JP2001099248A - シームレスベルト及びその製造方法 - Google Patents

シームレスベルト及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥時間を短縮し、内面の平滑性を向上させ
ることのできるシームレスベルト及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 高分子材料溶液を供給装置から金型内に
供給し、この金型を回転させるとともに、有機溶剤を揮
発除去するシームレスベルト1の製造方法であって、同
一の高分子材料溶液の供給と有機溶剤の除去とを複数回
繰り返すとともに、有機溶剤の除去時における金型の回
転速度を、高分子材料溶液供給時の最高速度よりも低速
とする。こうして得られたシームレスベルト1は、実質
的に同質の材料からなる複数の高分子材料層2で遠心成
形され、かつ各高分子材料層2が表皮3を介して積層さ
れた構造となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機やレーザプリンタ等に使用されるシームレスベルトに
関し、より詳しくは、中間転写用、用紙搬送用、現像
用、あるいは定着用のシームレスベルト及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シームレスベルトを製造する場合
には、図示しないが、円筒形の金型を低速回転させ、有
機溶剤に高分子材料を溶解させた比較的多量の高分子材
料溶液を金型に供給してレベリングし、有機溶剤を揮発
除去して高分子材料層、すなわち、シームレスベルトを
遠心成形する。そしてその後、金型から乾燥したシーム
レスベルトを脱型してその両端部をそれぞれ切断除去
し、円筒形で可撓性のシームレスベルトを得る。
【0003】なお、この種の関連先行技術文献として、
特開平3−34817号や特開平1−226028号公
報等があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のシームレスベル
トの製造方法は、以上のように多量の高分子材料溶液を
一度にまとめて単に供給するので、有機溶剤の揮発速度
が非常に遅く、乾燥の遅延化を招くという大きな問題が
ある。また、シームレスベルトの内外面の乾燥の速度差
が大きいので、内面の平滑性が到底期待できない。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みなされたもの
で、乾燥時間を短縮し、内面の平滑性を向上させること
のできるシームレスベルト及びその製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、実質的に同質の材料
の、複数の高分子材料層からなることを特徴としてい
る。なお、各高分子材料層が表皮を介して積層されてな
ることが好ましい。
【0007】また、請求項3記載の発明においては、上
記課題を達成するため、高分子材料と有機溶剤とからな
る高分子材料溶液を円筒形の金型内に供給し、この金型
を回転させるとともに、上記有機溶剤を除去してシーム
レスベルトを成形する製造方法であって、上記高分子材
料溶液の供給と上記有機溶剤の除去とを複数回繰り返す
ことを特徴としている。また、請求項4記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、高分子材料と有機溶
剤とからなる高分子材料溶液を円筒形の金型内に供給
し、この金型を回転させるとともに、上記有機溶剤を除
去してシームレスベルトを成形する製造方法であって、
上記有機溶剤の除去時における上記金型の回転速度を、
上記高分子材料溶液供給後の最高速度よりも低速とする
ことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるシー
ムレスベルト1は、図1及び図2に示すように、実質的
に同質の材料からなる複数(本実施形態では三層)の高分
子材料層2が遠心成形で積層されることにより円筒形に
成形され、各高分子材料層2が表皮3を介して積層され
ている。
【0009】実質的に同質の材料とは、高分子材料や導
電性フィラー等の主要成分が同質であることをいう。し
たがって、±10%以内の配合比の相違、主要成分では
ない添加物の添加、又は高分子材料の分子量分布の違い
等は、実質的に同質である。また、表皮3は、後述する
金型10内に供給された高分子材料溶液4が回転に伴い
固化するときに空気に接触した界面に膜が発生すること
により形成される。
【0010】次に、本実施形態におけるシームレスベル
ト1の製造方法について説明すると、図3等に示すよう
に、高分子材料溶液4を供給装置5から成形装置9の金
型10内に供給し、この金型10を回転させるととも
に、有機溶剤を揮発除去する製造方法であって、同一の
高分子材料溶液4の供給と有機溶剤の除去とを複数回繰
り返すとともに、有機溶剤の除去時における金型10の
回転速度を、高分子材料溶液供給時の最高速度よりも低
速とするようにしている。
【0011】高分子材料溶液4は、NMP等の各種有機
溶剤にPESやPET等の高分子材料が溶解し、カーボ
ン等が配合等されたものである。高分子材料としては、
これらの他にも、PBT、PEN等のポリエステル系樹
脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエー
テルサルフォン、ポリカーボネート、アラミド樹脂、又
はポリエーテルエーテルケトン等があげられるが、これ
らの中でも耐クリープ特性に優れるPESが好ましい。
高分子材料は、熱可塑性や熱硬化性のいずれでも良く、
実施する製造方法により適当なものを選択することがで
きる。
【0012】供給装置5は、図3に示すように、細長い
吐出ノズル6を水平に備えたポンプ7と、このポンプ7
に高分子材料溶液4を供給するホッパ8とから構成され
ている。そして、図示しない歯車機構やベルト機構の駆
動に基づき、矢印で示すように金型10の軸方向に対し
て進退動し、吐出ノズル6の先端部から20〜30mm
離れた金型10の内周面に粘度の高い(常温時で1ポイ
ズ以上、100ポイズ以下)液状の高分子材料溶液4を
筋状、線条に垂らしながら供給する。
【0013】成形装置9は、図4や図5に示すように、
高分子材料層2、すなわちシームレスベルト1を遠心成
形する金型10と、この金型10を回転させる駆動装置
11と、この駆動装置11に対して接離可能な従動装置
12とから構成されている。金型10は、各種金属を使
用して横長の円筒形に形成され、シームレスベルト1を
容易に脱型できるよう内周面に滑らかな鏡面加工、フッ
素加工、あるいはシリコーン樹脂加工等が施されるとと
もに、外周面には図示しないつや消しの黒色が塗布され
ており、この黒色が外部ヒータからの熱を効率的に吸収
する。金型10の両端部には高分子材料溶液4の漏洩を
防止するリング形の蓋13がそれぞれ着脱自在に嵌合さ
れ、蓋13の中心部には高分子材料溶液4用の供給孔が
形成されている。
【0014】駆動装置11は、各種のモータ14と、こ
のモータ14の駆動で回転する駆動軸15と、この駆動
軸15に嵌着される複数の駆動輪16と、各駆動輪16
の外周面に覆着され、蓋13の外周面下部を接触担持し
て制振機能を発揮する耐熱耐久性で円筒形の弾性エラス
トマー17とから構成されている。弾性エラストマー1
7は、例えば耐油性、耐有機溶剤性、耐薬品性、耐候
性、耐熱性等に優れるシリコーンゴム、クロロプレンゴ
ム、又はフッ素ゴム等からなり、90°Hs以下、好ま
しくは30°Hs〜90°Hsの硬度を有している。こ
れは、30°Hs未満だと圧縮永久歪み特性が悪化し、
90°Hsを超えると制振性に乏しくなるからである。
【0015】従動装置12は、図4に示すように、駆動
軸15に対して水平横方向にスライドするフリーの従動
軸18と、この従動軸18に嵌着される複数の従動輪1
9と、各従動輪19の外周面に覆着され、蓋13の外周
面下部を接触担持して制振機能を発揮する耐熱耐久性で
円筒形の弾性エラストマー17Aとから構成されてい
る。弾性エラストマー17Aについては、駆動装置11
の弾性エラストマー17と同様であるので説明を省略す
る。
【0016】次に、シームレスベルト1の具体的な製造
方法を説明すると、先ず、駆動装置11を駆動して水平
状態の金型10を50G以上の遠心力が加わる最高速度
(例えば、金型の内径が200mmの場合、662rp
m以上)で回転させるとともに、この金型10を所定の
温度(特に制約はないが、70℃〜100℃程度)とし、
供給装置5を金型10の軸方向に対して適宜進退動させ
て回転する金型10の内周面に高分子材料溶液4を垂ら
しながら供給塗布し、金型10の内周面に高分子材料溶
液4を均一にレベリングする。こうして高分子材料溶液
4を完全にレベリングしたら、金型10の回転速度を最
高速度から2〜20Gの遠心力が作用する低速(例え
ば、金型の内径が200mmの場合、134rpm以
上、134〜423rpm)にして遠心力から有機溶剤
を解放し、金型10を外部ヒータで周囲から加熱して高
分子材料溶液4の粘度低減や有機溶剤の蒸発を促進す
る。
【0017】2G〜20Gの遠心力が作用する低速とす
るのは、2G未満ではレベリングした高分子材料溶液4
の垂れるおそれがあるからである。逆に20Gを超える
と、有機溶剤の遠心力からの開放が不十分となり、有機
溶剤の除去時間短縮が困難になるからである。
【0018】次いで、金型10を再度最高速度で回転さ
せ、供給装置5を金型10の軸方向に対して進退動させ
て金型10の内周面に付着した高分子材料層2上に同一
の高分子材料溶液4を表皮3を介し垂らしながら供給塗
布し、表皮3上に高分子材料溶液4を均一にレベリング
する。高分子材料溶液4をレベリングしたら、金型10
の回転速度を再度最高速から低速度にし、金型10を外
部ヒータで周囲から加熱して高分子材料溶液4の粘度低
減や有機溶剤の蒸発を促進する。
【0019】次いで、金型10を再び最高速度で回転さ
せ、供給装置5を金型10の軸方向に対して進退動させ
て金型10の二層目の高分子材料層2上に同一の高分子
材料溶液4を表皮3を介し垂らしながら供給塗布し、表
皮3上に高分子材料溶液4を均一にレベリングする。高
分子材料溶液4をレベリングしたら、金型10の回転速
度を再び最高速から低速度にし、金型10を外部ヒータ
で周囲から加熱して高分子材料溶液4の粘度低減や有機
溶剤の蒸発を促進し、多層の高分子材料層2、換言すれ
ば、周面に表皮3を備えたシームレスベルト1を遠心成
形する。これらの作業の際、外部ヒータで単に加熱して
有機溶剤を急激に蒸発・乾燥させると、シームレスベル
ト1の周面の状態が悪化するので、金型10の温度が有
機溶剤の沸点よりも120〜50℃程度低くなるよう加
熱し、指触乾燥状態の得られた後に加熱温度を上昇さ
せ、乾燥作業を終了する。
【0020】次いで、成形装置9から金型10を取り外
し、金型10を乾燥機にセットして残留有機溶剤を蒸発
・乾燥させ、乾燥機から金型10を取り外して室温で空
冷する。すると、金型10とシームレスベルト1の熱膨
張差により、金型10の内周面からシームレスベルト1
が自然に剥離する。金型10とシームレスベルト1とが
強く密着して離れない場合には、シームレスベルト1の
端部から徐々に剥がせば、金型10からシームレスベル
ト1を脱型することができる。そしてその後、シームレ
スベルト1の両端部をそれぞれ所定の長さで切断すれ
ば、可撓性を有する円筒形で厚肉のシームレスベルト1
を得ることができる。
【0021】上記方法によれば、金型10に高分子材料
溶液4を複数回供給するので、1回のチャージ量を少な
くすることができ、これにより有機溶剤の揮発を著しく
速めて表皮3の形成を促進し、生産性の向上を図ること
ができる。例えば、高分子材料溶液4の一回当たりのチ
ャージ量を1/3とした場合、トータルの乾燥速度を3
倍にすることができる。また、高分子材料溶液4の複数
回供給により、1回目の厚さのばらつきを2回目以降で
修正することができるので、シームレスベルト1の内外
面の乾燥速度差が小さくなり、シームレスベルト1の内
面の平滑性やシームレスベルト1の精度を大幅に向上さ
せることが可能になる。
【0022】また、低速回転中の金型10ではなく、最
高速度で回転中の金型10に高分子材料溶液4を供給す
るので、迅速なレベリングが非常に容易となる。また、
最高速度で回転する金型10を有機溶剤の除去時や乾燥
時に低速回転させて有機溶剤を遠心力から解放し、排出
するので、乾燥時間を半分以上短縮することができると
ともに、シームレスベルト1の端部の厚さが不均一化す
るのをきわめて有効に防止することができる。また、金
型10に粘度の低い高分子材料溶液4を高圧で飛翔させ
るのではなく、高粘度の高分子材料溶液4を吐出ノズル
6から吐出塗布するので、金型10内で高分子材料溶液
4が飛散したり、シームレスベルト1の肉厚が不均一化
することがない。よって、厚さ50μm〜80μm以
上、1mm以下の範囲で±3μm以下程度の高精度のシ
ームレスベルト1を短時間に好適に製造することができ
る。
【0023】また、駆動装置11と従動装置12とで金
型10を搭載するので、小径のみならず、200μm以
上の大径のシームレスベルト1をも容易に遠心成形する
ことが可能となる。また、駆動装置11の駆動輪16の
みで金型10を回転させ、従動輪19を従わせて回転さ
せるので、駆動輪16と従動輪19との間に速度差の発
生することがなく、簡易な構成で金型10の上下動や微
小なスリップをきわめて有効に防止することができる。
さらに、駆動装置11に対して従動装置12が接近又は
離隔するので、金型10のメンテナンスや交換の便宜を
図ったり、異なる使用の金型10に簡単に対処すること
が期待できる。さらにまた、弾性エラストマー17・1
7Aが耐熱性に優れるので、金型10を加熱しても、長
時間の連続使用が大いに期待できる。
【0024】なお、上記実施形態では金型10に高分子
材料溶液4を3回供給したものを示したが、必要に応
じ、高分子材料溶液4を2回供給したり、4回以上供給
することもできる。また、金型10を当初から最高速度
で回転させ、この金型10の内周面に高分子材料溶液4
を垂らしながら供給塗布したが、金型10は、少なくと
も高分子材料溶液4の供給塗布後に最高速度で回転すれ
ば良い。したがって、当初は金型10を最高速度よりも
低い速度で回転させ、この金型10の内周面に高分子材
料溶液4を供給塗布した後に50G以上の最高速度で回
転させても良い。また、上記実施形態では駆動装置11
と従動装置12とを使用したが、従動装置12を省略
し、一対の駆動装置11を使用することも可能である。
【0025】また、駆動装置11に対して従動装置12
を接離可能としたが、従動装置12に対して駆動装置1
1を接離可能としたり、駆動装置11と従動装置12と
を相互に接離可能としても良い。さらに、蓋13の外周
面下部に駆動輪16や従動輪19の弾性エラストマー1
7・17Aを接触させたが、金型10の外周面下部に駆
動輪16や従動輪19の弾性エラストマー17・17A
を接触させても良い。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係るシームレスベルト1の製
造方法の実施例、比較例、及び評価について順次説明す
る。 実施例 先ず、駆動装置11を駆動して水平の金型(内径200
mm、外径220mm、長さ400mm)10を1,0
00rpmの最高速度で回転させるとともに、この金型
10の温度を75℃とし、供給装置5を金型10の軸方
向に対して進退動させて金型10の内周面に101gの
高分子材料溶液4を垂らしながら供給塗布し、金型10
の内周面に高分子材料溶液4を均一にレベリングした。
高分子材料溶液4は、NMPにポリアミドイミドを溶解
させ、この材料にカーボン5−20wt%配合した材料
とした(固形分15%)。こうして高分子材料溶液4をレ
ベリングしたら、金型10の回転速度を最高速から20
0rpmの低速にし、金型10を外部ヒータで周囲から
120℃に加熱して20分乾燥させた。
【0027】次いで、金型10を再度1,000rpm
の最高速度で回転させ、供給装置5を金型10の軸方向
に対して進退動させて金型10の内周面に付着した高分
子材料層2の表皮3に同一の高分子材料溶液4を100
g垂らしながら供給塗布し、表皮3上に高分子材料溶液
4を均一にレベリングした。高分子材料溶液4をレベリ
ングしたら、金型10の回転速度を最高速度から200
rpmの低速にし、金型10を外部ヒータで周囲から1
20℃に加熱して25分乾燥させ、シームレスベルト1
を遠心成形した。なお、シームレスベルト1の遠心成形
時間は、供給時間、昇温時間を含め、60分であった。
【0028】次いで、成形装置9から金型10を取り外
し、金型10を250℃の乾燥機にセットして残留有機
溶剤を蒸発・乾燥させ、1時間経過した後に乾燥機から
金型10を取り外して室温で冷却した。そして、金型1
0とシームレスベルト1の熱膨張差を利用してシームレ
スベルト1を脱型し、シームレスベルト1の両端部をそ
れぞれ所定の長さで切断して厚さ約100μmのシーム
レスベルト1を得た。
【0029】比較例 実施例と同様の駆動装置11を駆動して同様の金型10
を200rpmの低速で回転させるとともに、この金型
10の温度を75℃とし、供給装置5を金型10の軸方
向に対して進退動させて金型10の内周面に201gの
高分子材料溶液4を垂らしながら供給塗布し、金型10
の内周面に実施例同様の高分子材料溶液4を均一にレベ
リングした。高分子材料溶液4をレベリングしたら、回
転する金型10を外部ヒータで周囲から120℃に加熱
して20分乾燥させ、シームレスベルト1を遠心成形し
た。この場合のシームレスベルト1の遠心成形時間は9
0分であった。
【0030】次いで、成形装置9から金型10を取り外
し、金型10を250℃の乾燥機にセットして残留有機
溶剤を蒸発・乾燥させ、1時間経過した後に乾燥機から
金型10を取り外して室温で冷却した。そして、金型1
0とシームレスベルト1の熱膨張差を利用してシームレ
スベルト1を脱型し、その後、シームレスベルト1の両
端部をそれぞれ所定の長さで切断して厚さ約100μm
のシームレスベルト1を得た。
【0031】評 価 実施例で得られたシームレスベルト1の周壁の厚さを縦
横10mm毎に測定したところ、平均値が100.1μ
mであり、ばらつき(最大−最小)を6μm以内に抑える
ことができた。これに対し、比較例で得られたシームレ
スベルト1の周壁の厚さを測定したところ、11μmも
のばらつきが確認された。さらに、実施例と異なり、シ
ームレスベルト1の内面(表面)に微細な波打が認められ
た。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シームレ
スベルトの乾燥時間を短縮することができ、しかも、シ
ームレスベルトの内面の平滑性を向上させることができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシームレスベルトの実施形態を示
す一部切り欠き斜視説明図である。
【図2】図1のII部の拡大説明図である。
【図3】本発明に係るシームレスベルトの製造方法の実
施形態を示す説明図である。
【図4】本発明に係るシームレスベルトの製造方法の実
施形態における成形装置を示す正面図である。
【図5】図4の側面図である。
【符号の説明】
1 シームレスベルト 2 高分子材料層 3 表皮 4 高分子材料溶液 5 供給装置 9 成形装置 10 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 101 G03G 15/20 101 4F205 (72)発明者 小原 広 東京都中央区日本橋本町4丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 (72)発明者 小田嶋 智 東京都中央区日本橋本町4丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2H032 BA09 BA18 2H033 BA17 BB12 2H077 AD07 FA12 3F024 CA05 3J049 AA01 BH04 CA10 4F205 AG16 GA02 GB01 GC04 GF03 GN01 GN22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に同質の材料の、複数の高分子材
    料層からなることを特徴とするシームレスベルト。
  2. 【請求項2】 各高分子材料層が表皮を介して積層され
    てなる請求項1記載のシームレスベルト。
  3. 【請求項3】 高分子材料と有機溶剤とからなる高分子
    材料溶液を円筒形の金型内に供給し、この金型を回転さ
    せるとともに、上記有機溶剤を除去してシームレスベル
    トを成形するシームレスベルトの製造方法であって、 上記高分子材料溶液の供給と上記有機溶剤の除去とを複
    数回繰り返すことを特徴とするシームレスベルトの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 高分子材料と有機溶剤とからなる高分子
    材料溶液を円筒形の金型内に供給し、この金型を回転さ
    せるとともに、上記有機溶剤を除去してシームレスベル
    トを成形するシームレスベルトの製造方法であって、 上記有機溶剤の除去時における上記金型の回転速度を、
    上記高分子材料溶液供給後の最高速度よりも低速とする
    ことを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009192659A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Oki Data Corp 無端状ベルト、転写ユニット及び画像形成装置
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