JP2001104525A - ウッド型のゴルフクラブヘッド - Google Patents
ウッド型のゴルフクラブヘッドInfo
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Abstract
るウッド型のゴルフクラブヘッドを提供する。 【解決手段】 フェース部2、及びこのフェース部2の
裏面2aの周縁2bからバックフェースB側にのびるク
ラウン部3aとソール部3bとサイド部3cとを含むヘ
ッド本体3からなるウッド型のヘッド1である。ヘッド
本体3は、フェース部2の裏面2aの周縁2bからバッ
クフェースB側にのびる厚さが大の厚肉部4と、この厚
肉部4のバックフェースB側に連なりかつ厚さが小の薄
肉部5とを一部に具える。厚肉部4の厚さTaと薄肉部
5の厚さTbとの比(Tb/Ta)を0.6〜0.9と
する。また厚肉部4のフェース部2の表面2cからバッ
クフェースB側に測定した巾Wを10〜50mmとする。
さらに厚肉部4はフェース部2の周縁2bの全長さの5
0〜100%の領域に亘って形成される。
Description
強度を高めつつ軽量化を可能としうるウッド型のゴルフ
クラブヘッドに関する。
中空部を有するウッド型のゴルフクラブヘッドは、製造
技術の向上などに伴ってヘッド体積が大型化しており、
低比重かつ高強度のチタン合金のヘッドでは300cc
以上、またステンレスを用いたヘッドにあっても200
cc以上のものが生産可能になっている。また、このよ
うにヘッド体積の大型化が進む中、クラブの重量バラン
スなどを考慮するとヘッド重量の増大は避けなければな
らない。このため従来では、ヘッド各部の肉厚を減じる
ことによって、ヘッドの重量を維持しつつ体積の大型化
が行われている。
に示す如く、大きな衝撃力が作用するフェース部fを除
いた部分、すなわち、ヘッドaのクラウン部bやソール
部cなどにおいて肉厚を減じることが行われている。ま
た、クラウン部b、ソール部cにおいて、部分的に厚さ
を減じることが、例えば特開平9−99121号公報、
特開平7−284546号公報などに示されている。し
かしながら、図5(a)に示すようなヘッドaでは、ボ
ールを打撃することによる繰り返しの衝撃荷重にフェー
ス部fの周辺の強度が耐えきれず、例えば同図(b)に
示す如く、クラウン部bなどに陥没eが生じたり、また
ヘッドaに亀裂、割れなどが発生する虞がある。
されたもので、フェース部の裏面の周縁からバックフェ
ース側にのびるクラウン部とソール部とサイド部とを含
むヘッド本体に、前記フェース部の裏面の周縁からバッ
クフェース側にのびる厚さが大の厚肉部と、この厚肉部
のバックフェース側に連なりかつ前記厚肉部よりも厚さ
が小の薄肉部とを少なくとも一部に設け、かつこの厚肉
部の厚さ、巾、長さなどを一定範囲に規制することによ
り、フェース部の周辺の強度を高めつつヘッドの軽量化
を可能としうるウッド型のゴルフクラブヘッドを提供す
ることを目的としている。
載の発明は、ボールを打撃するフェース部、及びこのフ
ェース部の裏面の周縁からバックフェース側にのびるク
ラウン部とソール部とサイド部とを含むヘッド本体から
なり、かつ内部に中空部を形成したウッド型のゴルフク
ラブヘッドであって、前記ヘッド本体は、前記フェース
部の裏面の周縁からバックフェース側にのびる厚さが大
の厚肉部と、この厚肉部のバックフェース側に連なりか
つ前記厚肉部よりも厚さが小の薄肉部とを少なくとも一
部に具え、かつ前記厚肉部の厚さTaと前記薄肉部の厚
さTbとの比(Tb/Ta)を0.6〜0.9とし、か
つ前記厚肉部の前記フェース部の表面からバックフェー
ス側に測定した巾を10〜50mmとし、しかも該厚肉部
はフェース部の周縁の全長さの50〜100%の領域に
亘り形成されていることを特徴としている。
は、フェース部の周縁の全長さの100%の領域に亘り
形成されていることを特徴とする請求項1記載のウッド
型のゴルフクラブヘッドである。
厚さTaは、0.8〜1.5mmであり、かつ前記薄肉部
の厚さTbが0.5〜1.0mmであることを特徴とする
請求項1又は2記載のウッド型のゴルフクラブヘッドで
ある。
に基づき説明する。図1は本実施形態のウッド型のゴル
フクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがあ
る。)1の切断斜視図、図2は図1のX−Z平面に沿っ
て切断したヘッド1の端面図、図3は図1のX−Y平面
に沿って切断したヘッド1の端面図をそれぞれ示してい
る。図において、ヘッド1は、ボールを打撃するフェー
ス部2、及びこのフェース部2の裏面2aの周縁2B
(図2に示す)からバックフェースB側にのびるクラウ
ン部3aとソール部3bとサイド部3cとを含むヘッド
本体3から構成されている。
により構成されたものを例示しており、その内部には中
空部iが形成されている。この中空部iは、空洞のまま
とされたり、或いは発泡樹脂などが充填されることがあ
る。またこのような中空部iを有する金属製のヘッド1
では、近年ヘッド体積の大型化が進んでおり、例えば2
00〜350cm 3程度で形成され、フェース部2の表面
からバックフェースB側の端までの最大の奥行き長さL
(図2に示す)が、例えば60〜100mm程度に設定さ
れている。
に示す)が例えば2.0〜3.5mm程度、より好ましく
は2.5〜3.0mmで形成されるのが望ましい。フェー
ス部2の厚さTfが2.0mm未満の場合、ボールの打撃
時の衝撃により、該フェース部2の割れや凹み等の損傷
が生じる虞があり、逆に3.5mmを超える場合、ボール
の反発性が相対的に低下し飛距離を損なう傾向がある。
ド1の上面をなす前記クラウン部3aと、ヘッド1の底
面をなす前記ソール部3bと、前記クラウン部3aとソ
ール部3bとの間をフェース部2のトウtからバックフ
ェースB側を通りフェース部2のヒールhに至ってのび
る前記サイド部3cと、前記クラウン部3aのヒールh
側で突出するシャフト差込部3dとを含んで構成され
る。そして本実施形態のヘッド本体3は、前記フェース
部2の裏面2aの周縁2bからバックフェースB側にの
びる厚さが大の厚肉部4と、この厚肉部4のバックフェ
ースB側に連なりかつ前記厚肉部4よりも厚さが小の薄
肉部5とを少なくとも一部に具えて形成されている。
3b、サイド部3cの全ての部分は、それぞれ前記厚肉
部4と前記薄肉部5とを含むものを例示している。この
ように、フェース部2の裏面2aの周縁2bに厚さTa
が大きい厚肉部4を連ねることにより、フェース部2の
周辺の強度を向上させるのに役立ち、ボール打撃時の衝
撃に耐えうる強度を付与することが可能になる。とりわ
け上述の如く、ヘッド1の奥行き長さLが大、例えば7
0mm以上のものについては、ヘッド本体3の厚さを減じ
ていくと強度不足を招きやすくなり、このようなヘッド
に本発明は特に好適に採用できる。
と、フェース部2の周辺補強効果が相対的に低下する傾
向があり、逆に例えばフェース部2の厚さTfよりも大
きすぎるとヘッド1の過度の重量増加を招きやすい。こ
のような観点より、厚肉部4の厚さTaは、例えばフェ
ース部2の厚さTfよりも小、より具体的には0.8〜
1.5mm、より好ましくは0.8〜1.2mm、さらに好
ましくは0.8〜1.0mmとするのが望ましい。
の厚さTbとの比(Tb/Ta)は、0.6〜0.9に
設定される。前記比(Tb/Ta)が0.6未満である
と、厚肉部4と薄肉部5との各厚さTa、Tbの差が大
きくなり、例えば薄肉部5が過度に薄くなって強度低下
を招いたり、逆に厚肉部4の厚さTaが過度に厚くなっ
て重量増加を招く傾向があるなど、強度向上と重量増加
とのバランスを損ねる傾向がある。また前記比(Tb/
Ta)が0.9を超えると、両者の厚さTa、Tbの差
が実質的なものでなくなり、ヘッド1の強度向上と重量
抑制をともに達成することが困難になる。このような観
点より、前記比(Tb/Ta)は、より好ましくは0.
6〜0.8とするのが望ましい。
強度の兼ね合いより、例えば0.5〜1.0mm、より好
ましくは0.6〜0.9mmを確保することが望ましい。
なお本実施形態のヘッド1では、クラウン部3aの薄肉
部5a、ソール部3bの薄肉部5b、サイド部3cの薄
肉部5cは、いずれも厚肉部4に連なって略一定厚さで
バックフェースB側までのびるものが例示されるが、例
えばクラウン部3aとサイド部3cとの交わり部などで
は、適宜厚さが増す部分を含ませても良い。
前記薄肉部5との境界部Kが前記薄肉部5に向かって厚
さが徐々に減少するものを例示している。これにより、
ヘッド本体3に大きな剛性段差が生じるのを効果的に防
止し境界部Kに応力が集中することなどを防ぐことがで
きる。なお前記「厚肉部4の厚さTa」に関する規定
は、厚肉部4の厚さが実質的に一定であるときにはその
厚さに関するものとし、厚肉部4の厚さが連続的に変化
しているような場合には、少なくともその平均値が前記
数値範囲を満たすものが好ましく、さらに好ましくは変
化する厚さの値全てが前記数値範囲を満たすものが特に
好ましい。
2dからバックフェースB側に測定した巾Wを10〜5
0mm、より好ましくは15〜35mmとすることが望まし
い。厚肉部4の前記巾Wが、10mm未満であると、フェ
ース部2の周辺補強を十分になし得ず、該周辺部での割
れ、凹みなどが依然として生じやすくなる傾向があり、
逆に50mmを超えると、ヘッド1の重量を大幅に増加さ
せる傾向がある。なおこの巾Wは、各部において一定で
あっても良く、また10〜50mmの範囲内かつ各位置に
て変化させることもできる。
の全長さの50〜100%の領域に亘り形成されること
が必要であり、本実施形態では、100%の領域、すな
わち、前記クラウン部3a、サイド部3c(トウ側)、
ソール部3b、サイド部3c(ヒール側)、クラウン部
3aというようにヘッド1の内部でフェース部2の周縁
に沿って厚肉部4が環状に連続して形成されたものが例
示されている。また、この連続する厚肉部4のバックフ
ェースB側には、同様にクラウン部3a、サイド部3c
(トウ側)、ソール部3b、サイド部3c(ヒール
側)、クラウン部3aというようにヘッド1の内部で環
状に連続しつつバックフェース部B側にのびる薄肉部5
が形成されているものを例示している。このような厚肉
部4、薄肉部5をそれぞれ形成することにより、フェー
ス部2の周辺が連続して効果的に補強されるとともに、
そのバックフェースB側に連なる連続した薄肉部5によ
って重量の軽減がより一層図られることにより、フェー
ス部2の周辺の強度を高めつつヘッド1の軽量化をより
効果的に達成できる。
ェース部2の周縁2bの全長さの50%未満であると、
補強領域が少なくなってフェース部2の周辺に凹み、割
れ等が依然として生じる虞がある。このような観点より
厚肉部4は、フェース部2の周縁の全長さの65〜10
0%、さらに好ましくは80〜100%の領域に亘り形
成されるのが望ましい。
部3bの厚肉部4b、サイド部3cの厚肉部4cの各厚
さTaや、各巾Wなどを違えることにより、ヘッド1の
重量配分設計を併せて行うことができる。例えばソール
部3bの厚肉部4bの厚さTa又は巾Wを、クラウン部
3aの厚肉部4aの厚さTa又は巾Wよりも大とするこ
となどにより、ソール部3b側の厚肉部4aの重量を大
とした場合には、ヘッド1の重心位置をより低くするこ
とが可能になり、ひいては球が上がりやすいヘッドを提
供しうる。またサイド部3cのトウ側の厚肉部4ct
と、サイド部3cのヒール側の厚肉部4chとの厚さ、
巾などを違えることにより、ヘッドの重心位置をトウ側
寄り又はヒール側寄りに設置することも可能になる。
いる。本例では、前記厚肉部4が、フェース部2の周縁
2bの全長さの50%以上かつ100%未満の領域に形
成されたものを例示している。すなわち本実施形態で
は、前記サイド部3cとソール部3bに、前記厚肉部4
が形成されておらず前記薄肉部5からなる途切れ部7が
1以上、本例では複数個形成されており、打球時の衝撃
が比較的大きいクラウン部3aには、前記フェース部2
の周縁に沿った全範囲に厚肉部4が形成されたものを例
示している。この例では、ヘッド1をさらに軽量化しう
るのに役立つ。
が、本実施形態のヘッド1は、鋳造、鍛造により形成さ
れた一つ又は二以上の部材を溶接、ロウ付け、カシメ等
により一体接合することにより従来と同様に製造しう
る。またヘッド1を形成する金属材料としては、例えば
ステンレス、アルミ合金、チタン、チタン合金(例えば
いわゆる6−4チタン(Ti−6%Al−4%V合
金))など各種の材料を用いることができる他、結晶構
造面からはアモルファス金属なども採用できる。なおフ
ェース部2とヘッド本体3とは、同一材料、異種材料の
いずれであっても良い。
3に示したウッド型のゴルフクラブヘッドを試作し(実
施例)、シャフトを装着してウッド型のゴルフクラブ
(厚肉部の厚さ0.9mm、薄肉部の厚さ0.6mm)を製
作した。なお厚肉部はフェース部の周縁の全長さの10
0%の領域に形成されており、その巾Wは30mmに設定
した。そして、該クラブをスイングロボットに取り付け
て、ヘッドスピード50m/s、フェース部の中央にて
3000発の打撃耐久テストを行った。また、比較のた
めに、図5(a)に示したように、クラウン部、ソール
部、サイド部が実質的に均一厚さ(約0.7mm)をなす
ウッド型のゴルフクラブヘッドを試作し(比較例)、同
様に打撃耐久テストを行った。テストの結果などを表1
に示す。
没、割れ等を生じることなしに3000発を無事打ち終
えることができたが、比較例のヘッドでは、約2000
発前後でクラウン部に図5(b)に示したような陥没が
生じた。
は、フェース部の裏面の周縁に厚さが大きい厚肉部を連
ねるとともに、この厚肉部のバックフェース側に厚さが
小の薄肉部を設けたことにより、フェース部の周辺の強
度を向上させつつヘッドの軽量化を図ることができる。
は、フェース部の周縁の全長さの100%の領域に亘り
形成されることによって、フェース部の周辺が連続して
より効果的に補強されるとともに、そのバックフェース
側に連なる連続した薄肉部によって重量軽減をより一層
図ることができる。
図である。
損傷状態を示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】ボールを打撃するフェース部、及びこのフ
ェース部の裏面の周縁からバックフェース側にのびるク
ラウン部とソール部とサイド部とを含むヘッド本体から
なり、 かつ内部に中空部を形成したウッド型のゴルフクラブヘ
ッドであって、 前記ヘッド本体は、前記フェース部の裏面の周縁からバ
ックフェース側にのびる厚さが大の厚肉部と、 この厚肉部のバックフェース側に連なりかつ前記厚肉部
よりも厚さが小の薄肉部とを少なくとも一部に具え、 かつ前記厚肉部の厚さTaと前記薄肉部の厚さTbとの
比(Tb/Ta)を0.6〜0.9とし、 かつ前記厚肉部の前記フェース部の表面からバックフェ
ース側に測定した巾を10〜50mmとし、しかも該厚肉
部はフェース部の周縁の全長さの50〜100%の領域
に亘り形成されていることを特徴とするウッド型のゴル
フクラブヘッド。 - 【請求項2】前記厚肉部は、フェース部の周縁の全長さ
の100%の領域に亘り形成されていることを特徴とす
る請求項1記載のウッド型のゴルフクラブヘッド。 - 【請求項3】前記厚肉部の厚さTaは、0.8〜1.5
mmであり、かつ前記薄肉部の厚さTbが0.5〜1.0
mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のウッド
型のゴルフクラブヘッド。
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