JP2001105121A - 石膏鋳型を用いた鋳造方法及び鋳造装置 - Google Patents

石膏鋳型を用いた鋳造方法及び鋳造装置

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JP2001105121A
JP2001105121A JP31726599A JP31726599A JP2001105121A JP 2001105121 A JP2001105121 A JP 2001105121A JP 31726599 A JP31726599 A JP 31726599A JP 31726599 A JP31726599 A JP 31726599A JP 2001105121 A JP2001105121 A JP 2001105121A
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Japan
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gypsum mold
molten metal
pressurizing
casting
mold
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JP31726599A
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Norihisa Kobayashi
範久 小林
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Aisin Takaoka Co Ltd
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Aisin Takaoka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋳造物の内部欠陥の発生を抑制することのでき
る石膏鋳型を用いた鋳造方法及び鋳造装置を提供する。 【解決手段】鋳造装置は、開閉可能な加圧室11と、加
圧室11内に配置された石膏鋳型12と、支持プレート
13及びパイプ14を有する支持部材15と、真空ポン
プ16と、加圧装置17等とを備えている。鋳造方法
は、石膏鋳型12内を真空ポンプ16でパイプ14を介
して減圧した状態で、石膏鋳型12内のキャビティへ溶
湯を注湯する減圧注湯工程と、石膏鋳型12内のキャビ
ティへの注湯が完了した後、減圧状態を解除して石膏鋳
型12の内側及び外側を同等の加圧状態となるように加
圧装置17で加圧する加圧工程と、加圧状態を75秒間
保持した状態で石膏鋳型12内の溶湯を凝固させる凝固
工程とを備えている。この鋳造装置及び鋳造方法によ
り、得られる鋳造物の内部欠陥の発生が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石膏鋳型を用いた
鋳造方法及び鋳造装置に係り、より詳しくは、鋳肌が滑
らかで寸法精度の高い精密な鋳造物を得るために使用さ
れる石膏鋳型を用いた鋳造方法及び鋳造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、石膏鋳型を用いた鋳造で
は、石膏鋳型内へ注湯される溶湯の凝固速度が遅いため
に、得られた鋳造物には溶湯内の例えば水素ガス等のガ
スに起因した内部欠陥(ポロシティ)が発生し易くなっ
ている。そこで従来、溶湯中のガス量を減らして鋳造物
の内部欠陥の発生を抑制するために、石膏鋳型を用いた
加圧鋳造、石膏鋳型を用いた減圧鋳造が採用されてい
る。
【0003】石膏鋳型を用いた加圧鋳造は、石膏鋳型内
へ溶湯を注湯する際に、加圧力を利用して石膏鋳型の湯
口から石膏鋳型内へ溶湯を注湯するようにしたものであ
る。しかし、前述した従来技術における加圧鋳造では、
石膏鋳型内へ溶湯を注湯する際に、石膏鋳型の一部分
(湯口部分)に圧力が集中することとなるため、石膏鋳
型が破損したり、石膏鋳型のシール性が低下して石膏鋳
型内の溶湯が漏出したりするおそれがあった。
【0004】そのため、石膏鋳型を用いた鋳造の場合、
加圧鋳造よりも減圧鋳造が主に採用されるようになって
きた。すなわち、石膏鋳型を用いた減圧鋳造は、石膏鋳
型内へ溶湯を注湯する際に、石膏鋳型内を減圧した状態
で石膏鋳型内へ溶湯を注湯するようにしたものである。
こうすることにより、石膏鋳型内における溶湯の流動性
が良くなり、湯回りが良好な状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術における石膏鋳型を用いた減圧鋳造では、湯回りが良
好な状態となって石膏鋳型内の溶湯中にガスが巻き込ま
れにくくなるため、石膏鋳型内の溶湯中に残存するガス
量は若干減少することとなるが、鋳造物の内部欠陥の発
生を抑制するには不十分であった。
【0006】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、鋳造物の内部欠陥の発生を抑
制することのできる石膏鋳型を用いた鋳造方法及び鋳造
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明における石膏鋳型を用いた鋳
造方法は、石膏鋳型内を減圧した状態でその石膏鋳型内
へ溶湯を注湯する減圧注湯工程と、前記石膏鋳型内への
注湯が完了した後、前記減圧状態を解除して前記石膏鋳
型の内側及び外側を同等の加圧状態となるように加圧す
る加圧工程と、少なくとも前記加圧状態で前記石膏鋳型
内の溶湯を凝固させる凝固工程とを備えたことを要旨と
する。
【0008】上記請求項1に記載の発明によれば、ま
ず、減圧注湯工程により、石膏鋳型内を減圧した状態で
その石膏鋳型内へ溶湯が注湯されるため、石膏鋳型内に
おける溶湯の流動性が良くなり、湯回りが良好な状態と
なる。そのため、石膏鋳型内における溶湯中にガスが巻
き込まれにくくなると共に、湯回り不良が起こりにくく
なる。
【0009】次に、石膏鋳型内への注湯が完了した後、
減圧状態を解除して石膏鋳型の内側及び外側を同等の加
圧状態となるように加圧する加圧工程により、石膏鋳型
及びその内部へ注湯された溶湯に対して付与される圧力
は、一部分に集中することなく、石膏鋳型及び溶湯の全
体に対して略均一に付与されることとなる。そのため、
本発明における石膏鋳型を用いた鋳造方法では、従来技
術における石膏鋳型を用いた加圧鋳造方法のように、石
膏鋳型が破損したり、石膏鋳型のシール性が低下して石
膏鋳型内の溶湯が漏出したりすることが防止される。ま
た、加圧工程により、石膏鋳型内における溶湯中のガス
は除去され易く、溶湯中にはガスが残存しにくい。
【0010】その後、少なくとも前記加圧状態で前記石
膏鋳型内の溶湯を凝固させる凝固工程により、鋳肌が滑
らかで寸法精度の高い精密な鋳造物が得られると共に、
得られた鋳造物には溶湯内のガスに起因した内部欠陥が
発生しにくい。従って、減圧注湯工程と、加圧工程と、
凝固工程とを備えた石膏鋳型を用いた鋳造方法によれ
ば、鋳造物の内部欠陥の発生が抑制されることとなる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の石膏鋳型を用いた鋳造方法において、前記減圧注湯工
程の注湯温度を680〜720℃とし、前記石膏鋳型を
加圧室に配置した状態で前記加圧工程を行うと共に、前
記加圧状態を30〜120秒間保持することを要旨とす
る。
【0012】上記請求項2に記載の発明によれば、石膏
鋳型を加圧室に配置した状態で加圧工程が行われるた
め、加圧室内の石膏鋳型及びその内部へ注湯された溶湯
は、同等の加圧状態となるように確実に加圧される。ま
た、減圧注湯工程における注湯温度が680〜720℃
に設定され、石膏鋳型を加圧室に配置した状態で加圧工
程が行われると共に、加圧状態が30〜120秒間保持
されるため、請求項1に記載の発明の作用が確実に奏さ
れる。
【0013】請求項3に記載の発明における石膏鋳型を
用いた鋳造装置は、開閉可能な加圧室と、前記加圧室内
に配置され、内部を減圧した状態でその内部へ溶湯が注
湯される石膏鋳型と、前記加圧室内で前記石膏鋳型を支
持する支持プレートと、該支持プレートに一端部が接続
されると共に他端部が前記加圧室の外方へ向かって延設
されるパイプとを有してなる支持部材と、前記パイプの
他端部に接続され、前記加圧室を開放した状態で前記支
持部材のパイプを介して前記石膏鋳型内を減圧する減圧
手段と、前記パイプの他端部に接続され、前記加圧室を
閉塞した状態で前記支持部材のパイプを介して前記加圧
室内の前記石膏鋳型の内側及び外側を同等の加圧力で加
圧する加圧手段とを備えたことを要旨とする。
【0014】上記請求項3に記載の発明によれば、加圧
室内に石膏鋳型が配置され、その石膏鋳型の内部を減圧
した状態でその内部へ溶湯が注湯される。このとき、石
膏鋳型は加圧室内で支持プレートによって支持されてお
り、その支持プレートにはパイプの一端部が接続されて
いる。また、パイプの他端部は、加圧室の外方へ向かっ
て延設されており、減圧する際において、石膏鋳型内を
減圧する減圧手段に接続されている。これらの支持プレ
ートとパイプとにより、支持部材が構成されている。
【0015】そして、開閉可能な加圧室を開放した状態
で、支持部材のパイプを介して石膏鋳型内を減圧手段で
減圧することにより、石膏鋳型内が減圧された状態とな
ると共に、加圧室を開放した部分から石膏鋳型内へ溶湯
が注湯されることとなる。以上のようにして、石膏鋳型
内を減圧した状態でその石膏鋳型内へ溶湯が注湯される
ため、石膏鋳型内における溶湯の流動性が良くなり、湯
回りが良好な状態となる。そのため、石膏鋳型内におけ
る溶湯中にガスが巻き込まれにくくなると共に、湯回り
不良が起こりにくくなる。
【0016】また、加圧する際において、パイプの他端
部は、加圧室内の石膏鋳型の内側及び外側を同等の加圧
力で加圧する加圧手段に接続されている。そして、開閉
可能な加圧室を閉塞した状態で、支持部材のパイプを介
して加圧室内の石膏鋳型の内側及び外側を同等の加圧力
で加圧する加圧手段により、加圧室内の石膏鋳型及びそ
の内部へ注湯された溶湯は同等の加圧力で加圧される。
すなわち、加圧室内の石膏鋳型及び溶湯に対して付与さ
れる圧力は、一部分に集中することなく、石膏鋳型及び
溶湯の全体に対して略均一に付与されることとなる。そ
のため、本発明における石膏鋳型を用いた鋳造装置で
は、従来技術における石膏鋳型を用いた加圧鋳造装置の
ように、石膏鋳型が破損したり、石膏鋳型のシール性が
低下して石膏鋳型内の溶湯が漏出したりすることが防止
される。また、加圧手段で加圧することにより、石膏鋳
型内における溶湯中のガスは除去され易く、溶湯中には
ガスが残存しにくい。
【0017】その後、加圧手段によって加圧室内の加圧
力を少なくとも保持した状態で石膏鋳型内の溶湯を凝固
させることにより、鋳肌が滑らかで寸法精度の高い精密
な鋳造物が得られると共に、得られた鋳造物には溶湯内
のガスに起因した内部欠陥が発生しにくい。従って、加
圧室と、石膏鋳型と、支持部材と、減圧手段と、加圧手
段とを備えることにより、鋳造物の内部欠陥の発生を抑
制することの可能な石膏鋳型を用いた鋳造装置が得られ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1に基いて説明する。図1(a)は一実施の
形態における鋳造装置の石膏鋳型内を減圧する状態を模
式的に示した断面図であり、図1(b)は一実施の形態
における鋳造装置の加圧室内を加圧する状態を模式的に
示した断面図である。
【0019】図1(a),(b)に示すように、本実施
の形態の鋳造装置は、開閉可能な加圧室11と、その加
圧室11内に配置された石膏鋳型12と、支持プレート
13及びパイプ14を有してなる支持部材15と、真空
ポンプ(減圧手段)16と、加圧装置(加圧手段)17
等とを備えている。
【0020】加圧室11は、断面略U字状に形成されて
おり、加圧室11の側部中央には、パイプ14を挿通す
るための挿通孔18が透設されている。また、加圧室1
1の上方には、平板状の蓋19が配設されており、この
蓋19によって加圧室11は開閉可能な状態となるよう
に設定されている。より詳しく説明すると、加圧室11
の開口部に対する蓋19の位置を調整することにより、
加圧室11を開放した状態、すなわち図1(a)に示し
た状態と、加圧室11を閉塞した状態、すなわち図1
(b)に示した状態とに切替えられるようになってい
る。
【0021】本実施の形態の石膏鋳型12は、通気性を
有しているため、真空ポンプ16でパイプ14を介して
減圧する際に石膏鋳型12内を減圧可能となっている
し、加圧装置17でパイプ14を介して加圧する際に石
膏鋳型12及びその内部に収容される溶湯を加圧可能と
なっている。石膏鋳型12は、第1型20と、第2型2
1とから構成されている。図1(a),(b)に示され
る態様で、第1型20と第2型21とを型合わせするこ
とにより、石膏鋳型12の内部には図示しないキャビテ
ィが形成されるようになっており、そのキャビティには
溶湯が収容されるようになっている。この石膏鋳型12
を用いることにより、鋳肌が滑らかで寸法精度の高い精
密な鋳造物が得られる。
【0022】また、石膏鋳型12の上部には、湯口(図
示略)及び押湯口(図示略)が形成されている。湯口
は、石膏鋳型12内のキャビティに溶湯を導入するため
のものであり、押湯口は、石膏鋳型12内のキャビティ
に注湯された溶湯の凝固収縮に対して、溶湯を補給する
ためのものである。
【0023】支持部材15は、加圧室11内で石膏鋳型
12を支持する支持プレート13と、該支持プレート1
3に一端部が接続されると共に他端部が加圧室11の外
方へ向かって延設されるパイプ14とを有している。支
持プレート13には、パイプ14を接続するための孔2
2が透設されており、その孔22には、パイプ14の一
端部が挿入されている。また、支持プレート13の上部
及び下部には、石膏鋳型12に接触可能な突出部23が
突出形成されている。図1(a),(b)に示される態
様で、突出部23が、石膏鋳型12の上部及び下部に接
触した状態で石膏鋳型12を支持することにより、石膏
鋳型12は、加圧室11内の所定位置で保持される。
【0024】図1(a)に示されるように、真空ポンプ
16は、パイプ14の他端部に接続されており、加圧室
11を開放した状態で、支持部材15のパイプ14を介
して石膏鋳型12内を減圧するように設定されている。
また、図1(b)に示されるように、加圧装置17は、
パイプ14の他端部に接続されており、加圧室11を閉
塞した状態で、支持部材15のパイプ14を介して加圧
室11内の石膏鋳型12の内側及び外側を同等の加圧力
で加圧するように設定されている。
【0025】図1(a),(b)に示されるように、真
空ポンプ16は、石膏鋳型12内を減圧する際に、パイ
プ14の他端部に接続されて使用され、加圧装置17
は、加圧室11内の石膏鋳型12及びその内部へ注湯さ
れた溶湯を同等の加圧力で加圧する際に、パイプ14の
他端部に接続されて使用される。すなわち、真空ポンプ
16と加圧装置17とは、パイプ14の他端部に対して
切替可能に接続されており、この切替により、減圧又は
加圧が容易に行われるように設定されている。
【0026】以下に、本実施の形態の石膏鋳型12を用
いた鋳造方法について、説明する。
【0027】まず、図1(a)に示される態様で、加圧
室11を開放した状態、すなわち加圧室11の開口部に
対して蓋19を開けた状態とし、真空ポンプ16でパイ
プ14を介して石膏鋳型12内を減圧する。そして、石
膏鋳型12内を減圧した状態でその石膏鋳型12内へ溶
湯を注湯する減圧注湯工程を行う。この場合、溶湯は、
石膏鋳型12の湯口及び押湯口から注湯され、石膏鋳型
12内のキャビティに充填されて収容される。なお、本
実施の形態における減圧注湯工程の注湯温度は、700
℃である。
【0028】この減圧注湯工程により、石膏鋳型12内
を減圧した状態で、その石膏鋳型12の湯口及び押湯口
から石膏鋳型12内のキャビティへ溶湯が注湯されるた
め、石膏鋳型12内のキャビティにおける溶湯の流動性
が良くなり、湯回りが良好な状態となる。そのため、石
膏鋳型12内のキャビティにおける溶湯中にガスが巻き
込まれにくくなると共に、湯回り不良が起こりにくくな
る。
【0029】次に、石膏鋳型12内への注湯が完了した
後、真空ポンプ16を停止して、図1(b)に示される
態様で、加圧室11を閉塞した状態、すなわち加圧室1
1の開口部に対して蓋19を閉じた状態とすると共に、
前記真空ポンプ16から加圧装置17へ切替える。そし
て、前記減圧状態を解除して石膏鋳型12の内側及び外
側を同等の加圧状態となるように、加圧装置17でパイ
プ14を介して加圧する加圧工程を行う。この場合、加
圧室11内は、0.2MPaとなっており、加圧室11
内に配置された石膏鋳型12及びその内部へ注湯された
溶湯も、略0.2MPaの加圧力で加圧されることとな
る。
【0030】従って、石膏鋳型12内への注湯が完了し
た後、減圧状態を解除して石膏鋳型12の内側及び外側
を同等の加圧状態となるように、加圧装置17でパイプ
14を介して加圧する加圧工程により、石膏鋳型12及
びその内部へ注湯された溶湯に対して付与される圧力
は、一部分に集中することなく、石膏鋳型12及び溶湯
の全体に対して略均一に付与されることとなる。そのた
め、本実施の形態では、従来技術における加圧鋳造のよ
うに、石膏鋳型12が破損したり、石膏鋳型12のシー
ル性が低下して石膏鋳型12内の溶湯が漏出したりする
ことが防止される。また、加圧工程により、石膏鋳型1
2内における溶湯中のガスは除去され易く、溶湯中には
ガスが残存しにくい。
【0031】その後、加圧状態を75秒間保持してから
加圧装置17を停止すると共に、加圧室11の開口部に
対して蓋19を開けた状態として、石膏鋳型12内のキ
ャビティにおける溶湯を凝固させる凝固工程を行う。こ
の凝固工程により、鋳肌が滑らかで寸法精度の高い精密
な鋳造物が得られると共に、得られた鋳造物には溶湯内
のガスに起因した内部欠陥が発生しにくい。
【0032】以上詳述した本実施の形態によれば、下記
に示す効果が得られるようになる。
【0033】・本実施の形態の石膏鋳型12を用いた鋳
造方法及び鋳造装置では、鋳造物の内部欠陥の発生を抑
制することができる。
【0034】・本実施の形態では、石膏鋳型12内のキ
ャビティへ溶湯を注湯する際の注湯温度を700℃に設
定し、石膏鋳型12を加圧室11内に配置した状態で加
圧工程を行うと共に、加圧状態を75秒間保持すること
とした。そのため、鋳造物の内部欠陥の発生を確実に抑
制することができる。
【0035】・本実施の形態では、鋳造物の内部欠陥の
発生を抑制することの可能な鋳造装置を得ることができ
る。
【0036】・本実施の形態では、真空ポンプ16等を
用いた減圧注湯工程により、石膏鋳型12内を減圧した
状態で、その石膏鋳型12の湯口及び押湯口から石膏鋳
型12内のキャビティへ溶湯が注湯されるため、石膏鋳
型12内のキャビティにおける溶湯の流動性を良くで
き、湯回りを良好な状態とすることができる。そのた
め、石膏鋳型12内のキャビティにおける溶湯中にガス
を巻き込みにくくすることができると共に、湯回り不良
を起こりにくくすることができる。
【0037】・本実施の形態では、加圧装置17等を用
いた加圧工程により、石膏鋳型12及びその内部へ注湯
された溶湯に対して付与される圧力を、一部分に集中さ
せることなく、石膏鋳型12及び溶湯の全体に対して略
均一に付与させるようにした。そのため、従来技術にお
ける加圧鋳造のように、石膏鋳型12が破損したり、石
膏鋳型12のシール性が低下して石膏鋳型12内の溶湯
が漏出したりすることを防止できる。また、加圧工程に
より、石膏鋳型12内のキャビティにおける溶湯中のガ
スを除去し易くでき、溶湯中にガスを残存させにくくで
きる。
【0038】・本実施の形態では、凝固工程により、鋳
肌が滑らかで寸法精度の高い精密な鋳造物を得ることが
できると共に、得られた鋳造物には溶湯内のガスに起因
した内部欠陥を発生させにくくすることができる。
【0039】・本実施の形態では、真空ポンプ16と加
圧装置17とがパイプ14の他端部に対して切替可能に
接続されているため、切替作業をするだけで、加圧又は
減圧を容易に行うことができる。
【0040】なお、前記実施の形態を次のように変更し
て実施することもできる。
【0041】・本実施の形態では、減圧機能を備えた真
空ポンプ16と加圧機能を備えた加圧装置17とはそれ
ぞれ別体の装置であるが、それらをまとめて減圧機能と
加圧機能とを備えた一体の装置としてもよい。
【0042】・本実施の形態では、減圧注湯工程の注湯
温度を700℃したが、特に700℃の温度に限定され
るものではない。ここで、減圧注湯工程の注湯温度は、
例えば、680〜720℃の温度範囲が望ましい。
【0043】・本実施の形態では、加圧状態を75秒間
保持するようにしたが、例えば30〜120秒間保持す
るようにしてもよく、特に75秒間に限定されるわけで
はない。また、溶湯の凝固が完了するまで、加圧状態を
保持し続けるようにしてもよい。
【0044】・本実施の形態では、0.2MPaの加圧
力で加圧することとしたが、特に0.2MPaの加圧力
に限定されるものではない。要は、大気圧よりも高い圧
力で加圧するようにしさえすればよい。
【0045】・本実施の形態では、パイプ14の本数を
2本としたが、パイプ14の本数は任意である。
【0046】更に、特許請求の範囲の各請求項に記載さ
れないものであって、前記実施の形態から把握される技
術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0047】・請求項3に記載の石膏鋳型を用いた鋳造
装置において、前記減圧手段と前記加圧手段とは、前記
パイプの他端部に対して切替可能に接続されていること
を特徴とする石膏鋳型を用いた鋳造装置。
【0048】このように構成した場合、請求項3に記載
の発明の効果に加えて、加圧手段と減圧手段とがパイプ
の他端部に対して切替可能に接続されているため、切替
作業をするだけで、加圧又は減圧を容易に行うことがで
きる。
【0049】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の石膏鋳型を用い
た鋳造方法によれば、鋳造物の内部欠陥の発生を抑制す
ることができる。
【0050】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果を確実に奏することができる。
【0051】請求項3に記載の発明の石膏鋳型を用いた
鋳造装置によれば、鋳造物の内部欠陥の発生を抑制する
ことの可能な鋳造装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一実施の形態における鋳造装置の石膏
鋳型内を減圧する状態を模式的に示す断面図であり、
(b)は一実施の形態のおける鋳造装置の加圧室内を加
圧する状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
11 加圧室 12 石膏鋳型 13 支持プレート 14 パイプ 15 支持部材 16 真空ポンプ 17 加圧装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏鋳型内を減圧した状態でその石膏鋳
    型内へ溶湯を注湯する減圧注湯工程と、 前記石膏鋳型内への注湯が完了した後、前記減圧状態を
    解除して前記石膏鋳型の内側及び外側を同等の加圧状態
    となるように加圧する加圧工程と、 少なくとも前記加圧状態で前記石膏鋳型内の溶湯を凝固
    させる凝固工程とを備えたことを特徴とする石膏鋳型を
    用いた鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の石膏鋳型を用いた鋳造
    方法において、前記減圧注湯工程の注湯温度を680〜
    720℃とし、前記石膏鋳型を加圧室に配置した状態で
    前記加圧工程を行うと共に、前記加圧状態を30〜12
    0秒間保持することを特徴とする石膏鋳型を用いた鋳造
    方法。
  3. 【請求項3】 開閉可能な加圧室と、 前記加圧内に配置され、内部を減圧した状態でその内部
    へ溶湯が注湯される膏鋳型と、 前記加圧室内で前記石膏鋳型を支持する支持プレート
    と、該支持プレートに一端部が接続されると共に他端部
    が前記加圧室の外方へ向かって延設されるパイプとを有
    してなる支持部材と、 前記パイプの他端部に接続され、前記加圧室を開放した
    状態で前記支持部材のパイプを介して前記石膏鋳型内を
    減圧する減圧手段と、 前記パイプの他端部に接続され、前記加圧室を閉塞した
    状態で前記支持部材のパイプを介して前記加圧室内の前
    記石膏鋳型の内側及び外側を同等の加圧力で加圧する加
    圧手段とを備えたことを特徴とする石膏鋳型を用いた鋳
    造装置。
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