JP2001098396A - スズ又はスズ合金メッキを施した表面被覆材料、並びに当該被覆材料を利用した電子部品 - Google Patents
スズ又はスズ合金メッキを施した表面被覆材料、並びに当該被覆材料を利用した電子部品Info
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Abstract
る。 【解決手段】 スズと、銀、ビスマス、インジウム、亜
鉛、ニッケル、コバルト、銅、アンチモンよりなる群か
ら選ばれた金属の少なくとも一種とのスズ合金メッキ皮
膜を素地上に形成した表面被覆材料において、メッキ皮
膜中のβ−スズ結晶のX線回折パターンから特定方式で
算出された配向性指数の最大値が2以上であり、上記β
−スズの結晶格子におけるミラー指数の〈001〉方向
が素地表面の法線方向に対して50.7〜90度の高角
度を成すように配向させる。鉛を含まないスズ合金皮膜
中のβ−スズ結晶の〈001〉方向を素地表面の法線方
向に対して特定条件で配向するため、素地表面に沿う変
形力の向きに滑り易くなってメッキ皮膜の潤滑性が改善
され、上記メッキを施した線材の伸線作業などが容易に
なる。
Description
ッキによる表面被覆材料、並びにこの被覆材料を利用し
た電子部品に関し、スズ或はスズ合金メッキ皮膜中のβ
−スズの結晶の配向性を制御することにより、メッキ皮
膜の摩擦係数を低減し、或は加工時のバリやクラックの
発生などを低減できるものを提供する。
コネクタ等の電子部品は、ハンダ付け性の向上などを主
目的に、スズ又はスズ合金の電着皮膜で表面被覆される
が、これらのメッキ部品は、振動方式のパーツフィーダ
に載せて生産ラインに供給されることが多いが、メッキ
皮膜の潤滑性が充分でないために、供給に支障を来して
生産効率を低くするという弊害が少なくなかった。ま
た、メッキを施した線材の伸線作業においても、メッキ
皮膜の潤滑性などのために、作業効率が向上しない場合
が多かった。
ては(具体的には、半導体基板に実装する目的などで)、
電気メッキしたリード、電極などを金型を用いて曲げ加
工したり、切削、或は切断などの各種の機械加工を施す
場合が多い。しかしながら、切削、切断などの後加工を
施すと、加工部分から皮膜の切断屑やクラックが発生し
てしまい、従来では、これを防止する有効な手段がない
というのが実情であった。
報で、素地金属表面上にスズ或はスズ−鉛合金メッキ皮
膜を施した表面被覆材料において、当該メッキ皮膜中の
β−スズの結晶格子におけるミラー指数の〈001〉方
向が、表面被覆材料に加える外力方向に対して90〜3
5度の高角度をなすように、β−スズの結晶を優先配向
させることを開示した。皮膜中のβ−スズの結晶を外力
方向に対して特定方向に優先配向するため、メッキ皮膜
はこの外力に沿う方向には塑性変形し難くなり、加工時
の削れ屑の発生量を抑制できる。
術を出発点として、スズ皮膜、或はスズ合金皮膜中のス
ズ結晶の配向性を制御して、第一には、鉛を含まないス
ズ合金皮膜の潤滑性を改善し、第二には、スズ皮膜、或
は鉛を含んでも良いスズ合金皮膜の物性の異方性を解消
して、加工時のバリやクラックの発生などを抑制するこ
とを技術的課題とする。
膜中のスズの配向性を制御すると皮膜物性が変化するこ
とに着目して、上記従来技術を鉛を含まないスズ合金に
拡張することを鋭意研究し、第一に、スズ−銀合金、ス
ズ−ビスマス合金、スズ−銅合金などのスズ合金皮膜に
あっても、皮膜中のβ−スズの結晶格子におけるミラー
指数の〈001〉方向が素地表面に対して特定条件を満
たすと、皮膜の摩擦係数が低減することを見い出した。
また、第二に、スズ皮膜、或は鉛を含んでも良いスズ合
金皮膜においては、β−スズの結晶を配向性のない状態
にすると、物性の異方性の少ない皮膜が得られることを
見い出し、本発明を完成した。
ス、インジウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、アン
チモンよりなる群から選ばれた金属の少なくとも一種と
のスズ合金メッキ皮膜を素地上に形成した表面被覆材料
において、メッキ皮膜中のβ−スズの結晶面のX線回折
パターンに基づいて次式(A)により算出した各結晶面の
配向性指数Xhklの最大値が2以上であり、 Xhkl={(ΣASTMのI/I1)×(測定された(hkl)面のI/I1)}÷ {(Σ測定されたI/I1)×(ASTM(hkl)面のI/I1)}…(A) (式(A)において、 Xhkl:特定の(hkl)面の配向性指数。測定された(h
kl)面のI/I1:配向性指数を求めようとしているβ
−スズの特定の(hkl)面の測定された回折強度を、そ
の測定されたX線回折パターンのβ−スズの回折ピーク
の中で最も強いピークの回折強度で除した数値。 ΣASTMのI/I1:粉末法によるβ−スズのX線回
折パターン(例えば、ASTMカード等)における{20
0}面、{101}面、{220}面、{211}面、
{301}面、{112}面、{400}面、{32
1}面、{420}面、{411}面、{312}面、
{501}面の各回折強度を、その回折パターン中で最
も強い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除
した数値の総和。 Σ測定されたI/I1:測定されたX線回折パターンに
おけるβ−スズの{200}面、{101}面、{22
0}面、{211}面、{301}面、{112}面、
{400}面、{321}面、{420}面、{41
1}面、{312}面、{501}面の各回折強度を、
その回折パターン中のβ−スズの回折ピークのうち、最
も強い回折ピークの回折強度で除した数値の総和。 ASTM(hkl)面のI/I1:粉末法によるβ−スズ
のX線回折パターン(例えば、ASTMカード等)におけ
る配向性指数を求めようとしているβ−スズの特定の
(hkl)面の回折強度を、その回折パターン中の最も強
い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除した
数値。) メッキ皮膜中のβ−スズの結晶格子におけるミラー指数
の〈001〉方向が素地表面の法線方向に対して50.
7〜90度の角度を成すように配向させたことを特徴と
するスズ合金メッキを施した表面被覆材料である。
銀、ビスマス、インジウム、亜鉛、ニッケル、コバル
ト、銅、アンチモンよりなる群から選ばれた金属の少な
くとも一種とのスズ合金メッキ皮膜を素地上に形成した
表面被覆材料において、メッキ皮膜中のβ−スズの結晶
面のX線回折パターンに基づいて次式(A)により算出し
た各結晶面の配向性指数Xhklの最大値が1〜2である
ようにして、 Xhkl={(ΣASTMのI/I1)×(測定された(hkl)面のI/I1)}÷ {(Σ測定されたI/I1)×(ASTM(hkl)面のI/I1)}…(A) (式(A)において、 Xhkl:特定の(hkl)面の配向性指数。測定された(h
kl)面のI/I1:配向性指数を求めようとしているβ
−スズの特定の(hkl)面の測定された回折強度を、そ
の測定されたX線回折パターンのβ−スズの回折ピーク
の中で最も強いピークの回折強度で除した数値。 ΣASTMのI/I1:粉末法によるβ−スズのX線回
折パターン(例えば、ASTMカード等)における{20
0}面、{101}面、{220}面、{211}面、
{301}面、{112}面、{400}面、{32
1}面、{420}面、{411}面、{312}面、
{501}面の各回折強度を、その回折パターン中で最
も強い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除
した数値の総和。 Σ測定されたI/I1:測定されたX線回折パターンに
おけるβ−スズの{200}面、{101}面、{22
0}面、{211}面、{301}面、{112}面、
{400}面、{321}面、{420}面、{41
1}面、{312}面、{501}面の各回折強度を、
その回折パターン中のβ−スズの回折ピークのうち、最
も強い回折ピークの回折強度で除した数値の総和。 ASTM(hkl)面のI/I1:粉末法によるβ−スズ
のX線回折パターン(例えば、ASTMカード等)におけ
る配向性指数を求めようとしているβ−スズの特定の
(hkl)面の回折強度を、その回折パターン中の最も強
い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除した
数値。) メッキ皮膜中のβ−スズの結晶格子におけるミラー指数
の〈001〉方向をランダムに方位付けたことを特徴と
するスズ又はスズ合金メッキを施した表面被覆材料であ
る。
て、スズと合金を形成する金属の当該合金中の含有率が
0.005〜50重量%であることを特徴とするもので
ある。
において、スズ又はスズ合金メッキ皮膜の膜厚が0.1
〜100μmであることを特徴とするものである。
の表面被覆材料がリード、電極などであることを特徴と
する電子部品である。
導体デバイス、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、
コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶
振動子、リード線などであることを特徴とするものであ
る。
42合金、銅合金、コバールを初め、任意の材質を選択
でき、特定の材質に限定されない。素地の表面には、ニ
ッケル又は銅等の下地メッキ層が存在しても良い。上記
素地表面のスズ、或はスズ合金は、基本的に電気メッ
キ、無電解メッキにより施される。本発明1は鉛を含ま
ないスズ合金メッキ皮膜であり、スズと合金を形成する
Ag、Bi、In、Zn、Ni、Co、Cu、Sbの当
該合金中の組成比は、β−Sn本来の特性を保持する見
地から、スズ含有量が減少しすぎない範囲である0.0
05〜50重量%が好ましい。また、本発明2はスズ皮
膜、並びに鉛を含んでも良いスズ合金メッキ皮膜を対象
とするが、スズと合金を形成するPb、Ag、Bi、I
n、Zn、Ni、Co、Cu、Sbの当該合金中の組成
比は、基本的に上記本発明1と同様で差し支えない。上
記スズ皮膜、或はスズ合金皮膜の膜厚は0.1〜100
μmである。メッキ膜厚としては、30〜50μm程度
が通常の厚みの上限の目安であるが、本発明ではこれ以
上の膜厚であっても差し支えない。
るが、本発明1では、スズ合金メッキ皮膜中のβ−スズ
の結晶組織を特定条件で制御し、具体的には、X線回折
法によるβ−スズの結晶面の回折パターンから特定方式
で算出した配向性指数の最大値が2以上であり、上記β
−スズの結晶格子の〈001〉方向を素地表面の法線方
向に対して50.7〜90度の高角度に配向したもので
ある。β−スズの結晶を特定条件で配向するとは、β−
スズの結晶の全てが特定の方位に揃っているのではな
く、ランダムな方位の結晶が部分的に含まれるのを許容
しながら、大多数の結晶が統計的に特定の方位に揃うよ
うに配向していることを意味する。
よりβ−スズの各結晶面の回折ピーク高さを求め、各結
晶面の回折ピークIをその最大ピークI1で除して、各
(hkl)面のI/I1、或はΣ測定されたI/I1を求め
るとともに、標準の回折パターンであるASTMカード
における夫々の対応値を求め、次式(A)に基づいて夫々
の結晶面の配向性指数Xhklを算出するのである(当該算
出式は金属表面技術協会 第76回講演大会 要旨集第2
00〜201頁(1987年)を参照)。 Xhkl={(ΣASTMのI/I1)×(測定された(hkl)面のI/I1)}÷ {(Σ測定されたI/I1)×(ASTM(hkl)面のI/I1)}…(A) (式(A)において、 Xhkl:特定の(hkl)面の配向性指数。測定された(h
kl)面のI/I1:配向性指数を求めようとしているβ
−スズの特定の(hkl)面の測定された回折強度を、そ
の測定されたX線回折パターンのβ−スズの回折ピーク
の中で最も強いピークの回折強度で除した数値。 ΣASTMのI/I1:粉末法によるβ−スズのX線回
折パターン(例えば、ASTMカード等)における{20
0}面、{101}面、{220}面、{211}面、
{301}面、{112}面、{400}面、{32
1}面、{420}面、{411}面、{312}面、
{501}面の各回折強度を、その回折パターン中で最
も強い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除
した数値の総和。 Σ測定されたI/I1:測定されたX線回折パターンに
おけるβ−スズの{200}面、{101}面、{22
0}面、{211}面、{301}面、{112}面、
{400}面、{321}面、{420}面、{41
1}面、{312}面、{501}面の各回折強度を、
その回折パターン中のβ−スズの回折ピークのうち、最
も強い回折ピークの回折強度で除した数値の総和。 ASTM(hkl)面のI/I1:粉末法によるβ−スズ
のX線回折パターン(例えば、ASTMカード等)におけ
る配向性指数を求めようとしているβ−スズの特定の
(hkl)面の回折強度を、その回折パターン中の最も強
い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除した
数値。) 上記標準となる粉末法によるX線回折パターン、即ち、
ASTMカード(又はJCPDSカード)では、スズは皮
膜を形成せずに粉末状であるため、β−スズの結晶は、
当然ながらランダムに方位付けられて配向性がない状態
にある。このASTMカード(粉末法)では、{200}
面の回折強度が最も強い強度を示す。また、測定された
X線回折パターンには、β−スズの回折ピークだけでは
なく、合金化した他の金属の回折ピークも含まれるが、
上式(A)に関係するのはあくまでも、β−スズの回折ピ
ークだけである。但し、ΣASTMのI/I1でのI
1と、Σ測定されたI/I1でのI1は同じものを意味せ
ず、上述の式(A)の説明でも示したように、前者のI1
は、ASTMカードの回折パターン中で最も強い回折ピ
ークの回折強度であるのに対して、後者のI1は、測定
された回折パターン中のβ−スズの回折ピークのうち、
最も強い回折ピークの回折強度である。
との面間角は空間上一義的に決まるため、当該〈00
1〉方向が素地表面の法線方向に対して高角度をなす本
発明1の配向条件(逆言すると、〈001〉方向が素地
表面に対して低角度になる条件)では、β−スズの{2
00}面、{220}面、{411}面、{211}面
の少なくともいずれかの結晶面が素地表面に平行或はそ
れに近い状態に沿う。ちなみに、配向性指数が最大(X
hkl(max))になる結晶面が統計的に素地に対して平行
になるように配向するため、上記配向条件では、粉末法
による回折パターンにおいて、{200}面、{22
0}面などの特定の結晶面に相対的に強いピークが現れ
る。この場合、配向性指数の最大値Xhkl(max)が2
以上であると、スズ合金中のβ−スズの結晶は配向性を
有して統計的に特定の方位に揃った状態にあるが、後述
するように、Xhkl(max)が2〜1であるとβ−スズ
の結晶はランダムに方位付けられて配向性がない状態に
ある。本発明1のメッキ皮膜は鉛を含まないスズ合金で
あり、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−イン
ジウム合金、スズ−亜鉛合金、スズ−ニッケル合金、ス
ズ−コバルト合金、スズ−銅合金、スズ−アンチモン合
金などの2成分系のスズ合金皮膜を初め、スズ−銀−ニ
ッケル、スズ−銀−銅などの3成分系のスズ合金皮膜な
どが挙げられる。
良いスズ合金メッキ皮膜のβ−スズの結晶組織を特定条
件で制御し、具体的には、X線回折法によるβ−スズの
結晶面の回折パターンから上記(A)式で算出した配向性
指数の最大値が1〜2の範囲内になるようにして、スズ
又はスズ合金中のβ−スズの結晶の〈001〉方向をラ
ンダムに方位付けたものである。従って、本発明2は配
向性がない状態にした点で、β−スズ結晶を特定条件で
配向させた本発明1とは対照的である。ちなみに、配向
性がないメッキ皮膜をX線回折法で調べると、各結晶面
の配向性指数の中に突出して大きな数値は現れずに全体
が平準化されるため、上述のように、配向性指数の最大
値(Xhkl(max))は2〜1の範囲内に収まるのである。本
発明2のメッキ皮膜はスズ、並びに鉛を含んでも良いス
ズ合金であり、スズ合金皮膜としては、スズ−鉛合金、
スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−インジウム
合金、スズ−亜鉛合金、スズ−ニッケル合金、スズ−コ
バルト合金、スズ−銅合金、スズ−アンチモン合金など
が挙げられる。従って、本発明2のメッキ皮膜は、スズ
皮膜及びスズ−鉛合金皮膜を含む点で、本発明1のメッ
キ皮膜より適用範囲が広い。
合、メッキ浴の組成やメッキ条件などの多くの因子によ
りスズ皮膜、或はスズ合金皮膜中のβ−スズの結晶の配
向性が変化する。しかしながら、これらのメッキ浴の組
成やメッキ条件と、得られるスズ又はスズ合金メッキ皮
膜のβ−スズの配向性との間には、多くの因子が介在す
ることから一般的な(或は明解な)法則性を導き出すには
至らないが、経験則によってβ−スズの結晶の配向性を
概ね制御できる。
及びスズと合金を生成する他の金属の可溶性塩の種類と
組成比、酸の濃度と種類、pHの調整、界面活性剤、光
沢剤、光沢助剤、半光沢剤、平滑剤、錯化剤、緩衝剤な
どの各種添加剤の濃度と種類などが挙げられる。スズ又
はスズ合金メッキ浴の基本組成としては、有機スルホン
酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸、及びホウフッ化水
素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸、硫酸、塩酸
などの無機酸のメッキ浴が挙げられるが、金属の溶解性
や排水処理の容易性の見地から、有機スルホン酸浴が好
ましい。上記界面活性剤は、ノニオン系、両性、カチオ
ン系、アニオン系などの各種の活性剤が使用できる。上
記光沢剤としては、p−クロロベンズアルデヒド、o−
クロルアニリンなどのアニリン誘導体、1−ナフトアル
デヒド、ベンザルアセトン、アセチルアセトン、アニス
アルデヒド、o−トルイジンとアセトアルデヒドの反応
生成物、o−インドール、バニリン、ゼラチン、ピリジ
ン誘導体などが挙げられる。上記光沢助剤としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、或はこれらのメチル、エチル
などのエステル、ケイ皮酸、ホルマリンなどが挙げられ
る。上記半光沢剤としては、ベンゾチアゾール、2−メ
ルカプトベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾー
ルなどのベンゾチアゾール類、スルファニル酸類、トリ
アジン類、フェノール誘導体などが挙げられる。上記錯
化剤は、例えば、スズ−銀合金メッキ浴などに関し、銀
イオンなどを浴中に安定化させるためのものであり、チ
オ尿素などのチオアミド化合物、チオグリコール酸など
のメルカプタン類、2,2′−ジチオジアニリン、チオ
ビス(ドデカエチレングリコール)などが挙げられる。
密度、メッキ浴温、メッキ浴の撹拌速度、メッキ時間、
メッキ膜厚、印加する電圧波形、通電する電流波形など
が挙げられる。
を述べると、先ず、本発明1は鉛を含まないスズ合金メ
ッキ皮膜のβ−スズの結晶構造を制御して特定の配向性
を付与することを特徴とするが、主に、上記メッキ浴の
組成、例えば、C1〜C20アルカノール、フェノール、
ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフ
ェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25ア
ルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸、
ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1
〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどのエ
チレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物
であるノニオン系界面活性剤を初めとする上記界面活性
剤、或は平滑剤を選択することなどにより、β−スズの
結晶格子の〈001〉方向を素地表面の法線方向に対し
て高角度に配向できる。一方、本発明2はスズメッキ皮
膜、或は鉛を含んでも良いスズ合金メッキ皮膜を配向性
のない状態で形成することを特徴とするが、主に、上記
メッキ浴の組成、例えば、界面活性剤と半光沢剤の組み
合わせ(例えば、ノニオン系界面活性剤と2−メルカプ
トベンゾチアゾールなど)、或は、光沢助剤の不存在下
での界面活性剤と光沢剤の組み合わせ(例えば、ノニオ
ン系界面活性剤とo−ナフトアルデヒド、o−クロルア
ニリン、又はo−トルイジンなど)を特定化することに
より、皮膜を無配向の状態に制御できる。
デバイス、抵抗、可変抵抗、コネクタ、スイッチ、コン
デンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動
子などのチップ部品、或はフープ材、線材(例えば、リ
ード材)などである。また、上記電子部品には、ベアリ
ングなどの機構部品を含み、これらの機構部品には、潤
滑性改善の見地から、特に、本発明1の適用が有効であ
る。
とり、単位結晶格子におけるa軸は5.8317Åであ
るのに対し、c軸は3.1815Åであるため、機械的
性質の異方性が強いと推定できる。即ち、このβ−スズ
の結晶の塑性変形は結晶中の特定の結晶面がずれること
により起こり、中でも、主にミラー指数の{110}
面、{100}面、{101}面、{121}面などの
結晶面が〈001〉方向に沿って滑ることにより生じ
る。そこで、本発明1のように、メッキ皮膜中のβ−ス
ズの結晶格子の〈001〉方向を素地表面の法線方向に
対して50.7〜90度の高角度をなすように配向する
と、当該〈001〉方向はβ−スズの結晶の滑り方向で
もあるため、素地表面に沿う変形力が働いた場合、上記
所定の結晶面はこの変形力の向きに滑り易くなると推定
できる。このため、後述の試験例に示すように、スズ−
銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−インジウム合金な
どの鉛を含まないスズ合金のメッキ皮膜は摩擦係数が低
減し、潤滑性が改善される。通常、例えば、コネクタ、
抵抗、コンデンサ、インダクタなどのチップ部品は、前
述したように、振動方式のパーツフィーダで供給される
が、本発明1を適用したメッキ部品をこのパーツフィー
ダに載せると、潤滑性の改善に伴って供給がより円滑化
し、生産効率が高まる。また、本発明1の技術は、ベア
リングなどの機構部材にも好適である。一方、素地表面
に沿ってβ−スズの所定の結晶面が滑り易くなる結晶構
造では、素地表面に沿って変形力が働くと、その向きに
塑性変形し易くなることを意味するため、本発明1の鉛
を含まないスズ合金皮膜では、加工容易性、或は快削性
が改善される。この結果、本発明1を各種の電子部品、
例えば、半導体チップのリード、その他の線材の伸線作
業に適用すると、上述の皮膜潤滑性の改善と相俟って、
摩擦抵抗が低減して伸線作業の効率が向上し、加工面を
美しく仕上げることができるうえ、加工機械にかかる負
荷を軽減できる。尚、本発明1のスズ合金皮膜は鉛を含
まないため、人体や環境への影響が少ない。
ズの結晶格子の〈001〉方向をランダムに方位付け
て、いわば無配向にするため、スズ皮膜、或はスズ−鉛
合金、スズ−ビスマス合金、スズ−インジウム合金など
の鉛を含んでも良いスズ合金皮膜には異方性がなく、偏
った性質が改善されると推定できる。異方性の少ない物
性とは、例えば、メッキ皮膜を切断した場合、配向性の
ある皮膜ではバリッと割れてクズが出易いが、無配向の
皮膜では靭性的な性質を帯びて、ネバリがある。このた
め、本発明2のメッキ皮膜では外力負荷時の損耗度合を
低減でき、例えば、本発明2を適用した電子部品などを
後加工しても、メッキ部品から切断屑やクラックが発生
することを抑制できる。
−スズの結晶の〈001〉方向を特定条件で配向し、或
は、スズ皮膜、或は鉛を含んでも良いスズ合金皮膜にお
けるβ−スズの結晶を配向性のない状態にして、いわば
スズ、或はスズ合金皮膜の結晶レベルでの物性を制御す
ることにより、各種用途に合致したスズ又はスズ合金皮
膜、例えば、本発明1では潤滑性に優れた皮膜、また、
本発明2では異方性のない物性に改善して加工時に切断
屑やクラックの発生量が少ない皮膜などを高い実効性で
作り分けることができる。
び当該浴を用いた電気メッキの実施例を述べるととも
に、得られた各種のスズ合金の電着皮膜の潤滑性、外力
負荷時の損耗度合などの各種試験例を説明する。尚、本
発明は下記の実施例、試験例などに拘束されるものでは
なく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし
得ることは勿論である。
配向性の制御用のメッキ浴をAグループとし、無配向皮
膜形成用の浴をBグループとして区別した。この場合、
潤滑性や外力負荷時の損耗度合などの比較試験は同じ種
類の合金の間での対比においてその意義が明らかになる
ため、各A・Bグループの同種類の合金の実施例と比較
例の間では、同様の組成比の合金メッキ皮膜が得られる
ようにメッキ浴の可溶性金属塩の組成比を調整した。
を含まないスズ合金メッキ浴 《実施例1A》下記の組成でスズ−銀合金メッキ浴を建
浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.36g/L メタンスルホン酸 150g/L チオビス(ペンタデカグリセロール) 50g/L オクチルフェノールポリエトキシレート(EO12) 20g/L ヒドロキノン 0.5g/L
メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L メタンスルホン酸銀(Ag+として) 2.25g/L メタンスルホン酸 125g/L 2,2′−ジチオジアニリン 7.5g/L トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)15g/L
ス合金メッキ浴を建浴した。 2−プロパノールスルホン酸第一スズ(Sn2+として)60g/L 硫酸ビスマス(Bi3+として) 4.8g/L 2−プロパノールスルホン酸 140g/L ラウリルアルコールポリエトキシレート(EO15) 8g/L
ウム合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 10g/L 塩化インジウム(In3+として) 0.56g/L 硫酸ナトリウム 50g/L クエン酸ナトリウム 150g/L ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド 3g/L pH=2.0 (アンモニアで調整)
金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L 硫酸亜鉛(Zn2+として) 1.25g/L スルホコハク酸 80g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15) 15g/L
ル合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸ニッケル(Ni2+として) 0.75g/L グルコン酸ナトリウム 200g/L チオビス(ドデカエチレングリコール) 20g/L 硫酸ナトリウム 50g/L pH=4.0 (NaOHで調整)
ト合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸コバルト(Co2+として) 0.82g/L グルコン酸ナトリウム 300g/L チオビス(ドデカエチレングリコール) 20g/L 硫酸ナトリウム 50g/L pH=4.0 (NaOHで調整)
メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L 硫酸銅(Cu2+として) 0.76g/L 硫酸 150g/L β−ナフトール 1g/L
モン合金メッキ浴を建浴した。 ホウフッ化第一スズ(Sn2+として) 40g/L 塩化アンチモン(Sb3+として) 1.1g/L ホウフッ酸 100g/L ラウリルアミンポリエトキシレート(EO10) 5g/L
メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L 酢酸銀(Ag+として) 1.6g/L 硫酸 100g/L チオ尿素 50g/L α−ナフトールポリエトキシレート(EO10) 10g/L
メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L メタンスルホン酸銀(Ag+として) 3.1g/L メタンスルホン酸 100g/L 2,2′−ジチオジアニリン 8g/L トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)15g/L
ス合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸ビスマス(Bi3+として) 1.3g/L メタンスルホン酸 100g/L ビスフェノールAポリエトキシレート(EO30) 10g/L 1−ナフトアルデヒド 0.1g/L メタクリル酸 2g/L カテコール 1g/L
ウム合金メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 40g/L メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 7.8g/L クエン酸ナトリウム 140g/L スルファミン酸 40g/L セチルジメチルベンジルアンモニウム −メタンスルホネート 1g/L pH=3 (NaOHで調整)
金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L 硫酸亜鉛(Zn2+として) 3g/L スルホコハク酸 80g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15) 15g/L
ル合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸ニッケル(Ni2+として) 1.2g/L グルコン酸ナトリウム 200g/L チオビス(ドデカエチレングリコール) 20g/L 硫酸ナトリウム 50g/L pH=4 (NaOHで調整)
ト合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸コバルト(Co2+として) 1.5g/L グルコン酸ナトリウム 300g/L チオビス(ドデカエチレングリコール) 20g/L 硫酸ナトリウム 50g/L pH=4 (NaOHで調整)
メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L 硫酸第二銅(Cu2+として) 0.5g/L 硫酸 150g/L ベンジルトリブチルアンモニウムヒドロキシド 2g/L α−ナフトールポリエトキシレート(EO10) 10g/L ベンザルアセトン 0.5g/L メタクリル酸 3g/L ヒドロキノン 0.5g/L
モン合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 25g/L 塩化アンチモン(Sb3+として) 0.87g/L 硫酸 100g/L フッ化アンモニウム 5g/L にかわ(ゼラチン) 0.5g/L フェノール 5g/L
ズ、或は鉛を含んでも良いスズ合金メッキ浴 《実施例1B》下記の組成でスズメッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L 硫酸 100g/L α−ナフトールポリエトキシレート(EO15) 11g/L ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド 2g/L
を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L 硫酸 100g/L α−ナフトールポリエトキシレート(EO15) 10g/L 1−ナフトアルデヒド 0.1g/L
メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 40g/L メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 3.8g/L メタンスルホン酸 100g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO20) 20g/L 1−ナフトアルデヒド 0.1g/L カテコール 0.8g/L
メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 4.2g/L メタンスルホン酸 100g/L α−ナフトールポリエトキシレート(EO15) 7g/L 2−メルカプトベンゾチアゾール 0.3g/L ハイドロキノン 0.5g/L
メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1.1g/L メタンスルホン酸 125g/L チオ尿素 50g/L トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)10g/L ベンゾチアゾール 0.1g/L カテコール 5g/L
ス合金メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 2.1g/L メタンスルホン酸 100g/L ラウリルアルコールポリエトキシレート(EO15) 8g/L o−トルイジンとアセトアルデヒドの反応生成物 3g/L
ウム合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 10g/L 塩化インジウム(In3+として) 0.43g/L 硫酸ナトリウム 50g/L クエン酸ナトリウム 200g/L ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド 4g/L アニスアルデヒド 0.2g/L カテコール 1g/L pH=2.0 (NaOHで調整)
金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L 硫酸亜鉛(Zn2+として) 0.95g/L スルホコハク酸 80g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15) 10g/L アニスアルデヒド 0.3g/L カテコール 1.2g/L
ル合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸ニッケル(Ni2+として) 0.60g/L グルコン酸ナトリウム 250g/L チオビス(ドデカエチレングリコール) 20g/L 硫酸ナトリウム 50g/L o−クロルアニリン 0.5g/L カテコール 1g/L pH=4.0 (NaOHで調整)
ルト合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L 硫酸コバルト(Co2+として) 0.55g/L グルコン酸ナトリウム 300g/L チオビス(ドデカエチレングリコール) 20g/L 硫酸ナトリウム 50g/L o−クロルアニリン 0.5g/L カテコール 1g/L pH=4.0 (NaOHで調整)
金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L 硫酸銅(Cu2+として) 0.23g/L 硫酸 150g/L ラウリル硫酸ナトリウム 5g/L o−トルイジン 1g/L
チモン合金メッキ浴を建浴した。 ホウフッ化第一スズ(Sn2+として) 40g/L 塩化アンチモン(Sb3+として) 1.1g/L ホウフッ酸 100g/L ラウリルアミンポリエトキシレート(EO10) 5g/L o−トルイジン 1g/L
を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L 硫酸 100g/L クレゾールスルホン酸 20g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15) 10g/L o−トルイジンとアセトアルデヒドの反応生成物 5g/L ホルマリン(37%) 5ml/L
を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸 150g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15) 15g/L ベンザルアセトン 0.5g/L メタクリル酸 2g/L
メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 1.8g/L メタンスルホン酸 150g/L α−ナフトールポリエトキシレート(EO15) 5g/L ジブチルナフタレンスルホン酸 2g/L カテコール 1g/L
メッキ浴を建浴した。 2−プロパノールスルホン酸第一スズ(Sn2+として)40g/L 2−プロパノールスルホン酸鉛(Pb2+として) 3.7g/L 2−プロパノールスルホン酸 180g/L トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)10g/L
メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L 酢酸銀(Ag+として) 1.6g/L 硫酸 100g/L チオ尿素 50g/L α−ナフトールポリエトキシレート(EO10) 10g/L
メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.36g/L メタンスルホン酸 150g/L チオビス(ペンタデカグリセロール) 50g/L オクチルフェノールポリエトキシレート(EO12) 20g/L ヒドロキノン 0.5g/L
ス合金メッキ浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L 硫酸ビスマス(Bi3+として) 1.3g/L メタンスルホン酸 100g/L ビスフェノールAポリエトキシレート(EO30) 10g/L 1−ナフトアルデヒド 0.1g/L メタクリル酸 2g/L カテコール 1g/L
ス合金メッキ浴を建浴した。 2−プロパノールスルホン酸第一スズ(Sn2+として)60g/L 硫酸ビスマス(Bi3+として) 4.8g/L 2−プロパノールスルホン酸 140g/L ラウリルアルコールポリエトキシレート(EO15) 8g/L
A〜9A並びに比較例1A〜9Aの鉛を含まない各スズ
合金メッキ浴を使用して、25×25×0.2mmの大
きさで42合金を材質とする素地金属表面上に、陰極電
流密度、浴温、撹拌速度及びメッキ時間を次の条件に設
定して電気メッキを施した。 電流密度 浴温 撹拌速度 メッキ時間 実施例1A 1.5A/dm2 25℃ 500rpm 14分10秒 実施例2A 25A/dm2 45℃ 1200rpm 63秒 実施例3A 5A/dm2 25℃ 750rpm 4分 実施例4A 0.5A/dm2 25℃ 350rpm 45分 実施例5A 0.1A/dm2 30℃ 1000rpm 215分 実施例6A 0.25A/dm2 25℃ 350rpm 85分 実施例7A 0.25A/dm2 25℃ 350rpm 85分 実施例8A 1A/dm2 20℃ 300rpm 20分30秒 実施例9A 3A/dm2 45℃ 350rpm 7分15秒 比較例1A 15A/dm2 35℃ 1000rpm 1分25秒 比較例2A 3A/dm2 25℃ 500rpm 6分50秒 比較例3A 5A/dm2 20℃ 750rpm 4分15秒 比較例4A 7A/dm2 25℃ 1000rpm 3分25秒 比較例5A 2A/dm2 20℃ 500rpm 10分25秒 比較例6A 3A/dm2 30℃ 1000rpm 7分 5秒 比較例7A 3A/dm2 30℃ 1000rpm 7分10秒 比較例8A 10A/dm2 40℃ 1000rpm 2分10秒 比較例9A 3A/dm2 45℃ 350rpm 7分10秒
膜厚、スズと合金を形成する金属の皮膜組成比を測定す
るとともに、各スズ合金皮膜におけるβ−スズの結晶の
配向性をX線回折法で調べた。但し、X線回折条件は次
の通りである。 X線:Cu−Kα線(回転対陰極) 管電圧:50kV 管電流:200mA 2θ:20〜100度 発散スリット:1度 散乱スリット:1度 受光スリット:0.3mm サンプリング角度:0.02度 スキャンスピード:2.0度/分 モノクロメータ:使用
のX線回折パターンが得られると、その回折ピーク高さ
などから前記(A)式に基づいて、夫々の結晶面の配向性
指数Xhklが算出される。この場合、最も大きな配向性
指数(Xhkl(max))をとる結晶面が、素地表面に対し
て統計的に平行に沿う配向面となる。但し、スズ合金皮
膜が配向性のない状態で形成された場合にも配向性指数
は算出されるが、基本的に、本発明1の配向条件ではX
hkl(max)≧2になり、無配向の状態ではXhkl(ma
x)=1〜2になるため、両者は区別できる。上記配向
面が決定されると、〈001〉方向が素地表面の法線方
向に対して成す角度θは、〈001〉方向と配向面の法
線方向との成す角度に相当することになる。そして、β
−スズの結晶格子内の空間関係から、〈001〉方向と
この配向面の法線方向のなす角度θは、配向面が{00
1}面に対してとる面間角に等しいのである。ちなみ
に、所定の結晶面である{hkl}面が基準となる{h
0k0l0}面に対してとる面間角φは次式(B)で与えら
れる。 cosφ={(h・h0+k・k0/a2)+(l・l0/c2)}÷〔{(h1 2+k1 2/ a2)+(l1 2/c2)}×{(h0 2+k0 2/a2)+(l0 2/c2)}〕1/2 …(B) 式(B)中のa:β−スズの結晶のa軸長=5.8317Å c:β−スズの結晶のc軸長=3.1815Å そこで、配向面である{hkl}面が{001}面に対
してとる面間角φは、上記(B)式に、具体的な{hk
l}の数値と、{h0k0l0}={001}を代入する
ことにより求めることができる。しかも、上述のよう
に、この面間角φが、〈001〉方向と素地表面の法線
方向との成す角度θに等しいため、β−スズ結晶の配向
面が明らかになると、角度θも上記(B)式で直ちに算出
できるのである。
の{110}面などの所定の結晶面が〈001〉方向に
沿って滑ることによって生じると推定できるため、β−
スズの結晶中の配向面が判明すると、この配向面の滑り
方向である〈001〉方向と素地表面の法線方向との成
す角度θも明らかになり、その角度の大小によって塑性
変形の難易性、或は、逆に、潤滑性、加工容易性、快削
性の度合を表現することができる。
1A〜9Aから得られた各スズ合金皮膜について、測定
した膜厚、スズと合金を形成する他の金属の皮膜組成
比、或は、X線回折結果による配向性指数の最大値(X
hkl(max))、配向面、角度θを示すと、次の通りであ
った。 膜厚 組成比 Xhkl(max) 配向面 角度θ 実施例1A 10μm Ag 3.5% 12.1 {220} 90 実施例2A 10μm Ag 3.5% 10.5 {220} 90 実施例3A 10μm Bi 3.0% 11.4 {220} 90 実施例4A 10μm In 5.0% 8.7 {220} 90 実施例5A 10μm Zn10.0% 8.8 {200} 90 実施例6A 10μm Ni 1.0% 6.3 {200} 90 実施例7A 10μm Co 1.0% 2.6 {411} 66.0 実施例8A 10μm Cu 1.0% 7.3 {200} 90 実施例9A 10μm Sb 2.0% 2.8 {211} 50.7 比較例1A 10μm Ag 3.5% 2.446 {101} 28.6 比較例2A 10μm Ag 3.5% 3.76 {112} 21.1 比較例3A 10μm Bi 3.0% 10.4 {112} 21.1 比較例4A 10μm In 5.0% 8.65 {112} 21.1 比較例5A 10μm Zn10.0% 7.45 {101} 28.6 比較例6A 10μm Ni 1.0% 9.83 {101} 28.6 比較例7A 10μm Co 1.0% 12.01 {112} 21.1 比較例8A 10μm Cu 1.0% 6.15 {112} 21.1 比較例9A 10μm Sb 2.0% 3.02 {312} 40.8
と、実施例1A〜9A及び比較例1A〜9Aのスズ合金
皮膜は共にβ−スズ結晶の配向性が制御された皮膜であ
るが、当該実施例1A〜9Aと比較例1A〜9Aでは皮
膜のβ−スズ結晶中の配向面が異なっていた。このこと
から、実施例の皮膜ではβ−スズ結晶の〈001〉方向
と素地表面の法線方向のなす角度θが50.7〜90度
の高角度であるのに対して、比較例の皮膜では0〜4
0.8度の低角度を示す点で明らかな差異が確認され
た。
〜9Aの鉛を含まない各スズ合金メッキ皮膜について、
このβ−スズ結晶の配向性の差異が皮膜物性に及ぼす影
響を明らかにするために、各メッキ皮膜の潤滑性を試験
した。 《スズ合金メッキ皮膜の潤滑性試験例》実施例及び比較
例の各スズ合金メッキ皮膜を表面性試験機(新東科学社
製;トライボキア型14DR)にかけて次の条件で静・
動摩擦係数を測定し、皮膜潤滑性の指標とした。 荷重:100gf 移動速度:10mm/秒 ストローク:20mm 相手材:10mm径の鋼球
に、合金の種類、或は組成比が異なると、そのことに起
因して皮膜物性が大きく変化するため、同種類及び同組
成比の合金の間で、実施例と比較例のスズ合金皮膜の結
果を比較したが、それによると、実施例の方が比較例よ
り静・動摩擦係数ともに低かった。例えば、スズ−銀合
金メッキ皮膜に着目すると、実施例1A〜2Aでは静摩
擦係数は0.56〜0.53、動摩擦係数は0.19〜0.
18であるのに対して、比較例1A〜2Aでは静摩擦係
数は0.76〜0.74、動摩擦係数は0.31〜0.32
を示し、また、スズ−ビスマス合金メッキ皮膜に関し
て、実施例3Aでは静摩擦係数は0.59、動摩擦係数
は0.16であるのに対して、比較例3Aでは静摩擦係
数は0.71、動摩擦係数は0.28を示した。このこと
は、スズ−インジウム合金、スズ−ニッケル合金、スズ
−銅合金などの他のスズ合金メッキ皮膜でも、同様の結
果であった。従って、β−スズ結晶の配向性を制御する
ことが鉛を含まないスズ合金メッキ皮膜の物性、具体的
には、皮膜の潤滑性に影響を及ぼし、β−スズの結晶格
子の〈001〉方向を素地表面の法線方向に対して5
0.7〜90度の高角度に配向したスズ合金皮膜は、当
該〈001〉方向を素地表面の法線方向に対して0〜4
0.8度の低角度に配向した皮膜に比べて、摩擦係数が
より低減することから、皮膜潤滑性(ひいては、被メッ
キ物の加工容易性、或は快削性)の点で明らかな優位性
が確認できた。
2B並びに比較例1B〜8Bの各スズメッキ浴、或は鉛
を含んでも良い各スズ合金メッキ浴を使用して、25×
25×0.2mmの大きさで42合金を材質とする素地
金属表面上に、陰極電流密度、浴温、撹拌速度及びメッ
キ時間を次の条件に設定して電気メッキを施した。ちな
みに、比較例5B〜8Bは前記Aグループの実施例、或
は比較例に対応したものであり、具体的には、比較例5
Bは比較例1A、比較例6Bは実施例1A、比較例7B
は比較例3A、比較例8Bは実施例3Aに各々対応す
る。 電流密度 浴温 撹拌速度 メッキ時間 実施例1B 2A/dm2 25℃ 300rpm 10分 実施例2B 2A/dm2 20℃ 300rpm 10分50秒 実施例3B 5A/dm2 20℃ 500rpm 4分15秒 実施例4B 10A/dm2 25℃ 1000rpm 2分10秒 実施例5B 10A/dm2 45℃ 1000rpm 2分10秒 実施例6B 2A/dm2 20℃ 300rpm 10分15秒 実施例7B 2A/dm2 20℃ 300rpm 10分30秒 実施例8B 2A/dm2 20℃ 300rpm 10分40秒 実施例9B 3A/dm2 20℃ 300rpm 7分 実施例10B 3A/dm2 20℃ 300rpm 7分 実施例11B 10A/dm2 35℃ 1000rpm 2分 実施例12B 3A/dm2 45℃ 350rpm 7分 比較例1B 2A/dm2 18℃ 300rpm 11分 比較例2B 2A/dm2 18℃ 300rpm 10分30秒 比較例3B 2A/dm2 25℃ 300rpm 10分 比較例4B 8A/dm2 40℃ 750rpm 2分30秒 比較例5B 15A/dm2 35℃ 1000rpm 1分25秒 比較例6B 1.5A/dm2 25℃ 500rpm 14分10秒 比較例7B 5A/dm2 20℃ 750rpm 4分15秒 比較例8B 5A/dm2 25℃ 750rpm 4分
について、膜厚、スズと合金を形成する金属の皮膜組成
比を測定し、次の結果を得た。 膜厚 組成比 実施例1B 10μm −−− 実施例2B 10μm −−− 実施例3B 10μm Pb 10.0% 実施例4B 10μm Pb 10.0% 実施例5B 10μm Ag 3.5% 実施例6B 10μm Bi 3.0% 実施例7B 10μm In 5.0% 実施例8B 10μm Zn 10.0% 実施例9B 10μm Ni 1.0% 実施例10B 10μm Co 1.0% 実施例11B 10μm Cu 1.0% 実施例12B 10μm Sb 2.0% 比較例1B 10μm −−− 比較例2B 10μm −−− 比較例3B 10μm Pb 10.0% 比較例4B 10μm Pb 10.0% 比較例5B 10μm Ag 3.5% 比較例6B 10μm Ag 3.5% 比較例7B 10μm Bi 3.0% 比較例8B 10μm Bi 3.0%
〜8Bの各スズ、或はスズ合金皮膜における結晶構造を
X線回折法で調べた。X線回折条件は前記Aグループの
ときと同様に設定した。上記X線回折の結果によると、
実施例1B〜12Bのスズ、或はスズ合金メッキ皮膜で
は、いずれも配向性指数の最大値Xhkl(max)は1〜
2を示し、各結晶面のピークは全体として平準化されて
おり、メッキ皮膜は概ねランダムに方位して配向性がな
い状態である(無配向性を呈している)ことが確認でき
た。これに対して、比較例1B〜8Bの各メッキ皮膜で
は、配向性指数の最大値Xhkl(max)が2以上を示し
て、配向性を有する通常の結晶構造を具備していること
が確認できた。この場合の各比較例の配向面を示すと次
の通りであった。 このことは、前述したように、概ねメッキ浴の組成やメ
ッキ条件を特定化すると、所定のスズ皮膜、或はスズ合
金皮膜の結晶構造における配向性に影響を及ぼすことを
示している。
B〜8Bの各スズメッキ皮膜、或は鉛を含んでも良い各
スズ合金メッキ皮膜について、このβ−スズの結晶構造
における配向性の有無が皮膜物性に及ぼす影響を明らか
にするために、各メッキ皮膜に外力を加えた場合の損耗
度合を試験した。 《スズ、或はスズ合金メッキ皮膜の外力負荷時の損耗試
験例》本試験例にあっては、皮膜を折り曲げた際のクラ
ックの発生状況、並びに皮膜を切断した際の屑の発生状
況を観察して、各メッキ皮膜の外力負荷時の損耗度合の
指標とした。従って、先ず、実施例1B〜12B及び比
較例1B〜8Bの各スズ、或はスズ合金メッキ皮膜に9
0度の折り曲げ操作を1回加えて、引っ張り力が集中負
荷される折り曲げ部の外側表面について、クラック発生
状況を走査型電子顕微鏡により微視観察した。上記折り
曲げ試験の評価基準は次の通りである。 ○:クラックの幅の平均値が0.5μm未満であった。 ×:クラックの幅の平均値が0.5μm以上であった。
直方向に切断し、切断部の屑の発生状況を目視観察し
た。上記切断試験の評価基準は次の通りである。 ○:切断屑は認められなかった。 ×:切断屑が発生した。
に、同種類及び同組成比の合金の間で、実施例1B〜1
2Bと比較例1B〜8Bのスズ、或はスズ合金皮膜の結
果を比較すると、折り曲げ時のクラックの発生度合、並
びに切断時の屑の発生度合ともに、実施例の評価は全て
○であったが、比較例では全て×であって、実施例のメ
ッ皮膜では、外力負荷時の皮膜の損耗度合を顕著に低減
できることが判った。
いスズ合金皮膜では、β−スズの結晶構造の配向性の有
無を制御することがメッキ皮膜の物性、具体的には、外
力負荷時の損耗度合に影響を及ぼし、配向性がないメッ
キ皮膜は異方性が少なく、配向性のある皮膜に比べて、
靭性的な性質を帯びてネバリがあり、外力負荷を受けた
ときの損耗度合が小さかった。即ち、折り曲げ時のクラ
ックや切断時の屑を顕著に低減できることから、皮膜の
加工容易性、或は快削性などの点で明らかな優位性が確
認できた。
スズ合金皮膜は、前述したように、摩擦係数が低くて潤
滑性に富むものであり、このことは逆言すると、折り曲
げや切断などの加工が容易で、快削性に優れることでも
あり、外力負荷時における皮膜損耗の抑制には限界があ
る。即ち、Aグループの鉛を含まないスズ合金皮膜とB
グループのスズ、或は鉛を含んでも良いスズ合金皮膜で
は、結晶構造の相違によって物性に差異があるために、
その物性に適合した用途に使用することが重要であり、
本試験結果の意義もそのことに帰するのである。
の結果を示す図表である。
皮膜における外力負荷時の損耗度合の試験結果を示す図
表である。
Claims (6)
- 【請求項1】 スズと、銀、ビスマス、インジウム、亜
鉛、ニッケル、コバルト、銅、アンチモンよりなる群か
ら選ばれた金属の少なくとも一種とのスズ合金メッキ皮
膜を素地上に形成した表面被覆材料において、 メッキ皮膜中のβ−スズの結晶面のX線回折パターンに
基づいて次式(A)により算出した各結晶面の配向性指数
Xhklの最大値が2以上であり、 Xhkl={(ΣASTMのI/I1)×(測定された(hkl)面のI/I1)}÷ {(Σ測定されたI/I1)×(ASTM(hkl)面のI/I1)}…(A) (式(A)において、 Xhkl:特定の(hkl)面の配向性指数。測定された(h
kl)面のI/I1:配向性指数を求めようとしているβ
−スズの特定の(hkl)面の測定された回折強度を、そ
の測定されたX線回折パターンのβ−スズの回折ピーク
の中で最も強いピークの回折強度で除した数値。 ΣASTMのI/I1:粉末法によるβ−スズのX線回
折パターン(例えば、ASTMカード等)における{20
0}面、{101}面、{220}面、{211}面、
{301}面、{112}面、{400}面、{32
1}面、{420}面、{411}面、{312}面、
{501}面の各回折強度を、その回折パターン中で最
も強い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除
した数値の総和。 Σ測定されたI/I1:測定されたX線回折パターンに
おけるβ−スズの{200}面、{101}面、{22
0}面、{211}面、{301}面、{112}面、
{400}面、{321}面、{420}面、{41
1}面、{312}面、{501}面の各回折強度を、
その回折パターン中のβ−スズの回折ピークのうち、最
も強い回折ピークの回折強度で除した数値の総和。 ASTM(hkl)面のI/I1:粉末法によるβ−スズ
のX線回折パターン(例えば、ASTMカード等)におけ
る配向性指数を求めようとしているβ−スズの特定の
(hkl)面の回折強度を、その回折パターン中の最も強
い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除した
数値。) メッキ皮膜中のβ−スズの結晶格子におけるミラー指数
の〈001〉方向が素地表面の法線方向に対して50.
7〜90度の角度を成すように配向させたことを特徴と
するスズ合金メッキを施した表面被覆材料。 - 【請求項2】 スズ、或は、スズと、鉛、銀、ビスマ
ス、インジウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、アン
チモンよりなる群から選ばれた金属の少なくとも一種と
のスズ合金メッキ皮膜を素地上に形成した表面被覆材料
において、 メッキ皮膜中のβ−スズの結晶面のX線回折パターンに
基づいて次式(A)により算出した各結晶面の配向性指数
Xhklの最大値が1〜2であるようにして、 Xhkl={(ΣASTMのI/I1)×(測定された(hkl)面のI/I1)}÷ {(Σ測定されたI/I1)×(ASTM(hkl)面のI/I1)}…(A) (式(A)において、 Xhkl:特定の(hkl)面の配向性指数。測定された(h
kl)面のI/I1:配向性指数を求めようとしているβ
−スズの特定の(hkl)面の測定された回折強度を、そ
の測定されたX線回折パターンのβ−スズの回折ピーク
の中で最も強いピークの回折強度で除した数値。 ΣASTMのI/I1:粉末法によるβ−スズのX線回
折パターン(例えば、ASTMカード等)における{20
0}面、{101}面、{220}面、{211}面、
{301}面、{112}面、{400}面、{32
1}面、{420}面、{411}面、{312}面、
{501}面の各回折強度を、その回折パターン中で最
も強い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除
した数値の総和。 Σ測定されたI/I1:測定されたX線回折パターンに
おけるβ−スズの{200}面、{101}面、{22
0}面、{211}面、{301}面、{112}面、
{400}面、{321}面、{420}面、{41
1}面、{312}面、{501}面の各回折強度を、
その回折パターン中のβ−スズの回折ピークのうち、最
も強い回折ピークの回折強度で除した数値の総和。 ASTM(hkl)面のI/I1:粉末法によるβ−スズ
のX線回折パターン(例えば、ASTMカード等)におけ
る配向性指数を求めようとしているβ−スズの特定の
(hkl)面の回折強度を、その回折パターン中の最も強
い回折ピーク(即ち、{200}面)の回折強度で除した
数値。) メッキ皮膜中のβ−スズの結晶格子におけるミラー指数
の〈001〉方向をランダムに方位付けたことを特徴と
するスズ又はスズ合金メッキを施した表面被覆材料。 - 【請求項3】 スズと合金を形成する金属の当該合金中
の含有率が0.005〜50重量%であることを特徴と
する請求項1又は2に記載のスズ合金メッキを施した表
面被覆材料。 - 【請求項4】 スズ又はスズ合金メッキ皮膜の膜厚が
0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜
3のいずれか1項に記載のスズ又はスズ合金メッキを施
した表面被覆材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の表
面被覆材料がリード、電極などであることを特徴とする
電子部品。 - 【請求項6】 請求項5に記載の電子部品が、半導体デ
バイス、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデ
ンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動
子、リード線などであることを特徴とするもの。
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