JP2001099506A - パルス管冷凍機 - Google Patents

パルス管冷凍機

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JP2001099506A JP27666899A JP27666899A JP2001099506A JP 2001099506 A JP2001099506 A JP 2001099506A JP 27666899 A JP27666899 A JP 27666899A JP 27666899 A JP27666899 A JP 27666899A JP 2001099506 A JP2001099506 A JP 2001099506A
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pressure
valve
low
pulse tube
temperature end
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Shiyoui Shiyu
紹偉 朱
Arata Kono
新 河野
Masabumi Nogawa
正文 野川
Tatsuo Inoue
龍夫 井上
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルス管冷凍機において、循環流の発生を防
止して冷凍効率を向上させること。 【解決手段】 第2高圧開閉弁18及び第2低圧開閉弁
19とパルス管高温端41bとの間にシリンダ部材71
を設ける。シリンダ部材71の内部空間に画成部材72
を配置する。この画成部材71で、シリンダ部材71内
の空間を、第2高圧開閉弁18及び第2低圧開閉弁19
に連通する第1内部空間74と、パルス管高温端41b
に連通する第2内部空間75とに画成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス管冷凍機に
関するものであり、特に、4弁型パルス管冷凍機の改良
構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】極低温を発生するパルス管冷凍機として
4弁型(four valve)パルス管冷凍機が知ら
れている。この4弁型パルス管冷凍機は、圧縮機の吐出
口(高圧口)に連通された第1高圧開閉弁及び第2高圧
開閉弁と、圧縮機の吸入口(低圧口)に連通された第1
低圧開閉弁及び第2低圧開閉弁との4つの開閉弁を具備
し、第1高圧開閉弁及び第1低圧開閉弁を蓄冷器の高温
端に、第2高圧開閉弁及び第2低圧開閉弁をパルス管の
高温端に連通した構成であり、4つの開閉弁の開閉動作
を制御することで作動流体の圧力と位置との位相差を調
節する。これにより、通常のオリフィスバッファタイプ
のパルス管冷凍機よりも冷凍効率を向上させることがで
きるというものである。
【0003】近年、この4弁型パルス管冷凍機の改良構
造がいろいろと提案されている。その1つに、Adva
nces in cryogenic Engineer
ing, Vol.43 p.1983〜p.1989
に記載されたパルス管冷凍機がある。これを従来技術と
して以下に説明する。
【0004】図12は、上記従来文献に記載されたパル
ス管冷凍機である。図において、パルス管冷凍機201
は、圧縮機11と、圧縮機11の吐出口(高圧口)11
aに連通された第1高圧開閉弁14及び第2高圧開閉弁
18と、圧縮機11の吸入口(低圧口)11bに連通さ
れた第1低圧開閉弁15及び第2低圧開閉弁19と、低
温端21aおよび高温端21bを備え該高温端21bに
て第1高圧開閉弁14および第1低圧開閉弁15に連通
した蓄冷器21と、蓄冷器21の低温端21aに連通し
たコールドヘッド31と、低温端41a及び高温端41
bを備え該低温端41aにてコールドヘッド31に連通
したパルス管41と、パルス管41の高温端41bにバ
ッファ側開閉弁62を介して連通されたバッファタンク
61とを具備して構成されている。また、パルス管41
の高温端41bと、第2高圧開閉弁18及び第2低圧開
閉弁19とは、連通路58で連通している。上記構成か
らもわかるように、このパルス管冷凍機201は、第1
高圧開閉弁14、第2高圧開閉弁18、第1低圧開閉弁
15、第2低圧開閉弁19、バッファ側開閉弁62と、
5つの開閉弁を具備している。このため、上記文献では
このようなパルス管冷凍機を、5弁型(five va
lve)パルス管冷凍機と呼んでいる。
【0005】このようなパルス管冷凍機201におい
て、各開閉弁を所定のタイミングで開閉操作することに
より、コールドヘッド31において効率良く寒冷を発生
する。この場合、作動空間内の圧力が高圧から低圧へ、
また低圧から高圧へと切り替わる間に、一旦バッファ側
開閉弁62を開とすることによって作動空間内圧力をバ
ッファ圧(中圧)としているので、圧力差に伴って発生
する開閉弁損失(圧力差が大きい程損失が大きい)を減
少させることができ、これによって冷凍効率が一層向上
するといった効果がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成のパルス管冷
凍機201でも、通常の4弁型パルス管冷凍機でも、そ
の構造上特有の欠点がある。それは、作動空間内の循環
流(DCガスフロー)の発生である。4弁型パルス管冷
凍機は、圧縮機の吐出口と吸入口とが開閉弁を介して閉
ループ状に接続されているので、この閉ループに沿って
循環流が発生する。この循環流は、例えば図12のパル
ス管冷凍機201を例にとると、圧縮機11の吐出口1
1aから第2高圧開閉弁18を通ってパルス管41の高
温端41bへ流れ、その後パルス管41内、蓄冷器21
内を経て第1低圧開閉弁15から圧縮機11の吸入口1
1bに帰還するルートを辿ったり、圧縮機11の吐出口
11aから第1高圧開閉弁14を通って蓄冷器21の高
温端21bへ流れ、その後蓄冷器21、パルス管41内
を経て第2低圧開閉弁19から圧縮機11の吸入口11
bに帰還するルートを辿ったりするものであり、循環流
に乗って高温部における熱が低温部に運ばれることとな
り、冷凍効率を低下させる要因となる。
【0007】故に、本発明は、上記実情に鑑みなされた
ものであり、パルス管冷凍機において、循環流の発生を
防止して冷凍効率を向上さることを技術的課題とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた請求項1の発明は、圧縮機と、前記圧
縮機の吐出口に連通された第1高圧開閉弁及び第2高圧
開閉弁と、前記圧縮機の吸入口に連通された第1低圧開
閉弁及び第2低圧開閉弁と、低温端および高温端を備え
該高温端にて前記第1高圧開閉弁および前記第1低圧開
閉弁に連通した蓄冷器と、該蓄冷器の低温端に連通した
コールドヘッドと、低温端及び高温端を備え該低温端に
て前記コールドヘッドに連通したパルス管と、該パルス
管の高温端にバッファ側開閉弁を介して連通されたバッ
ファタンクと、前記第2の高圧開閉弁及び前記第2の低圧
開閉弁並びに前記パルス管の高温端に連通する内部空間
を持つシリンダ部材と、該シリンダ部材の内部に往復動
可能に配置されかつ前記シリンダ部材の内部空間を前記
第2の高圧開閉弁及び前記第2の低圧開閉弁に連通する
第1内部空間と前記パルス管冷凍機の高温端に連通する
第2内部空間とに画成する画成部材とを具備したパルス
管冷凍機としたことである。
【0009】上記発明のパルス管冷凍機は、第2高圧開
閉弁及び第2低圧開閉弁に連通するとともに、パルス管
の高温端に連通したシリンダを備える。このシリンダの
内部には、ディスプレーサ等の画成部材が往復動可能に
配置している。そして、この画成部材によって、シリン
ダ部材の内部空間が、第2の高圧開閉弁及び第2の低圧開
閉弁に連通する第1内部空間とパルス管の高温端に連通
する第2内部空間とに画成されている構成である。
【0010】このようにシリンダ部材の内部に配置され
た画成部材によってシリンダ内部の空間が画成されてい
るので、この画成部材によって循環流が遮断される。こ
のため循環流が発生することなく、循環流の発生による
冷凍効率の低下が防止され、ひいては冷凍効率を向上さ
せることができる。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、前記画成部材は、弾性部材によって弾性支持
されていることを特徴としている。
【0012】上記発明によれば、画成部材をスプリング
等の弾性部材で弾性支持することにより、画成部材の移
動距離を規制するとともに、弾性部材の弾性係数を調整
することにより画成部材の移動量を制御することができ
る。
【0013】また、請求項3の発明は、請求項2の発明
において、前記パルス管冷凍機の運転中、高圧移送過程
において、前記画成部材が移動して作動流体が行う仕事
の一部を回収するように前記第1高圧開閉弁及び前記第
2高圧開閉弁を開閉制御し、低圧移送過程において、前
記画成部材が移動して作動流体が行う仕事の一部を回収
するように前記第1低圧開閉弁及び前記第2低圧開閉弁
を開閉制御することを特徴としている。
【0014】上記発明によれば、高圧移送過程及び低圧
移送過程において、従来のパルス管冷凍機では熱として
散逸してしまう仕事を、画成部材が移動することにより
系内に回収するので、冷凍効率を向上させることができ
る。ここで、高圧移送過程及び低圧移送過程とは、理論
的には作動空間内(主にパルス管内)の作動流体が圧力
変化せずに変位する過程である。
【0015】また、請求項4の発明は、請求項3の発明
において、前記高圧移送過程において、前記第1高圧開
閉弁及び前記第2高圧開閉弁とが共に開となり、低圧移
送過程において、前記第1低圧開閉弁と前記第2低圧開
閉弁とが共に開となるように開閉弁制御されることを特
徴としている。
【0016】上記発明に示す開閉弁制御を行うことによ
り、確実に作動流体の仕事を回収でき、確実に冷凍効率
を向上させることができる。
【0017】また、請求項5の発明は、請求項1または
2において、前記バッファ側開閉弁は、前記パルス管の
高温端と前記バッファタンクとの間に2つ並設されてな
ることを特徴としている。
【0018】上記発明によれば、パルス管の高温端とバ
ッファタンクとの間に、バッファ側開閉弁が2つ並設さ
れているので、圧縮・膨張過程にて開閉作動させるバッ
ファ側開閉弁と高圧・低圧移送過程にて開閉作動させる
バッファ側開閉弁とを別々にすることにより、要求され
る冷凍能力に見合った状態でパルス管冷凍機を運転する
ことができる。
【0019】また、請求項6の発明は、請求項5におい
て、前記パルス管冷凍機の運転中、圧縮過程及び膨張過
程において、並設された2つの前記バッファ側開閉弁の
うちの一方のバッファ側開閉弁が開となり、高圧移送過
程及び低圧移送過程において、並設された2つの前記バ
ッファ側開閉弁のうちの他方のバッファ側開閉弁が開と
なるように前記2つのバッファ側開閉弁を制御すること
を特徴としている。
【0020】上記発明によれば、圧縮・膨張過程にて開
閉作動させるバッファ側開閉弁と高圧・低圧移送過程に
て開閉作動させるバッファ側開閉弁とを別々にするの
で、要求される冷凍能力に見合った状態でパルス管冷凍
機を運転することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により
具体的に説明する。尚、以下の実施形態例において、従
来技術と同一部分については同一の符号で示すものとす
る。
【0022】(第1実施形態例)図1は、本発明の第1
実施形態例におけるパルス管冷凍機の概略構成図であ
る。図に示すように、パルス管冷凍機101は、圧縮機
11を具備する。この圧縮機11は、一般的には吐出口
(高圧口)11a及び吸入口(低圧口)11bを持つコ
ンプレッサーで構成される。圧縮機11の吐出口11a
には、第1高圧通路12及び第2高圧通路16が接続さ
れており、第1高圧通路12で第1高圧開閉弁14が、
第2高圧通路16で第2高圧開閉弁18が、それぞれ圧
縮機11の吐出口11aに連通している。また、圧縮機
11の吸入口11bには、第1低圧通路及13び第2低
圧通路17が接続されており、第1低圧通路13で第1
低圧開閉弁15が、第2低圧通路17で第2低圧開閉弁
19が、それぞれ圧縮機11の吸入口11bに連通して
いる。
【0023】第1高圧開閉弁14及び第1低圧開閉弁1
5は、連通路51で蓄冷器21に連通している。本例に
おいては図に示すように連通路51はその一方側が二股
状に分岐しており、一方の分岐端部が第1高圧開閉弁1
4に連通し、他方の分岐端部が第1低圧開閉弁15に連
通している。そして、連通路51の他方側は蓄冷器21
に連通している。蓄冷器21は、本例では円筒状のハウ
ジング及び該ハウジングの内部に積層された金属製のメ
ッシュで構成され、一方の円筒端部である低温端21a
及び他方の円筒端部である高温端21bとを備えてい
る。低温端21aは、パルス管冷凍機101の運転中に
低温となる側の端部であり、高温端21bは、パルス管
冷凍機101の運転中に常温もしくは高温となる側の端
部である。そして、蓄冷器21の高温端21bにて連通
路51を介して第1高圧開閉弁14及び第1低圧開閉弁
に連通している。
【0024】蓄冷器21の低温端21aにはコールドヘ
ッド31が連通している。このコールドヘッド31はパ
ルス管冷凍機101の運転によって発生する寒冷を取出
したり、被冷却体を接触させて冷却させたりする部分で
あり、熱伝導の良好な銅等の材質で形成され、かつ内部
に作動流体が通過する通路が形成されている。
【0025】コールドヘッド31はさらにパルス管41
と連通している。パルス管41は一般的に円筒状の中空
管、例えばステンレス製の中空円筒管で形成され、一方
の円筒端部である低温端41a及び他方の円筒端部であ
る高温端41bとを備えている。低温端41aは、パル
ス管冷凍機101の運転中に低温となる側の端部であ
り、高温端41bは、パルス管冷凍機101の運転中に
常温もしくは高温となる側の端部である。そして、低温
端41bにてコールドヘッド31に連通している。尚、
本例ではパルス管41の高温端41bに放熱器52が取
り付けられている。この放熱器52は、高温となるパル
ス管冷凍機41の高温端41bから熱を外部に放散させ
る機能を果たすものである。
【0026】パルス管41の高温端41bには、連通路
53でバッファタンク61が連通している。また連通路
53の途中にはバッファ側開閉弁62が介装されてい
る。従って、バッファタンク61は、バッファ側開閉弁
62を介してパルス管41の高温端41bに連通してい
ることになる。
【0027】連通路53の途中には、図に示すように連
通路54の一端が連結されている。この連通路54の他
端は、シリンダ部材71に接続されている。シリンダ部
材71は、本例では中空円筒状に形成されており、連通
路54の他端はシリンダ部材71の一端面に接続してい
る。シリンダ部材71の他端面には連通路55が接続さ
れている。この連通路55は、その途中で分岐してお
り、一方の分岐端が第2高圧開閉弁18に、他方の分岐
端が第2低圧開閉弁19に連通している。従って、シリ
ンダ部材71は、連通路55を通って第2高圧開閉弁1
8及び第2低圧開閉弁19に、連通路54及び連通路5
3を通ってパルス管41の高温端41bに連通する内部
空間を持つものである。
【0028】シリンダ部材71の内部には、画成部材7
2が配置している。本例ではこの画成部材72は、円筒
状に形成されたディスプレーサ72a及び該ディスプレ
ーサ72aの外周に取り付けられたピストンリング72
bで構成されており、シリンダ部材71の内部空間を、
該シリンダ部材71の一端面から他端面にかけて往復動
可能に配置されているとともに、シリンダ部材71の内
部空間を第1内部空間74及び第2内部空間75に画成
している。図からわかるように、第1内部空間74は、
連通路55を通って第2高圧開閉弁18及び第2低圧開
閉弁19に連通しており、第2内部空間75は、連通路
54、連通路53を通ってパルス管41の高温端41b
に連通している。従って画成部材72は、シリンダ部材
71の内部空間を、第2高圧開閉弁18及び第2低圧開
閉弁19に連通する第1内部空間74と、パルス管41
の高温端41bに連通する第2内部空間75とに画成す
るものである。
【0029】また、画成部材72には、弾性部材として
のスプリング73が連結されている。このスプリング7
3は本例では図に示すように第1内部空間74内に配設
されており、その一端が画成部材72に接続され、その
他端がシリンダ部材71の一端面の内壁に接続されてい
る。このスプリング73で画成部材72を弾性支持する
とともに、該画成部材72が往復動するときの移動距離
を規制したり調整したりする。
【0030】上記構成からわかるように、本例における
パルス管冷凍機101においては、開閉弁が5個(第1
高圧開閉弁14、第1低圧開閉弁15、第2高圧開閉弁
18、第2低圧開閉弁19、バッファ側開閉弁62)あ
る。この5個の開閉弁をそれぞれ分離して開閉制御して
も構わないが、装置のコンパクト化等を考慮して、これ
らの5個の開閉弁を1つのロータリーバルブユニットと
してまとめ、ロータの回転によって各開閉弁の開閉操作
がなされるようにするのが一般的である。
【0031】尚、上記構成において、5個の開閉弁(第
1高圧開閉弁14、第1低圧開閉弁15、第2高圧開閉
弁18、第2低圧開閉弁19)で囲まれた空間内、具体
的には連通路15、蓄冷器21、コールドヘッド31、
パルス管41、連通路53(バッファ側開閉弁62ま
で)、連通路54、シリンダ部材71、連通路55内の
空間を作動空間と、圧縮機11の吐出口11aから第1
高圧開閉弁14までの空間(第1高圧通路12内の空
間)及び第2高圧開閉弁18までの空間(第2高圧通路
16内の空間)を高圧空間と、圧縮機11の吸入口11
bから第1低圧開閉弁15までの空間(第1低圧通路1
3内の空間)及び第2低圧開閉弁19までの空間(第2
低圧通路17内の空間)を低圧空間と、バッファタンク
61及びそれに連通する連通路53(バッファ側開閉弁
62まで)内の空間をバッファ空間と呼ぶ。
【0032】図2は、上記説明のパルス管冷凍機101
の運転時における、時間経過に伴う5個の開閉弁(第1
高圧開閉弁14、第1低圧開閉弁15、第2高圧開閉弁
18、第2低圧開閉弁19、バッファ側開閉弁62)の
開閉状態(太線部分が開の状態、線のない部分が閉の状
態)を示す図、第3は、時間経過に伴う作動空間内(主
にパルス管10内)の圧力状態を示すグラフ、図4は、
時間経過に伴う画成部材72の位置の変化を示すグラ
フ、図5は本例におけるパルス管冷凍機101を運転し
たときのパルス管低温端41b付近の作動流体の圧力と
位置との関係を示す線図(P−Vダイヤグラム)であ
る。また、図2、3、4における横軸(時間軸)には、
各開閉弁を操作するタイミング毎にa〜hの番号を順に
つけて時間経過の代用としている。尚、図3において、
は高圧空間内の圧力、Pはバッファ空間内の圧
力、Pは低圧空間内の圧力と同程度の圧力である。
【0033】本例におけるパルス管冷凍機101におけ
る5個の開閉弁の操作状態及びその操作に伴う作動流体
の状態は、1サイクル中、時間的に次の(1)〜(8)
の8つの過程に区分される。各過程毎に詳述すると、 (1)圧縮前半過程(図2〜図5におけるa〜b間) 第1低圧開閉弁15を閉とするとともにバッファ側開閉
弁62を開とし、バッファ側開閉弁62のみが開でその
他の開閉弁を閉とした状態。この状態では、バッファタ
ンク61内の作動流体がバッファ側開閉弁62を通って
作動空間に流れる。作動空間に流れた作動流体は、パル
ス管41の高温端41bからパルス管41に流入する。
従って、パルス管41内の圧力が上昇する(図3参
照)。また、パルス管41の高温端41bからの作動流
体の流入に伴い低温端41a付近の作動流体はより低温
端41a側に変位する。このためパルス管41の低温端
41a付近の作動流体は、圧力が増加するとともにその
位置が低温端41a側に変位する(図5参照)。また、
バッファ空間から作動空間に流入した作動流体は、連通
路54を通ってシリンダ部材71の第2内部空間75に
も流れる。このため第2内部空間75内の圧力が増加し
て、画成部材72は図示左方向に移動する(図4参
照)。
【0034】(2)圧縮中間過程(図2〜図5における
b〜c間) パルス管41内の圧力が上昇してPに近づいたあたり
で、バッファ側開閉弁62を閉とするとともに、第2高
圧開閉弁18を開とした状態。この状態では、第2高圧
通路16内(高圧空間内)の高圧の作動流体が第2高圧
開閉弁18を通って作動空間内に流れる。作動空間に流
れた作動流体は、連通路55を通ってシリンダ部材71
の第1内部空間74に流入する。このため第1内部空間
74の圧力が高くなり、画成部材72は図示右方向に移
動する(図4参照)。また、画成部材72の移動に伴っ
て第2内部空間75内の作動流体が押出され、このよう
に押出された作動流体は連通路54、53を通ってパル
ス管41内に高温端41b側から流入する。従って、パ
ルス管41内の圧力がさらに上昇する(図3参照)。ま
た、パルス管41の高温端41bからの作動流体の流入
に伴い低温端41a付近の作動流体は低温端41a側に
さらに変位する。このためパルス管41の低温端41a
付近の作動流体は、圧力がさらに増加するとともにその
位置がさらに低温端41a側に変位する(図5参照)。
【0035】(3)圧縮後半過程(図2〜図5における
c〜d間) パルス管41内の圧力が上昇してPに近づいたあたり
で、第2高圧開閉弁18を開としたまま第1高圧開閉弁
14を開とした状態。この状態では、第1高圧通路12
内の高圧の作動流体が第1高圧開閉弁14を通って作動
空間内に流れる。作動空間に流れた作動流体は、連通路
51を通って蓄冷器21に流入する。このためパルス管
41内の作動流体の圧力がさらに上昇して最高圧力P
となる(図3参照)。また、この状態において画成部材
72は第2内部空間75の圧力が上昇するまでの間依然
図示右側に移動する(図4参照)。またこのときの第1
高圧開閉弁14と第2高圧開閉弁18との開弁面積を調
整することによって、パルス管41の低温端41a付近
の作動流体の変位を小さくし、圧力は上昇するがその位
置は変化しないようにすることもできる(図5参照)。
【0036】(4)高圧移送過程(図2〜図5における
d〜e間) 第2高圧開閉弁18を閉とし、第1高圧開閉弁14を開
としたままバッファ側開閉弁62を開とした状態。この
状態では、パルス管41内の作動流体はバッファ側開閉
弁62を通ってバッファタンク61に流れる。これとと
もに、高圧空間(第1高圧通路12)から第1高圧開閉
弁14を通って蓄冷器21に流入した作動流体が該蓄冷
器21で冷却されながらパルス管41内に流入する。こ
のため、パルス管41内の圧力は最高圧力を維持したま
ま(図3参照)、低温端部41a付近の低温の作動流体
の位置が低温端41a側から高温端41b側に変位する
(図5参照)。またこのときのシリンダ部材71内の第
1内部空間74と第2内部空間75との間の圧力差には
変化が生じないので、画成部材72は動かない(図4参
照)。
【0037】(5)膨張前半過程(図2〜図5における
e〜f間) バッファ側開閉弁62を開としたまま第1高圧開閉弁1
4を閉とした状態。この状態では、第1高圧開閉弁14
を閉じることによって高圧空間から作動空間への作動流
体の流入が停止されるので、パルス管41内の高圧の作
動流体がバッファ側開閉弁62を通ってバッファタンク
61に流出するのみとなり、その結果パルス管41内の
圧力が減少する(図3参照)。このためパルス管41の
低温端41a付近の作動流体はさらに高温端41b側に
変位する(図5参照)とともに、断熱膨張により寒冷を
発生する。また、シリンダ部材71の第2内部空間75
内の作動流体も、連通路54、53を経てバッファ側開
閉弁62を通ってバッファタンク61に流出する。従っ
て、第2内部空間75の圧力が減少して画成部材72は
図示右側へ移動する(図4参照)。
【0038】(6)膨張中間過程(図2〜図5における
f〜gの間) パルス管41内の圧力が下降してPに近づいたあたり
で、バッファ側開閉弁62を閉とするとともに、第2低
圧開閉弁19を開とした状態。この状態では、シリンダ
部材71の第1内部空間74内の作動流体が第2低圧開
閉弁19を通って低圧空間(第2低圧通路17)側に流
出する。このため第1内部空間74内の圧力が減少して
画成部材72は図示左側に移動する(図4参照)。ま
た、画成部材72の図示左側への移動により第2内部空
間75の容積が大きくなるので、パルス管41内の作動
流体が連通路53、連通路54を通って第2内部空間7
5内に流れる。このためパルス管41内の圧力はさらに
減少し(図3参照)、低温端41a付近の作動流体はさ
らに高温端41b側に変位する(図5参照)とともに、
断熱膨張により寒冷を発生する。
【0039】(7)膨張後半過程(図2〜図5における
g〜h間) パルス管41内の圧力が下降してPに近づいたあたり
で、第2低圧開閉弁19を開としたまま、第1低圧開閉
弁15を開とした状態。この状態では、蓄冷器21内の
作動流体が第1低圧開閉弁15を通って低圧空間(第1
低圧通路13)内に流れる。このためパルス管41内の
作動流体はさらに低圧となって最低圧力Pとなるとと
もに、低温端41b付近の作動流体がさらに膨張して寒
冷を発生する(図3参照)。また、この状態において画
成部材72は第2内部空間75の圧力が下降するまでの
間依然図示左側に移動する(図4参照)。またこのとき
の第1低圧開閉弁15と第2低圧開閉弁19との開弁面
積を調整することによって、パルス管41の低温端41
a付近の作動流体の変位を小さくし、圧力は減少するが
その位置は変化しないようにすることもできる(図5参
照)。
【0040】(8)低圧移送過程(図2〜図5における
h〜a間) 第2低圧開閉弁19を閉とし、第1低圧開閉弁15を開
いたままバッファ側開閉弁62を開とした状態。この状
態では、バッファタンク61内の作動流体がバッファ側
開閉弁62を通ってパルス管41内に流れる。これとと
もに、パルス管41の低温端41a付近の作動流体がコ
ールドヘッド31、蓄冷器21を冷却しながら流れ、第
1低圧開閉弁15から低圧空間(第1低圧通路13)に
流出する。このため、パルス管41内の圧力は最低圧力
に維持したまま(図3参照)、低温端部41a付近の作
動流体は高温端41b側から低温端41a側に変位する
(図5参照)。またこのときのシリンダ部材71内の第
1内部空間74と第2内部空間75との間の圧力差に変
化が生じないので、画成部材72は動かない(図4参
照)。
【0041】以上の(1)〜(8)の過程を1サイクル
とし、これを繰り返すことにより図5のP−Vダイヤグ
ラムで示すような状態変化を作動流体に生ぜしめ、コー
ルドヘッド31において極低温を発生させるものであ
る。
【0042】上記例に示すパルス管冷凍機101では、
図1より明らかなように、第2高圧開閉弁18及び第2
低圧開閉弁19並びにパルス管41の高温端41bに連
通する内部空間を持つシリンダ部材71を設けている。
このシリンダ部材71の内部には、往復動可能に配置さ
れてかつシリンダ部材71の内部空間を第2高圧開閉弁
18及び第2低圧開閉弁19に連通する第1内部空間7
4とパルス管41の高温端41bに連通する第2内部空
間75とに画成する画成部材72(ディスプレーサ72
a及びピストンリング72b)とを具備する。このた
め、従来の4弁型パルス管冷凍機において必然的に発生
していた循環流は、この画成部材72の存在によって遮
断され、本例におけるパルス管冷凍機101では循環流
が発生することがない。従って、循環流の発生による熱
の持ち込み等が防止され、冷凍効率を向上させることが
できるものである。
【0043】(第2実施形態例)本例では、上記第1実
施形態例で説明したパルス管冷凍機101と同じ構成
で、このパルス管冷凍機101により適した(より効率
の良い)開閉弁操作によって運転する例を示す。
【0044】本例で説明するパルス管冷凍機の構造は、
上記第1実施形態例で説明した図1に示すパルス管冷凍
機101と同じであるので、図1を援用し、その具体的
な構成についての説明は省略する。
【0045】図6は、パルス管冷凍機101の運転時に
おける、時間経過に伴う5個の開閉弁(第1高圧開閉弁
14、第1低圧開閉弁15、第2高圧開閉弁18、第2
低圧開閉弁19、バッファ側開閉弁62)の開閉状態
(太線部分が開の状態、線のない部分が閉の状態)を示
す図、図7は、時間経過に伴う画成部材72の位置の変
化を示すグラフである。尚、時間経過に伴う作動空間内
(主にパルス管10内)の圧力状態は、上記第1実施形
態例で示した図3と、本例におけるパルス管冷凍機10
1を運転したときのパルス管低温端41b付近の作動流
体の圧力と位置との関係は、上記第1実施形態例で示し
た図5とほぼ同一であるので、これらの図を援用する。
また、図6、7における横軸(時間軸)には、各開閉弁
を操作するタイミング毎にa〜hの番号を順につけて時
間経過の代用としている。
【0046】本例におけるパルス管冷凍機101におけ
る5個の開閉弁の操作状態及びその操作に伴う作動流体
の状態は、1サイクル中、時間的に次の(1)〜(8)
の8つの過程に区分される。各過程毎に詳述すると、 (1)圧縮前半過程(a〜b間) 第1低圧開閉弁15を閉とするとともにバッファ側開閉
弁62を開とし、バッファ側開閉弁62のみが開でその
他の開閉弁を閉とした状態。この状態では、バッファタ
ンク61内の作動流体がバッファ側開閉弁62を通って
作動空間に流れる。作動空間に流れた作動流体は、パル
ス管41の高温端41bからパルス管41に流入する。
従って、パルス管41内の圧力が上昇する(図3参
照)。また、パルス管41の高温端41bからの作動流
体の流入に伴い低温端41a側の作動流体はより低温端
41a側に変位する。このためパルス管41の低温端4
1a付近の作動流体は、圧力が増加するとともにその位
置が低温端41a側に変位する(図5参照)。また、バ
ッファ空間から作動空間に流入した作動流体は、連通路
54を通ってシリンダ部材71の第2内部空間75にも
流れる。このため第2内部空間75内の圧力が増加し
て、画成部材72は図示左方向に移動する(図7参
照)。
【0047】(2)圧縮中間過程(b〜c間) パルス管41内の圧力が上昇してPに近づいたあたり
で、バッファ側開閉弁62を閉とするとともに、第2高
圧開閉弁18を開とした状態。この状態では、第2高圧
通路16内(高圧空間内)の高圧の作動流体が第2高圧
開閉弁18を通って作動空間内に流れる。作動空間に流
れた作動流体は、連通路55を通ってシリンダ部材71
の第1内部空間74に流入する。このため第1内部空間
74の圧力が高くなり、画成部材72は図示右方向に移
動する(図7参照)。また、画成部材72の移動に伴っ
て第2内部空間75内の作動流体が押出され、このよう
に押出された作動流体は連通路54、53を通ってパル
ス管41内に高温端41b側から流入する。従って、パ
ルス管41内の圧力がさらに上昇する(図3参照)。ま
た、パルス管41の高温端41bからの作動流体の流入
に伴い低温端41a付近の作動流体は低温端41a側に
さらに変位する。このためパルス管41の低温端41a
付近の作動流体は、圧力がさらに増加するとともにその
位置がさらに低温端41a側に変位する(図5参照)。
【0048】(3)圧縮後半過程(c〜d間) パルス管41内の圧力が上昇してPに近づいたあたり
で、第2高圧開閉弁18を開としたまま第1高圧開閉弁
14を開とした状態。この状態では、第1高圧通路12
内の高圧の作動流体が第1高圧開閉弁14を通って作動
空間内に流れる。作動空間に流れた作動流体は、連通路
51を通って蓄冷器21に流入する。このためパルス管
41内の作動流体の圧力がさらに上昇して最高圧力P
となる(図3参照)。また、この状態において画成部材
72は第2内部空間75の圧力が上昇するまでの間依然
図示右側に移動する(図7参照)。またこのときの第1
高圧開閉弁14と第2高圧開閉弁18との開弁面積を調
整することによって、パルス管41の低温端41a付近
の作動流体の変位を小さくし、圧力は上昇するがその位
置は変化しないようにすることもできる(図5参照)。
【0049】(4)高圧移送過程(d〜e間) 本例ではこの過程における開閉弁の状態は上記(3)の
圧縮後半過程と同じである。この状態では、第1内部空
間74と第2内部空間75との間の圧力が同じとなり、
スプリング73の弾性力によって画成部材72が図示左
方向に移動してシリンダ部材71のほぼ中央付近にまで
もどる(図7参照)。これに伴い第2内部空間75の容
積が大きくなるので、パルス管41内の作動流体は連通
路53、54を通ってシリンダ部材71の第2内部空間
75に流れる。また高圧空間(第1高圧通路12)から
第1高圧開閉弁14を通って蓄冷器21に流入した作動
流体が該蓄冷器21で冷却されながらパルス管41内に
流入する。このため、パルス管41内の圧力は最高圧力
を維持したまま(図7参照)、低温端部41a付近の作
動流体が低温端41a側から高温端41b側へと変位す
る(図5参照)。
【0050】(5)膨張前半過程(e〜f間) 第1高圧開閉弁14及び第2高圧開閉弁18を閉じ、バ
ッファ側開閉弁62を開とした状態。この状態では、パ
ルス管41内の高圧の作動流体がバッファ側開閉弁62
を通ってバッファタンク61に流出し、パルス管41内
の圧力が減少する(図3参照)。このためパルス管41
の低温端41a付近の作動流体はさらに高温端41b側
に変位する(図5参照)とともに、断熱膨張により寒冷
を発生する。また、シリンダ部材71の第2内部空間7
5内の作動流体も、連通路54、53を経てバッファ側
開閉弁62を通ってバッファタンク61に流出する。従
って、第2内部空間75の圧力が減少して画成部材72
は図示右側へ移動する(図7参照)。
【0051】(6)膨張中間過程(f〜gの間) パルス管41内の圧力が下降してPに近づいたあたり
で、バッファ側開閉弁62を閉とするとともに、第2低
圧開閉弁19を開とした状態。この状態では、シリンダ
部材71の第1内部空間74内の作動流体が第2低圧開
閉弁19を通って低圧空間(第2低圧通路17)側に流
出する。このため第1内部空間74内の圧力が減少して
画成部材72は図示左側に移動する(図7参照)。ま
た、画成部材72の図示左側への移動により第2内部空
間75の容積が大きくなるので、パルス管41内の作動
流体が連通路53、連通路54を通って第2内部空間7
5内に流れる。このためパルス管41内の圧力はさらに
減少し(図3参照)、低温端41a付近の作動流体はさ
らに高温端41b側に変位する(図5参照)とともに、
断熱膨張により寒冷を発生する。
【0052】(7)膨張後半過程(図6〜図9における
g〜h間) パルス管41内の圧力が下降してPに近づいたあたり
で、第2低圧開閉弁19を開としたまま、第1低圧開閉
弁15を開とした状態。この状態では、蓄冷器21内の
作動流体が第1低圧開閉弁15を通って低圧空間(第1
低圧通路13)内に流れる。このためパルス管41内の
作動流体はさらに低圧となって最低圧力Pとなるとと
もに、低温端41a付近の作動流体がさらに膨張して寒
冷を発生する(図3参照)。また、この状態において画
成部材72は第2内部空間75の圧力が下降するまでの
間依然左側に移動する(図7参照)。またこのときの第
1低圧開閉弁15と第2低圧開閉弁19との開弁面積を
調整することによって、パルス管41の低温端41a付
近の作動流体の変位を小さくし、圧力は減少するがその
位置は変化しないようにすることもできる(図5参
照)。
【0053】(8)低圧移送過程(図6〜図9における
h〜a間) 本例ではこの過程における開閉弁の状態は上記(7)の
膨張後半過程と同じである。この状態では、第1内部空
間74と第2内部空間75との間の圧力が同じとなり、
スプリング76の弾性力によって画成部材72が図示右
方向に移動してシリンダ部材71のほぼ中央付近にまで
もどる(図7参照)。これに伴い第2内部空間75の容
積が小さくなって該内部空間75内から作動流体が押出
され、押出された作動流体は連通路54、53を通って
パルス管41内に流れる。これとともにパルス管41の
低温端41a付近の作動流体がコールドヘッド31、蓄
冷器21を冷却しながら流れ、第1低圧開閉弁15から
低圧空間(第1低圧通路13)に流出する。このため、
パルス管41内の圧力は最低圧力に維持したまま(図7
参照)、低温端部41a付近の作動流体が高温端41b
側から低温端41a側へと変位する(図5参照)。
【0054】以上の(1)〜(8)の過程を1サイクル
とし、これを繰り返すことにより図5のP−Vダイヤグ
ラムで示すような状態変化を作動流体に生ぜしめ、コー
ルドヘッド31において極低温を発生させるものであ
る。
【0055】上記例に示すパルス管冷凍機101では、
上記第1実施形態例と同様に、従来の4弁型パルス管冷
凍機において必然的に発生していた循環流が画成部材7
2の存在によって遮断される。従って、循環流の発生に
よる熱の持ち込み等が防止され、冷凍効率を向上させる
ことができるものである。
【0056】また、本例では、高圧移送過程(d〜e区
間)において、画成部材72が図示左方向に移動してい
る。これは、高圧移送過程において本来であれば熱とし
て散逸される仕事の一部が回収されたことを示す。具体
的には、高圧移送過程において画成部材72が左に移動
すると、第1内部空間74内の容積が小さくなり、該空
間74内の作動流体が押出される。押出された作動流体
は第2高圧開閉弁18を通って高圧空間内に回収され、
高圧空間内の圧力増加を助長する。このようにして作動
流体自体で圧縮機の行うべき仕事を補い、結果として圧
縮機の行う仕事を低減することができる。このため冷凍
効率が向上する。
【0057】同様に、低圧移送過程(h〜a区間)にお
いて、画成部材72は図示右方向に移動している。これ
は、低圧移送過程において本来であれば熱として散逸さ
れる仕事の一部が回収されたことを示す。具体的には、
低圧移送過程において画成部材72が右に移動すると、
第1内部空間74の容積が大きくなり、低圧空間内の作
動流体が第2低圧開閉弁19を第1内部空間74内に引
き込まれる。これにより低圧空間内の圧力減少を助長す
る。このようにして作動流体自体で圧縮機の行うべき仕
事を補い、結果として圧縮機の行う仕事を低減すること
ができる。このため冷凍効率が向上する。
【0058】このように、本例のパルス管冷凍機は、高
圧移送過程において、第1高圧開閉弁14及び第2高圧
開閉弁18を共に開き、画成部材72が移動して作動流
体が行う仕事の一部を回収するように両開閉弁14及び
18を開閉制御するので、冷凍効率を向上させることが
できる。同様に、低圧移送過程において、第1低圧開閉
弁15及び第2低圧開閉弁19を共に開き、画成部材7
2が移動して作動流体が行う仕事の一部を回収するよう
に両開閉弁15及び19を開閉制御するので、冷凍効率
を向上させることができる (第3実施形態例)次に、本発明の第3実施形態例につ
いて図面に基づいて説明する。
【0059】図8は、本発明の第3実施形態例における
パルス管冷凍機の概略構成図であるが、本例で説明する
パルス管冷凍機は、基本的には上記第1及び第2実施形
態例で説明したパルス管冷凍機101と同一構成であ
り、異なるところはパルス管の高温端とバッファタンク
との間に2つの開閉弁を並設した点である。その他の構
成は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機10
1と同一であるので、同一部分を同一符号で示してその
具体的説明を省略する。
【0060】本例のパルス管冷凍機102において、パ
ルス管41の高温端41bには、連通路53でバッファ
タンク61が連通している。また連通路53の途中には
第1バッファ側開閉弁63が介装されている。さらに、
連通路53の途中(パルス管高温端41bと第1バッフ
ァ側開閉弁63との間)には、連通路54の一端が連結
されており、この連通路54の他端はシリンダ部材71
に接続している。この連通路54の途中には、連通路5
6の一端が接続されており、連通路56の他端は連通路
53(第1バッファ側開閉弁63とバッファタンク61
との間)に接続している。そして、連通路56の途中に
は、第2バッファ側開閉弁64が介装されている。従っ
て、図からわかるように、パルス管高温端41bとバッ
ファタンク61との間には、第1バッファ側開閉弁63
と第2バッファ側開閉弁64とが並設されている構成と
なっている。その他の構成は、上記第1及び第2実施形
態例と同一であるので、説明を省略する。
【0061】図9は、上記説明のパルス管冷凍機102
の運転時における、時間経過に伴う6個の開閉弁(第1
高圧開閉弁14、第1低圧開閉弁15、第2高圧開閉弁
18、第2低圧開閉弁19、第1バッファ側開閉弁6
3、第2バッファ側開閉弁64)の開閉状態(太線部分
が開の状態、線のない部分が閉の状態)を示す図、図1
0は、本例におけるパルス管冷凍機102を運転したと
きのパルス管低温端41b付近の作動流体の圧力と位置
との関係を示すグラフ(P−Vダイヤグラム)である。
尚、時間経過に伴う作動空間内(主にパルス管10内)
の圧力状態は、上記第1実施形態例で示した図3と、時
間経過に伴う画成部材72の位置の変化は、上記第1実
施形態例で示した図4とほぼ同一であるので、これらの
図を援用する。また、図9、図10における横軸(時間
軸)には、各開閉弁を操作するタイミング毎にa〜hの
番号を順につけて時間経過の代用としている。
【0062】本例におけるパルス管冷凍機102におけ
る6個の開閉弁の操作状態及びその操作に伴う作動流体
の状態は、1サイクル中、時間的に次の(1)〜(8)
の8つの過程に区分される。各過程毎に詳述すると、 (1)圧縮前半過程(a〜b間) 第1低圧開閉弁15を閉とするとともに第1バッファ側
開閉弁63を開とし、第1バッファ側開閉弁63のみが
開でその他の開閉弁を閉とした状態。この状態では、バ
ッファタンク61内の作動流体が第1バッファ側開閉弁
63を通って作動空間に流れる。作動空間に流れた作動
流体は、パルス管41の高温端41bからパルス管41
に流入する。従って、パルス管41内の圧力が上昇する
(図3参照)。また、パルス管41の高温端41bから
の作動流体の流入に伴い低温端41a付近の作動流体は
より低温端41a側に変位する。このためパルス管41
の低温端41a付近の作動流体は、圧力が増加するとと
もにその位置が低温端41a側に変位する(図10参
照)。また、バッファ空間から作動空間に流入した作動
流体は、連通路54を通ってシリンダ部材71の第2内
部空間75にも流れる。このため第2内部空間75内の
圧力が増加して、画成部材72は図示左方向に移動する
(図4参照)。
【0063】(2)圧縮中間過程(b〜c間) パルス管41内の圧力が上昇してPに近づいたあたり
で、第1バッファ側開閉弁62を閉とするとともに、第
2高圧開閉弁18を開とした状態。この状態では、第2
高圧通路16内の高圧の作動流体が第2高圧開閉弁18
を通って作動空間内に流れる。作動空間に流れた作動流
体は、連通路55を通ってシリンダ部材71の第1内部
空間74に流入する。このため第1内部空間74の圧力
が高くなり、画成部材72は図示右方向に移動する(図
4参照)。また、画成部材72の移動に伴って第2内部
空間75内の作動流体が押出され、このように押出され
た作動流体は連通路54、53を通ってパルス管41内
に高温端41b側から流入する。従って、パルス管41
内の圧力がさらに上昇する(図3参照)。また、パルス
管41の高温端41bからの作動流体の流入に伴い低温
端41a付近の作動流体は低温端41a側にさらに変位
する。このためパルス管41の低温端41a付近の作動
流体は、圧力がさらに増加するとともにその位置がさら
に低温端41a側に変位する(図10参照)。
【0064】(3)圧縮後半過程(c〜d間) パルス管41内の圧力が上昇してPに近づいたあたり
で、第2高圧開閉弁18を開としたまま第1高圧開閉弁
14を開とした状態。この状態では、第1高圧通路12
内の高圧の作動流体が第1高圧開閉弁14を通って作動
空間内に流れる。作動空間に流れた作動流体は、連通路
51を通って蓄冷器21に流入する。このためパルス管
41内の作動流体の圧力がさらに上昇して最高圧力P
となる(図3参照)。また、この状態において画成部材
72は第2内部空間75の圧力が上昇するまでの間依然
図示右側に移動する(図4参照)。またこのときの第1
高圧開閉弁14と第2高圧開閉弁18との開弁面積を調
整することによって、パルス管41の低温端41a付近
の作動流体の変位を小さくし、圧力は上昇するがその位
置は変化しないようにすることもできる(図10参
照)。
【0065】(4)高圧移送過程(d〜e間) 第2高圧開閉弁18を閉とし、第1高圧開閉弁14を開
としたまま第2バッファ側開閉弁64を開とした状態。
この状態では、パルス管41内の作動流体は連通路5
3、連通路54、連通路56、第2バッファ側開閉弁6
4を通ってバッファタンク61に流れる。これととも
に、高圧空間(第1高圧通路12)から第1高圧開閉弁
14を通って蓄冷器21に流入した作動流体が該蓄冷器
21で冷却されながらパルス管41内に流入する。この
ため、パルス管41内の圧力は最高圧力を維持したまま
(図3参照)、低温端部41a付近の低温の作動流体の
位置が低温端41a側から高温端41b側に変位する
(図10参照)。またこのときのシリンダ部材71内の
第1内部空間74と第2内部空間75との間の圧力差に
は変化が生じないので、画成部材72は動かない(図4
参照)。尚、この過程において、第2バッファ側開閉弁
64の開弁面積を操作することによって、パルス管41
の低温端41a付近の作動流体の変位を操作することが
できる。例えば、第2バッファ側開閉弁64の開弁面積
を大きく設定した場合には、パルス管41から第2バッ
ファ側開閉弁64を通ってバッファタンク61に流れる
作動流体の流量を増加させることができ、その結果パル
ス管低温端41a付近の作動流体の低温端41a側から
高温端41b側への変位を大きくさせることができる
(図10の実線)。また、第2バッファ側開閉弁64の
開弁面積を小さく設定した場合には、パルス管41から
第2バッファ側開閉弁64を通ってバッファタンク61
に流れる作動流体を流量を減少させることができ、その
結果パルス管低温端41a付近の作動流体の低温端41
a側から高温端41b側への変位を小さくさせることが
できる(図10の点線)。
【0066】(5)膨張前半過程(e〜f間) 第2バッファ側開閉弁64及び第1高圧開閉弁14を閉
とし、第1バッファ側開閉弁63を開いた状態。この状
態では、第1高圧開閉弁14を閉じることによって高圧
空間から作動空間への作動流体の流入が停止されるとと
もに、パルス管41内の高圧の作動流体が第1バッファ
側開閉弁62を通ってバッファタンク61に流出する。
その結果パルス管41内の圧力が減少する(図3参
照)。このためパルス管41の低温端41a付近の作動
流体はさらに高温端41b側に変位する(図10参照)
とともに、断熱膨張により寒冷を発生する。また、シリ
ンダ部材71の第2内部空間75内の作動流体も、連通
路54、53を経て第1バッファ側開閉弁63を通って
バッファタンク61に流出する。従って、第2内部空間
75の圧力が減少して画成部材72は図示右側へ移動す
る(図4参照)。
【0067】(6)膨張中間過程(図2〜図5における
f〜gの間) パルス管41内の圧力が下降してPに近づいたあたり
で、第1バッファ側開閉弁63を閉とするとともに、第
2低圧開閉弁19を開とした状態。この状態では、シリ
ンダ部材71の第1内部空間74内の作動流体が第2低
圧開閉弁19を通って低圧空間(第2低圧通路17)側
に流出する。このため第1内部空間74内の圧力が減少
して画成部材72は図示左側に移動する(図4参照)。
また、画成部材72の図示左側への移動により第2内部
空間75の容積が大きくなるので、パルス管41内の作
動流体が連通路53、連通路54を通って第2内部空間
75内に流れる。このためパルス管41内の圧力はさら
に減少し(図3参照)、低温端41a付近の作動流体は
さらに高温端41b側に変位する(図10参照)ととも
に、断熱膨張により寒冷を発生する。
【0068】(7)膨張後半過程(g〜h間) パルス管41内の圧力が下降してPに近づいたあたり
で、第2低圧開閉弁19を開としたまま、第1低圧開閉
弁15を開とした状態。この状態では、蓄冷器21内の
作動流体が第1低圧開閉弁15を通って低圧空間(第1
低圧通路13)内に流れる。このためパルス管41内の
作動流体はさらに低圧となって最低圧力Pとなるとと
もに、低温端41b付近の作動流体がさらに膨張して寒
冷を発生する(図3参照)。また、この状態において画
成部材72は第2内部空間75の圧力が下降するまでの
間依然図示左側に移動する(図4参照)。またこのとき
の第1低圧開閉弁15と第2低圧開閉弁19との開弁面
積を調整することによって、パルス管41の低温端41
a付近の作動流体の変位を小さくし、圧力は減少するが
その位置は変化しないようにすることもできる(図10
参照)。
【0069】(8)低圧移送過程(h〜a間) 第2低圧開閉弁19を閉とし、第1低圧開閉弁15を開
いたまま第2バッファ側開閉弁64を開とした状態。こ
の状態では、バッファタンク61内の作動流体が連通路
56、第2バッファ側開閉弁64、連通路54、連通路
53を通ってパルス管41内に流れる。これとともに、
パルス管41の低温端41a付近の作動流体がコールド
ヘッド31、蓄冷器21を冷却しながら流れ、第1低圧
開閉弁15から低圧空間(第1低圧通路13)に流出す
る。このため、パルス管41内の圧力は最低圧力に維持
したまま(図3参照)、低温端部41a付近の作動流体
が高温端41b側から低温端41a側に変位する(図1
0参照)。またこのときのシリンダ部材71内の第1内
部空間74と第2内部空間75との間の圧力差に変化が
生じないので、画成部材72は動かない(図4参照)。
尚、この過程において、第2バッファ側開閉弁64の開
弁面積を操作することによって、パルス管41の低温端
41a付近の作動流体の変位を操作することができる。
例えば、第2バッファ側開閉弁64の開弁面積を大きく
設定した場合には、バッファタンク61から第2バッフ
ァ側開閉弁64を通ってパルス管41に流れる作動流体
の流量を増加させることができ、その結果パルス管低温
端41a付近の作動流体の高温端41b側から低温端4
1a側への変位を大きくさせることができる(図10の
実線)。また、第2バッファ側開閉弁64の開弁面積を
小さく設定した場合には、バッファタンク61から第2
バッファ側開閉弁64を通ってパルス管41に流れる作
動流体を流量を減少させることができ、その結果パルス
管低温端41a付近の作動流体の高温端41b側から低
温端41a側への変位を小さくさせることができる(図
10の点線)。
【0070】以上の(1)〜(8)の過程を1サイクル
とし、これを繰り返すことにより図10のP−Vダイヤ
グラムで示すような状態変化を作動流体に生ぜしめ、コ
ールドヘッド31において極低温を発生させるものであ
る。
【0071】上記例に示すパルス管冷凍機102でも、
図6より明らかなように、第2高圧開閉弁18及び第2
低圧開閉弁19並びにパルス管41の高温端41bに連
通する内部空間を持つシリンダ部材71を設けている。
このシリンダ部材71の内部には、往復動可能に配置さ
れてかつシリンダ部材71の内部空間を第2高圧開閉弁
18及び第2低圧開閉弁19に連通する第1内部空間7
4とパルス管41の高温端41bに連通する第2内部空
間75とに画成する画成部材72(ディスプレーサ72
a及びピストンリング72b)とを具備する。このた
め、従来の4弁型パルス管冷凍機において必然的に発生
していた循環流は、この画成部材72の存在によって遮
断され、本例におけるパルス管冷凍機101では循環流
が発生することがない。従って、循環流の発生による熱
の持ち込み等が防止され、冷凍効率を向上させることが
できるものである。
【0072】また、本例では、パルス管高温端41bと
バッファタンク61との間に第1バッファ側開閉弁63
と第2バッファ側開閉弁64とを並設して構成してい
る。そして、高圧移送過程及び低圧移送過程において
は、圧縮・膨張過程で開閉する第1バッファ側開閉弁6
3ではなく、第2バッファ側開閉弁64を開いている。
このため第2バッファ側開閉弁64の開弁面積を調整す
ることで、作動流体の移送過程におけるパルス管41内
の作動流体の容積変化を調整することができる。パルス
管41内の作動流体の容積変化を大きくとった場合(図
10の実線の場合)には、作動流体の変位の増大に伴う
熱侵入が増加するので極低温には向かず、むしろ80K
程度の低温を発生するのに適する。パルス管41内の作
動流体の容積変化を小さくとった場合(図10の点線の
場合)には、作動流体の変位が小さいので熱侵入も減少
し、極低温領域、例えば4〜30K程度の極低温を発生
するのに適する。このように本例におけるパルス管冷凍
機102は、第2バッファ側開閉弁64の開弁面積の操
作によってパルス管冷凍機の冷凍能力を調整することが
できる構成である。
【0073】(第4実施形態例)図11は、本発明の第
4実施形態例にかかるパルス管冷凍機の構成概略図であ
る。このパルス管冷凍機は2段型パルス管冷凍機である
が、基本的な構成は上記第3実施形態例とほぼ同一であ
る。即ち、本例のパルス管冷凍機103は、冷凍部(蓄
冷器、コールドヘッド、パルス管、放熱器で構成される
部分)が2段となっており、1段目の冷凍部81(蓄冷
器21、コールドヘッド31、パルス管41、放熱器5
2で構成される部分)のコールドヘッド31と2段目の
冷凍部82(蓄冷器121、コールドヘッド131、パ
ルス管141、放熱器152で構成される部分)の蓄冷
器121の高温端121bとを連通路57で連通した構
成である。そして、各冷凍部81、82のパルス管4
1、141の各高温端41b、141b側には、上記第
3実施形態例と同様に、2つの並設されたバッファ側開
閉弁(パルス管41に対しては第1バッファ側開閉弁6
3及び第2バッファ側開閉弁64、パルス管141に対
しては第1バッファ側開閉弁163及び第2バッファ側
開閉弁164)を介してそれぞれバッファタンク61、
161が連通されている。
【0074】また、2つのパルス管41、141の高温
端41b、141bは、連通路54、154でシリンダ
部材91に接続されている。このシリンダ部材91は、
径の大きな大径シリンダ部91aと、該大径シリンダ部
91aよりも径の小さな小径シリンダ部91bを備えた
段付き円筒形状を呈している。またシリンダ部材91の
内部空間には画成部材92が配置されている。この画成
部材92は、径の大きな大径ディスプレーサ部921a
と、該大径ディスプレーサ部921aの一面から一方に
延びて形成される径の小さな小径ディスプレーサ部92
1bを備えている。そして、大径ディスプレーサ部92
1aは大径シリンダ部91a内を、小径ディスプレーサ
部921bは小径シリンダ部91b内を、それぞれ往復
動可能なように配置されている。また、大径ディスプレ
ーサ部921aの外周には大径ピストンリング922a
が、小径ディスプレーサ部921bの外周には小径ピス
トンリング922bが取り付けられている。図から明ら
かなように、大径ディスプレーサ部921a及び大径ピ
ストンリング922aで大径シリンダ部91a内の内部
空間を第1大径内部空間94及び第2大径内部空間95
に区画し、小径ディスプレーサ921b及び小径ピスト
ンリング922bで小径シリンダ部91b内の小径内部
空間96を第2大径内部空間95と画成している。ま
た、第1大径内部空間94内には弾性部材としてのスプ
リング93が配設されている。このスプリング93は、
一端が大径ディスプレーサ部921aの一端面に接続さ
れ、他端は大径シリンダ部91aの内壁端面に接続され
ており、このスプリング93で画成部材92を弾性支持
するとともに、画成部材92が往復動するときの移動距
離を規制したり調整したりする。その他の構成は概ね第
3実施形態例と同一であるので、その具体的説明を省略
する。
【0075】上記構成の2段型パルス管冷凍機103に
おいても、上記第3実施形態例と同様の開閉弁操作(た
だし、1段目の冷凍部81に連通した第1バッファ側開
閉弁63と2段目の冷凍部82に連通した第1バッファ
側開閉弁163とを同タイミングで開閉操作し、1段目
の冷凍部81に連通した第2バッファ側開閉弁64と2
段目の冷凍部82に連通した第2バッファ側開閉弁16
4とを同タイミングで開閉操作する)を行う。これによ
り、コールドヘッド31及びコールドヘッド131にお
いて寒冷を発生する。また、画成部材92の存在により
循環流の発生が防止され、効率の良いパルス管冷凍機と
することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パルス管冷凍機において、循環流の発生を防止して冷凍
効率を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例におけるパルス管冷凍
機の構成概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態例におけるパルス管冷凍
機を運転する際の、時間経過に伴う、第1高圧開閉弁、
第2高圧開閉弁、第1低圧開閉弁、第2低圧開閉弁、バ
ッファ側開閉弁の開閉状態を示したグラフである。
【図3】本発明の第1〜第3実施形態例におけるパルス
管冷凍機を運転する際の、時間経過に伴う作動空間内
(主にパルス管内)の圧力状態を示すグラフである。
【図4】本発明の第1及び第3実施形態例におけるパル
ス管冷凍機を運転する際の、時間経過に伴う画成部材の
位置の変化を示すグラフである。
【図5】本発明の第1及び第2実施形態例におけるパル
ス管冷凍機を運転したときのパルス管低温端付近の作動
流体の圧力と位置との関係を示す線図(P−Vダイヤグ
ラム)である。
【図6】本発明の第2実施形態例におけるパルス管冷凍
機を運転する際の、時間経過に伴う、第1高圧開閉弁、
第2高圧開閉弁、第1低圧開閉弁、第2低圧開閉弁、バ
ッファ側開閉弁の開閉状態を示したグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態例におけるパルス管冷凍
機を運転する際の、時間経過に伴う画成部材の位置の変
化を示すグラフである。
【図8】本発明の第3実施形態例におけるパルス管冷凍
機の構成概略図である。
【図9】本発明の第3実施形態例におけるパルス管冷凍
機を運転する際の、時間経過に伴う、第1高圧開閉弁、
第2高圧開閉弁、第1低圧開閉弁、第2低圧開閉弁、第
1バッファ側開閉弁、第2バッファ側開閉弁の開閉状態
を示したグラフである。
【図10】本発明の第3実施形態例におけるパルス管冷
凍機を運転したときの、パルス管低温端付近の作動流体
の圧力と位置との関係を示す線図(P−Vダイヤグラ
ム)である。
【図11】本発明の第4実施形態例におけるパルス管冷
凍機の構成概略図である。
【図12】従来のパルス管冷凍機の構成概略図である。
【符号の説明】
11・・・圧縮機、 11a・・・吐出口、 11b・
・・吸入口 14・・・第1高圧開閉弁 15・・・第1低圧開閉弁 18・・・第2高圧開閉弁 19・・・第2低圧開閉弁 21・・・蓄冷器、 21a・・・低温端、 21b・
・・高温端 31・・・コールドヘッド 41・・・パルス管、 41a・・・低温端、 41b
・・・高温端 61・・・バッファタンク 62・・・バッファ側開閉弁 63・・・第1バッファ側開閉弁 64・・・第2バッファ側開閉弁 71・・・シリンダ部材 72・・・画成部材、 72a・・・ディスプレーサ、
72b・・・ピストンリング 73・・・スプリング(弾性部材) 74・・・第1内部空間 75・・・第2内部空間 91・・・シリンダ部材、 91a・・・大径シリンダ
部、 91b・・・小径シリンダ部 92・・・画成部材、 921a・・・大径ディスプレ
ーサ部、 921b・・・小径ディスプレーサ部、 9
22a・・・大径ピストンリング、 922b・・・小
径ピストンリング 93・・・スプリング(弾性部材) 94・・・第1大径内部空間(第1内部空間) 95・・・第2大径内部空間(第2内部空間) 96・・・小径内部空間(第2内部空間) 101、102、103・・・パルス管冷凍機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 龍夫 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と、前記圧縮機の吐出口に連通さ
    れた第1高圧開閉弁及び第2高圧開閉弁と、前記圧縮機
    の吸入口に連通された第1低圧開閉弁及び第2低圧開閉
    弁と、低温端および高温端を備え該高温端にて前記第1
    高圧開閉弁および前記第1低圧開閉弁に連通した蓄冷器
    と、該蓄冷器の低温端に連通したコールドヘッドと、低
    温端及び高温端を備え該低温端にて前記コールドヘッド
    に連通したパルス管と、該パルス管の高温端にバッファ
    側開閉弁を介して連通されたバッファタンクと、前記第
    2高圧開閉弁及び前記第2低圧開閉弁並びに前記パルス管
    の高温端に連通する内部空間を持つシリンダ部材と、該
    シリンダ部材の内部に往復動可能に配置されかつ前記シ
    リンダ部材の内部空間を前記第2高圧開閉弁及び前記第
    2低圧開閉弁に連通する第1内部空間と前記パルス管冷
    凍機の高温端に連通する第2内部空間とに画成する画成
    部材とを具備したパルス管冷凍機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記画成部材は、弾性部材によって弾性支持されている
    ことを特徴とするパルス管冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記パルス管冷凍機の運転中、高圧移送過程において、
    前記画成部材が移動して作動流体が行う仕事の一部を回
    収するように前記第1高圧開閉弁及び前記第2高圧開閉
    弁を開閉制御し、低圧移送過程において、前記画成部材
    が移動して作動流体が行う仕事の一部を回収するように
    前記第1低圧開閉弁及び前記第2低圧開閉弁を開閉制御
    することを特徴とするパルス管冷凍機。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記第1高圧開閉弁及び前記第2高圧開閉弁は、高圧移
    送過程において共に開となるように開閉制御され、前記
    第1低圧開閉弁及び前記第2低圧開閉弁は、低圧移送過
    程において共に開となるように開閉弁制御されることを
    特徴とするパルス管冷凍機。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、 前記バッファ側開閉弁は、前記パルス管の高温端と前記
    バッファタンクとの間に2つ並設されてなることを特徴
    とするパルス管冷凍機。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記パルス管冷凍機の運転中、圧縮過程及び膨張過程に
    おいて、並設された2つの前記バッファ側開閉弁のうち
    の一方のバッファ側開閉弁が開となり、高圧移送過程及
    び低圧移送過程において、並設された2つの前記バッフ
    ァ側開閉弁のうちの他方のバッファ側開閉弁が開となる
    ように前記2つのバッファ側開閉弁を制御することを特
    徴とするパルス管冷凍機。
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