JP2001105181A - はんだ付けフラックス - Google Patents

はんだ付けフラックス

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JP2001105181A
JP2001105181A JP28283399A JP28283399A JP2001105181A JP 2001105181 A JP2001105181 A JP 2001105181A JP 28283399 A JP28283399 A JP 28283399A JP 28283399 A JP28283399 A JP 28283399A JP 2001105181 A JP2001105181 A JP 2001105181A
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flux
solder
soldering flux
solder paste
soldering
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JP28283399A
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English (en)
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Noriko Murase
典子 村瀬
Hitoshi Amita
仁 網田
Takashi Shoji
孝志 荘司
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】はんだペースト、糸はんだ、フロー用フラック
スの保存安定性、はんだ付け性を改善したはんだ付けフ
ラックスを提供する。 【解決手段】はんだ付けフラックスを電解液に溶解し、
CV法によって測定したアノードピーク電位、アノード
ピーク電流、アノード電流密度、カソード電流密度が所
定の範囲になるように調整剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性、はん
だ付け性に優れたはんだ付けフラックス、はんだペース
ト、糸はんだ、フロー用フラックス並びに、該はんだペ
ースト、糸はんだ等を用いて作製した回路板及び電子部
品の接合物に関する。
【0002】
【従来の技術】はんだペーストは、エレクトロニクス産
業において電子部品を表面実装するために用いられる。
はんだペーストはその印刷適性、粘着性のため自動化に
適しており、近年その使用量が増大している。最近では
電子製品の小型化のためファインピッチ化が要求され、
ファインピッチの部品、例えば0.3mmピッチのQF
P(Quad Flat Package)タイプのL
SI実装にも用いられている。糸はんだにおいても、フ
ァインピッチ対応のより細線化されたものが要求され、
またフロ−用フラックスにおいても非腐食性、高信頼性
のものが望まれている。
【0003】また、最近は環境問題から、鉛を含まない
Pbフリーはんだを使う動きが活発化しており、一部の
製品に実用化されてきている。特にSn−Zn系のはん
だペーストは、Sn−Ag系のはんだより融点が低く安
価であるため、注目されている。
【0004】このような産業界の流れに呼応して、はん
だペ−ストでは、はんだ粒子の平均粒子径を下げること
がなされている。しかし、はんだ粒子全体の比表面積が
増大するため、はんだ粒子とフラックスとの反応が促進
され、はんだペーストの保存安定性が一層悪化するとい
う問題点があった。Sn−Zn系のはんだペーストでは
更に保存安定性が悪く、経時的に粘度が上昇する問題点
があった。またSn−Zn系の糸はんだは、濡れ広がり
性に乏しくはんだ金属の角立ちを招いていた。これら
は、Zn金属が極めて酸化しやすいことに起因してい
る。
【0005】保存安定性低下の最大の原因は、保存中
に、はんだ合金がフラックスや大気中の酸素と反応し、
はんだの酸化が進行するためである。これにより、はん
だの溶解性が低下したり、はんだペーストの印刷性が低
下するといった問題が生ずる。
【0006】はんだペースト等の保存安定性を向上させ
るために、はんだ合金の表面を保護し、反応性を下げる
努力がなされている。
【0007】例えば、はんだ粉末をグリセリンで被覆す
る方法(特公平5−26598号公報)、はんだ粉末を
はんだペーストの溶剤に対し不溶性あるいは難溶性のコ
ーティング剤によりコートする方法(特開平1−113
197号公報)が開示されている。
【0008】またはんだ粉末を、常温ではフラックスと
不相溶であるが、はんだ付け温度で相溶するロジンを主
体とする樹脂でコートする方法(特開平3−18469
8号公報、特開平4−251691号公報)が開示され
ている。
【0009】前述の方法では、比較的多量のコーティン
グ剤で被覆を行えば、はんだ合金の酸化を抑えるのに有
効であるが、多量の被覆材料ははんだの溶解に対しむし
ろ不都合であって、溶解後にはんだボールが多発するお
それがある。またこれらの被覆は物理的に行われている
だけで、付着は非常に弱いと考えられ、取扱いによって
は剥がれてしまう恐れが強い。また、前述のロジンを主
体とする樹脂のコーティング剤はそれ自身に反応性の有
機酸を多く含みはんだを保護しているとは言い難い。
【0010】その他、はんだ用活性剤として、酸性リン
酸エステルと、該酸性リン酸エステルと相溶性を有し、
不燃性または難燃性の低揮発性希釈剤を用いる方法(特
開昭63−90390号公報)、フェノール系、フォス
ファイト系または硫黄系の抗酸化剤を添加する方法(特
公昭59−22632号公報、特開平3−124092
号公報)、特定の界面活性剤を用いること(特開平2−
147194号公報)、また、特開平10−6074号
公報では、亜鉛を含むはんだ合金の粉末と、天然樹脂、
又は合成樹脂をベ−スとするフラックスからなるソルダ
−ペ−ストにおいて、前記フラックスに酸化防止剤を添
加し、フラックス中の活性剤とはんだ合金との反応を阻
止することが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上の方法を
用いた場合でも、はんだペースト等の保存安定性は十分
ではなく、はんだ合金の酸化によりはんだ付け性が低下
するといった問題が発生している。本発明はかかる事情
に鑑みなされたものであって、はんだペースト、糸はん
だ、フロー用フラックスの保存安定性、はんだ付け性を
高めるのに好適なはんだ付けフラックスを提供すること
によって、保存安定性、はんだ付け性に優れた、はんだ
ペースト、フロー用フラックス、糸はんだ、並びに、該
はんだペースト、フロー用フラックス、糸はんだを用い
た回路板及び電子部品の接合物を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化過程
の素反応として、大気中の酸素から産生される活性酸素
とOHラジカルの生成反応(化学と工業、第50巻、第
1号(1997))に着目して、はんだペーストの保存
安定性、糸はんだの濡れ性等が低下する原因を解析した
結果、大気中の酸素がフラックス中に侵入して酸化過程
に関与し、活性酸素またはOHラジカル等がはんだ合金
を酸化促進するものと考えた。さらに本発明者らは、こ
れらの酸化反応を防ぐ観点からフラックスのレドックス
電位(酸化還元電位)に着目して、本発明を完成した。
【0013】即ち本発明は、[1]はんだ付けフラック
スにおいて、フラックスを含む電解液に対し、白金作用
極、リチウム対極及びリチウム参照極とするサイクリッ
クボルタンメトリーで測定した際、検出される酸化波の
アノードピーク電位が3.0〜4.1Vの範囲にあるこ
とを特徴とするはんだ付けフラックス、[2]前記フラ
ックスを含む電解液のフラックス濃度が5g/l(電解
液)であり、掃引速度0.005V/秒で検出される
3.0〜4.1Vの電位範囲に対応するアノードピーク
電流が20μA/cm2以上の特性を有することを特徴
とする[1]に記載のはんだ付けフラックス、[3]
3.8Vに検出される前記アノード電流が、20μA/
cm2以上の特性を有することを特徴とする[2]に記
載のはんだ付けフラックス、[4]はんだ付けフラック
スにおいて、フラックス濃度を5g/l(電解液)に調
製した電解液に対し、白金作用極、リチウム対極及びリ
チウム参照極とするサイクリックボルタンメトリーで掃
引速度0.005V/秒の条件下で測定した際、検出さ
れる3.0〜4.1Vの電位範囲のカソード電流が5μ
A/cm2以下である特性を有することを特徴とするは
んだ付けフラックス、[5][1]〜[4]のいずれか
1項に記載のはんだ付けフラックスとはんだ合金とを含
んだはんだペースト、[6]はんだ合金がPbを含まな
いことを特徴とする[5]に記載のはんだペースト、
[7]はんだ合金がZnを含むことを特徴とする[5]
または[6]に記載のはんだペースト、[8][1]〜
[4]のいずれか1項に記載のはんだ付けフラックスと
はんだ合金とを含んだ糸はんだ、[9]はんだ合金がP
bを含まないことを特徴とする[8]に記載の糸はん
だ、[10]はんだ合金がZnを含むことを特徴とする
[8]または[9]に記載の糸はんだ、[11][1]
〜[4]のいずれか1項に記載のはんだ付けフラックス
を用いたフロー用フラックス、[12][6]〜[7]
のいずれか1項に記載のはんだペーストを用いて作製し
た回路板及び電子部品の接合物、[13][8]〜[1
0]のいずれか1項に記載の糸はんだを用いて作製した
回路板及び電子部品の接合物、[14][11]に記載
のフロー用フラックスを用いて作製した回路板及び電子
部品の接合物、を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】はんだ付けフラックスは、原料と
して樹脂、有機酸成分、有機ハロゲン化合物、溶剤、チ
クソトロピック剤等を配合したものである。本発明にお
いては、大気中からフラックス中に侵入した酸素、活性
酸素またはOHラジカル等が、フラックス成分の酸化過
程に関与してはんだペーストや糸はんだの保存安定性の
低下を招くものと考え、さらには前記はんだペーストや
糸はんだ中のフラックス成分に保存安定上好ましくない
化学種を産出してしまうものと考え、完成に至った。
【0015】本発明では、前記保存安定性に関与する化
学種を電気化学的に検知して、その存在量を適正化する
ことにより、はんだ付け性に優れた、はんだ付けフラッ
クス、はんだペースト、糸はんだ、フロー用フラック
ス、及びこれを用いて作製した回路板及び電子部品の接
合物を提供する。
【0016】一般に、はんだペースト等の安定化にはフ
ラックス中に安定化剤(以下調整剤という。)を添加す
ることにより行うことができる。そして、その調整剤と
して、例えばL−アスコルビン酸及びその誘導体、コハ
ク酸及びその誘導体、リンゴ酸及びその誘導体、尿酸お
よびその誘導体、グルタチオン及びその誘導体、フェノ
ール系化合物として、カテコール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、トコフェロール及びその誘導体、りん系
化合物として、トリフェニルフォスファイト、トリオク
タデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、
硫黄系化合物としては、ジラウリル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロ
ピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオ
ネート等を挙げることができる。これらの調整剤は、単
独であってもまたは混合して使用してもよく、また添加
量ははんだ特性やフラックス性能を損なわなければよ
く、限定されない。
【0017】フラックスの安定性評価には電気化学的な
サイクリックボルタンメトリー法(略してCV法ともい
う。)が好適に用いられる。
【0018】前項1に記載の実施形態では、はんだペー
ストや糸はんだ中から分離したフラックスまたははんだ
付けフラックス、フロー用フラックス等のフラックス
を、CV法に適する電解液に溶解させて電気化学的に評
価される。
【0019】すなわち、本発明では、はんだ付けフラッ
クスに関し、フラックスを含む電解液に対し、白金作用
極、リチウム対極及びリチウム参照極とするサイクリッ
クボルタンメトリーで測定した際、検出される酸化波の
アノードピーク電位が3.0〜4.1Vの範囲にあるこ
とを特徴とするはんだ付けフラックスが提供される。こ
こで、はんだ付けフラックスとは、はんだペースト、糸
はんだ、フロー用フラックス内から分離されたフラック
スを意味する。
【0020】前記CV法においては、白金作用極、リチ
ウム対極とリチウム参照極とを浸し、電極間距離10m
m、掃引速度0.005V/秒、25℃で電圧・電流特
性を測定する。前項1記載のアノードピーク電位は3.
0〜4.1Vの範囲、より好ましくは3.3〜3.8V
の範囲に現れる。
【0021】前項2に記載の実施形態では、フラックス
を含む電解液のフラックス濃度は、5g/l(電解液)
として電気化学的評価を行う。そして、掃引速度が0.
005V/秒で検出される3.0〜4.1Vの電位範囲
の対応するアノードピーク電流が20μA/cm2
上、好ましくは50μA/cm2以上である前項1に記
載のはんだ付けフラックスを提供する。
【0022】また、前項3に記載の実施形態では、フラ
ックスを含む電解液に対し、3.8Vで検出されるアノ
ード電流は、20μA/cm2以上、好ましくは50μ
A/cm2以上の特性を有することを特徴とするはんだ
付けフラックスを提供する。
【0023】前項4に記載の実施形態では、フラックス
濃度を5g/l(電解液)に調製した電解液に対し、C
V法により掃引速度0.005V/秒の条件下で測定し
た際に検出される3.0〜4.1Vの電位範囲のカソー
ド電流が5μA/cm2以下である特性を有するはんだ
付けフラックスを提供する。カソード電流が5μA/c
2以下ということは、カソード電流がほとんど流れな
いことを意味し、空気中から侵入した酸素とフラックス
とが反応して形成した酸化体が、可逆反応によってはん
だ金属の酸化反応を引き起こすことが少ないことを意味
する。この特性を有するフラックスでは、CV測定で得
られる酸化波のアノードピーク電位の近傍に、アノード
ピーク電流に対応するカソードピーク電流が5μA/c
2以下とほとんど現れない。
【0024】フラックス中に存在する化学種の酸化電位
の測定は、原則として室温25℃においてフラックスを
所定量含ませた電解液に対し、白金作用極、リチウム対
極とリチウム参照極を浸漬することによって行われる。
例えば、電解質として(n−Bu)4NBF4、(n−B
u)4NClO4、(C254NClO4、LiBF4
溶剤には、フラックス内の全ての成分を溶解でき、酸化
還元作用を有さない溶剤が使用できるが、例えば、アセ
トニトリル、ベンゾニトリル、ジメトキシエタン、プロ
ピレンカーボネート、二塩化メタン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。電解質の
濃度は0.1〜2M程度が好ましい。
【0025】本発明のはんだペーストに使用するはんだ
合金の金属組成としては、例えばSn−Pb系、Sn−
Pb−Ag系、Sn−Pb−Bi系、Sn−Pb−Bi
−Ag系、Sn−Pb−Cd系等が挙げられる。また最
近のPb排除の観点からPbを含まないSn−In系、
Sn−Bi系、In−Ag系、In−Bi系、Sn−Z
n系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、S
n−Au系、Sn−Bi−Ag−Cu系、Sn−Ge
系、Sn−Bi−Cu系、Sn−Cu−Sb−Ag系、
Sn−Ag−Zn系、Sn−Cu−Ag系、Sn−Bi
−Sb系、Sn−Bi−Sb−Zn系、Sn−Bi−C
u−Zn系、Sn−Ag−Sb系、Sn−Ag−Sb−
Zn系、Sn−Ag−Cu−Zn系、Sn−Zn−Bi
系等が挙げられる。
【0026】上記の具体例としては、Snが63wt
%、Pbが37wt%の共晶はんだ(以下63Sn/3
7Pbと表す。)を中心として、62Sn/36Pb/
2Ag、62.6Sn/37Pb/0.4Ag、60S
n/40Pb、50Sn/50Pb、30Sn/70P
b、25Sn/75Pb、10Sn/88Pb/2A
g、46Sn/8Bi/46Pb、57Sn/3Bi/
40Pb、42Sn/42Pb/14Bi/2Ag、4
5Sn/40Pb/15Bi、50Sn/32Pb/1
8Cd、48Sn/52In、43Sn/57Bi、9
7In/3Ag、58Sn/42In、95In/5B
i、60Sn/40Bi、91Sn/9Zn、96.5
Sn/3.5Ag、99.3Sn/0.7Cu、95S
n/5Sb、20Sn/80Au、90Sn/10A
g、Sn90/Bi7.5/Ag2/Cu0.5、97
Sn/3Cu、99Sn/1Ge、92Sn/7.5B
i/0.5Cu、97Sn/2Cu/0.8Sb/0.
2Ag、95.5Sn/3.5Ag/1Zn、95.5
Sn/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3S
b、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、85Sn/
10Bi/5Sb、84Sn/10Bi/5Sb/1Z
n、88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Zn、8
9Sn/4Ag/7Sb、88Sn/4Ag/7Sb/
1Zn、98Sn/1Ag/1Sb、97Sn/1Ag
/1Sb/1Zn、91.2Sn/2Ag/0.8Cu
/6Zn、89Sn/8Zn/3Bi、86Sn/8Z
n/6Bi、89.1Sn/2Ag/0.9Cu/8Z
n等が挙げられる。また、はんだ粉末の場合、異なる組
成のはんだ粉末を2種類以上混合したものでもよい。中
でも、本発明のはんだ付けフラックスの効果が明瞭に発
現されるのは、Pbを含まない、SnおよびZnから選
ばれた合金組成である。
【0027】また、本発明のフラックスは、はんだペ−
ストの他、糸はんだのヤニ、フロー用フラックスにも好
適である。糸はんだ用ヤニとして使用する場合、溶剤、
チクソトロピック剤を使用せずに溶剤以外の材料をロジ
ンの軟化点以上で調合し、常温で固化し糸はんだとすれ
ばよい。また、フロー用液状フラックスとして使用する
場合には、溶剤にイソプロピルアルコール等を使用して
40〜70%に希釈すればよい。
【0028】本発明のフラックスを用いているはんだペ
−ストや糸はんだ等は、例えば、プリント配線板と電子
部品を接合して接合物を製造する際に好適に使用され
る。本発明のフラックス、はんだペーストおよび糸はん
だ等の使用方法、並びに電子部品接合物の製造方法は、
例えばはんだペーストの場合、はんだ付けを所望する部
分に、印刷法等ではんだペーストを塗布し、電子部品を
載置し、その後加熱してはんだ粒子を溶融し凝固させる
ことにより電子部品を基板に接合する。糸はんだの場合
は、こて先温度をプリント配線板の場合280〜340
℃、端子配線の場合320℃〜370℃程度に設定した
はんだこてで手付けする。フロー用のフラックスとして
用いる場合は、予め配線板に部品を取り付けた後にフラ
ックスを塗布し、予熱してから溶融はんだ浴に浸漬し接
合する。
【0029】
【実施例】以下実施例をもって本発明の詳細についてさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されな
い。
【0030】(実施例1〜6、比較例1)樹脂成分とし
て重合ロジン15wt%、不均化ロジン25wt%、チ
クソトロピック剤として水添ヒマシ油6wt%、有機酸
エステルとして酢酸−t−ブチル、エステル分解触媒と
してシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩臭化水素酸塩を
0.08wt%と有機ハロゲン化合物として、テトラブ
ロモステアリン酸3.5wt%を含むフラックスに、調
整剤として、実施例1では、トコフェロールを1.2w
t%、実施例2では、L−アスコルビル−2,6−ジパ
ルミチン酸1.2wt%、実施例3では、L−アスコル
ビル−6パルミチン酸1.2wt%、実施例4では、リ
ンゴ酸を0.6wt%、実施例5では、コハク酸を0.
6wt%、実施例6では、トコフェロールを1.2wt
%とL−アスコルビル−2,6−ジパルミチン酸を1.
2wt%、比較例1では、調整剤を添加しなかった。
【0031】これに、さらにpH調整剤としてトリエチ
ルアミン2wt%、防錆剤としてトリルトリアゾールを
1wt%加え、溶剤としてプロピレングリコールモノフ
ェニルエーテルを加えて100wt%とする、非水溶性
はんだペ−スト用フラックスを調製した。
【0032】次に,前記各種フラックスを、酸素及び水
分が除去されたグロ−ブボックス中に移し0.5MのL
iBF4/ジメトキシエタン溶液を調製し、これに各種
フラックスを5g/l(電解液)となるように希釈しサ
ンプルとした。参照極にはリチウム金属片(表面積約1
cm2)、対極にはリチウム金属片(表面積約5cm2
を用いた。作用極には白金板(表面積約1cm2)を用
いた。まず作用極の参照極に対する開回路電位を測定し
た。次に外部電源を接続し、開回路電位から+側に作用
電極の電位を0.005V/秒でスイープさせ酸化電位
を測定し、+3.8Vでの酸化電流を測定した。+4.
1Vまでアノード分極させた後、反対方向に0.005
V/秒でスイープさせ還元電流を測定した。
【0033】実施例および比較例で作製したフラックス
を10wt%、86Sn/8Zn/6BiのPbフリー
はんだ粉末を90wt%で配合混練し、はんだペ−スト
を作製した。評価は電子部品の表面実装を用いて行っ
た。実施例1〜6、比較例1の組成のはんだペーストを
それぞれ1枚の回路板に印刷し、LSI、チップ抵抗、
チップコンデンサをはんだペースト上に載置した後、リ
フロー熱源により加熱してはんだ付けした。リフロー熱
源には熱風炉を用いた。
【0034】リフロー条件は、プレヒートが温度130
℃、プレヒート時間が80秒、リフローはピーク温度が
220℃、200℃以上のリフロー時間を50秒とする
大気リフローとした。
【0035】作製したプリント配線板および用いたはん
だペーストについて評価を実施した。はんだペーストの
保存安定性については、フラックスの分解量とはんだ合
金の酸化の進行量を調べるため、Br分解率、水素発生
量によって、はんだ付け性については、はんだペースト
の印刷性、タック力評価、はんだペーストリフロー後の
ボイドの観察、はんだボールの発生状況、濡れ広がり性
評価により行った。各評価方法について以下に示す。ま
た実施例1、比較例1でのCV法による測定結果を図1
に、評価結果を表1に示す。
【0036】[試験法] (1)Br分解率、水素発生量 はんだペースト製造後、25℃で7日間保存する加速試
験を行い、有機ハロゲン化合物の分解率と水素発生量を
測定した。有機ハロゲン化合物の分解率は、ペースト1
gにクロロホルム5mlを加えて攪拌し、フラックス分
を溶解した後、純水10mlを加えてハロゲンイオンを
水に抽出し、イオンクロマトグラフで測定した。また水
素発生量は、はんだペースト50gを100mlの試験
管に入れ、シリコンゴム製栓で密閉した状態で25℃で
7日間保存した後、ゴム栓を通して気体を採取してガス
クロマトグラフにより気体中の水素濃度を測定した。
【0037】(2)ボイドの観察 60mm平方の銅板に厚さ150ミクロンのメタルマス
クを用いて、直径6mm×6個のパターンを印刷後、大
気雰囲気下でリフローし、次いでカッターではんだと共
に銅板を切断した後、該はんだ部分を顕微鏡により観察
し、ボイドの発生状況を観察した。6個のパターンにつ
いて大きさが10μm以上のボイドを計測し、1個のパ
ターン当たりの平均個数が2個以上であった場合を不合
格とした。
【0038】(3)印刷性 JIS Z−3284の付属書5のM3(パターン形
状:孔幅0.25mm、長さ2.0mm、ピッチ0.5
0mm)によって測定した。印刷性の評価は実体顕微鏡
で観察し、1パッドでもかすれやパッド切れが生じた場
合を不合格とした。
【0039】(4)タック力 マルコム式タック力試験機を用いて測定した。メタルマ
スクを用いて、ガラス板上にはんだペーストを印刷し、
直径6.5mm、厚さ0.2mmの円状のパターンを5
個形成した。このパターンを25℃、湿度50%の条件
下で3時間放置後、測定プローブを1個のパターンに合
わせて2mm/sの速度で50gまで加圧し、加圧後
0.2秒以内に10mm/sの速度で引き上げ、引きは
がすのに必要な荷重を測定した。この方法で5回測定し
た荷重が平均で100g以上の場合を合格とした。
【0040】(5)はんだボール JIS Z−3284により測定を行った。アルミナ試
験板にメタルマスクを用いて、はんだペーストを印刷
し、直径6.5mm、厚さ0.2mmの円状のパターン
を4個形成した。この試験板を150℃で1分間乾燥
後、235℃に加熱してはんだを溶解し、溶解後5秒以
内に基板を水平にして取り出した。基板上のはんだが固
まるまで、水平に放置し、その後20倍の拡大鏡ではん
だの外観を、50倍の拡大鏡で周囲のはんだ粒子の発生
状況を調べた。はんだボールの発生状況がJISの判定
基準で3以上を不合格とした。
【0041】(6)濡れ広がり性 JIS Z−3284により測定を行った。銅と黄銅の
試験板にメタルマスクを用いて、はんだペーストを印刷
し、直径6.5mm、厚さ0.2mmの円状のパターン
を4個形成した。この試験板を150℃で1分間乾燥
後、235℃に加熱してはんだを溶解し、溶解後5秒以
内に基板を水平にして取り出した。基板上のはんだが固
まるまで、水平に放置し、その後濡れ広がりの度合いを
調べた。濡れ広がりがJISの判定基準で3以上を不合
格とした。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1〜6において、本発明に示した酸
化電位となるよう調整剤の配合量を設定したところ、水
素発生を4%以下に抑制でき、またボイドの発生を更に
大幅に防止できた。
【0044】更に、同様に91Sn/9Zn、63Sn
/37Pbはんだ粉末を使用して同様の実験を行った
が、全く同様の結果が得られた。
【0045】また実施例1〜6のリフロー後のはんだ合
金の組織と従来のSn−Pb系はんだペーストのはんだ
合金組織とを比較したところ、Sn−Pb系の場合、高
温環境下での結晶の粗大化が著しいのに対し、本発明の
フラックスを用いたSn−Zn系合金では粗大化の傾向
が小さく、これによりはんだの機械的物性が向上しこれ
を用いた実装配線板の寿命特性の向上が確認された。
【0046】
【発明の効果】本発明のはんだ付けフラックスを用いる
ことにより、はんだペースト、糸はんだ、フロー用フラ
ックスにおいて極めて優れた保存安定性やはんだ付け性
が得られた。特に本発明は、従来より保存安定性が悪い
とされたSn−Zn系Pbフリーはんだペーストにおい
ても、保存安定性を格段に向上させ、また大気リフロ−
においてもその有効性が確認された。
【0047】また本発明のはんだペースト、糸はんだ、
フロー用フラックスの開発により、実装配線板のファイ
ンピッチ化、部品の多様化に対応した回路板、電子部品
の接合物を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1のCV法による測定結果を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荘司 孝志 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1−1 昭 和電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5E319 BB05 CD21

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】はんだ付けフラックスにおいて、フラック
    スを含む電解液に対し、白金作用極、リチウム対極及び
    リチウム参照極とするサイクリックボルタンメトリーで
    測定した際、検出される酸化波のアノードピーク電位が
    3.0〜4.1Vの範囲にあることを特徴とするはんだ
    付けフラックス。
  2. 【請求項2】前記フラックスを含む電解液のフラックス
    濃度が5g/l(電解液)であり、掃引速度0.005
    V/秒で検出される3.0〜4.1Vの電位範囲に対応
    するアノードピーク電流が20μA/cm2以上の特性
    を有することを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け
    フラックス。
  3. 【請求項3】3.8Vに検出される前記アノード電流
    が、20μA/cm2以上の特性を有することを特徴と
    する請求項2に記載のはんだ付けフラックス。
  4. 【請求項4】はんだ付けフラックスにおいて、フラック
    ス濃度を5g/l(電解液)に調製した電解液に対し、
    白金作用極、リチウム対極及びリチウム参照極とするサ
    イクリックボルタンメトリーで掃引速度0.005V/
    秒の条件下で測定した際、検出される3.0〜4.1V
    の電位範囲のカソード電流が5μA/cm 2以下である
    特性を有することを特徴とするはんだ付けフラックス。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載のはん
    だ付けフラックスとはんだ合金とを含んだはんだペース
    ト。
  6. 【請求項6】はんだ合金がPbを含まないことを特徴と
    する請求項5に記載のはんだペースト。
  7. 【請求項7】はんだ合金がZnを含むことを特徴とする
    請求項5または6に記載のはんだペースト。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれか1項に記載のはん
    だ付けフラックスとはんだ合金とを含んだ糸はんだ。
  9. 【請求項9】はんだ合金がPbを含まないことを特徴と
    する請求項8に記載の糸はんだ。
  10. 【請求項10】はんだ合金がZnを含むことを特徴とす
    る請求項8または9に記載の糸はんだ。
  11. 【請求項11】請求項1〜4のいずれか1項に記載のは
    んだ付けフラックスを用いたフロー用フラックス。
  12. 【請求項12】請求項6〜7のいずれか1項に記載のは
    んだペーストを用いて作製した回路板及び電子部品の接
    合物。
  13. 【請求項13】請求項8〜10のいずれか1項に記載の
    糸はんだを用いて作製した回路板及び電子部品の接合
    物。
  14. 【請求項14】請求項11に記載のフロー用フラックス
    を用いて作製した回路板及び電子部品の接合物。
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