JP2968223B2 - 酒類取扱装置用清浄剤及び酒類取扱装置の清浄化法 - Google Patents

酒類取扱装置用清浄剤及び酒類取扱装置の清浄化法

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JP2968223B2
JP2968223B2 JP863697A JP863697A JP2968223B2 JP 2968223 B2 JP2968223 B2 JP 2968223B2 JP 863697 A JP863697 A JP 863697A JP 863697 A JP863697 A JP 863697A JP 2968223 B2 JP2968223 B2 JP 2968223B2
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acid
handling equipment
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正光 池内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酒類取扱装置用の清
浄剤、及び酒類取扱装置の清浄化法に関する。
【0002】
【従来の技術】酒類の取扱装置、特にビール等の醗酵装
置、貯蔵装置、充填装置、或いは分配注ぎ出し装置など
の内壁面には、酒類に含まれる種々の不純物が析出し
て、いわゆる酒石などと呼ばれるスケールを生ずること
が知られている。このようなスケールが付着した装置は
場合により細菌等の発生の温床となり易く、また多量に
蓄積すると、剥離脱落して製品中に混入するなどの、品
質上の問題を引き起こすことがある。そのため従来は、
スケールの蓄積が多くならないうちに、食品処理装置な
どの洗浄剤などを使用して内部の清掃を行うことが普通
であった。
【0003】従来から、食品処理装置などの器壁に付着
した汚れやスケールなどを除去し、清浄化するために使
用されている洗浄剤としては、苛性アルカリなどの水溶
液に界面活性剤などを加えたものが多く使用されてい
る。しかしビール等の酒類を取扱う装置の器壁などに析
出するスケールは、有機酸塩や炭酸塩などが関与して生
成するものと思われ、既存の食品処理装置用の洗浄剤で
は清浄化するのに時間がかかり、50℃程度まで加温し
てもなお充分な効果が得られていない。そのうえ装置を
冷却するにも余分な時間がかかり、装置の稼働率を低下
させる原因となるばかりでなく、作業のための労力やエ
ネルギーコストも無視できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
の食品処理装置用の洗浄剤では容易に除去できなかった
酒類取扱装置内壁のスケールを、効率的に除去すること
ができる清浄剤、並びにかかる清浄剤を用いて酒類取扱
装置内部を迅速に清浄化することができる清浄化法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とができる本発明の酒類取扱装置用清浄剤は、過マンガ
ン酸塩と、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、及び、
該過マンガン酸塩を酸化還元反応によって分解しない有
機酸から選択された水素イオン供給剤とを含有する水溶
液からなるものである。そして本発明の酒類取扱装置の
清浄化法は、酒類取扱装置、特にその内壁面に過マンガ
ン酸塩と、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、及び、
該過マンガン酸塩を酸化還元反応によって分解しない有
機酸から選択された水素イオン供給剤とを含有する水溶
液を接触させることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の酒類取扱装置用清浄剤の
有効成分である過マンガン酸塩は、例えば過マンガン酸
ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸アン
モニウム、過マンガン酸カルシウム、過マンガン酸マグ
ネシウムなどの水溶性の過マンガン酸塩であれば、特に
制限なく使用することができる。また過マンガン酸塩の
水溶液中の濃度は、特に制限はないが、10mol/L 程度
以上であることが好ましい。
【0007】同じく本発明の酒類取扱装置用清浄剤の有
効成分である水素イオン供給剤としては、例えば塩酸、
硝酸、硫酸、スルファミン酸などの水溶性の無機酸を好
ましく用いることができるが、酸化還元反応を起こして
上記の過マンガン酸塩を分解するものでなければ、有機
酸などであっても使用することができる。かかる水素イ
オン供給剤の使用濃度は、過マンガン酸塩に対してモル
比で8倍以上の水素イオン供給が可能であれば、特に問
題はない。
【0008】本発明の清浄剤は、上記の過マンガン酸塩
と水素イオン供給剤とを含むものであるが、必要に応じ
て清浄化の対象となる装置の材質に対応する防食剤や、
界面活性剤などを更に配合することができる。また本発
明の清浄剤は、装置の清浄化に直ちに使用できる濃度と
なるように予め調製しておいた原液をそのまま用いても
よく、又は高濃度に調製しておいた原液を使用の前に所
望の濃度に希釈して用いてもよい。或いはまた、各成分
単独、又は各成分をそれぞれ含むか或いは各成分を組み
合わせて含む溶液を、使用の直前に混合溶解して調製す
ることもできる。
【0009】本発明の清浄剤を用いて酒類取扱装置の清
浄化を行うには、酒類取扱装置内に清浄剤を供給して清
浄化を必要とする部分に接触させるが、このときに清浄
剤を流動させることができれば更に好ましい。また清浄
剤は特に加温する必要はなく、常温でも効率よくスケー
ルの除去を進めることができる。こうして清浄剤により
溶解し、または軟化崩壊したスケールは、更に装置内を
清水によって洗浄することにより容易に除去することが
できる。
【0010】
【実施例】過マンガン酸カリウム(KM)と、塩酸(H
C)、硝酸(HN)、硫酸(HS)、スルファミン酸
(SA)、及び水酸化カリウム(CK)を用いて、表1
に示すような組成の水溶液を準備した。一方、水冷式ビ
ールディスペンサの冷却管の内面に付着したスケールを
掻き取り、このスケール500mgを前記の水溶液各10
0ml中に投入し、25℃で攪拌しながら30分間反応状
況を観察した。その後、JIS K0101「工業用水
試験方法」の16.1「懸濁物質」に記載された試験方
法に準じて、各水溶液中に残留した不溶解残渣をガラス
繊維濾紙で濾し取り、その重量を測定した。これらの結
果を表1に併せて示した。
【0011】
【表1】
【0012】上記の結果を見ると、本発明の酒類取扱装
置用清浄剤は、それぞれ単独ではスケール除去効果がな
い過マンガン酸塩と、水素イオン供給剤とを組み合わせ
ることによって、酒類の取扱いによって発生したスケー
ルを極めて効果的に分解する能力を有していることがわ
かる。なお、過マンガン酸塩と硫酸とを組み合わせたと
きはスケールの溶解力が小さいように見えるが、清浄剤
による処理操作の後の水洗により簡単に除去でき、問題
なく清浄化できることが確かめられている。
【0013】
【発明の効果】本発明の酒類取扱装置用清浄剤は、酒類
取扱装置内に生成したスケールを迅速かつ効果的に溶解
除去する能力を有するもので、清浄剤を加温することな
く使用しても簡単に清浄化操作を進めることができるの
で、清掃のための労力やエネルギーを節約できる他、装
置の稼働率を高めることができるという効果がある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過マンガン酸塩と、塩酸、硝酸、硫酸、
    スルファミン酸、及び、該過マンガン酸塩を酸化還元反
    応によって分解しない有機酸から選択された水素イオン
    供給剤とを含有する水溶液からなることを特徴とする、
    酒類取扱装置用清浄剤。
  2. 【請求項2】 酒類取扱装置に過マンガン酸塩と、塩
    酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、及び、該過マンガン
    酸塩を酸化還元反応によって分解しない有機酸から選択
    された水素イオン供給剤とを含有する水溶液を接触させ
    ることを特徴とする、酒類取扱装置の清浄化法。
JP863697A 1997-01-21 1997-01-21 酒類取扱装置用清浄剤及び酒類取扱装置の清浄化法 Expired - Lifetime JP2968223B2 (ja)

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