JPH07169931A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH07169931A
JPH07169931A JP5316271A JP31627193A JPH07169931A JP H07169931 A JPH07169931 A JP H07169931A JP 5316271 A JP5316271 A JP 5316271A JP 31627193 A JP31627193 A JP 31627193A JP H07169931 A JPH07169931 A JP H07169931A
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Japan
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electronic device
semiconductor layer
semiconductor
semiconductor device
porous
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Application number
JP5316271A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Tsuji
和隆 辻
Kenji Samejima
賢二 鮫島
Yasushi Nakano
泰 中野
Tatsuo Makishima
達男 牧島
Tetsuya Oshima
徹也 大島
Setsu Kubota
節 久保田
Tsutomu Kato
務 加藤
Hirotaka Maruyama
裕孝 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】別々のプロセスで作製された二つ以上の電子装
置部が電気的に接続されて一体化した構造の半導体装置
において、簡単な構造と作製法で良好な接合特性を得
る。 【構成】例えば撮像装置の光電変換部となる第1の電子
装置部101と、走査回路部となる第2の電子装置部1
03とを、多孔質または微粒子状の半導体層105を介
して電気的に接続した構造とする。接続方法としては、
接合部を構成する半導体層105を、これら何れか一方
の電子装置部の接続面上に形成しておき、相互の接続面
を対向させ押圧して圧着すれば良い。なお、多孔質また
は微粒子状の半導体層105としては、押圧により形状
変形を伴う、例えばSb2Te3、Sb23、Sb2
3、As23、As2Se3等のカルコゲン化合物を主
体とする半導体層が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子装置部分がその機
能に応じて二つ以上の部分に分割され、これらの接続部
同士を相互に電気的に接続した構造の半導体装置に係わ
るもので、特に、予め別々に作製された電子装置部分を
相互に接合するハイブリッド型半導体装置に有効な接合
部を備えた半導体装置及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】二つ以上の異なる電子装置部分が所定の
位置で電気的に接続された構造を有する半導体装置とし
ては大きく二つに分類できる。その一つは、一方の電子
装置部分上に直接又はバッファー層を介して他方の電子
装置部分を積層形成したいわゆる積層型であり、他の一
つは、予め別々に形成された二つの電子装置部分を相互
の接続部で接合したハイブリッド型である。
【0003】一例として、入射光を信号電荷に変換する
光電変換部と信号電荷を順次読み取る走査回路部の二つ
の部分を有する撮像装置の場合について、以下、図7及
び図8にしたがって説明する。図7は、積層型の要部断
面構造を示したものであり、走査回路上に光導電性薄膜
を積層した撮像装置における1画素部分の基本構造を示
している。透明電極701を透過した入射光702によ
って光導電膜703中で電子・正孔対(図示せず)が発
生し、透明電極701と画素電極704の間に印加した
電界によって電子または正孔が画素電極まで光導電膜中
を走行して蓄積される。各画素には、ソース705、ド
レイン706及びゲート707より成るMOS型半導体
スイッチが設けられており、これを所定のタイミングで
ON/OFFすることによって蓄積された信号電荷が順
次出力線708に読み出される。なお、図7において7
09はSi基板、710及び711は絶縁層である。光
導電膜703には、光導電性が良くて暗抵抗が高く、膜
の形成が容易なことから、水素を含有する非晶質Siや
Seを主体とする非晶質半導体(a−Se)等が用いら
れ、必要に応じて、透明電極701と光導電膜703と
の間や画素電極704と光導電膜703との間に、これ
ら電極から光導電膜に電荷が注入されるのを阻止するた
めの電荷注入阻止層が設けられる。また、走査回路とし
ては、MOS型半導体スイッチと信号線より成るMOS
型の他、信号電荷をCCDによって転送して外部回路に
読み出すCCD型のものも知られている。このような積
層型固体撮像素子は、光導電膜を有する光電変換部と、
半導体基板上に形成された走査回路部とを組み合せた構
造であることから、電子ビーム走査で信号を読み取る撮
像管に比べて素子の小型化が可能であり、耐久性や操作
性に優れるという特長を有している。また、光電変換部
が走査回路上の全面に設けられているので開口率がほぼ
100%であり、半導体基板上の各画素ごとに設けられ
たフォトダイオードとこれと同一面内に形成された信号
走査部とを有する非積層型の固体撮像素子に比べて光利
用率が高いという特長を有している。なお、この種の技
術に関連するものとしては、例えば光導電膜積層型固体
撮像素子とも呼ばれるもので、特公昭59-26154
号公報が挙げられる。
【0004】ところで、光電変換に光導電膜を用いる撮
像装置においては、通常良好な光応答特性を実現するた
め、光導電膜に対して、電荷の注入を阻止するような接
触を有する電極を用いる構造が採用されている。そのた
め、一般には入射光によって生成されたキャリア数以上
の信号電荷を取り出すことができず光電変換の利得は1
以下であるが、Seを主体とする非晶質光導電膜に高電
界を印加し、膜中でのアバランシェ現象を利用して信号
増幅を行う方式の撮像管は、光電変換の利得が10を超
えるような高感度性と良好な光応答特性を有している。
この種の関連技術として、例えば特開昭63-3045
51号公報が挙げられる。
【0005】次に、ハイブリッド型の例として、予め別
々の基板上に形成された光電変換部と走査回路部とを画
素ごとに導電性のマイクロバンプで接合した赤外線撮像
装置について図8を用いて説明する。本撮像装置は、図
8(a)の要部破断斜視図に示すように、赤外線801
の入射によって信号電荷を発生する光電変換部802
と、信号電荷を読み取るCCD走査回路部803とをマ
イクロバンプ804によって画素ごとに接続した構造と
なっている。図8(b)はその部分拡大図である。光電
変換部802は、サファイア基板805上にCdTe結
晶806とp型HgCdTe結晶807を形成した後、
イオン打ち込みによって、同一平面上に分離されたn型
HgCdTe領域808が形成されている。各画素に形
成されたフォトダイオード上には第1の画素電極809
とマイクロバンプ804とが形成される。一方、光電変
換部802とは別に作製された走査回路部803はSi
基板上に通常の半導体プロセスによって形成されたCC
Dより成っており、その表面には第2の画素電極810
が形成されている。本従来例の撮像装置は、以上のよう
にして形成された、マイクロバンプ804を有する光電
変換部802と走査回路部803とを圧着して、上記第
1、第2の画素電極を各画素ごとにマイクロバンプによ
って電気的に接続することによって得られる。図8にお
いて、811は絶縁層である。本従来技術例の場合、光
電変換部と走査回路基板部とを、それぞれ別個のプロセ
スで製作することが可能なので、各々の部分を最良の条
件で製作できるという特長を有している。なお、一般
に、マイクロバンプの製作には、既知のいくつかの方法
があり、メッキ法によるもの、フォトリソグラフィー法
によるもの等があるが、何れにしても各々の電極上に、
高さ数μmから数10μmのバンプ(突起電極)を形成
するのが一般的である。また、導電性粒子を接着剤に混
ぜてペ−スト状にしたもの、例えばAgまたはAg-P
dペ−ストを読み出し電極上に印刷するもの、Au、I
n単体あるいはIn合金など展性、密着性のよい金属を
読み出し電極上に柱状、あるいは円錐状に形成させるも
の、および導電性ペ−ストと併用するもの等が知られて
いる。なお、この種のマイクロバンプで二つの機能部を
接続するものとしては、例えば、特開昭60-2242
65号公報が挙げられる。
【0006】以上のように、二つ以上の異なる電子装置
部分が所定の位置で電気的に接続された構造を有する半
導体装置では、機能が異なる複数の部分を一体化するこ
とによって、その両方の機能を有する小型の装置が得ら
れる。そして、撮像装置の例を用いて詳しく述べたよう
に、一方の部分上に他方の部分を形成した積層型のもの
と、別々に形成された二つの部分を接合したハイブリッ
ド型のものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術で説明
した半導体装置において、積層型の場合には、それぞれ
の部分の構造や作製法に単独で形成する場合と異なる新
たな制約が生じるという問題点がある。例えば、図7で
説明した上述の光導電膜積層型固体撮像素子の場合、良
好な光応答特性を有する撮像装置を得るためには、画素
電極704から光導電膜703への暗電流の注入を阻止
した構造にする必要があるが、一般に、暗電流阻止特性
は用いる電極材料に依存するため、画素電極704の材
料やその形成法を暗電流阻止構造の面から選択する必要
がある。また、走査回路の表面は出来るだけ平滑にする
ことが望ましく、そのために、走査回路の構造や、材
料、作製法に種々の制約が生じる。これらの走査回路作
製上の制約は、半導体プロセスの面からは、必ずしも望
ましくない場合が多く、素子作製のプロセスが複雑にな
ったり、製作歩留りが低下するという問題がある。
【0008】一方、光電変換部である光導電膜について
も、例えば光導電型撮像管のように平滑なガラス基板上
に光導電膜を形成する場合と異なり、下地がSi基板に
複雑なプロセスを経て形成された走査回路であり、表面
平滑化を充分に行なうことが極めて難しいことから暗電
流阻止構造を強化する必要がある。これは、例えば図7
に示したように、画素電極704自身や画素電極の境界
部に凹凸が存在するため、光導電膜の下地の凹凸に起因
する局所的な電界集中によって暗電流が増大したり、画
面に白点上の欠陥が発生し易いという問題が生じるから
である。特に、光導電膜中でのアバランシェ増倍現象を
用いて高い感度を得ようとする場合は、光導電膜に強い
電界を印加する必要があるため、電界の非一様性による
局所的暗電流注入やアバランシェブレークダウンが発生
し易くなる。
【0009】また、光導電膜703上に良質な透光性電
極701を形成することが難しいという問題も生じる。
透光性電極としては、一般にIn、Sn、Zn等の酸化
物が用いられ、スパッタリングやCVD法、蒸着等によ
って形成するが、良好な光透過率と導電性を得るために
基板を加熱して成膜する場合が多い。光導電型撮像管の
場合には、ガラス基板上に透光性電極を形成するためこ
のような基板加熱を容易に行なうことができるが、積層
型撮像素子では走査回路上に光導電膜を形成した後にそ
の上から透光性導電膜を形成するためガラス基板の場合
のように加熱することができない。例えば、光導電膜7
03として水素化非晶質Siを用いた場合、約200℃
以上では膜中の水素が脱離して光導電膜の膜質が劣化し
てしまう。また、非晶質Se系の光導電膜を用いる場合
には、約40℃にガラス転移温度、約80℃に結晶化温
度があり、実質的にほとんど加熱することが不可能であ
る。しかも、非晶質Se系材料を用いた場合には、温度
を室温付近に保持したまま透光性電極を形成しても、比
較的構造が柔軟な非晶質Se系薄膜の上に構造が強固な
酸化物を堆積するために、膜の変形が起こり易いという
問題もある。なお、光導電膜と透光性電極との間には電
極からの電荷注入を阻止するために電荷注入阻止層を設
ける場合が多いが、光導電膜上にそのような電荷注入阻
止層を形成する場合にも同様の問題がある。
【0010】次に、それぞれの部分を別々に作製してマ
イクロバンプによって接合するハイブリッド型の場合に
は、それぞれの部分に対する上記のような制約はほとん
どないが、接合するためのマイクロバンプの形成プロセ
スが複雑であり多数のバンプ電極の形状を揃えて作製す
ることが困難であることや、接合されるそれぞれの部分
に電極を形成する必要があり、多数の電極どうしをマイ
クロバンプを介して接続するための精密な位置合わせが
必要であるという問題がある。
【0011】例えば第2の従来技術例であるハイブリッ
ド型撮像装置の場合、図8で説明したように、光電変換
部802と走査回路部803との両方に対して各画素ご
とに電極を形成し、少なくとも一方の電極上にマイクロ
バンプ804を形成する必要があり、複雑な作製方法を
必要とする。また、形成された多数のバンプの形状にバ
ラつきがあるために、全ての電極を良好で均一な電気的
特性を持って接合することが困難であるという問題も有
る。
【0012】以上のように、二つ以上の異なる電子装置
部分が所定の位置で電気的に接続された構造を有する半
導体装置の従来技術においては、一方の電子装置部分上
に他方の電子装置部分を形成した積層型のものでは、そ
れぞれの部分の構造や作製法に関して単独の場合と異な
る新たな制約が生じるという問題点があり、別々に形成
された二つの部分をマイクロバンプによって接合したハ
イブリッド型のものでは、接合部の構造や作製法が複雑
であり、精密な位置合わせが必要であるという問題点が
ある。
【0013】したがって、本発明の目的は、上記従来の
問題点を解消することにあり、第1の目的は、改良され
た接合部を有する半導体装置を、第2の目的はそれを実
現する改良された半導体装置の製造方法を、それぞれ提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記本発明の第1の目的
は、少なくとも第1の機能を有する電子装置部と、第2
の機能を有する電子装置部との電気的接続部を相対向、
接続して成る半導体装置であって、前記相対向する電気
的接続部間に多孔質状もしくは微粒子状の半導体層を介
挿し、電気的接続部を押圧することにより断面圧縮さ
れ、緻密化された半導体層を介して複数の電子装置部間
を電気的に接続して成る半導体装置により、達成され
る。
【0015】多孔質状もしくは微粒子状の半導体層とし
ては、電極等の剛体で押圧することにより、形状変化を
きたし或る程度の深さまでめり込み、押圧部の組織が緻
密化して抵抗変化する半導体層が好ましい。このような
材料としては、例えばTe、Seの如きカルコゲン元素
単体、カルコゲン化合物、シリコン及びゲルマニウムの
群から選択される少なくとも1種の半導体層で構成する
ことが望ましい。カルコゲン化合物としては、Si、G
e、As、Sb及びBiの群から選択される少なくとも
1種の元素のカルコゲン化合物が好ましい材料として挙
げられる。また、カルコゲン化合物の中でもとりわけ実
用的で好ましいものとして、Sb2Te3、Sb23、S
2Se3、As23及びAs2Se3の群から選択される
少なくとも1種の材料が挙げられる。
【0016】以下、図1を用いて本発明による半導体装
置の基本構成について具体的に説明する。同図におい
て、撮像装置を例にとれば101は光電変換部に相当す
る第1の電子装置部分、102は第1の電極であり、1
03は走査回路部に相当する第2の電子装置部分、10
4は第2の電極である。第1の電子装置部分101と第
2の電子装置部分103は、それぞれに形成された第1
及び第2の電極102、104の部分で多孔質状もしく
は微粒子状の半導体層105によって電気的に接続され
ている。
【0017】本発明の半導体装置を作製するに当って
は、第1の電子装置部分101とその表面に形成された
第1の電極102の上に、多孔質状もしくは微粒子状の
半導体層105を形成しておき、別途作製された第2の
電子装置部分103とその表面に形成された第2の電極
104とに適当な外圧を加えて圧着(圧接)すればよ
い。なお、ここでは表現を簡略化するために、「多孔質
状もしくは微粒子状の半導体層」を以下、単に「多孔質
半導体層」と略称する。多孔質半導体層105は、導電
体や通常の半導体に比べて一般に高抵抗であるが発明者
らが種々の材料、条件で実験、検討した結果、多孔質半
導体層の材料と形状(多孔質度または粒径や充填率)に
応じて適当な厚さにすれば、二つの電子装置部分の電気
的接触が充分に行なわれることが判った。また、第1の
電極同士や第2の電極同士のリークはそれぞれの電極の
ピッチが第1と第2の電極間の距離と同程度以上であれ
ば問題にならない量に抑えることができる。これは、第
1の電子装置部分と第2の電子装置部分を圧着する際
に、当初ほぼ均一な厚さを有していた多孔質半導体層が
特に電極部分で圧縮されるために、第1、第2の電極間
の導電率が他に比べて高くなる効果によると考えられ
る。なお、この多孔質半導体層の多孔質度または粒径を
充填率で表示すると、実用的に好ましい充填率は20〜
80%である。
【0018】さて、図1に基本構造を示した本発明によ
れば、第1の電子装置部分と第2の電子装置部分はそれ
ぞれ別々に作製されるので、上述の図7で説明した第1
の従来技術例である積層型の半導体装置と異なり、それ
ぞれの部分の構造や作製法に対して他の部分との接合型
半導体装置であるために特別な制約はなく、最適の材料
や構造及び作製法を採用することができる。また、接合
のために用いる多孔質半導体層は、必ずしも電極領域ご
とに分離して形成しなくても上述のように横方向のリー
クが小さい状態で第1、第2の部分の電気的接触をとる
ことができることから、図8で説明したマイクロバンプ
を用いたハイブリッド型半導体装置に比べて構造及び作
製法が非常に簡単になる。図1では第1、第2の電子装
置部分の両方に複数の電極群を形成してあるが、これら
の電極は必ずしも両方に形成する必要がなく、一方は平
坦で個別の電極がなく他方には多数の電極が形成されて
いる場合、両方共に平坦で個別の電極が形成されていな
い場合とがある。これらの場合には、特に構造が簡単で
あるばかりでなく、対応する電極同士が対向するように
精密な位置合わせを行なう必要がないので作製法も大幅
に簡単化される。逆に、必要に応じて多孔質半導体層を
分離して形成してもよい。また、多孔質半導体は圧縮に
よってその多孔質度を変化させることができるので、上
述の様に横方向に比べて電極部分の縦方向の導電率が高
くなる効果や、電極の形状や大きさの不均一を吸収して
全体にわたって良好で均一な電気的接触が得られるとい
う効果もある。
【0019】また、上記本発明の第2の目的は、少なく
とも第1の機能を有する電子装置部と、第2の機能を有
する電子装置部との電気的接続面を互いに対向させて、
電気的に接続する工程を有して成る半導体装置の製造方
法であって、前記相対向する電気的接続面の少なくとも
一方の接続面上に多孔質半導体層を形成する工程と、他
方の接続面を前記半導体層側に押圧し、断面圧縮により
緻密化された半導体層を介して複数の電子装置部間を電
気的に接続する工程とを有して成る半導体装置の製造方
法により、達成される。すなわち、第1又は第2の電子
装置部分のどちらか一方に多孔質半導体層を形成して、
他方と圧着(押圧)してもよいが、第1、第2の電子装
置部分の両方に多孔質半導体層を形成してから接合して
もよく、多孔質半導体を形成してない二つの部分に、例
えば何等かの支持層の両面に貫通して形成された多孔質
半導体層を挟んで接合させてもよい。この接合において
重要なのは、両者の接続面間に介在する多孔質半導体層
を押圧して或る程度断面縮小させ、接続部における孔質
半導体層の組織を緻密化することである。なお、この種
の多孔質半導体層は、蒸着もしくはスパッタリング成膜
工程にて容易に形成することができる。ただし、押圧に
より或る程度断面縮小して形状変形可能な膜とするに
は、成膜雰囲気中の圧力制御が必要であり、余りにも低
圧過ぎると緻密な膜質となり目的とする多孔質とはなら
ず、また、高過ぎると成膜できないことから、実用的に
は1×10~4〜10Torr、さらに好ましくは10~2
1Torrの圧力雰囲気中で蒸着もしくはスパッタリング
成膜することが望ましい。また、圧着(押圧)時の圧力
は、通常0.01〜10kg/cm2程度が望ましく、
より好ましくは、0.05〜1kg/cm2である。
【0020】
【作用】本発明は、多孔質半導体層を第1及び第2の電
子装置部分の接続手段として用いるものであり、そのた
めにそれぞれの電子装置部分は最適の製造条件下で独立
に形成することができる。また、接続に際しては、電子
装置部分の接続表面に多数の電極群が設けられて凹凸が
形成されていても、多孔質半導体層がこれらの凹凸面の
形状に応じた押圧を受けて形状変形することにより接続
面の凹凸を吸収してしまうため全体にわたって良好で均
一な電気的接触が得られる。それ故、接続された両電子
装置部分に大きな電界が印加されても、接続面での電界
集中の問題は解消される。したがって、例えば光電変換
部と走査回路部との接続面間をこの多孔質半導体層で接
続した撮像装置では、高電界条件で動作させることが可
能となる。そして、この多孔質半導体層を例えばSb2
3、As2Se3、As23などで構成した場合には、
光電変換部と走査回路部とを電気的に接続する接合層と
しての役割の他に、走査回路部の画素電極から光導電膜
への電子注入を阻止する整流性接触を形成するという作
用をも有している。
【0021】また、従来のマイクロバンプを接続手段と
した構造の場合には、両電子装置部における相互の接続
面の電極位置合わせを精密に行った上で接続せねばなら
ず、高度な位置合わせ技術が要求されたが、本発明の場
合、両者の接続面に多孔質半導体層を介在させ、これを
押圧するだけで良く、横方向に比べて電極部分の縦方向
の導電率が高くなることから同一平面上に隣接する電極
間のリークの問題も無視できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の半導体装置を撮像装置とした
場合を一実施例として図面にしたがって具体的に説明す
る。 〈実施例1〉図2は、本発明の第1の実施例となる撮像
装置の1画素部分の構成を示す断面図である。同図
(a)は第1の電子装置部に該当する光電変換部202
を、同図(b)は第2の電子装置部に該当する走査回路
部203を、そして同図(c)は、これら第1、第2の
電子装置部を多孔質半導体層で電気的に接続した後の状
態を、それぞれ示している。すなわち、本撮像装置の基
本構成は、図2(c)に示すように、外部からの入射光
201に応じて信号電荷を生成して蓄積する光電変換部
202と、画素毎に蓄積された信号電荷を読み出すため
のMOS型走査回路部203を、多孔質半導体層204
を介して接続した構成となっている。
【0023】先ず、光電変換部202の構造と作製法に
ついて図2(a)を用いて説明する。研磨、洗浄された
透光性ガラス基板205上に、錫を含有し酸化インジウ
ムを主体とする厚さ15nmの透光性電極206をスパ
ッタリングによって形成する。次に、CeO2、Se、
及びAs2Se3を別々に制御される蒸着源として、各蒸
着源ごとに制御されるシャッターと試料が各蒸着源上を
通過する様に回転するターンテーブルを備えた回転蒸着
装置にこれを装着する。この回転蒸着装置中で、透光性
電極206から光導電膜208への正孔注入を阻止する
ための正孔注入阻止層として厚さ10nmのCeO2
207、光導電膜として厚さ4μmの非晶質Seを主体
としてAsを1原子パーセント含有する非晶質半導体膜
208を形成する。Asは、非晶質Seの構造を安定化
して耐熱性を向上させるために添加する不純物である。
なお、長波長の光に対する感度を高める目的で、a−S
e膜の全体または一部に例えばTeなどを添加してもよ
い。次に、以上のようにして形成された光電変換部20
2上に、0.2TorrのArガス雰囲気中で蒸着によ
り、厚さ100nm、充填率40%の多孔質半導体Sb
23層204を形成する。この多孔質半導体Sb23
は、光電変換部202と走査回路部203とを電気的に
接合するための層である共に、走査回路部203の画素
電極212から光導電膜208への電子注入を阻止する
整流性接触をも形成する。この整流性接触が光導電膜2
08と多孔質Sb23層204との接合だけでは不十分
な場合には、光導電膜208と多孔質Sb23層204
との間にさらに電子注入阻止層を設けてもよい。なお、
多孔質半導体層204としては、Sb23の代わりにS
2Te3、Sb2Se3、As23、As2Se3等のカル
コゲン化物を主体とする半導体を形成しても同等の効果
が得られた。そして、このような多孔質半導体層204
は、1×10~4〜10Torrの圧力雰囲気中で容易に形
成することができた。
【0024】一方、図2(b)に示す走査回路部203
は、Si基板上にソース電極209、ゲート電極21
0、ドレイン電極211よりなるMOS型スイッチを二
次元的に配列形成したIC基板を用いる。このIC基板
は従来の固体撮像素子と同様のプロセスで製作した。ド
レイン電極211には出力線213が接続されている。
【0025】最後に、以上のようにしてそれぞれ別々に
作製された、多孔質半導体層204を形成してある光電
変換部202と、走査回路基板203とを押圧力0.5
kg/cm2で圧着して、図2(c)に示すような本発
明の撮像装置を完成した。
【0026】なお、さらに実用的には、光電変換部20
2と走査回路部203との周辺を樹脂などで覆うこと
が、装置の構造を強化すると共に湿度などの周囲雰囲気
からの影響を防止する意味からも有用である。なお、図
2において216はSi基板、214及び215は絶縁
層、212は画素電極でソース電極209に接続されて
いる。
【0027】本実施例の撮像装置における光電変換部2
02とその上に接続手段として形成された多孔質半導体
Sb23層204は、光導電型撮像管のターゲット構造
と全く同じ構造であり、撮像管ターゲットと同様に、例
えば十分研磨されたガラス基板を用いることによって、
非常に平坦な下地の上に光導電膜を形成することができ
る。従って、例えば光導電膜中でアバランシェ現象によ
る電荷増倍が起こるような高電界を印加して動作させて
も局所的電界集中による暗電流の増大やアバランシェブ
レークダウンが起こり難いと云う優れた効果を有してい
る。また、透光性電極206は、光導電膜208に先だ
って透光性基板205上に形成されるので、基板を充分
加熱して形成することも可能であり、良好な光透過率や
導電率を有する電極が容易に形成される。
【0028】一方、走査回路部203は、光電変換部2
02とは別に作製される。そして、画素電極212から
光導電膜208への電子注入は、多孔質Sb23層20
4や必要に応じて光導電膜208と多孔質半導体Sb2
3層204との間に形成される電子注入阻止層で阻止
されるので、走査回路上の画素電極212は、光導電膜
208との電気的接合特性を考慮することなく、材料を
選択することができる。即ち、光電変換部202と走査
回路部203に対しては、共に積層型撮像装置であるた
めの制約がなく、最適の材料や構造及び作製法を採用す
ることができる。
【0029】走査回路部203の表面はなるべく平滑で
あることが望ましいが、多少の凹凸があっても、光電変
換部202と走査回路部203とを接合する際に多孔質
半導体Sb23層204の圧縮によってそれを吸収して
良好で均一な接合特性を得ることができる。また、本実
施例の様に光電変換部202と走査回路部203という
二つの部分のうち、一方の接続面上のみ(即ち走査回路
部のみ)に電極212を有する構造では、両者を接合す
る際に対応する電極を対向して配置するための精密な位
置合わせが必要ないことから、接合工程が大幅に簡単化
される。
【0030】また、本実施例の様に、暗抵抗が大きい光
導電膜208を有する光電変換部と走査回路部とを接合
する場合には、多孔質半導体Sb23層のように比較的
高抵抗の材料を接合部に用いても実質的に接合部の抵抗
の影響がなく、逆に、多孔質半導体Sb23層が画素ご
とに分離されていなくても横方向のリークが少ないとい
う特長がある。実際、多孔質半導体Sb23層は光導電
型撮像管のビームランディング層として用いられている
ことからも明らかなように解像度の劣化をもたらすよう
な横方向のリークを引き起こすことはない。なお、本発
明者らの実験によれば、分離されていない多孔質半導体
Sb23層を用いることによる横方向の僅かな電気的リ
ークは、高解像度域における振幅変調度特性のなめらか
な低下を起こさせることから、撮像装置の限界解像度を
劣化させずに高周波雑音成分を低下させる働きのあるこ
とをも確認された。
【0031】本実施例の撮像装置は、透光性導電膜20
6が画素電極212に対して正電位となるような向きに
電界を印加して動作する。図3は、そのようにして動作
した場合における青色光照射時の信号電流の実効量子効
率と暗電流の印加電界依存性との関係を示した特性図で
ある。図中に示したように、実効量子効率(縦軸)と印
加電界(横軸)との関係はA、B、Cの3領域からなっ
ている。領域Aでは、信号電流は電界の増加とともに増
大するが、電子・正孔の再結合の影響が大きく、受光素
子としての実効量子効率は1以下である。領域Bでは入
射光により発生した電子・正孔対のほとんどが電界によ
り分離し、それぞれがほとんど再結合することなく透明
導電膜側および多孔質Sb23層側に向けて走行する。
この領域では、信号電流が飽和する傾向を示すが、最大
となるのは、入射光子がすべて電子・正孔対に変換され
信号電流として取り出される場合であるから、光導電膜
の利得は最大でも1である。従来の積層型固体撮像素子
はこの領域Bで動作していた。これに対して本実施例の
撮像装置では、図3に示した領域Cの高電界域で動作す
る。この領域においては、入射光によって発生した電
子、正孔対のうち正孔が非晶質Seを主体とする光導電
膜内を走行する際に、高電界による連続的な衝突電離現
象が起こり、いわゆるアバランシェ現象によって次々に
新たな電子・正孔対が生成される。例えば、約1.2×
106V/cmの電界で動作した場合のアバランシェ増倍
率は約30倍であった。このような高電界域で動作が可
能なのは、上述の様に、光電変換部202と走査回路部
203とをそれぞれ別々に作製して多孔質半導体層20
4で接合することから、光電変換部202を、従来技術
で述べたアバランシェ増倍型撮像管と全く同様にして形
成できるからであり、図3からも判るように、a−Se
光導電膜中でアバランシェ現象が起こるような高電界下
でも暗電流の急増が起こらず、局所的暗電流の注入やア
バランシェブレークダウンが起こらない構造とすること
ができた。従って、本実施例の撮像装置は高感度でしか
も優れた応答特性を有している。なお、a−Se中での
電荷倍増作用を用いる場合には、電荷増倍作用が正孔に
対しては非常に顕著であるのに対して、電子に対しては
僅かであることから、本実施例の様に、膜内を主として
正孔が走行する向きに電界を印加すれば、低雑音で、か
つ効率良く電荷の増倍を行うことができる。
【0032】〈実施例2〉図4を用いて本発明の第2の
実施例を説明する。本実施例は、光電変換部401に非
晶質Siを主体として水素を含有する光導電層を用い、
走査回路部402にCCD型走査回路を用いて、それら
を多孔質半導体層403を介して接合したものである。
【0033】光電変換部401を形成するにあたって
は、まず透光性ガラス基板404上に、10%のSnを
含有するInを蒸着源に用いて酸素雰囲気中で透光性電
極405を蒸着する。次に、電子注入阻止層406とし
て厚さ15nmのSiO2を形成する。続いて、SiH4
とH2希釈B26との混合ガス、SiH4、SiH4とH2
希釈PH3との混合ガスの高周波プラズマ分解により、
それぞれ、p型の水素化非晶質Si(a-Si:H)層4
07を30nm、i型a-Si:H層408を1μm、n
型a-Si:H層409を50nm、順次堆積する。
【0034】一方走査回路部402は、電荷転送により
各電位井戸に蓄積された電荷担体を順次転送して外部回
路に読み出す方式のCCD型走査基板を用いており、通
常の半導体プロセスによって作製される。走査回路部4
02の表面には画素電極410が形成されている。図4
において、411はアイソレーション電極、412はp
型Si、413はn型Si、414はCCD電極、41
5はn-型Si、416はn+型Si、417はバッファ
電極である。以上のような構造に形成された走査回路部
402上に0.05TorrのN2ガス雰囲気中でAs2
3を蒸着することによって膜厚100nm、充填率6
0%の多孔質半導体As23層を形成する。このように
して走査回路部402に形成された多孔質半導体As2
3層403を接続手段とし、その上に光電変換部40
1を対向させて実施例1と同様に両者を押圧して電気的
に接合した。
【0035】本実施例において光導電膜408に用いた
a-Si:Hは、例えば非晶質Seに比べて耐熱性に優
れ、赤色光感度が高いという利点を有している。なお、
a-Si:Hは正孔に比べて電子の走行性が優れているこ
とから、本実施例では、透光性電極405の電位を画素
電極410に対して負にバイアスして動作を行なった。
また、本実施例で用いたCCD型走査回路は読み出し時
の付加雑音が小さいという利点を有している。
【0036】〈実施例3〉図5を用いて本発明の第3の
実施例を説明する。本実施例は、従来技術の例として記
載したハイブリッド型赤外線撮像装置に本発明を適用し
たものである。即ち、図5(a)の要部破断斜視図に示
すように、本実施例では赤外線501の入射によって信
号電荷を発生する光電変換部502と信号電荷を読み取
るCCD走査回路部503を多孔質半導体層504を介
して接合した構造となっている。なお、図5(b)はそ
の部分拡大図を示している。光電変換部502におい
て、サファイア基板505上に形成されたCdTe結晶
506、p型HgCdTe結晶507、各画素にフォト
ダイオードを形成するためのn型HgCdTe領域50
8までは、基本的に図8に示した従来例と同様にして形
成する。続いて、そのようにして形成された光電変換部
502の上に多孔質度が高い膜厚50nm、充填率70
%のSi層504をArガス中のスパッタリングによっ
て形成した。この多孔質半導体Si層504は、多孔質
状または微粒子状のSiが低い充填率で堆積した構造に
なっている。最後に、表面に画素電極509が形成され
ているCCD型走査回路部503と、多孔質半導体Si
層504が形成された光電変換部502とを実施例1と
同様に圧着して本実施例の赤外線撮像装置を得る。
【0037】本実施例の場合、多孔質半導体Si層50
4は、光電変換部502と走査回路503上に突出した
画素電極509に挟まれた部分で特に圧縮度が高い。そ
のため、画素電極509のピッチと形状や多孔質半導体
Si層504の多孔質度と堆積厚さを調整することによ
って、横方向に比べて縦方向の抵抗を大幅に小さくする
ことができ、画素間のリークが小さくて、光電変換部と
走査回路部の電気的接触が良好な撮像装置が得られた。
しかも、マイクロバンプを用いた従来技術の場合に比べ
て、フォトダイオード上の画素電極やその分離のための
絶縁層を設ける必要がなく、構造や形成法が大幅に簡単
化されるという利点も有している。
【0038】〈実施例4〉図6を用いて本発明の第4の
実施例を説明する。本実施例はファクシミリ等の画像入
力に用いられるラインセンサに本発明を適用したもので
あり、図6(a)はその光電変換部の基本構造を示す要
部平面図であり、図6(b)は図6(a)中の破線Aー
A’における断面構造を示す図である。図示のように、
このラインセンサは、CCD型の走査回路部(図示せ
ず)に接続された画素電極601上に形成された非晶質
Seを主体とする光電変換部と、別の透光性基板602
上に形成された透光性電極部とを多孔質半導体層603
を介して接続した構造を有している。
【0039】以下、製造工程にしたがって順次説明する
と、支持基板604上に形成され走査回路部に接続され
ている画素電極601は、マスク蒸着によって堆積した
Auより成る。Auは非晶質Seとの接合部に電子注入
を阻止する整流性接触を形成するが、本実施例では、電
子注入阻止特性をさらに強化するために画素電極601
と非晶質Se層606の間にAsを20%含有する非晶
質Se層605を形成した。非晶質Se層606の厚さ
は2μmとし、その上にLiFを0.5%添加した非晶
質Se層607を形成する。LiFを添加した非晶質S
e層は正孔捕獲層として働き、この層より正電極609
側の電界を弱めて正電極からの正孔注入を抑制する効果
があり、後述の正孔注入阻止層の働きを強化する。次
に、0.5TorrのN2雰囲気中で蒸着により、膜厚約
50nm、充填率40%の多孔質半導体Se層603を
形成する。一方、別の透光性ガラス基板602上には、
SnO2を主体とする厚さ10nmの透光性電極609
をCVD法によって形成する。次に、透光性電極609
からの正孔注入を阻止するための正孔注入阻止層として
厚さ10nmのCeO2層608を蒸着法によって形成
する。最後に、以上の様にして別々に形成された、多孔
質半導体Se層603が形成された光電変換部と透光性
電極部との接続面を相互に対向させ、実施例1と同様に
両者を押圧して接合することにより本実施例のラインセ
ンサを得る。なお、図6に於て610は絶縁層である。
【0040】本実施例の場合、膜質の劣化のために加熱
ができない非晶質Se系の光導電膜上に、加熱工程を伴
う透光性電極を形成する必要がなく、最適の基板温度で
透光性電極を形成することができる。また、比較的構造
が柔軟な非晶質Seの上に構造が強固な酸化物よりなる
正孔注入阻止層や透光性電極を形成する必要がないこと
から、それらのプロセスで膜の変形が生じ易いという問
題も回避できる。
【0041】以上、光電変換部と走査回路部を接合した
構造の撮像装置を実施例に用いて本発明の半導体装置を
説明したが、本発明は必ずしも撮像装置に限られるもの
ではなく、例えば、液晶ディスプレイやプリンタヘッド
等やLSIチップを基板に実装する場合等種々のハイブ
リッド型半導体装置に適用可能であることは云うまでも
ない。
【0042】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明により所期
の目的を達成することができた。すなわち、代表例とし
て示した撮像装置の説明から明らかなように、電気的に
接続されて一体化される二つ以上の部分を、それぞれ別
個のプロセスで製作することが可能であり、各々が最良
の条件で製作され、かつ特性が良好なものを予め選別し
てから接合することもできる。しかも、接合部の構造及
び作製法が簡単であり、均一で良好な接合特性が得られ
る。これにより、例えば小型、薄型で操作性に優れる固
体撮像素子の特徴と、開口率や解像度が高い撮像管の特
徴を合わせ持つ撮像装置を得ることができ、非晶質光導
電膜中でのアバランシェ増倍を利用して、阻止型構造の
優れた光応答特性を劣化させることなく、利得が1より
大の高感度な撮像装置を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の基本構造を模式的に
示す原理説明用の断面図。
【図2】本発明の第1の実施例となる光導電膜積層型撮
像装置の断面構造図。
【図3】同じく第1の実施例となる光導電膜積層型撮像
装置の特性を示すグラフ。
【図4】同じく第2の実施例となる光導電膜積層型撮像
装置の断面構造図。
【図5】同じく第3の実施例となる赤外線撮像装置の断
面構造図。
【図6】同じく第4の実施例となるラインセンサにおけ
る光電変換部の断面構造図。
【図7】従来技術による光導電膜積層型撮像装置の基本
構造を示す断面構造図。
【図8】同じく従来技術による赤外線撮像装置の基本構
造を示す断面構造図。
【符号の説明】
101…第1の電子装置部、 102…第1の電
極、103…第2の電子装置部、 104…第2
の電極、105…多孔質状または微粒子状の半導体層、
201…入射光、 202…光電変換
部、203…MOS型走査回路部、 204…多孔
質半導体層、205…透光性ガラス基板、 20
6…透光性電極、207…正孔注入阻止層、
208…光導電膜、209…ソース電極、
210…ゲート電極、211…ドレイン電極、
212…画素電極、213…出力線、
214、215…絶縁層、216……Si基
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 泰 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 牧島 達男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大島 徹也 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 久保田 節 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会技術研究所内 (72)発明者 加藤 務 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会技術研究所内 (72)発明者 丸山 裕孝 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会技術研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1の機能を有する電子装置部
    と、第2の機能を有する電子装置部との電気的接続部を
    相対向、接続して成る半導体装置であって、前記相対向
    する電気的接続部間に多孔質状もしくは微粒子状の半導
    体層を介挿し、電気的接続部を押圧することにより断面
    圧縮され、緻密化された半導体層を介して複数の電子装
    置部間を電気的に接続して成る半導体装置。
  2. 【請求項2】相対向する電気的接続部間に介挿する多孔
    質状もしくは微粒子状の半導体層を、カルコゲン元素単
    体、カルコゲン化合物、シリコン及びゲルマニウムの群
    から選択される少なくとも1種の半導体層で構成して成
    る請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】カルコゲン化合物を、Si、Ge、As、
    Sb及びBiの群から選択される少なくとも1種の元素
    のカルコゲン化合物で構成して成る請求項2記載の半導
    体装置。
  4. 【請求項4】カルコゲン化合物を、Sb2Te3、Sb2
    3、Sb2Se3、As23、As2Se3の群から選択
    される少なくとも1種で構成して成る請求項2記載の半
    導体装置。
  5. 【請求項5】複数の電子装置部の相対向する接続面の少
    なくとも一方の面に、所定高さの突出した電極群が形成
    されており、この突出した電極群が押圧されて多孔質状
    もしくは微粒子状の半導体層中にめり込み、断面圧縮に
    より緻密化された半導体層を介して複数の電子装置部間
    が電気的に接続されて成る請求項1乃至4何れか記載の
    半導体装置。
  6. 【請求項6】複数の電子装置部の相対向する接続面の少
    なくとも一方の面に多孔質状もしくは微粒子状の半導体
    層が形成されており、他方の面に所定高さに突出して設
    けられた電極群が押圧されて多孔質状もしくは微粒子状
    の半導体層中にめり込み、断面圧縮により緻密化された
    半導体層を介して複数の電子装置部間が電気的に接続さ
    れて成る請求項1乃至4何れか記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】複数の電子装置部の何れか一方を、透光性
    基板上に形成され、入射光によって信号電荷を発生する
    光電変換部とし、他方の電子装置部を前記光電変換部に
    発生した信号電荷を読み出すための走査回路部として構
    成し、両者の電気的接続部間を多孔質状もしくは微粒子
    状の半導体層によって電気的に接続して撮像装置として
    成る請求項1乃至6何れか記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】光電変換部を、入射光によって発生した信
    号電荷が半導体内部で増倍される増倍型光電変換部とし
    て成る請求項7記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】光電変換部を、非晶質光導電膜で構成して
    成る請求項7記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】非晶質光導電膜を、Seを主体とした光
    導電膜で構成して成る請求項9記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】非晶質光導電膜を、Siを主体とし水素
    を含有した光導電膜で構成して成る請求項9記載の半導
    体装置。
  12. 【請求項12】光電変換部を赤外光に感度を有するもの
    で構成して成る請求項7乃至11何れか記載の半導体装
    置。
  13. 【請求項13】光電変換部をHgCdTe結晶を主体と
    する光導電膜で構成して成る請求項12記載の半導体装
    置。
  14. 【請求項14】少なくとも第1の機能を有する電子装置
    部と、第2の機能を有する電子装置部との電気的接続面
    を互いに対向させて、電気的に接続する工程を有して成
    る半導体装置の製造方法であって、前記相対向する電気
    的接続面の少なくとも一方の接続面上に多孔質状もしく
    は微粒子状の半導体層を形成する工程と、他方の接続面
    を前記半導体層側に押圧し、断面圧縮により緻密化され
    た半導体層を介して複数の電子装置部間を電気的に接続
    する工程とを有して成る半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】多孔質状または微粒子状の半導体層を形
    成する工程を1×10~4〜10Torrの圧力雰囲気中で
    の蒸着もしくはスパッタリング成膜工程として成る請求
    項14記載の半導体装置の製造方法。
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