JP2001097836A - 口中清涼フィルム - Google Patents

口中清涼フィルム

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JP2001097836A JP28105999A JP28105999A JP2001097836A JP 2001097836 A JP2001097836 A JP 2001097836A JP 28105999 A JP28105999 A JP 28105999A JP 28105999 A JP28105999 A JP 28105999A JP 2001097836 A JP2001097836 A JP 2001097836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造段階で香料、消臭剤などの揮発成分が飛
散、変質することがなく、フレッシュな清涼感を強く持
続できる口中清涼フィルムを開発する。 【解決手段】 水に不溶で、且つ、アルコール可溶性の
天然高分子物質の薄膜に、香料、消臭剤、薬剤などを含
有する口中清涼フィルムであって、上記天然高分子物質
をアルコール又は含水アルコールに溶解させ、このアル
コール溶液を薄膜状に延ばし、この薄膜表面上に香料、
消臭剤、薬剤などの粉末を振りかけて付着させ、冷風な
いし微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥し、成膜した
口中清涼フィルムである。60℃以下で低温乾燥するた
め、香料などの揮発成分の飛散、熱変性などがない。低
温度の乾燥処理でも、アルコールが迅速に蒸発して容易
に成膜できる。また、香料などの粉末を振りかけるた
め、均一分散方式に比べてフィルムに対する香料などの
充填密度が増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は口中清涼フィルムに
関し、フィルム中に含まれる香料、消臭剤などの揮発成
分が製造段階で飛散、変質することがなく、フレッシュ
な清涼感を強く持続できるものを提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、口中清涼フィルムとしては、メン
トール、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、
ウイキョウ油、ジャスミン油、ユーカリ油、シナモン
油、オレンジ油、レモン油、緑茶抽出物、フラボノイ
ド、塩化セチルピリジニウムなどの香料、消臭剤、或は
薬剤などを、デンプン又はその分解物、カルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピ
ロリドン、キサンタンガム、カラヤガムなどの水溶性高
分子物質の水溶液などに均一に分散(又は溶解)し、85
〜90℃付近で熱風乾燥して迅速に成膜し、水溶性フィ
ルム内に上記香料などを含有させたものが一般的である
(例えば、特公平5−41602公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、香料、消臭剤、
或は薬剤などには揮発成分、芳香成分が多く含有される
ため、上記口中清涼フィルムの製造段階において、水溶
性高分子物質を熱風乾燥して薄膜状に成膜する際に、当
該高分子物質内に分散又は溶解させたこれらの揮発成
分、芳香成分などが飛散したり、熱的変性又は変質を受
けてしまい、得られた口中フィルムの清涼感が失われた
り、酸敗臭などの変質臭が新たに生じて品質が劣化する
などの弊害があった。
【0004】本発明は、製造段階で香料、消臭剤などの
揮発成分が飛散したり、変質することがなく、フレッシ
ュな清涼感を強く持続できる口中清涼フィルムを開発す
ることを技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先ず、ゼ
イン、シェラックなどが高濃度のエタノールに可溶であ
ることに着目して、多糖類系が多い上記水溶性高分子物
質に替えてこれらのゼイン、シェラックなどで可食性フ
ィルムを成膜すると、微温風ないし冷風で乾燥しても効
率良くエタノールが飛散して、迅速にフィルムが作成で
きることを見い出した。さらには、口中清涼フィルムの
製造段階において、上記従来技術のように、香料などを
高分子物質の水溶液内に均一分散又は溶解しただけで
は、口中フィルム中に充填される香料などの含有密度に
限界があり、口中フィルムの清涼感が充分でないという
問題点に鑑みて、鋭意研究した結果、本発明を完成し
た。
【0006】即ち、本発明1は、水に不溶で、且つ、ア
ルコール可溶性の天然高分子物質の薄膜に、香料、消臭
剤、薬剤などを含有する口中清涼フィルムであって、上
記天然高分子物質をアルコール又は含水アルコールに溶
解させ、このアルコール溶液を薄膜状に延ばし、この薄
膜表面上に香料、消臭剤、薬剤などの粉末を振りかけ、
冷風ないし微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥し、成
膜したことを特徴とする口中清涼フィルムである。
【0007】本発明2は、上記本発明1のアルコール可
溶の天然高分子物質が、ゼイン、シェラック、グリアジ
ンなどであることを特徴とする口中清涼フィルムであ
る。
【0008】上記本発明3は、上記本発明1又は2にお
いて、アルコール可溶の天然高分子物質の薄膜に、水溶
性天然高分子物質の薄膜を積層したことを特徴とする口
中清涼フィルムである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の口中清涼フィルムの製造
工程は、天然高分子物質をアルコール又は含水アルコー
ルに溶解させる工程と、この(含水)アルコール溶液を支
持基材の上で薄膜状に延ばす工程と、この薄膜表面上に
香料、消臭剤、薬剤などの粉末を振りかける工程と、冷
風ないし微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥して成膜
する工程とから成る。上記天然高分子物質は水に不溶
で、且つ、アルコールに可溶性の物質であり、具体的に
は、ゼイン、シェラック、グリアジンなどが挙げられ
る。この天然高分子物質のアルコール溶液は、薄膜状に
流延した後、香料などを振りかけて、60℃以下の低温
乾燥に付されるが、この乾燥工程では上記アルコールが
円滑に蒸発する必要があるため、アルコールは当該乾燥
温度領域以下、或はこれをあまり越えない領域の沸点を
有し、速やかに蒸発するものが好ましい。従って、上記
アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられ、エタノールが好ましい。ちなみ
に、エタノールの沸点は78℃、イソプロピルアルコー
ルは82℃である。上記アルコール又は含水アルコール
の濃度は60〜90(v/v)%程度、アルコール又は含水
アルコールに対する天然高分子物質の含有量は5〜40
重量%、好ましくは10〜35重量%である。
【0010】上記アルコール溶液を薄膜状に展延する工
程は、例えば、ポリエステル(PET)フィルムの基材上
にアルコール溶液を薄膜状に流延して、キャスティング
することなどが挙げられる。また、上記振りかけ工程で
は、ゼイン、シェラックなどの天然高分子物質のキャス
ティング膜は乾燥前であるため、香料、消臭剤、薬剤な
どの粉末を振りかけると、その表面上に自動的に付着
し、これを圧着処理することにより確実に膜上に担持・
固定できる。香料、消臭剤、薬剤などの粉末は、直接振
りかけても良いが、例えば、デンプン粉末などとの混合
粉末にしたうえで振りかけられる。その際の香料、消臭
剤などのデンプン粉末などに対する含有量は3〜10程
度重量%が好ましく、この混合粉末のキャスティング膜
に対する載置量は60〜100g/m2程度が好まし
い。
【0011】上記香料は、ペパーミント精油、スペアミ
ント精油、ハッカ精油、レモン精油、オレンジ精油、グ
レープフルーツ精油、ライム精油、ユーカリ精油、シナ
モン精油、ウイキョウ精油、クローブ精油、コリアンダ
ー精油、ローズマリー精油、カルダモン精油、アニス精
油、ジャスミン精油、ローレル精油、ゼラニウム精油、
ベルガモット精油、チョウジ精油、メントール、カンゾ
ウ、シャクヤク、リョウノウ、ニクズク、サフラン、そ
の他の公知の香料をいう。上記消臭剤は、緑茶抽出物、
マッシュルーム抽出物、笹抽出物、クロロフィリン、フ
ラボノイド、その他の公知の消臭剤をいう。上記薬剤
は、アズレン、塩化セチルピリジニウム、塩化クロルヘ
キシジン、塩化デカリウム、グルコン酸クロルヘキシジ
ン、サリチル酸メチル、ワサビ抽出物、などのように、
殺菌効果、抗菌効果などが期待できるものをいう。
【0012】上記乾燥工程では、クールドライヤーで冷
風乾燥し、或は微温風を吹き付けて60℃以下で乾燥す
る。いうまでもなく、乾燥温度が60℃を越えると、香
料、消臭剤、薬剤などの揮発成分、芳香成分が熱変性又
は変質したり、飛散するからである。上記ゼイン、シェ
ラック、グリアジンなどは共に高濃度アルコール(例え
ば、70〜80%エタノール)に溶解可能であるため、
前述したように、当該低温度の乾燥工程であっても、ア
ルコール分は迅速に蒸発して、天然高分子物質製のフィ
ルムを迅速に成膜することができる。
【0013】上記口中清涼フィルムの形態としては、ゼ
イン、シェラックなどの高分子物質の層と香料などの載
置層から成る2層フィルムでも良いが、ゼインなどの高
分子物質の層のうちの香料などの圧着面とは反対側の面
に、さらに、水溶性天然高分子物質の薄膜を積層して3
層フィルムとすることが好ましい。上記水溶性天然高分
子物質としては、冒述の従来公報にも開示されているよ
うに、デンプン分解物、デキストリン、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラ
チン、キサンタンガムなどが挙げられ、デンプン分解物
などが好ましい。この水溶性天然高分子物質の薄膜は、
ゼインなどの香料担持層を補強して、口中清涼フィルム
全体に強度を持たせる機能を果す。本発明の口中清涼フ
ィルムはシートを含む概念であり、具体的な厚みとして
は、20〜500μm程度が好ましい。
【0014】
【発明の効果】(1)本発明の口中清涼フィルムは、ゼイ
ン、シェラック、グリアジンなどの天然高分子物質をア
ルコール又は含水アルコールなどに溶解させて、この溶
液を薄膜状に流延して冷風ないし微温風を吹き付け、6
0℃以下で低温乾燥して成膜するため、フィルム中の香
料、消臭剤、薬剤などの揮発成分、芳香成分が飛散した
り、熱変性又は変質することがなく、清涼感を強く保全
できる。また、ゼイン、シェラックなどの上記天然高分
子物質は水に不溶でアルコールに可溶性であるため、そ
のアルコール溶液の流延層に低温度の乾燥処理を施して
も、アルコールが迅速に蒸発して薄膜を容易に形成する
ことができ、口中フィルムの生産効率が高い。
【0015】(2)本発明の口中清涼フィルムでは、ゼイ
ン、シェラックなどのアルコール溶液を薄膜状に延ばし
た状態で、その表面上に香料、消臭剤、薬剤などの粉末
を振りかけて付着させるため、後述の試験例に示すよう
に、香料などを上記アルコール溶液に均一分散(又は溶
解)して乾燥したフィルムに比べて、フィルムの単位面
積当たりの香料などの充填量を増大させることができ
る。即ち、フィルム中の香料などの含有密度が高いの
で、口中フィルムに強い清涼感を付与することができ
る。例えば、特開平4−82821号公報には、シェラ
ック樹脂30〜60重量%のエタノール溶液に、緑茶抽
出物などの消臭剤、或は、レモン、オレンジエッセンス
などの香料を添加した歯の美容剤が開示されている。こ
の美容剤は歯に塗布することにより、エタノールが揮発
してシェラックの皮膜が形成され、歯に自然の光沢が付
与されるものであるが、香料、消臭剤などはシェラック
のエタノール溶液に添加して均一溶解させる方式である
ため、この美容剤を口中清涼フィルムの製造に適用して
も、やはり、香料などの充填密度の関係で、清涼感の強
いフィルムを製造することは容易でない。
【0016】また、通常、香料などをゼインなどのアル
コール溶液に均一分散(又は溶解)する方式では、香料な
どの種類によって溶解度や分散の均一性に難易があるた
め、香料などの種類を変化させたり、多種類の香料など
を使用する場合には、フィルムの生産性は必ずしも高く
ないが、香料などをゼインなどのアルコール溶液のキャ
スティング膜に振りかける本発明の方式では、流延した
アルコール溶液の上から香料などの粉末を振動方式など
の自動振りかけ機を用いて供給すれば良いだけで、分散
の手間が要らないので、上記均一分散方式に比べて、迅
速に、且つ、高密度で(場合によっては、1ケタ大き
い、或はそれ以上の高密度で)香料などをフィルムに充
填できるため、生産性に優れる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の口中清涼フィルムの実施例を
順次述べるとともに、この低温乾燥並びに振りかけ方式
の口中フィルムを、均一分散方式のフィルム及び熱風乾
燥したフィルムと対比した清涼性試験例を説明する。
尚、本発明は下記の実施例及び試験例に拘束されるもの
ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形を
なし得ることは勿論である。
【0018】下記の実施例1〜4において、実施例1は
ペパーミントの付着層/ゼイン層/デンプン分解物の補
強層から成る3層の口中清涼フィルムの製造例であり、
実施例2は実施例1の香料をペパーミント精油からL−
メントールに代替した例、実施例3は実施例1のフィル
ム基材をゼインからシェラックに代替した例、実施例4
は実施例1のデンプン分解物の補強層を省略した例であ
る。一方、比較例1はペパーミント精油をデンプン溶液
に均一溶解し、これをキャスティングした後、熱風乾燥
でフィルムを製造した例、比較例2は上記実施例1を基
本としながら、ゼイン溶液のキャスティング層への振り
かけ方式に替えて、ゼイン溶液にペパーミント精油を均
一溶解し、冷風乾燥したフィルムの製造例である。
【0019】《実施例1》デンプン分解物(フードテッ
クス;松谷化学工業社製)を水に分散して35重量%の
デンプン分散液を調製し、PETフィルム上に上記デン
プン分解物の分散液を流延して、20μm(乾燥時の厚
み)のデンプンフィルムを成膜した。一方、ゼインを含
水エタノール溶液(エタノール88容量%/水12容量
%)に溶解して20重量%のゼイン溶液を調製し、この
ゼイン溶液を前記デンプンフィルム上に75μmの厚み
で薄膜状にキャスティングした。ペパーミント精油を1
0重量%含有するデンプン粉末を、上記ゼインのキャス
ティング膜上に自動振りかけ機を用いて、80g/m2
の付着量で均一に振りかけた後、ペパーミント精油/デ
ンプン粉末の付着層を圧送ロールを用いてゼイン膜上に
圧着した。そして、40℃の微温風でゼインのキャステ
ィング層を乾燥した後、前記PETフィルムから剥離し
て、ペパーミントの付着層とゼイン層とデンプン補強層
から成る3層の口中清涼フィルムを得た。上記口中清涼
フィルムの厚みは400μmであった。
【0020】《実施例2》上記実施例1を基本として、
香料をペパーミント精油からL−メントールに替えた3
層フィルムを製造した。即ち、デンプンフィルム上にゼ
イン20重量%の含水エタノール溶液を75μmの厚み
でキャスティングした後、L−メントールを5.3重量
%含有するデンプン粉末をこのゼイン溶液のキャスティ
ング層上に90g/m2の付着量で均一に振りかけ、圧
着した。そして、クールドライヤーで20℃程度の冷風
乾燥を施し、PETフィルムから剥離して、L−メント
ールの付着層とゼイン層とデンプン補強層から成る3層
の口中清涼フィルムを得た。上記口中清涼フィルムの厚
みは450μmであった。
【0021】《実施例3》上記実施例1を基本として、
フィルム基材をゼイン層からシェラック層に替えた3層
フィルムを製造した。即ち、デンプンフィルム上にシェ
ラック35重量%のエタノール溶液を45μmの厚みで
キャスティングした後、ペパーミント精油を10重量%
含有するデンプン粉末をこのシェラック溶液のキャステ
ィング層上に80g/m2の付着量で均一に振りかけ、
圧着した。そして、30℃の微温風乾燥を施し、PET
フィルムから剥離して、ペパーミント精油の付着層とシ
ェラック層とデンプン補強層から成る3層の口中清涼フ
ィルムを得た。上記口中清涼フィルムの厚みは400μ
mであった。
【0022】《実施例4》上記実施例1を基本として、
デンプン分解物の補強層を省略した2層フィルムを製造
した。即ち、25μmのPETフィルム上にゼイン15
重量%の含水エタノール溶液を100μmの厚みでキャ
スティングした後、ペパーミント精油を10重量%含有
するデンプン粉末をこのゼイン溶液のキャスティング層
上に80g/m2の付着量で均一に振りかけ、圧着し
た。そして、40℃の微温風乾燥を施した後、PETフ
ィルムから剥離して、ペパーミント精油の付着層とゼイ
ン層から成る2層の口中清涼フィルムを得た。 上記口
中清涼フィルムの厚みは380μmであった。
【0023】《比較例1》イオン交換水1000重量部
にデンプン分解物237重量部を加え、70℃に加熱し
てデンプン溶液を調製した。次いで、このデンプン溶液
を50℃に保持して、デンプン溶液100重量部に対し
てペパーミント精油1.90重量部、乳化剤としてショ
糖脂肪酸エステル0.38重量部を加えて撹拌、溶解し
た後、30℃に冷却した。このペパーミント精油を含有
するデンプン溶液をPETフィルム上に145μmの厚
みでキャスティングし、85℃で熱風乾燥を施し、PE
Tフィルムから剥離して、31μmの口中清涼フィルム
を得た。
【0024】《比較例2》前記実施例1を基本として、
ペパーミント精油の粉末をゼインのキャスティング層に
振りかける替わりに、ペパーミント精油をゼイン溶液に
均一溶解して製造した。即ち、ゼイン20重量%の含水
エタノール溶液100重量部に対して、ペパーミント精
油2.0重量部を直接添加して、撹拌、溶解した。この
ゼイン溶液をデンプンフィルム上に140μmの厚みで
キャスティングした後、クールドライヤーで20℃程度
の冷風乾燥を施し、ペパーミント精油を一体含有するゼ
イン層とデンプン補強層から成る2層の口中清涼フィル
ムを得た。
【0025】そこで、上記実施例1〜4及び比較例1〜
2で得られた各口中清涼フィルムを試料として、パネラ
ー5人により口に含んだ際の清涼感の強弱を官能試験し
た。上記官能試験は、各実施例を比較例と直接対比する
のではなく、粉末状のデンプン分解物(実施例に用いら
れたものと同じ)にペースト状のペパーミント精油を加
えて常温で圧縮した固形物(2cm×3cm)を標準品と
して、実施例及び比較例の各口中清涼フィルムを当該標
準品と対比する方式により試験した。但し、実施例2に
対しては、ペパーミント製油に替えてL−メントールを
含浸した固形物を標準品とした。官能試験の項目は、力
価、フレッシュ感、変質感、並びにこれらの総合評価か
らなり、力価はペパーミント精油に含まれるフレーバー
成分のうち、いわば、ガスクロマトグラムで最大ピーク
を示す成分の指標であり、これが多いとその香料特有の
強い芳香感が感じられる。上記フレッシュ感は、ペパー
ミント精油に含まれるフレーバー成分のうち、熱的に弱
いフレーバー成分が失われずに残留していることを示す
指標であり、これが多いと、強い爽快感、即ち、フレッ
シュ感を覚える。また、上記変質感は、フレーバー成分
が熱変性などを受けて、酸敗臭などの変質臭を発生して
いるか否かの指標であり、これが多いと品質が劣化して
いると判断できる。
【0026】そこで、上記3項目の評価基準を示すと下
記の通りである。 (1)力価 ○:フィルムに含まれる香料特有の強い芳香感が有っ
た。 △:芳香感は少し弱かった。 ×:芳香感は弱かった。 (2)フレッシュ感 ○:フレッシュ感が有った。 △:フレッシュ感は少し弱かった。 ×:フレッシュ感は弱かった。 (3)変質感 ○:変質臭はなし。 △:変質臭が少し感じられた。 ×:変質臭が感じられた。
【0027】図1はその試験結果を示す。実施例1〜4
では、各パネラー毎に力価、フレッシュ感、変質感をま
とめた場合、全部の項目が○の評価であるか、1項目だ
け△の評価であることから、総合評価は全て「良」であ
った。尚、実施例2は他の実施例或は比較例と異なり、
香料にL−メントールを使用したが、この場合でも、ペ
パーミント精油と同様に、口中清涼フィルムの力価、フ
レッシュ感、変質感は夫々高い評価であった。これに対
して、ペパーミント精油をデンプン溶液に混合し、熱風
乾燥で成膜した比較例1においては、各パネラー毎の力
価、フレッシュ感、変質感の評価は2項目で×か△であ
り、○の評価は全くないことから、総合評価は全て
「可」であった。やはり、熱風乾燥により、フィルム中
の香料の揮発成分、芳香成分が飛散又は熱変性などを起
こしたものと思われる。また、ゼイン溶液にペパーミン
ト精油を均一溶解して成膜した比較例2では、力価、フ
レッシュ感の評価は共に△であるか、これに×の評価が
混じることから、総合評価はやはり「可」であって、フ
ィルム中での香料の充填量が充分でないことを窺わせ
た。しかしながら、変質感の評価は概ね○であって、冷
風乾燥で成膜した結果、香料の熱変性などは防止されて
いることが判った。
【0028】ちなみに、図2はペパーミント精油を含有
する実施例1、3〜4及び比較例1〜2の各口中清涼フ
ィルムの単位面積(1m2)当たりの各成分重量を表した
ものである(従って、L−メントールを含有する実施例
2は省く)。図2によると、均一溶解方式である比較例
2のペパーミント精油の含有量は、振りかけ方式の各実
施例の含有量に比べてやはり少なかった。また、比較例
1の含有量はペパーミント精油を50℃付近でデンプン
溶液に添加、撹拌した後に成膜したので各実施例と同量
であるが、乾燥時に加熱したため、上記試験結果にも示
すように、比較例1のペパーミント精油に含まれる揮発
成分、芳香成分は各実施例と同列には扱えないのであ
る。以上のように、口中清涼フィルムの清涼感は、製造
後にフィルム中に有効残留している香料、消臭剤などの
含有密度に依存し、これらの充填密度が高いほど強い清
涼感の持続に有利であり、実施例1、3〜4でのペパー
ミント精油の充填量はこのことを裏付けている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4及び比較例1〜2の各口中清涼フ
ィルムの力価、フレッシュ感、変質感などの官能試験結
果を示す図表である。
【図2】実施例1、3〜4及び比較例1〜2のペパーミ
ント精油を含有する口中清涼フィルムの単位面積当たり
の成分重量表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA89 BB22 CC16 EE41A EE41M EE57A EE57M GG01 4C083 AA071 AA072 AA122 AD242 AD411 AD412 AD532 CC41 DD12 EE07 EE31 EE34 4F071 AA70 AC05 AE08 AE19 AG12 AG34 AG36 BA02 BB02 BC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に不溶で、且つ、アルコール可溶性の
    天然高分子物質の薄膜に、香料、消臭剤、薬剤などを含
    有する口中清涼フィルムであって、 上記天然高分子物質をアルコール又は含水アルコールに
    溶解させ、このアルコール溶液を薄膜状に延ばし、この
    薄膜表面上に香料、消臭剤、薬剤などの粉末を振りかけ
    て付着させ、冷風ないし微温風を吹き付けて60℃以下
    で乾燥し、成膜したことを特徴とする口中清涼フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1のアルコール可溶の天然高分子
    物質が、ゼイン、シェラック、グリアジンなどであるこ
    とを特徴とする口中清涼フィルム。
  3. 【請求項3】 アルコール可溶の天然高分子物質の薄膜
    に、水溶性天然高分子物質の薄膜を積層したことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の口中清涼フィルム。
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