JP2001095829A - 保護手袋 - Google Patents

保護手袋

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JP2001095829A JP28143099A JP28143099A JP2001095829A JP 2001095829 A JP2001095829 A JP 2001095829A JP 28143099 A JP28143099 A JP 28143099A JP 28143099 A JP28143099 A JP 28143099A JP 2001095829 A JP2001095829 A JP 2001095829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】快適に着用でき、確実に着用者の手に取り付け
て指の運動を規制する保護手袋を提供する。 【解決手段】外側にメッシュシート12が設けられ平た
い袋状の手挿入部16と、この手挿入部16の片面に取
り付けられた手のひら大の弾性部材26と、手挿入部1
6の開口部の縁周部に一周して取り付けられた合成樹脂
製の一方向性のベルト22が設けられている。弾性部材
26は、難燃性、防炎性の布やシートで包まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、痴呆性の患者や
脳障害を有する患者等の手に着用し、手の動作や運動を
規制する保護手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば痴呆性老人は、自分でおむ
つを取り外したり、おむつ内に手を入れたり弄糞行為を
することがある。また、徘徊癖のある老人は、ドアや戸
を開けて一人で外へ出ることがあった。そこで、このよ
うな場合に老人の手に着用し、指の動きを規制して弄糞
行為やドアの開け閉めを防ぐ保護手袋があった。このよ
うな手袋としては、実開昭63−143319号公報に
開示されている被看護人用安全手袋があり、この手袋
は、手袋の内側平部に物の握持を妨げる平板体を設け、
この平板体の背部に手挿入部が設けられている。手挿入
部の挿入口には布製のベルトが一周して設けられてい
る。そして、この手袋を着用すると、この平板体が手の
運動を妨げ、物を握ることが容易にできなくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場
合、手挿入部は布や皮の甲部袋部で設けられているため
通気が不十分で、汗をかいたり雑菌が繁殖するおそれが
あった。また、布製のベルトは、長時間使用した場合繊
維の特性上伸び縮みがあり、次第に緩んでくるという問
題があった。また、着用者はこの手袋を外そうとするこ
とが多く、自身の歯でかじりベルトをちぎってしまうこ
とがあった。そして、手挿入部は、指の仕切が無いため
手袋内部で手を回転させることがあり、平板体が手の甲
側に位置すると指の運動がしやすくなり、手袋の平板体
の効果が薄くなるものであった。
【0004】この発明は上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、快適に着用でき、確実に着用者の手に
取り付けて指の運動を規制する保護手袋を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、外側にメッ
シュシートが設けられ平たい袋状の手挿入部と、この手
挿入部の片面に取り付けられた手のひら大の弾性部材
と、上記手挿入部の開口部の縁周部に一周して取り付け
られた合成樹脂製の一方向性のベルトが設けられている
保護手袋である。また、上記弾性部材は、難燃性、防炎
性の布やシートで包まれているとよい。
【0006】また、上記弾性部材は、スポンジ状のもの
や、合成樹脂製の細い繊維状材が多数互いに連結されて
板状に形成されたものである。さらに、合成樹脂製の枠
体に、細い柔軟突起が多数設けられ一面に密に形成され
ているものでもよい。そしてこの枠体に、手のひらに対
向するように突起が設けられ、この突起によりマッサー
ジ効果を有するものでもよい。
【0007】この発明の保護手袋は、指が内側に曲がる
運動を板状の弾性部材が妨げることにより、物を握る等
の行為を防ぐ。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面に基づいて説明する。図1,図2はこの発明の第
一実施形態の保護手袋10を示すもので、外側メッシュ
シート12と内側メッシュシート14を設け、互いに端
縁部を縫い合わせて袋状の手挿入部16が形成されてい
る。外側メッシュシート12と内側メッシュシート14
は例えばナイロン等で作られ、着用者の力では破ること
ができない丈夫なものである。外側メッシュシート12
と内側メッシュシート14の一端部は縫い残されて開口
部17となり、この開口部17の周縁部には、筒状の手
首部18が取り付けられている。
【0009】手挿入部16には、開口部17と反対側の
端縁部心付近に布製の指当て19が、指に沿うように設
けられている。指当て19は、その一側縁部が外側メッ
シュシート12に、他方の側縁部が内側メッシュシート
14に各々縫いつけられている。
【0010】手首部18は、防炎加工され柔軟性を有す
る布等で形成され、手首部18にはベルト通し20が手
首の内側と外側に各々取り付けられている。一対のベル
ト通し20には、ナイロン等の合成樹脂製の一方向性ベ
ルト22が設けられている。ベルト22の一端部には係
止部23が設けられ、ベルト22の先端部22aを係止
部23に挿通し適度なループ長になるまで引くだけで、
ベルト22の任意の位置に係止可能である。係止部23
は、ベルト22を一方向にのみ挿通し係止可能であると
ともに、逆方向には抜けないものである。ベルト22を
ゆるめる際は、係止部23の小さい突起23aを押し
て、ベルトの係止を解除してベルト22を引き抜くもの
である。なお、この突起23aは、簡単には操作できな
いものである。
【0011】内側メッシュシート14の裏面には、後述
するスポンジ26を入れる収容部24が、人工皮革シー
ト等で形成されている。この人工皮革シート等の収容部
24は難燃性材料であり、さらにその内側に断熱材が設
けられている。収容部24の内側には、板状の弾性部材
であるスポンジ26が設けられ、スポンジ26の厚みは
例えば3cmである。収容部24は、側面にファスナー
28が設けられ、開閉可能でスポンジ26を出し入れす
ることができる。
【0012】次にこの保護手袋10の使用方法について
説明する。手首部18から着用者の手を、手のひらが内
側メッシュシート14に向くように挿入し、中指の側面
を指当て19に当接させる。そしてベルト22を係止部
23に挿通し適度に締めて抜けないようにする。
【0013】この実施形態の保護手袋10によれば、板
状のスポンジ26が入っているため、痴呆性の老人に着
用して指の動きを規制する事ができ、むやみに物を掴ん
だり拾ったり、おむつの中に手を入れたり、おむつを外
したりする弄糞行為を防ぐことができる。また、徘徊癖
のある老人に着用するとドアや戸の開閉を防ぐことがで
き、また万一外へ出ても保護手袋10に黄色の反射板等
を付けることにより他人より識別されやすく、交通事故
の危険性を低くすることができる。そして、異物を口に
入れたり刃物を持つ等の危険な行為を防ぎ、熱湯による
やけどや、ガス、ライター、マッチなどによる火災の危
険を予防し、老人自身の安全と周囲の安心を得ることが
できる。そして、着用者が介護者等に暴力を振るって
も、スポンジ26がクッションとなって危害が介護者に
及びにくくなり、着用者の手も保護することができる。
【0014】さらに、保護手袋10は、手挿入部16が
適度な大きさの空間を有し、手指がある程度自由に動か
すことができ、手が硬直する心配がなく、軽量であるた
め着用者の負担が少ない。手挿入部16は外側メッシュ
シート12と内側メッシュシート14で設けられている
ため、通気性が良好である。また、スポンジ26は収容
部24のファスナー28から外して洗濯することがで
き、この点からも衛生的である。
【0015】また、収容部24の人工皮革シートは難燃
性材料であるため、ガスコンロやアイロンなど高温にな
ったものに触れても燃えにくく、安全である。
【0016】そして、ベルト22で簡単に手首に取り付
けることができ、また着用者自身では外すことが困難に
なっているため安全である。ベルト22は、伸縮性が無
く一方向性であるためゆるむことが無く、さらにベルト
22をベルト通し20に通すことにより着用者がかじっ
たりして破損することを防ぐことができる。
【0017】また、点滴や経管栄養などの管を抜いてし
まう人には、保護手袋10のベルト22にベルト22と
同形のベルト等の固定具を挿通し、ベッドの柵等に両手
首をワンタッチで固定することができる。手首などに直
接固定具を付けて固定するよりも痛みが少なく、着脱も
確実で簡単である。
【0018】また、保護手袋10は中指に当接する指当
て19が設けられているため、手挿入部16の中で着用
者の手が回転しない。そして、手のひらがいつもスポン
ジ26に向いているため、指を丸くする運動を防ぎ、保
護手袋10の効果が確実に作用する。
【0019】次にこの発明の第二実施形態について図3
に基づいて説明する。ここで上述の実施の形態と同様の
部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形
態の保護手袋30は、収容部24の中に、板状の弾性部
材32が設けられている。弾性部材32は、格子状の枠
体34を有し、枠体34の、手挿入部16と反対側の面
に薄くて細い柔軟突起である立上片36が多数本、一面
に密に形成されている。枠体34の反対側の面、つまり
手挿入部16側の面には、等間隔に比較的堅い突起38
が設けられている。
【0020】この実施形態の保護手袋30は、上記実施
形態と同様の使用方法で、同様の効果を有するものであ
る。そして、弾性部材32には手挿入部16側に突起3
8が突出して設けられているため、手のひらに突起38
が当接し、適度な刺激となる。また、弾性部材32はプ
ラスチックで作られ、通気性が良好で雑菌が繁殖しくく
衛生的である。
【0021】なお、この発明の保護手袋は、上記各実施
の形態に限定されるものではなく、素材等は自由に変更
可能で、ベルトやベルト通し、指当て等の数も変更可能
である。また各メッシュシートを複数枚積層して設け耐
久性を向上させてもよい。さらに、各メッシュシートや
その他の素材に、抗菌加工や防炎加工を施してもよい。
そして、この保護手袋の用途は、痴呆性の老人以外にそ
の他種々の脳神経傷害を有する患者等の保護にも用いる
ことができる。
【0022】
【発明の効果】この発明の保護手袋は、通気性が良好で
快適に使用することができ、痴呆等の患者に対して確実
に指の動作を規制し、問題行動の抑制を可能とするもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態の保護手袋の斜視図で
ある。
【図2】この実施形態の保護手袋の縦断面図である。
【図3】この発明の第二実施形態の保護手袋の縦断面図
である。
【符号の説明】
10 保護手袋 12 外側メッシュシート 14 内側メッシュシート 16 手挿入部 18 手首部 20 ベルト通し 22 ベルト 24 収容部 26 スポンジ 28 ファスナー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッシュシートで形成された袋状の手
    挿入部と、この手挿入部の片面に取り付けられ略手の大
    きさ程度の弾性部材と、上記手挿入部の開口部の縁周部
    に一周して取り付けられた合成樹脂製のベルトが設けら
    れていることを特徴とする保護手袋。
  2. 【請求項2】 上記弾性部材を収容した部分は難燃性
    材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    保護手袋。
  3. 【請求項3】 上記弾性部材は、合成樹脂製の枠体に
    細い柔軟突起が多数一面に密に設けられ、上記枠体に、
    手のひらに対向するように突起が設けられていることを
    特徴とする請求項1または2記載の保護手袋。
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