JP2008153460A - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線を感度よく検出することができる。
【解決手段】放射線検出器1は、基板3及び基板3の前面3aに配列された画素電極7を有する信号読出し基板2と、信号読出し基板2の前面2aに形成された光導電層17と、光導電層17の前面17aに形成された第1コンタクト補助層30と、第1コンタクト補助層30の前面30aに形成された第2コンタクト補助層51と、第2コンタクト補助層51の前面51aに形成された共通電極18と、を備えている。第2コンタクト補助層51の結晶粒径が光導電層17の結晶粒径よりも小さいため、前面51aにおける凹凸の度合いは、前面17aにおける凹凸の度合いに対して緩和される。さらに、第1コンタクト補助層30の抵抗値が光導電層17及び第2コンタクト補助層51よりも低いため、光導電層17で生じた信号電荷が第2コンタクト補助層51にスムーズに移動する。
【選択図】図5

Description

本発明は、X線やγ線等の放射線を検出するための放射線検出器に関する。
従来、放射線を検出する手法として、間接変換方式と直接変換方式とがある。間接変換方式では放射線を一旦光に変換して当該光を電気信号に変換する一方、直接変換方式では放射線を電気信号に直接変換する。よって、直接変換方式には、光の散乱による解像度の劣化のおそれがある間接変換方式に比して、解像度が高いという特徴がある。そのため、近年、直接変換方式による放射線検出器が注目されている。
直接変換方式による放射線検出器として、基板、及び当該基板の前面(放射線が入射する側の面)に1次元又は2次元に配列された複数の画素電極を有する信号読出し基板と、信号読出し基板の前面に形成された光導電層と、光導電層の前面に形成された共通電極と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−209238号公報
しかしながら、上述したような放射線検出器では、図8に示されるように、光導電層47が結晶性を有していると、光導電層47の前面47aに凹凸が存在するため、当該前面47aの凸部分には共通電極48が形成され易い一方、凹部分には共通電極48が形成され難い。よって、共通電極48が不連続に形成されて高抵抗化してしまい、放射線を感度よく検出することができないおそれがある。
そこで、本発明は、放射線を感度よく検出することができる放射線検出器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る放射線検出器は、放射線を検出するための放射線検出器であって、基板、及び当該基板の一方の主面側に1次元又は2次元に配列された複数の画素電極を有する信号読出し基板と、信号読出し基板の一方の主面側に形成された結晶性光導電層と、結晶性光導電層の一方の主面側に形成された導電性中間層と、導電性中間層の一方の主面側に形成された結晶性中間層と、結晶性中間層の一方の主面に形成された共通電極と、を備え、結晶性中間層の結晶粒径は、結晶性光導電層の結晶粒径よりも小さく、導電性中間層の抵抗値は、結晶性光導電層及び結晶性中間層よりも低いことを特徴とする。
この放射線検出器によれば、結晶性中間層の結晶粒径が結晶性光導電層の結晶粒径よりも小さいため、結晶性中間層の一方の主面における凹凸の度合いは、光導電層の一方の主面における凹凸の度合いに対して緩和される。そのため、この結晶性中間層の一方の主面に共通電極が形成されることにより、当該共通電極が不連続に形成されるのを防止することができ、共通電極の高抵抗化を抑制することが可能となる。さらに、結晶性光導電層と結晶性中間層との間には、導電性中間層が形成されており、当該導電性中間層の抵抗値が結晶性光導電層及び結晶性中間層よりも低いため、結晶性光導電層で生じた信号電荷を結晶性中間層にスムーズに移動させることができる。従って、本発明によれば、放射線を感度よく検出することが可能となる。なお、結晶性光導電層とは、結晶性を有する(結晶構造を有する)光導電層をいい、導電性中間層とは、導電性を有する材質からなる層をいい、導体だけでなく半導体を含む。また、結晶性中間層とは、結晶性を有する材質からなる層をいう。
ここで、導電性中間層の少なくとも一部は、結晶性光導電層の結晶粒子間に入り込んでいることが好ましい。この場合、結晶性光導電層で生じた信号電荷を結晶性中間層に、より一層スムーズに移動させることができる。
また、導電性中間層は、ダイヤモンドライクカーボンを含むことが好ましい。この場合、ダイヤモンドライクカーボンには放射線を吸収し難いという特性があることから、導電性中間層での放射線の吸収が少なくなり、よって、放射線をより感度よく検出することが可能となる。
本発明によれば、放射線を感度よく検出することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当する要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る放射線検出器について説明する。
図1〜図3に示されるように、放射線検出器1は、前方(図2及び図3において上方であり一方の側)から入射したX線(放射線)を検出するためのものである。この放射線検出器1は、信号読出し基板2を備えている。信号読出し基板2は、ガラス等の絶縁材料からなる矩形状の基板3の前面(一方の主面)3aに画定された矩形状の有効画素領域Rに、多数の画素ユニット4が2次元マトリックス状に配列されて構成されている。基板3の前面3aにおける有効画素領域Rの外側の領域には、基板3の一辺に沿って複数のボンディングパッド5が形成されており、さらに、同領域には、基板3の対向する二辺のそれぞれに沿って複数のボンディングパッド6が形成されている。
図4に示されるように、各画素ユニット4は、電荷を収集するための画素電極7、画素電極7に収集された電荷を蓄積するための蓄積キャパシタ8、及び蓄積キャパシタ8に蓄積された電荷を読み出すためのスイッチング素子9を有している。これにより、信号読出し基板2においては、多数の画素電極7が基板3の前面3aに2次元マトリックス状に配列されることになる。なお、スイッチング素子9は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)であり、基板3がシリコンからなる場合には、例えばC−MOSトランジスタである。
各スイッチング素子9は、信号線11によってボンディングパッド5(図2参照)と電気的に接続されており、さらに、スイッチング素子9のON/OFFを行うゲートドライバ12とフレキシブルプリント基板(FPC)等によって電気的に接続されている。また、各蓄積キャパシタ8は、スイッチング素子9を介して信号線13によってボンディングパッド6(図3参照)と電気的に接続されており、さらに、蓄積キャパシタ8に蓄積された電荷を増幅するチャージアンプ14とFPC等によって電気的に接続されている。
図1〜図3に示されるように、基板3の前面3aにおける有効画素領域Rの外側の領域には、有効画素領域Rを挟んでボンディングパッド5と対向するように電圧供給パッド15が形成されている。そして、基板3の前面3aには、画素電極7、ボンディングパッド5,6及び電圧供給パッド15の前面が露出し、且つ信号線11,13等が埋設されるように、絶縁性の平坦化膜16が形成されている。
信号読出し基板2の前面(一方の主面)2aには、前方(すなわち、基板3の厚さ方向)から見て有効画素領域Rを含むように(すなわち、全ての画素電極7を含むように)、光導電層(結晶性光導電層)17が形成されており、各画素電極7と電気的に接続されている。
光導電層17は、金属ハロゲン化物(ここでは、ヨウ化鉛)からなり、X線を吸収し信号電荷に変換する変換素子として機能する。この光導電層17は、結晶性を有している。つまり、光導電層17は、結晶構造を有しており、決まった結晶形又は構造を有する結晶体である。具体的には、光導電層17がヨウ化鉛からなる場合には、光導電層17は鱗片状の多結晶構造を有しており(図5参照)、X線の吸収性を高めるためにその結晶粒径が比較的大きくされている。光導電層17は、前方から見て有効画素領域Rを含む矩形状の前面(一方の主面)17a、及び傾斜面である側面17bを有する四角錐台状に形成されている。これは、マスクを用いて信号読出し基板2の前面2aに光導電層17を堆積する際には、前面2aにマスクを接触させておくと、前面2aからマスクを剥離すると同時に光導電層17の縁部も剥離してしまうために前面2aからマスクを離間させておく必要があり、その結果、光導電層17を構成する材料(ヨウ化鉛)の一部がマスク下に回り込むからである。
光導電層17の前面17aには、第1コンタクト補助層(導電性中間層)30が形成されている。具体的には、第1コンタクト補助層30は、前方から見て、後述する共通電極18を含み且つ光導電層17の前面17aに含まれるように、例えばスパッタ法やCVD法により光導電層17の前面17aに形成されている。
第1コンタクト補助層30の前面30aには、第2コンタクト補助層(結晶性中間層)51が形成されている。この第2コンタクト補助層51は、前方から見て、後述する共通電極18を含み且つ第1コンタクト補助層30の前面30aに含まれるように形成されている。
第2コンタクト補助層51の前面51aには、前方から見て有効画素領域Rを含み(すなわち、全ての画素電極7を含み)且つ第2コンタクト補助層51の前面51aに含まれるように、矩形状の共通電極18が形成されている。つまり、画素電極7上に積層された各層は、前方から見て有効画素領域Rを含み、さらに、光導電層17以外の層は、当該層が形成された層(隣接する層であって画素電極7側の層)からはみ出さないように、好ましくは含まれるようにそれぞれ形成される。
共通電極18と電圧供給パッド15とには、光導電層17の側面17bに接触するように、導電性樹脂からなる接続部材19が掛け渡されている。これにより、共通電極18と電圧供給パッド15とが電気的に接続されることになる。なお、接続部材19と共通電極18との接点は、撮像領域を狭めることがないよう、有効画素領域R外(詳しくは、前方から見た場合に共通電極18において有効画素領域Rを包囲する外縁領域)に配置されている。
信号読出し基板2の前面2aには、電圧供給パッド15の一部を開放するように包囲し且つ接続部材19の全体を覆うように、前方から見て矩形環状の絶縁性凸部21が形成されている。この絶縁性凸部21は、電圧供給パッド15、平坦化膜16及び接続部材19への接着性が良好な絶縁性樹脂、例えばUV硬化型アクリル系樹脂(協立化学産業株式会社製 WORLD ROCK No.801−SET2等)により形成されている。この絶縁性凸部21に包囲された電圧供給パッド15の一部(開放部)には、半田付けにより或いは導電性接着剤で電圧供給線22の一端が固定されている。これにより、電圧供給パッド15と電圧電源23とが電気的に接続され、電圧電源23から電圧供給パッド15を介し共通電極18にバイアス電圧を供給できるようになっている。
さらに、信号読出し基板2の前面2aには、光導電層17及び絶縁性凸部21を包囲するように、平坦化膜16への接着性が良好な絶縁性樹脂、例えば絶縁性凸部21と同じUV硬化型アクリル系樹脂からなる矩形環状の絶縁性凸部24が形成されている。絶縁性凸部24の内側の領域には、絶縁性凸部21の内側の領域を除いて、光導電層17及び共通電極18を覆うように、絶縁性凸部21,24の頂部に至る保護層25が形成されている。保護層25は、無機膜26が有機膜(絶縁性保護層)27で挟まれることにより構成されている。無機膜26は、X線の吸収が少なく、可視光を遮光する材料、例えばアルミニウムからなる。また、有機膜27は、絶縁性を有し、耐湿性に優れた材料、例えばポリパラキシリレン樹脂(スリーボンド社製 商品名:パリレン等)からなる。よって、保護層25は、上述したように無機膜26と有機膜27とが組み合わされることにより、可視光の遮断によるノイズの減少、絶縁性の確保による取扱いの容易性の向上、外部雰囲気中の水蒸気やガスの遮断による光導電層17の特性の劣化の防止等の効果を奏することになる。
絶縁性凸部21の内側には、電圧供給パッド15と電圧供給線22との固定部を外部雰囲気から封止するように、有機膜27より絶縁性が高く、絶縁性凸部21への接着性が良好な樹脂、例えばシリコーンゴム(GEシリコーンズ社製 RTV−11等)からなる絶縁性封止部材28が充填されている。絶縁性封止部材28は、絶縁性凸部21の頂部に至り、保護層25の内側の縁部25aを覆っている。これにより、絶縁性封止部材28は、有機膜27の内側の縁部に接触することになる。なお、保護層25の外側の縁部25bが剥離するのを防止するために、絶縁性凸部24の頂部には、絶縁性凸部24及び有機膜27への接着性が良好な材料、例えば絶縁性凸部21と同じUV硬化型アクリル系樹脂からなる絶縁性固定部材29が矩形環状に配置され、保護層25の外側の縁部25bを覆っている。
ところで、この放射線検出器1においては、上述したように、第1コンタクト補助層30、及び第2コンタクト補助層51が形成されている。
第1コンタクト補助層30は、高抵抗半導電性の薄膜であって耐食性を具備した軽元素からなるダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon:以下、「DLC」という)により形成されている。このように、第1コンタクト補助層30をDLCにより形成することで、第1コンタクト補助層30と光導電層17の成分であるハロゲンとが反応して、当該第1コンタクト補助層30が腐食してしまうことが抑制されている。
図5に示されるように、第1コンタクト補助層30の少なくとも一部は、光導電層17の結晶粒子間に入り込んでいる。また、この第1コンタクト補助層30の前面30aにおける単位領域当たりの表面積は、光導電層17の前面17aにおける単位領域当たりの表面積よりも小さくなっている。なお、単位領域とは、前方(図5において上方)から見たときの単位面積に相当する領域のことをいう。また、第1コンタクト補助層30の抵抗値は、例えば窒素原子を添加(ドーピング)等することにより、当該光導電層17及び第2コンタクト補助層51よりも低くされている。さらに、第1コンタクト補助層30は、茶褐色又は黒色を呈しており、これにより、遮光性が高められ、光導電層17に対する外部からの放射線以外の光による影響が低減されている。
第2コンタクト補助層51は、光導電層17と同一の金属ハロゲン化物(ここでは、ヨウ化鉛)からなり、結晶性を有している。この第2コンタクト補助層51の結晶粒径は、光導電層17の結晶粒径よりも小さくなっている。具体的には、例えば、第2コンタクト補助層51を形成する際の蒸着時の基板温度を光導電層17を形成する際の蒸着時の基板温度よりも低く設定することにより、第2コンタクト補助層51の結晶粒径を光導電層17の結晶粒径よりも小さくしている。
以上のように構成された放射線検出器1の動作について説明する。図4に示されるように、前方から光導電層17にX線が入射すると、光導電層17ではX線が吸収されて、吸収されたX線量に比例する信号電荷が生成される。このとき、共通電極18には、電圧電源23によってバイアス電圧Vb(500V〜1000V程度の高電圧)が印加されているため、光導電層17で生成された信号電荷は、光導電層17中を電界に沿って移動し、画素電極7に収集されて蓄積キャパシタ8に蓄積される。そして、ゲートドライバ12によって各スイッチング素子9のON/OFFが順次行われ、各蓄積キャパシタ8に蓄積されていた電荷がチャージアンプ14に順次読み出されて増幅され、これにより、2次元X線画像が得られることになる。
ここで、図8に示されるように、従来の放射線検出器40においては、光導電層47が結晶性を有する場合、光導電層47の前面47aには凹凸が存在する。特に、光導電層47におけるX線の吸収量を高めるためにその結晶粒径が大きくされると、存在する凹凸の程度は大きくなる。よって、光導電層47の前面47aに共通電極48を形成する場合、当該前面47aの凸部分には共通電極48が形成され易い一方、凹部分(結晶粒の陰になる部分)には共通電極48が形成され難い。そのため、従来の放射線検出器40では、共通電極48が局所的に薄くなったり、分断してつながらなかったりするおそれがあり、その結果、共通電極48が高抵抗化したり、当該共通電極48が電気的に断線したりすることがある。
そこで、放射線検出器1では、上述したように、第2コンタクト補助層51の結晶粒径が光導電層17の結晶粒径よりも小さいため、第2コンタクト補助層51の前面51aにおける凹凸の度合いが光導電層17の前面17aにおける凹凸の度合いに対して緩和される。従って、光導電層17の前面17aに直接に共通電極18を形成するのではなく、上述したように、第2コンタクト補助層51の前面51aに共通電極18を形成することにより、共通電極18が不連続に形成されるのを防止することができる。
これに加え、上述したように、光導電層17と第2コンタクト補助層51との間には、第1コンタクト補助層30が形成されており、当該第1コンタクト補助層30の抵抗値が光導電層17及び第2コンタクト補助層51よりも低いため、光導電層17で生じた信号電荷を第2コンタクト補助層51にスムーズに移動させることができる。つまり、光導電層17と第2コンタクト補助層51との間の信号電荷の移動を促進させることができる。
従って、放射線検出器1では、共通電極18を厚く形成せずとも共通電極18の高抵抗化を抑制し、信号電荷の収集効率を向上しつつ、信号電荷の移動をスムーズにすることができ、よって、放射線を感度良く検出することができる。
一方、光導電層17及び第2コンタクト補助層51を互いに同一の金属ハロゲン化物とし、光導電層17の前面17aに第2コンタクト補助層51を形成すると、当該第2コンタクト補助層51にあっては、結晶粒子の異常成長が特に発生し易い。ここで、結晶粒子の異常成長とは、第2コンタクト補助層51形成時においても、光導電層17中の結晶粒子が結晶の成長方向を変えることなく第2コンタクト補助層51内深部まで到達するほどの冗長な結晶を作ることをいい、これにより、放射線に対する感度の不均一や解像度の低下等、放射線検出器としての特性の劣化が起こる。これに対し、放射線検出器1では、上述したように、光導電層17及び第2コンタクト補助層51の間に第1コンタクト補助層30が介在されているため、かかる異常成長を抑止することができる。
また、上述したように、第1コンタクト補助層30の少なくとも一部は、光導電層17の結晶粒子間に入り込んでいるため、光導電層17で生じた信号電荷を第2コンタクト補助層51に向けてよりスムーズに移動させることができる。さらに、上述したように、第1コンタクト補助層30の前面30aにおける単位領域当たりの表面積が、光導電層17の前面17aにおける単位領域当たりの表面積よりも小さくなっている。つまり、前面30aは、前面17aに比してフラット(平坦)になっている。このことからも、光導電層17で生じた信号電荷を第2コンタクト補助層51に向けてよりスムーズに移動させることができる。
また、上述したように、第1コンタクト補助層30がDLCにより形成されていることから、DLCには放射線を吸収し難いという特性を有するため、第1コンタクト補助層30でのX線の吸収が少なくなる。従って、光導電層17にてX線を有効に吸収して信号電荷に変換し、X線を感度よく検出することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る放射線検出器について説明する。
図6及び図7に示されるように、第2実施形態の放射線検出器60が、上記の第1実施形態の放射線検出器1と異なる点は、第2コンタクト補助層51の前面51aと共通電極18との間に形成された第3コンタクト補助層61をさらに備えた点である。
第3コンタクト補助層61は、第2コンタクト補助層51の前面51aに形成されている。具体的には、第3コンタクト補助層61は、前方から見て共通電極18を含み且つ第2コンタクト補助層51の前面51aに含まれるように、例えばスパッタ法やCVD法により形成されている。つまり、画素電極7上に積層された各層は、前方から見て有効画素領域Rを含み、さらに、光導電層17以外の層は、当該層が形成された層(隣接する層であって画素電極7側の層)からはみ出さないように、好ましくは含まれるようにそれぞれ形成される。
この第3コンタクト補助層61は、第1コンタクト補助層30と同様に、高抵抗半導電性の薄膜であって耐食性を具備した軽元素からなるDLCにより形成されている。また、第3コンタクト補助層61には、窒素原子が添加(ドーピング)され、その比抵抗値が調整されている。さらに、第3コンタクト補助層61は、茶褐色又は黒色を呈しており、これにより、遮光性が高められ、光導電層17及び第2コンタクト補助層51に対する外部からの放射線以外の光による影響が低減されている。そして、この第3コンタクト補助層61の前面61aにおける単位領域当たりの表面積は、第2コンタクト補助層51の前面51aにおける単位領域当たりの表面積よりも小さくなっている。
以上、放射線検出器60によれば、第2コンタクト補助層51の結晶粒径が光導電層17の結晶粒径よりも小さいため、第2コンタクト補助層51の前面51aにおける凹凸の度合いが光導電層17の前面17aにおける凹凸の度合いに対して緩和される。これに加えて、第3コンタクト補助層61の前面61aにおける単位領域当たりの表面積が第2コンタクト補助層51の前面51aにおける単位領域当たりの表面積よりも小さいため、第3コンタクト補助層61の前面61aにおける凹凸の度合いが第2コンタクト補助層51の前面51aにおける凹凸の度合いに対して緩和される。すなわち、第3コンタクト補助層61の前面61aにおける凹凸の度合いは、光導電層17の前面17aにおける凹凸の度合いに対して大きく緩和されることになる。従って、この第3コンタクト補助層61の前面61aに共通電極18が形成されることにより、当該共通電極18を厚くすることなく、当該共通電極18が不連続に形成されることによる共通電極18の高抵抗化をより一層抑制することができる。また、光導電層17に対するバイアス電圧がその全面に略均一に印加されるために、信号電荷の収集効率を向上することができ、共通電極18の厚さが抑えられるために、共通電極18で吸収されるX線量が抑えられ、X線を感度良く検出することができる。
また、上述したように、第3コンタクト補助層61がDLCにより形成されていることから、DLCには放射線を吸収し難いという特性を有するため、第3コンタクト補助層61でのX線の吸収が少なくなる。従って、光導電層17にてX線を有効に吸収して信号電荷に変換し、X線を感度よく検出することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の放射線検出器は、X線を検出するものであるが、波長領域の異なる電磁波(γ線等)や、その他の電磁波を検出するためのものであってもよい。
また、上記実施形態では、第2コンタクト補助層を光導電層と同一の金属ハロゲン化物により形成したが、互いに異なる金属ハロゲン化物により形成してもよい。また、第2コンタクト補助層は、結晶性及び導電性を有しその結晶粒径が光導電層の結晶粒径よりも小さいものであれば、金属ハロゲン化物でなくともよい。
また、上記実施形態では、第1及び第3コンタクト補助層をDLCにより形成したが、例えば、a−Si(アモルファスシリコン)、a−SiC(アモルファスシリコンカーバイド)、又はAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)のような導電性有機化合物等により形成してもよい。また、第1及び第3コンタクト補助層は、導電性を有し、且つ光導電層及び第2コンタクト補助層よりも抵抗値が低いものであればよい。
また、上記実施形態では、画素電極7を有する画素ユニット4を基板3の前面3aに形成したが、基板の前面側に形成されていればよく、光導電層17を信号読出し基板2の前面2aに形成したが、信号読出し基板の前面側に形成されていればよい。また、第1コンタクト補助層30を光導電層17の前面17aに形成したが、光導電層の前面側に形成されていればよく、第2コンタクト補助層51を第1コンタクト補助層30の前面30aに形成したが、第1コンタクト補助層の前面側に形成されていればよい。さらに、上記第2実施形態では、第3コンタクト補助層61を第2コンタクト補助層51の前面51aに形成したが、第2コンタクト補助層の前面側に形成されていればよい。
また、信号読出し基板2の有効画素領域Rに画素ユニット4を2次元マトリックス状に配列したが、1次元状に配列しても勿論よい。
本発明の第1実施形態に係る放射線検出器を示す平面図である。 図1中のII−II線に沿う断面図である。 図1中のIII−III線に沿う断面図である。 図1の放射線検出器の概念図である。 図1の放射線検出器の共通電極を説明するための拡大概略図である。 本発明の第2実施形態に係る放射線検出器において図2に対応する断面図である。 図6の放射線検出器の共通電極を説明するための拡大概略図である。 従来の放射線検出器の共通電極を説明するための拡大概略図である。
符号の説明
1,40,60…放射線検出器、2…信号読出し基板、2a…前面(一方の主面)、3…基板、3a…前面(一方の主面)、7…画素電極、17,47…光導電層(結晶性光導電層)、17a,47a…前面(一方の主面)、18,48…共通電極、30…第1コンタクト補助層(導電性中間層)、30a…前面(一方の主面)、51…第2コンタクト補助層(結晶性中間層)、51a…前面(一方の主面)。

Claims (3)

  1. 放射線を検出するための放射線検出器であって、
    基板、及び当該基板の一方の主面側に1次元又は2次元に配列された複数の画素電極を有する信号読出し基板と、
    前記信号読出し基板の一方の主面側に形成された結晶性光導電層と、
    前記結晶性光導電層の一方の主面側に形成された導電性中間層と、
    前記導電性中間層の一方の主面側に形成された結晶性中間層と、
    前記結晶性中間層の一方の主面に形成された共通電極と、を備え、
    前記結晶性中間層の結晶粒径は、前記結晶性光導電層の結晶粒径よりも小さく、
    前記導電性中間層の抵抗値は、前記結晶性光導電層及び前記結晶性中間層よりも低いことを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記導電性中間層の少なくとも一部は、前記結晶性光導電層の結晶粒子間に入り込んでいることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記導電性中間層は、ダイヤモンドライクカーボンを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の放射線検出器。



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