JP2001096160A - ジメチルエーテル改質触媒および燃料電池装置 - Google Patents

ジメチルエーテル改質触媒および燃料電池装置

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JP2001096160A JP27599999A JP27599999A JP2001096160A JP 2001096160 A JP2001096160 A JP 2001096160A JP 27599999 A JP27599999 A JP 27599999A JP 27599999 A JP27599999 A JP 27599999A JP 2001096160 A JP2001096160 A JP 2001096160A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジメチルエーテルを改質して、より水素濃度
の高い混合ガスを得ることができるジメチルエーテル改
質触媒、および、そのジメチルエーテル改質触媒が用い
られている燃料電池装置を提供すること。 【解決手段】 ジメチルエーテル改質触媒として、銅ま
たは銅と1種以上の銅を除く遷移金属が担持されている
固体酸と、固体強酸とを含有させる。そして、このジメ
チルエーテル改質触媒を用いた改質装置2によって得ら
れた混合ガスを、燃料ガスとして燃料電池4に供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジメチルエーテル
改質触媒、詳しくは、燃料電池の燃料ガスの原料として
使用されるジメチルエーテルを改質するためのジメチル
エーテル改質触媒、および、そのジメチルエーテル改質
触媒が用いられている燃料電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料電池として、プロトン導
電性の固体高分子膜の両側に、アノードおよびカソード
が配設される固体高分子型燃料電池が知られている。こ
の固体高分子型燃料電池は、アノードに、主として水素
からなる燃料ガスを供給するとともに、カソードに、空
気などの酸化ガスを供給することによって、電気化学反
応を生じさせ、固体高分子膜中においてプロトンを移動
させることによって、起電力を発生させるものであり、
燃料ガスの有する化学エネルギーを、直接電気エネルギ
ーに変換することができ、エネルギー効率が良いものと
して知られている。
【0003】このような固体高分子型燃料電池におい
て、アノードに供給するための燃料ガスは、例えば、原
料としてメタノールを用い、このメタノールを水蒸気と
接触させて改質することにより得ることがよく知られて
おり、そのような改質には、通常、Cu−Zn系触媒が
広く用いられている。
【0004】一方、燃料ガスの原料としては、メタノー
ル以外にも、例えば、天然ガスなど種々の原料が提案さ
れており、なかでも、ジメチルエーテルは、常温におい
て数気圧(例えば、5気圧)に加圧するか、あるいは低
温(例えば、−25℃)にすると容易に液化するため、
運搬、貯蔵および取り扱い易さの点から、その使用が期
待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ジメチルエー
テルを改質して水素を得るために、例えば、上記したC
u−Zn系触媒の存在下において、ジメチルエーテルを
水蒸気と接触させても、改質により得られる混合ガス中
の水素濃度は低く、実用的ではない。
【0006】また、ヨーロッパ公開特許公報(EP−A
−754649)には、ジメチルエーテルを、固体酸お
よびメタノール分解触媒を物理的に混合した触媒の存在
下において、水蒸気と下記のように反応させることによ
り、水素リッチな混合ガスを得る方法が記載されてい
る。
【0007】 CH3 OCH3 +H2 O→2CH3 OH (1) CH3 OH+H2 O→3H2 +CO2 (2) しかし、このような方法によって得られる混合ガス中の
水素濃度は、未だ十分ではなく、燃料電池の燃料ガスと
して用いるためには、より水素濃度の高い混合ガスを得
ることが望まれている。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、ジメチルエーテルを改質
して、より水素濃度の高い混合ガスを得ることができる
ジメチルエーテル改質触媒、および、そのジメチルエー
テル改質触媒が用いられている燃料電池装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のジメチルエーテル改質触媒は、銅または
銅と1種以上の銅を除く遷移金属が担持されている固体
酸と、固体強酸とが含有されていることを特徴としてい
る。
【0010】また、固体酸が、活性アルミナ、シリカ−
アルミナ、ゼオライトからなる群から選ばれる1種以上
であることが好ましく、また、固体強酸が、固体化リン
酸および/またはヘテロポリ酸であることが好ましい。
【0011】また、銅または銅と1種以上の銅を除く遷
移金属が担持されている固体酸、および、固体強酸が微
細な形状であることが好ましく、とりわけ、銅または銅
と1種以上の銅を除く遷移金属が担持されている固体
酸、および、固体強酸の粒径が2mm以下であることが
好ましい。さらには、銅または銅と1種以上の銅を除く
遷移金属が担持されている固体酸と、固体強酸との体積
比が1:3〜3:1の範囲にあることが好ましい。
【0012】また、本発明は、上記した本発明のジメチ
ルエーテル改質触媒が用いられ、ジメチルエーテルを改
質することにより混合ガスを得る改質装置と、得られた
混合ガスが、燃料ガスとして供給される燃料電池とを備
えている燃料電池装置をも含んでいる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のジメチルエーテル改質触
媒は、ジメチルエーテルを改質して水素リッチな混合ガ
スを得るために用いられるものであって、銅または銅と
1種以上の銅を除く遷移金属が担持されている固体酸
と、固体強酸とが含有されている。
【0014】固体酸としては、例えば、金属酸化物、二
元金属酸化物、ゼオライト、金属硫酸塩、金属リン酸
塩、陽イオン交換樹脂、固体化硫酸、固体化リン酸、ヘ
テロポリ酸などが挙げられる。
【0015】金属酸化物としては、例えば、活性アルミ
ナが挙げられ、好ましくは、γ−アルミナ、δ−アルミ
ナ、θ−アルミナが用いられる。
【0016】二元金属酸化物としては、例えば、SiO
2 −Al2 3 、SiO2 −ZrO 2 、TiO2 −Al
2 3 、TiO2 −ZrO2 、TiO2 −SiO2 、A
23 −ZrO2 などが挙げられ、好ましくは、Si
2 −Al2 3 が用いられる。
【0017】ゼオライトとしては、MFI型ゼオライト
(ZSM−5)が好ましく用いられる。
【0018】固体化リン酸としては、例えば、P2 5
−SiO2 −TiO2 、P2 5 −SiO2 などが挙げ
られる。
【0019】ヘテロポリ酸としては、例えば、P−Mo
−Cs−SiO2 などが挙げられる。
【0020】これら固体酸は、単独または2種以上併用
してもよく、これら固体酸のなかでは、金属酸化物、二
元金属酸化物、ゼオライトが好ましく用いられ、活性ア
ルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライトがさらに好まし
く用いられる。
【0021】このような固体酸は、その形状および大き
さは特に制限されないが、微細な形状であることが好ま
しく、例えば、その粒径が2mm以下のものが好ましく
用いられる。このような固体酸は、より具体的には、例
えば、乾式法により微粉砕し、ふるいなどにより、0.
5〜2.0mm、さらには、0.85〜1.7mmの粒
径に分級したものが好ましく用いられる。
【0022】銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金属
としては、例えば、銅(Cu)、または、銅(Cu)
と、例えば、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄
(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛
(Zn)などのうちから選ばれる1種以上の銅を除く遷
移金属が挙げられ、銅を除く遷移金属として、好ましく
は、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)
が用いられる。
【0023】そして、銅または銅と1種以上の銅を除く
遷移金属を固体酸に担持させるには、例えば、銅または
銅と1種以上の銅を除く遷移金属の塩の水溶液に、固体
酸を浸漬し、固体酸に銅または銅と1種以上の銅を除く
遷移金属の塩を含浸させた後、乾燥、焼成すればよい。
【0024】銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金属
の塩としては、例えば、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、
テトラアンミン硫酸塩などが挙げられる。また、水溶液
は、銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金属の塩の濃
度が、例えば、5〜50重量%となるように調製され
る。また、固体酸は、水溶液100重量部に対して、例
えば、約150〜300重量部の割合で用いられる。な
お、含浸時には、水溶液を加熱してもよい。
【0025】そして、含浸後には、乾燥炉などにより、
約80〜110℃で乾燥して、固体酸に含まれる水分を
蒸発させた後、焼成炉などにより、約300〜600
℃、好ましくは、約400〜500℃で焼成して、銅ま
たは銅と1種以上の銅を除く遷移金属の塩を分解除去す
ることにより、銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金
属を固体酸に担持すればよい。なお、この乾燥および焼
成は、区別することなく連続して行なってもよい。
【0026】なお、固体酸に対する、銅または銅と1種
以上の銅を除く遷移金属の担持量は、4〜20重量%、
さらには、5〜15重量%であることが好ましい。4重
量%より少ないと、十分な触媒活性が得られない場合が
あり、一方、20重量%を超えると、銅または銅と1種
以上の銅を除く遷移金属の使用量に対する、触媒活性の
向上の効果が少ない場合がある。
【0027】そして、本発明のジメチルエーテル改質触
媒は、このようにして得られた、銅または銅と1種以上
の銅を除く遷移金属が担持されている固体酸に、固体強
酸が配合される。
【0028】固体強酸としては、例えば、上記した固体
酸のうち、二元金属酸化物、固体化硫酸、固体化リン
酸、ヘテロポリ酸などが挙げられる。これら固体強酸
は、単独または2種以上併用してもよく、これら固体強
酸のなかでは、好ましくは、固体化リン酸および/また
はヘテロポリ酸が用いられる。このような固体強酸は、
その形状および大きさは特に制限されないが、微細な形
状であることが好ましく、例えば、その粒径が2mm以
下のものが好ましく用いられる。このような固体強酸
は、より具体的には、例えば、乾式法により微粉砕し、
ふるいなどにより、0.5〜2.0mm、さらには、
0.85〜1.7mmの粒径に分級したものが好ましく
用いられる。また、固体強酸の比表面積は、例えば、固
体化リン酸にあっては、10m2 /g以上、ヘテロポリ
酸にあっては、50m2 /g以上であることが好まし
い。
【0029】銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金属
が担持されている固体酸と固体強酸との配合割合は、特
に制限されないが、その体積比において、1:3〜3:
1の範囲であることが好ましい。銅または銅と1種以上
の銅を除く遷移金属が担持されている固体酸がこれより
多いと、ジメチルエーテルからメタノールを生成する反
応が遅くなり、また、固体強酸がこれより多いと、メタ
ノールから水素を生成する反応が遅くなる。この範囲に
おいて、バランスの良いジメチルエーテルの改質反応が
行なわれる。また、配合する方法には制限はなく、公知
の方法によって、物理的に攪拌混合すればよい。
【0030】このようにして得られたジメチルエーテル
改質触媒は、銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金属
が担持されている固体酸に、さらに固体強酸が配合され
ており、ジメチルエーテルを改質して水素リッチな混合
ガスを得るための触媒として有効に用いられ、このジメ
チルエーテル改質触媒の存在下において、ジメチルエー
テルを改質すれば、水素濃度の高い混合ガスを得ること
ができる。
【0031】次に、このようなジメチルエーテル改質触
媒が用いられる燃料電池装置について説明する。図1
は、本発明の一実施形態としての燃料電池装置を示す全
体構成図である。図1において、この燃料電池装置1
は、主要構成として、改質装置2、水素分離装置3およ
び燃料電池4を備えており、付帯構成として、ジメチル
エーテルタンク5、水タンク6、エアコンプレッサ7な
どを備えている。
【0032】改質装置2には、配管8を介してジメチル
エーテルタンク5が接続されるとともに、配管9を介し
て水タンク6が接続されている。ジメチルエーテルタン
ク5には、改質原料となるジメチルエーテルが貯蔵され
ている。水タンク6には、改質装置2において水蒸気改
質を行なうための水が貯蔵されている。そして、改質装
置2に、所定の割合において、ジメチルエーテルタンク
5からジメチルエーテルが供給されるとともに、水タン
ク6から水が供給される。
【0033】改質装置2には、加熱器を備える加熱部
と、本発明のジメチルエーテルが充填される改質部とが
設けられている。改質装置2に供給されたジメチルエー
テルと水とは、加熱部において、加熱器により加熱さ
れ、ジメチルエーテルが改質温度まで昇温されるととも
に、水が気化(水蒸気化)され、次いで、改質部におい
て、ジメチルエーテルが水蒸気改質される。
【0034】この水蒸気改質は、ジメチルエーテルを水
蒸気と接触させて、下記の反応により、水素リッチな混
合ガスを生成させるものである。なお、この水蒸気改質
は、例えば、約250〜400℃において行なうことが
好ましい。
【0035】 CH3 OCH3 +H2 O→2CH3 OH (1) CH3 OH+H2 O→3H2 +CO2 (2) なお、この反応においては、その他に、微量であるが一
酸化炭素(CO)も生成する。
【0036】また、この改質装置2には、配管10を介
してコンプレッサ7が接続されており、この改質部に、
コンプレッサ7から空気を供給することにより、水蒸気
改質と併せて、下記の反応による、部分酸化による改質
を行なってもよい。
【0037】 CH3 OH+1/2 O2 →2H2 +CO2 (3) 改質装置2には、配管11を介して水素分離装置3が接
続されており、改質部によって生成した水素リッチな混
合ガスは、この配管11を介して水素分離装置3に供給
される。
【0038】混合ガス中に微量に含まれる一酸化炭素
は、アノードの触媒として用いられている白金の触媒毒
となるため、この水素分離装置3において除去される。
水素分離装置3には、例えば、PtまたはPt−Ru触
媒などが充填されており、一酸化炭素は、触媒の存在下
において酸化除去される。
【0039】水素分離装置3には、配管12を介して燃
料電池4が接続されており、一酸化炭素が除去された混
合ガスは、燃料ガスとして、この配管12を介して燃料
電池4に供給される。
【0040】燃料電池4は、固体高分子型燃料電池であ
って、単位セルが複数積層されたスタック構造とされて
いる。なお、この燃料電池4には、配管13を介してエ
アコンプレッサ7が接続されており、エアコンプレッサ
7から配管13を介して空気が供給されている。
【0041】単位セルは、パーフルオロスルホン酸膜な
どのプロトン導電性の固体高分子膜が、白金が担持され
るアノードおよびカソードによって挟まれたサンドイッ
チ構造とされており、アノードにおいては、水素分離装
置3から配管12を介して供給される燃料ガス中の水素
が、 H2 →2H+ +2e- (4) の反応により、プロトンと電子とを生成し、生成された
プロトンが固体高分子膜を通ってカソードに向かうとと
もに、電子が図示しない外部回路に流出される。また、
カソードにおいては、エアコンプレッサ7から配管13
を介して供給される空気中の酸素が、固体高分子膜を移
動してきたプロトンおよび外部回路から流入される電子
と、次のように反応して、 1/2 O2 +2H+ +2e- →H2 O (5) 水を生じ、その結果、起電力が発生する。
【0042】本実施形態の燃料電池装置1では、改質装
置2において、本発明のジメチルエーテル改質触媒が用
いられているので、改質装置2においては、水素濃度の
高い混合ガスが生成され、この水素濃度の高い混合ガス
が燃料ガスとして、燃料電池4に供給されるので、燃料
電池4において、効率のよい発電を達成することができ
る。
【0043】
【実施例】以下に本発明のジメチルエーテル改質触媒
を、実施例および比較例を挙げてより具体的に説明する
が、本発明のジメチルエーテル改質触媒は、何ら実施例
に限定されるものではない。
【0044】実施例1 市販のγ−アルミナ(比表面積200m2 /g)の円柱
状成形品(3.2mmφ×3.2mmL)を乾式粉砕
し、目の粗さが、1.7mmおよび0.85mmのふる
いにて分級し、1.7〜0.85mmの粒径を有するア
ルミナ粒を得て、こを92g秤量した。また、Cu(N
3 2 ・3H2 O 30.4gを秤量し、蒸留水で溶
解することにより、45重量%の硝酸銅水溶液を調製し
た。この水溶液に、秤量したγ−アルミナを加え、50
〜80℃に加熱して硝酸銅を含浸させた。次いで、乾燥
炉にて100℃で水分を蒸発させた後、500℃で3時
間焼成し、硝酸を分解除去することにより、8重量%の
銅が担持されたアルミナ粒を得た。また、市販の固体化
リン酸(P2 5 (25%)、SiO2 (65%)、T
iO2 (10%)、比表面積30〜40m2 /g)を乾
式粉砕し、目の粗さが、1.7mmおよび0.85mm
のふるいにて分級し、1.7〜0.85mmの粒径を有
する固体化リン酸粒を得た。そして、銅担持アルミナ粒
58mLと固体化リン酸粒58mLとを混合することに
より、銅担持アルミナ−固体化リン酸の混合触媒を得
た。
【0045】実施例2 市販の固体化リン酸(P2 5 (35%)、SiO
2 (65%)、比表面積12〜20m2 /g)を乾式粉
砕し、目の粗さが、1.7mmおよび0.85mmのふ
るいにて分級し、1.7〜0.85mmの粒径を有する
固体化リン酸粒を得た。そして、実施例1と同様の操作
により得られた銅担持アルミナ粒58mLと、この固体
化リン酸粒58mLとを混合することにより、銅担持ア
ルミナ−固体化リン酸の混合触媒を得た。
【0046】実施例3 市販のヘテロポリ酸(P(0.6%)、Mo(23.5
%)、Cs(5.8%)、SiO2 (47.2%)、比
表面積90〜100m2 /g)を乾式粉砕し、目の粗さ
が、1.7mmおよび0.85mmのふるいにて分級
し、1.7〜0.85mmの粒径を有するヘテロポリ酸
粒を得た。そして、実施例1と同様の操作により得られ
た銅担持アルミナ粒58mLと、このヘテロポリ酸粒5
8mLとを混合することにより、銅担持アルミナ−ヘテ
ロポリ酸の混合触媒を得た。
【0047】実施例4 銅担持アルミナ粒29mLと、ヘテロポリ酸粒86mL
とを混合した以外は、実施例3と同様の操作によって、
銅担持アルミナ−ヘテロポリ酸の混合触媒を得た。
【0048】実施例5 銅担持アルミナ粒86mLと、ヘテロポリ酸粒29mL
とを混合した以外は、実施例3と同様の操作によって、
銅担持アルミナ−ヘテロポリ酸の混合触媒を得た。
【0049】実施例6 市販のシリカ−アルミナ(SiO2 82%、Al2 3
13%、比表面積400m2 /g)の円柱状成形品
(3.2mmφ×3.2mmL)を乾式粉砕し、目の粗
さが、1.7mmおよび0.85mmのふるいにて分級
し、1.7〜0.85mmの粒径を有するシリカ−アル
ミナ粒を得て、これを92g秤量した。また、Cu(N
3 2 ・3H2 O 30.4gを秤量し、蒸留水で溶
解することにより、45重量%の硝酸銅水溶液を調製し
た。この水溶液に、秤量したシリカ−アルミナを加え、
50〜80℃に加熱して硝酸銅を含浸させた。次いで、
乾燥炉にて100℃で水分を蒸発させた後、500℃で
3時間焼成し、硝酸を分解除去することにより、8重量
%の銅が担持されたシリカ−アルミナ粒を得た。また、
市販のヘテロポリ酸(P(0.6%)、Mo(23.5
%)、Cs(5.8%)、SiO2 (47.2%)、比
表面積90〜100m2 /g)を乾式粉砕し、目の粗さ
が、1.7mmおよび0.85mmのふるいにて分級
し、1.7〜0.85mmの粒径を有するヘテロポリ酸
粒を得た。銅担持シリカ−アルミナ粒58mLと、この
ヘテロポリ酸粒58mLとを混合することにより、銅担
持シリカ−アルミナ−ヘテロポリ酸の混合触媒を得た。
【0050】実施例7 市販のMFI型ゼオライト(比表面積360m2 /g)
を、押出成形した後、さらに切断することにより、1.
6mmφ×7mmLのペレット形状として成形し、これ
を乾式粉砕し、目の粗さが、1.7mmおよび0.85
mmのふるいにて分級し、1.7〜0.85mmの粒径
を有するゼオライト粒を得て、これを92g秤量した。
また、Cu(NO3 2 ・3H2 O 30.4gを秤量
し、蒸留水で溶解することにより、45重量%の硝酸銅
水溶液を調製した。この水溶液に、秤量したゼオライト
を加え、50〜80℃に加熱して硝酸銅を含浸させた。
次いで、乾燥炉にて100℃で水分を蒸発させた後、5
00℃で3時間焼成し、硝酸を分解除去することによ
り、8重量%の銅が担持されたゼオライト粒を得た。ま
た、市販のヘテロポリ酸(P(0.6%)、Mo(2
3.5%)、Cs(5.8%)、SiO2 (47.2
%)、比表面積90〜100m2 /g)を乾式粉砕し、
目の粗さが、1.7mmおよび0.85mmのふるいに
て分級し、1.7〜0.85mmの粒径を有するヘテロ
ポリ酸粒を得た。そして、銅担持ゼオライト粒58mL
と、このヘテロポリ酸粒58mLとを混合することによ
り、銅担持ゼオライト−ヘテロポリ酸の混合触媒を得
た。
【0051】比較例1 市販の銅系触媒(CuO37%、比表面積40m2
g)の円柱状成形品(3.2mmφ×3.2mmL)を
乾式粉砕し、目の粗さが、1.7mmおよび0.85m
mのふるいにて分級し、1.7〜0.85mmの粒径を
有する銅系触媒粒を得て、これを26g秤量した。ま
た、市販のγ−アルミナ(比表面積200m 2 /g)の
円柱状成形品(3.2mmφ×3.2mmL)を乾式粉
砕し、目の粗さが、1.7mmおよび0.85mmのふ
るいにて分級し、1.7〜0.85mmの粒径を有する
アルミナ粒を得て、これを64g秤量した。そして、銅
系触媒粒およびアルミナ粒を混合することにより、銅−
アルミナの混合触媒を得た。
【0052】評価 実施例1〜7および比較例1の触媒がそれぞれ充填され
たガス流通式の反応装置を用いて、下記の条件によりジ
メチルエーテル(DME)を改質した。反応装置から流
出した成分を分析することにより、水素濃度(体積
%)、一酸化炭素(CO)濃度(体積%)およびDME
改質率(%)を求めた。その結果を表1に示す。なお、
表1には、銅の使用量(g)および触媒体積(mL)を
併せて示す。
【0053】反応装置条件: DME(気体)流量:0.5L/min H2 O(液体)流量:3mL/min 床内温度 :350℃
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように、実施例1〜7
は、比較例1に比べて、銅の使用量に対する水素濃度の
割合が高くなっていることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のジメチルエ
ーテル改質触媒は、ジメチルエーテルを改質して水素リ
ッチな混合ガスを得るための触媒として有効に用いら
れ、このジメチルエーテル改質触媒の存在下において、
ジメチルエーテルを改質すれば、水素濃度の高い混合ガ
スを得ることができる。
【0057】そして、このような本発明ジメチルエーテ
ル改質触媒が、改質装置において用いられている燃料電
池装置では、水素濃度の高い混合ガスを燃料ガスとして
燃料電池に供給することができるので、燃料電池におい
て、効率のよい発電を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての燃料電池装置を示
す全体構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池装置 2 改質装置 4 燃料電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 3/32 C01B 3/32 Z 3/40 3/40 C07C 29/10 C07C 29/10 31/04 31/04 43/04 43/04 D H01M 8/06 H01M 8/06 G // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G040 EA01 EC01 EC08 4G069 AA03 BA01A BA01B BA02B BA03A BA03B BA04B BA07A BA07B BA45A BC06B BC29A BC31A BC31B BC59B BD07A BD07B CC32 4H006 AA02 AC41 BA05 BA14 BA16 BA18 BA35 BA68 BA71 BA75 FE11 4H039 CA60 CG30 5H027 AA06 BA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金
    属が担持されている固体酸と、固体強酸とが含有されて
    いることを特徴とする、ジメチルエーテル改質触媒。
  2. 【請求項2】 固体酸が、活性アルミナ、シリカ−アル
    ミナ、ゼオライトからなる群から選ばれる1種以上であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のジメチルエーテ
    ル改質触媒。
  3. 【請求項3】 固体強酸が、固体化リン酸および/また
    はヘテロポリ酸であることを特徴とする、請求項1また
    は2に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  4. 【請求項4】 銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金
    属が担持されている固体酸、および、固体強酸が微細な
    形状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    に記載のジメチルエーテル改質触媒。
  5. 【請求項5】 銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金
    属が担持されている固体酸、および、固体強酸の粒径が
    2mm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のい
    ずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒。
  6. 【請求項6】 銅または銅と1種以上の銅を除く遷移金
    属が担持されている固体酸と、固体強酸との体積比が
    1:3〜3:1の範囲にあることを特徴とする、請求項
    1〜5のいずれかに記載のジメチルエーテル改質触媒。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のジメチ
    ルエーテル改質触媒が用いられ、ジメチルエーテルを改
    質することにより混合ガスを得る改質装置と、得られた
    混合ガスが、燃料ガスとして供給される燃料電池とを備
    えていることを特徴とする、燃料電池装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006046319A (ja) * 2004-06-30 2006-02-16 Jfe Holdings Inc 廃熱回収装置、廃熱回収システム及び廃熱回収方法
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JP2017533971A (ja) * 2014-11-17 2017-11-16 中国科学院大▲連▼化学物理研究所Dalian Institute Of Chemical Physics,Chinese Academy Of Sciences ギ酸メチルとジメチルエーテルの併産方法
JP2017534659A (ja) * 2014-11-17 2017-11-24 中国科学院大▲連▼化学物理研究所Dalian Institute Of Chemical Physics,Chinese Academy Of Sciences ぎ酸メチルの製造方法

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