JP2001105553A - 柔軟性多層ポリオレフィンフィルム - Google Patents
柔軟性多層ポリオレフィンフィルムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】塩化ビニル系樹脂並み、またはそれ以上の柔軟
性、引張強度、耐突刺性に優れた多層ポリオレフィンフ
ィルムを提供すること。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂にエチレン、プロピ
レン、ブチレンから選ばれた少なくとも2つのモノマー
からなる共重合体が分散し、結晶化度が40%以下の熱
可塑性ポリオレフィン系樹脂と、ビニル芳香族化合物を
主成分とする重合体ブロックと共役ジエンを主成分とす
る水素添加された重合体ブロックからなるブロック共重
合体からなるコア層と、ポリオレフィン系樹脂組成物か
らなるスキン層を積層する。
性、引張強度、耐突刺性に優れた多層ポリオレフィンフ
ィルムを提供すること。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂にエチレン、プロピ
レン、ブチレンから選ばれた少なくとも2つのモノマー
からなる共重合体が分散し、結晶化度が40%以下の熱
可塑性ポリオレフィン系樹脂と、ビニル芳香族化合物を
主成分とする重合体ブロックと共役ジエンを主成分とす
る水素添加された重合体ブロックからなるブロック共重
合体からなるコア層と、ポリオレフィン系樹脂組成物か
らなるスキン層を積層する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柔軟性多層ポリオレフィ
ンフィルムに関するものであって、さらに詳しくは、柔
軟性、引張強度、耐突刺性、耐ブロッキング性に優れた
農業用、食品包装用、文具用、車両用、被覆材などの用
途に有用な柔軟性多層ポリオレフィンフィルムに関する
ものである。
ンフィルムに関するものであって、さらに詳しくは、柔
軟性、引張強度、耐突刺性、耐ブロッキング性に優れた
農業用、食品包装用、文具用、車両用、被覆材などの用
途に有用な柔軟性多層ポリオレフィンフィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来これらの用途に使われる材質として
は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂等が挙げられる。しかしながらこれら塩化ビニル系
の樹脂では、焼却処理時に酸性雨の原因となる塩化水素
ガスや人体に猛毒なダイオキシン等の有害物質が発生
し、環境を汚染する原因となっている。そのため近年、
社会的に、塩化ビニル系樹脂の使用を回避する傾向にあ
る。また、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂等に添加される可塑剤がフィルム表面や接触
する素材へ移行し外観を悪くしたり、臭気を発したりす
る。
は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂等が挙げられる。しかしながらこれら塩化ビニル系
の樹脂では、焼却処理時に酸性雨の原因となる塩化水素
ガスや人体に猛毒なダイオキシン等の有害物質が発生
し、環境を汚染する原因となっている。そのため近年、
社会的に、塩化ビニル系樹脂の使用を回避する傾向にあ
る。また、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂等に添加される可塑剤がフィルム表面や接触
する素材へ移行し外観を悪くしたり、臭気を発したりす
る。
【0003】塩化ビニル系樹脂の代替としては、ポリオ
レフィン系樹脂があり、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどが挙げられる。しかしながらポリエチレン単
層フィルムの場合、柔軟性には優れているが、耐熱性、
耐突刺性に劣り、ポリプロピレン単層フィルムの場合、
耐熱性には優れているが、剛性が高く柔軟性に劣る。
レフィン系樹脂があり、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどが挙げられる。しかしながらポリエチレン単
層フィルムの場合、柔軟性には優れているが、耐熱性、
耐突刺性に劣り、ポリプロピレン単層フィルムの場合、
耐熱性には優れているが、剛性が高く柔軟性に劣る。
【0004】ポリエチレン、ポリプロピレンを単独で使
うのでなく、これらポリマーにエチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−ブテン共重合体等のゴムを添加して
柔軟性、耐突刺性を付与する方法が特開平7−2568
38号公報に開示されている。またポリプロピレンにス
チレンと水素添加されたブタジエンの共重合体を添加し
て柔軟性耐突刺性を付与する方法が特開平7−1884
31号公報に開示されている。
うのでなく、これらポリマーにエチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−ブテン共重合体等のゴムを添加して
柔軟性、耐突刺性を付与する方法が特開平7−2568
38号公報に開示されている。またポリプロピレンにス
チレンと水素添加されたブタジエンの共重合体を添加し
て柔軟性耐突刺性を付与する方法が特開平7−1884
31号公報に開示されている。
【0005】しかしながら、これらの方法ではエチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ス
チレンと水素添加されたブタジエンの共重合体などの添
加物の自己粘着性のため、製造時の口開き性が悪く、ま
た製膜後の巻取でブロッキング現象が起こりやすくな
る。
−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ス
チレンと水素添加されたブタジエンの共重合体などの添
加物の自己粘着性のため、製造時の口開き性が悪く、ま
た製膜後の巻取でブロッキング現象が起こりやすくな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような理由によ
り、本発明は塩化ビニル系樹脂並み、またはそれ以上の
柔軟性、引張強度、耐突刺性に優れ、また製造時に口開
き性が良好で、製膜後の巻取でブロッキング現象を起こ
さない柔軟性多層ポリオレフィンフィルムを提供するこ
とにある。
り、本発明は塩化ビニル系樹脂並み、またはそれ以上の
柔軟性、引張強度、耐突刺性に優れ、また製造時に口開
き性が良好で、製膜後の巻取でブロッキング現象を起こ
さない柔軟性多層ポリオレフィンフィルムを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る柔軟性多層ポリオレフィンフィルムは
下記のような特徴を有する。ポリプロピレン系樹脂に、
エチレン、プロピレン、ブチレンから選ばれた少なくと
も2以上のモノマーからなる共重合体(a)が配合さ
れ、結晶化度が40%以下の熱可塑性ポリオレフィン系
樹脂(A)からなるコア層と、ポリオレフィン系樹脂組
成物からなるスキン層を積層した柔軟性多層ポリオレフ
ィンフィルムである。
め、本発明に係る柔軟性多層ポリオレフィンフィルムは
下記のような特徴を有する。ポリプロピレン系樹脂に、
エチレン、プロピレン、ブチレンから選ばれた少なくと
も2以上のモノマーからなる共重合体(a)が配合さ
れ、結晶化度が40%以下の熱可塑性ポリオレフィン系
樹脂(A)からなるコア層と、ポリオレフィン系樹脂組
成物からなるスキン層を積層した柔軟性多層ポリオレフ
ィンフィルムである。
【0008】前記共重合体(a)が、熱可塑性ポリオレ
フィン系樹脂(A)100重量部に対し50〜100重
量部配合されている前項(1)記載の柔軟性多層ポリオレ
フィンフィルムである。
フィン系樹脂(A)100重量部に対し50〜100重
量部配合されている前項(1)記載の柔軟性多層ポリオレ
フィンフィルムである。
【0009】(3)前記コア層を形成する熱可塑性ポリオ
レフィン系樹脂(A)にはさらに、ビニル芳香族化合物
を主成分とする重合体ブロック(b1)と共役ジエンを
主成分とする水素添加された重合体ブロック(b2)か
らなるブロック共重合体(B)が配合されている前項
(1)及び(2)記載の柔軟性多層ポリオレフィンフィルム
である。 (4)前記コア層中のブロック共重合体(B)の配合量が
コア層樹脂100重量部に対して60重量部以下である前
項(3)記載の柔軟性多層ポリオレフィンフィルムであ
る。
レフィン系樹脂(A)にはさらに、ビニル芳香族化合物
を主成分とする重合体ブロック(b1)と共役ジエンを
主成分とする水素添加された重合体ブロック(b2)か
らなるブロック共重合体(B)が配合されている前項
(1)及び(2)記載の柔軟性多層ポリオレフィンフィルム
である。 (4)前記コア層中のブロック共重合体(B)の配合量が
コア層樹脂100重量部に対して60重量部以下である前
項(3)記載の柔軟性多層ポリオレフィンフィルムであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明中の柔軟性多層オレフィン
フィルムの全厚さは5〜500μmであり、より好まし
くは10〜200μmである。また、前記スキン層が柔
軟性多層ポリオレフィンフィルムの全厚さの40%を超
えると耐突刺性が劣ることとなる。
フィルムの全厚さは5〜500μmであり、より好まし
くは10〜200μmである。また、前記スキン層が柔
軟性多層ポリオレフィンフィルムの全厚さの40%を超
えると耐突刺性が劣ることとなる。
【0011】本発明中のポリプロピレン系樹脂とは、ポ
リプロピレンのホモポリマーは勿論のこと、エチレン、
ブテン、4−メチルペンテンなどで代表されるα−オレ
フィン類、スチレンで代表される芳香族系オレフィン類
や、ブタジエンで代表されるジエン類等のポリプロピレ
ンと共重合可能なモノマーとプロピレンとの共重合体
で、共重合体の共重合の成分と量は制限されない。
リプロピレンのホモポリマーは勿論のこと、エチレン、
ブテン、4−メチルペンテンなどで代表されるα−オレ
フィン類、スチレンで代表される芳香族系オレフィン類
や、ブタジエンで代表されるジエン類等のポリプロピレ
ンと共重合可能なモノマーとプロピレンとの共重合体
で、共重合体の共重合の成分と量は制限されない。
【0012】本発明中の熱可塑性ポリオレフィン系樹脂
(A)とは、前記ポリプロピレン系樹脂にエチレン、プ
ロピレン、ブチレンのうち少なくとも2以上のモノマー
からなる共重合体(a)をブレンドアロイ、もしくはリ
アクターアロイ等の方法でブレンドしたものをいう。ブ
レンドアロイの例としては、宇部興産社製の“CA
P”、リアクターアロイの例としては、レキセン社製の
“FPO”、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社
製の“キャタロイ”等が挙げられる。ただしこれに限ら
れるものではない。熱可塑性ポリオレフィン系樹脂
(A)の結晶化度が40%より大きいとコア層とスキン
層の密着が悪くなり、またコア層樹脂の剛性が増し、柔
軟性が低下する。
(A)とは、前記ポリプロピレン系樹脂にエチレン、プ
ロピレン、ブチレンのうち少なくとも2以上のモノマー
からなる共重合体(a)をブレンドアロイ、もしくはリ
アクターアロイ等の方法でブレンドしたものをいう。ブ
レンドアロイの例としては、宇部興産社製の“CA
P”、リアクターアロイの例としては、レキセン社製の
“FPO”、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社
製の“キャタロイ”等が挙げられる。ただしこれに限ら
れるものではない。熱可塑性ポリオレフィン系樹脂
(A)の結晶化度が40%より大きいとコア層とスキン
層の密着が悪くなり、またコア層樹脂の剛性が増し、柔
軟性が低下する。
【0013】本発明中のビニル芳香族を主成分とする重
合体ブロック(b1)と共役ジエンを主成分とする水素
添加された重合体ブロック(b2)からなるブロック共
重合体(B)とは、例えばスチレンと水素添加されたブ
タジエンの共重合体(HSBR)が挙げられ、特許第2
692194号公報、特許第2754723号公報、特
許第2764746号公報に開示されている。ただし、
これに限られるものではない。ブロック共重合体(B)
は、コア層の柔軟性付与のために添加される。
合体ブロック(b1)と共役ジエンを主成分とする水素
添加された重合体ブロック(b2)からなるブロック共
重合体(B)とは、例えばスチレンと水素添加されたブ
タジエンの共重合体(HSBR)が挙げられ、特許第2
692194号公報、特許第2754723号公報、特
許第2764746号公報に開示されている。ただし、
これに限られるものではない。ブロック共重合体(B)
は、コア層の柔軟性付与のために添加される。
【0014】本発明中のエチレン、プロピレン、ブチレ
ンのうち少なくとも2つのモノマーからなる共重合体
(a)が、熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)100
重量部に対し50重量部以下であると柔軟性、耐突刺性
が低下する。コア層に含まれるブロック共重合体(B)
の配合量が、コア層樹脂100重量部に対して60重量部
を越えると口開き性が不良となる。
ンのうち少なくとも2つのモノマーからなる共重合体
(a)が、熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)100
重量部に対し50重量部以下であると柔軟性、耐突刺性
が低下する。コア層に含まれるブロック共重合体(B)
の配合量が、コア層樹脂100重量部に対して60重量部
を越えると口開き性が不良となる。
【0015】本発明中のコア層には、フェニレンジアミ
ン、ヒンダードフェノールなどの酸化防止剤、グリセリ
ンモノエステル、エトキシル化アミンなどの帯電防止
剤、ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤等の添加剤
が添加されていても良い。
ン、ヒンダードフェノールなどの酸化防止剤、グリセリ
ンモノエステル、エトキシル化アミンなどの帯電防止
剤、ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤等の添加剤
が添加されていても良い。
【0016】本発明中のスキン層は、コア層にブロック
共重合体(B)を添加した際の表面の自己粘着性による
ブロッキング現象を回避するために設けるものである。
スキン層に使用されるポリオレフィン系樹脂組成物と
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの
ホモポリマー、またはこれらの共重合体である。スキン
層には、必要に応じて、シリカ、タルク、ケイソウ土、
有機顔料などのアンチブロッキング剤、エルカ酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの滑
剤、フェニレンジアミン、ヒンダードフェノールなどの
酸化防止剤、グリセリンモノエステル、エトキシル化ア
ミンなどの帯電防止剤、ベンゾトリアゾールなどの紫外
線吸収剤等が添加されていても良い。
共重合体(B)を添加した際の表面の自己粘着性による
ブロッキング現象を回避するために設けるものである。
スキン層に使用されるポリオレフィン系樹脂組成物と
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの
ホモポリマー、またはこれらの共重合体である。スキン
層には、必要に応じて、シリカ、タルク、ケイソウ土、
有機顔料などのアンチブロッキング剤、エルカ酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの滑
剤、フェニレンジアミン、ヒンダードフェノールなどの
酸化防止剤、グリセリンモノエステル、エトキシル化ア
ミンなどの帯電防止剤、ベンゾトリアゾールなどの紫外
線吸収剤等が添加されていても良い。
【0017】本発明中のコア層、スキン層の間に必要に
応じて層を設けても良い。例えばガスバリア性を付与し
たい場合には、ガスバリア層をコア層とスキン層の間に
設けても良い。
応じて層を設けても良い。例えばガスバリア性を付与し
たい場合には、ガスバリア層をコア層とスキン層の間に
設けても良い。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、もちろん本発明の範囲はこれらに限定さ
れるものではない。なお各種物性は以下に示す方法で実
施した。 結晶化度 DSC(示差走査熱量測定)により昇温速度10℃/分
で40℃から200℃まで昇温し、融解熱を求めた。ポ
リプロピレン完全結晶の融解熱を164J/gとし、求
めた融解熱を完全結晶の融解熱で除した値を結晶化度と
した。 弾性率、破断強度、破断伸度 JIS K−7127に準拠して求めた。 突刺強度 日本農林規格第10条に準じて、テンシロンの可動側に
先端が0.5mmの球状となっている針を取り付け、サ
ンプルが針に垂直に当たるように固定した。針がサンプ
ルを突き刺す速度は50mm/minで行った。針がサ
ンプルを突き破ったときの荷重を突き刺し強度とした。
に説明するが、もちろん本発明の範囲はこれらに限定さ
れるものではない。なお各種物性は以下に示す方法で実
施した。 結晶化度 DSC(示差走査熱量測定)により昇温速度10℃/分
で40℃から200℃まで昇温し、融解熱を求めた。ポ
リプロピレン完全結晶の融解熱を164J/gとし、求
めた融解熱を完全結晶の融解熱で除した値を結晶化度と
した。 弾性率、破断強度、破断伸度 JIS K−7127に準拠して求めた。 突刺強度 日本農林規格第10条に準じて、テンシロンの可動側に
先端が0.5mmの球状となっている針を取り付け、サ
ンプルが針に垂直に当たるように固定した。針がサンプ
ルを突き刺す速度は50mm/minで行った。針がサ
ンプルを突き破ったときの荷重を突き刺し強度とした。
【0019】(3)口開き性 成形したフィルムを手で引き裂いて、開けば良好、開き
にくい場合を不良とした。 (4)ブロッキング 試料を50mm×50mmの正方形に切り、2枚を重ね
あわせる。試料は5組作成する。この試料を60mm×
60mmの押さえ板に挟み込み2kgのおもりをのせ、
温度40±1℃、湿度70±2%RHの条件で1日、お
よび、温度50±1℃、湿度制限なしの条件で3日間放
置する。その試料を手ではがして、はがれた場合を良
好、はがれない場合を不良とする。
にくい場合を不良とした。 (4)ブロッキング 試料を50mm×50mmの正方形に切り、2枚を重ね
あわせる。試料は5組作成する。この試料を60mm×
60mmの押さえ板に挟み込み2kgのおもりをのせ、
温度40±1℃、湿度70±2%RHの条件で1日、お
よび、温度50±1℃、湿度制限なしの条件で3日間放
置する。その試料を手ではがして、はがれた場合を良
好、はがれない場合を不良とする。
【0020】実施例1 円形ダイによる空冷式多層インフレーション法により、
スキン層/コア層/スキン層の三層積層100μmのフ
ィルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とした。各
層の厚さは、スキン層一層で15μm、コア層70μm
である。コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)
として、密度が0.88g/cm3、メルトフローレー
ト(MFR)が0.80g/10min、結晶化度が2
0%、共重合体(a)がコア層樹脂100重量部に対し
60重量部の熱可塑性ポリオレフィン(KS−081
P、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社製)を用
いた。また、スキン層用樹脂として、密度が0.92g
/cm3、MFRが0.85g/10minの線状低密
度ポリエチレン(LLDPE)(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いた。成形したフィルムの物性
値を表1、2に示す。
スキン層/コア層/スキン層の三層積層100μmのフ
ィルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とした。各
層の厚さは、スキン層一層で15μm、コア層70μm
である。コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)
として、密度が0.88g/cm3、メルトフローレー
ト(MFR)が0.80g/10min、結晶化度が2
0%、共重合体(a)がコア層樹脂100重量部に対し
60重量部の熱可塑性ポリオレフィン(KS−081
P、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社製)を用
いた。また、スキン層用樹脂として、密度が0.92g
/cm3、MFRが0.85g/10minの線状低密
度ポリエチレン(LLDPE)(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いた。成形したフィルムの物性
値を表1、2に示す。
【0021】実施例2 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)として、
密度が0.89g/cm 3、MFRが0.45g/10
min、結晶化度が15%、共重合体(a)がコア層樹
脂100重量部に対し60重量部の熱可塑性ポリオレフ
ィン(KS−353P、モンテル・エスディーケイ・サ
ンライズ社製)を用い、スキン層用樹脂としてLLDP
E(AF331S、JPO社製)を用いて、円形ダイに
よる空冷式多層インフレーション法によりフィルムを製
膜した。ダイスの温度を220℃とした。各層の厚さ
は、スキン層一層で15μm、コア層70μmである。
成形した三層積層100μmフィルムの物性値を表1、
2に示す。
密度が0.89g/cm 3、MFRが0.45g/10
min、結晶化度が15%、共重合体(a)がコア層樹
脂100重量部に対し60重量部の熱可塑性ポリオレフ
ィン(KS−353P、モンテル・エスディーケイ・サ
ンライズ社製)を用い、スキン層用樹脂としてLLDP
E(AF331S、JPO社製)を用いて、円形ダイに
よる空冷式多層インフレーション法によりフィルムを製
膜した。ダイスの温度を220℃とした。各層の厚さ
は、スキン層一層で15μm、コア層70μmである。
成形した三層積層100μmフィルムの物性値を表1、
2に示す。
【0022】実施例3 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)として、
密度が0.89g/cm 3、MFRが4.0g/10m
in、結晶化度が30%、共重合体(a)がコア層樹脂
100重量部に対し60重量部の熱可塑性ポリオレフィ
ン(CAP330、宇部興産社製)を用い、スキン層用
樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポリオレフ
ィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多層インフ
レーション法によりフィルムを製膜した。ダイスの温度
を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一層で15
μm、コア層70μmである。成形した三層積層100
μmフィルムの物性値を表1、2に示す。
密度が0.89g/cm 3、MFRが4.0g/10m
in、結晶化度が30%、共重合体(a)がコア層樹脂
100重量部に対し60重量部の熱可塑性ポリオレフィ
ン(CAP330、宇部興産社製)を用い、スキン層用
樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポリオレフ
ィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多層インフ
レーション法によりフィルムを製膜した。ダイスの温度
を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一層で15
μm、コア層70μmである。成形した三層積層100
μmフィルムの物性値を表1、2に示す。
【0023】実施例4 コア層用熱可塑性ポリオレフィン樹脂(A)として、熱
可塑性ポリオレフィン(KS−353P、モンテル・エ
スディーケイ・サンライズ社製)を80重量部と、ブロ
ック共重合体(B)として、水素添加されたスチレン−
ブタジエンコポリマー(ダイナロン1320P、JSR
社製)を20重量部ドライブレンドしたものを用い、ス
キン層用樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多
層インフレーション法によりフィルムを製膜した。ダイ
スの温度を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一
層で15μm、コア層70μmである。成形した三層積
層100μmフィルムの物性値を表1、2に示す。
可塑性ポリオレフィン(KS−353P、モンテル・エ
スディーケイ・サンライズ社製)を80重量部と、ブロ
ック共重合体(B)として、水素添加されたスチレン−
ブタジエンコポリマー(ダイナロン1320P、JSR
社製)を20重量部ドライブレンドしたものを用い、ス
キン層用樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多
層インフレーション法によりフィルムを製膜した。ダイ
スの温度を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一
層で15μm、コア層70μmである。成形した三層積
層100μmフィルムの物性値を表1、2に示す。
【0024】実施例5 コア層用熱可塑性ポリオレフィン樹脂(A)として、熱
可塑性ポリオレフィン(KS−353P、モンテル・エ
スディーケイ・サンライズ社製)を40重量部と、ブロ
ック共重合体(B)として、水素添加されたスチレン−
ブタジエンコポリマー(ダイナロン1320P、JSR
社製)を60重量部ドライブレンドしたものを用い、ス
キン層用樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多
層インフレーション法によりフィルムを製膜した。ダイ
スの温度を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一
層で15μm、コア層70μmである。成形したフィル
ム三層積層100μmの物性値を表1、2に示す。
可塑性ポリオレフィン(KS−353P、モンテル・エ
スディーケイ・サンライズ社製)を40重量部と、ブロ
ック共重合体(B)として、水素添加されたスチレン−
ブタジエンコポリマー(ダイナロン1320P、JSR
社製)を60重量部ドライブレンドしたものを用い、ス
キン層用樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多
層インフレーション法によりフィルムを製膜した。ダイ
スの温度を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一
層で15μm、コア層70μmである。成形したフィル
ム三層積層100μmの物性値を表1、2に示す。
【0025】比較例1 コア層用熱可塑性ポリオレフィン樹脂(A)として、密
度が0.90g/cm3、MFRが2.5g/min、
結晶化度が50%の共重合体(a)がコア層樹脂100
重量部に対し50重量部以下のポリプロピレン(RF1
342、グランドポリマー社製)、スキン層用樹脂とし
てLLDPE(AF331S、日本ポリオレフィン社
製)を用いて、円形ダイによる空冷式多層インフレーシ
ョン法によりフィルムを製膜した。ダイスの温度を22
0℃とした。各層の厚さは、スキン層一層で15μm、
コア層70μmである。成形した三層積層100μmフ
ィルムの物性値を表1、2に示す。
度が0.90g/cm3、MFRが2.5g/min、
結晶化度が50%の共重合体(a)がコア層樹脂100
重量部に対し50重量部以下のポリプロピレン(RF1
342、グランドポリマー社製)、スキン層用樹脂とし
てLLDPE(AF331S、日本ポリオレフィン社
製)を用いて、円形ダイによる空冷式多層インフレーシ
ョン法によりフィルムを製膜した。ダイスの温度を22
0℃とした。各層の厚さは、スキン層一層で15μm、
コア層70μmである。成形した三層積層100μmフ
ィルムの物性値を表1、2に示す。
【0026】比較例2 コア層用熱可塑性ポリオレフィン樹脂(A)として、熱
可塑性ポリオレフィン(KS−353P、モンテル・エ
スディーケイ・サンライズ社製)を20重量部と、ブロ
ック共重合体(B)として、水素添加されたスチレン−
ブタジエンコポリマー(ダイナロン1320P、JSR
社製)を80重量部ドライブレンドしたものを用い、ス
キン層用樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多
層インフレーション法によりフィルムを製膜した。ダイ
スの温度を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一
層で15μm、コア層70μmである。成形した三層積
層100μmフィルムの物性値を表1、2に示す。
可塑性ポリオレフィン(KS−353P、モンテル・エ
スディーケイ・サンライズ社製)を20重量部と、ブロ
ック共重合体(B)として、水素添加されたスチレン−
ブタジエンコポリマー(ダイナロン1320P、JSR
社製)を80重量部ドライブレンドしたものを用い、ス
キン層用樹脂としてLLDPE(AF331S、日本ポ
リオレフィン社製)を用いて、円形ダイによる空冷式多
層インフレーション法によりフィルムを製膜した。ダイ
スの温度を220℃とした。各層の厚さは、スキン層一
層で15μm、コア層70μmである。成形した三層積
層100μmフィルムの物性値を表1、2に示す。
【0027】比較例3 ポリ塩化ビニル系樹脂を使用したフィルムとして、アキ
レス社製の単層100μmのポリ塩化ビニルフィルムを
用意した。このフィルムの物性値を表1、2に示す。
レス社製の単層100μmのポリ塩化ビニルフィルムを
用意した。このフィルムの物性値を表1、2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1より実施例で得られた多層ポリオレフ
ィンフィルムは、比較例1〜2で得られたものより柔軟
性、耐突刺性に優れており、比較例3並みまたはそれ以
上の柔軟性、耐突刺性を有している。
ィンフィルムは、比較例1〜2で得られたものより柔軟
性、耐突刺性に優れており、比較例3並みまたはそれ以
上の柔軟性、耐突刺性を有している。
【0030】
【表2】
【0031】表2より実施例で得られた多層ポリオレフ
ィンフィルムは、比較例1〜2で得られたものより口開
き性、ブロッキング性に優れており、比較例3並みまた
はそれ以上の口開き性、ブロッキング性を有している。
ィンフィルムは、比較例1〜2で得られたものより口開
き性、ブロッキング性に優れており、比較例3並みまた
はそれ以上の口開き性、ブロッキング性を有している。
【0032】
【発明の効果】本発明により、塩化ビニル系樹脂並み、
またはそれ以上の柔軟性、引張物性、耐突刺性に優れ、
さらに焼却処理時に酸性雨の原因となる塩化水素ガスや
人体に猛毒なダイオキシン等の有毒物質が発生せず、塩
化ビニル系樹脂のように可塑剤を使用していないため可
塑剤のフィルム表面への移行による外観の悪化がなく、
可塑剤の臭気の問題がないものが得られ、その産業上、
極めて有用なものである。
またはそれ以上の柔軟性、引張物性、耐突刺性に優れ、
さらに焼却処理時に酸性雨の原因となる塩化水素ガスや
人体に猛毒なダイオキシン等の有毒物質が発生せず、塩
化ビニル系樹脂のように可塑剤を使用していないため可
塑剤のフィルム表面への移行による外観の悪化がなく、
可塑剤の臭気の問題がないものが得られ、その産業上、
極めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12 AA14 AA15X AA20 AA20X AA21X AA22 AA75 AF14 AF53 AH04 AH19 BC01 4F100 AK03A AK03B AK03C AK04A AK07A AK08A AK11A AK28A AK63 AL01A AL02A AL05B AL05C BA02 BA03 BA08 BA10B BA10C GB15 GB32 GB71 JA11A JB16A JK02 JK13 JL00 YY00A 4J002 BB11W BB14X BB15X BB17X BP01Y GG02 GT00
Claims (4)
- 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂に、エチレン、プロ
ピレン、ブチレンから選ばれた少なくとも2以上のモノ
マーからなる共重合体(a)が配合され、結晶化度が4
0%以下の熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)からな
るコア層と、ポリオレフィン系樹脂組成物からなるスキ
ン層を積層したことを特徴とする柔軟性多層ポリオレフ
ィンフィルム。 - 【請求項2】前記共重合体(a)が、熱可塑性ポリオレ
フィン系樹脂(A)100重量部に対し50〜100重
量部配合されていることを特徴とする請求項1に記載の
柔軟性多層ポリオレフィンフィルム。 - 【請求項3】前記コア層を形成する熱可塑性ポリオレフ
ィン系樹脂(A)にはさらに、ビニル芳香族化合物を主
成分とする重合体ブロック(b1)と共役ジエンを主成
分とする水素添加された重合体ブロック(b2)からな
るブロック共重合体(B)が配合されているいることを
特徴とする請求項1または2に記載の柔軟性多層ポリオ
レフィンフィルム。 - 【請求項4】前記コア層中のブロック共重合体(B)の
配合量がコア層樹脂100重量部に対して60重量部以下
であることを特徴とする請求項3に記載の柔軟性多層ポ
リオレフィンフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28965199A JP2001105553A (ja) | 1999-10-12 | 1999-10-12 | 柔軟性多層ポリオレフィンフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28965199A JP2001105553A (ja) | 1999-10-12 | 1999-10-12 | 柔軟性多層ポリオレフィンフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001105553A true JP2001105553A (ja) | 2001-04-17 |
Family
ID=17746006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28965199A Pending JP2001105553A (ja) | 1999-10-12 | 1999-10-12 | 柔軟性多層ポリオレフィンフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001105553A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160138108A (ko) | 2014-03-28 | 2016-12-02 | 도레이 카부시키가이샤 | 2축 배향 폴리프로필렌 필름 |
-
1999
- 1999-10-12 JP JP28965199A patent/JP2001105553A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160138108A (ko) | 2014-03-28 | 2016-12-02 | 도레이 카부시키가이샤 | 2축 배향 폴리프로필렌 필름 |
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