JP2001097836A - 口中清涼フィルム - Google Patents
口中清涼フィルムInfo
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Abstract
散、変質することがなく、フレッシュな清涼感を強く持
続できる口中清涼フィルムを開発する。 【解決手段】 水に不溶で、且つ、アルコール可溶性の
天然高分子物質の薄膜に、香料、消臭剤、薬剤などを含
有する口中清涼フィルムであって、上記天然高分子物質
をアルコール又は含水アルコールに溶解させ、このアル
コール溶液を薄膜状に延ばし、この薄膜表面上に香料、
消臭剤、薬剤などの粉末を振りかけて付着させ、冷風な
いし微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥し、成膜した
口中清涼フィルムである。60℃以下で低温乾燥するた
め、香料などの揮発成分の飛散、熱変性などがない。低
温度の乾燥処理でも、アルコールが迅速に蒸発して容易
に成膜できる。また、香料などの粉末を振りかけるた
め、均一分散方式に比べてフィルムに対する香料などの
充填密度が増大する。
Description
関し、フィルム中に含まれる香料、消臭剤などの揮発成
分が製造段階で飛散、変質することがなく、フレッシュ
な清涼感を強く持続できるものを提供する。
トール、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、
ウイキョウ油、ジャスミン油、ユーカリ油、シナモン
油、オレンジ油、レモン油、緑茶抽出物、フラボノイ
ド、塩化セチルピリジニウムなどの香料、消臭剤、或は
薬剤などを、デンプン又はその分解物、カルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピ
ロリドン、キサンタンガム、カラヤガムなどの水溶性高
分子物質の水溶液などに均一に分散(又は溶解)し、85
〜90℃付近で熱風乾燥して迅速に成膜し、水溶性フィ
ルム内に上記香料などを含有させたものが一般的である
(例えば、特公平5−41602公報参照)。
或は薬剤などには揮発成分、芳香成分が多く含有される
ため、上記口中清涼フィルムの製造段階において、水溶
性高分子物質を熱風乾燥して薄膜状に成膜する際に、当
該高分子物質内に分散又は溶解させたこれらの揮発成
分、芳香成分などが飛散したり、熱的変性又は変質を受
けてしまい、得られた口中フィルムの清涼感が失われた
り、酸敗臭などの変質臭が新たに生じて品質が劣化する
などの弊害があった。
揮発成分が飛散したり、変質することがなく、フレッシ
ュな清涼感を強く持続できる口中清涼フィルムを開発す
ることを技術的課題とする。
イン、シェラックなどが高濃度のエタノールに可溶であ
ることに着目して、多糖類系が多い上記水溶性高分子物
質に替えてこれらのゼイン、シェラックなどで可食性フ
ィルムを成膜すると、微温風ないし冷風で乾燥しても効
率良くエタノールが飛散して、迅速にフィルムが作成で
きることを見い出した。さらには、口中清涼フィルムの
製造段階において、上記従来技術のように、香料などを
高分子物質の水溶液内に均一分散又は溶解しただけで
は、口中フィルム中に充填される香料などの含有密度に
限界があり、口中フィルムの清涼感が充分でないという
問題点に鑑みて、鋭意研究した結果、本発明を完成し
た。
ルコール可溶性の天然高分子物質の薄膜に、香料、消臭
剤、薬剤などを含有する口中清涼フィルムであって、上
記天然高分子物質をアルコール又は含水アルコールに溶
解させ、このアルコール溶液を薄膜状に延ばし、この薄
膜表面上に香料、消臭剤、薬剤などの粉末を振りかけ、
冷風ないし微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥し、成
膜したことを特徴とする口中清涼フィルムである。
溶の天然高分子物質が、ゼイン、シェラック、グリアジ
ンなどであることを特徴とする口中清涼フィルムであ
る。
いて、アルコール可溶の天然高分子物質の薄膜に、水溶
性天然高分子物質の薄膜を積層したことを特徴とする口
中清涼フィルムである。
工程は、天然高分子物質をアルコール又は含水アルコー
ルに溶解させる工程と、この(含水)アルコール溶液を支
持基材の上で薄膜状に延ばす工程と、この薄膜表面上に
香料、消臭剤、薬剤などの粉末を振りかける工程と、冷
風ないし微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥して成膜
する工程とから成る。上記天然高分子物質は水に不溶
で、且つ、アルコールに可溶性の物質であり、具体的に
は、ゼイン、シェラック、グリアジンなどが挙げられ
る。この天然高分子物質のアルコール溶液は、薄膜状に
流延した後、香料などを振りかけて、60℃以下の低温
乾燥に付されるが、この乾燥工程では上記アルコールが
円滑に蒸発する必要があるため、アルコールは当該乾燥
温度領域以下、或はこれをあまり越えない領域の沸点を
有し、速やかに蒸発するものが好ましい。従って、上記
アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられ、エタノールが好ましい。ちなみ
に、エタノールの沸点は78℃、イソプロピルアルコー
ルは82℃である。上記アルコール又は含水アルコール
の濃度は60〜90(v/v)%程度、アルコール又は含水
アルコールに対する天然高分子物質の含有量は5〜40
重量%、好ましくは10〜35重量%である。
程は、例えば、ポリエステル(PET)フィルムの基材上
にアルコール溶液を薄膜状に流延して、キャスティング
することなどが挙げられる。また、上記振りかけ工程で
は、ゼイン、シェラックなどの天然高分子物質のキャス
ティング膜は乾燥前であるため、香料、消臭剤、薬剤な
どの粉末を振りかけると、その表面上に自動的に付着
し、これを圧着処理することにより確実に膜上に担持・
固定できる。香料、消臭剤、薬剤などの粉末は、直接振
りかけても良いが、例えば、デンプン粉末などとの混合
粉末にしたうえで振りかけられる。その際の香料、消臭
剤などのデンプン粉末などに対する含有量は3〜10程
度重量%が好ましく、この混合粉末のキャスティング膜
に対する載置量は60〜100g/m2程度が好まし
い。
ント精油、ハッカ精油、レモン精油、オレンジ精油、グ
レープフルーツ精油、ライム精油、ユーカリ精油、シナ
モン精油、ウイキョウ精油、クローブ精油、コリアンダ
ー精油、ローズマリー精油、カルダモン精油、アニス精
油、ジャスミン精油、ローレル精油、ゼラニウム精油、
ベルガモット精油、チョウジ精油、メントール、カンゾ
ウ、シャクヤク、リョウノウ、ニクズク、サフラン、そ
の他の公知の香料をいう。上記消臭剤は、緑茶抽出物、
マッシュルーム抽出物、笹抽出物、クロロフィリン、フ
ラボノイド、その他の公知の消臭剤をいう。上記薬剤
は、アズレン、塩化セチルピリジニウム、塩化クロルヘ
キシジン、塩化デカリウム、グルコン酸クロルヘキシジ
ン、サリチル酸メチル、ワサビ抽出物、などのように、
殺菌効果、抗菌効果などが期待できるものをいう。
風乾燥し、或は微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥す
る。いうまでもなく、乾燥温度が60℃を越えると、香
料、消臭剤、薬剤などの揮発成分、芳香成分が熱変性又
は変質したり、飛散するからである。上記ゼイン、シェ
ラック、グリアジンなどは共に高濃度アルコール(例え
ば、70〜80%エタノール)に溶解可能であるため、
前述したように、当該低温度の乾燥工程であっても、ア
ルコール分は迅速に蒸発して、天然高分子物質製のフィ
ルムを迅速に成膜することができる。
イン、シェラックなどの高分子物質の層と香料などの載
置層から成る2層フィルムでも良いが、ゼインなどの高
分子物質の層のうちの香料などの圧着面とは反対側の面
に、さらに、水溶性天然高分子物質の薄膜を積層して3
層フィルムとすることが好ましい。上記水溶性天然高分
子物質としては、冒述の従来公報にも開示されているよ
うに、デンプン分解物、デキストリン、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラ
チン、キサンタンガムなどが挙げられ、デンプン分解物
などが好ましい。この水溶性天然高分子物質の薄膜は、
ゼインなどの香料担持層を補強して、口中清涼フィルム
全体に強度を持たせる機能を果す。本発明の口中清涼フ
ィルムはシートを含む概念であり、具体的な厚みとして
は、20〜500μm程度が好ましい。
ン、シェラック、グリアジンなどの天然高分子物質をア
ルコール又は含水アルコールなどに溶解させて、この溶
液を薄膜状に流延して冷風ないし微温風を吹き付け、6
0℃以下で低温乾燥して成膜するため、フィルム中の香
料、消臭剤、薬剤などの揮発成分、芳香成分が飛散した
り、熱変性又は変質することがなく、清涼感を強く保全
できる。また、ゼイン、シェラックなどの上記天然高分
子物質は水に不溶でアルコールに可溶性であるため、そ
のアルコール溶液の流延層に低温度の乾燥処理を施して
も、アルコールが迅速に蒸発して薄膜を容易に形成する
ことができ、口中フィルムの生産効率が高い。
ン、シェラックなどのアルコール溶液を薄膜状に延ばし
た状態で、その表面上に香料、消臭剤、薬剤などの粉末
を振りかけて付着させるため、後述の試験例に示すよう
に、香料などを上記アルコール溶液に均一分散(又は溶
解)して乾燥したフィルムに比べて、フィルムの単位面
積当たりの香料などの充填量を増大させることができ
る。即ち、フィルム中の香料などの含有密度が高いの
で、口中フィルムに強い清涼感を付与することができ
る。例えば、特開平4−82821号公報には、シェラ
ック樹脂30〜60重量%のエタノール溶液に、緑茶抽
出物などの消臭剤、或は、レモン、オレンジエッセンス
などの香料を添加した歯の美容剤が開示されている。こ
の美容剤は歯に塗布することにより、エタノールが揮発
してシェラックの皮膜が形成され、歯に自然の光沢が付
与されるものであるが、香料、消臭剤などはシェラック
のエタノール溶液に添加して均一溶解させる方式である
ため、この美容剤を口中清涼フィルムの製造に適用して
も、やはり、香料などの充填密度の関係で、清涼感の強
いフィルムを製造することは容易でない。
コール溶液に均一分散(又は溶解)する方式では、香料な
どの種類によって溶解度や分散の均一性に難易があるた
め、香料などの種類を変化させたり、多種類の香料など
を使用する場合には、フィルムの生産性は必ずしも高く
ないが、香料などをゼインなどのアルコール溶液のキャ
スティング膜に振りかける本発明の方式では、流延した
アルコール溶液の上から香料などの粉末を振動方式など
の自動振りかけ機を用いて供給すれば良いだけで、分散
の手間が要らないので、上記均一分散方式に比べて、迅
速に、且つ、高密度で(場合によっては、1ケタ大き
い、或はそれ以上の高密度で)香料などをフィルムに充
填できるため、生産性に優れる。
順次述べるとともに、この低温乾燥並びに振りかけ方式
の口中フィルムを、均一分散方式のフィルム及び熱風乾
燥したフィルムと対比した清涼性試験例を説明する。
尚、本発明は下記の実施例及び試験例に拘束されるもの
ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形を
なし得ることは勿論である。
ペパーミントの付着層/ゼイン層/デンプン分解物の補
強層から成る3層の口中清涼フィルムの製造例であり、
実施例2は実施例1の香料をペパーミント精油からL−
メントールに代替した例、実施例3は実施例1のフィル
ム基材をゼインからシェラックに代替した例、実施例4
は実施例1のデンプン分解物の補強層を省略した例であ
る。一方、比較例1はペパーミント精油をデンプン溶液
に均一溶解し、これをキャスティングした後、熱風乾燥
でフィルムを製造した例、比較例2は上記実施例1を基
本としながら、ゼイン溶液のキャスティング層への振り
かけ方式に替えて、ゼイン溶液にペパーミント精油を均
一溶解し、冷風乾燥したフィルムの製造例である。
クス;松谷化学工業社製)を水に分散して35重量%の
デンプン分散液を調製し、PETフィルム上に上記デン
プン分解物の分散液を流延して、20μm(乾燥時の厚
み)のデンプンフィルムを成膜した。一方、ゼインを含
水エタノール溶液(エタノール88容量%/水12容量
%)に溶解して20重量%のゼイン溶液を調製し、この
ゼイン溶液を前記デンプンフィルム上に75μmの厚み
で薄膜状にキャスティングした。ペパーミント精油を1
0重量%含有するデンプン粉末を、上記ゼインのキャス
ティング膜上に自動振りかけ機を用いて、80g/m2
の付着量で均一に振りかけた後、ペパーミント精油/デ
ンプン粉末の付着層を圧送ロールを用いてゼイン膜上に
圧着した。そして、40℃の微温風でゼインのキャステ
ィング層を乾燥した後、前記PETフィルムから剥離し
て、ペパーミントの付着層とゼイン層とデンプン補強層
から成る3層の口中清涼フィルムを得た。上記口中清涼
フィルムの厚みは400μmであった。
香料をペパーミント精油からL−メントールに替えた3
層フィルムを製造した。即ち、デンプンフィルム上にゼ
イン20重量%の含水エタノール溶液を75μmの厚み
でキャスティングした後、L−メントールを5.3重量
%含有するデンプン粉末をこのゼイン溶液のキャスティ
ング層上に90g/m2の付着量で均一に振りかけ、圧
着した。そして、クールドライヤーで20℃程度の冷風
乾燥を施し、PETフィルムから剥離して、L−メント
ールの付着層とゼイン層とデンプン補強層から成る3層
の口中清涼フィルムを得た。上記口中清涼フィルムの厚
みは450μmであった。
フィルム基材をゼイン層からシェラック層に替えた3層
フィルムを製造した。即ち、デンプンフィルム上にシェ
ラック35重量%のエタノール溶液を45μmの厚みで
キャスティングした後、ペパーミント精油を10重量%
含有するデンプン粉末をこのシェラック溶液のキャステ
ィング層上に80g/m2の付着量で均一に振りかけ、
圧着した。そして、30℃の微温風乾燥を施し、PET
フィルムから剥離して、ペパーミント精油の付着層とシ
ェラック層とデンプン補強層から成る3層の口中清涼フ
ィルムを得た。上記口中清涼フィルムの厚みは400μ
mであった。
デンプン分解物の補強層を省略した2層フィルムを製造
した。即ち、25μmのPETフィルム上にゼイン15
重量%の含水エタノール溶液を100μmの厚みでキャ
スティングした後、ペパーミント精油を10重量%含有
するデンプン粉末をこのゼイン溶液のキャスティング層
上に80g/m2の付着量で均一に振りかけ、圧着し
た。そして、40℃の微温風乾燥を施した後、PETフ
ィルムから剥離して、ペパーミント精油の付着層とゼイ
ン層から成る2層の口中清涼フィルムを得た。 上記口
中清涼フィルムの厚みは380μmであった。
にデンプン分解物237重量部を加え、70℃に加熱し
てデンプン溶液を調製した。次いで、このデンプン溶液
を50℃に保持して、デンプン溶液100重量部に対し
てペパーミント精油1.90重量部、乳化剤としてショ
糖脂肪酸エステル0.38重量部を加えて撹拌、溶解し
た後、30℃に冷却した。このペパーミント精油を含有
するデンプン溶液をPETフィルム上に145μmの厚
みでキャスティングし、85℃で熱風乾燥を施し、PE
Tフィルムから剥離して、31μmの口中清涼フィルム
を得た。
ペパーミント精油の粉末をゼインのキャスティング層に
振りかける替わりに、ペパーミント精油をゼイン溶液に
均一溶解して製造した。即ち、ゼイン20重量%の含水
エタノール溶液100重量部に対して、ペパーミント精
油2.0重量部を直接添加して、撹拌、溶解した。この
ゼイン溶液をデンプンフィルム上に140μmの厚みで
キャスティングした後、クールドライヤーで20℃程度
の冷風乾燥を施し、ペパーミント精油を一体含有するゼ
イン層とデンプン補強層から成る2層の口中清涼フィル
ムを得た。
2で得られた各口中清涼フィルムを試料として、パネラ
ー5人により口に含んだ際の清涼感の強弱を官能試験し
た。上記官能試験は、各実施例を比較例と直接対比する
のではなく、粉末状のデンプン分解物(実施例に用いら
れたものと同じ)にペースト状のペパーミント精油を加
えて常温で圧縮した固形物(2cm×3cm)を標準品と
して、実施例及び比較例の各口中清涼フィルムを当該標
準品と対比する方式により試験した。但し、実施例2に
対しては、ペパーミント製油に替えてL−メントールを
含浸した固形物を標準品とした。官能試験の項目は、力
価、フレッシュ感、変質感、並びにこれらの総合評価か
らなり、力価はペパーミント精油に含まれるフレーバー
成分のうち、いわば、ガスクロマトグラムで最大ピーク
を示す成分の指標であり、これが多いとその香料特有の
強い芳香感が感じられる。上記フレッシュ感は、ペパー
ミント精油に含まれるフレーバー成分のうち、熱的に弱
いフレーバー成分が失われずに残留していることを示す
指標であり、これが多いと、強い爽快感、即ち、フレッ
シュ感を覚える。また、上記変質感は、フレーバー成分
が熱変性などを受けて、酸敗臭などの変質臭を発生して
いるか否かの指標であり、これが多いと品質が劣化して
いると判断できる。
記の通りである。 (1)力価 ○:フィルムに含まれる香料特有の強い芳香感が有っ
た。 △:芳香感は少し弱かった。 ×:芳香感は弱かった。 (2)フレッシュ感 ○:フレッシュ感が有った。 △:フレッシュ感は少し弱かった。 ×:フレッシュ感は弱かった。 (3)変質感 ○:変質臭はなし。 △:変質臭が少し感じられた。 ×:変質臭が感じられた。
では、各パネラー毎に力価、フレッシュ感、変質感をま
とめた場合、全部の項目が○の評価であるか、1項目だ
け△の評価であることから、総合評価は全て「良」であ
った。尚、実施例2は他の実施例或は比較例と異なり、
香料にL−メントールを使用したが、この場合でも、ペ
パーミント精油と同様に、口中清涼フィルムの力価、フ
レッシュ感、変質感は夫々高い評価であった。これに対
して、ペパーミント精油をデンプン溶液に混合し、熱風
乾燥で成膜した比較例1においては、各パネラー毎の力
価、フレッシュ感、変質感の評価は2項目で×か△であ
り、○の評価は全くないことから、総合評価は全て
「可」であった。やはり、熱風乾燥により、フィルム中
の香料の揮発成分、芳香成分が飛散又は熱変性などを起
こしたものと思われる。また、ゼイン溶液にペパーミン
ト精油を均一溶解して成膜した比較例2では、力価、フ
レッシュ感の評価は共に△であるか、これに×の評価が
混じることから、総合評価はやはり「可」であって、フ
ィルム中での香料の充填量が充分でないことを窺わせ
た。しかしながら、変質感の評価は概ね○であって、冷
風乾燥で成膜した結果、香料の熱変性などは防止されて
いることが判った。
する実施例1、3〜4及び比較例1〜2の各口中清涼フ
ィルムの単位面積(1m2)当たりの各成分重量を表した
ものである(従って、L−メントールを含有する実施例
2は省く)。図2によると、均一溶解方式である比較例
2のペパーミント精油の含有量は、振りかけ方式の各実
施例の含有量に比べてやはり少なかった。また、比較例
1の含有量はペパーミント精油を50℃付近でデンプン
溶液に添加、撹拌した後に成膜したので各実施例と同量
であるが、乾燥時に加熱したため、上記試験結果にも示
すように、比較例1のペパーミント精油に含まれる揮発
成分、芳香成分は各実施例と同列には扱えないのであ
る。以上のように、口中清涼フィルムの清涼感は、製造
後にフィルム中に有効残留している香料、消臭剤などの
含有密度に依存し、これらの充填密度が高いほど強い清
涼感の持続に有利であり、実施例1、3〜4でのペパー
ミント精油の充填量はこのことを裏付けている。
ィルムの力価、フレッシュ感、変質感などの官能試験結
果を示す図表である。
ント精油を含有する口中清涼フィルムの単位面積当たり
の成分重量表である。
Claims (3)
- 【請求項1】 水に不溶で、且つ、アルコール可溶性の
天然高分子物質の薄膜に、香料、消臭剤、薬剤などを含
有する口中清涼フィルムであって、 上記天然高分子物質をアルコール又は含水アルコールに
溶解させ、このアルコール溶液を薄膜状に延ばし、この
薄膜表面上に香料、消臭剤、薬剤などの粉末を振りかけ
て付着させ、冷風ないし微温風を吹き付けて60℃以下
で乾燥し、成膜したことを特徴とする口中清涼フィル
ム。 - 【請求項2】 請求項1のアルコール可溶の天然高分子
物質が、ゼイン、シェラック、グリアジンなどであるこ
とを特徴とする口中清涼フィルム。 - 【請求項3】 アルコール可溶の天然高分子物質の薄膜
に、水溶性天然高分子物質の薄膜を積層したことを特徴
とする請求項1又は2に記載の口中清涼フィルム。
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---|---|---|---|
JP28105999A JP4332660B2 (ja) | 1999-10-01 | 1999-10-01 | 口中清涼フィルム |
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---|---|---|---|
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JP2001097836A true JP2001097836A (ja) | 2001-04-10 |
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ID=17633748
Family Applications (1)
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JP28105999A Expired - Fee Related JP4332660B2 (ja) | 1999-10-01 | 1999-10-01 | 口中清涼フィルム |
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JP (1) | JP4332660B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003533468A (ja) * | 2000-02-28 | 2003-11-11 | ゲル−デル テクノロジーズ,インコーポレイティド | タンパク質マトリクス物質、製造並びにその製造及び使用 |
WO2008065875A1 (fr) * | 2006-11-30 | 2008-06-05 | Sapporo Breweries Limited | Agent de rafraîchissement de la bouche et boisson et aliment le contenant |
WO2015013514A1 (en) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | Cargill, Incorporated | Oral care composition |
-
1999
- 1999-10-01 JP JP28105999A patent/JP4332660B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2008065875A1 (fr) * | 2006-11-30 | 2008-06-05 | Sapporo Breweries Limited | Agent de rafraîchissement de la bouche et boisson et aliment le contenant |
JP5284104B2 (ja) * | 2006-11-30 | 2013-09-11 | サッポロビール株式会社 | 口内清涼剤 |
WO2015013514A1 (en) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | Cargill, Incorporated | Oral care composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4332660B2 (ja) | 2009-09-16 |
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