JP2001098467A - 粉体接着剤および接着芯地 - Google Patents
粉体接着剤および接着芯地Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シャツやブラウスなどに用いられる接着芯地
用の接着剤のひとつであるポリエチレン粉体の特性を、
パウダードット製造法に適した特性に改良する。 【解決手段】 芯地用接着剤として使用される粉体接着
剤であって、その成分が、それぞれ特定のポリエチレン
粉末(A)と無機微粉末(B)からなり、かつ、ポリエ
チレン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末
(B)が分散しており、その比率が、ポリエチレン粉末
(A)の100重量部に対して無機微粉末(B)が0.
03〜3重量部の範囲であって、かつ、該粉体の充填速
度の値が1.2g/sec以上の特性値を有することを
特徴とする粉体接着剤。
用の接着剤のひとつであるポリエチレン粉体の特性を、
パウダードット製造法に適した特性に改良する。 【解決手段】 芯地用接着剤として使用される粉体接着
剤であって、その成分が、それぞれ特定のポリエチレン
粉末(A)と無機微粉末(B)からなり、かつ、ポリエ
チレン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末
(B)が分散しており、その比率が、ポリエチレン粉末
(A)の100重量部に対して無機微粉末(B)が0.
03〜3重量部の範囲であって、かつ、該粉体の充填速
度の値が1.2g/sec以上の特性値を有することを
特徴とする粉体接着剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシャツやブラウスの
襟や袖口、前立などに使用される接着芯地の接着剤およ
びその接着剤を用いた接着芯地に関する。
襟や袖口、前立などに使用される接着芯地の接着剤およ
びその接着剤を用いた接着芯地に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シャツやブラウスの襟や袖口、前
立などに使用される接着芯地に使用されている接着剤の
ひとつに、ポリエチレン粉末がある。この接着芯地用の
接着剤に用いられるポリエチレンや接着芯地に関する文
献としては、1988年9月20日、日本ハイモ工業株
式会社発行、[接着芯地ハンドブック]ペーター・スロ
カ著、鈴木仁子翻訳がある。また、接着芯地に関する用
語の意味についても、特に断りのない限り、該文献に記
載されているので、本文でもそれを用いる。
立などに使用される接着芯地に使用されている接着剤の
ひとつに、ポリエチレン粉末がある。この接着芯地用の
接着剤に用いられるポリエチレンや接着芯地に関する文
献としては、1988年9月20日、日本ハイモ工業株
式会社発行、[接着芯地ハンドブック]ペーター・スロ
カ著、鈴木仁子翻訳がある。また、接着芯地に関する用
語の意味についても、特に断りのない限り、該文献に記
載されているので、本文でもそれを用いる。
【0003】この他の文献の例としては、特開昭57−
21408、特開昭58−169503、特開平2−3
07982などにも記載されている。それらによれば、
ポリエチレンとしては、融点が100〜120℃の低密
度ポリエチレンに比較して、融点(溶融範囲)も125
〜140℃と比較的高く、そのぶん、染み出しや逆染み
出しが少なく、耐ドライクリーニング性や耐水洗い性に
優れた中〜高密度ポリエチレンが好ましく使用されてい
る。この接着芯地用の接着剤に適した50〜200ミク
ロンの粒度のポリエチレン粉末の製造方法としては、機
械粉砕による方法の他に、直接に懸濁重合によって製造
する方法が知られている。
21408、特開昭58−169503、特開平2−3
07982などにも記載されている。それらによれば、
ポリエチレンとしては、融点が100〜120℃の低密
度ポリエチレンに比較して、融点(溶融範囲)も125
〜140℃と比較的高く、そのぶん、染み出しや逆染み
出しが少なく、耐ドライクリーニング性や耐水洗い性に
優れた中〜高密度ポリエチレンが好ましく使用されてい
る。この接着芯地用の接着剤に適した50〜200ミク
ロンの粒度のポリエチレン粉末の製造方法としては、機
械粉砕による方法の他に、直接に懸濁重合によって製造
する方法が知られている。
【0004】ポリエチレン粉末は、パウダー散布方式、
パウダードット方式、スクリーンプリント方式、ペース
トドット方式等によって芯地基布上に塗布され、樹脂粉
末の焼結処理を施し、接着芯地として既述の用途に使用
されている。なかでも凹版印刷の技術を応用したパウダ
ードット方式は最も多く用いられている接着芯地の製造
方法である。パウダードット方式には、カラチシステム
とサラディンシステム、およびその組合せがある。パウ
ダードット方式は、加熱したスチールロールに巻き付け
て熱せられた芯地基布にプレスロールをあてて加圧す
る。
パウダードット方式、スクリーンプリント方式、ペース
トドット方式等によって芯地基布上に塗布され、樹脂粉
末の焼結処理を施し、接着芯地として既述の用途に使用
されている。なかでも凹版印刷の技術を応用したパウダ
ードット方式は最も多く用いられている接着芯地の製造
方法である。パウダードット方式には、カラチシステム
とサラディンシステム、およびその組合せがある。パウ
ダードット方式は、加熱したスチールロールに巻き付け
て熱せられた芯地基布にプレスロールをあてて加圧す
る。
【0005】プレスロールには目的に応じて形状や深
さ、単位面積当たりの数が彫り込まれた窪み(点配列モ
レットグラビヤ)があり、グラビヤロール、ドットロー
ル、窪みロールとも呼ばれている。窪みにはポリエチレ
ン粉末が充填されており、この粉末はホッパーの先端に
あるドクターから窪みに移されたものであるが、プレス
ロールが熱せられた芯地基布の上に押し当てられると、
基布表面に熔着、凝集作用が起こり、このため粉末は窪
みから基布に移る。この凝集作用に加えて、引き続き赤
外線加熱等をして点状に並んだそれぞれの粉塊の粒子を
焼結させて芯地に定着させ、冷却すれば接着芯地とな
る。
さ、単位面積当たりの数が彫り込まれた窪み(点配列モ
レットグラビヤ)があり、グラビヤロール、ドットロー
ル、窪みロールとも呼ばれている。窪みにはポリエチレ
ン粉末が充填されており、この粉末はホッパーの先端に
あるドクターから窪みに移されたものであるが、プレス
ロールが熱せられた芯地基布の上に押し当てられると、
基布表面に熔着、凝集作用が起こり、このため粉末は窪
みから基布に移る。この凝集作用に加えて、引き続き赤
外線加熱等をして点状に並んだそれぞれの粉塊の粒子を
焼結させて芯地に定着させ、冷却すれば接着芯地とな
る。
【0006】機械粉砕法や懸濁重合によっ直接製造され
たポリエチレン粉末をパウダードット方式によって芯地
基布上に塗布し、焼結処理を施す芯地の製造方法におい
て、いくつかの問題点がある。そのひとつは、塗布ミス
であり、粉末が塊になったり、ブリッジを起こしロール
の窪みに充填されなかったり、充填不足になったり、あ
るいは充填した粉末が窪みから出てこなかったりして、
接着芯地としての接着性や接着強力に欠陥を生じるとい
う問題がある。これを少なくするために、装置上ではホ
ッパー内に攪拌装置を取り付けたりしている。
たポリエチレン粉末をパウダードット方式によって芯地
基布上に塗布し、焼結処理を施す芯地の製造方法におい
て、いくつかの問題点がある。そのひとつは、塗布ミス
であり、粉末が塊になったり、ブリッジを起こしロール
の窪みに充填されなかったり、充填不足になったり、あ
るいは充填した粉末が窪みから出てこなかったりして、
接着芯地としての接着性や接着強力に欠陥を生じるとい
う問題がある。これを少なくするために、装置上ではホ
ッパー内に攪拌装置を取り付けたりしている。
【0007】また、原料上では粉末の形状を球状に近づ
けたり、粒度分布や平均粒度の制御を行い、粉体の見掛
密度や、安息角の低い粉体を製造することが特開昭57
−21408に提案されている。それによれば、粉体特
性としては嵩密度(見掛密度)が0.3〜0.55、安
息角が25〜45°、50%粒径(平均粒度)が53〜
149ミクロンの球状〜楕円状のもので、メルトインデ
ックスが1〜100g/10minのものが提案されて
いる。そのような特徴や特性値を満たしたポリエチレン
粉末であっても、パウダードット方式で接着芯地を製造
しょうとすると、ロール温度や基布の送り速度、あるい
はドクターの調整などの人為的な条件調整の不具合の他
に、時として起こる原因不明のドット跳びや充填不足か
らくる接着強力の不足が出るという問題があった。
けたり、粒度分布や平均粒度の制御を行い、粉体の見掛
密度や、安息角の低い粉体を製造することが特開昭57
−21408に提案されている。それによれば、粉体特
性としては嵩密度(見掛密度)が0.3〜0.55、安
息角が25〜45°、50%粒径(平均粒度)が53〜
149ミクロンの球状〜楕円状のもので、メルトインデ
ックスが1〜100g/10minのものが提案されて
いる。そのような特徴や特性値を満たしたポリエチレン
粉末であっても、パウダードット方式で接着芯地を製造
しょうとすると、ロール温度や基布の送り速度、あるい
はドクターの調整などの人為的な条件調整の不具合の他
に、時として起こる原因不明のドット跳びや充填不足か
らくる接着強力の不足が出るという問題があった。
【0008】もうひとつは、出来上がった接着芯地にお
いて表裏(塗布有り・無し)の光沢度が殆ど同じである
場合は、目視では判別しにくいという欠点がある。この
目視判別を容易にするには塗布面の光沢度を上げること
で可能である。従来は、芯地の基布にとっては過酷とな
るが、焼結処理時の温度を更に上げ、焼結後の樹脂が充
分溶融している間に冷却ロールに掛けて表面の平滑化を
強制的に行うことで可能である。しかし、その場合、樹
脂が芯地の裏面に染み出したり、あるいは表地との接着
時に染み出したりして、テカリが発生し易いという欠点
がある。一般的なテカリ防止については、特開昭58−
169503に、プレスロールのドットの大きさを小さ
くすることが提案されている。そのためには、プレスロ
ールのドットに彫られた、より小さな窪みにも粉体接着
剤が充填するように、粉体接着剤の充填特性を更に改良
する必要がある。
いて表裏(塗布有り・無し)の光沢度が殆ど同じである
場合は、目視では判別しにくいという欠点がある。この
目視判別を容易にするには塗布面の光沢度を上げること
で可能である。従来は、芯地の基布にとっては過酷とな
るが、焼結処理時の温度を更に上げ、焼結後の樹脂が充
分溶融している間に冷却ロールに掛けて表面の平滑化を
強制的に行うことで可能である。しかし、その場合、樹
脂が芯地の裏面に染み出したり、あるいは表地との接着
時に染み出したりして、テカリが発生し易いという欠点
がある。一般的なテカリ防止については、特開昭58−
169503に、プレスロールのドットの大きさを小さ
くすることが提案されている。そのためには、プレスロ
ールのドットに彫られた、より小さな窪みにも粉体接着
剤が充填するように、粉体接着剤の充填特性を更に改良
する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題点や欠点
あるいは粉体接着剤に対する要望に対して、本発明は、
ポリエチレン粉末をパウダードット方式によって芯地基
布上に塗布し、焼結処理を施す芯地の製造方法におい
て、粉体接着剤の評価方法に新たな指標を見出し、その
基に粉体の充填特性を改良することによって、プレスロ
ールのドットのサイズの小さいものでも、ドット跳びや
充填不足を改善し、焼結処理温度を上げることや強制的
な平滑化処理を行わずとも、表裏の目視判別が容易な芯
地用の粉体接着剤および接着芯地を提供することを目的
とする。なお、本発明の表現において、粉末に対して粉
体は、それよりやや広義の用語として用いている。
あるいは粉体接着剤に対する要望に対して、本発明は、
ポリエチレン粉末をパウダードット方式によって芯地基
布上に塗布し、焼結処理を施す芯地の製造方法におい
て、粉体接着剤の評価方法に新たな指標を見出し、その
基に粉体の充填特性を改良することによって、プレスロ
ールのドットのサイズの小さいものでも、ドット跳びや
充填不足を改善し、焼結処理温度を上げることや強制的
な平滑化処理を行わずとも、表裏の目視判別が容易な芯
地用の粉体接着剤および接着芯地を提供することを目的
とする。なお、本発明の表現において、粉末に対して粉
体は、それよりやや広義の用語として用いている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明の
下記の手段によって解決される。 [1] 芯地用接着剤として使用される粉体接着剤の成
分が、それぞれ下記の特性を有するポリエチレン粉末
(A)と無機微粉末(B)からなり、かつ、ポリエチレ
ン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末(B)
が分散しており、その比率が、ポリエチレン粉末(A)
の100重量部に対して無機微粉末(B)が0.03〜
3重量部の範囲であって、かつ、該粉体の充填速度の値
が1.2g/sec以上の特性値を有することを特徴と
する。
下記の手段によって解決される。 [1] 芯地用接着剤として使用される粉体接着剤の成
分が、それぞれ下記の特性を有するポリエチレン粉末
(A)と無機微粉末(B)からなり、かつ、ポリエチレ
ン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末(B)
が分散しており、その比率が、ポリエチレン粉末(A)
の100重量部に対して無機微粉末(B)が0.03〜
3重量部の範囲であって、かつ、該粉体の充填速度の値
が1.2g/sec以上の特性値を有することを特徴と
する。
【0011】上記のポリエチレン粉末(A)は、エチレ
ン単独重合体または/およびエチレンーαオレフィン共
重合体であって、そのメルトインデックス値が1〜30
g/10min、融点が125〜140℃、粉末の粒度
が40〜180ミクロンの範囲に90重量%以上あり、
その平均粒度が50〜150ミクロンのものである。上
記の無機微粉末(B)は、嵩密度は0.01〜0.5g
/cc、平均粒度は10ミクロン以下の無機化合物の微
粉末である。
ン単独重合体または/およびエチレンーαオレフィン共
重合体であって、そのメルトインデックス値が1〜30
g/10min、融点が125〜140℃、粉末の粒度
が40〜180ミクロンの範囲に90重量%以上あり、
その平均粒度が50〜150ミクロンのものである。上
記の無機微粉末(B)は、嵩密度は0.01〜0.5g
/cc、平均粒度は10ミクロン以下の無機化合物の微
粉末である。
【0012】[2] 接着芯地に使用されている芯地用
接着剤が、上記[1]に記載の粉体接着剤を用いたもの
であって、接着芯地の製造方法がパウダードット方式で
あり、かつその接着芯地の塗工面の光沢度が8〜30%
であることを特徴とする接着芯地。以下に、本発明を構
成する接着剤成分の必要特性とその作用、またそれを用
いた接着芯地について更に具体的に記述する。
接着剤が、上記[1]に記載の粉体接着剤を用いたもの
であって、接着芯地の製造方法がパウダードット方式で
あり、かつその接着芯地の塗工面の光沢度が8〜30%
であることを特徴とする接着芯地。以下に、本発明を構
成する接着剤成分の必要特性とその作用、またそれを用
いた接着芯地について更に具体的に記述する。
【0013】接着芯地に用いられている基布について
は、本発明では特に制限はなく、いずれのものでも使用
できる。例えば平織の、綿100%の織物、T/C(ポ
リエステル/綿の縦糸と横糸の混紡)織物、ポリエステ
ル100%織物などがあげられ、なかでもT/C織物は
風合いと収縮のバランスが良いため、接着芯地の基布と
して多く用いられており、本発明の効果の確認の標準生
地としても用いている。このT/C基布の光沢度は、通
常4〜6%の範疇であり、すくなくとも塗布面の光沢度
を2%以上あげることで、通常条件下では目視判別は容
易となる。
は、本発明では特に制限はなく、いずれのものでも使用
できる。例えば平織の、綿100%の織物、T/C(ポ
リエステル/綿の縦糸と横糸の混紡)織物、ポリエステ
ル100%織物などがあげられ、なかでもT/C織物は
風合いと収縮のバランスが良いため、接着芯地の基布と
して多く用いられており、本発明の効果の確認の標準生
地としても用いている。このT/C基布の光沢度は、通
常4〜6%の範疇であり、すくなくとも塗布面の光沢度
を2%以上あげることで、通常条件下では目視判別は容
易となる。
【0014】この塗布面の光沢度を上げるには、従来は
焼結処理温度を上げ、焼結後の樹脂が充分溶融している
間に冷却ロールに掛けて表面の平滑化を強制的に行うこ
とは既述した。もう一方では、ブラウスやワンピースな
どの表生地が薄いものに対しては、接着芯地の光沢が高
すぎると、それがテカリとして、透けて見えるので、光
沢度は30%程度が上限とされる。 本発明に用いるポ
リエチレンの特性値として限定したメルトインデックス
値の範囲は、1〜30g/10min、融点は125〜
140℃の範囲であり、このポリエチレン粉末を単独で
焼結したときの光沢度は、10〜30%程度の値となる
ものである。
焼結処理温度を上げ、焼結後の樹脂が充分溶融している
間に冷却ロールに掛けて表面の平滑化を強制的に行うこ
とは既述した。もう一方では、ブラウスやワンピースな
どの表生地が薄いものに対しては、接着芯地の光沢が高
すぎると、それがテカリとして、透けて見えるので、光
沢度は30%程度が上限とされる。 本発明に用いるポ
リエチレンの特性値として限定したメルトインデックス
値の範囲は、1〜30g/10min、融点は125〜
140℃の範囲であり、このポリエチレン粉末を単独で
焼結したときの光沢度は、10〜30%程度の値となる
ものである。
【0015】つまり、このポリエチレン自体の光沢度を
保持しながら、時として起こる原因不明のドット跳びや
充填不足からくる接着強力の欠点を解決できる手段を講
じれば良いことになる。この様な観点から、本発明では
特にパウダードット方式に用いるポリエチレン粉体のプ
レスロールへの充填特性を改良でき、かつその粉体をを
焼結したとき製品としての光沢度を低下させず、接着芯
地としての性能を保持できる、粉体特性の改良剤の探索
と組合せ等について研究した。
保持しながら、時として起こる原因不明のドット跳びや
充填不足からくる接着強力の欠点を解決できる手段を講
じれば良いことになる。この様な観点から、本発明では
特にパウダードット方式に用いるポリエチレン粉体のプ
レスロールへの充填特性を改良でき、かつその粉体をを
焼結したとき製品としての光沢度を低下させず、接着芯
地としての性能を保持できる、粉体特性の改良剤の探索
と組合せ等について研究した。
【0016】本発明の芯地用接着剤を構成するポリエチ
レン粉末(A)は、エチレン単独重合体または/および
エチレンと炭素数が3〜10のαオレフィンとの共重合
体である。αオレフィンとの共重合体は、既に知られて
いるように樹脂の融点を下げ、また接着芯地としたとき
の柔軟性や風合いを持たせるのに効果的であり、耐洗濯
堅牢性を向上させる効果がある。次に、JIS K71
20法による190℃、2.16kg荷重によるメルト
インデックス値が1〜30g/10min、特に好まし
くは5〜25のものである。樹脂の融点は、JIS K
7121法による10℃/miinの速度で昇温したと
きの主ピークの温度(以下、融点という)が125〜1
40℃のもの、更に好ましくは125〜135℃のもの
である。
レン粉末(A)は、エチレン単独重合体または/および
エチレンと炭素数が3〜10のαオレフィンとの共重合
体である。αオレフィンとの共重合体は、既に知られて
いるように樹脂の融点を下げ、また接着芯地としたとき
の柔軟性や風合いを持たせるのに効果的であり、耐洗濯
堅牢性を向上させる効果がある。次に、JIS K71
20法による190℃、2.16kg荷重によるメルト
インデックス値が1〜30g/10min、特に好まし
くは5〜25のものである。樹脂の融点は、JIS K
7121法による10℃/miinの速度で昇温したと
きの主ピークの温度(以下、融点という)が125〜1
40℃のもの、更に好ましくは125〜135℃のもの
である。
【0017】この特性値は、芯地基布上で樹脂が溶けた
ときに適度な溶融粘度となる指標値である。例えば、通
常の木綿糸/ポリエステル糸からなるT/C65/35
基布に対しては、上記の範囲においてメルトインデック
ス値が低めのものを用い、形態安定加工が施された芯地
基布に対しては、メルトインデックス値が高めのものを
用いる。そうすることによって形態安定加工を施された
難接着表地に対しても適度に樹脂が染み込み、そのアン
カー効果によって接着強力を保持し、また必要以上に樹
脂樹脂の溶融粘度が下がることによる芯地の裏面への染
み出し、表地との接着時の染み出しによるテカリの発生
を防ぐ。なお、樹脂の密度(JIS K7112測定法
による)については、その値が低い方が、焼結完了時の
光沢度は高くなる。
ときに適度な溶融粘度となる指標値である。例えば、通
常の木綿糸/ポリエステル糸からなるT/C65/35
基布に対しては、上記の範囲においてメルトインデック
ス値が低めのものを用い、形態安定加工が施された芯地
基布に対しては、メルトインデックス値が高めのものを
用いる。そうすることによって形態安定加工を施された
難接着表地に対しても適度に樹脂が染み込み、そのアン
カー効果によって接着強力を保持し、また必要以上に樹
脂樹脂の溶融粘度が下がることによる芯地の裏面への染
み出し、表地との接着時の染み出しによるテカリの発生
を防ぐ。なお、樹脂の密度(JIS K7112測定法
による)については、その値が低い方が、焼結完了時の
光沢度は高くなる。
【0018】接着芯地用の接着剤としては、本発明にお
いても、粒度が40〜180ミクロンのポリエチレン粉
末が用いるが、このポリエチレン粉末の好ましい形状は
球状である。樹脂ペレットを機械的に粉砕したものは、
樹脂の融点よりほんの少し低い温度で攪拌・摩砕処理し
て丸い形状に仕上げたものが良い。懸濁重合によっ直接
製造されたポリエチレン粉末は、ほぼ球状をしているの
で、そのまま利用できる。これらの粉末の粒度はJIS
K6069法による篩分級試験において、粒度分布を
測定し、その累積分布の50重量%の粒度を平均粒度と
称する。
いても、粒度が40〜180ミクロンのポリエチレン粉
末が用いるが、このポリエチレン粉末の好ましい形状は
球状である。樹脂ペレットを機械的に粉砕したものは、
樹脂の融点よりほんの少し低い温度で攪拌・摩砕処理し
て丸い形状に仕上げたものが良い。懸濁重合によっ直接
製造されたポリエチレン粉末は、ほぼ球状をしているの
で、そのまま利用できる。これらの粉末の粒度はJIS
K6069法による篩分級試験において、粒度分布を
測定し、その累積分布の50重量%の粒度を平均粒度と
称する。
【0019】塗工方法がパウダードット方式では、粉末
に微粉が多いと、粒子同志の摩擦が大きくなり、プレス
ロールの窪みへの充填性が損なわれ易く、また芯地基布
に塗布したときに目地から裏面へ抜け出す。粒度が大き
すぎると、粉末の見掛密度が小さくなり、プレスロール
の窪みへの充填量が少なくなることによる接着強力の低
下を招く。これらの欠点を防ぐためには、粉末の最低限
の条件として、その粒度が40〜180ミクロンの範囲
に90重量%以上で、その平均粒度が50〜150ミク
ロンの範囲にあること、更に好ましくは粒度が50〜1
50ミクロンの範囲に90重量%以上あり、平均粒度が
70〜120ミクロンの範囲ものである。
に微粉が多いと、粒子同志の摩擦が大きくなり、プレス
ロールの窪みへの充填性が損なわれ易く、また芯地基布
に塗布したときに目地から裏面へ抜け出す。粒度が大き
すぎると、粉末の見掛密度が小さくなり、プレスロール
の窪みへの充填量が少なくなることによる接着強力の低
下を招く。これらの欠点を防ぐためには、粉末の最低限
の条件として、その粒度が40〜180ミクロンの範囲
に90重量%以上で、その平均粒度が50〜150ミク
ロンの範囲にあること、更に好ましくは粒度が50〜1
50ミクロンの範囲に90重量%以上あり、平均粒度が
70〜120ミクロンの範囲ものである。
【0020】特開昭57−21408に提案されている
ポリエチレン粉末の特性としてとして示された、嵩密度
(見掛密度)、安息角、50%粒径(平均粒度)、形
状、メルトインデックス範囲、およびその値は本発明を
なすにあたっても大いに参考となるものであった。しか
しながら、上記の特性を満足する球状のポリエチレン粉
末であっても、プレスロールの窪みへの充填性などにお
いては充分ではなかった。
ポリエチレン粉末の特性としてとして示された、嵩密度
(見掛密度)、安息角、50%粒径(平均粒度)、形
状、メルトインデックス範囲、およびその値は本発明を
なすにあたっても大いに参考となるものであった。しか
しながら、上記の特性を満足する球状のポリエチレン粉
末であっても、プレスロールの窪みへの充填性などにお
いては充分ではなかった。
【0021】つまり、現実にはプレスロールは、およそ
20〜30m/minといった速い速度で回転してお
り、その間にホッパー下部の開口部からプレスロールに
彫られた多くの小さな窪みへ粉体が迅速に充填されねば
ならないということに対しては、必ずしも十分な特性で
はなかったためであると思われる。特に平均粒度が小さ
い粉末ほど粒子同志の接触点が増え、摩擦も大きいため
に、粉体の流動性が低下することによるプレスロールの
窪みへの充填不足が生じ易かった。
20〜30m/minといった速い速度で回転してお
り、その間にホッパー下部の開口部からプレスロールに
彫られた多くの小さな窪みへ粉体が迅速に充填されねば
ならないということに対しては、必ずしも十分な特性で
はなかったためであると思われる。特に平均粒度が小さ
い粉末ほど粒子同志の接触点が増え、摩擦も大きいため
に、粉体の流動性が低下することによるプレスロールの
窪みへの充填不足が生じ易かった。
【0022】これを改善するために本発明においては、
ポリエチレン粉末(A)を構成する粒子の表面に、無機
微粉末(B)を分散させることで、ポリエチレン粉末の
粒子同志の摩擦を低減し、プレスロールの窪みへの充填
性を大きく向上出来る粉体が得られることを見出し、本
発明に至った。
ポリエチレン粉末(A)を構成する粒子の表面に、無機
微粉末(B)を分散させることで、ポリエチレン粉末の
粒子同志の摩擦を低減し、プレスロールの窪みへの充填
性を大きく向上出来る粉体が得られることを見出し、本
発明に至った。
【0023】本発明における、無機微粉末(B)の、嵩
密度は0.01〜0.5g/cc、平均粒度は10ミク
ロン以下の無機化合物の微粉末である。上記の特性を満
たす無機微粉末であれば、殆どのものは目的を達成可能
であり、具体的には天然の鉱物微粉末、あるいは合成の
微粉末であり、例えばクレー、珪藻土、ハイドロタルサ
イト、タルクなどの天然の鉱物微粉末、、天然または合
成シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛など
の金属酸化物の微粉末、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、炭酸亜鉛などの炭酸金属塩の微粉末等があげられ
る。
密度は0.01〜0.5g/cc、平均粒度は10ミク
ロン以下の無機化合物の微粉末である。上記の特性を満
たす無機微粉末であれば、殆どのものは目的を達成可能
であり、具体的には天然の鉱物微粉末、あるいは合成の
微粉末であり、例えばクレー、珪藻土、ハイドロタルサ
イト、タルクなどの天然の鉱物微粉末、、天然または合
成シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛など
の金属酸化物の微粉末、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、炭酸亜鉛などの炭酸金属塩の微粉末等があげられ
る。
【0024】中でも好ましくは、少なくとも、炭酸カル
シウム、シリカ、珪藻土、アルミナ、タルク、ハイドロ
タルサイト、酸化チタンの1種、またはそれを主成分と
した微粉末である。これらの選別の理由として、例えば
アエロジルタイプのシリカやアルミナ、酸化チタンなど
は、高価ではあるが極少量で粉体の充填速度を改良す
る。またアエロジルタイプのアルミナは更なる特徴とし
て、粉体の静電気を中和する作用が見とめられ、製造現
場での取扱い作業によい環境をもたらす。
シウム、シリカ、珪藻土、アルミナ、タルク、ハイドロ
タルサイト、酸化チタンの1種、またはそれを主成分と
した微粉末である。これらの選別の理由として、例えば
アエロジルタイプのシリカやアルミナ、酸化チタンなど
は、高価ではあるが極少量で粉体の充填速度を改良す
る。またアエロジルタイプのアルミナは更なる特徴とし
て、粉体の静電気を中和する作用が見とめられ、製造現
場での取扱い作業によい環境をもたらす。
【0025】また、タルクは単体では粉体の充填速度の
改良効果は他に比べて少ないが、ポリエチレンの結晶サ
イズを微細にする作用(造核剤効果)がシリカや炭酸カ
ルシウム等に比較して大きいため、低光沢度のポリエチ
レン粉末をベースとして用いても、接着芯地としたとき
の光沢度を向上させる働きがある。一例として、タルク
に充填速度を改良する効果の大きいアエロジルタイプの
アルミナとを併用することによって、それぞれの特徴を
を持った、より高度の付加価値のある粉体接着剤が得ら
れる。
改良効果は他に比べて少ないが、ポリエチレンの結晶サ
イズを微細にする作用(造核剤効果)がシリカや炭酸カ
ルシウム等に比較して大きいため、低光沢度のポリエチ
レン粉末をベースとして用いても、接着芯地としたとき
の光沢度を向上させる働きがある。一例として、タルク
に充填速度を改良する効果の大きいアエロジルタイプの
アルミナとを併用することによって、それぞれの特徴を
を持った、より高度の付加価値のある粉体接着剤が得ら
れる。
【0026】これらを限定したもうひとつの重要な理由
は、接着芯地の製造方法が、パウダードット方式である
場合に、出来上がりの接着芯地の塗工面の光沢度をJI
SK7105による測定方法において60°鏡面光沢度
を8〜30%となるようにして、塗工面と非塗工面の目
視判定を容易にするためである。すなわち、上記の無機
化合物の微粉末であり、かつ特定の嵩密度と平均粒度を
満たすものが、出来上がりの接着芯地の塗工面の光沢度
を低下させない組合せとなることを見出した。
は、接着芯地の製造方法が、パウダードット方式である
場合に、出来上がりの接着芯地の塗工面の光沢度をJI
SK7105による測定方法において60°鏡面光沢度
を8〜30%となるようにして、塗工面と非塗工面の目
視判定を容易にするためである。すなわち、上記の無機
化合物の微粉末であり、かつ特定の嵩密度と平均粒度を
満たすものが、出来上がりの接着芯地の塗工面の光沢度
を低下させない組合せとなることを見出した。
【0027】本発明に用いる無機微粉末(B)であれ
ば、ポリエチレン粉末(A)の摩擦低減や充填速度の向
上、光沢の維持、向上等に効果が発現する。ポリエチレ
ン粉末(A)の100重量部に対する無機微粉末(B)
の添加量は0.03重量部以上、特に好ましくは0.0
5重量部以上である。この下限の添加量はポリエチレン
粉末の粒径、つまりポリエチレン粉体全体の表面積によ
って決まる。用いるポリエチレン粉末の粒度が40〜1
80ミクロンの範囲に95重量%以上あり、その平均粒
度が50〜150ミクロンの範囲にあるのものに対する
無機微粉末の最低の添加量は、0.03重量部以上であ
り、最大の添加量は3重量部、通常は1重量部あれば充
分である。添加量の過剰は接着性や接着強力を損なう。
ば、ポリエチレン粉末(A)の摩擦低減や充填速度の向
上、光沢の維持、向上等に効果が発現する。ポリエチレ
ン粉末(A)の100重量部に対する無機微粉末(B)
の添加量は0.03重量部以上、特に好ましくは0.0
5重量部以上である。この下限の添加量はポリエチレン
粉末の粒径、つまりポリエチレン粉体全体の表面積によ
って決まる。用いるポリエチレン粉末の粒度が40〜1
80ミクロンの範囲に95重量%以上あり、その平均粒
度が50〜150ミクロンの範囲にあるのものに対する
無機微粉末の最低の添加量は、0.03重量部以上であ
り、最大の添加量は3重量部、通常は1重量部あれば充
分である。添加量の過剰は接着性や接着強力を損なう。
【0028】次に本発明において重要なことは、ポリエ
チレン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末
(B)が分散している(まぶされている)ことである。
これを均等かつ効果的に分散させるには、無機微粉末の
平均粒度は10ミクロン以下のなるだけ微粉末が好まし
い。より好ましくは0.01〜5ミクロン程度のもので
ある。この平均粒度の測定方法は、Coulter c
unter Methodまたは電子顕微鏡観察によ
る。
チレン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末
(B)が分散している(まぶされている)ことである。
これを均等かつ効果的に分散させるには、無機微粉末の
平均粒度は10ミクロン以下のなるだけ微粉末が好まし
い。より好ましくは0.01〜5ミクロン程度のもので
ある。この平均粒度の測定方法は、Coulter c
unter Methodまたは電子顕微鏡観察によ
る。
【0029】ポリエチレン粉末(A)を構成する粒子の
表面への無機微粉末(B)の分散方法としては一般的な
ブレンダーやミキサーと呼ばれる機械を用いて、二次凝
集を起こさない程度に攪拌混合すれば良い。場合によっ
ては双方を更に簡易な容器や袋に入れて、人力で振り混
ぜて分散させたものであっても良い。これらの混合・分
散方法においては、、無機微粉末の嵩密度は0.5g/
cc以下のなるだけ嵩だかい物の方が、ポリエチレン粉
末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末(B)が分
散している(まぶされている)状態に、少量で均一分散
出来ることから粉体特性改良効果が高い。ただし、余り
にも嵩密度が低いと飛散・浮遊しやすくなり取扱いは不
便となる。この無機微粉末の嵩密度の測定方法は、JI
S K5101、20による。
表面への無機微粉末(B)の分散方法としては一般的な
ブレンダーやミキサーと呼ばれる機械を用いて、二次凝
集を起こさない程度に攪拌混合すれば良い。場合によっ
ては双方を更に簡易な容器や袋に入れて、人力で振り混
ぜて分散させたものであっても良い。これらの混合・分
散方法においては、、無機微粉末の嵩密度は0.5g/
cc以下のなるだけ嵩だかい物の方が、ポリエチレン粉
末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末(B)が分
散している(まぶされている)状態に、少量で均一分散
出来ることから粉体特性改良効果が高い。ただし、余り
にも嵩密度が低いと飛散・浮遊しやすくなり取扱いは不
便となる。この無機微粉末の嵩密度の測定方法は、JI
S K5101、20による。
【0030】次に、本発明ではこうして得られたポリエ
チレン粉体の充填速度の値は、1.2g/sec以上で
なければならない。この充填速度は、JIS K672
1法で測定した見掛密度の値(単位:g/cc)と、該
測定装置の規定の漏斗から100ccの粉体が流出する
速度をストップウォッチ等で計測し、その測定値を粉体
の流動速度(単位:sec/100cc)としたとき、
充填速度(単位:g/sec)={見掛密度(g/c
c)÷流動速度(sec/100cc)}×100とし
て計算した値である。尚、見掛密度や流動速度の測定
は、測定試料の粉体が帯電している場合は、除電して行
うこととする。
チレン粉体の充填速度の値は、1.2g/sec以上で
なければならない。この充填速度は、JIS K672
1法で測定した見掛密度の値(単位:g/cc)と、該
測定装置の規定の漏斗から100ccの粉体が流出する
速度をストップウォッチ等で計測し、その測定値を粉体
の流動速度(単位:sec/100cc)としたとき、
充填速度(単位:g/sec)={見掛密度(g/c
c)÷流動速度(sec/100cc)}×100とし
て計算した値である。尚、見掛密度や流動速度の測定
は、測定試料の粉体が帯電している場合は、除電して行
うこととする。
【0031】芯地用接着剤として適した粉体は、この充
填速度の値が1.2g/sec以上、更に好ましくは、
1.5g/sec、以上である。このような特性値を満
たすことによって、パウダードット方式で、嵩密度や安
息角といった指標では判らなかった、粉末の流動し易さ
(単位時間当たりの流動量、すなわち、充填速度)が不
足したことによるドット跳びや充填不足を改善し、それ
による接着強力の不足や低下が改善される。また、粉末
の充填速度が大きく改良されることによって、基布の送
り速度を速くすることが可能で、生産性を向上できる。
また、ドットのサイズの小さいプレスロールにも、充分
適用可能なものとなる。
填速度の値が1.2g/sec以上、更に好ましくは、
1.5g/sec、以上である。このような特性値を満
たすことによって、パウダードット方式で、嵩密度や安
息角といった指標では判らなかった、粉末の流動し易さ
(単位時間当たりの流動量、すなわち、充填速度)が不
足したことによるドット跳びや充填不足を改善し、それ
による接着強力の不足や低下が改善される。また、粉末
の充填速度が大きく改良されることによって、基布の送
り速度を速くすることが可能で、生産性を向上できる。
また、ドットのサイズの小さいプレスロールにも、充分
適用可能なものとなる。
【0032】この他に、ポリエチレン粉末には一般的に
配合される熱安定剤や滑剤、あるいは目的によっては、
粉体顔料などの粉末が添加されることもあるが、無機微
粉末(B)が50重量%以上、好ましくは60重量%以
上を占めるものであれば、本発明に対する悪影響は出な
いか、または少ない。これまでに述べたことにおいて、
本発明の芯地用接着剤として、特に重要なことは、ポリ
エチレン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末
(B)が分散している(まぶされている)ことであり、
かつ、該粉体の充填速度の値が、少なくとも1.2g/
sec以上の特性値を有することである。
配合される熱安定剤や滑剤、あるいは目的によっては、
粉体顔料などの粉末が添加されることもあるが、無機微
粉末(B)が50重量%以上、好ましくは60重量%以
上を占めるものであれば、本発明に対する悪影響は出な
いか、または少ない。これまでに述べたことにおいて、
本発明の芯地用接着剤として、特に重要なことは、ポリ
エチレン粉末(A)を構成する粒子の表面に無機微粉末
(B)が分散している(まぶされている)ことであり、
かつ、該粉体の充填速度の値が、少なくとも1.2g/
sec以上の特性値を有することである。
【0033】本発明の芯地用接着剤を、パウダードット
方式の接着芯地製造用の接着剤原料として用いれば、従
来の原料や製造条件に起因した問題点の多くを改善でき
るものとなる。従って、パウダードット方式の接着芯地
の製造においても、焼結処理温度を更に上げて、焼結後
の樹脂が充分溶融している間に冷却ロールに掛けて表面
の平滑化を強制的に行うといったことも必要でなくなる
し、ドットの小さいプレスロールに対しても適用可能で
ある。つまり、特別な装置や製造条件を変更せずとも表
裏(塗布あり、塗布無し)の目視判別が容易で、接着強
力を保持し、テカリの少ない接着芯地が得られる。ま
た、充填速度が大きければ芯地基布の送り速度を上げる
ことが可能となり、生産速度を上げられる。
方式の接着芯地製造用の接着剤原料として用いれば、従
来の原料や製造条件に起因した問題点の多くを改善でき
るものとなる。従って、パウダードット方式の接着芯地
の製造においても、焼結処理温度を更に上げて、焼結後
の樹脂が充分溶融している間に冷却ロールに掛けて表面
の平滑化を強制的に行うといったことも必要でなくなる
し、ドットの小さいプレスロールに対しても適用可能で
ある。つまり、特別な装置や製造条件を変更せずとも表
裏(塗布あり、塗布無し)の目視判別が容易で、接着強
力を保持し、テカリの少ない接着芯地が得られる。ま
た、充填速度が大きければ芯地基布の送り速度を上げる
ことが可能となり、生産速度を上げられる。
【0034】この他に、本発明のポリエチレン粉体には
一般的に配合される熱安定剤や滑剤、脂肪酸亜鉛微粉
末、あるいは目的によっては、粉体顔料や造核剤(例え
ば、ベンジリデンソルビトール系、有機燐酸塩系、芳香
族カルボン酸金属塩)などの粉末を添加することが可能
であり、その場合でもそれらに対して無機微粉末(B)
が50重量%以上、好ましくは60重量%以上を占める
ものであれば、本発明に対する悪影響は出ないか、また
は少なかった。
一般的に配合される熱安定剤や滑剤、脂肪酸亜鉛微粉
末、あるいは目的によっては、粉体顔料や造核剤(例え
ば、ベンジリデンソルビトール系、有機燐酸塩系、芳香
族カルボン酸金属塩)などの粉末を添加することが可能
であり、その場合でもそれらに対して無機微粉末(B)
が50重量%以上、好ましくは60重量%以上を占める
ものであれば、本発明に対する悪影響は出ないか、また
は少なかった。
【0035】以上に述べたように、本発明の効果として
は、ポリエチレン粉末をパウダードット方式によって芯
地基布上に塗布し、焼結処理を施す芯地の製造方法にお
いて、原料粉末ポリエチレンの粉体特性について新たな
指標を見出し、その基に粉体の充填特性を改良すること
によって、それに起因するドット跳びや充填不足を改善
し、焼結処理温度を上げることや強制的な平滑化処理を
行わずとも、表裏の目視判別が容易な芯地用接着剤およ
び接着芯地を提供することを可能とした。
は、ポリエチレン粉末をパウダードット方式によって芯
地基布上に塗布し、焼結処理を施す芯地の製造方法にお
いて、原料粉末ポリエチレンの粉体特性について新たな
指標を見出し、その基に粉体の充填特性を改良すること
によって、それに起因するドット跳びや充填不足を改善
し、焼結処理温度を上げることや強制的な平滑化処理を
行わずとも、表裏の目視判別が容易な芯地用接着剤およ
び接着芯地を提供することを可能とした。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、更に具体的な実施例のい
くつかを上げて、本発明を説明する。ここで用いるポリ
エチレン粉末として、直接に懸濁重合によって製造され
た無添加品の、ほぼ球状をしたポリエチレンの粉末を2
種類(これを、A−1とA−2として表示する)用意し
た。A−1は、メルトインデックスが20g/10mi
n、密度が0.965g/cc、融点が135℃のコポ
リマーである。この粉体の粒度分布は、250μ全通
で、〜175μオンが0.5%、〜150μオンが2
%、〜100μオンが20%、〜75μオンが22.5
%、〜50μオンが34%、〜43μオンが13%、4
3μパスが3%(合計100%)であり、平均粒度は8
5ミクロンである。
くつかを上げて、本発明を説明する。ここで用いるポリ
エチレン粉末として、直接に懸濁重合によって製造され
た無添加品の、ほぼ球状をしたポリエチレンの粉末を2
種類(これを、A−1とA−2として表示する)用意し
た。A−1は、メルトインデックスが20g/10mi
n、密度が0.965g/cc、融点が135℃のコポ
リマーである。この粉体の粒度分布は、250μ全通
で、〜175μオンが0.5%、〜150μオンが2
%、〜100μオンが20%、〜75μオンが22.5
%、〜50μオンが34%、〜43μオンが13%、4
3μパスが3%(合計100%)であり、平均粒度は8
5ミクロンである。
【0037】A−2は、メルトインデックスが8g/1
0min、密度(JIS K7112測定法による)が
0.95g/cc、融点が128℃のエチレンとブテン
ー1のコポリマーである。この粉体の粒度分布は、25
0μ全通で、〜175μオンが3%、〜150μオンが
8%、〜100μオンが52%、〜75μオンが25
%、〜50μオンが8%、〜43μオンが2%、43μ
パスが2%(合計100%)であり、平均粒度は112
ミクロンである。
0min、密度(JIS K7112測定法による)が
0.95g/cc、融点が128℃のエチレンとブテン
ー1のコポリマーである。この粉体の粒度分布は、25
0μ全通で、〜175μオンが3%、〜150μオンが
8%、〜100μオンが52%、〜75μオンが25
%、〜50μオンが8%、〜43μオンが2%、43μ
パスが2%(合計100%)であり、平均粒度は112
ミクロンである。
【0038】
【実施例1】、
【比較例1〜8】ポリエチレン粉末として、A−1、A
−2を用いた。また、見掛密度や平均粒度の異なる各種
の無機微粉末、;アエロジルタイプのシリカ超微粉末
(嵩密度;0.05g/cc、平均粒度;0.013
μ)、;シリカ微粉末(嵩密度;0.14g/cc、
平均粒度;1.8μ)、;半粒化加工シリカ(嵩密
度;0.26g/cc、解砕時の平均粒度;1.8
μ)、;炭酸カルシウム微粉末(嵩密度;0.17g
/cc、平均粒度;0.15μ)を準備した。この無機
微粉末をポリエチレン粉末に対して、表1に記載した重
量部加え、ミキサーで混合・分散させた。得られたポリ
エチレン粉体の見掛密度、流動速度、およびその値から
算出された充填速度を実施例1〜6として表1に記載し
た。
−2を用いた。また、見掛密度や平均粒度の異なる各種
の無機微粉末、;アエロジルタイプのシリカ超微粉末
(嵩密度;0.05g/cc、平均粒度;0.013
μ)、;シリカ微粉末(嵩密度;0.14g/cc、
平均粒度;1.8μ)、;半粒化加工シリカ(嵩密
度;0.26g/cc、解砕時の平均粒度;1.8
μ)、;炭酸カルシウム微粉末(嵩密度;0.17g
/cc、平均粒度;0.15μ)を準備した。この無機
微粉末をポリエチレン粉末に対して、表1に記載した重
量部加え、ミキサーで混合・分散させた。得られたポリ
エチレン粉体の見掛密度、流動速度、およびその値から
算出された充填速度を実施例1〜6として表1に記載し
た。
【0039】なお、比較例としてA−1、A−2の単独
粉末、および粉体特性の改良剤として最も一般的に用い
られているステアリン酸カルシウム微粉末を同様に分散
させたポリエチレン粉体についても比較例1〜4として
表1に記載した。。次にこの粉体の焼結品の光沢度を測
定する試料を作成した。その方法としては、15cm*
30cm*2mmtのアルミニウム板(試料台)上に、
4cm*4cmの穴を開けた0.7mm厚みのボール紙
(スペーサー)を置いて、そこにポリエチレン粉体を均
等にドクターで充填し、ボール紙を取り除く。次に、9
分30秒±15秒で槽内に入れた試料台が所定の温度に
昇温するように制御された熱風循環乾燥機内に試料台を
入れて、焼結を行わせる。この時の試料台の温度を焼結
温度とする。
粉末、および粉体特性の改良剤として最も一般的に用い
られているステアリン酸カルシウム微粉末を同様に分散
させたポリエチレン粉体についても比較例1〜4として
表1に記載した。。次にこの粉体の焼結品の光沢度を測
定する試料を作成した。その方法としては、15cm*
30cm*2mmtのアルミニウム板(試料台)上に、
4cm*4cmの穴を開けた0.7mm厚みのボール紙
(スペーサー)を置いて、そこにポリエチレン粉体を均
等にドクターで充填し、ボール紙を取り除く。次に、9
分30秒±15秒で槽内に入れた試料台が所定の温度に
昇温するように制御された熱風循環乾燥機内に試料台を
入れて、焼結を行わせる。この時の試料台の温度を焼結
温度とする。
【0040】乾燥機内の試料台が、表1に記載した焼結
温度になった時点で、試料台を室内に取り出し、室温
(室温20〜30℃)で放冷する。上記の焼結温度は、
実際の接着芯地製造における焼結温度に相当する温度で
ある試料台が、150℃(乾燥機温度180℃)条件以
外に、それより低い温度である試料台が140℃(乾燥
機温度が168℃)、逆に高い温度である試料台が16
0℃(乾燥機温度が195℃)、過酷な(基布が変色す
る)温度である試料台が180℃(乾燥機温度が220
℃)で行った。この時の乾燥機内温度および風速は、挿
入時間が9分30秒±15秒で所定の試料台温度になる
ように制御されている。
温度になった時点で、試料台を室内に取り出し、室温
(室温20〜30℃)で放冷する。上記の焼結温度は、
実際の接着芯地製造における焼結温度に相当する温度で
ある試料台が、150℃(乾燥機温度180℃)条件以
外に、それより低い温度である試料台が140℃(乾燥
機温度が168℃)、逆に高い温度である試料台が16
0℃(乾燥機温度が195℃)、過酷な(基布が変色す
る)温度である試料台が180℃(乾燥機温度が220
℃)で行った。この時の乾燥機内温度および風速は、挿
入時間が9分30秒±15秒で所定の試料台温度になる
ように制御されている。
【0041】次いで、焼結したシート状の試料を剥が
し、光沢度測定に用いる。光沢度の測定面は、フリーに
なっている面(アルミニウム板に接していない面)で行
う。上記の各種試料の光沢度を表1に記載した。この結
果から無添加のポリエチレン粉末では、焼結品の光沢は
問題無いが粉体の流動性が悪いため充填速度が不足して
いる。また、ステアリン酸カルシウム添加品は、充填速
度は問題無いが焼結品の光沢は低く、この光沢では実際
の芯地に加工したときに表裏の目視判定が難しいことが
予測される。また、焼結温度を180℃迄上げれば光沢
は向上するが、この温度では実際の芯地加工では基布の
熱変色が予測される。それに対して、本発明の無機微粉
末添加系では、粉体の充填速度の向上効果が大きく、ま
た焼結品の光沢の低下も殆ど無く、無添加品並みの光沢
を保持している。
し、光沢度測定に用いる。光沢度の測定面は、フリーに
なっている面(アルミニウム板に接していない面)で行
う。上記の各種試料の光沢度を表1に記載した。この結
果から無添加のポリエチレン粉末では、焼結品の光沢は
問題無いが粉体の流動性が悪いため充填速度が不足して
いる。また、ステアリン酸カルシウム添加品は、充填速
度は問題無いが焼結品の光沢は低く、この光沢では実際
の芯地に加工したときに表裏の目視判定が難しいことが
予測される。また、焼結温度を180℃迄上げれば光沢
は向上するが、この温度では実際の芯地加工では基布の
熱変色が予測される。それに対して、本発明の無機微粉
末添加系では、粉体の充填速度の向上効果が大きく、ま
た焼結品の光沢の低下も殆ど無く、無添加品並みの光沢
を保持している。
【0042】
【実施例7〜19】、
【比較例5】ポリエチレン粉末として、A−1を用い
た。このそれぞれの100重量部に対して、各種の無機
微粉末、前記の;アエロジルタイプのシリカ超微粉末
(嵩密度;0.05g/cc、平均粒度;0.013
μ)、;シリカ微粉末(嵩密度;0.14g/cc、
平均粒度;1.8μ)、;炭酸カルシウム微粉末(嵩
密度;0.17g/cc、平均粒度;0.15μ)、及
び;アエロジルタイプのアルミナ超微粉末(嵩密度;
0.05g/cc、平均粒度;0.012μ)、;タ
ルク微粉末(嵩密度;0.14g/cc、平均粒度;
4.2μ)を準備した。この無機微粉末をポリエチレン
粉末に対して、表2に記載した重量部加え、ミキサーで
混合・分散させた。得られたポリエチレン粉体の見掛密
度、流動速度、およびその値から算出された充填速度を
実施例7〜19として表2に記載した。
た。このそれぞれの100重量部に対して、各種の無機
微粉末、前記の;アエロジルタイプのシリカ超微粉末
(嵩密度;0.05g/cc、平均粒度;0.013
μ)、;シリカ微粉末(嵩密度;0.14g/cc、
平均粒度;1.8μ)、;炭酸カルシウム微粉末(嵩
密度;0.17g/cc、平均粒度;0.15μ)、及
び;アエロジルタイプのアルミナ超微粉末(嵩密度;
0.05g/cc、平均粒度;0.012μ)、;タ
ルク微粉末(嵩密度;0.14g/cc、平均粒度;
4.2μ)を準備した。この無機微粉末をポリエチレン
粉末に対して、表2に記載した重量部加え、ミキサーで
混合・分散させた。得られたポリエチレン粉体の見掛密
度、流動速度、およびその値から算出された充填速度を
実施例7〜19として表2に記載した。
【0043】次に、このポリエチレン粉体の焼結品の光
沢度を測定する試料を実施例1に記載した方法で作成し
た。上記の各種試料の光沢度を表2に記載した。比較例
として、上記の比較例2のステアリン酸カルシウムの添
加量を減じた場合の光沢度を観察したが、それほど改善
は認められなかった。また、本発明の実施例において、
表2に記載の添加量の範囲においては、充填速度および
光沢度ともに良好であった。ただし、無機微粉末の添加
量がある量を超えると粉体特性、光沢度とも低下傾向が
認められた。また、タルク微粉末を併用した系は、ベー
スポリエチレンよりも明らかに焼結品の光沢が向上し
た。このことは、更に光沢度の低いポリエチレンでもベ
ースとして使用できることをも示唆した。
沢度を測定する試料を実施例1に記載した方法で作成し
た。上記の各種試料の光沢度を表2に記載した。比較例
として、上記の比較例2のステアリン酸カルシウムの添
加量を減じた場合の光沢度を観察したが、それほど改善
は認められなかった。また、本発明の実施例において、
表2に記載の添加量の範囲においては、充填速度および
光沢度ともに良好であった。ただし、無機微粉末の添加
量がある量を超えると粉体特性、光沢度とも低下傾向が
認められた。また、タルク微粉末を併用した系は、ベー
スポリエチレンよりも明らかに焼結品の光沢が向上し
た。このことは、更に光沢度の低いポリエチレンでもベ
ースとして使用できることをも示唆した。
【0044】
【実施例20〜21】、
【比較例6〜8】ポリエチレン粉末として、A−1、A
−2を準備した。このそれぞれの100重量部に対し
て、無添加、前記の;炭酸カルシウム微粉末(嵩密
度;0.17g/cc、平均粒度;0.15μ)を0.
25重量部加え、ヘンシェルミキサーで混合・分散させ
た。 また、比較例として無添加品およびステアリン酸
カルシウムを0.25重量部加え、ヘンシェルミキサー
で混合・分散させたものについて、それぞれ得られたポ
リエチレン粉体の見掛密度、流動速度、およびその値か
ら算出された充填速度および焼結品の光沢度を表3に記
載した。
−2を準備した。このそれぞれの100重量部に対し
て、無添加、前記の;炭酸カルシウム微粉末(嵩密
度;0.17g/cc、平均粒度;0.15μ)を0.
25重量部加え、ヘンシェルミキサーで混合・分散させ
た。 また、比較例として無添加品およびステアリン酸
カルシウムを0.25重量部加え、ヘンシェルミキサー
で混合・分散させたものについて、それぞれ得られたポ
リエチレン粉体の見掛密度、流動速度、およびその値か
ら算出された充填速度および焼結品の光沢度を表3に記
載した。
【0045】次に、参考として、この粉体を実際の接着
芯地製造における散布方式に相当する方法で、芯地基布
(T/C=65/35平織り#16、基布の光沢度は
4.3%)上に、均等に30g/m2 となるよう散布
し、熱風循環乾燥機内(180℃)に入れて、9分30
秒間槽内に入れて焼結を行わせた。取り出した後は、室
温25℃で放冷した。得られた接着芯地の塗布面の光沢
度を測定した。
芯地製造における散布方式に相当する方法で、芯地基布
(T/C=65/35平織り#16、基布の光沢度は
4.3%)上に、均等に30g/m2 となるよう散布
し、熱風循環乾燥機内(180℃)に入れて、9分30
秒間槽内に入れて焼結を行わせた。取り出した後は、室
温25℃で放冷した。得られた接着芯地の塗布面の光沢
度を測定した。
【0046】次に、一般の表地(T/C 65/35#
40単糸)、及びT/=65/35の形態安定加工表地
(難接着表地)を準備し、この夫々の表地と該接着芯地
を重ねて、圧力2kg/cm2 、 ヒーター温度150℃
で10秒間のプレス接着加工をした。そのものから、J
IS L1089;5.10衣料用接着布試験方法(剥
離強さ)に準じて、剥離試験用に1インチ幅の剥離試験
片を切り出して、100mm/minの速度で引き剥が
したときの強度を接着強力とした。これらのデーターを
合わせて表3に記載した。実施例のものは比較例に比べ
て、光沢度、接着強力ともに良好であった。
40単糸)、及びT/=65/35の形態安定加工表地
(難接着表地)を準備し、この夫々の表地と該接着芯地
を重ねて、圧力2kg/cm2 、 ヒーター温度150℃
で10秒間のプレス接着加工をした。そのものから、J
IS L1089;5.10衣料用接着布試験方法(剥
離強さ)に準じて、剥離試験用に1インチ幅の剥離試験
片を切り出して、100mm/minの速度で引き剥が
したときの強度を接着強力とした。これらのデーターを
合わせて表3に記載した。実施例のものは比較例に比べ
て、光沢度、接着強力ともに良好であった。
【0047】
【実施例22〜23】、
【比較例9〜11】パウダードット方式のサラディンシ
ステム芯地製造機を用いて接着芯地を製造した。接着芯
地基布はT/C 65/35平織り#16、基布の光沢
度は4.3%である。接着剤は、実施例22、23で得
られた粉体であり、これを順に芯地接着剤試料(a−
1)、(aー2)、比較例9〜11で得られた粉体を順
に芯地接着剤試料(bー1)〜(b−3)とした。
ステム芯地製造機を用いて接着芯地を製造した。接着芯
地基布はT/C 65/35平織り#16、基布の光沢
度は4.3%である。接着剤は、実施例22、23で得
られた粉体であり、これを順に芯地接着剤試料(a−
1)、(aー2)、比較例9〜11で得られた粉体を順
に芯地接着剤試料(bー1)〜(b−3)とした。
【0048】先ず、比較例11の接着剤の散布量が32
g/cm2 となるようにドクター角度などを調整して設
定し、その他の試料は上記と同一条件で試験生産を実施
した。このときの芯地製造における基布の送り速度は2
4m/min、グラビアロールに彫られたドット数は3
6*36/in2 、温度は97℃、バックアップロール
温度は215℃、後加熱は赤外線ヒーターである。この
試験生産のとき、原料ホッパーからのグラビアロールへ
の原料粉体の供給性と得られた接着芯地のドットの安定
性を定性的に観察した。実施例のものは比較例に比べ
て、接着芯地製造時の安定性、得られた接着芯地の光沢
度ともに良好であった。
g/cm2 となるようにドクター角度などを調整して設
定し、その他の試料は上記と同一条件で試験生産を実施
した。このときの芯地製造における基布の送り速度は2
4m/min、グラビアロールに彫られたドット数は3
6*36/in2 、温度は97℃、バックアップロール
温度は215℃、後加熱は赤外線ヒーターである。この
試験生産のとき、原料ホッパーからのグラビアロールへ
の原料粉体の供給性と得られた接着芯地のドットの安定
性を定性的に観察した。実施例のものは比較例に比べ
て、接着芯地製造時の安定性、得られた接着芯地の光沢
度ともに良好であった。
【0049】また、得られた接着芯地とT/C 65/
35のホルムアルデヒド加工された形態安定加工表地
(難接着表地)との接着性を調べた。この時の接着加工
条件は、圧力2kg/cm2 、ヒーター温度160℃で
15秒間のプレス接着加工である。そのものから、1イ
ンチ幅の剥離試験片を切り出して、100/minの速
度で引き剥がしたときの強度を接着強力を測定し、接着
剤1g当たりの接着強力に換算して比較した。これらの
データーを合わせて表4に記載した。更に、JIS L
1042による洗濯やドライクリーニング後の収縮率、
L1057によるアイロン収縮率を測定したが、従来
品に比較して遜色は無かった。
35のホルムアルデヒド加工された形態安定加工表地
(難接着表地)との接着性を調べた。この時の接着加工
条件は、圧力2kg/cm2 、ヒーター温度160℃で
15秒間のプレス接着加工である。そのものから、1イ
ンチ幅の剥離試験片を切り出して、100/minの速
度で引き剥がしたときの強度を接着強力を測定し、接着
剤1g当たりの接着強力に換算して比較した。これらの
データーを合わせて表4に記載した。更に、JIS L
1042による洗濯やドライクリーニング後の収縮率、
L1057によるアイロン収縮率を測定したが、従来
品に比較して遜色は無かった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】本発明は、ポリエチレン粉末をパウダー
ドット方式によって芯地基布上に塗布し、焼結処理を施
す芯地の製造方法において、本発明のポリエチレン粉末
と無機微粉末との組合せと配合処方によって、芯地用接
着剤としてのポリエチレン粉体の充填特性を改良し、充
填ミスによるドット跳びや充填不足を改善し、また焼結
処理温度を上げることや強制的な平滑化処理を行わずと
も、適度な光沢度を発現させられ、表裏の目視判別が容
易な芯地用接着剤および接着芯地を提供することが出来
る。また、形態安定加工を施された難接着表地に対して
も接着強力を保持し、接着芯地としての性能も実用上十
分な性能を保持した芯地用接着剤および接着芯地を提供
できる。
ドット方式によって芯地基布上に塗布し、焼結処理を施
す芯地の製造方法において、本発明のポリエチレン粉末
と無機微粉末との組合せと配合処方によって、芯地用接
着剤としてのポリエチレン粉体の充填特性を改良し、充
填ミスによるドット跳びや充填不足を改善し、また焼結
処理温度を上げることや強制的な平滑化処理を行わずと
も、適度な光沢度を発現させられ、表裏の目視判別が容
易な芯地用接着剤および接着芯地を提供することが出来
る。また、形態安定加工を施された難接着表地に対して
も接着強力を保持し、接着芯地としての性能も実用上十
分な性能を保持した芯地用接着剤および接着芯地を提供
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯地用接着剤として使用される粉体接着
剤であって、その成分が、それぞれ下記の特性を有する
ポリエチレン粉末(A)と無機微粉末(B)からなり、
かつ、ポリエチレン粉末(A)を構成する粒子の表面に
無機微粉末(B)が分散しており、その比率が、ポリエ
チレン粉末(A)の100重量部に対して無機微粉末
(B)が0.03〜3重量部の範囲であって、かつ、該
粉体の充填速度の値が1.2g/sec以上の特性値を
有することを特徴とする粉体接着剤。上記のポリエチレ
ン粉末(A)は、エチレン単独重合体または/およびエ
チレンーαオレフィン共重合体であって、そのメルトイ
ンデックス値が1〜30g/10min、融点が125
〜140℃、粉末の粒度が40〜180ミクロンの範囲
に90重量%以上あり、その平均粒度が50〜150ミ
クロンのものである。上記の無機微粉末(B)は、嵩密
度は0.01〜0.5g/cc、平均粒度は10ミクロ
ン以下の無機化合物の微粉末である。 - 【請求項2】 接着芯地に使用されている芯地用接着剤
が、請求項1に記載の粉体接着剤を用いたものであっ
て、接着芯地の製造方法がパウダードット方式であり、
かつその接着芯地の塗工面の光沢度が8〜30%である
ことを特徴とする接着芯地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27446299A JP2001098467A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 粉体接着剤および接着芯地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27446299A JP2001098467A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 粉体接着剤および接着芯地 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001098467A true JP2001098467A (ja) | 2001-04-10 |
Family
ID=17542030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27446299A Pending JP2001098467A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 粉体接着剤および接着芯地 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001098467A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006239394A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Stirling Mouldings Ltd | 可撓性材料および可撓性材料の製造方法 |
CN109852287A (zh) * | 2017-11-30 | 2019-06-07 | 乐天化学株式会社 | 聚乙烯粘结剂 |
-
1999
- 1999-09-28 JP JP27446299A patent/JP2001098467A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006239394A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Stirling Mouldings Ltd | 可撓性材料および可撓性材料の製造方法 |
CN109852287A (zh) * | 2017-11-30 | 2019-06-07 | 乐天化学株式会社 | 聚乙烯粘结剂 |
KR20190064325A (ko) * | 2017-11-30 | 2019-06-10 | 롯데케미칼 주식회사 | 폴리에틸렌 접착제 |
KR102327008B1 (ko) | 2017-11-30 | 2021-11-16 | 롯데케미칼 주식회사 | 폴리에틸렌 접착제 |
CN109852287B (zh) * | 2017-11-30 | 2021-11-23 | 乐天化学株式会社 | 聚乙烯粘结剂 |
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