JP2001099596A - プレート式熱交換器のプレート洗浄法 - Google Patents
プレート式熱交換器のプレート洗浄法Info
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Abstract
熱交換器のプレートを、自動化・機械化し得る簡便な化
学的な手法でリフレッシュして再利用し得る、プレート
式熱交換器のプレート洗浄法を提供する。 【解決手段】 使用により汚れたプレート式熱交換器の
プレートを、フッ化水素酸を含む溶解用薬液を用いて洗
浄を行うことを特徴とするプレート式熱交換器のプレー
ト洗浄法。
Description
熱交換器のプレート洗浄法に関するものである。とりわ
け、半導体工場における水処理の工程で、温度75〜1
00℃、塩分60%、その他薬品を含んだ半導体洗浄水
を濃縮させるために用いられるプレート式熱交換器のプ
レート洗浄法に有用なものである。
で、例えば、温度75〜100℃、塩分60%、その他
薬品を含んだ半導体洗浄水を濃縮させるためにプレート
式熱交換器が用いられている。
トの表面に汚れが付着し、熱交換器の能力が低下し運転
に支障をきたすようになる。
品ないし再生品と取り替えなければならないが、コスト
の面から汚れて不良となったプレートをリフレッシュし
て再利用することが強く望まれている。
には、ドライアイスなどを用いた熱膨脹と熱収縮による
伸縮を利用していたが、その汚れが固く、かつ強力につ
いているので、剥離させるのが非常に困難で均一かつ完
全にはとれないという欠点があった。そこで、現在で
は、200〜300枚のプレートを組み立てたプレート
式熱交換器を分解して、汚れたプレート(ステンレスス
チール(SUS304)製で、1枚の大きさが0.9×
2.2m程度で、質量は16kg程度である。)の表面
(表裏の両面)をワイヤブラシ(電動工具)で機械的
(物理的)に擦り、プレート表面に固結された汚れ成分
(硬度成分、シリカ、スケールなど)を削ぎ落とす方法
が採られているのが現状である。しかしながら、畳ほど
の大きさで、16kgの重さのあるプレートの両面をブ
ラス掛けするのは大変な重労働であり、一人一日3枚ぐ
らいが限度であり、また、汚れも硬度成分、シリカ、ス
ケール(特に半導体工場における水処理の工程では、温
度75〜100℃、塩分、その他薬品を含んだ半導体の
洗浄水や加熱用の水蒸気が濃縮されるにつれて溶解鉱物
質(カルシウム塩、マグネシウム塩など)が析出し、伝熱
面の水側に付着するものなどが挙げられる。こうしたス
ケールは、伝熱を著しく阻害し、伝熱面の過熱をもたら
す。)などの落ちにくいものがほとんどであり、1枚に
つきワイヤブラシを2〜3回交換する必要があった。そ
のため、機械・自動化が困難であるため、人手がかかる
ため作業費などがかかるなどの問題があった。さらに、
削ぎ落とされた硬度成分、シリカ、スケールなどからな
る汚れ成分(表面が削り落とされたプレート成分を含
む)が粉末状になり、回収しきれない場合もある。特に
半導体工場における水処理の工程での塩分その他薬品を
含む水の中には、有毒な物質、例えば、ヒ素などを含ん
でおり、こうした物質も汚れとして析出されている場合
があり、未回収の汚れ成分をそのままにしておくと、作
業者の健康を害したり、周辺環境を汚染する恐れがあっ
た。また、ブラシによる擦りキズなどがつき、きれいに
とれないばかりか、かかる擦りキズ部分から腐食が進行
したり、プレート自身も削られて薄くなるなどしてプレ
ートの製品寿命を縮めるなどの問題もあった。
り、さらには、世界的にみても巨大産業に発達した現在
において、世界の半導体製造関連の数多くの企業群の資
本力・経済力および技術開発力をもってしてもなお、半
導体工場における水処理の工程で、半導体洗浄工程で使
用されて、塩分その他薬品等の不純物を含んだ半導体洗
浄水を濃縮させるために用いられるプレート式熱交換器
のプレート洗浄法での有用な化学的な洗浄法は、見出せ
ないのが現状である。すなわち、プレート表面に固結さ
れた汚れ成分(硬度成分、シリカ、スケールなど)を十
分に溶解することのできる溶解用薬液の洗浄力(ないし
溶解能力)は極めて高いものが要求されるが、同時にプ
レート自身も浸食してしまい、選択的に汚れ成分(硬度
成分、シリカ、スケールなど)のみを溶解し、プレート
は一切浸食しないような溶解用薬液は全く見出されてい
ないのが現状である。
は、使用により汚れて不良となった、プレート式熱交換
器のプレートを、自動化・機械化し得る簡便な化学的な
手法でリフレッシュして再利用し得る、プレート式熱交
換器のプレート洗浄法を提供するものである。
なったプレート式熱交換器のプレートの汚れ成分が、半
導体洗浄水由来の複雑な成分からなる強固に固結してい
る成分である場合の、当該プレートを自動化・機械化し
得る簡便な化学的な手法でリフレッシュして再利用し得
る、プレート式熱交換器のプレート洗浄法を提供するも
のである。
る水処理の工程で、塩分その他多くの薬品成分等を含有
する半導体洗浄水を濃縮させるために用いられるプレー
ト式熱交換器のプレートの表面に、使用により塩分その
他多くの薬品成分等の半導体洗浄水由来の複雑な成分か
らなる強固な汚れ成分が固結されて不良となった当該プ
レートを、簡便な化学的な洗浄法であって、かつ短時間
でリフレッシュして再利用し得る、プレート式熱交換器
のプレート洗浄法を提供するものである。
て、さらに自動化・機械化し得る簡便な化学的な洗浄法
であって、かつ短時間でリフレッシュして再利用し得
る、プレート式熱交換器のプレート洗浄法を提供するも
のである。
を達成すべく、プレート式熱交換器のプレート洗浄法に
つき鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った
ものである。
(5)により達成されるものである。
換器のプレートを、フッ化水素酸を含む溶解用薬液を用
いて洗浄を行うことを特徴とするプレート式熱交換器の
プレート洗浄法。
を用いて洗浄した後に、さらに酸処理することを特徴と
する上記(1)に記載の洗浄法。
式熱交換器のプレートを、フッ化水素酸を含む溶解用薬
液に入れて、汚れ成分を洗浄する洗浄工程と、(b)前
記洗浄工程を行った前記プレートを、酸を含む薬液に入
れて酸洗いする酸処理工程と、(c)前記酸処理工程を
行った前記プレートを、弱アルカリ水溶液に入れて、前
記プレートについた酸を含む薬液を中和する中和処理工
程と、(d)前記中和処理工程を行った前記プレート
を、水洗いする水洗工程と、を含むことを特徴とする上
記(1)または(2)に記載の洗浄法。
トが、ステンレススチール製であることを特徴とする上
記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の洗浄法。
における水処理の工程で、洗浄工程で使用されて不純物
を含んだ洗浄水を濃縮させるために用いられるプレート
式熱交換器であることを特徴とする上記(1)〜(4)
のいずれか1つに記載の洗浄法。
レート洗浄法は、使用により汚れたプレート式熱交換器
のプレートを、フッ化水素酸を含む溶解用薬液を用いて
洗浄を行うことを特徴とするものである。これにより、
使用により汚れたプレートから、汚れ成分のみを選択的
に溶解して洗浄することができ、プレート表面を一切腐
蝕することなくリフレッシュさせることができるもので
ある。
浄法の好適な実施の形態としては、前記プレートを、前
記溶解用薬液を用いて洗浄した後に、さらに酸処理する
ことである。より好適な実施の形態としては、(a)使
用により汚れたプレート式熱交換器のプレートを、フッ
化水素酸を含む溶解用薬液に入れて、汚れ成分を洗浄す
る洗浄工程と、(b)前記洗浄工程を行った前記プレー
トを、酸を含む薬液に入れて酸洗いする酸処理工程と、
(c)前記酸処理工程を行った前記プレートを、弱アル
カリ水溶液に入れて、前記プレートについた酸を含む薬
液を中和する中和処理工程と、(d)前記中和処理工程
を行った前記プレートを、水洗いする水洗工程と、を含
むことを特徴とするものである。
工程に従って順次説明する。
交換器のプレートを、フッ化水素酸を含む溶解用薬液を
用いて洗浄を行うものであり、より具体的には、使用に
より汚れたプレート式熱交換器のプレートを、フッ化水
素酸を含む溶解用薬液に入れて、汚れ成分を洗浄するも
のである。
換器のプレートとしては、あらゆる分野で使用されてい
るプレート式熱交換器のプレートが対象となり得るが、
好ましくは、半導体工場における水処理の工程で、半導
体洗浄工程で使用されて不純物を含んだ半導体洗浄水を
濃縮させるために用いられるプレート式熱交換器のプレ
ートである。かかるプレート式熱交換器のプレートで
は、加熱用の蒸気の通路と、半導体洗浄工程で使用され
て不純物を含んだ半導体洗浄水の通路とが形成されてお
り、とりわけ、半導体洗浄工程で使用されて不純物を含
んだ半導体洗浄水の通路側のプレート表面に析出された
汚れが、極めて強固に固結しているため、従来のワイヤ
ブラシ等の機械的(物理的)な方法では、効果的に汚れ
を落とすことができなかったためである。そのため、こ
うした用途でのプレート式熱交換器のプレートでは、本
発明の洗浄法により、従来法における技術的な課題を解
決し得るとした格段の作用効果を奏することができるも
のである。
り形成される汚れ成分としては、プレート式熱交換器の
使用用途により大きく異なるものであり、一義的に規定
することはできないが、上記半導体工場における水処理
の工程で、半導体洗浄工程で使用されて不純物を含んだ
半導体洗浄水を濃縮させるために用いられるプレート式
熱交換器のプレートを例にとれば、加熱用の蒸気の通路
側のプレート表面には、通常のボイラ等にみられるスケ
ール等が形成されている。一方、半導体洗浄工程で使用
されて不純物を含んだ半導体洗浄水の通路側のプレート
表面には、各種薬品による硬度成分(中には有毒なヒ素
なども含まれていることもある)、半導体基板の一部が
エッチング等により溶解ないし削られてなるシリカ(な
いしケイ素含有成分)、スケール等の各種成分からなる
ものが固くかつ強力に固結して形成されている。
としては、特に制限されるものではなく、従来公知のプ
レート式熱交換器のプレートに使われている各種材質に
適用することができる。特に、上記したような半導体工
場における水処理の工程で、半導体洗浄工程で使用され
て不純物を含んだ半導体洗浄水を濃縮させるために用い
られるプレート式熱交換器のプレートの材質として、最
も一般的に多用されており、かつ本発明の洗浄法が好適
に適用できるステンレススチール(SUS)製のものが
望ましいといえる。
の大きさや厚さなどに関しては、使用用途に応じて必要
な処理能力を持たせるように組み立てられることから、
なんら制限されるものではない。特に、プレート式熱交
換器は、プレートの清掃、組立が容易であり、プレート
の増減により伝熱面積を調整できるとする特徴を有する
ことから、その大きさや厚さ(さらに、これらにより決
定される質量)などは取り扱い性が容易なように設計さ
れている場合が多く、例えば、半導体工場における水処
理の工程で、半導体洗浄工程で使用されて不純物を含ん
だ半導体洗浄水を濃縮させるために用いられるプレート
式熱交換器のプレートを例にとれば、大きさは縦2.2
m×横0.9mで、厚さ1mm程度のものが現在、市販
されており一般的である。
水素酸の濃度は、特に制限されるものではないが、経済
性、人体や周辺環境への影響度の観点から、0.01〜
3.0体積%、好ましくは0.3〜1.0体積%、より
好ましくは0.3〜0.5体積%の範囲が望ましい。
0.01体積%未満の場合には、強固に固結した汚れ成
分が短時間で十分に落ちない(ないし溶解しない)場合
があるため好ましくない。一方、3.0体積%を超える
場合には、溶解の程度が変わらず無駄であるほか、フッ
化水素酸は複雑な化学種(F- 、HF2 - のほか、H2
F3 - 、H3 F4 - 、その他)が存在するようになり、
反応性に富み種々の物質と活発に反応する性質を有する
にもかかわらず、濃度が濃くなると意外にも汚れ成分が
十分に落ちなくなる(ないし溶解しなくなる)傾向があ
るため好ましくない。
は、上記フッ化水素酸以外にも、必要に応じて有用な洗
浄効果を奏する薬液を加えても良いが、上記フッ化水素
酸のみを用いるのが好ましい。
まず、液温としては、特に制限されるものではなく融点
以上で沸点未満であればよいが、経済的な観点から、通
常、常温である。また、洗浄時間は、プレート式熱交換
器のプレートの使用による汚れ具合により異なるため、
一義的に規定することはできないが、通常24〜168
時間、好ましくは48〜168時間、より好ましくは7
2〜96時間である。洗浄時間が24時間未満の場合に
は、強固に固結した汚れ成分が十分に落ちない場合があ
る。一方、洗浄時間が168時間を超える場合には、既
に十分に汚れ成分が落ちており、さらに洗浄を継続する
ことに見合う更なる作用効果が期待できず、不経済であ
る。ただし、上記洗浄時間を超えて洗浄を継続しても、
プレート自体の浸食はなく、特に問題とならない。
ものではなく、最も効果的に溶解用薬液とプレートとが
接触し得る状態におかれればよい。例えば、取り扱う溶
解用薬液中のフッ化水素酸は、無色の刺激性液体で空気
中で発煙し、有毒で皮膚、粘膜を強く侵す性質があるた
め、ポリエチレン、パラフィン製の溶解槽(容器)また
は鉛若しくは鉛張り鉄の溶解槽(容器)に溶解用薬液を
貯え、この溶解槽の溶解用薬液中に、使用により汚れた
プレート式熱交換器のプレートを入れて完全に浸漬し、
溶解槽を密閉した状態で、溶解用薬液を上記液温を保持
した状態で適当に撹拌しながら洗浄を行う方法が、作
業環境および周辺環境の観点、さらには、半導体工場
における水処理の工程で、半導体洗浄工程で使用されて
不純物を含んだ半導体洗浄水を濃縮させるために用いら
れるプレート式熱交換器のプレートの場合、半導体洗浄
工程で使用されて不純物を含んだ半導体洗浄水の通路側
のプレート表面に析出された汚れ成分に含まれる有毒な
物質なども全て、洗浄槽に沈澱し凝縮されるので、従来
法のように粉末状になり回収しきれないとする問題もな
く、廃棄物処理が容易であるとする点などから望ましい
が、これらに制限されるものではない。なお、上記プレ
ートを溶解用薬液に浸漬する作業時、溶解用薬液から取
り出す作業時、さらにその後の処理を行う際に、フッ化
水素酸が気化したり、プレートに同伴されて持ち出され
ることから、こうした本発明の一連の洗浄方法の全工程
において、有毒なフッ化水素酸が系外に持ち出された
り、作業者に触れないように、空気および廃液等の回
収、浄化システムを設けておくのが望ましい。
記プレートを、前記溶解用薬液を用いて洗浄した後に、
さらに酸処理することが望ましい。より具体的には、前
記(a)洗浄工程を行った前記プレートを、酸を含む薬
液に入れて酸洗いする酸処理工程を行うのが望ましい。
これにより、プレート表面に残る汚れを洗浄することが
できる。特に、上記洗浄工程と組み合わせることによ
り、上記洗浄工程で従来の物理的な方法では除去が困難
な汚れ成分を溶解剥離し、続いて当該酸処理工程で表面
に残る汚れ成分を洗浄することで、上記洗浄工程だけで
完全に汚れ成分を落とすのに比して、これら2つの工程
組み合わせることで、全体に要する時間を短縮でき経済
的である。
しては、特に制限されるものではなく、硝酸、塩酸、硫
酸、弗酸などが挙げられるが、好ましくはこれらの中か
らプレートの材質により適宜最適なものを選択すればよ
く、従来公知の酸洗い用の薬液を使用することができ
る。具体的には、既に市販されているものが、入手が容
易で、比較的に調達できることから望ましく、例えば、
プレートの材質がステンレス鋼材である場合には、ステ
ンレス表面処理剤(商品名;ラストクリーン RS、構
成成分;硝酸、弗化水素、脱脂剤、展着剤)などが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。なお、酸
成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み
合わせて使用してもよい。
如何なる酸成分(1種若しくは2種以上の組み合わせで
もよい)であれ、プレート表面に残る汚れを洗浄するこ
とができる作用効果を奏することができるものであれば
特に制限されるものではないが、極端に低濃度では洗浄
能力が弱く、十分に洗浄するのに長持間を要し、プレー
ト自身を腐蝕するおそれがあり好ましくない。一方、酸
成分の濃度が高濃度では、プレート自身が腐蝕され、し
みができる場合があり好ましくない。ただし、これらは
酸成分の種類によって最適な濃度も変わる点に注意を要
する。例えば、0.1体積%の濃度の塩酸では、常温
下、6時間でプレート自身が腐蝕される。また、市販品
の場合、酸成分以外の成分も含まれていることから、そ
の取り扱い説明書などに示されている有効とされる濃度
範囲で、予め小規模実験を行い十分な洗浄効果が得られ
ることを確認するのが望ましいといえる。例えば、上記
ステンレス表面処理剤(商品名;ラストクリーン R
S)を用いる場合、当該ステンレス表面処理剤の濃度
(酸成分以外の成分を含む)は、原液でよい。なお、酸
成分の多くは金属腐食性を有するため、プレート自身を
腐蝕するおそれがあるため、市販品に限らず、使用する
酸成分の濃度におけるプレートの腐食度とプレート表面
の汚れの落ち具合を予め十分に確認しておくのが望まし
いといえる。
ート表面に残る汚れを洗浄することができる作用効果を
奏することができるものであれば特に制限されるもので
はない。特にプレートの材質がステンレス鋼材の場合、
多孔質なので短時間では酸のつけかたが均一にうまく行
かない場合がある。一方、酸による処理時間が必要以上
に長いと、酸洗いを継続することに見合う更なる作用効
果が期待できず、不経済である。さらに酸成分の種類に
よっては、プレート自身が腐蝕するおそれがある。市販
品の場合、酸成分以外の成分も含まれていることから、
その取り扱い説明書などに示されている有効な時間の範
囲で、予め小規模実験を行い十分な洗浄効果が得られる
ことを確認するのが望ましいといえる。例えば、上記ス
テンレス表面処理剤(商品名;ラストクリーン RS)
を用いる場合、処理時間は、12〜36時間、好ましく
は18〜30時間である。なお、酸成分の多くは金属腐
食性を有するため、プレート自身を腐蝕するおそれがあ
るため、市販品に限らず、使用する酸成分での適当な処
理経過時間ごとのプレートの腐食度とプレート表面の汚
れの落ち具合を予め十分に確認しておくのが望ましいと
いえる。
ても、プレート表面に残る汚れを洗浄することができる
作用効果を奏することができるものであれば特に制限さ
れるものではないが、経済的観点から、常温でよい。市
販品の場合、酸成分以外の成分も含まれていることか
ら、その取り扱い説明書などに示す温度範囲で、予め小
規模実験を行い十分な洗浄効果が得られることを確認す
るのが望ましいといえる。例えば、上記ステンレス表面
処理剤(商品名;ラストクリーン RS)を用いる場合
の処理剤の液温も、常温がよい。なお、酸成分の多くは
金属腐食性を有するため、プレート自身を腐蝕するおそ
れがあるため、市販品に限らず、使用する酸を含む薬液
の各液温でのプレートの腐食度とプレート表面の汚れの
落ち具合を予め十分に確認しておくのが望ましいといえ
る。
に制限されるものではなく、最も効果的に酸を含む薬液
とプレートとが接触し得る状態におかれればよい。例え
ば、上記溶解用薬液による洗浄工程で洗浄処理したプレ
ートを前記溶解槽から適当な搬送装置により引き上げ、
移動させて、酸を含む薬液を貯えてなる薬液槽(容器)
の当該薬液に入れて完全に浸漬し、薬液槽を密閉した状
態で、酸を含む薬液を上記液温を保持した状態で適当に
撹拌しなから酸洗いを行う方法などが、作業環境および
周辺環境の観点から望ましいが、これらに制限されるも
のではない。
った前記プレートを、弱アルカリ水溶液に入れて、前記
プレートについた酸の液を中和するものである。
水溶液のアルカリ成分としては、特に制限されるもので
はなく、例えば、重炭酸ナトリム、消石灰などの従来既
知のアルカリ成分を使用することができる。これらアル
カリ成分は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を
混合して使用しても良い。なお、弱アルカリ水溶液であ
っても、金属腐食性を有するアルカリ成分を用いる場合
には、プレート自身を腐蝕しないように十分な注意を要
する。
記(b)酸処理工程での酸成分を十分に中和できるもの
であればよい。極端に薄いと処理時間、手間がかかる。
一方、弱アルカリ水溶液の濃度が濃すぎると場合には過
激な中和反応による弊害がある。なお、中和処理方法に
もるが、適当な中和槽を設けて中和処理する場合には、
使用により徐々にアルカリ濃度が低下するため、常に上
記濃度範囲になるように適当な濃度(pH)センサ等で
モニタし、適宜アルカリ成分を補充できる濃度管理シス
テムを構築しておくのが望ましい。
記(b)酸処理工程での酸成分を十分に中和できるもの
であればよいが、経済的観点から常温がよい。
ては、前記(b)酸処理工程での酸成分を十分に中和で
きるものであればよく、中和処理方法にもよるが、適当
な中和槽を設けて中和処理する場合には、通常1時間以
内でよい。弱アルカリ水溶液による処理時間が1時間を
超える場合には、中和処理を継続することに見合う更な
る作用効果が期待できず、不経済である。
れるものではなく、最も効果的に弱アルカリ水溶液とプ
レートとが接触し得る状態におかれればよい。例えば、
上記酸を含む薬液による酸処理工程で酸処理したプレー
トを前記薬液槽から適当な搬送装置により引き上げ、移
動させて、弱アルカリ水溶液を貯えてある水槽(容器)
の当該水溶液中に入れて完全に浸漬し、水槽を密閉した
状態で、弱アルカリ水溶液を上記濃度の範囲に保持した
状態で適当に撹拌しなから中和を行う方法などが挙げら
れるが、これらに制限されるものではない。例えば、上
記弱アルカリ水溶液を各プレート毎に吹き付けてもよ
い。この場合には、次工程の水洗工程と連続的に行い得
るように、上記弱アルカリ水溶液および水を吹き付ける
ためのジェット洗浄機などの吹き付け装置を共通化する
のが望ましい。すなわち、ジェット洗浄機への供給経路
を弱アルカリ水溶液と水の間で適宜切り替えることによ
り、1つのジェット洗浄機により、両工程を行い得るよ
うにすることができるものである。
た前記プレートを、水洗いするものである。これによ
り、前記(c)中和処理工程にてプレートに付着してい
る弱アルカリ水溶液(汚れ成分を含む場合もある)を完
全に洗い流すことができる。
はなく、最も効果的にプレートに付着している弱アルカ
リ水溶液を落とすことができるものであればよい。例え
ば、上記弱アルカリ水溶液による中和処理工程で中和処
理したプレートを前記水槽から適当な搬送装置により引
き上げ、移動させて、複数の水を貯えてなる水槽(容
器)中に順次入れて完全に浸漬していくことで、プレー
トに付着している弱アルカリ水溶液の濃度を低減するこ
ともできるし、1つの水槽を用い、常に水をオーバーフ
ローするようにしておくことで、水槽内の水を入れ替え
ることで、プレートに付着している弱アルカリ水溶液の
濃度を低減することもできるが、多くの水槽や大量の水
を必要とするため、好ましくは上記弱アルカリ水溶液に
よる中和処理工程で中和処理したプレートを前記水槽か
ら適当な搬送装置により引き上げ、移動させた後、ジェ
ット洗浄機などの吹き付け装置を用いて各プレートに水
(高圧水)を吹き付けて、プレートに付着している弱ア
ルカリ水溶液を洗い流す方法などが挙げられるが、これ
らに制限されるものではない。例えば、上記ジェット洗
浄機にエアガンとしての機能を有するものを用いること
で、水洗工程後、直ちにプレート表面に付着する水滴を
吹き飛ばしてもよい。当該水洗工程で十分にアルカリ成
分を洗い流せれば特に問題はないが、僅かなアルカリ成
分その他の不純物が残っていても、自然乾燥などによる
場合、最終的にプレートの下部に水滴が集まり、乾燥中
に濃縮されるため、当該部分で腐食が進行する場合があ
るため、上記エアガン等により素早く液滴を飛ばして乾
燥するか、該プレートを水平にして素早く熱風乾燥する
ことが好ましい。
る。
面PVCライニングの槽(溶解槽)に、水道水4、28
m3 と55%工業用フッ化水素酸23リットルを入れ撹
拌して、0.3体積%の濃度のフッ化水素酸からなる溶
解用薬液を調製し、この溶解槽の溶解用薬液中に、使用
により汚れたプレート式熱交換器のプレート(半導体工
場における水処理の工程で、半導体洗浄工程で使用され
て不純物を含んだ半導体洗浄水を濃縮させるために用い
られる200〜300枚のプレートを組み立てたプレー
ト式熱交換器のプレート)を分解して50枚をそれぞれ
一定の間隔2cm)を保って一度に入れて完全に浸漬
し、溶解槽を密閉した状態で、溶解用薬液の液温を常温
に保持した状態で、適当に撹拌しなから36時間洗浄を
行った。
る)に、酸を含む薬液としてステンレス表面処理剤(商
品名;ラストクリーンRS(有限会社トキワシーエム
製)を加えた。
したプレート50枚をそれぞれ一定の間隔2cm)を保
った状態のまま、前記溶解槽からフックを有する吊り下
げ式の搬送装置により引き上げ、次に水平方向に移動さ
せて、上記酸を含む薬液を貯えた薬液槽に入れて完全に
浸漬し、薬液槽を密閉した状態で、酸を含む薬液の液温
を常温に保持した状態で、24時間酸洗いを行った。
じである)に、重炭酸ナトリウム10kgと、水4.5
m3 を加え撹拌して弱アルカリ水溶液を調製した。
理したプレート50枚をそれぞれ一定の間隔2cm)を
保った状態のまま、前記薬液槽からフックを有する吊り
下げ式の搬送装置により引き上げ、次に水平方向に移動
させて、上記弱アルカリ水溶液を貯えてある水槽の当該
水溶液中に入れて完全に浸漬し、水槽を密閉した状態
で、弱アルカリ水溶液を常温で(プレート50枚を処理
した場合、さらなる重炭酸ナトリウムの補充をしなくと
も上記濃度範囲に保たれていた。)、適当に撹拌しなか
ら、30分間中和を行った。
たプレート50枚をそれぞれ一定の間隔2cm)を保っ
た状態のまま、前記薬液槽からフックを有する吊り下げ
式の搬送装置により引き上げ、水洗場に移動させた後、
ジェット洗浄機を有する吹き付け装置を用いて各プレー
トに水を吹き付けて水洗いを十分に行い、プレートに付
着している残存スケールなどおよび弱アルカリ水溶液を
完全に洗い流した。
ったプレート両表面は、いずれも完全に汚れが落ちてい
た。一方、プレート自体の腐食は見られず、新品時の状
態に仕上げることができており、極めて良好な洗浄が行
えたことが確認できた。
去は、その汚れが固く、かつ強力についているので、剥
離させるのが非常に困難で熱膨脹による伸縮を利用して
も均一かつ完全にはとれず、ブラシ等で機械的(物理
的)にとると表面にキズがついてきれいにとれない。本
発明の方法では、薬液を用いた溶解にて汚れをとり、水
洗で仕上げるので、プレート表面にキズをつけたり、削
って薄くなることもない。
液の成分、濃度を調整し、プレートの腐食はなく、新品
時の状態に仕上げることができる。
れに含まれる成分の不明な物質の処理は、洗浄槽に沈澱
し凝縮されるので、機械的にとる場合にみられるシリカ
等の乾燥した粉末状態とならないため、飛散して回収困
難になることがなく、廃棄物処理が容易である。
Claims (5)
- 【請求項1】 使用により汚れたプレート式熱交換器の
プレートを、フッ化水素酸を含む溶解用薬液を用いて洗
浄を行うことを特徴とするプレート式熱交換器のプレー
ト洗浄法。 - 【請求項2】 前記プレートを、前記溶解用薬液を用い
て洗浄した後に、さらに酸処理することを特徴とする請
求項1に記載の洗浄法。 - 【請求項3】 (a)使用により汚れたプレート式熱交
換器のプレートを、フッ化水素酸を含む溶解用薬液に入
れて、汚れ成分を洗浄する洗浄工程と、 (b)前記洗浄工程を行った前記プレートを、酸を含む
薬液に入れて酸洗いする酸処理工程と、 (c)前記酸処理工程を行った前記プレートを、弱アル
カリ水溶液に入れて、前記プレートについた酸を含む薬
液を中和する中和処理工程と、 (d)前記中和処理工程を行った前記プレートを、水洗
いする水洗工程と、を含むことを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の洗浄法。 - 【請求項4】 前記プレート式熱交換器のプレートが、
ステンレススチール製であることを特徴とする請求項1
〜3のいずれか1項に記載の洗浄法。 - 【請求項5】 前記プレート式熱交換器が、工場におけ
る水処理の工程で、洗浄工程で使用されて不純物を含ん
だ洗浄水を濃縮させるために用いられるプレート式熱交
換器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項に記載の洗浄法。
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JP27690099A JP3598242B2 (ja) | 1999-09-29 | 1999-09-29 | プレート式熱交換器のプレート洗浄法 |
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JP3598242B2 JP3598242B2 (ja) | 2004-12-08 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102538572A (zh) * | 2012-02-03 | 2012-07-04 | 湖北双环科技股份有限公司 | 一种清洗螺旋板换热器的方法 |
CN103512421A (zh) * | 2013-10-08 | 2014-01-15 | 中国铝业股份有限公司 | 一种换热器结垢的清洗方法 |
KR20230034615A (ko) * | 2021-09-03 | 2023-03-10 | 권윤호 | 세정력을 높인 열교환기의 세정 공법 |
-
1999
- 1999-09-29 JP JP27690099A patent/JP3598242B2/ja not_active Expired - Fee Related
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