JP2001105278A - 工作機械における先使用・後使用工具の刃先位置整合方法 - Google Patents

工作機械における先使用・後使用工具の刃先位置整合方法

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JP2001105278A JP28496599A JP28496599A JP2001105278A JP 2001105278 A JP2001105278 A JP 2001105278A JP 28496599 A JP28496599 A JP 28496599A JP 28496599 A JP28496599 A JP 28496599A JP 2001105278 A JP2001105278 A JP 2001105278A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先使用工具による加工の途中から後使用工具
により加工を継続する場合、工作物上の前記両工具刃先
が当接する部分に段ができないようにすること。 【解決手段】 先使用工具による加工動作の前後におい
てこの先使用工具の刃先を第1検出器がオンとなる基準
のA位置に位置決めし、先使用工具の理論位置と加工前
の実際位置との差である加工前誤差と加工後誤差とを求
める。また、後使用工具を主軸に装着した後、後使用工
具の刃先を第1検出器がオンとなる前記A位置に位置決
めし、後使用工具の理論位置と実際位置との差を後使用
工具の加工前誤差として求める。そして、後使用工具を
先使用工具による工作物の加工終了部に位置決めする際
には、ワークテーブルと主軸の相対移動のプログラムさ
れた目標位置を先使用工具の加工前誤差及び加工後誤差
と後使用工具の加工前誤差とに基づいて補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、数値制御工作機械
において、先使用工具による加工の途中からこの先使用
工具に代えて後使用工具により前記加工途中から加工を
再開する場合に両工具の刃先位置を整合する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特に金型のような硬質材料製の工作物を
数値制御工作機械により加工する場合、加工途中でそれ
まで使用していた先使用工具が寿命に達し、このため先
使用工具に換えて同種または予備の後使用工具を主軸に
装着し、前記加工途中から加工動作を再開する場合があ
る。この場合、加工途中における先使用工具の刃先位置
と後使用工具の刃先位置とを整合し、加工再開面に段差
が形成されることを防止する必要がある。
【0003】このために先使用工具の刃先位置と後使用
工具の刃先位置とを整合する従来の方法では、先使用工
具と後使用工具の工具寸法差を求めこの寸法差分だけ後
使用工具の加工再開位置を補正するようにしている。典
型的には、この工具寸法差は、数値制御装置に登録され
る先使用及び後使用工具の各呼び寸法の差とこれら工具
の各工具寸法補正データの差の合計値とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、先使用工具及び後使用工具の呼び
寸法や工具寸法補正データが正しく設定されていたとし
ても、工作物上の加工再開部では後使用工具の先端は先
使用工具の先端が存在していた位置と正確に整合され
ず、前記加工再開部に段や顕著な筋が付くと云う問題を
解消できない。この主たる原因は、前記加工途中に至る
までの加工経路中で先使用工具の刃先に生じた摩耗量が
考慮されていないためであり、この他先使用工具の刃先
位置や後使用工具の刃先位置を精密に捕捉することが容
易でないことにある。さらに、工作機械のワークテーブ
ルに対する工作物の取り付け誤差を工具刃先位置と関連
させて精密に求めることができなかったことが大きな要
因となっている。
【0005】従って、本発明の主たる目的は、先使用工
具及び後使用工具のプログラム上の理論位置と実際位置
との誤差だけでなく先使用工具の刃先摩耗量を考慮する
ことにより後使用工具の刃先を先使用工具の刃先があっ
た位置に正確に位置決めできるようにすることにある。
本発明の別の目的は、後使用工具を加工再開部に位置決
めする際に、先使用及び後使用工具の各刃先位置誤差及
びワークの取り付け誤差が補正できるようにすることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の先使用・後使用工具の刃先整合方法
は、先使用工具による加工動作の前後においてこの先使
用工具の刃先を第1検出器がオンとなる基準のA位置に
位置決めし、この先使用工具を装着する主軸と前記第1
検出器との間の相対移動の理論位置と実際位置との差を
それぞれ前記先使用工具の加工前誤差及び加工後誤差と
して求める。また、後使用工具を先使用工具に換えて主
軸に装着した後、後使用工具の刃先を第1検出器がオン
となる前記A位置に位置決めし、主軸と第1検出器との
間の相対移動の理論位置と実際位置との差を前記後使用
工具の加工前誤差として求める。そして、後使用工具を
先使用工具による工作物の加工終了部に位置決めする際
には、ワークテーブルと主軸の相対移動のプログラムさ
れた目標位置を先使用工具の加工前誤差及び加工後誤差
と後使用工具の加工前誤差とに基づいて補正する。
【0007】この方法においては、先使用工具の加工前
誤差と後使用工具の加工前誤差との差が刃先摩耗前の先
使用工具の刃先位置へ後使用工具の刃先位置を整合させ
る補正量となり、先使用工具の加工前誤差と加工後誤差
との差が刃先摩耗前の先使用工具の刃先位置に対してこ
の先使用工具の刃先摩耗量だけ後使用工具の刃先位置を
補正する補正量となる。これにより、後使用工具の刃先
位置は、先使用工具の摩耗した刃先により切削された工
作物の加工最終部に正確に整合する。なお、第1検出器
は、ワークテーブルと不変の位置関係を持つように配置
することが好ましい。
【0008】この発明における先使用工具の加工後誤差
とは、加工動作の後に先使用工具を基準のA位置に再度
位置決めした時の主軸と第1検出器との相対移動の理論
位置と実際位置との誤差を意味するが、この発明を定義
する上での便宜上、これら理論位置と実際位置との差を
求めずに後述する実施の形態のように単に実際位置のみ
を検出するようにした場合にこの実際位置のみを意味す
べく意図されている。これは、理論位置は既知であるの
で、理論位置と実際位置との誤差の算出をどの時点で行
うかは単なる処理上の問題であるためである。
【0009】請求項2の先使用・後使用工具の刃先整合
方法は、ワークテーブルに対し相対的に主軸と共に接触
式の第2検出器を1つの制御軸に沿って移動し、この第
2検出器の接触子を前記第1検出器がオンとなる前記A
位置と同一又はこのA位置から所定距離離間したB位置
と工作物上の基準となるC位置に順次接触させてB位置
から観たC位置の予め設定された理論位置と実際位置と
の差である工作物位置誤差を求める。そして、後使用工
具を先使用工具による工作物の加工終了部に位置決めす
る際には、ワークテーブルと主軸の相対移動のプログラ
ムされた目標位置を、請求項1の発明において使用した
誤差に加えて、前記工作物位置誤差を用いて補正する。
【0010】この発明においては、熱変形の影響を極力
なくするために前記B位置を前記A位置の近傍に設定す
ることにより、実質的に前記A位置から観た工作物の位
置誤差を求めることができる。工作物の位置誤差をさら
に補正の対象として加えることにより、主に先使用及び
後使用工具の寸法誤差と先使用工具の刃先摩耗が起因す
る両工具の刃先位置の不整合を排除した上で、主にワー
クテーブルに対する工作物の取り付け誤差が起因する両
工具の刃先位置の不整合をさらに排除する。これによ
り、後使用工具の刃先位置は先使用工具の摩耗した刃先
により切削された工作物の加工最終部に一層正確に整合
する。
【0011】特に、先使用及び後使用工具の寸法誤差と
先使用工具の刃先摩耗を検出する基準となる前記A位置
を工作物の位置誤差を検出する基準として共用するよう
にして、送り座標系における前記A位置の主に熱変形に
よる変位の影響が補正精度に悪影響を及ぼさないように
してある。
【0012】請求項3の先使用・後使用工具の刃先整合
方法では、第2検出器の接触子が第1検出器に検出され
同検出器がオンとなる位置、つまり前記A位置から観た
工作物上の基準となるC位置の予め設定された理論位置
と実際位置との差である工作物位置誤差を求めるように
した。これにより、請求項2の発明方法と同様に、後使
用工具の刃先位置は先使用工具の摩耗した刃先により切
削された工作物の加工最終部に一層正確に整合する他、
前記工具寸法誤差を求める際の前記A位置と前記工作物
位置誤差を求める際の前記A位置とを制御軸に沿う同一
位置とすることができ、請求項2の発明で設定を必要と
していた前記B位置を不要にでき、このB位置を設定す
る際に巻き込まれる誤差を排除するようにしている。
【0013】好適には、請求項4の方法のように、請求
項1乃至請求項3の各方法における前記工具寸法誤差を
求めるときは、主軸を回転させた状態で行うようにし
た。主軸と共にこれに取り付けた工具を回転させること
により、前記工具寸法誤差は加工動作中の工具の工具先
端の振れを含む実効寸法を反映した誤差となり、この誤
差に基づいた補正が可能となる。
【0014】前述した請求項1乃至請求項3の発明にお
いては、工具寸法誤差を求めるときは、主軸の回転を停
止させた状態で行ってもよいが、請求項4の発明のよう
に主軸を回転させた状態、より好適にはその後の加工動
作で回転させる回転速度で主軸を回転させた状態で行え
ば、加工動作中の工具の実効寸法に基づいた補正が可能
となる。ここで、工具の実効寸法とは、工具の先端が振
れを生じる場合に数値制御装置に設定された実際の工具
長や工具径である工具寸法よりも大きくなる工具寸法を
意味する。
【0015】さらに、数値制御装置に設定された実際の
工具寸法とは、プログラム上で指定される工具の呼び寸
法を工具寸法補正データにより補正した工具寸法を意味
し、通常これら呼び寸法及び補正データは予め数値制御
装置に登録されている。請求項1乃至請求項3の各発明
における主軸とワークテーブルとの間の相対的移動量の
補正は、プログラム中に指定された目標位置そのものを
補正する方法、前記制御軸の座標系の原点を補正する方
法、或いは数値制御装置に予め登録された工具呼び寸法
を補正する方法或いはこれと対をなす工具寸法補正デー
タを補正する方法の何れかにより実現される。
【0016】前述した各請求項の発明においては、第2
検出器は主軸に装着する形式のものを使用するか、或い
はこれに代えて、加工動作中は待避され検出時のみ検出
位置へ前進して主軸と一体的に制御軸に沿って移動する
形式のものを使用する。さらに、前述した各請求項の発
明における数値制御装置により制御される工作機械の1
つの制御軸とは、主軸軸線と平行な制御軸又は主軸軸線
と直交する制御軸とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の計測補正方法が使
用される工作機械としてのマシニングセンタ1を示して
いる。マシニングセンタ1はベッド2とこのベッド2上
に立設されたコラム3を備えている。コラム3の前面に
は左右に延びる上下2本のガイドレール4が取り付けら
れており。このガイドレール4に沿ってサドル5が左右
(X軸)方向に移動可能に設けられている。さらに。こ
のサドル5の前面には上下に延びる左右2本のガイドレ
ール6が取り付けられており、このガイドレール6に沿
ってガントリ7が上下(Y軸)方向に移動可能に設けら
れている。ガントリ7には工具Tが装着される主軸8を
回転可能に支持した主軸頭9が設けられている。
【0018】また、ベッド2には前後に延びる左右2本
のガイドレール10が取り付けられており、このガイド
レール10に沿ってワークテーブル11が前後(Z軸)
方向に移動可能に設けられている。そして、図略の駆動
機構により、サドル5がX軸方向へ、ガントリ7がY軸
方向へ、ワークテーブル11がZ軸方向へそれぞれ移動
することによって、主軸8に装着された工具Tによっ
て、ワークテーブル11上に載置された工作物が加工さ
れる。
【0019】ワークテーブル11の主軸側の側面には非
接触式の第1検出器としてのレーザ検出器20が取り付
けられている。図2に示すように、このレーザ検出器2
0は、凹字上の基台21の内側に対向して設けられたレ
ーザ発振器22とフォトダイオード等の受光器23を備
えており、レーザ発振器22からのレーザ光Lを工具T
が遮ることによる受光器23の受光量の変化から工具T
の先端の位置を検出することができる。すなわち、受光
器23に接続されたアンプを介して工具Tの先端がレー
ザ光を遮ったことを数値制御装置(CNC)40に通知
することによって、CNC40はそのときの制御軸の現
在位置から工具Tの先端の位置を検出することができ
る。ここで、工具Tが全てのレーザ光Lを遮る必要はな
く、全く遮らないときの受光量に対して所定量だけ受光
量が減少したことによって検出することが可能である。
なお、基台21の側面には基準ブロック26が、その先
端面(B位置)がレーザ光L(A位置)とZ軸方向に同
一の位置となるうよう設けられている。
【0020】一方、コラム3の側方にはコラム3に隣接
して、複数の工具Tを備えた工具マガジン12が設けら
れていると共に、ベッド2上の工具マガジン12の前面
には、自動工具交換装置(ATC)13が設けられてお
り、工具マガジン12と主軸8との間で工具交換を行う
よう構成されている。
【0021】なお、工具マガジン12には第2検出器3
0としてのタッチセンサ30が収納されている。このタ
ッチセンサ30は工具Tと同様に工具マガジン12およ
び主軸8に装着可能であり、主軸8に装着した状態で主
軸8を移動させ、接触子31(図11参照)の先端の球
が工作物Wや基準面に接触したことを検出するものであ
る。すなわち、接触子31の先端の球が工作物Wや基準
面に接触したことを数値制御装置(CNC)40に通知
することによって、CNC40はそのときの制御軸の現
在位置から工作物Wや基準面の位置を検出することがで
きる。
【0022】図3は、上記したマシニングセンタ1の制
御ブロック図である。CNC40は、演算装置であるC
PU41と、システムプログラム等を記憶したROM4
2と、NCプログラムや各種パラメータ等を記憶したR
AM43、キーボード等の入力装置44と、CRT等の
出力装置45と、インターフェイス46,47,48を
主たる構成要素としている。そして、X,Y,Z各軸へ
の移動指令がそれぞれのディジタルサーボユニット5
0,51,52に出力され、各ディジタルサーボユニッ
ト50,51,52がX軸駆動モータ53、Y駆動モー
タ54、Z軸駆動モータ55を駆動すると共に、各駆動
モータ53,54,55に接続されたエンコーダ56,
57,58によって検出される各軸の現在位置が帰還さ
れてフィードバック制御されるようになっている。
【0023】なお、図3に示す制御ブロック図において
は、上記したレーザ検出器20からの検知信号およびタ
ッチセンサ30からの検知信号はインターフェイス48
を介してCNC40に入力されるように構成されている
が、シーケンスコントローラにおけるI/O信号として
CNC40に入力されるようにしてもよい。
【0024】次に、図4から図10に示すフローチャー
トおよび図11から図13に基づいて、上記した構成に
おける計測補正方法について説明する。図4および図5
はメインプログラムであり、CNC40のRAM43に
記憶されている。
【0025】まず、S100において、工作物位置補正
サイクルを実行するか否かを判断する。この工作物位置
補正サイクルは後述する基準ブロック26の基準面(B
位置)に対する工作物Wの基準面(C位置)の位置誤差
Zdを補正するためのサイクルであり、この位置誤差Zd
の要因としては、工作物Wの取り付け誤差、基準ブロッ
ク26と工作物Wとの間の熱変位、駆動系の送り誤差等
が考えられる。そして、この工作物位置補正サイクルを
実行するか否かは、プログラマが加工プログラムを作成
する際に予め設定しておくか、或いは、加工に先立って
作業者が必要に応じて入力装置44から指示する等によ
り定められている。S100の判断がNOの場合はS1
02に進み、YESの場合はS101を経てS102に
進む。S101では図6のサブプログラムで示す工作物
位置補正サイクルが実行される。
【0026】S102では、ATC13により当該加工
に用いる工具Tが工具マガジン12から主軸8へ移送さ
れて装着される。続いて、S103にて主軸8の回転が
開始される。次に、S104にて工具長補正サイクルを
実行するか否かを判断する。この工具長補正サイクルは
工具先端の位置誤差を補正するためのサイクルであり、
この工具先端の位置誤差の要因としては、工具製造上の
工具長のばらつき、工具摩耗、主軸8の熱変位、主軸8
の遠心膨張による工具Tの引込み等が考えられる。そし
て、この工具長補正サイクルを実行するか否かも、先の
工作物位置補正サイクルと同様に予め定められている。
ただし、後述する面補償サイクルを実行する場合は工具
長補正サイクルを実行するように設定しておく必要があ
る。S104の判断がNOの場合はS106に進み、Y
ESの場合はS105を経てS106に進む。S105
では図7のサブプログラムで示す工具長補正サイクルが
実行される。
【0027】S106では工具径補正・振れ検出サイク
ルを実行するか否かを判断する。工具径補正・振れ検出
サイクルは工具径の理論値に対する誤差を補正するため
のサイクルと、工具の装着ミスによる工具の振れを防止
するためのサイクルである。このサイクルを実行するか
否かも、工作物位置補正サイクルと同様に予め定められ
ている。S106の判断がNOの場合はS108に進
み、YESの場合はS107を経てS108に進む。S
107では図8および図9のサブプログラムで示す工具
径補正・振れ検出サイクルが実行される。
【0028】次に、S108では上記工作物位置補正サ
イクル、工具長補正サイクル、工具径補正・振れ検出サ
イクルの各サイクルで演算される補正量で誤差を補正す
る。各サイクルのサブプログラムを参照して後述する工
作物位置補正量Zd(第1誤差)、工具長補正量Zt(第
2誤差)、工具径補正量Ddに基づいて補正が行われた
後、S109に進む。
【0029】ここで、本実施の形態では工作物位置補正
量ZtについてはZ軸方向の誤差についてのみ説明して
いるので、S108では工作物位置補正量Zdと工具長
補正量Ztとの加算値で工具長補正機能によりZ軸の指
令値を補正し、工具径補正量Daで工具径補正機能によ
りX軸およびY軸の指令値を補正する。工具長補正機
能、工具径補正機能は一般的にマシニングセンタに備え
られている機能であり、NCプログラムで与えられる指
令値に対して各補正量分だけオフセットして各軸を制御
する機能である。
【0030】工作物位置補正量については、本実施の形
態で説明するZ軸方向の誤差のみでなくX軸およびY軸
方向の誤差も補正可能であるので、この場合はS108
における誤差補正の方法としては、工具長補正機能を用
いる方法に換えて、NCプログラムの指令値を直接補正
することも可能であり、さらに、マシニングセンタ1の
座標系(機械原点)をオフセットすることも可能であ
る。工具長補正量についても同様に、NCプログラムの
指令値を直接補正する方法やマシニングセンタ1の座標
系(機械原点)をオフセットする方法も採用可能であ
る。
【0031】S109では加工プログラムに従って工具
Tによる工作物Wの加工が実行される。続くS110で
は、工作物Wの加工中に工具Tの使用時間の積算や主軸
8の動力の監視等により工具Tが工具寿命に至ったかを
判断する。S110の判断がNOの場合はS114に進
み、YESの場合はS111、S112あるいはS11
3を経てS114に進む。
【0032】S111では面補償サイクルを実行するか
否かを判断する。面補償サイクルは、同一面の加工中に
工具Tが寿命となり予備工具と交換する必要が生じたと
きに、工具Tの交換の前後の加工によって加工面に段差
が生じることを防止するためのサイクルである。このサ
イクルを実行するか否かも、工作物位置補正サイクルと
同様に予め定めされている。S111の判断がNOの場
合は、S112にて単に寿命となった工具である先使用
工具を予備工具として工具マガジン12に貯蔵されてい
る後使用工具に交換するだけでS114に進み、YES
の場合は、図10のサブプログラムで示す面補償サイク
ルを実行してS114に進む。
【0033】S114では加工が完了したか否かを判断
し、加工が完了されるまでS109からS114の処理
を繰返し、加工が完了するとS115にて主軸8の回転
を停止させ、続くS116で次工程の有無を判断する。
S116の判断がYESの場合はS102に戻って上記
の処理を繰返し、NOの場合はプログラムエンドとな
る。
【0034】次に、各サブプログラムの詳細について説
明する。図6は図4のS101でコールされる工作物位
置補正サイクルを示すサブプログラムであり、S120
にて、まず、工具マガジン12に格納されているタッチ
センサ30をATC13により主軸8に装着する。次
に、S121にて、所定の計測プログラムによりタッチ
センサ30が装着された主軸8を基準ブロック26に向
けてZ軸方向に相対前進させる。S122にて接触子3
1が基準ブロック26の先端面(B位置)に接触したこ
とを検出する信号がタッチセンサ30から出力されたか
を検出し、タッチセンサ30からの信号が出力されるま
で主軸8の前進が続けられる。
【0035】タッチセンサ30から接触子31が基準ブ
ロック26に接触したことを示すON信号が出力される
と、すなわち、S122の判断がYESとなるとS12
3に進み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。本実
施の形態においては、Z軸方向の工作物位置補正につい
て説明しているので、この場合の現在位置はZ軸の現在
位置である。すなわち、エンコーダ58により検出され
るZ軸駆動モータ52の現在位置ZpがRAM43の所
定の領域に記憶される。
【0036】次に、S124にて、所定の計測プログラ
ムによりタッチセンサ30が装着された主軸8を工作物
Wの基準面(C位置)に向けてZ軸方向に相対前進させ
る。なお、工作物Wの基準面とは、工作物Wの加工の基
準となる面であり、工作物毎に予め定められている。S
125にて接触子31が工作物Wの基準面に接触したこ
とを検出する信号がタッチセンサ30から出力されたか
を検出し、タッチセンサ30からの信号が出力されるま
で主軸8の前進が続けられる。
【0037】タッチセンサ30から接触子31が工作物
Wの基準面に接触したことを示すON信号が出力される
と、すなわち、S125の判断がYESとなるとS12
6に進み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。上述
したS123と同様にこの場合の現在位置はZ軸の現在
位置であり、エンコーダ58により検出されるZ軸駆動
モータ52の現在位置ZwがRAM43の所定の領域に
記憶される。(図11参照)
【0038】そして、S127にて主軸8に装着された
接触子31を取外し、S128で工作物位置補正量(第
1誤差)を演算する。工作物位置補正量ZdはZd=Zow
p−(Zw−Zp)で演算される。ここで、Zowpは基準ブ
ロック26の先端面(B位置)に対する工作物Wの基準
面(C位置)の理論位置として、プログラミング時に予
め定められている値である。この理論位置Zowpから基
準ブロック26の先端面の実際の位置Zpに対する工作
物Wの基準面の実際の位置Zwを減算することにより、
工作物位置補正量Zdを得ることができる。
【0039】図11は上述の工作物位置補正サイクルの
動作を示しており、実線で記した主軸8およびタッチセ
ンサ30は、上記S121で主軸8を前進させ、S12
2で接触子31の基準ブロック26への接触が検出され
た状態であり、破線で記した主軸8およびタッチセンサ
30は、上記S124で主軸8を前進させ、S125で
接触子31の工作物Wの基準面への接触が検出された状
態である。なお、図11において、14はパレット、1
5は工作物Wをパレット14に固定する治具である。
【0040】図7は図4のS105でコールされる工具
長補正サイクルを示すサブプログラムであり、まず、S
130にて、予め定めされた計測プログラムに従って、
工具Tが装着された主軸8(S102にて工具が装着さ
れている)をレーザ検出器20のレーザ光Lに向けてZ
軸方向に相対移動させる。S131にて工具Tの先端が
レーザ光Lを遮ったことを検出するオン信号がレーザ検
出器20から出力されたかを検出し、レーザ検出器20
からのオン信号が出力されるまで主軸8の前進が続けら
れる。
【0041】レーザ検出器20から工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを示すオン信号が出力されると、す
なわち、S131の判断がYESとなるとS132に進
み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。上述したS
123と同様にこの場合の現在位置はZ軸の現在位置で
あり、エンコーダ58により検出されるZ軸駆動モータ
52の現在位置ZlがRAM43の所定の領域に記憶さ
れる。
【0042】そして、S133で工具長補正量(第2誤
差)を演算する。工具長補正量ZtはZt=Zol−Zlで
演算される。ここで、Zolは工具T先端がレーザ光Lを
遮るとき(A位置)のZ軸の理論位置でる。この理論位
置Zolから実際に工具Tがレーザ光を遮った時のZ軸の
現在位置Zlを減算することにより、工具長補正量Ztを
得ることができる。すなわち、ここでは工具長補正値と
称しているが、実際にはA位置における工具T先端の位
置に対する補正量であり、工具製造上の工具長のばらつ
きや工具摩耗のみならず、主軸8の熱変位や主軸8の遠
心膨張による工具Tの引込み等の影響をも含んだ誤差を
補正するものである。
【0043】図12は上述の工具長補正サイクルの動作
を示しており、上記S130により主軸8を前進させ、
S131で工具Tの先端がレーザ光Lを遮ったことが検
出された状態である。
【0044】図8および図9は、図4のS107でコー
ルされる工具径補正・振れ検出サイクルを示すサブプロ
グラムであり、まず、S140にて、後述する工具Tの
再装着回数を示すカウンタNを0にする。次に、S14
1で、工具Tが装着された主軸8(S102にて工具が
装着されている)をレーザ検出器20のレーザ光Lに向
けて移動させる。ここで、この場合の移動はY軸方向へ
の移動であり、S141では上方からレーザ光に向けて
主軸8を移動させる。S142にて工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを検出するオン信号がレーザ検出器
20から出力されたかを検出し、レーザ検出器20から
のオン信号が出力されるまで主軸8の移動が続けられ
る。
【0045】レーザ検出器20から工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを示すオン信号が出力されると、す
なわち、S142の判断がYESとなるとS143に進
み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。この場合の
現在位置はY軸の現在位置であり、エンコーダ57によ
り検出されるY軸駆動モータ51の現在位置DuがRA
M43の所定の領域に記憶される。
【0046】S144からS146では、上記S141
からS143と同様な処理が行われるが、S144での
主軸8の移動方向はレーザ光に向けて下方からであり、
S146でY軸モータ51の現在位置DdがRAM43
の所定の領域に記憶される。そして、S147にて、工
具径補正量を演算する。工具径補正量DaはDa=Do−
(Du−Dd−Dl)で演算される。ここで、Doは理論上
の工具径として予め定められている値であり、Dlはレ
ーザ光の光径である。この理論上の工具径Doから検出
された実際の工具径(Du−Dd−Dl)を減算すること
により、工具径補正量Daを得ることができる。
【0047】図13は上述の工作物径補正サイクルの動
作を示しており、実線で記した主軸8および工具Tは、
上記S141により主軸8を移動させ、S142で工具
Tがレーザ光Lを遮ったことが検出された状態であり、
破線で記した主軸8および工具Tは、上記S144によ
り主軸8を移動させ、S145で工具Tがレーザ光Lを
遮ったことが検出された状態である。
【0048】図9に移ってS148では、S147にて
演算された工具径補正量Daが予め設定された許容値以
下であるかを判断する。この許容値は工具径のばらつき
を考慮して決定されており、許容値以下であれば工具径
のばらつきと判断し、許容値以上であれば、この工具径
補正値Daは工具径のばらつきのみならず工具Tの振れ
を含んでいると判断するものである。S148の判断が
YESの場合はサブプログラムを終了し、NOの場合は
S149に進んで、工具Tの再装着を行う。すなわち。
工具TをATC13にて一旦取外し、再び装着し直すこ
とにより、工具の装着ミスによる工具の振れを解消する
ものである。
【0049】S150ではS149における工具再装着
の回数を計測するカウンタを加算し、S151ではこの
カウンタ値Nが予め設定された回数No以下であるかが
判断される。予め定められた回数以下である場合はS1
41に戻って処理を繰返し、予め定められた回数を超え
てもなお工具径補正量Daが許容値内にならない場合
は、工具Tあるいは主軸8の工具クランプ機構に異常が
あると判断し、S152に進んで警報を出力する等の異
常処置を行う。なお、工具マガジン12に予備工具が格
納されている場合は、S152の異常処置に代えて予備
工具との交換を行うことにより処理を継続することが可
能である。
【0050】図10は、図5のS113でコールされる
面補償サイクルを示すサブプログラムであり、図5のS
110で工具寿命と判断された工具T、すなわち先使用
工具を主軸8に装着したままの状態で図7のS130と
同様に、主軸8をレーザ光Lに向けてZ軸方向に相対移
動させ、S161にて工具Tの先端がレーザ光Lを遮っ
たことを検出するオン信号がレーザ検出器20から出力
されたかを検出し、レーザ検出器20からのオン信号が
出力されるまで主軸8の前進が続けられる。
【0051】レーザ検出器20から工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを示すオン信号が出力されると、す
なわち、S161の判断がYESとなるとS162に進
み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。上述したS
123と同様にこの場合の現在位置はZ軸の現在位置で
あり、エンコーダ58により検出されるZ軸駆動モータ
52の現在位置Zl’がRAM43の所定の領域に記憶
される。
【0052】次にS163では工具摩耗量ZmをZm=Z
l−Zl’にて演算する。すなわち、この先使用工具の加
工前である図7のS132で検出した工具先端の位置Z
lと、加工後であるS162で検出した工具先端の位置
Zl’とから工具摩耗量Zmが求められる。続いてS16
4で主軸8の回転を停止し、S165で工具寿命となっ
た先使用具とこれに代わる予備工具として工具マガジン
12に貯蔵されている後使用工具とをATC13にて交
換し、S166で主軸8の回転を起動する。
【0053】その後、S167からS169では上記S
160からS162と同様にして後使用工具の工具先端
の位置を計測し、S169で後使用工具の先端がレーザ
光Lを遮ったときのZ軸の現在位置Zl’’がRAM4
3の所定の領域に記憶される。
【0054】そして、S170で後使用工具に対する工
具長補正量Zt’’を演算する。工具長補正量Zt’’は
Zt’’=Zol’’−Zl’’−Zmで演算される。ここ
で、Zol’’は上述のZolと同様に後使用工具の先端が
レーザ光Lを遮るとき(A位置)のZ軸の理論位置であ
り、この理論位置Zol’’から実際に工具Tがレーザ光
を遮った時のZ軸の位置Zl’’を減算し、さらに、S
163で演算された工具摩耗量Zmを減算することによ
って工具長補正量Zt’’が求められる。詳述すると、
上記の図7における工具長補正サイクルにて演算された
工具長補正量の考え方に従えば、ここでの工具長補正量
Zt’’はZt’’=Zol’’−Zl’’で良い。しか
し、先使用工具は工具長補正量を求めるための計測を行
ったときに対して摩耗しているので、先行工具の交換直
前に加工していた面は理論値に対して工具摩耗量だけ削
り残しを生じている。したがって、この値で工具長補正
を行って加工を継続すると、先使用工具にて加工された
面と後使用工具で加工された面との間に段差を生じるの
である。よって、この段差を解消すべく、後使用工具の
工具長補正量に先使用工具の工具摩耗量を加味させるの
である。
【0055】なお、図10では説明上S163にて工具
摩耗量Zmを演算しているが、S170でのZ軸補正量
の演算では、Zt’’=Zol’’−Zl+Zl’−Zl’’
にて演算することができる。すなわち、先使用工具の加
工前の計測時(S130からS132)のZ軸の現在位
置、加工後の計測時(S160からS162)のZ軸の
現在位置および後使用工具の計測時(S167からS1
69)のZ軸の現在位置に基づいて演算することができ
るので、摩耗量Zmは必ずしも演算する必要はない。Z
軸補正量ついての上記の演算式では、先使用工具の加工
後誤差及び後使用工具の加工前誤差を直接算出していな
いが、先使用工具の加工前誤差及び加工後誤差と後使用
工具の加工前誤差に基づいてZ軸補正量を算出しても上
記の演算式と同じ結果となり、これら2つの演算方法は
実質的に同一である。
【0056】そして、このようにして得られた工具長補
正量Zt’’に基づいて、S171にて、先の図4のS
108での誤差補正と同様にして工具長補正量Zt’’
により補正が行われる。すなわち、S108で工作物位
置補正量Zdと工具長補正量Ztとの加算値でZ軸の指令
値を補正していたものを、S171で工作物位置補正量
Zdと工具長補正量Zt’’との加算値で補正するように
更新する。
【0057】なお。上述の実施の形態において、基準ブ
ロック26は必ずしもレーザ検出器20に固定されてい
る必要はない。すなわち、図14に示すように、ワーク
テーブル11に固定することもできる。この場合、図4
のS108で工作物位置補正量Zdと工具長補正量Ztと
の加算値でZ軸の指令値を補正したのに代えて、工作物
位置補正量Zd、工具長補正量Zt、A位置とB位置との
間の距離Zabの加算値でZ軸の指令値を補正する必要が
ある。ただし、基準ブロック26とレーザ検出器20と
の間での熱変位を排除するために、あるいは熱変位が生
じても加工精度に悪影響を及ぼさない程度の少量となる
ようにレーザ検出器20の近傍のワークテーブル11に
設けることが好ましい。
【0058】また、レーザ検出器20はワークテーブル
11に設けられていさえすれば、その位置は特に限定さ
れないが、工作物Wの加工の妨げにならない位置に配置
する必要があり、図15に示すように、ブラケット24
をワークテーブル11の側面に固定し、旋回シリンダ2
5により計測時と加工時とでレーザ検出器20をリトラ
クト可能に取り付けることができる。
【0059】さらに、タッチセンサ30は主軸8に装着
する形式のもので説明したが、主軸8の工具装着穴の近
傍に固定され、タッチセンサの使用時と加工時とのでリ
トラクトする形式のタッチセンサを用いることも可能で
ある。工作機械としても、上述の実施の形態におけるマ
シニングセンタ1のみならず、他の構成のマシニングセ
ンタ、例えば、主軸8側がZ軸方向に移動する形式等、
種々の工作機械に適用できる。なお、主軸8側がZ軸方
向に移動するクイルタイプの工作機械の場合、このクイ
ルが主軸サポートに相当し、また上記説明における現在
位置は請求項における実際位置に対応する。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、第1の検出器を使用し、先使用工具による加工
動作の前後においてこの先使用工具の先端位置に関する
理論位置と実際位置との差である加工前誤差及び加工後
誤差をそれぞれ求め、先使用工具に代えて後使用工具を
主軸に装着した後に後使用工具の先端位置に関する理論
位置と実際位置との差である加工前誤差を求め、後使用
工具の先端を前使用工具による加工最終部に位置決めす
る際の目標位置を先使用工具の加工前誤差及び加工後誤
差と後使用工具の加工前誤差とに基づいて補正するよう
にしたので、工作物上の前記加工最終部を加工した時に
あった先使用工具の刃先位置に後使用工具の刃先位置を
正確に整合させることができ、先使用工具による加工途
中から後使用工具を使用して加工動作を継続する場合で
も両工具による加工部の接続部に段が生じることを排除
できる効果が奏せられる。
【0061】請求項2の発明によれば、接触式の第2検
出器を使用し、先使用工具による加工動作に先立って、
接触子を有する接触式の第2検出器を前記主軸と共に前
記制御軸に沿って前記ワークテーブルに対し相対的に移
動し、第1検出器が工具刃先を検出してオンとなる基準
のA位置と同一又はこのA位置と所定の関係位置にある
B位置から観た工作物位置をについての理論位置と実際
位置との差である工作物位置誤差を求めて、後使用工具
の先端を前使用工具による加工最終部に位置決めする際
の目標位置をこの工作物位置誤差によりさらに補正する
ようにしたので、ワークテーブルに対する工作物の取り
付け誤差が起因する両工具の刃先位置の不整合をさらに
排除し、後使用工具の刃先を先使用工具の摩耗した刃先
により切削された工作物の加工最終部に一層正確に整合
することができる。
【0062】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
において工作物位置についての理論位置と実際位置との
差である前記工作物位置誤差を求める際に第1検出器が
工具刃先を検出してオンとなる基準のA位置と同一又は
このA位置と所定の関係位置にあるB位置から観た誤差
として求める代わりに、前記A位置から観た工作物位置
の予め設定された理論位置と実際位置との誤差として工
作物位置誤差を求めるようにしたので、請求項2の発明
が奏する効果に加えて、請求項2の発明で設定を必要と
していた前記B位置を不要にでき、このB位置を設定す
る際に巻き込まれる誤差を排除できるといった付加的な
効果が奏せられる。
【0063】請求項4の発明によれば、請求項1乃至請
求項3の各発明において、第1検出器を非接触式のもの
とし、主軸と共に工具を回転させた状態で工具の先端を
第1検出器がオンとなる位置に位置決めすることによ
り、工具寸法で誤差を求めるようにしたので、この工具
寸法誤差は加工動作中の工具の工具先端の振れを含む実
効寸法に基づいた誤差として検出でき、この工具の実効
寸法に基づいた送り量の補正を行って工作物の加工精度
を一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるマシニングセンタ
の全体図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるレーザ検出器の平
面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる数値制御装置のブ
ロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わるフローチャートの
一部である。
【図5】本発明の実施の形態に係わるフローチャートの
一部である。
【図6】図4および図5のフローチャートにおける工作
物位置補正サイクルのサブプログラムのフローチャート
である。
【図7】図4および図5のフローチャートにおける工具
長補正サイクルのサブプログラムのフローチャートであ
る。
【図8】図4および図5のフローチャートにおける工具
径補正・振れ検出サイクルのサブプログラムのフローチ
ャートの一部である。
【図9】図4および図5のフローチャートにおける工具
径補正・振れ検出サイクルのサブプログラムのフローチ
ャートの一部である。
【図10】図4および図5のフローチャートにおける面
補償サイクルのサブプログラムのフローチャートであ
る。
【図11】図6のフローチャートにおける工作物位置補
正サイクルの動作を示す平面図である。
【図12】図7のフローチャートにおける工具長補正サ
イクルの動作を示す平面図である。
【図13】図8および図9のフローチャートにおける工
具径補正・振れ検出サイクルの動作を示す図である。
【図14】基準ブロックの他の取り付け位置を示す平面
図である。
【図15】レーザ検出器の取り付け状態を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
W・・・工作物、 11・・・ワークテーブル、 T・
・・工具、 8・・・主軸、 9・・・主軸頭(主軸サ
ポート)、 40・・・数値制御装置、 20・・・レ
ーザ検出器(第1検出器)、 31・・・接触子、 ・
・・タッチセンサ(第2検出器)
フロントページの続き (72)発明者 太田 浩充 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 大西 主洋 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3C001 KA02 TA02 TB02 3C029 AA15 AA40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物を取り付け固定するワークテーブ
    ルと工具を先端に装着可能な主軸を回転支持する主軸サ
    ポートとを数値制御装置により制御される1つの制御軸
    に沿って相対的に移動して1つの先使用工具により前記
    工作物を加工すると共に、この加工途中から1つの後使
    用工具に交換して前記工作物の加工を継続する工作機械
    において、工具先端位置を検出して工具の先端が前記制
    御軸上の所定のA位置に到達する時にオンとなる第1検
    出器を設けておき、前記先使用工具による加工動作の前
    後においてこの先使用工具の先端を前記第1検出器がオ
    ンとなるように位置決めして理論位置と実際位置との差
    である加工前誤差及び加工後誤差をそれぞれ求め、前記
    先使用工具に代えて前記後使用工具を前記主軸に装着し
    た後に前記後使用工具を前記第1検出器がオンとなる位
    置に位置決めして理論位置と実際位置との差である加工
    前誤差を求め、前記加工動作の途中から前記後使用工具
    を用いて前記加工動作を継続する際には、前記主軸の前
    記制御軸に沿う予めプログラムされた前記ワークテーブ
    ルに対する相対的な移動量を前記先使用工具の加工前誤
    差及加工後誤差と前記後使用工具の加工前誤差とに基づ
    いて補正することを特徴とする先使用・後使用工具の刃
    先位置整合方法。
  2. 【請求項2】 前記先使用工具による前記加工動作に先
    立って、接触子を有する接触式の第2検出器を前記主軸
    と共に前記制御軸に沿って前記ワークテーブルに対し相
    対的に移動し、この第2検出器の接触子を前記第1検出
    器がオンとなる前記所定のA位置と同一又はこのA位置
    から所定距離離間したB位置および前記工作物上の所定
    のC位置に順次接触させて前記B位置から観たC位置の
    予め設定された理論位置と実際位置との工作物位置誤差
    を求め、前記先使用工具を用いて前記工作物を加工する
    際には前記予めプログラムされた相対移動量を前記加工
    前誤差及び前記工作物位置誤差の両方に基づいて補正
    し、前記後使用工具を用いて前記加工途中から継続して
    前記工作物を加工する際には前記予めプログラムされた
    相対移動量を前記先使用工具の前記加工前誤差及び前記
    加工後誤差と前記後使用工具の加工前誤差と前記工作物
    位置誤差に基づいて補正するようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の先使用・後使用工具の刃先位置整合方
    法。
  3. 【請求項3】 前記先使用工具による前記加工動作に先
    立って、接触子を有する接触式の第2検出器を前記主軸
    と共に前記制御軸に沿って前記ワークテーブルに対し相
    対的に移動し、この第2検出器の接触子を前記第1検出
    器がこの接触子先端を検出してオンとなるように前記A
    位置に位置決めしてこの時の前記相対送り位置を記憶す
    ると共に前記工作物上の所定のC位置に接触させて前記
    A位置から観た前記C位置の予め設定された理論位置と
    実際位置との誤差である工作物位置誤差を求め、前記先
    使用工具を用いて前記工作物を加工する際には前記予め
    プログラムされた相対移動量を前記加工前誤差及び前記
    工作物位置誤差の両方に基づいて補正し、前記後使用工
    具を用いて前記加工途中から継続して前記工作物を加工
    する際には前記予めプログラムされた相対移動量を前記
    先使用工具の前記加工前誤差及び前記加工後誤差と前記
    後使用工具の加工前誤差と前記工作物位置誤差とに基づ
    いて補正するようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の先使用・後使用工具の刃先位置整合方法。
  4. 【請求項4】 前記第1検出器は非接触式のものを使用
    し、前記先使用工具の加工前誤差及び加工後誤差と前記
    後使用工具の加工前誤差を求める際には前記主軸と共に
    これに装着された前記先使用工具又は後使用工具を回転
    させた状態で行うことを特徴とする請求項1〜3の何れ
    か1項記載の先使用・後使用工具の刃先位置整合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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