出することによって各励振周
    波数fでのジェット電流の位相曲線を測定することが
    できる連続噴射型インクジェット記録装置における最適
    励振周波数設定方法において、全ての励振周波数f
    ,…,fM−1でのジェット電流の位相曲線を測定
    して蓄積するジェット電流位相曲線蓄積工程と、励振周
    波数fでのジェット電流の位相曲線から最小値I
    minに対応する位相点θminを抽出する最小値対応
    位相点抽出工程と、励振周波数fでのジェット電流の
    位相曲線から最大値Imaxを抽出する最大値抽出工程
    と、励振周波数fでのジェット電流の位相曲線から閾
    値(Imax−δ)(δ>0)以上である位相点θ
    θp+1,…,θ,…,θ(θminに近い方から
    θ,θp+1,…とする。θ,θp+1,…,θ
    は連続している位相点)を抽出するスイッチング許容位
    相点抽出工程と、Δθ(f)=(θ+θ)−θ
    を計算し、励振周波数fでの位相余裕Δθ(f)と
    して蓄積する位相余裕蓄積工程と、励振周波数fを変
    更して前記最小値対応位相点抽出工程に制御を戻す励振
    周波数変更工程と、全ての励振周波数f,f,…,
    M−1について蓄積された位相余裕Δθ(f),Δ
    θ(f),…Δθ(fM−1)の中から最大値Δθ
    (max)を検索し、該最大値Δθ(max)に対応す
    る励振周波数を最適励振周波数foptとして設定する
    最適励振周波数設定工程とを含むことを特徴とする連続
    噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数設定方
    法。
  2. 【請求項2】ノズルからインクをインクジェットとして
    噴射させ、ノズルに装着された振動子に印加された励振
    信号の励振周波数f(0≦k≦M−1)(Mは正整
    数)に同期してインクジェットをインク粒子に分裂さ
    せ、インク粒子を帯電制御信号によって帯電させ、帯電
    インク粒子を偏向電場で偏向することによって記録を行
    うとともに、インク粒子を帯電制御信号の代わりに粒子
    化周期2πより短いパルス幅θの位相探索パルスによ
    って帯電させ、偏向電場で偏向することなしに位相探索
    パルスの各位相点θ(0≦i≦N−1)(Nは正整
    数)でのジェット電流を検出することによって各励振周
    波数fでのジェット電流の位相曲線を測定することが
    できる連続噴射型インクジェット記録装置における最適
    励振周波数設定方法において、全ての励振周波数f
    ,…,fM−1でのジェット電流の位相曲線を測定
    して蓄積するジェット電流位相曲線蓄積工程と、励振周
    波数fでのジェット電流の位相曲線から最小値I
    minおよび該最小値Iminに対応する位相点θ
    minを抽出する最小値・最小値対応位相点抽出工程
    と、励振周波数fでのジェット電流の位相曲線から最
    大値Imaxを抽出する最大値抽出工程と、ΔI(f
    )=Imax−Iminを計算し、励振周波数f
    のコントラストΔI(f)として蓄積するコントラ
    スト蓄積工程と、励振周波数fを変更して前記最小値
    対応位相点抽出工程に制御を戻す励振周波数変更工程
    と、全ての励振周波数f,f,…,fM−1につい
    て蓄積されたコントラストΔI(f),ΔI(f
    ),…,ΔI(fM−1)の中から最大値ΔI
    (max)を検索し、該最大値ΔI(max)に対
    応する励振周波数を最適励振周波数foptとして設定
    する最適励振周波数設定工程とを含むことを特徴とする
    連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数設
    定方法。
  3. 【請求項3】複数本のノズルを備え、各ノズルからイン
    クをインクジェットとして噴射させ、各ノズルに装着さ
    れた振動子に印加された励振信号の励振周波数f (0
    ≦k≦M−1)(Mは正整数)に同期してインクジェッ
    トをインク粒子に分裂させ、インク粒子を帯電制御信号
    によって帯電させ、帯電インク粒子を偏向電場で偏向す
    ることによって記録を行うとともに、インク粒子を粒子
    化周期2πより短いパルス幅θの位相探索パルスによ
    って帯電させ、偏向電場で偏向することなしに位相探索
    パルスの各位相点θ(0≦i≦N−1)(Nは正整
    数)でのジェット電流を検出することによって各ノズル
    についての各励振周波数fでのジェット電流の位相曲
    線を測定することができる連続噴射型インクジェット記
    録装置における最適励振周波数設定方法において、全て
    のノズルについての全ての励振周波数f,f,…,
    M−1でのジェット電流の位相曲線を測定して蓄積す
    るジェット電流位相曲線蓄積工程と、あるノズルについ
    ての励振周波数fでのジェット電流の位相曲線から最
    小値I minに対応する位相点θminを抽出する最小
    値対応位相点抽出工程と、同ノズルについての励振周波
    数fでのジェット電流の位相曲線から最大値I ax
    を抽出する最大値抽出工程と、同ノズルについての励振
    周波数fでのジェット電流の位相曲線から閾値(I
    ax−δ)(δ>0)以上である位相点θ
    θp+1,…,θ,…,θ(θminに近い方から
    θ,θp+1,…とする。θ,θp+1,…,θ
    は連続している位相点)を抽出するスイッチング許容位
    相点抽出工程と、Δθ(f)=(θ+θ)−θ
    を計算し、同ノズルについての励振周波数fでの位相
    余裕Δθ(f)として蓄積する位相余裕蓄積工程と、
    励振周波数fを変更して前記最小値対応位相点抽出工
    程に制御を戻す励振周波数変更工程と、同ノズルについ
    ての全ての励振周波数f,f,…,fM−1での位
    相余裕Δθ(f),Δθ(f),…,Δθ(f
    M−1)が蓄積されたときに次のノズルに変更して前記
    最小値対応位相点抽出工程に制御を戻すノズル変更工程
    と、全てのノズルについての全ての励振周波数f,f
    ,…,fM−1での位相余裕Δθ(f),Δθ(f
    ),…,Δθ(fM−1)が蓄積されたときに、各ノ
    ズルについての全ての励振周波数f,f,…,f
    M−1での位相余裕Δθ(f),Δθ(f),…,
    Δθ(fM−1)の中から最小値Δθ(min)を検索
    して記憶する最小値検索・記憶工程と、全てのノズルに
    ついて記憶された最小値Δθ(min)の中から最大値
    を検索し、該最大値に対応する励振周波数を最適励振周
    波数foptとして設定する最適励振周波数設定工程と
    を含むことを特徴とする連続噴射型インクジェット記録
    装置の最適励振周波数設定方法。
  4. 【請求項4】複数本のノズルを備え、各ノズルからイン
    クをインクジェットとして噴射させ、各ノズルに装着さ
    れた振動子に印加された励振信号の励振周波数f (0
    ≦k≦M−1)(Mは正整数)に同期してインクジェッ
    トをインク粒子に分裂させ、インク粒子を帯電制御信号
    によって帯電させ、帯電インク粒子を偏向電場で偏向す
    ることによって記録を行うとともに、インク粒子を粒子
    化周期2πより短いパルス幅θの位相探索パルスによ
    って帯電させ、偏向電場で偏向することなしに位相探索
    パルスの各位相点θ(0≦i≦N−1)(Nは正整
    数)でのジェット電流を検出することによって各ノズル
    についての各励振周波数fでのジェット電流の位相曲
    線を測定することができる連続噴射型インクジェット記
    録装置における最適励振周波数設定方法において、全て
    のノズルについての全ての励振周波数f,f,…,
    M−1でのジェット電流の位相曲線を測定して蓄積す
    るジェット電流位相曲線蓄積工程と、あるノズルについ
    ての励振周波数fでのジェット電流の位相曲線から最
    小値I minおよび該最小値Iminに対応する位相点
    θminを抽出する最小値・最小値対応位相点抽出工程
    と、同ノズルについての励振周波数fでのジェット電
    流の位相曲線から最大値I axを抽出する最大値抽出
    工程と、ΔI(f)=Imax−Iminを計算
    し、同ノズルについての励振周波数fでのコントラス
    トΔI(f)として蓄積するコントラスト蓄積工程
    と、励振周波数fを変更して前記最小値対応位相点抽
    出工程に制御を戻す励振周波数変更工程と、同ノズルに
    ついての全ての励振周波数f,f,…,fM−1
    のコントラストΔI(f),ΔI(f),…,
    ΔI(fM−1)が蓄積されたときに次のノズルに変
    更して前記最小値・最小値対応位相点抽出工程に制御を
    戻すノズル変更工程と、全てのノズルについての全ての
    励振周波数f,f,…,fM−1でのコントラスト
    ΔI(f),ΔI(f),…,ΔI(f
    M−1)が蓄積されたときに、各ノズルについての全て
    の励振周波数f,f,…,fM−1でのコントラス
    トΔI(f),ΔI(f),…,ΔI(f
    M−1)の中から最小値ΔI(min)を検索して記
    憶する最小値検索・記憶工程と、全てのノズルについて
    記憶された最小値ΔI(min)の中から最大値を検
    索し、該最大値に対応する励振周波数を最適励振周波数
    optとして設定する最適励振周波数設定工程とを含
    むことを特徴とする連続噴射型インクジェット記録装置
    の最適励振周波数設定方法。
  5. 【請求項5】前記スイッチング許容位相点抽出工程の後
    に、位相間隔θ=(θ −θmin)を計算し、θ
    ≦Δθs1(Δθs1>0)を満足する励振周波数を許
    可周波数と判定し、それ以外は不許可周波数と判定する
    位相間隔判定工程を含む請求項1,2,3または4記載
    の連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数
    設定方法。
  6. 【請求項6】前記閾値設定工程の後に、励振周波数f
    でのジェット電流の位相曲線から閾値(Imax−δ)
    (δ>0)以上である位相点θ,θp+1,…,
    θ,…,θ(θminに近い方からθ
    θp+1,…とする。θ,θ p+1,…,θは連続
    している位相点)を抽出するスイッチング許容位相点抽
    出工程と、位相余裕Δθ(f)={(θ+θ)−
    θ}を計算し、Δθ(f)≧Δθs2(Δθs2
    0)を満足する励振周波数を許可周波数と判定し、それ
    以外は不許可周波数と判定する位相余裕判定工程とを含
    む請求項2または4記載の連続噴射型インクジェット記
    録装置の最適励振周波数設定方法。
  7. 【請求項7】前記δが、(0.05〜0.3)(I
    max−Imin)である請求項1,3または6記載の
    連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振周波数設
    定方法。
  8. 【請求項8】前記Δθs1が、(3〜5)π/8である
    請求項5記載の連続噴射型インクジェット記録装置の最
    適励振周波数設定方法。
  9. 【請求項9】前記Δθs2が、5π/8である請求項6
    記載の連続噴射型インクジェット記録装置の最適励振周
    波数設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003251246A (ja) * 2002-03-06 2003-09-09 Seiko Epson Corp ヘッド駆動装置及び方法、液滴吐出装置、ヘッド駆動プログラム、並びにデバイス製造方法及びデバイス

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