JP2001102065A - 固体電解質型燃料電池セルおよびその製法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池セルおよびその製法

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JP2001102065A JP27809399A JP27809399A JP2001102065A JP 2001102065 A JP2001102065 A JP 2001102065A JP 27809399 A JP27809399 A JP 27809399A JP 27809399 A JP27809399 A JP 27809399A JP 2001102065 A JP2001102065 A JP 2001102065A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料極と固体電解質との界面剥離を防止し、且
つ長期的に安定した出力性能を発現維持できる固体電解
質型燃料電池セルを提供する。 【解決手段】空気極32表面に、ZrO2 を含有する固
体電解質31、金属粒子45を含有する燃料極33を順
次形成してなる固体電解質型燃料電池セルにおいて、燃
料極33の固体電解質側端に存在する金属粒子45が、
その直径の1/4以上を固体電解質31中に埋設してな
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気極の表面に、
ZrO2 を含有する固体電解質を、金属粒子を含有する
燃料極を順次積層した固体電解質型燃料電池セルに関す
るものである。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池はその作
動温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率
が高く、第3世代の発電システムとして期待されてい
る。
【0003】一般に固体電解質型燃料電池セルには、円
筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、
発電の単位体積当たり出力密度は高いという特徴を有す
るが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の
温度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、
円筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セル
の機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保て
るという特徴がある。
【0004】両形状の固体電解質型燃料電池セルとも、
それぞれの特徴を生かして積極的に研究開発が進められ
ている。
【0005】円筒型燃料電池セルは、図4に示すように
開気孔率30〜40%程度のLaMnO3 系材料からな
る多孔性の空気極2を形成し、その表面にY2 3 安定
化ZrO2 からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの
表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けてい
る。
【0006】燃料電池のモジュールにおいては、各セル
はLaCrO3 系の集電体(インターコネクタ)5を介
して接続される。発電は、空気極2内部に空気(酸素)
6を、外部に燃料(水素)7を流し、1000〜105
0℃の温度で行われる。また、空気極2材料としては、
LaをCaで20原子%又はSrで10〜15原子%置
換した固溶体材料が用いられている。
【0007】上記のような燃料電池セルを製造する方法
としては、例えば絶縁粉末を押出成形法などにより円筒
状に成形後、これを焼成して円筒状支持管を作製し、こ
の支持管の外周面に空気極、固体電解質、燃料極、集電
体のスラリーを塗布してこれを順次焼成して積層する
か、あるいは円筒状支持管の表面に電気化学的蒸着法
(EVD法)やプラズマ溶射法などにより空気極、固体
電解質、燃料極、集電体を順次形成することも行われて
いる。
【0008】近年ではセルの製造工程を簡略化し且つ製
造コストを低減するために、各構成材料のうち少なくと
も2つを同時焼成する、いわゆる共焼結法が提案されて
いる。この共焼結法は、例えば、円筒状の空気極の成形
体に固体電解質成形体及び集電体成形体をロール状に巻
き付けて同時焼成を行い、その後固体電解質表面に燃料
極を形成する方法である。
【0009】この共焼結法は非常に簡単なプロセスで製
造工程数も少なく、セルの製造時の歩留まり向上、コス
ト低減に有利である。このような共焼結法による燃料電
池セルでは、Y2 3 安定化または部分安定化ZrO2
からなる固体電解質を用い、この固体電解質に熱膨張係
数を合致させる等のため、空気極材料として、LaMn
3 からなるペロブスカイト型複合酸化物のLaの一部
をYおよびCaで置換したものが用いられている(特開
平10−162847号公報等参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような燃料電池セルでは、固体電解質に対する燃料極の
付着強度が小さく、燃料極と固体電解質との界面が数十
μmの長さの領域で局部的に剥離し、燃料極と固体電解
質間の分極値が初期段階から高かったり、経時的に分極
値が高くなり、出力性能が低下するという問題があっ
た。
【0011】本発明は、燃料極と固体電解質との界面剥
離を防止し、且つ長期的に安定した出力性能を発現維持
できる固体電解質型燃料電池セルを提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
対して検討を重ねた結果、燃料極と固体電解質との界面
剥離部において、燃料極を構成するNi粒子が粒成長を
引き起こしていること、粒成長を伴ったNi粒子が界面
から引き抜かれている現象を確認した。そのため、Ni
粒子を界面に強固に固着させること、さらにはNi粒子
の粒成長を抑制することが界面剥離の防止を促し、その
結果性能的にも分極増大を抑制できるため経時的に安定
した出力性能を維持できるものと捉え、本発明に至っ
た。
【0013】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
は、空気極表面に、ZrO2 を含有する固体電解質、金
属粒子を含有する燃料極を順次積層してなる固体電解質
型燃料電池セルにおいて、前記燃料極の前記固体電解質
側端に存在する金属粒子が、その粒径の1/4以上を前
記固体電解質中に埋設してなるものである。
【0014】このような固体電解質型燃料電池セルで
は、金属粒子を固体電解質中に深く埋設したため、燃料
極と固体電解質との界面剥離を防止できる。その結果、
燃料極と固体電解質間の分極の増大に因る劣化を抑制で
き、これに伴い初期の高い出力密度を長時間にわたり維
持できる。
【0015】また、固体電解質に所定間隔をおいて複数
の金属粒子が埋設されており、前記固体電解質の厚み方
向における断面において、前記埋設された複数の金属粒
子の前記固体電解質表面における長さの総和が、全長の
30〜70%であることが望ましい。このような構成を
採用することにより、金属粒子が隣接した部分が存在し
にくくなり、粒成長による燃料極の剥離を防止できる。
【0016】さらに、燃料極の金属粒子の平均粒径が4
μm以下であることが望ましい。このように金属粒子の
粒径を小さくすることにより、金属粒子の接触点が増加
し、発電特性が向上する。
【0017】本発明の固体電解質型燃料電池セルの製法
は、空気極仮焼体の表面に形成されたZrO2 を含有す
る第1固体電解質成形体(仮焼したものも包含する意味
である)に、ZrO2 を含有する第2固体電解質成形体
と金属粒子を含有する燃料極成形体との積層体からなる
シート状の積層成形体を、第1固体電解質成形体に前記
第2固体電解質成形体が当接するように積層した後、焼
成する方法である。
【0018】例えば、ZrO2 を含有する第2固体電解
質成形体と金属粒子を含有する燃料極成形体との積層体
を加圧することにより、または第2固体電解質成形体と
燃料極成形体との間にトルエン等の溶剤を介在させるこ
とにより、第2固体電解質成形体中に燃料極成形体の金
属粒子が食い込み、焼成すると、金属粒子の埋設深さ
を、金属粒子の直径の1/4以上とすることが可能とな
る。
【0019】また、第2固体電解質成形体と燃料極成形
体とのシート状の積層成形体を作製した後、この積層成
形体を、第1固体電解質成形体に第2固体電解質成形体
が当接するように積層したので、焼成すると燃料極と固
体電解質とを強固に接合することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルは、図1に示すように、円筒状の固体電解質31の内
面に空気極32、外面に燃料極33を形成してセル本体
34が構成されており、このセル本体34に、空気極3
2と電気的に接続する集電体35が形成されている。
【0021】即ち、固体電解質31の一部に切欠部36
が形成され、固体電解質31の内面に形成されている空
気極32の一部が露出しており、この露出面37および
切欠部36近傍の固体電解質31の両端部表面が集電体
35により被覆され、集電体35が、固体電解質31の
両端部表面、および固体電解質31の切欠部36から露
出した空気極32の表面に接合されている。
【0022】空気極32と電気的に接続する集電体35
はセル本体34の外面に形成され、ほぼ段差のない連続
同一面39を覆うように形成されており、燃料極33と
は電気的に接続されていない。この集電体35は、セル
同士を接続する際に、他のセルの燃料極にNiフェルト
を介して電気的に接続され、これにより燃料電池モジュ
ールが構成される。連続同一面39は、固体電解質成形
体の両端部と空気極仮焼体の一部とが連続したほぼ同一
面となるまで、固体電解質成形体の両端部間を研摩する
ことにより形成される。
【0023】固体電解質31は、例えば3〜15モル%
のY2 3 含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2
が用いられる。また、空気極32としては、例えば、主
としてLaをCa又はSrで10〜20原子%置換した
LaMnO3 が用いられ、集電体35としては、例え
ば、主としてCrをMgで10〜30原子%置換したL
aCrO3 が用いられる。 燃料極33としては金属粒子を含有するもので、金属成
分と無機成分からなり、無機成分としては、ZrO2
たはCeO2 単体、あるいは(Zr、Ce)O2 固溶体
であってもよいし、またはY、Yb、Sc、Er、N
d、Gd、Dy、Sm及びPrを3〜30モル%含有し
たZrO2 、CeO2 であっても使用できる。
【0024】金属成分としては、Ni、Co、Ti、F
eおよびRuの少なくとも一つを用いることができ、使
用する燃料ガスにもよるが、Ni金属と、ZrO2 (Y
2 3 含有)あるいはCeO2 (Y2 3 含有)との組
み合わせが、燃料ガスに対する汎用性と経済性の観点か
らは好ましい。
【0025】これらの無機成分と金属成分との存在比率
は、無機成分10〜50重量%、金属成分50〜90重
量%が好ましい。無機成分の含有量が10重量%より少
なくなると、即ち、金属成分が90重量%より多いと、
Niの粒成長の抑制効果が小さくなる。また、無機成分
の含有量が50重量%を越えると、即ち、金属成分が5
0重量%より少ないと、燃料極の電気伝導性が損なわれ
るからである。
【0026】固体電解質31、 空気極32、集電体3
5、燃料極33としては、上記例に限定されるものでは
なく、公知材料を用いても良い。 そして、本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、図2
に示すように、燃料極33の固体電解質31側端に存在
する金属粒子45の一部分を、固体電解質31中に埋設
するとともに、金属粒子45の埋設深さdを金属粒子4
5の直径Lの1/4以上とされている。このように、金
属粒子45の埋設深さdが金属粒子45の粒径Lの1/
4以上としたのは、埋設深さdが粒径Lの1/4よりも
小さい場合には、金属粒子45の埋設深さが不十分であ
り、燃料極33と固体電解質31との界面剥離が発生し
易いからである。金属粒子45の埋設深さdは、セル作
製時および発電時における剥離を防止するという理由か
ら、L/4〜2L/4であることが望ましい。尚、図2
では、無機成分および固体電解質31の粒子については
記載を省略した。
【0027】また、固体電解質に所定間隔をおいて複数
の金属粒子45が埋設されており、固体電解質の厚み方
向における断面において、埋設された複数の金属粒子4
5の固体電解質31表面における長さx1 、x2 ・・・
n の総和が、全長の30〜70%とされている。この
ような範囲とすることにより、金属粒子の電気伝導性を
保持し、粒成長に伴う剥離を阻止することができる。一
方、複数の金属粒子45の固体電解質31表面における
長さの総和の占める割合が30%よりも少ない場合には
電気伝導性が不十分であり、燃料極成分の抵抗が増大す
る傾向があり、逆に70%よりも大きくなると電気伝導
性は良好であるが、金属粒子同士が隣接した部分が増加
し、粒成長により剥離し易くなる傾向があるからであ
る。特には、埋設された複数の金属粒子45の固体電解
質31表面における長さの総和は、剥離を防止し、電気
伝導性を長期維持するという点から、全長の50〜60
%であることが望ましい。
【0028】さらに、本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルでは、燃料極33の金属粒子45の平均粒径が4μm
以下とされている。このような範囲とすることにより、
金属粒子の接触面積を増大することができる。これは、
燃料極33の金属粒子45の平均粒径が4μmよりも大
きい場合には、粒成長に関わらず、熱膨張係数の不一致
により剥離する傾向にあるからである。金属粒子45の
平均粒径は、粒子の粗大化による局所的な剥離を防止す
るという点から、2〜3μmであることが望ましい。
【0029】本発明の固体電解質型燃料電池セルは、例
えば、以下のようにして作製される。先ず、例えば所定
の調合組成に従いLa2 3 、Y2 3 、CaO、Mn
2の素原料を秤量、混合した後、1500℃程度の温
度で2〜10時間仮焼し、その後4〜8μmの粒度に粉
砕調製する。
【0030】調製した粉体に、バインダーを混合、混練
し押出成形法により円筒状の空気極成形体を作製し、さ
らに脱バインダー処理し、1200〜1250℃で仮焼
を行うことで空気極仮焼体を作製する。
【0031】第1固体電解質および第2固体電解質用の
シートとして、例えば3〜20モル%のY2 3 または
Yb2 3 を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO
2 からなる粉末を0.1〜5μmの大きさに調製し、市
販の溶媒、分散剤、バインダーを所定濃度添加し、ドク
ターブレード等の方法により、50〜100μmの厚さ
のシート状の第1固体電解質成形体、10〜20μmの
厚さのシート状の第2固体電解質成形体を作製する。
【0032】集電体35用のシートとして、LaCrO
3 系材料からなる粉末を用いてドクターブレード等の方
法により50〜100μmの厚さのシートを作製する。
【0033】次に、燃料極の混合粉末を作製する。先
ず、例えばNiO(Ni)粉末とY23 含有安定化Z
rO2 (YSZ)粉末の混合粉体は、予めそれぞれの各
平均粒径が1μm以下の原料粉体を使用し、更に分散性
を高めるためにZrO2 ボールを用いて湿式粉砕混合を
行う。燃料極を構成するNi粒子の粒径は、調製した湿
式粉砕混合後のNiO(Ni)/YSZ混合粉体の粒径
により決定されるが、混合粉末のNiO(Ni)の粒径
が2μmを超えると、焼成後に燃料極と固体電解質との
界面において局部的な剥離を伴う場合がある。
【0034】NiO(Ni)/YSZ混合粉体の調製に
関しては、上記湿式粉砕混合処理に限定されること無
く、例えば共沈若しくは凍結乾燥法等の手段を用いて、
それぞれの各一次粒子が細かく均一分散化した粉体を用
いても可能である。
【0035】所定比率に調製したNiO(Ni)/YS
Z混合粉体にトルエン、バインダーを加えてスラリー化
し、シート状の第2固体電解質成形体上にメッシュ製版
を用いて30〜50μmの厚さで所定サイズに印刷し、
第2固体電解質成形体上に燃料極用成形体を積層し、こ
れを加圧し、積層成形体を作製する。或いは、第2固体
電解質成形体にトルエン等の溶剤を塗布し、この後、燃
料極用のスラリーを塗布することにより、第2固体電解
質成形体上に燃料極用成形体を積層した積層成形体を作
製する。このような加圧力または溶剤量を変化すること
により、金属粒子の埋設深さを調製できる。
【0036】そして、図3に示すように、円筒状の空気
極仮焼体51の表面に、シート状の第1固体電解質成形
体53を貼り付け、第1固体電解質成形体53の所定個
所にトルエン等の溶剤を塗布し、この部分に第2固体電
解質成形体55上に燃料極用成形体54を形成した積層
成形体57を、第1固体電解質成形体53側に第2固体
電解質成形体55が当接するように積層し、さらに、空
気極仮焼体51の表面に当接するように、第1固体電解
質成形体53の開口部に集電体シート59を貼り付け、
これを1400〜1550℃の温度で2〜10時間大気
中焼成することにより得られる。尚、図3では、説明
上、積層成形体の一部を貼りつけていない状態を示し
た。
【0037】尚、円筒状の空気極仮焼体51の表面に、
第1固体電解質成形体53用のシートを貼り付けた後、
第1固体電解質成形体53を仮焼し、この後積層成形体
57を積層しても良い。
【0038】以上のように構成された固体電解質型燃料
電池セルでは、燃料極の固体電解質側端に存在する金属
粒子の一部分を、固体電解質中に埋設するとともに、金
属粒子の埋設深さが、金属粒子の粒径の1/4以上であ
るため、燃料極と固体電解質との界面剥離を防止でき
る。その結果、燃料極と固体電解質間の分極の増大に因
る劣化を抑制でき、これに伴い初期の高い出力密度を長
時間にわたり維持できる。
【0039】尚、上記例では円筒状の固体電解質型燃料
電池セルについて説明したが、本発明は上記例に限定さ
れるものではなく、平板型形状の燃料電池セルにおいて
も適用できる。また、円筒状の固体電解質型燃料電池セ
ルにおいても、固体電解質の片面に空気極、他面に燃料
極が形成されていればよく、その構造は図1に限定され
るものではない。
【0040】
【実施例】実施例1 まず円筒状の空気極仮焼体を以下の手順で作製した。市
販の純度99.9%以上のLa2 3 、Y2 3 、Ca
CO3 、Mn2 3 を出発原料として、La0. 560.14
Ca0.3 MnO3 の組成になるように混合し、仮焼した
後、粉砕し、平均粒径が4μmの仮焼粉末を作製し、こ
れに有機系バインダーを添加し、押出成形し、その後、
仮焼して、空気極仮焼体を作製した。
【0041】次に、共沈法により得られたY2 3 を8
モル%の割合で含有する平均粒径が1〜2μmのZrO
2 粉末に、トルエンとバインダーを添加してスラリーを
調製し、ドクターブレード法により厚さ100μmのシ
ート状の第1固体電解質成形体、および厚さ15μmの
シート状の第2固体電解質成形体を作製した。
【0042】次に、平均粒径が0.1〜1μmの範囲の
数種類のNi粉末と、Y2 3 を8モル%の割合で含有
するZrO2 (YSZ)粉末の各粉末を、Ni/YSZ
比率(重量分率)が50/50から80/20の範囲に
なるように調合し、回転若しくは振動ミルを用いて所定
時間粉砕混合処理を行った。
【0043】Ni/YSZ混合粉体におけるマイクロト
ラック分析による平均粒径の測定結果を表1に示す。粉
砕混合した数種類のNi/YSZ混合粉末は、トルエン
とバインダーを添加し攪拌混合によりスラリー化した。
この後、第2固体電解質成形体上に所定量のトルエンを
塗布し、この第2固体電解質成形体上にメッシュ製版を
用いて印刷し、第2固体電解質成形体と燃料極成形体が
積層されたシート状の積層成形体を作製した。
【0044】次に、市販の純度99.9%以上のLa2
3 、Cr2 3 、MgOを出発原料として、これをL
a(Mg0.3 Cr0.7 0.973 の組成になるように秤
量混合した後、1500℃で3hr仮焼粉砕して、平均
粒径が1〜2μmの固溶体粉末を得た。その後、トルエ
ンとバインダーを添加してスラリーを調製し、ドクター
ブレード法により厚さ100μmの集電体シートを作製
した。
【0045】まず、空気極仮焼体に第1固体電解質成形
体のシートを、その両端部が開口するようにロール状に
巻き付け1150℃で5hrの条件で仮焼した。仮焼
後、第1固体電解質仮焼体の両端部間を空気極仮焼体が
露出するように平坦に研磨し、連続した同一面を形成す
るように加工した。
【0046】次に、第1固体電解質仮焼体の表面に、第
2固体電解質成形体と燃料極成形体が積層されたシート
状の積層成形体を、第1固体電解質仮焼体に第2固体電
解質成形体が当接するようにトルエンを介して積層し、
自然乾燥した後、連続同一面形成箇所に集電体シートを
貼り付け、大気中1500℃で6時間共焼結を行い、本
発明の固体電解質型燃料電池セルを作製した。
【0047】また、上記と同様にして、空気極仮焼体に
固体電解質成形体のシートを巻き付けて仮焼し、その開
口部を平坦に研磨して連続した同一面を形成するように
加工するとともに、固体電解質仮焼体に燃料極成形体を
積層し、連続同一面形成箇所に集電体シートを貼り付
け、大気中1500℃で6時間共焼結を行い、比較例の
固体電解質型燃料電池セルを作製した。
【0048】作製した固体電解質型燃料電池セルの燃料
極の評価を行うため、1000℃で7時間の条件で還元
処理を行い、固体電解質と燃料極の界面を走査型電子顕
微鏡(SEM)にて観察したところ、図2に示すよう
に、燃料極の金属粒子の一部が埋設されていた。このS
EM写真から、任意の金属粒子10個について金属粒子
の埋設深さdが、金属粒子の固体電解質表面に対して直
交する方向の金属粒子の粒径Lに対してどの程度の比率
を有するかを測定した。この結果、本発明の試料では、
10個の金属粒子全てについて、その粒径Lの1/4以
上が埋設されていたのに対して、比較例の試料では、1
0個の金属粒子全てについて、埋設深さが粒径Lの1/
4よりも浅く、粒径Lの6%程度しか埋設されていなか
った。
【0049】次に、燃料極と固体電解質との界面に位置
するNi粒子の平均粒径(Dave)と、埋設された金
属粒子の固体電解質表面における長さxの総和が占める
割合(Ds)を、作製したセル破断面の燃料極/固体電
解質界面のSEM観察から次式を用いて算出した。測定
した結果を、表1に示す。
【0050】 Dave= (D1+D2+・・・+Dn)/n Ds = (x1+x2+・・・+xn)/xi (xi;全界面長さ)
【0051】
【表1】
【0052】この表1より、本発明の範囲外の試料N
o.1は、Ni粒子の粒成長に伴う界面剥離が局所的に
みられた。そのため、三相界面としての性能に寄与する
Ni粒子の粒子数は他の本発明品の試料に比べ非常に少
なかった。また、界面観察の結果から、界面に位置する
Ni粒子の平均粒径は粒成長を伴っているため4.9μ
mと大きく、一方、上述の式に基づき算出したDsの値
は18%と他の試料に比べ小さい値となった。
【0053】これに対して、本発明の試料No.2〜7
は、いずれにおいて界面剥離は観察されなかった。ま
た、Ni粒子の極大化したものも観察されなかった。界
面に位置するNi粒子の平均粒径においては、いずれも
4μm以下となり、またスラリー化する際に用いたNi
/YSZ構成粉体の平均粒径が小さくなるほどNiの平
均粒径も小さくなる傾向がみられた。さらにDsの値に
おいては、いずれの試料において30〜70%の値を示
し、Ni/YSZ構成粉体の粒径が1μm以下になると
急激な変化はみられず65%前後に収束する傾向であっ
た。
【0054】実施例2 実施例1で用いた試料No.1、3、4、6のセルを作
製し、セルの出力密度と燃料極と固体電解質間の分極値
を測定した。その結果を表2に示す。
【0055】まず、円筒型セルを作製するため、前記共
焼結体片端部に封止部材の接合を行った。封止部材の接
合は、以下のような手順で行った。Y2 3 を8mol
%の割合で含有する平均粒径が1μmのZrO2 粉末に
水を溶媒として加えてスラリーを調製し、このスラリー
に前記共焼結体の片端部を浸漬し、厚さ100μmにな
るように片端部外周面に塗布し120℃の温度で1hr
乾燥した。封止部材としてのキャップ形状を有する成形
体は、前記スラリー組成と同組成の粉末を用いて静水圧
成形(ラバープレス)を行い切削加工した。
【0056】その後、前記スラリーを被覆した前記共焼
結体片端部を封止部材用成形体に挿入し、大気中130
0℃の温度で1hr焼成を行った。
【0057】発電は、1000℃でセルの内側に空気
を、外側に水素を流し、出力値が安定した際の初期値と
1000hr保持後の値、さらに燃料極と固体電解質間
の分極値をそれぞれ測定した。
【0058】
【表2】
【0059】燃料極と固体電解質間の界面剥離が観察さ
れた本発明範囲外の試料No.8は、初期の出力値は
0.32W/cm2 に到達したものの、時間と共に出力
値が徐々に低下していった。一方、分極値においても出
力値の経時変化と同様の挙動を示し、このことからNi
粒子の剥離が劣化につながることを確認できた。
【0060】界面剥離が観察されなかった試料No.9
〜11は、いずれも出力値が初期の段階で0.34W/
cm2 を上回り、1000時間経過後も出力値がほぼ安
定している傾向がみられた。また、燃料極と固体電解質
間の分極値においても、1000hr経過後も特に大き
な変化はみられず安定した値を示した。
【0061】
【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池セルで
は、金属粒子を固体電解質中に深く埋設したため、燃料
極と固体電解質との界面剥離を防止できる。その結果、
燃料極と固体電解質間の分極の増大に因る劣化を抑制で
き、これに伴い初期の高い出力密度を長時間にわたり維
持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒状の固体電解質型燃料電池セルを
示す断面図である。
【図2】燃料極および固体電解質の近傍を拡大して示す
断面図である。
【図3】本発明の製法を説明するための説明図である。
【図4】従来の円筒状の固体電解質型燃料電池セルを示
す斜視図である。
【符号の説明】
31・・・固体電解質 32・・・空気極 33・・・燃料極 35・・・集電体 36・・・切欠部 45・・・金属粒子 51・・・空気極仮焼体 53・・・第1固体電解質成形体 54・・・燃料極成形体 55・・・第2固体電解質成形体 57・・・積層成形体 d・・・金属粒子の埋設深さ L・・・金属粒子の粒径 x1 、x2 ・・・金属粒子の固体電解質表面における長

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気極表面に、ZrO2 を含有する固体電
    解質、金属粒子を含有する燃料極を順次積層してなる固
    体電解質型燃料電池セルにおいて、前記燃料極の前記固
    体電解質側端に存在する金属粒子が、その粒径の1/4
    以上を前記固体電解質中に埋設してなることを特徴とす
    る固体電解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】固体電解質に所定間隔をおいて複数の金属
    粒子が埋設されており、前記固体電解質の厚み方向にお
    ける断面において、前記埋設された複数の金属粒子の前
    記固体電解質表面における長さの総和が、全長の30〜
    70%であることを特徴とする請求項1記載の固体電解
    質型燃料電池セル。
  3. 【請求項3】燃料極の金属粒子の平均粒径が4μm以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載の固体電
    解質型燃料電池セル。
  4. 【請求項4】空気極仮焼体の表面に形成されたZrO2
    を含有する第1固体電解質成形体に、ZrO2 を含有す
    る第2固体電解質成形体と金属粒子を含有する燃料極成
    形体との積層体からなるシート状の積層成形体を、前記
    第1固体電解質成形体に前記第2固体電解質成形体が当
    接するように積層した後、焼成することを特徴とする固
    体電解質型燃料電池セルの製法。
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