JP3437461B2 - 二次元画像検出器 - Google Patents

二次元画像検出器

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JP3437461B2 JP26532598A JP26532598A JP3437461B2 JP 3437461 B2 JP3437461 B2 JP 3437461B2 JP 26532598 A JP26532598 A JP 26532598A JP 26532598 A JP26532598 A JP 26532598A JP 3437461 B2 JP3437461 B2 JP 3437461B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線等の放射線、
可視光、および赤外光等の画像を検出できる二次元画像
検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、放射線の二次元画像検出器と
して、X線を感知して電荷(電子−正孔)を発生する半
導体センサを二次元状に配置し、これらのセンサにそれ
ぞれ電気スイッチを設けて、各行毎に電気スイッチを順
次オンにして各列毎にセンサの電荷を読み出すものが知
られている。このような二次元画像検出器は、例えば、
文献「D.L.Lee,et al.,“A New Digital Detector for
Projection Ragiography",SPIE,2432,pp.237-249,195
5」、「L.S.Jeromin,et al.,“Application of a-Si A
ctive-Matrix Technology in a X-Ray Detector Pane
l",SID 97 DIGEST,pp.91-94,1997 」、および特開平6
−342098号公報等に具体的な構造や原理が記載さ
れている。
【0003】以下、上記従来の放射線二次元画像検出器
の構成と原理について説明する。図10は、上記放射線
二次元画像検出器の構造を模式的に示した図である。ま
た図11は、1画素当たりの構成断面を模式的に示した
図である。
【0004】上記放射線二次元画像検出器は、図10お
よび図11に示すように、ガラス基板51上にXYマト
リクス状の電極配線(ゲート電極52およびソース電極
53)、TFT(薄膜トランジスタ)54、電荷蓄積容
量(Cs)55等が形成されたアクティブマトリクス基
板を備えている。また、上記アクティブマトリクス基板
上には、そのほぼ全面に、光導電膜56、誘電体層57
および上部電極58が形成されている。
【0005】上記電荷蓄積容量55は、Cs電極59
と、上記TFT54のドレイン電極に接続された画素電
極60とが、絶縁膜61を介して対向している構成であ
る。
【0006】上記光導電膜56は、X線等の放射線が照
射されることで電荷が発生する半導体材料が用いられる
が、上記文献によれば、暗抵抗が高く、X線照射に対し
て良好な光導電特性を示すアモルファスセレニウム(a
−Se)が用いられている。上記光導電膜56は、真空
蒸着法によって300〜600μmの厚みで形成されて
いる。
【0007】また、上記アクティブマトリクス基板は、
液晶表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマ
トリクス基板を流用することが可能である。例えば、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置(AMLCD)に用
いられるアクティブマトリクス基板は、アモルファスシ
リコン(a−Si)やポリシリコン(P−Si)によっ
て形成されたTFTや、XYマトリクス電極、電荷蓄積
容量を備えた構造になっている。したがって、若干の設
計変更を行うだけで、放射線二次元画像検出器用のアク
ティブマトリクス基板として利用することが容易であ
る。
【0008】次に、上記構造の放射線二次元画像検出器
の動作原理について説明する。
【0009】上記光導電膜56に放射線が照射される
と、光導電膜56内に電荷が発生する。図10、図11
に示すように、光導電膜56と電荷蓄積容量55は電気
的に直列に接続された構造になっているので、上部電極
58とCs電極59との間に電圧を印加しておくと、光
導電膜56で発生した電荷がそれぞれ+電極側と−電極
側に移動し、その結果、電荷蓄積容量55に電荷が蓄積
される。尚、光導電膜56と電荷蓄積容量55との間に
は、薄い絶縁層からなる電子阻止層62が形成されてお
り、これが一方側からの電荷の注入を阻止する阻止型フ
ォトダイオードの役割を果たしている。
【0010】上記の作用で、電荷蓄積容量55に蓄積さ
れた電荷は、ゲート電極G1、G2、G3、…、Gnの
入力信号によってTFT54をオープン状態にすること
でソース電極S1、S2、S3、…、Snより外部に取
り出すことが可能である。ゲート電極52およびソース
電極53、TFT54、および電荷蓄積容量55等は、
すべてXYマトリクス状に設けられているため、ゲート
電極G1、G2、G3、…、Gnに入力する信号を線順
次に走査することで、二次元的にX線の画像情報を得る
ことが可能となる。
【0011】尚、上記二次元画像検出器は、使用する光
導電膜56がX線等の放射線に対する光導電性だけでな
く、可視光や赤外光に対しても光導電性を示す場合は、
可視光や赤外光の二次元画像検出器としても作用する。
【0012】上記二次元画像検出器では、a−Seが蒸
着法によってアクティブマトリクス基板上に光導電膜5
6として直接成膜された構造になっている。このような
構造の場合、以下のような問題が生じる。
【0013】1.光導電膜56として用いられているa
−Seは、X線に対する感度(S/N比)が十分でない
ため、長時間X線を照射して電荷蓄積容量55を十分に
充電してからでないと情報を読み出すことができない。
そこで、a−Seの代わりに他の半導体材料を光導電膜
56に使用しようとしても、アクティブマトリクス基板
の耐熱性の問題で使用できる半導体材料が制限される。
例えば、a−Seに比べてX線に対する感度向上が期待
できるCdTeやCdZnTeの多結晶膜は、大面積成
膜に適したMOCVD法で成膜すると、400℃以上の
成膜温度が必要になる。これに対して、一般にアクティ
ブマトリクス基板にスイッチング素子として形成される
TFT54は、半導体層に約300℃程度で成膜された
a−Siを用いているため、耐熱温度も約300℃とな
る。したがって、アクティブマトリクス基板上にCdT
eやCdZnTeの多結晶膜を直接成膜することは困難
である。
【0014】2.一般にアクティブマトリクス基板は、
半導体の微細加工プロセス(フォトリソグラフィ)を繰
り返し用いることによって製造されており、当然ながら
プロセスが長くなるほど歩留まりが悪化する。上記構造
の場合、アクティブマトリクス基板上に、更に電子阻止
層62、光導電膜56、誘電体層57、および上部電極
58などを追加形成しているため、この追加プロセスで
不良が発生すると、トータルでの歩留まりが急激に悪化
する。
【0015】そこで、上記2点の問題を解決する手段と
して、アクティブマトリクス基板と、光導電膜を含む対
向基板とを予め別に形成した後、両基板を異方導電材料
で貼り合せて接続する方法が考えられる。尚、この時、
接続材料に異方導電材料を用いることで、アクティブマ
トリクス基板上に多数配置されている画素が、接続面に
対して法線方向にのみ導通を得ることができるため、接
続面内での隣接画素同士の電気的クロストークを防ぐこ
とができる。
【0016】上記の異方導電材料としては、接着剤(バ
インダー樹脂)に導電粒子を分散させたいわゆる異方導
電性接着剤が適当である。異方導電性接着剤に用いる導
電粒子としては、Niなどの金属粒子、Niなどの金属
にAuメッキを施した金属粒子、カーボン粒子、プラス
チック粒子にAu/Niメッキを施した金属膜被覆プラ
スチック粒子、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明
導電粒子、Ni粒子をポリウレタンに混合させた導電粒
子複合プラスチック等が使用でき、接着剤としては、熱
硬化型や、光硬化型、熱可塑型のものが使用できる。
【0017】図12(a)ないし(c)に、異方導電性
接着剤で接着される両基板の導電原理を示す。先ず、図
12(a)に示すように、貼り合わせられる両基板の一
方(ここでは、アクティブマトリクス基板63)に異方
導電性接着剤64を塗布し、図12(b)に示すよう
に、これに他方の基板(ここでは、対向基板65)を貼
り合わせて加圧および加熱して両基板を接着する。この
時、上記両基板に一方または両方に、突起形状を有する
電極(突起電極66)を形成しておき、図12(c)に
示すように、突起電極66の領域に存在する導電粒子6
7のみ上下の電極に接触するようにする。これにより、
上下の基板における電極の導通を得ることができる。ま
た、突起電極66の存在しない領域(すなわち凹部に相
当する領域)は、両基板を貼り合せる際にまき込んだ気
泡や、基板間のギャップを導電粒子67の径以下に狭め
た際に発生する余分な異方導電性接着剤64の逃げ場と
して作用する。
【0018】すなわち、異方導電性接着剤64を用いて
歩留まり良く両基板を接続しようとした場合、少なくと
も一方の基板に突起電極66を形成しておくことが望ま
しい。
【0019】ところで、上記二次元画像検出器の場合、
貼り合わされる両基板(すなわち、アクティブマトリク
ス基板63、および光導電膜56を具備した対向基板6
5)のどちらか一方に突起電極66を形成しようとした
場合、対向基板65側に突起電極66を形成するほうが
現実的である。なぜなら、アクティブマトリクス基板6
3は、前述したように、それ自身が微細加工プロセスの
繰り返しによって形成されたものであり、その基板上に
更に突起電極形成プロセスを付加することは、歩留まり
の観点でリスクが大きくなるためである。
【0020】これに対し、対向基板65は、アクティブ
マトリクス基板63に比べ、構造が簡単で加工プロセス
も単純であるため、突起電極形成プロセスを付加して
も、そのリスクは小さい。対向基板65側に突起電極6
6を形成する方法としては、メッキ法や、スタッドバン
プ法、エッチング法、サンドブラスト法等があり、それ
ぞれ突起電極66の材料に応じて適当な方法を用いると
よい。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な突起電極66が形成された対向基板65と、電極配線
が具備されたアクティブマトリクス基板63とを異方導
電性接着剤64で貼り合せた構造の二次元画像検出器で
は、対向基板65に形成する突起電極66が、アクティ
ブマトリクス基板63上に形成されているマトリクス上
の電極配線に重畳した場合、該電極配線を流れる電気信
号に悪影響を与えるという問題が生じる。
【0022】図13は、対向基板65側の突起電極66
と、アクティブマトリクス基板63側の電極配線(例え
ば、ゲート電極やソース電極)68とが一部で重なった
場合を示す模式図である。尚、アクティブマトリクス基
板63は、対向基板65側と導通を得るための画素電極
以外は、通常、絶縁保護膜69に覆われており、電極配
線68も上記絶縁保護膜69に覆われた形になってい
る。
【0023】この突起電極66と電極配線68との重畳
領域のなかに導電粒子67が存在する場合、導電粒子6
7は突起電極66と同電位になり、その結果、図14に
示すように、突起電極66と電極配線68との間に絶縁
保護膜69を容量とする寄生容量Cが発生する。上記寄
生容量Cの値は非常に小さいものであるが、二次元画像
検出器の場合、受像面積が比較的広く、電極配線68の
長さも数十cmと長いため、電極配線68の1本当りに
発生する寄生容量Cの合計は無視できない程度になる場
合がある。
【0024】上記寄生容量Cは、電極配線68を流れる
電気信号(走査信号やデータ信号)を遅延させると共
に、特に、電極配線68が各画素の電荷蓄積容量55の
電荷を読み出すデータラインの場合、上記寄生容量Cは
データ信号に対するノイズの原因となりうる。
【0025】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、突起電極が形成された対
向基板と、電極配線が具備されたアクティブマトリクス
基板とを異方導電性接着剤で貼り合わせた構造の二次元
画像検出器において、突起電極と電極配線との間におけ
る寄生容量の発生を抑制することができる二次元画像検
出器を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1の二次元画像検
出器は、上記の課題を解決するために、格子状に配列さ
れた電極配線と、各格子点毎に設けられた複数のスイッ
チング素子と、該スイッチング素子を介して上記電極配
線に接続される画素電極を含む電荷蓄積容量とからなる
画素配列層と、上記画素配列層のほぼ全面に対向して形
成される電極部と、上記画素配列層および電極部の間に
形成され、光導電性を有する半導体層とを備えている二
次元画像検出器において、上記画素配列層を含むアクテ
ィブマトリクス基板と、上記電極部および半導体層を含
む対向基板とを備えており、上記アクティブマトリクス
基板の画素配列層と、上記対向基板の半導体層とが対向
するように両基板が配置され、上記両基板は、絶縁性の
接着剤中に導電粒子が分散されてなり画素配列層および
半導体層の対向面の法線方向にのみ導電性を有する異方
導電性接着剤によって接続されていると共に、上記対向
基板には、上記アクティブマトリクス基板との対向面上
に上記アクティブマトリクス基板上の各画素電極と対向
して突起電極が形成され、上記突起電極は、アクティブ
マトリクス基板上の電極配線と重ならない領域に形成さ
れることを特徴としている。
【0027】請求項2の二次元画像検出器は、上記の課
題を解決するために、格子状に配列された電極配線と、
各格子点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該
スイッチング素子を介して上記電極配線に接続される画
素電極を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、上
記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
と、上記画素配列層および電極部の間に形成され、光導
電性を有する半導体層とを備えている二次元画像検出器
において、上記画素配列層を含むアクティブマトリクス
基板と、上記電極部および半導体層を含む対向基板とを
備えており、上記アクティブマトリクス基板の画素配列
層と、上記対向基板の半導体層とが対向するように両基
板が配置され、上記両基板は、絶縁性の接着剤中に導電
粒子が分散されてなり画素配列層および半導体層の対向
面の法線方向にのみ導電性を有する異方導電性接着剤に
よって接続されていると共に、上記対向基板には、上記
アクティブマトリクス基板との対向面上に上記アクティ
ブマトリクス基板上の各画素電極と対向して突起電極が
形成され、上記突起電極は、アクティブマトリクス基板
上のスイッチング素子と重ならない領域に形成されるこ
とを特徴としている。
【0028】上記請求項1および2の構成によれば、貼
り合わせた両基板の基板間に突起電極が存在しない領域
では、異方導電性接着剤に分散されている導電粒子には
外圧がかからず絶縁性接着剤に覆われた状態のままとな
る。
【0029】したがって、上記構成では、電極配線また
はスイッチング素子を覆う絶縁保護膜上に導電粒子が密
着する確率が低減され、このため、絶縁保護膜を介して
導電粒子と電極配線(またはスイッチング素子)との間
に発生する寄生容量を低減することが可能となる。この
結果、導電粒子が含有された異方導電性接着剤を用いて
アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わす構
造の二次元画像検出器において、走査電極やデータ電極
の電気信号の遅延を最小限に留めることができると共
に、データ電極から読み出される電気信号に対するノイ
ズを最小限に留めることが可能となる。
【0030】また、突起電極がスイッチング素子にも重
畳しないことにより、スイッチング素子においても、ス
イッチング性能のバラツキや、データ電極から読み出さ
れる電気信号に対するノイズを最小限に留めることが可
能となる。
【0031】請求項3の二次元画像検出器は、請求項1
または2の構成に加えて、上記突起電極が存在しない領
域におけるアクティブマトリクスと対向基板との基板間
ギャップは、上記異方導電性接着剤に含まれる導電粒子
の直径よりも大きいことを特徴としている。
【0032】上記の構成によれば、突起電極が存在しな
い領域に存在する導電粒子が、対向基板とアクティブマ
トリクス基板との両方に同時に接触することを防止でき
る。これにより、上記導電粒子と電極配線(またはスイ
ッチング素子)との間の寄生容量の発生を防止できる。
【0033】請求項4の二次元画像検出器は、請求項1
ないし3の何れかの構成に加えて、上記突起電極は、ア
クティブマトリクス基板の一つの画素電極に対し、複数
に分割されて形成されていることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、異方導電性接着剤の
余分な接着剤の逃げ場を、画素内においても形成するこ
とができ、両基板の貼り合わせ接続の歩留りを向上させ
ることができる。
【0035】請求項5の二次元画像検出器は、請求項1
または2の構成に加えて、上記電荷 蓄積容量は、Cs電
極と画素電極とが絶縁膜を介して対向している構成であ
り、上記突起電極は、上記Cs電極と重ならない領域に
形成されていることを特徴としている。
【0036】請求項6の二次元画像検出器は、請求項1
または2の構成に加えて、上記半導体層と突起電極との
間に電子阻止層が形成されているとともに、上記電子阻
止層は画素毎に分割して形成されていることを特徴とし
ている。
【0037】上記の構成によれば、電子阻止層の電気抵
抗が比較的低い場合に、電子阻止層を対向基板の全面に
形成することにより電子阻止層を伝わって隣接画素同士
で電気的なクロストークが発生することを防止できる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0039】本実施の形態に係る二次元画像検出器は、
図1に示すように、電荷蓄積容量(Cs)4とスイッチ
ング素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)5とが形
成されたアクティブマトリクス基板1と、突起電極6が
形成された対向基板2とが、異方導電性材料である異方
導電性接着剤3により貼り合わされて構成されている。
尚、ここでの異方導電性材料とは、導電特性に異方性を
有する材料の総称であり、本実施の形態に係る異方導電
性接着剤3は、絶縁性接着剤7に導電粒子8が混合され
てなる。また、上記二次元画像検出器の受像面積を40
cm×50cmとし、アクティブマトリクス基板1上に
形成される画素のピッチは150μmであるとする。
【0040】上記アクティブマトリクス基板1は、図2
および図3に示すように、ガラス基板9上にゲート電極
(走査電極)10およびソース電極(データ電極)11
からなるXYマトリクス状の電極配線や、電荷蓄積容量
4およびTFT5等が形成された構成である。上記電荷
蓄積容量4は、TFT5のドレイン電極に接続される画
素電極12と、Cs電極13とによって形成される。上
記Cs電極13は、ゲート電極10と並行に配置され、
上記画素電極12と共に電荷蓄積容量4を形成するため
に画素電極12と対向する部分において幅広となってい
る。また、上記電極配線、電荷蓄積容量4、およびTF
T5により、特許請求の範囲に記載の画素配列層が構成
される。
【0041】上記ガラス基板9には、無アルカリガラス
基板(例えばコーニング社製#7059や#1737)
を用い、その上にTa等の金属膜からなるゲート電極1
0を形成する。ゲート電極10は、Ta等をスパッタ蒸
着で約3000Å成膜した後、所望の形状にパターニン
グして得られる。この時、同時にCs電極13が形成さ
れる。次に、SiNx やSiOx からなる絶縁膜14
を、CVD法で約3500Å成膜して形成する。上記絶
縁膜14は、上記TFT5のゲート絶縁膜、および電荷
蓄積容量4の電極間の誘電層として作用する。尚、絶縁
膜14としてSiNx やSiOx だけでなく、ゲート電
極10とCs電極13とを陽極酸化した陽極酸化膜を併
用してもよい。
【0042】次に、TFT5のチャネル部となるa−S
i膜(i層)15と、ソース・ドレイン電極とのコンタ
クトを図るa−Si膜(n+ 層)16とを、CVD法で
各々約1000Å、約400Å成膜した後、所望の形状
にパターニングする。次に、TaやAl等の金属膜から
なるソース電極11とドレイン電極(画素電極12にも
兼用)とを形成する。上記ソース電極11および画素電
極12は、上記金属膜をスパッタ蒸着で約3000Å成
膜した後、所望の形状にパターニングすることで得られ
る。
【0043】その後、画素電極12の開口部以外の領域
を絶縁保護する目的で、絶縁保護膜17を形成する。上
記絶縁保護膜17は、SiNx やSiOx の絶縁膜をC
VD法で約6000Å成膜した後、所望の形状にパター
ニングすることで得られる。上記絶縁保護膜17には、
無機の絶縁膜の他に、アクリルやポリイミド等の有機膜
を使用することも可能である。このようにして、アクテ
ィブマトリクス基板1が形成される。
【0044】尚、上記例では、Cs電極13はゲート電
極10と並行になるように形成されているが、ソース電
極11と並行になるように形成してもよい。また、画素
電極12はTFT5のドレイン電極を兼用するように形
成されているが、画素電極12とTFT5のドレイン電
極とを別々に形成してもよい。
【0045】さらに、ここでは、上記アクティブマトリ
クス基板1のTFT素子として、a−Siを用いた逆ス
タガ構造のTFT5を用いたが、これに限定されるもの
ではなく、p−Siを用いてもよいし、スタガ構造にし
てもよい。また、上記アクティブマトリクス基板1は、
液晶表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマ
トリクス基板と同じプロセスで形成することが可能であ
る。
【0046】一方、対向基板2は、ガラスやセラミック
等、X線に対して透過性を有する材料からなる支持基板
上に、上部電極19、光導電性を有する半導体層20、
電子阻止層21、および突起電極6などが形成された構
造である。ここでは、支持基板として、X線および可視
光の両者に対して透過性の優れた、厚みが0.7〜1.
1mmのガラス基板18を用いている。このような基板
であれば、40〜100keVのX線をほとんど透過す
る。
【0047】上記ガラス基板18には、その一方の面の
ほぼ全面に、Au等の金属によって上部電極(電極部)
19が形成される。但し、可視光に対する画像検出器に
用いる場合は、可視光に対して透明なITOを用いて上
部電極19を形成するとよい。次に、この上部電極19
上に光導電性を有する半導体層20を形成する。具体的
には、MOCVD法を用いてCdTeやCdZnTeの
多結晶膜を約0.5mmの厚みで形成する。MOCVD
法は、大面積基板への成膜に適した方法であり、原料で
ある有機カドミウム(ジメチルカドミウム[DMC
d])、有機テルル(ジエチルテルル[DETe]、ジ
イソプロピルテルル[DiPTe])、有機亜鉛(ジエ
チル亜鉛[DEZn]、ジイソプロピル亜鉛[DiPZ
n]、ジメチル亜鉛〔DMZn])を用いて400〜5
00℃の成膜温度で成膜が可能である。尚、MOCVD
法の他には、近接昇華法、ペースト焼成法等を用いて、
CdTe、CdZnTeの多結晶膜を形成することが可
能である。
【0048】さらにその上に、AlOxの薄い絶縁層か
らなる電子阻止層21をほぼ全面に形成した後、メッキ
法、スタッドバンプ法、エッチング法、サンドブラスト
法等を用いて、Au、Cu、In、ハンダ等の金属、あ
るいはそれら金属を積層してなる突起電極6を数μmか
ら数十μmの高さを有するように形成する。また、Cd
TeやCdZnTeからなる半導体層20の表面側の接
続部分に対し、エッチング法、サンドブラスト法によっ
て数μmから数十μmの溝を形成し、該溝部に対応する
凸部を突起電極6としてもよい。
【0049】上述のプロセスによって形成されたアクテ
ィブマトリクス基板1および対向基板2の両基板を、画
素電極12と突起電極6とが各々対向するように向かい
合わせ、その間隙に異方導電性材料を充填し、圧着する
ことで本実施の形態に係る二次元画像検出器が形成され
る。具体的には、アクティブマトリクス基板1上に、異
方導電性接着剤3を塗布又は転写し、気泡をできるだけ
巻き込まないようにして両基板(アクティブマトリクス
基板1と対向基板2)貼り合せる。その後、約20kg
f/cm2 の力で全面をプレスしながら約150℃の温
度で数分の加熱を行うことで、接着が完了する。
【0050】上記異方導電性接着剤3としては、絶縁性
接着剤(バインダー)7に導電粒子8を分散させたもの
を用いる。使用できる導電粒子8としては、Niなどの
金属粒子、Niなどの金属にAuメッキを施した金属粒
子、カーボン粒子、プラスチック粒子にAu/Niメッ
キを施した金属膜被覆プラスチック粒子、ITOなどの
透明導電粒子、Ni粒子をポリウレタンに混合させた導
電粒子複合プラスチック等がある。また、使用できる絶
縁性接着剤7としては、熱硬化型、熱可塑型、光硬化型
のものがある。本実施の形態においては、導電粒子8に
直径10μmの金属膜被覆プラスチック粒子を用い、絶
縁性接着剤7に1014Ωcm以上の比抵抗を有するエポ
キシ系の熱硬化型接着剤を用いた。
【0051】上記二次元画像検出器の1画素当たりの等
価回路図を図5に示し、図4および図5を参照して、上
記二次元画像検出器の動作原理を説明する。
【0052】CdTeやCdZnTeからなる半導体層
20にX線が入射すると、光導電効果により該半導体層
20に電荷(電子−正孔)が発生する。この時、電荷蓄
積容量4と半導体層20とは、画素電極12/異方導電
性接着剤3/突起電極6を介して直列に接続された構造
になっているので、上部電極19とCs電極13との間
に電圧を印加しておくと、半導体層20内で発生した電
荷がそれぞれ+電極側と−電極側に移動し、その結果、
電荷蓄積容量4に電荷が蓄積される。
【0053】尚、半導体層20と突起電極6との間に
は、薄い絶縁層からなる電子阻止層21が形成されてお
り、これが一方側からの電荷の注入を阻止するMIS
(Metal-Insulator-Semiconductor)構造の阻止型フォト
ダイオードの役割を果たす。これにより、X線が入射し
ない時の暗電流の低減に寄与している。すなわち、上部
電極19側に正電圧を印加した場合、電子阻止層21は
突起電極6から半導体層20への電子の注入を阻止する
働きをする。また、半導体層20と上部電極19との間
にも絶縁層を設け、上部電極19から半導体層20への
正孔の注入も阻止し、更なる暗電流低減を図る場合もあ
る。
【0054】上記の作用により、電荷蓄積容量4に蓄積
された電荷は、ゲート電極10の入力信号によってTF
T5をオープン状態にすることでソース電極11より外
部に取り出すことが可能である。ここで、電極配線(ゲ
ート電極10およびソース電極11)、TFT5、電荷
蓄積容量4等は、従来例の図10にも示すように、すべ
てXYマトリクス状に設けられているため、ゲート電極
G1、G2、G3、…、Gnに入力する信号を線順次に
走査することで、二次元的にX線の画像情報を得ること
ができる。このように、基本的な動作原理は、従来例に
示した画像検出器と同様である。
【0055】本実施の形態に斯かる二次元画像検出器で
は、図6に示すように、対向基板2側に形成される突起
電極6の形成領域(図中、斜線ハッチングで示す)が、
アクティブマトリクス基板1側に形成されている電極配
線およびTFT5に重畳しないように設計されている。
【0056】このため、アクティブマトリクス基板1と
対向基板2との貼り合わせ時において、図4に示すよう
に、突起電極6が存在しない領域では、異方導電性接着
剤3に分散されている導電粒子8には外圧がかからず絶
縁性接着剤7に覆われた状態のままであるのに対し、突
起電極6が存在する領域では、導電粒子8が突起電極6
と画素電極12に挟まれて偏平し上下の電極(突起電極
6および画素電極12)を短絡させる。
【0057】したがって、上記二次元画像検出器では、
電極配線上において絶縁保護膜17上に導電粒子8が密
着する確率が低減される。このため、絶縁保護膜17を
介して導電粒子8と電極配線間に発生する寄生容量を低
減することが可能となり、対向基板2の電位の影響を低
減することが可能になる。この結果、導電粒子8が含有
された異方導電性接着剤3を用いてアクティブマトリク
ス基板1と対向基板2とを貼り合わす構造の二次元画像
検出器において、ゲート電極10やソース電極11の電
気信号の遅延を最小限に留めることができると共に、ソ
ース電極11から読み出される電気信号に対するノイズ
を最小限に留めることが可能となる。
【0058】また、上記二次元画像検出器では、突起電
極6は、電極配線だけでなくTFT5(スイッチング素
子)にも重畳しない。したがって、TFT5において
も、対向基板2の電位の影響を低減でき、スイッチング
性能のバラツキや、ソース電極11から読み出される電
気信号に対するノイズを最小限に留めることが可能とな
る。
【0059】さらに、上記二次元画像検出器では、Cs
電極13の上に突起電極6が重畳して形成されている。
これは、上記Cs電極13と突起電極6との間には画素
電極12が存在しており、Cs電極13上に導電粒子8
が存在しても該Cs電極13と導電粒子8との間には寄
生容量が発生しないためである。しかしながら、上記C
s電極13の段差(凸部)によって、画素電極12と突
起電極6との間の接続性(導通性)が低下する場合に
は、上記突起電極6をCs電極13と重ならない領域に
形成してもよい。
【0060】尚、上述の効果を得るためには、突起電極
6が存在しない領域の基板ギャップg(アクティブマト
リクス基板1と対向基板2の間隙)が前記異方導電性接
着剤3に含まれる導電粒子8の直径より大きくなるよう
に、上記突起電極6の段差(高さ)を設計する必要があ
る、例えば、10μm径の導電粒子8を用いる場合、突
起電極6と画素電極12とに挟まれて導電粒子8が偏平
している部分(導通部分)において、異方導電性接着剤
3の厚みを6μmとすると、突起電極6の段差(高さ)
は4μmより大きく設計される必要がある。
【0061】本実施の形態では、突起電極6の段差を2
0μmとし、突起電極6が存在しない領域の基板ギャッ
プgが26μmとなるように設定したところ、突起電極
6が存在しない領域では導電粒子8の偏平は見られず、
導電粒子8による寄生容量の増加も見られなかった。ま
た、導電粒子8を介しての隣接画素同士の絶縁不良も見
られなかった。
【0062】上記図4に示した構造の二次元画像検出器
では、AlOx等の薄い絶縁層によって電子阻止層21
を形成し、上部電極19、電子阻止層21、および半導
体層20によって阻止型フォトダイオードを形成してい
る例を示したが、電子阻止層としては、絶縁層以外に、
p型やn型のドーピング層、ショットキー電極、または
ワイドギャップ半導体などを用いることもできる。これ
らの電子阻止層は、それぞれpin接合型、ショットキ
ー接合型、またはヘテロ接合型のフォトダイオードを形
成することができるため、逆バイアス印加時に上部電極
19から半導体層20への電荷注入を阻止することがで
き、暗電流を低減することができる。
【0063】但し、これらの電子阻止層は、絶縁層から
なる電子阻止層21と異なり、電気抵抗が比較的低い場
合が多い。したがって、このような電子阻止層を対向基
板2の全面に形成してしまうと、電子阻止層を伝わって
隣接画素同士で電気的なクロストークが発生しやすくな
る。したがってこの場合は、必要に応じて電子阻止層を
画素毎に分割し、図7に示すような電子阻止層22とし
て形成するとよい。
【0064】尚、この場合、分割された電子阻止層22
は、アクティブマトリクス基板1側の電極配線やTFT
5と重畳しても構わないが、その上に形成される突起電
極6は、図4に示す二次元画像検出器と同様に、電極配
線やTFT5と重畳しないようにする必要がある。
【0065】また、上部電極19に負電圧を印加して駆
動する場合は、電子阻止層21(または22)の代わり
に正孔阻止層を設けるとよい。すなわち、印加電圧の極
性に応じて電子/正孔阻止層を使い分けるとよい。
【0066】また、上記図4に示した二次元画像検出器
では、アクティブマトリクス基板1上でゲート電極10
とCs電極13とを別々に形成しているが、図8に示す
ように、ゲート電極23にCs電極の役割を兼用させて
もよい。
【0067】また、上記図4に示した二次元画像検出器
では、1つの画素電極12に対応して1つの突起電極6
が設けられているが、アクティブマトリクス基板1と対
向基板2との貼り合わせ時において、図9に示すよう
に、1つの画素電極12に対して分割された複数の突起
電極24を設けてもよい。すなわち、異方導電性接着剤
3の塗布量が多過ぎる場合、余分な接着剤の存在により
両基板の近接が妨げられ、導電粒子8と電極(画素電極
12または突起電極6)との接触を妨げる虞があるが、
画素内で突起電極6を分割し意図的に溝部を形成するこ
とによって、異方導電性接着剤3の逃げ部をより多く確
保でき接続性の向上が図れる。これにより、上記アクテ
ィブマトリクス基板1および対向基板2の両基板の貼り
合わせ時における歩留りを向上させることが可能とな
る。
【0068】さらに、本実施の形態に係る二次元画像検
出器では、アクティブマトリクス基板1で用いられるス
イッチング素子としてTFT5を使用しているが、これ
以外にも、MIM(Metal-Insulator-Metal) 、バリスタ
等の二端子素子や、ダイオードリング、バックツーバッ
クダイオード等のダイオードを組み合わせたスイッチン
グ素子等を使用することができる。
【0069】また、本実施の形態に係る二次元画像検出
器では、半導体層(光導電膜)20としてX線の感度に
優れているCdTeやCdZnTeの多結晶膜を用いた
構造の例を示したが、本発明はこれに限定されるもので
は無い。例えば、a−Seやa−Si等、他の半導体材
料を光導電膜として使用することも可能である。また対
向基板2は、CdTeやCdZnTeの単結晶基板や多
結晶基板を支持基板として用い、支持基板と光導電膜と
を兼用させた構造であっても構わない。更に対向基板2
側において、半導体層20に代えて、X線を可視光に変
化する変換層(例えばCsI)と可視光フォトセンサー
とを組み合わせた構造としてもよい。
【0070】また、本実施の形態に係る二次元画像検出
器では、主にX線(放射線)に対する二次元画像検出器
の場合について説明してきたが、使用する半導体材料が
X線等の放射線だけでなく、可視光や赤外光に対しても
光導電性を有する場合は、可視光や赤外光の二次元画像
検出器として使用することも可能である。ただし、この
場合、半導体層20から見て光の入射側に配置される上
部電極19として、ITO等からなる可視光や赤外光を
透過する透明電極を用いる。また、半導体層20の厚み
も、可視光、赤外光の吸収効率に応じて最適化すること
が望ましい。
【0071】
【発明の効果】請求項1の発明の二次元画像検出器は、
以上のように、上記画素配列層を含むアクティブマトリ
クス基板と、上記電極部および半導体層を含む対向基板
とを備えており、上記アクティブマトリクス基板の画素
配列層と、上記対向基板の半導体層とが対向するように
両基板が配置され、上記両基板は、絶縁性の接着剤中に
導電粒子が分散されてなり画素配列層および半導体層の
対向面の法線方向にのみ導電性を有する異方導電性接着
剤によって接続されていると共に、上記対向基板には、
上記アクティブマトリクス基板との対向面上に上記アク
ティブマトリクス基板上の各画素電極と対向して突起電
極が形成され、上記突起電極は、アクティブマトリクス
基板上の電極配線と重ならない領域に形成される構成で
ある。
【0072】請求項2の発明の二次元画像検出器は、以
上のように、上記画素配列層を含むアクティブマトリク
ス基板と、上記電極部および半導体層を含む対向基板と
を備えており、上記アクティブマトリクス基板の画素配
列層と、上記対向基板の半導体層とが対向するように両
基板が配置され、上記両基板は、絶縁性の接着剤中に導
電粒子が分散されてなり画素配列層および半導体層の対
向面の法線方向にのみ導電性を有する異方導電性接着剤
によって接続されていると共に、上記対向基板には、上
記アクティブマトリクス基板との対向面上に上記アクテ
ィブマトリクス基板上の各画素電極と対向して突起電極
が形成され、上記突起電極は、アクティブマトリクス基
板上のスイッチング素子と重ならない領域に形成される
構成である。
【0073】それゆえ、導電粒子が含有された異方導電
性接着剤を用いてアクティブマトリクス基板と対向基板
とを貼り合わす構造の二次元画像検出器において、電極
配線の電気信号の遅延を最小限に留めることができると
共に、データ電極から読み出される電気信号に対するノ
イズを最小限に留めることができるという効果を奏す
る。
【0074】また、スイッチング素子においても、スイ
ッチング性能のバラツキや、データ電極から読み出され
る電気信号に対するノイズを最小限に留めることができ
るという効果を奏する。
【0075】請求項3の発明の二次元画像検出器は、以
上のように、請求項1または2の構成に加えて、上記突
起電極が存在しない領域におけるアクティブマトリクス
と対向基板との基板間ギャップは、上記異方導電性接着
剤に含まれる導電粒子の直径よりも大きい構成である。
【0076】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、突起電極が存在しない領域に存在する導
電粒子が、対向基板とアクティブマトリクス基板との両
方に同時に接触することを防止でき、上記導電粒子と電
極配線(またはスイッチング素子)との間の寄生容量の
発生を防止することができるという効果を奏する。
【0077】請求項4の発明の二次元画像検出器は、以
上のように、請求項1ないし3の何れかの構成に加え
て、上記突起電極は、アクティブマトリクス基板の一つ
の画素電極に対し、複数に分割されて形成されている構
成である。
【0078】それゆえ、請求項1ないし3の何れかの構
成による効果に加えて、異方導電性接着剤の余分な接着
剤の逃げ場を、画素内においても形成することができ、
両基板の貼り合わせ接続の歩留りを向上させることがで
きるという効果を奏する。
【0079】請求項5の二次元画像検出器は、以上のよ
うに、請求項1または2の構成に加えて、上記電荷蓄積
容量は、Cs電極と画素電極とが絶縁膜を介して対向し
ている構成であり、上記突起電極は、上記Cs電極と重
ならない領域に形成されている構成である。
【0080】請求項6の二次元画像検出器は、以上のよ
うに、請求項1または2の構成に加えて、上記半導体層
と突起電極との間に電子阻止層が形成されているととも
に、上記電子阻止層は画素毎に分割して形成されている
構成である。
【0081】それゆえ、電子阻止層の電気抵抗が比較的
低い場合に、電子阻止層を対向基板の全面に形成するこ
とにより電子阻止層を伝わって隣接画素同士で電気的な
クロ ストークが発生することを防止できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、二次元
画像検出器の概略構成を示す断面図である。
【図2】上記二次元画像検出器に用いられるアクティブ
マトリクス基板の平面図である。
【図3】上記アクティブマトリクス基板上に形成されて
いるスイッチング素子(TFT)の構成を示す断面図で
ある。
【図4】図6に示すアクティブマトリクス基板のA−A
断面図である。
【図5】図1に示す二次元画像検出器の1画素当たりの
等価回路を示す回路図である。
【図6】図2に示すアクティブマトリクス基板側の電極
配線(ゲート電極及びデータ電極)と、対向基板側の突
起電極との位置関係を示す平面図である。
【図7】本発明に係る二次元画像検出器の他の構造例を
示すものであり、対向基板の電子阻止層と突起電極との
組み合わせの一例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る二次元画像検出器の他の構造例を
示すものであり、アクティブマトリクス基板の電極配線
と突起電極との位置関係の一例を示す平面図である。
【図9】本発明に係る二次元画像検出器の他の構造例を
示すものであり、アクティブマトリクス基板の画素電極
と突起電極との位置関係の一例を示す平面図である。
【図10】従来の二次元画像検出器の構成を示す斜視図
である。
【図11】従来の二次元画像検出器の1画素当たりの構
成を示す断面図である。
【図12】図12(a)ないし(c)は、異方導電性接
着剤を用いた基板の貼り合わせ工程、および上記異方導
電性接着剤の異方導電原理を示す説明図である。
【図13】アクティブマトリクス基板および対向基板を
異方導電性接着剤で貼り合わせた構成の二次元画像検出
器において、対向基板側の突起電極とアクティブマトリ
クス基板側の電極配線とが重なった状態を示す断面図で
ある。
【図14】図13に示す二次元画像検出器において、対
向基板側の突起電極とアクティブマトリクス基板側の電
極配線との重畳部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 アクティブマトリクス基板 2 対向基板 3 異方導電性接着剤 4 電荷蓄積容量 5 TFT(スイッチング素子) 6・24 突起電極 7 絶縁性接着剤 8 導電粒子 10・23 ゲート電極(電極配線) 11 ソース電極(電極配線) 12 画素電極 13 Cs電極 19 上部電極(電極部) 20 半導体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 1/00 - 1/60 H01L 27/146 H01L 29/78

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】格子状に配列された電極配線と、各格子点
    毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイッチ
    ング素子を介して上記電極配線に接続される画素電極を
    含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、 上記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
    と、 上記画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性
    を有する半導体層とを備えている二次元画像検出器にお
    いて、 上記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板と、 上記電極部および半導体層を含む対向基板とを備えてお
    り、 上記アクティブマトリクス基板の画素配列層と、上記対
    向基板の半導体層とが対向するように両基板が配置さ
    れ、上記両基板は、絶縁性の接着剤中に導電粒子が分散
    されてなり画素配列層および半導体層の対向面の法線方
    向にのみ導電性を有する異方導電性接着剤によって接続
    されていると共に、 上記対向基板には、上記アクティブマトリクス基板との
    対向面上に上記アクティブマトリクス基板上の各画素電
    極と対向して突起電極が形成され、上記突起電極は、ア
    クティブマトリクス基板上の電極配線と重ならない領域
    に形成されることを特徴とする二次元画像検出器。
  2. 【請求項2】格子状に配列された電極配線と、各格子点
    毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイッチ
    ング素子を介して上記電極配線に接続される画素電極を
    含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、 上記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
    と、 上記画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性
    を有する半導体層とを備えている二次元画像検出器にお
    いて、 上記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板と、 上記電極部および半導体層を含む対向基板とを備えてお
    り、 上記アクティブマトリクス基板の画素配列層と、上記対
    向基板の半導体層とが対向するように両基板が配置さ
    れ、上記両基板は、絶縁性の接着剤中に導電粒子が分散
    されてなり画素配列層および半導体層の対向面の法線方
    向にのみ導電性を有する異方導電性接着剤によって接続
    されていると共に、 上記対向基板には、上記アクティブマトリクス基板との
    対向面上に上記アクティブマトリクス基板上の各画素電
    極と対向して突起電極が形成され、上記突起電極は、ア
    クティブマトリクス基板上のスイッチング素子と重なら
    ない領域に形成されることを特徴とする二次元画像検出
    器。
  3. 【請求項3】上記突起電極が存在しない領域におけるア
    クティブマトリクスと対向基板との基板間ギャップは、
    上記異方導電性接着剤に含まれる導電粒子の直径よりも
    大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の二次
    元画像検出器。
  4. 【請求項4】上記突起電極は、アクティブマトリクス基
    板の一つの画素電極に対し、複数に分割されて形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記
    載の二次元画像検出器。
  5. 【請求項5】上記電荷蓄積容量は、Cs電極と画素電極
    とが絶縁膜を介して対向している構成であり、上記突起
    電極は、上記Cs電極と重ならない領域に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の二次元画
    像検出器。
  6. 【請求項6】上記半導体層と突起電極との間に電子阻止
    層が形成されているとともに、上記電子阻止層は画素毎
    に分割して形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の二次元画像検出器。
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