JP2001102602A - アレイ型検出装置、およびその製造方法 - Google Patents

アレイ型検出装置、およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001102602A
JP2001102602A JP27854699A JP27854699A JP2001102602A JP 2001102602 A JP2001102602 A JP 2001102602A JP 27854699 A JP27854699 A JP 27854699A JP 27854699 A JP27854699 A JP 27854699A JP 2001102602 A JP2001102602 A JP 2001102602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polycrystalline
small
semiconductor
grain size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27854699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4092825B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Sato
敏幸 佐藤
Satoshi Tokuda
敏 徳田
Toshinori Yoshimuta
利典 吉牟田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP27854699A priority Critical patent/JP4092825B2/ja
Publication of JP2001102602A publication Critical patent/JP2001102602A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4092825B2 publication Critical patent/JP4092825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】素子間の感度のバラツキが小さく、しかも感度
や応答性が良好でリーク電流が少ないアレイ型検出装置
を提供する。 【解決手段】この発明の2次元アレイ型検出装置の場
合、放射線感応性の半導体多結晶膜6では個別電極8の
側に粒径が小さい小粒径多結晶域6bが形成され、共通
電極4の側に粒径が大きい大粒径多結晶域6aが形成さ
れている。小粒径多結晶域6bの場合、膜の表面形状が
平坦であるので個別電極8の形成は容易であり、また個
別電極8のサイズに比べ粒径が十分に小さいので素子間
の感度のバラツキが少ない。大粒径多結晶域6aの場
合、単結晶に近い膜質であるので、検出感度は良好であ
り、小粒径多結晶域に比べ粒界が少なくて、キャリアが
速やかに移動できて応答性がよく、又バイアス電圧に対
する絶縁抵抗が十分なので、リーク電流が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放射線または光
を直接にキャリア(電子−正孔対)に変換する半導体多
結晶膜を有する直接変換タイプのアレイ型検出装置、お
よびその製造方法に係り、特に半導体多結晶膜の構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療用あるいは工業用において、
放射線(例えばX線など)を検出するための2次元アレ
イ型検出装置が知られている。図7に示すように、従来
の2次元アレイ型検出装置51の場合、多数個の検出素
子51aが2次元アレイ配列に対応して縦横に整列配置
されているとともに、検出対象の放射線によって検出素
子51aに生成したキャリアの蓄積・読み出し用の素子
(図示省略)が検出素子51aの2次元アレイ配列に対
応する配列で設けられていて、素子別に収集された生成
キャリアが電気信号として読み出されるという構成とな
っている。
【0003】放射線検出用の2次元アレイ型検出装置5
1として、検出対象の放射線に感応してキャリアを生成
する半導体膜としてアモルファスセレン(a−Se)膜
が用いられている装置がある。この装置は、検出対象の
放射線を直接キャリアに変換する直接変換タイプであ
る。しかしながら、a−Se膜は放射線に対する吸収能
力が低く、キャリア輸送特性が劣るので、十分な感度を
得るためには1mm以上の厚い膜と10V/μmを越え
る高電界が必要である。
【0004】一方、放射線検出用の2次元アレイ型検出
装置51として、a−Se膜の代わりにCdTe系半導
体多結晶膜を用いる装置がある。CdTe系半導体多結
晶膜は、アモルファス半導体膜と比べると感度が良好で
ある。また、このCdTe系半導体多結晶膜は、放射線
だけでなく、光にも感応するので光検出装置の構成も可
能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
半導体多結晶膜を用いた2次元アレイ型検出装置でも、
膜質によって検出特性が大きく変わるという難点があ
る。具体的には、素子間の感度のバラツキが大きかった
り、電極形成が困難であったり、或いは、感度や応答性
が不足したり、リーク電流が大きかったりするのであ
る。
【0006】この発明は、上記の事情に鑑み、各種性能
が揃って良好なものとなっているアレイ型検出装置、お
よびその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係るアレイ型検出装置は、共通電
極と、検出素子アレイ配列に対応して形成された個別電
極との間に、検出対象の放射線または光に感応してキャ
リアを生成する半導体多結晶膜が設けられている検出基
板を備えたアレイ型検出装置において、前記半導体多結
晶膜では個別電極の側に粒径が小さい小粒径多結晶域が
形成されているとともに、小粒径多結晶域からみて共通
電極の側に粒径が大きい大粒径多結晶域が形成されてい
る。
【0008】また請求項2の発明は、請求項1に記載の
アレイ型検出装置において、半導体多結晶膜は厚み方向
に粒径が連続的に変化している。
【0009】さらに、請求項3の発明に係るアレイ型検
出装置の製造方法は、請求項1または2に記載のアレイ
型検出装置の製造方法であって、検出対象の放射線また
は光に感応してキャリアを生成する半導体多結晶膜の形
成工程において、成膜温度を高くして粒径が大きい大粒
径多結晶域を形成する高温成膜過程と、成膜温度を低く
して粒径が小さい小粒径多結晶域を形成する低温成膜過
程を備えている。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項3に記載
のアレイ型検出装置の製造方法において、半導体多結晶
膜の形成工程での成膜温度を連続的に変化させるように
する。
【0011】〔作用〕次に、この発明における作用を説
明する。この発明のアレイ型検出装置の場合、共通電極
と検出素子アレイ配列の個別電極との間に形成された半
導体多結晶膜に放射線(または光)が入射すると、半導
体多結晶膜の内にキャリアが生成するとともに、生成キ
ャリアはキャリア収集電極である個別電極へ素子別に収
集される。
【0012】この発明のアレイ型検出装置の場合、放射
線または光に感応する半導体多結晶膜では個別電極の側
に粒径が小さい小粒径多結晶域が形成されている。小粒
径多結晶域の場合、膜の表面形状が平坦であるので、個
別電極の形成は容易である上に、個別電極のサイズに比
べ十分に粒径が小さくて粒径の不揃いの影響が出難くな
るので素子間の感度のバラツキが少なくなる。また、こ
の発明のアレイ型検出装置の場合、放射線または光に感
応する半導体多結晶膜では小粒径多結晶域から見て共通
電極の側に粒径が大きい大粒径多結晶域が形成されてい
る。この大粒径多結晶域の場合、単結晶に近い膜質であ
って検出感度は良好である上、小粒径多結晶域に比べ粒
界が少なくて、キャリアが速やかに移動できるので応答
性が良好であるとともに、バイアス電圧に対する絶縁抵
抗が十分であるので、リーク電流が少ない。すなわち、
この発明のアレイ型検出装置の場合、半導体多結晶膜に
粒径が小さい小粒径多結晶域と粒径が大きい大粒径多結
晶域を適当な位置に配することにより、各種性能を揃っ
て良好なものとしているのである。
【0013】また、請求項2の発明のアレイ型検出装置
の場合、半導体多結晶膜は厚み方向に粒径が連続的に変
化しており、キャアリの進行方向に粒径の段差がなく
て、キャリアがスムースに移動できることから、応答性
あるいは感度等がより良好となる。また、膜中の応力を
緩和できるので、基板のそり、膜のクラック等のない信
頼性の高い膜が得られる。
【0014】なお、半導体多結晶膜が放射線ないし光に
対する吸収能力の高いCdTe系半導体である場合は、
感度が十分である。また、半導体多結晶膜が放射線ない
し光に対する吸収能力の高いCdZnTe系半導体であ
る場合、漏れ電流が小さい。
【0015】また、請求項3の発明のアレイ型検出装置
の製造方法の場合、成膜温度の調整により、粒径が小さ
い小粒径多結晶域と粒径が大きい大粒径多結晶域が適当
な位置に配された半導体多結晶膜を有する請求項1また
は2に記載のアレイ型検出装置を得ることができる。
【0016】また、請求項4の発明のアレイ型検出装置
の製造方法の場合、成膜温度を連続的に変化させること
により、厚み方向に粒径が連続的に変化している半導体
多結晶膜を有するアレイ型検出装置を得ることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】続いて、この発明の一実施例を図
面を参照しながら説明する。図1は実施例に係る2次元
アレイ型検出装置の検出基板の構成を示す断面図、図2
は実施例の2次元アレイ型検出装置の等価回路を示す電
気回路図、図3は実施例装置における検出・読み出しの
両基板の合体状況を示す概略正面図、図4は実施例装置
の検出素子1個当たりの構成を示す断面図である。
【0018】実施例の2次元アレイ型検出装置では、図
3に示すように、放射線(または光)を検出する検出基
板(センサマトリックス基板)1と、生成キャリアの蓄
積・読み出しを行う読み出し基板(アクティブマトリッ
クス基板)2とが厚み方向に接合合体されており、検出
基板1においては入射した検出対象の放射線によってキ
ャリアが直接変換方式で生成されるとともに、読み出し
基板2により素子別に収集された生成キャリアが各素子
毎に蓄積されて電気信号として読み出されるよう構成さ
れている。以下、実施例装置の各部の構成をより具体的
に説明する。
【0019】検出基板1は、無色透明のガラス基板(支
持基板)3の表面(図1では下面)に形成されたバイア
ス電圧印加用の共通電極4と、共通電極4の表面側(図
1では下面側)に形成された電子阻止用半導体膜5と、
検出対象の放射線(例えばX線)に感応してキャリアを
生成する半導体多結晶膜6と、この半導体多結晶膜6の
表面(図1では下面)に2次元検出素子アレイ配列に対
応して区画形成されて正孔阻止用半導体膜7と、各正孔
阻止用半導体膜7の表面(図1では下面)にそれぞれ形
成されたキャリア収集用の個別電極(画素電極)8が順
に積層形成されており、実施例の装置の場合、検出対象
の放射線はガラス基板3の共通電極非形成側(図1では
上面側)から入射する構成となっている。なお、共通電
極4に負のバイアス電圧が印加されるものとする。
【0020】したがって、検出基板1では、図1および
図2に示すように、共通電極4と電子阻止用半導体膜5
と半導体多結晶膜6の各一部と正孔阻止用半導体膜7と
個別電極(画素電極)8とによって1個分の検出素子1
aが構成されていることになる。
【0021】共通電極4や個別電極8は、例えばITO
(インジウム錫酸化物)や、AuあるいはPtなどの導
電材料からなる。電子阻止用半導体膜5としては、p型
CdZnTe膜やヘテロ接合を形成するZnTe膜、又
はZnSe膜などが挙げられる。正孔阻止用半導体膜7
としては、n型CdS膜、InをドープしたCdZnT
e膜などが挙げられる。
【0022】そして、実施例の場合、半導体多結晶膜6
が、共通電極4の側に形成された粒径が大きい大粒径多
結晶域6aと、個別電極8の側に形成された粒径が小さ
い小粒径多結晶域6bとの積層膜構成となっている。大
粒径多結晶域6aの場合、厚みは例えば200μm前
後、(平均)粒子径は例えば10〜20μm程度であ
り、小粒径多結晶域6bの場合、厚みは例えば100μ
m前後、(平均)粒子径は例えば3〜5μm程度であ
る。したがって、半導体多結晶膜6の全体の厚みは30
0μm前後である。
【0023】大粒径多結晶域6aと小粒径多結晶域6b
からなる半導体多結晶膜6は、昇華法、スパッタリン
グ、CVD、化学堆積法などの成膜方法により形成する
ことができる。特に半導体多結晶膜6がCdTeあるい
はCdX (Zn)1-X Teなどの放射線に対する吸収能
力が高い膜の場合、放射線の検出感度は良好なものとな
る。なお、CdX (Zn)1-X Teの場合、xは、通
常、0.05〜0.2程度の範囲である。
【0024】一方、読み出し基板2には、図2に示すよ
うに、全検出素子1aの各々に対して電荷蓄積用(容
量)の素子としてのコンデンサ10と読み出し用の素子
としての薄膜トランジスタ(TFT)11が各1個ずつ
設けられている。なお、コンデンサ9は各検出素子1a
における共通・個別の両電極4,8間の等価容量(寄生
容量)である。なお、図2では、説明の便宜上、縦3×
横3の(画素)マトリックス構成で合計9個分のマトリ
ックス構成が示されているだけであるが、実施例の場
合、普通、検出基板1においては、必要画素数に応じて
縦1000〜2000×横1000〜2000程度のマ
トリックス構成で検出素子1aが2次元アレイ配列され
ており、また読み出し基板2においても、画素数と同じ
数のコンデンサ10および薄膜トランジスタ11が、同
様のマトリックス構成で2次元アレイ配列されている。
【0025】読み出し基板2におけるコンデンサ10お
よび薄膜トランジスタ11の具体的構成は、図4に示す
通りである。すなわち、絶縁性支持基板(回路基板)1
2の表面に形成されたコンデンサ10の接地側電極10
aと薄膜トランジスタ11のゲート電極11aの上に絶
縁膜13を介してコンデンサ10の接続側電極10bと
薄膜トランジスタ11のソース電極11bおよびドレイ
ン電極11cが積層形成されているのに加え、最表面側
が保護用の絶縁膜で覆われた状態となっている。また接
続側電極10bとソース電極11bはひとつに繋がって
おり同時形成されている他、コンデンサ10の容量絶縁
膜および薄膜トランジスタ11のゲート絶縁膜の両方を
構成している絶縁膜13としては、例えばプラズマSi
N膜が用いられる。この読み出し基板2は液晶表示用ア
クティブマトリックス基板の作製に用いられるような薄
膜形成技術や微細加工技術を用いて製造される。
【0026】また、個別電極8とコンデンサ10の接続
側電極10bを位置合わせした状態で両基板1,2を銀
粒子等の導電性粒子を含み厚み方向にのみ導電性を有す
る異方導電性フィルム(ACF)を間にして加熱・加圧
接着して貼り合わせることで両基板1,2が機械的に合
体されていると同時に、個別電極8と接続側電極10b
が介在導体部14によって電気的に接続されている。な
お、異方導電性フィルムの代わりに、異方導電性ペース
ト(ACP)、ドライフィルムレジスト(DFR)を用
いてもよい。
【0027】さらに、読み出し基板2には、読み出し駆
動用回路としてのプリアンプ(電荷−電圧変換器)群1
5およびマルチプレクサ16とゲートドライバ17が設
けられている。これら読み出し駆動用回路はシリコン半
導体等のIC(集積回路)が用いられる。プリアンプ群
15は、列が同一の薄膜トランジスタ11のドレイン電
極を結ぶ縦(Y)方向の読出し配線(読み出しアドレス
線)18に接続されており、ゲートドライバ17は行が
同一の薄膜トランジスタ11のゲート電極を結ぶ横
(X)方向の読出し配線(ゲートアドレス線)19に接
続されている。なお、プリアンプ群15の内では、1本
の読出し配線18に対してプリアンプが1個それぞれ接
続されている。また、各読み出し駆動用回路は異方導電
性フィルム(ACF)等を介して読出し配線18,19
に接続されている。このように、読み出し基板2にあっ
ては、読み出し駆動用回路も一体的に設置されて一段と
集積化が図られた構成となっている。しかし、読み出し
駆動用回路の全部または一部が別体設置である構成でも
かまわない。
【0028】続いて、以上の構成を有する実施例の2次
元アレイ型検出装置による放射線の検出動作を説明す
る。実施例装置の場合、共通電極4には負(マイナス)
のバイアス電圧が印加される。検出対象の放射線がガラ
ス基板3の上側から半導体多結晶膜6に入射するのに伴
って半導体多結晶膜6ではキャリアが生成する。次の読
み出しタイミングが来るまでは薄膜トランジスタ11が
オフ(遮断)となっているので、生成キャリアはコンデ
ンサ10に電荷として蓄積され続ける。
【0029】読み出し基板2の場合、マルチプレクサ1
6およびゲートドライバ17へ信号読み出し用の走査信
号が送り込まれることになる。各検出素子1aの特定
は、X方向・Y方向の配列に沿って各検出素子1aに順
番に割り付けられているアドレス(例えば0〜102
3)に基づいて行われるので、取り出し用の走査信号
は、それぞれX方向アドレスまたはY方向アドレスを指
定する信号となる。
【0030】Y方向の走査信号に従ってゲートドライバ
17からY方向の読出し配線19に読み出し用の電圧が
印加されるのに伴い、各検出素子1aが行単位で選択さ
れる。そして、X方向の走査信号に従ってマルチプレク
サ16が切替えられることにより、選択された行・列に
合致する検出素子(画素)1aに対応する薄膜トランジ
スタ11がオン(導通)となると同時にコンデンサ10
に蓄積された電荷が、プリアンプ群15およびマルチプ
レクサ16を順に経由して電気信号(画素信号)として
読み出される。読み出された画素信号は、適当な画像処
理が施された後、CRTや液晶あるいはPDP等の表示
装置に送られて2次元画像として表示される。
【0031】実施例の装置の場合、半導体多結晶膜6で
は個別電極8の側に粒径が小さい小粒径多結晶域6bが
形成されている。小粒径多結晶域6bの場合、膜の表面
形状が平坦であるので、個別電極8の形成は容易である
上に、個別電極8のサイズに比べ粒径が十分に小さくて
粒径の不揃いの影響が出難くなるので素子間の感度のバ
ラツキが少ない。また、実施例装置の場合、半導体多結
晶膜6の共通電極4の側に粒径が大きい大粒径多結晶域
6aが形成されている。この大粒径多結晶域6aの場
合、単結晶に近い膜質であって検出感度は良好であるの
に加え、小粒径多結晶域6bに比べて粒界が少なくて、
キャリアが速やかに移動できるので応答性がよいととも
に、バイアス電圧に対する絶縁抵抗が十分であるので、
リーク電流も少ない。
【0032】続いて、実施例の2次元アレイ型検出装置
を製造する方法の一例を、本願発明の特徴である半導体
多結晶膜6の成膜を中心に説明する。先ず無色透明のガ
ラス基板(支持基板)3の表面に、スパッタリング・蒸
着等により共通電極4および電子阻止用半導体膜5を積
層形成する。なお、支持基板としては検出対象の放射線
の吸収の少ない基板が好ましい。
【0033】次に、半導体多結晶膜6として近接昇華法
によりCdTeを積層形成する。近接昇華法による成膜
の場合、図5に示すように、真空ポンプ31により室内
が排気されて減圧雰囲気になるとともに、流路32から
キャリアガスが室内に供給される蒸着チャンバー30の
内に、半導体多結晶膜6用の原材料である板状のCdT
e焼結体33と、共通電極4および電子阻止用半導体膜
5が積層形成されたガラス基板3を面同士が対面するよ
うにして設置する。板状のCdTe焼結体33は、下部
サセプタ34に置かれ、その上にスペーサ35を介して
ガラス基板3が蒸着面を下に向けて置かれることにな
る。
【0034】そして、上下のヒータ36,37によりC
dTe焼結体33を加熱すると、CdTe焼結体33は
液体を経ないで直に気体になる(昇華する)とともに、
ガラス基板3の表面に付着して半導体多結晶膜6を形成
する。なお、CdTeは特に昇華し易くて近接昇華法に
よる成膜に対する適性が高い。
【0035】実施例の場合、半導体多結晶膜6を形成す
る際、成膜温度を高くして粒径が大きい大粒径多結晶域
6aを電子阻止用半導体膜5に積層形成する高温成膜過
程を先に行い、次に成膜温度を低くして粒径が小さい小
粒径多結晶域6bを積層形成する低温成膜過程を行う。
【0036】高温成膜過程では、650〜700℃の範
囲の高い成膜温度で膜付けを行うので、ガラス基板3の
電子阻止用半導体膜5の上に大粒径多結晶域6aが積層
形成される。低温成膜過程では、600〜650℃の範
囲の低い成膜温度で膜付けを行うので、大粒径多結晶域
6aの上に小粒径多結晶域6bが積層形成される。すな
わち、近接昇華法の場合、主として成膜温度のコントロ
ールにより半導体多結晶膜6における(多結晶の)粒径
の調整が可能であることから、大粒径多結晶域6aと小
粒径多結晶域6bが積層された半導体多結晶膜6を容易
に形成することができる。
【0037】ついで、ガラス基板3の表面の半導体多結
晶膜6の上にスパッタリング・蒸着等により、正孔阻止
用半導体膜用の半導体膜を積層した後、パターンニング
することにより、正孔阻止用半導体膜7を形成する。そ
の後、引き続きスパッタリング・蒸着等により、個別電
極用の金属膜を積層した後、パターンニングすることに
より、個別電極8を形成して検出基板1を得る。そし
て、さらに得られた検出基板1と別途作製の読み出し基
板2とを異方導電性フィルムを用いて接合合体すれば、
2次元アレイ型検出装置が完成する。
【0038】この発明は、上記実施の形態に限られるこ
とはなく、下記のように変形実施することができる。
【0039】(1)実施例では、半導体多結晶膜6が大
粒径多結晶域6aおよび小粒径多結晶域6bの積層構成
であったが、半導体多結晶膜6は厚み方向に粒径が連続
的に変化している構成のものが変形例として挙げられ
る。この変形例の場合、半導体多結晶膜6にはキャリア
の進行方向に粒径の段差がなくて、キャリアがスムース
に移動することができるので、応答性あるいは感度等が
より良好となる。また、膜中の応力を緩和できるので、
基板のそり、膜のクラック等のない信頼性の高い膜が得
られる。変形例の検出基板における放射線感応性の半導
体多結晶膜を形成するには、例えば、上記の近接昇華法
を用いた成膜工程において、成膜温度を連続的に変化さ
せるようにすればよい。
【0040】(2)実施例では、半導体多結晶膜6が大
粒径多結晶域6aおよび小粒径多結晶膜6bがCdTe
系半導体またはCdZnTe系半導体からなる半導体多
結晶膜であったが、この発明の放射線に感応する半導体
多結晶膜は、CdTe系半導体またはCdZnTe系半
導体以外の半導体材料からなるものであってもよい。
【0041】(3)実施例の場合、共通電極4の側には
半導体多結晶膜6の大粒径多結晶域6aが存在する構成
であったが、図6に示すように、共通電極4の側でも個
別電極8の側と同様、半導体多結晶膜6の小粒径多結晶
域6bが存在していて、大粒径多結晶域6aは二つの小
粒径多結晶域6bに挟まれて存在する構成のものが、変
形例として挙げられる。この変形例の場合、共通電極4
に対する半導体多結晶膜6の接合性の向上等が期待でき
る。
【0042】(4)この発明の検出対象の放射線として
X線が例示されていたが、この発明が検出対象とする放
射線は、X線に限らず例えばガンマー線であってもよ
い。
【0043】(5)この発明の装置は、放射線の他に光
(例えば可視光や紫外線または赤外線)が検出対象であ
ってもよい。また、実施例装置は、放射線と光の両方を
検出することが可能であったが、この発明の装置は放射
線と光の一方だけを検出する構成であってもよい。
【0044】(6)実施例は2次元アレイ型検出装置で
あったが、この発明は検出素子が1列に並ぶだけの1次
元アレイ型の構成であってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1の発明
のアレイ型検出装置によれば、放射線または光に感応す
る半導体多結晶膜は個別電極の側に粒径が小さい小粒径
多結晶域が形成されているとともに、小粒径多結晶域か
ら見て共通電極の側に粒径が大きい大粒径多結晶域が形
成されてなる構成を備えていて、小粒径多結晶域の場合
は、膜の表面形状が平坦であるので、個別電極の形成は
容易である上、個別電極のサイズに比べ粒径が十分に小
さくて粒径の不揃いの影響が出難くなるので素子間の感
度のバラツキが少なくなるのに加え、大粒径多結晶域の
場合は、単結晶に近い膜質であるので検出感度は良好と
なり、また小粒径多結晶域に比べ粒界が少なくてキャリ
アが速やかに移動できるので応答性がよいとともに、バ
イアス電圧に対する絶縁抵抗が十分であるので、リーク
電流が少ない。すなわち、請求項1の発明のアレイ型検
出装置の場合、半導体多結晶膜に小粒径多結晶域と大粒
径多結晶域を適当な位置に配することによって、各種性
能が揃って良好なものとなっているのである。
【0046】また、請求項2の発明のアレイ型検出装置
によれば、半導体多結晶膜は厚み方向に粒径が連続的に
変化しており、キャリアの進行方向に粒径の段差がない
構成であるので、キャリアがスムースに移動することが
できる結果、応答性あるいは感度等がより良好となる。
【0047】なお、半導体多結晶膜が放射線ないし光に
対する吸収能力の高いCdTe系半導体である場合、感
度が十分である。また、半導体多結晶膜がバンドギャッ
プのより大きいCdZnTe系半導体である場合、漏れ
電流が低減できる。
【0048】さらに、請求項3の発明のアレイ型検出装
置の製造方法によれば、成膜温度を調整する程度のこと
により、粒径が小さい小粒径多結晶域と粒径が大きい大
粒径多結晶域が適当な位置に配された半導体多結晶膜を
有するアレイ型検出装置を容易に得ることができる。
【0049】また、請求項4の発明のアレイ型検出装置
の製造方法によれば、半導体多結晶膜の形成工程での成
膜温度を連続的に変化させる構成であるので、半導体多
結晶膜は厚み方向に粒径が連続的に変化しているアレイ
型検出装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の2次元アレイ型検出装置の検出基板の
構成を示す断面図である。
【図2】実施例装置の等価回路を示す電気回路図であ
る。
【図3】実施例装置での検出・読み出しの両基板の合体
状況を示す概略正面図である。
【図4】実施例の装置の検出素子の1個分の構成を示す
断面図である。
【図5】実施例の装置の検出基板に半導体多結晶膜を近
接昇華法により成膜する時の様子を示す模式図である。
【図6】変形例の検出基板の構成を示す断面図である。
【図7】従来の2次元アレイ型検出装置における検出素
子アレイ配列を示す平面図である。
【符号の説明】
1 …検出基板 1a …検出素子 2 …読み出し基板 4 …共通電極 6 …半導体多結晶膜 6a …大粒径多結晶域 6b …小粒径多結晶域 8 …個別電極 10 …コンデンサ 11 …薄膜トランジスタ
フロントページの続き (72)発明者 吉牟田 利典 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所内 Fターム(参考) 5F088 BA01 BA02 BB03 BB07 CB05 CB18 EA04 LA03 LA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共通電極と、検出素子アレイ配列に対応し
    て形成された個別電極との間に、検出対象の放射線また
    は光に感応してキャリアを生成する半導体多結晶膜が設
    けられている検出基板を備えたアレイ型検出装置におい
    て、前記半導体多結晶膜では個別電極の側に粒径が小さ
    い小粒径多結晶域が形成されているとともに、小粒径多
    結晶域からみて共通電極の側に粒径が大きい大粒径多結
    晶域が形成されていることを特徴とするアレイ型検出装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のアレイ型検出装置におい
    て、半導体多結晶膜は厚み方向に粒径が連続的に変化し
    ているアレイ型検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のアレイ型検出装
    置の製造方法であって、検出対象の放射線または光に感
    応してキャリアを生成する半導体多結晶膜の形成工程に
    おいて、成膜温度を高くして粒径が大きい大粒径多結晶
    域を形成する高温成膜過程と、成膜温度を低くして粒径
    が小さい小粒径多結晶域を形成する低温成膜過程を備え
    ていることを特徴とするアレイ型検出装置の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のアレイ型検出装置の製造
    方法において、半導体多結晶膜の形成工程での成膜温度
    を連続的に変化させるようにするアレイ型検出装置の製
    造方法。
JP27854699A 1999-09-30 1999-09-30 アレイ型検出装置、およびその製造方法 Expired - Lifetime JP4092825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27854699A JP4092825B2 (ja) 1999-09-30 1999-09-30 アレイ型検出装置、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27854699A JP4092825B2 (ja) 1999-09-30 1999-09-30 アレイ型検出装置、およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001102602A true JP2001102602A (ja) 2001-04-13
JP4092825B2 JP4092825B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=17598773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27854699A Expired - Lifetime JP4092825B2 (ja) 1999-09-30 1999-09-30 アレイ型検出装置、およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4092825B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008032461A1 (fr) * 2006-09-14 2008-03-20 Shimadzu Corporation Procédé de fabrication d'un détecteur de lumière ou de rayonnement, et détecteur de lumière ou de rayonnement
JP2008153460A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Hamamatsu Photonics Kk 放射線検出器
JP2008153461A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Hamamatsu Photonics Kk 放射線検出器
JP2008153459A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 National Univ Corp Shizuoka Univ 放射線検出器
WO2012004913A1 (ja) * 2010-07-06 2012-01-12 株式会社島津製作所 放射線検出器およびそれを製造する方法
WO2013094099A1 (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 株式会社島津製作所 放射線検出器およびその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06209228A (ja) * 1993-01-12 1994-07-26 Murata Mfg Co Ltd ラダー型フィルタ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008032461A1 (fr) * 2006-09-14 2008-03-20 Shimadzu Corporation Procédé de fabrication d'un détecteur de lumière ou de rayonnement, et détecteur de lumière ou de rayonnement
US7736941B2 (en) 2006-09-14 2010-06-15 Shimadzu Corporation Light or radiation detector manufacturing method
JP2008153460A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Hamamatsu Photonics Kk 放射線検出器
JP2008153461A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Hamamatsu Photonics Kk 放射線検出器
JP2008153459A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 National Univ Corp Shizuoka Univ 放射線検出器
WO2012004913A1 (ja) * 2010-07-06 2012-01-12 株式会社島津製作所 放射線検出器およびそれを製造する方法
WO2013094099A1 (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 株式会社島津製作所 放射線検出器およびその製造方法
JPWO2013094099A1 (ja) * 2011-12-19 2015-04-27 株式会社島津製作所 放射線検出器およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4092825B2 (ja) 2008-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4547760B2 (ja) 放射線検出器および放射線撮像装置
US7736941B2 (en) Light or radiation detector manufacturing method
JP3589954B2 (ja) 電磁波検出器、画像検出器、および電磁波検出器の製造方法
EP2070121B1 (en) High fill-factor sensor with reduced coupling
US7468531B2 (en) Imaging apparatus and radiation imaging apparatus
CN109830563B (zh) 探测面板及其制作方法
US20050158906A1 (en) Radiation detector
JP2002148342A (ja) 放射線撮像装置
JP2004172377A (ja) 放射線検出器及び放射線撮像装置
US6407374B1 (en) Two-dimensional array type detecting device having a common and individual electrodes
JP2013142578A (ja) 放射線検出器
KR100598577B1 (ko) 방사선 검출기
JP2000058808A (ja) 二次元画像検出器
US7420178B2 (en) Radiation detector and radiation imaging device equipped with the same
JP2001068656A (ja) 放射線検出装置
US20080217713A1 (en) Two-dimensional semiconductor detector having mechanically and electrically joined substrates
JP2001102602A (ja) アレイ型検出装置、およびその製造方法
US7476341B2 (en) Process for producing photo-conductor layers for constituting radiation imaging panels
JP3537401B2 (ja) 電磁波撮像装置およびその製造方法
US20100163741A1 (en) Radiation detector
JP3978971B2 (ja) 2次元画像検出器およびその製造方法
JP2001242256A (ja) 放射線検出器およびアレイ型放射線検出器および二次元放射線撮像装置
JP3437461B2 (ja) 二次元画像検出器
JP2014211383A (ja) 放射線検出器
JPH11274452A (ja) 二次元画像検出器およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4092825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140314

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term