JP3134866U - 罹病者装着用手袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】 介護用のミトンを装着される多くの罹病者の手に、人の手の感触を与えることにより、拘束感によるストレスを解消し、大きな安心感を与えると共に、手指の機能維持やリハビリテーション機能をも発揮し得る新たな介護用の手袋を提供する。
【解決手段】 手首から手指の先までの動きを許容する内部空間11を確保した大きさの袋体1を形成し、その挿入口12側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段2を備えたものとする一方、当該袋体1の内部空間11奥部からは、その挿入口12側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手3が、同袋体1に対して着脱自在に組み込まれてなり、被装着者が該疑似手3を握ることにより、大きな安心感を得ることができ、不安感やストレスを解消し、危険行為や自傷行為および汚染行為などを未然に防ぐことができる罹病者装着用手袋である。
【選択図】 図3

Description

この考案は、罹病者の自傷行為や周囲への危険・迷惑行為、不潔行為などを防止する介護用品に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、特に罹病者の手・指を覆う拘束、および闘病その他様々な原因によるストレスを軽減可能とする手袋やそれに関連する部品、用具類、およびそれらの製造、保管、輸送、展示、販売に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材類、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
我が国は、人口の急激な高齢化や食生活の欧米化に加え、外食産業やコンビニエンスストアの深夜営業などによるライフスタイルの大きな変化などに影響を受け、高カロリー食や高脂肪食などの過剰な摂取、または、様々な社会環境の急速な変化に伴う過剰なストレスや運動不足などに起因して生活習慣病や要介護状態となる罹病者が増加し、深刻な社会問題となっている。
特に、救急医療や脳神経外科などの医療機関または各種介護施設などにおいて、重度の知的障害や意識障害をもつ罹病者を治療、看護あるいは介護する場合に、終日ベッドの上で過ごす苦痛に耐え兼ねた罹病者が、その肉体的、精神的痛苦をうまく訴えることができず、また、その必要性や危険性などを認識できずに点滴・経管栄養用チューブの針を勝手に抜き取ったり、排便後のおむつの中に手を入れたり、それを脱いでしまったり、あるいは、肌の乾燥や不快感による痒みのために皮膚を掻きむしったりなどといった行為ができないよう、手指の機能を制限するミトン型の手袋等を装着させるようにし、こうした自傷行為や周囲に対する迷惑行為、危険行為、不潔行為などを未然に防ぐ対処法が取られることがある。
しかしながら、このようにしてミトン型の手袋を装着されてしまった罹病者は、その症状や苦痛を直接的に表現する手段の一つを奪われてしまうと同時に、動かすことのできる手の自由を奪われてしまうことによって身体的・精神的自由を妨げられ、多大なストレスを受けることとなり、その状況は罹病者、およびそれに携わる家族や看護者または介護者などにも精神的負担を負わせるものとなっており、客観的に見ても、手袋を外してその痛苦を少しでも和らげてやりたいと沈思させられることが多く、これまで長い間、何か良い改善策はないものかとの疑問を抱かせられてきた。
(従来の技術)
そのような要望に少しでも応えようとして、例えば特開2001−73209号公報「拘束手袋」発明として提案されているもののように、親指と残りの四本の指とに分れるように二股に縫製した手袋の内部に、四本の指の裏側に当接する位置に握りバーを内装するようにし、該握りバーの両端を手袋に固定したものとすることにより、握りバーを握る状態で指が拘束され、皮膚を掻き毟ることによる皮膚病の悪化や、点滴のチューブ等を掴んで外そうとするのを防ぐことができ、被装着者は拘束されるというよりも、寧ろ自分の意思で握りバーを握る感覚となり、罹病者に閉塞感をあまり与えずに済み、握りバーを握ることによって安心感が得られ、よく眠れるようになって介護者の労力負担が軽減されるという効果を得るようにしたものや、実用新案登録第3004943号公報に開示されている「老人、痴呆性者及び介護者保護用手袋」考案のように、手先を丸くした指なしの手袋の小指沿いに握り棒交換用のファスナーを設け、当該手袋中には、握り棒にゴム紐を通したものを、手袋内で握れるよう、ファスナーとは反対がわに取り付けたものとしてベッドへの縛り付けが不要となり、罹病者のプライドが尊重されて束縛感や苦痛などから解放されるようにし、しかも介護者に対して物を投げたり、ひっかいたりするなどの行為を防止して安全な介護を実現できるようにしたものなどが散見される。
しかしながら、これら提案済みの「拘束手袋」発明や「老人、痴呆性者及び介護者保護用手袋」考案は、何れも介護用の手袋内に、握りバーや握り棒といった棒状の握持対象物を内蔵させ、介護用ミトンを装着された罹病者が、それを握ることによって少しでも不安感やストレスを解消できるようにすることを目的としたものであり、握るという行為によって相当の効果が得られるものとはなっているが、家族や恋人、友人などの人の手の感触や温もりが、罹病者の心を勇気づけたり、大きな安心感を与えたりする効果をもたらすのに比べれば、未だ改良の余地が残されていると云わざるを得ないのが実情であった。
(1)特開2001−73209号公報 (2)実用新案登録第3004943号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある「拘束手袋」発明や「老人、痴呆性者及び介護者保護用手袋」考案などでは、何れも手袋内に握りバーや握り棒を設け、罹病者はある程度のストレス解消効果を享受できるように配慮はしてあるものの、できることなら介護者が罹病者に常に寄り添い、手を差し伸べては頻繁に手を握り締めてあげ、罹病者にとって比較的自由な手を通じて意志の疎通を図り、少しでも安心感が得られるようにする環境を実現してこそ、不安の募る罹病者のための望ましい看護、介護体制がようやく整うとしなければならないことに鑑みれば、この程度の提案では殆ど気休めにしか過ぎず、その実効性を期待するには程遠い代物といわざるを得ないものであり、かといって、毎日24時間、誰かが付っきりで介護を続け、不安を取り除くために罹病者の手を握り続けてあげることなどは現実的に不可能であることから、こうした厳しい現状下の止むを得ない事情により、これら提案済みのものなどを含む、言わば機能優先の介護用手袋、即ち罹病者の意に全くそぐわないまま、手の動きを封じ込めるだけの手袋が使用し続けてきており、実際の看護する身に直面してみると、それら介護用手袋を必要とする罹病者のために、その改善策は焦眉の急を要する事態になっていることを痛感する。
(考案の目的)
そこで、この考案は、介護用手袋(即ち、介護用のミトン)を装着されてしまう多くの罹病者が、その手に誰かの手の感触を享受できるようにして拘束感に起因するストレスをでき得る限り解消し、手を通じた安心感を得て療養に専念できる環境を整えてあげるようにすると共に、併せて手指の機能維持やリハビリテーション機能をも発揮し得るようにした新たな介護用の手袋の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手して長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の罹病者装着用手袋を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の罹病者装着用手袋は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさの袋体を形成し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとする一方、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれてなるものとした構成を要旨とする罹病者装着用手袋である。
この基本的な構成からなる罹病者装着用手袋を換言すると、手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさであって通気性、柔軟素材製の袋体を形成し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとする一方、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の手袋型に形成され、その手首がわ開口を、当該袋体の外側に開放し、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構を設けて開放可能とした疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれ、外部から該疑似手を手袋状に装着し、袋体の被装着者と握手可能、および、形状維持用の充填物を着脱自在に装填可能なものとした構成からなる罹病者装着用手袋となる。
更に表現を変えて示すと、手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさの袋体を形成し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとする一方、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれ、当該疑似手の内部には、同疑似手手首がわ開口を、当該袋体の外側に開放し、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構を設けて開放可能とした空隙部を形成し、該空隙部内に小型の発熱体、冷却体、吸湿体、加湿体、駆動体などの機能性装填体を単独、または適宜組み合わせて収容、可能なものとした罹病者装着用手袋となる。
以上のとおり、この考案の罹病者装着用手袋によれば、手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさの袋体を形成し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとする一方、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれてなるものとし、罹病者の手に当該罹病者装着用手袋を装着し、仮固定手段によって確りと固定した状態にすると、手袋袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状に組み込まれた疑似手が被装着者の掌に対応する配置関係となって、丁度握手するように握り締めることが可能となり、しかも、その疑似手は、人肌様柔軟素材で形成してあるため、罹病者は、握り締める対象が全くないか、有っても精々棒状の対象物が設けられているだけといった従来型のミトンを装着された場合に比較し、擬似手とはいえ、人の手により近い感触と配置とに考慮されていることから大きな安心感を得ることができ、袋体装着によるストレスを大幅に軽減し、点滴・経管栄養用チューブの針を勝手に抜き取ったり、排便後のおむつの中に手を入れたり、脱いでしまったり、あるいは、肌の乾燥や不快感による痒みを解消しようと皮膚を掻きむしったりするなどの危険行為や不潔行為を防止できると共に、介護者に対して物を投げたり、引っ掻いたりするなどといった厄介な行為も阻止して安全な介護を実現可能とすることができる上、人肌様柔軟素材製の疑似手を握ることによる癒し感で深い睡眠を得て病状を好転させることができ、しかも疑似手を握ったり、放したりする行為によって手・指の血行や筋力の強化を促し、リハビリテーション機能をも発揮し得ることになるなどといった数々の秀れた特徴が得られるものである。
加えて、罹病者装着用手袋の疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれたものとしてあり、形状の複雑な該疑似手を袋体から頻繁且つ簡単に取り外して個別に洗浄、消毒することにより、体力の低下している罹病者に感染症などを生じさせないよう適正に衛生管理することができるようにしてあると共に、人肌様柔軟素材製の疑似手を手袋型に形成し、その手首がわ開口を袋体の外側に開放しただけのものとするか、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構を設けて開放可能としてあり、看護者や介護者などが、当該開口を通じて疑似手内に手を挿入、装着状となし、罹病者(袋体被装着者)の手を握ってマッサージするなどの行為を実施可能として確実なリラックス効果とリハビリテーション効果とを実現化するようにできる上、同開口から当該疑似手内に形状維持用の充填物を着脱自在に装填し、人肌様の柔軟状態に維持可能として施蓋機構を閉鎖できるようにし、看護者や介護者などが居合わせなくて人の手が挿入されていないとしても本当の手の感触と形状とを維持可能とし、罹病者が十分な安心感を得ることができるという効果を奏するものとなる。
また、当該疑似手の内部に空隙部を形成し、該空隙部内に小型の発熱体、冷却体、吸湿体、加湿体、駆動体などを単独または適宜組み合わせて収容可能なものとし、疑似手内部の空隙部中に小型の発熱体を装着し得るようにしたものでは、冬期など手・指が悴む季節や、罹病者の体温を上昇させたいときなどに、手・指を温めて血行を促進させることが可能となり、また、発熱体に換えて冷却体を装着すれば、夏季や病状などによって体温が上昇し過ぎている場合に、効果的に手・指を冷却して体温の管理を可能とし、同様に吸湿体を装着したものにすると、掌の汗や湿気を除去し、蒸れやそれに伴う皮膚疾患などを予防して手袋内の快適な環境を維持することができ、あるいは、加湿体を装着すると、高齢者や乾燥肌体質などの罹病者の手・指を湿潤状態に保ち、異常な乾燥による皮膚疾患や損傷を防ぐことができ、同様に駆動体を装着するようにしたものでは、罹病者の手・指に振動や伸縮、屈伸など様々な異なる刺激を加え、マッサージ効果による血行促進やリハビリテーション効果などを実現化することが可能となり、さらに、それらを罹病者の症状や看護環境などに合わせて適宜、組み合わせれば、同一構造の手袋によって多様な罹病者の各の症状や容態に最も適した条件を整えて対応することができるものになるという秀れた効果が得られるものとなる。
そして、罹病者装着用手袋袋体内面の、少なくとも被装着者である罹病者の掌が接触する範囲に亘って内装用ポケットを形成すると共に、該内装用ポケット内に低反発素材製のクッションパッドまたは樹脂製ビーズの適量が交換自在に装填されてなるものでは、その肉厚状の構造により、被装着者が袋体を介してドアノブや点滴・経管栄養用チューブなどの周辺物品類を全く把持できないよう、より完全に保護することができるようになると共に、手指の一部に荷重が集中的に加わり、それによる不快感や痛み、血行不良や痺れ、褥瘡などの発生を確実に防止できるようにすることができるという利点が得られる。
罹病者装着用手袋の疑似手を通気性・吸湿素材からなるものとすれば、罹病者が長時間に亘って握手の状態を継続したときでも汗やそれによる蒸れを解消し、手・指の皮膚を保護して快適な装着状態を維持することができ、また、疑似手をシリコン樹脂からなるものとした場合には、他の素材によるものに比較して遥かに人肌に近い触感を得ることができ、しかもアレルギー症状の発生を高い確率で防止することができ、さらに、この疑似手を、その内部に関節を有する硬質な骨格か、または、関節を持たないで弾力性ある骨格かなどの罹病者を配慮した骨格を内臓、一体化もしくは着脱自在に内蔵させてなるものとしたものでは、柔らかな疑似手中に骨格の感触が得られ、より人の手に近い触感のものとなり、罹病者の安心感を一段と大きなものとすることができる上、骨格の関節またはその柔軟性を利用して手指の形や姿勢を様々に変形させることによって罹病者の握り疲れや飽きといった問題を解消し、無理なく長期的な利用を可能なものとすることできる。
また、この疑似手の内部に内蔵した骨格を、マッサージ作用が得られるよう握り方向と開放する方向とに、交互に所定時間毎に動作可能なものとした上、その駆動機構、駆動源ならびに制御部を、内蔵および/または袋体の外部がわ適所に装着してなるものとした場合には、被装着者である罹病者が一方的に疑似手を握って人の手の感触を得るに留まらず、実際に付き添い、看護する人の手によって握り返されているような現実味のある感覚を得ることができ、罹病者装着用手袋の装着によって誘起される疎外感や孤独感などの感情を軽減もしくは消滅する効果を発揮でき、更に、マッサージ作用が得られるような微弱な振動を所定時間に亘って発振可能とする発振機構、駆動源ならびに制御部を内蔵および/または同袋体の外部がわ適所に装着して当該骨格にそれら振動が伝達し得るようにしたものでは、直接看護者や看護者が罹病者の手を取ってマッサージを行わなくとも、被装着者の手に適度な微弱振動を所定時間に亘って自動的に伝えることが可能となり、手指の血行を促進したり、リハビリテーション効果を高めることができるものとなる。
そして、罹病者によって握手される範囲内の疑似手適所に制御部としての圧力スイッチを設け、この圧力スイッチが駆動源を起動するものとなし、被装着者である罹病者の握力を検知したときに、骨格用の駆動機構および/または発振機構の双方または何れか一方を自動的に起動させ、握力が検出されなくなったときに、それまで動作していた駆動機構および/または発振機構の双方または何れか一方を自動的に停止するよう設定してなるものでは、疑似手の振動や駆動を一方的に出力するのではなく、罹病者が発揮する握力に応答して駆動機構および/または発振機構の双方または何れか一方を起動するようにしてより生体に近い反応を発生し、罹病者の安心感をより一層高め得るものとなって秀れたリハビリテーションを自動的に実施可能にするという効果が得られる。
さらにまた、この疑似手は、その前腕がわとなる箇所に、ベッドフレームなどの周辺適所に着脱自在に仮固定可能とする仮着手段を組み込んでなるものとしておき、罹病者装着用手袋から取り外した当該疑似手だけを、単独でベッドのフレームやベッドガードなどといった安定した物に仮固定するようにし、罹病者装着用手袋の装着を必要としていないものの、心身的に疲弊していて何らかの癒しを必要としているにも拘わらず、介護者や看護者が常時付き添うことができない医療管理体制下にある罹病者や、身寄りがなくて付添人が居らず、孤独感や孤立感に苛まされている罹病者などといった場面に、それら罹病者が、身近に設置してある当該疑似手(罹病者装着用手袋から取り外して単独使用状態としたもの。)を握ることによって心身の辛苦を癒し、心を安定させて深い睡眠を得たり、効果的な療養を実現したり、リハビリテーションに応用したりするなどの活用も可能なみのであり、単に手の保護を必要とする罹病者の使用に止まらず、より多くの病状や医療環境の改善に役立つ幅広い看護あるいは介護用の罹病者装着用手袋になるという大きな特徴を備えている。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
罹病者装着用手袋の袋体は、被装着者である罹病者の手・指を十分な内部空間をもって覆い、身の回りにある、例えばドアノブや蛇口など他物を把持したり、爪で引っ掻くなどの様々な危険行為や迷惑行為、自傷行為、不潔行為などをできなくするよう被覆すると共に、被装着者の手指を他物との干渉から安全に保護、可能とする機能を果たすものであり、手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさに設定し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとし、内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手を着脱自在に組み込み可能なものとしなければならず、より具体的には、綿、絹、麻、毛などの天然繊維、ビスコースレーヨン、ポリノジック、キュプラ(登録商標)などの再生繊維、アセテートレーヨンなどの半合成繊維、または、ポリエステル、アクリル、ポリアミドなどの合成繊維、あるいは、それらの繊維織物を紡績、縫製、編製、接着する外、通気性を確保した合成樹脂製のフィルム、シート、不織布、補強された紙などを縫製または溶着、熔着、接着剤による接着などによって製造したものとすることなどが可能であり、それらにメッシュ状や多数の小孔を形成したもの、さらにまた、鞣した皮革や、その皮革に多数の小孔を形成して通気性を高めたものを縫製または接着したものなどとすることができる。
また、この袋体は、その内面の少なくとも被装着者の掌が接触する範囲に亘り、内装用ポケットを形成すると共に、該内装用ポケット内に低反発素材製の発泡ポリウレタンやフェルトなどからなるクッションパッド、または、発泡ポリスチレン製ビーズ、低反発ポリウレタンチップなどの適量が交換自在に充填されたものとすることができ、ビーズやチップのように漏出し易い素材を充填する場合には、該内装用ポケットの開口にファスナーや面ファスナー、釦などによる開閉機能を付与したものとするのが望ましい。
上記袋体に装備する仮固定手段は、被装着者である罹病者の手に装着した当該罹病者装着用手袋の挿入口側を、同前腕の手首付近か、または手首から肘に至る付近かの何れかに着脱自在に装着可能とすると共に、同罹病者が、左右両手の夫々に当該手袋を装着した場合には、罹病者本人が自ら、同手袋を取り外すことができないよう固定され、介護者または看護者などの周囲の介助(被装着者以外の他者)によってのみ取り外すことができるよう仮固定可能とする機能を果たすものであり、手袋の挿入口から前腕に沿ってスリットを形成し、手首付近周りを覆うよう重ね合わせられる部分間に、面ファスナーや仮留め位置を調節可能とするよう複数設けられた釦、ホックなどを設けたものとすることができる外、十分な強度および寸法をもって腕回りに巻き付け可能としたバンドの基端を、手袋の挿入口付近に一体化するか、または、別体のものとして装着可能なものとするかの何れかとし、該バンドの先端がわと、手首周りに巻き付けた場合に対応する同ベルト基端がわとの夫々に、面ファスナーまたはバックル、複数個の釦、ホックなどの一般的な留め金具類を組み込み、腕周り長さを調節して仮固定できるものとすることが可能であり、さらにまた、被装着者以外の他者による特定の施・解錠操作によってのみ施・解錠可能な施錠機能を有する留め金具類を、腕周り長さの調節が可能になるように設けたものとすることが可能である。
この袋体内に組み合わせることとなる疑似手は、当該罹病者装着用手袋の使用対象となった罹病者が、同手袋内で外部から隔絶状になっている手・指による把握の対象物とするもので、手首から各指差先までの掌形状に形成されていて、手袋内に拘束状となっている罹病者の手で握手状に握持可能とする機能を果たすものであり、人肌様柔軟素材製のものとし、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状に形成され、同袋体に対して着脱自在に組み込まれてなるものとしなければならず、その手首がわ開口を当該袋体の外側に開放し、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構を設けて開放可能とした疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれ、被装着者である罹病者以外の家族や付添人、看護者、介護者などが、自分の手を外部からこの疑似手の中に手袋状に挿入、装着し、同袋体内の中で窮屈な思いをしている罹病者の手と握手可能としたり、そうできないときには、形状維持用の充填物を着脱自在に装填可能なものとする外、当該疑似手の内部に、同疑似手手首がわ開口を袋体の外側に開放するか、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構を設けて開放可能にするかした空隙部を形成し、該空隙部内に小型の発熱体、冷却体、吸湿体、加湿体、駆動体などの機能性充填物を単独または適宜組み合わせによって収容可能なものとすることができる。
さらに、この疑似手は、少なくともその表面層を天然繊維や再生繊維、半合成繊維、合成繊維などの繊維によるものとするか、または、連続気泡構造の多孔質発泡ウレタン樹脂や多孔質シリコン樹脂などの通気性・吸湿素材製によるものとするのが望ましく、その内部に関節を有する硬質な骨格か、または、関節を持たないが弾力性のある骨格かの何れか一方を、内蔵一体化もしくは着脱自在に内蔵するようにしたものとする外、後述する実施例にも取り上げてあるように、当該袋体から取り外して単独使用するようにしたものとすることも可能であり、その場合には、前腕がわに、ベッドのフレームやベッドガードなどの適所に固定可能な取着手段を、一体のものとしてか、または脱着自在な別体ものとするかの何れか一方によるものとして装備するようにし、当該袋体に組み合わせていない状態で、それら取着手段によってベッドフレームなどに仮固定して単独利用する。
なお、この単独使用を考慮した取着手段は、当該疑似手を元どおりに袋体内に所定の如く組み込み、使用する場合の、袋体への取着手段も兼用可能なものとすると極めて好都合のものとなる。
上記した疑似手内に組み込む場合のある骨格は、人肌様柔軟素材製とする疑似手主要部(疑似手外郭部分)とは異り、それよりも硬質で人の手の骨格状をなす、言わば中芯とするものであり、被装着者である罹病者が疑似手を握持したときに、できるだけ本物の人の手を握り締めているという実感が得られるよう、その触感を改善する機能を果たすものであり、人体の手と同様の部分に抵抗感を伴って折り曲げ可能な関節を有するものとしたり、骨格全体を、繰り返しの屈曲操作可能な弾性変形素材、例えば針金やワイヤー製のものとし、折り曲げ調節された任意の姿勢を、或る程度の外力を受けるまで維持できるようにしたものとしたり、同疑似手中にインサート成型されたものとすることができる外、疑似手中に成型してある差込み穴に着脱可能に挿入、装着可能なものとしたりすることができる。
また、この骨格を、握り方向と開放する方向とに交互に所定時間毎に動作可能とする駆動機構、駆動源ならびに制御部を内蔵するか、および/または袋体の外部がわ適所に装着可能なものとして形成することもでき、その場合の駆動機構は、ワイヤーの牽引によるものや、無端状ベルトや無端状ワイヤーとプーリーの組み合わせるか、複数のギヤを組み合わせたギヤボックスやカム機構、バルーンに圧縮気体や液体を注入、放出させる流体機構などとし、また駆動源は、それらを駆動可能なモーター、電池、バッテリー、ポンプ、コンプレッサまたはボンベなどとし、制御部は、駆動機構を起動、停止可能なスイッチ回路や、駆動機構が発揮する握力や反復駆動の速度などを、時間の経過または一定の条件に基づいて自動制御可能とするマイクロコンピュータやリレー回路といった制御回路などとするようにし、これら駆動機構、駆動源および制御部が様々に組み合わせてアクチュエータとして作用させるものとすることができる。
更にまた、この骨格は、それ自体が微弱な所定周波数の振動を所定時間に亘って発振可能とする発振機構、駆動源ならびに制御部を内蔵するか、袋体の外部がわ適所に装着されるようにしたものとして形成することも可能であり、これによる場合、発生する振動の周波数は、低周波から高周波または超音波などの快適さの得られる微弱な振動を発生するものとし、発振機構は、後述する実施例にも示すような、小型モーターに偏心錘を装着した発振機の外、圧電素子、ソレノイド、形状記憶合金などを用いたアクチュエータおよび発振回路などとし、駆動源は、これら何れかの発振機構を駆動するのに必要な電池、バッテリー、ポンプ、コンプレッサまたはボンベおよびバルブ機構などとし、制御部は、駆動機構を起動、停止可能なスイッチや、駆動機構を時間の経過または一定の条件に基づいて起動、振動の強弱や周波数の制御、停止などを実現、可能な制御回路やスイッチ回路などとすることが可能である。
また、この疑似手は、被装着者となる罹病者によって把持できる範囲内の適所に制御部としての圧力スイッチを設け、この圧力スイッチが駆動源を起動するものとなし、罹病者の握力を検知したときに、骨格用の駆動機構または発振機構の何れか一方を自動的に起動させ、握力が検出されなくなったときに、それまで動作していた駆動機構または発振機構の何れか一方を自動的に停止するものとすることができ、該圧力スイッチは、後述する実施例に示すように、小型、薄型のプッシュ型モーメンタリースイッチやオルタネートスイッチ、ピエゾ素子やピエゾフィルムまたは歪みゲージなどの圧電素子に、検出信号の増幅と検知信号によって起動、停止可能なスイッチ回路を組み合わせたものなどとすることが可能であり、その場合、同圧力スイッチは、疑似手の適所に複数個点在状に配置させたものとするのが望ましく、また、当該駆動源は、モーターや電池、バッテリー、ポンプ、コンプレッサまたはボンベおよびバルブ機構など公知のあらゆる手段によるものとすることができる。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の罹病者装着用手袋の正面図、図2の罹病者装着用手袋の側面図、図3の被装着者である罹病者の手に装着した罹病者装着用手袋の正面図、および、図4の罹病者の手に装着した罹病者装着用手袋の側面図に図示される事例は、手首から手指の先までの動きを許容する内部空間11を確保した大きさの袋体1を形成し、その挿入口12側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段2を備えたものとする一方、当該袋体1の内部空間11奥部からは、その挿入口12側に向けて突き出し状としてなる人肌様柔軟素材製の疑似手3が、同袋体1に対して着脱自在に組み込まれるようにした、この考案の罹病者装着用手袋における代表的な一実施例を示すものである。
なお、この考案における罹病者装着用手袋は、右手専用のものと左手専用のものとが夫々存在し、それらは互いに左右の構造が対象形状に設定されたものであって基本的に同一の構造となるものであることから、この実施例では、右手専用の罹病者装着用手袋についてだけ示し、左手専用のものの説明を省略する。
この実施例で例示する右手専用の罹病者装着用手袋は、図1および図2中に示すように、標準的な大人(男性または女性)もしくは子供の手首から手指の先までの動きを許容する内部空間11を確保した大きさに設定されており、例えば、大人の男性用の場合、横幅が120mmないし200mm、縦方向長さが300mmないし400mmであって、その縦方向の一端に形成された挿入口12の開口縁、周長さを250mm前後とするよう設定され、指先がわに対応する縁部が円弧状に裁断されてなるコットン製の表地と裏地とを合わせて周縁を縫合し、夫々が二枚重ねとされた表裏布地13,14を有し、罹病者の掌がわとなる裏布地14の内部空間11に面する内がわの略全面に亘り、内装用ポケット15を形成すると共に、その開口16を挿入口12がわに開放させ、当該内装用ポケット15内に、厚さ5mm前後の低反発発泡ポリウレタン製のクッションパッド17が交換自在に充填され、その挿入口12と、後述する疑似手3が装着される内部空間11奥部の一部とを除く表裏布地13,14の外周縁に、バイアステープ18を被着して縫合、一体化してなる袋体1を有している。
罹病者装着用手袋における袋体1は、その挿入口12付近の外側に、手首周りに巻き付け可能な長さと適切な幅寸法とに設定された、軽くて丈夫なポリエステルやポリアミドなどの合成繊維製のバンド21の基端、および、矩形リング型のバンド用金具22が共に縫着されており、当該バンド21の先端付近には、施・解錠可能な施錠機能を有するホック23が、同バンド21の基端寄りとなる範囲であって、所定長さ寸法毎となる複数箇所には、夫々ホック23を選択的に嵌着、可能とする受けホック24,24,24が設けられ、仮固定手段2を構成するようにしたものとなっている。
そして、この袋体1の内部空間11奥部であって、罹病者の親指が配置されるがわ寄りとなる適所からは、図1および図2中に破線で示すよう、人肌様の柔軟をもつシリコン樹脂成形品からなり、右手の手首から手指の先までを模した疑似手3が、その指先を挿入口12側に向けて傾けた姿勢で同内部空間11内に突き出し状となるよう内装してあり、同疑似手3の手首部分外周に形成された環状凹溝31が、当該袋体1の奥部、表裏布地13,14の周縁間に形成された嵌着口19に対し、着脱自在に嵌合、装着したものとしてある。
上記の疑似手3は、空洞部分の無いシリコン樹脂成形品から形成したものの他に、天然ゴムまたは合成ゴム製の手袋型に成型され、図2中に示すように、袋体1の外部に露出状となる手首断面部分にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの比較的硬質な合成樹脂、またはアルミニウム、黄銅、ステンレス、ブリキなどの金属などからなり、大人の掌を挿入、通過可能とする開口寸法に設定され、内周壁に雌ネジが刻設された口金具(図示せず)を設けた開口32を形成し、同様の素材製であって外周壁に雄ネジが刻設された蓋体(施蓋機構)33を着脱自在に設けたものとし、該蓋体33を取り外して看護者または介護者など罹病者以外のものの手・指を挿入可能なものとする外、内部に軟質または硬質の合成樹脂ビーズ、適度に加温されたお湯、あるいは粘性を有する液体などといった手の感触に良い充填物(図示せず)を適宜充填し、蓋体33によって密閉状に施蓋可能としたものとすることが可能である。
図5の疑似手内に機能性装填体を収容した罹病者装着用手袋の正面図に示される事例は、手首から手指の先までの動きを許容する内部空間11を確保した大きさの袋体1を形成し、その挿入口12側には、前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段2を備えたものとする一方、当該袋体1の内部空間11奥部からは、その挿入口12側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手3が、同袋体1に対して着脱自在に組み込まれ、当該疑似手3の内部には、同疑似手3手首がわ開口32を当該袋体1の外側に開放するようにするか、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構33を設けて開放可能になるようにした空隙部34を形成し、該空隙部34内に小型の発熱体、冷却体、吸湿体、加湿体、駆動体などの機能性充填物4を単独または適宜組合せで収容可能にしてなる、この考案の罹病者装着用手袋における他の一実施例を示すものである。
なお、この実施例における罹病者装着用手袋の疑似手3を除く袋体1は、前記図1および図2の実施例1に示したものと基本的に同一であって、疑似手3部分だけに変更を加えたものであることから、以下では、その疑似手3の構造について開示していくこととする。
この実施例の疑似手3は、同図5中に示すように、人肌様の軟質であってしかも多孔質シリコン樹脂成型品からなり、その掌肉厚内部に柱状の空隙部34が形成され、袋体1の外部に露出状となる手首断面部分に、該空隙部34の開口32を開放し、合成樹脂製の蓋体(施蓋機構)33を着脱自在に装着したものであり、その空隙部34内には、使い捨て懐炉、白金触媒懐炉、ゲル状保温剤利用の懐炉、電池式懐炉などの発熱体、保冷剤、蓄冷材などの冷却体、シリカゲル、高分子ポリマーなどの乾燥剤や繊維類などを用いた吸湿体、水分を吸収させた繊維や高分子ポリマーなどの加湿体、電動モーターまたは発振機および電池などを組み合わせた駆動体などの機能性充填物4を単独または適宜組合せで収容可能になっており、より具体的には、発熱体の発熱に空気の循環が不可欠な場合には、疑似手3自体か、蓋体33かの少なくとも一方に十分な通気性を持たせたものとし、また、吸湿体や加湿体を利用する場合には、疑似手3自体に通気性や水や油などの浸透性を持たせたものとする。
図6の疑似手内に骨格を内蔵した罹病者装着用手袋の正面図に示される事例は、手袋内の疑似手3が、その内部に関節を有する硬質な骨格か、または、関節を持たない柔軟性の骨格35,35,……かの何れか一方を、内蔵一体化もしくは着脱自在に内蔵されてなるものとした、この考案における罹病者装着用手袋の、更に他の一実施例を示すものである。
当該罹病者装着用手袋の袋体1に着脱自在に組み込まれた人肌様の軟質シリコン樹脂製疑似手3は、その掌および各指の内部に、人骨に似せて組み立てられた、なまし鉄線、銅線、ステンレスワイヤー、ピアノ線、形状記憶合金製の針金その他の金属線や、或る程度の塑性変形が可能で所望の形状に変形維持可能とする樹脂棒、樹脂パイプなどからなる骨格35,35,……が手首付近に設けられている肉厚フランジ状のベース36に、各基端を結合、一体化したものとしてインサート成型されたものとしてあり、それら骨格35,35,……は、ベース36を手首がわ外方向に引き抜くことにより、当該疑似手3から脱抜、分離することができ、また、再度疑似手3中に装着することが可能なものにしてある。
また、袋体1から取り外した疑似手3は、図7のクランプ金具を組み込んだ疑似手の斜視図中に示すように、そのベース36に対して、ベッドのフレームやベッドガード6などに着脱自在に固定可能な取着手段としてのクランプ金具37が、同クランプ金具37に一体に設けられたボールジョイントなどの自在継ぎ手38を介し、ボルト結合や施錠部品などといった適宜連結機構39を介して脱着可能なものとしてある。
図8のとおり、疑似手に発振機構が組み込まれた罹病者装着用手袋の正面図に示される事例は、この疑似手3が、その内部に関節を有する硬質な骨格か、または、関節を持たない柔軟性の骨格35,35,……かの何れか一方を、内蔵一体化もしくは着脱自在に内蔵すると共に、該骨格35,35,……からマッサージ作用が得られる微弱な振動を所定時間に亘って発振可能とする発振機構5、駆動源51ならびに制御部52を、内蔵および/または袋体1の外部がわ適所に装着してなるものとした、この考案における罹病者装着用手袋のさらに別の一実施例を示すものである。
この罹病者装着用手袋に着脱自在に組み込んだ疑似手3は、同疑似手3肉厚中に着脱可能に装着するようにした骨格35,35,……のベース36であって、袋体1の外側に向けられた側面に、その回転軸に偏心錘を装着したモーターを内蔵した発振機構5が固着され、該発振機構5の袋体1外側となる適所には、同発振機構5に電力を供給可能とするよう、乾電池を交換可能に内蔵した駆動源51を固着ならびに配設、接続したものとする一方、当該疑似手3の掌表面寄りとなる肉厚中には、制御部とするモーメンタリースイッチとしての圧力スイッチ52が埋設され、この圧力スイッチ52から同掌肉厚中を通って誘導するようにした配線を発振機構5と駆動源51とに接続し、該圧力スイッチ52に所定の圧力が加えられている間に亘って駆動源51から発振機構5に電力が供給され、内蔵モーターが駆動するようにしてある。
(実施例1の作用)
以上のとおりの構成で図1および図2中に示したこの考案の罹病者装着用手袋は、図3の装着過程にある罹病者装着用手袋の正面図、および、図4の装着を完了した罹病者装着用手袋の側面図に示すように、介護者または看護者は、罹病者の右手掌を袋体1のクッションパッド17がわに向けるよう、同挿入口12から装着するようにし、同図3および図4中に破線で示される疑似手3と握手するよう配置した後に、図4中に示すように、バンド21を袋体1挿入口12付近の外周がわから罹病者前腕周囲に巻き付け、その先端がわをバンド用金具22に通して折り返し、先端がわの施錠機能を有したホック23を、同バンド21基端がわの適切な締め具合となる箇所の受けホック24に嵌着、固定して確りと装着することが可能である。
同様に、罹病者の左手にも、図1および図2中に示した罹病者装着用手袋とは、左右の構造が対称形状となるよう形成された左手用の罹病者装着用手袋を、図3および図4中に示したのと同様に装着することにより、被装着者は、左右の手夫々で疑似手3(右手がわのみ図3および図4に示す)と握手することが可能となり、しかも袋体1によって左右両手指の自由な動きが防止され、自らはバンド21のホック23の施錠機能を解除することができない状態に維持されることとなる。さらに、図4中に示すように、裏布地14の内部空間11がわに形成された内装用ポケット15に装着したクッションパッド17は、疑似手3と握手した状態にある被装着者の手・指(同図4中に一点鎖線で示す)の一部に集中的荷重が加わらないよう、手・指に掛かる重量を分散、軽減する。
当該罹病者装着用手袋は、図1中に示す疑似手3を袋体1から取り外し、また、図2中に示す内装用ポケット15の開口16からクッションパッド17を簡単に取り外すことが可能であり、疑似手3、袋体1およびクッションパッド17の夫々を、個々の材質や形状に適した方法によって個別に洗浄、消毒することができ、従って部品交換や修理なども部品毎、個別に行うことを可能とする。
また、この実施例における罹病者装着用手袋は、その疑似手3が手袋型に形成され、看護者または介護者が、図4中に示したように、その開口32を通じて手・指を挿入し、疑似手3を介して被装着者と握手したり、内部空間11内の手・指をマッサージしたりすることが可能となり、また、疑似手3手首断面部分の同開口32を通じて発泡ポリウレタン製ビーズや、適度に加温されたお湯、あるいは粘性を有する液体などの充填物(図示せず)を充填し、同開口32、口金具(図示せず)の雌ネジに、蓋体(施蓋機構)33の雄ネジを螺合させ、閉鎖することにより、手袋型の疑似手3に人の手に近い感触を与えることが可能となる。
(実施例2の作用)
図5に取り上げた実施例の疑似手3内部に空隙部34を形成した罹病者装着用手袋の場合は、冬期などの手・指が冷たくなる環境下にある被装着者に装着すると共に、該疑似手3の空隙部34内に、使い捨て懐炉や白金触媒懐炉、ゲル状保温剤利用の懐炉、電池式懐炉などの発熱体を機能性充填物4として単独収容した上、蓋体(施蓋機構)33を着脱自在に装着し、被装着者の手・指を温めることが可能となり、発熱反応が低下し、または燃料が減少して発熱体4の発熱機能が低下したときには、被装着者への装着状態を維持したまま、袋体1外部から蓋体33を取り外して発熱体4の交換や給油、電池交換などを随時行った後、再度、蓋体33によって空隙部34を閉鎖して継続使用することを可能にしている。
また、この実施例の疑似手3空隙部34内には、発熱体4の外、保冷剤、蓄冷材などの冷却体、シリカゲル、高分子ポリマーなどの乾燥剤や、繊維類などを用いた吸湿体、水分を吸収させた繊維や高分子ポリマーなどの加湿体、電動モーターまたは発振機および電池などを組み合わせた駆動体などの機能性充填物4を単独で収容することができ、該機能性充填物4とする冷却体は、夏季や罹病者の発熱を解熱、治療する場合などに被装着者の手・指および体温を冷却、調節することができ、また機能性充填物4である吸湿体は、被装着者の手の蒸れを解消し、同加湿体は、罹病者の手・指の乾燥を防止するものとなり、機能性充填物4としての駆動体は、その機械的駆動や振動によって罹病者の手・指をマッサージすることになる。
そして、乾燥し易い冬期などにおいて疑似手3の空隙部34内に発熱体と加湿体とを組み合わせて収容すれば、被装着者の手・指を加温すると同時に、加湿して手・指皮膚の異常乾燥を防ぎ、さらに、駆動体を併用すると、加温とマッサージとを平行して行うことが可能となり、更にまた、湿度が高まる夏季や梅雨期などに、冷却体と吸湿体とを組み合わせて疑似手3の空隙部34内に収容すると、被装着者である罹病者の手・指を冷却し、発汗や蒸れなどによる不快感や皮膚疾患などを防止できる。
(実施例3の作用)
図6に示した実施例の罹病者装着用手袋は、その疑似手3の内部に関節を持たない、なまし鉄線や銅線、ステンレスワイヤー、ピアノ線、形状記憶合金製の針金その他の金属線や、塑性変形して所望の形状に変形、維持可能な樹脂棒、樹脂パイプなどからなる柔軟性の骨格35,35,……を設け、それら各骨格35,35,……の基端が、手首付近に設けられた肉厚フランジ状のベース36に結合、一体化してなるものであり、当該疑似手3を握持する罹病者に、骨骼を有する人の手・指により近い感触を与えることができ、しかも骨格35,35,……が老朽、破損したときには、ベース36を手首がわ外方向に引き抜き、骨格35,35,……だけを疑似手3から脱抜、分離して簡便に修理、交換することが可能となる。
また、図7の実施例のものでは、袋体1から取り外した疑似手3の骨格35,35,……、ベース36に、取着手段であるクランプ金具37を着脱自在に連結し、同クランプ金具37を介してベッドのフレームやベッドガード6に装着、仮固定することにより、罹病者装着用手袋の装着を必要としないが、付添人が不在のときや、身寄りの居ない罹病者などにとって、この疑似手3を握り締めて孤独感や不安感、ストレスなどを払拭するような利用が可能となり、しかも該クランプ金具37に一体に設けられたボールジョイントなどの自在継ぎ手38が、同図7中の白抜き矢印に示すように、この疑似手3を、人の手と同様に様々な角度にとなるように屈曲自在に支持できるものとなり、より違和感のない握持操作が可能となる。
(実施例4の作用)
実施例4として図8に示したものでは、袋体1内に組み込んだ疑似手3の骨格35,35,……のベース36に発振機構5および駆動源51を設け、疑似手3の掌表面寄りとなる肉厚中に制御部としての圧力スイッチ52を埋設してなる罹病者装着用手袋は、これを装着した罹病者が、疑似手3を把持して或る程度の力を込めて握り締めたとき、圧力スイッチ52が駆動源51からの電流を発振機構5に供給し、ベース36および骨格35,35,……を介して疑似手3の全体に微弱振動が発生し、握力を抜くまでの間に亘ってその罹病者の手・指をマッサージするものとなり、罹病者は、自分の手の操作力に反応して自動的に動き出す疑似手3の感触を楽しむことができる。
(実施例1の効果)
以上のような構成からなる実施例1の罹病者装着用手袋は、前記この考案の効果の項で記載の特徴に加え、図4中に示したように、その袋体1は、挿入口12付近の外側に、手首周りに巻き付け可能な長さと適切な幅寸法とに設定してなる軽くて丈夫なポリエステルやポリアミドなどの合成繊維製のバンド21の基端、および、矩形リング型のバンド用金具22を共に縫着し、該バンド21の先端付近に施・解錠可能な施錠機能を有するホック23を設け、同バンド21の基端寄りとなる範囲であって、所定長さ寸法毎となる複数箇所に、夫々該ホック23を選択的に嵌着可能とする受けホック24,24,24を設けてなる仮固定手段2を形成し、罹病者の両手に、左右夫々専用の罹病者装着用手袋を装着した場合には特に、被装着者自らが、この袋体1を取り外すことは略完全に不可能なものとなり、罹病者による周囲への危険行為や自傷行為、汚染行為などを確実に防止できる効果が得られるものとなる。
また、図1中に示したように、該疑似手3の手首部分外周に形成するようにした環状凹溝31が、同袋体1の奥部、表裏布地13,14の周縁間に形成された嵌着口19に対し、その疑似手3の弾性を利用して着脱自在に嵌合、装着してあり、当該疑似手3を袋体1の奥部に対し、単純な構造によって簡便に着脱することができ、罹病者装着用手袋の分解、洗浄や部品交換などを頻繁且つ迅速に行うことが容易になり、衛生的な管理を速やかに行うことができ、しかもシリコン樹脂成型品からなる疑似手3という複雑な形状と、洗浄剤の選択にも注意を要する柔軟で繊細な部品も、効率的に洗浄、メンテナンスすることが可能になり、介護者や介助者への作業負担を大幅に軽減することができるという効果を発揮するものとなる。
また、図4中に示したように、疑似手3が手袋型で大人の掌を通過できる開口寸法に設定し、内周壁に雌ネジが刻設された硬質合成樹脂製または金属製口金具(図示せず)を設けた開口32を形成しておき、同様の素材製であって外周壁に雄ネジが刻設された蓋体(施蓋機構)33を着脱自在に設けたものでは、介護者や付添人などが自由に蓋体33を取り外し、その疑似手3内に自らの手を挿入して被装着者である罹病者の手・指を握り締めたり、様々な刺激を与えたり、マッサージを行うなどといった癒しや治療行為を、当該罹病者装着用手袋を取り外さずに簡便且つ効果的に実施可能となる外、同手袋型の疑似手3の開口32を通じて発泡ポリウレタン製ビーズや、適度に加温されたお湯、粘性を有する液体などの充填物(図示せず)を充填した上、同開口32、口金具(図示せず)の雌ネジに蓋体(施蓋機構)33の雄ネジを螺合させて密閉状に閉鎖してなるものとしまえば、付添人が不在となって、先のように人の手を差し入れてあげられないとしても、罹病者がこの手袋型の疑似手3を握ったときに、恰も人の手によるときにより近い感触を得ることができるという利点が得られる。
(実施例2の効果)
また、図5中に示す実施例2によるものでは、疑似手3の空隙部34内に機能性充填物4としての使い捨て懐炉や白金触媒懐炉、ゲル状保温剤利用の懐炉、電池式懐炉などの発熱体4を収容でき、冬期に悴んだり、体温が低下する症状に陥ったりしている罹病者の手・指を温めて手軽に体温調節することができるものとなる外、シリコン樹脂製などの疑似手3を人肌温度に温め、より人間に近い触感が得られるものとすることができ、心身が疲弊している罹病者の孤独感や不安感を和らげ、付き切りで手厚く介抱されているという安心感を与えて元気付けられるという効果が一層高められることになる。
また、同空隙部34内に機能性充填物4としての保冷剤、蓄冷材などの冷却体を収容し、発熱している罹病者の手・指を冷やして解熱作用を果すものとしたり、またシリカゲルや高分子ポリマーなどの乾燥剤や吸湿性繊維類による吸湿体を収容し、罹病者の手の蒸れを解消して汗や蒸れなどに起因する不快感や皮膚疾患などを防止したり、あるいは、水分を吸収させた繊維や高分子ポリマーなどの加湿体を収容するようにし、被装着者である罹病者の手・指の乾燥を防ぎ、乾燥に伴うひび割れや湿疹などの皮膚疾患を予防し得るものとしたり、更には電動モーターまたは発振機および電池などを組み合わせた駆動体4を収容し、罹病者の手・指に血行の促進を促すマッサージ効果によって麻痺している手・指に微振動の刺激を与えたりしたものと各種選択的に機能の利用が可能になり、さらに複合的な治療効果や癒し効果など様々な効用が得られる。
(実施例3の効果)
図6に示した実施例3の罹病者装着用手袋は、その疑似手3に、なまし鉄線や銅線、ステンレスワイヤー、ピアノ線、形状記憶合金製の針金その他の金属線や、塑性変形して所望する形状に変形、維持可能な樹脂棒、樹脂パイプなどからなる柔軟性の骨格35,35,……を設け、それら骨格35,35,……の基端を、手首付近に設けられた肉厚フランジ状のベース36に結合、一体化したものとし、被装着者がこの疑似手3を把持したとき、肉質の触感を呈する疑似手3中に、それら骨格35,35,……による人体骨骼様の確りとした質感を感じ取ることができ、骨格35,35,……を備えていないものに比較してより本物に近い感触を得られて安心感の度合いを向上させることができる上、骨格35,35,……が老朽化したり、破損したとき、あるいは感触に変化を与えたいときなどには、当該ベース36をその前腕がわ外方向に引き抜いて簡単に取り外し、容易に交換、修理できるものとなることから、罹病者装着用手袋を新たに購入しなくとも継続使用可能となって経済的であり、また罹病者を飽きさせない複数のバリエーションによるものを、低予算で提供できるという利点が得られることになる。
また、図7に示したものでは、袋体1から取り外した疑似手3に取着手段としてのクランプ金具37を着脱自在に連結し、単独でベッドのフレームやベッドガード6に装着、仮固定可能なものとなり、罹病者装着用手袋の装着を必要としない傷病者や、身寄りのない罹病者などが、ベッドガード6など安定した箇所に仮着状とした疑似手3を握り締めることにより、闘病生活中の孤独感や不安感、ストレスなどといった精神的苦痛や、痛みに耐える苦しみなどを和らげるものとして利用することができ、同図7中のクランプ金具37に一体の自在継ぎ手38が、罹病者の入力に応じて人の手のように揺り動かせたり、動いた傾き姿勢をそのまま維持し続けられるものとなるなど変化させることができることから、罹病者にとっては、様々なストレスを解消して精神的安定を得るようにする効果がより高められるものとなる。
(実施例4の効果)
図8のに実施例4によるものでは、骨格35,35,……のベース36に発振機構5と駆動源51とを設け、さらに、疑似手3の掌表面寄りとなる肉厚中に、該発振機構5および駆動源51用の制御部となる圧力スイッチ52(モーメンタリースイッチ)を埋設した罹病者装着用手袋とし、当該罹病者装着用手袋を装着した罹病者が、疑似手3を或る程度の力を込めて握り締めたときに、罹病者自身が、その握力を緩めるまでの間に亘って発振機構5が微弱振動を発生し、骨格35,35,……を通じて把持している手・指にマッサージを受けられ、手・指に麻痺のある罹病者や、血行不良の罹病者などのリハビリテーションを自動的に実施可能とし、しかも罹病者自らが、握力に反応して動き出す感覚を楽しむことができて孤独感やストレスの解消に大いに役立てることができるという秀れた項を享受できるものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この考案の罹病者装着用手袋は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのこの種介護用の手袋に比較し、人の手を模した疑似手を内蔵させた効果は絶大であり、これまでは失われた手の機能を回復したり、外観を再現したりすることだけに使用されてきていた義手の、人の手の感触により近づけようとする樹脂技術などを応用するようにすれば、その効能はより高めることができ、罹病者の癒し効果に大いに役立つのは勿論のこと、その罹病者に日々携わる家族、看護者または介護者などの心労や労働負担を大幅に軽減すると共に、維持、管理費用を軽減して幅広い用途に利用可能なものとなって経済的にも格段に有利なものになることから、罹病者やその家族にとって朗報をもたらされることになると共に、こうした人々を支える各種医療機関や介護施設、および医療・介護用品業界などからも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この考案の罹病者装着用手袋の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
罹病者装着用手袋を示す正面図である。 罹病者装着用手袋を示す側面図である。 装着過程にある罹病者装着用手袋を示す正面図である。 装着済みの罹病者装着用手袋を示す側面図である。 疑似手内に機能性装填体を収容した罹病者装着用手袋を示す正面図である。 疑似手内に骨格を内蔵した罹病者装着用手袋を示す正面図である。 クランプ金具が組み込まれた疑似手を示す斜視図である。 疑似手に発振機構を組み込んだ罹病者装着用手袋を示す正面図である。
符号の説明
1 袋体
11 同 内部空間
12 同 挿入口
13 同 表布地
14 同 裏布地
15 同 内装用ポケット
16 同 開口
17 同 クッションパッド(または樹脂製ビーズ)
18 同 バイアステープ
19 同 嵌着口
2 仮固定手段
21 同 バンド
22 同 バンド用金具
23 同 ホック
24 同 受けホック
3 疑似手
31 同 環状凹溝
32 同 開口
33 同 蓋体(施蓋機構)
34 同 空隙部
35 同 骨格
36 同 ベース
37 同 クランプ金具(取着手段)
38 同 自在継ぎ手
39 同 連結機構
4 機能性装填体(発熱体、冷却体、吸湿体、加湿体、駆動体)
5 発振機構(または駆動機構)
51 同 駆動源
52 同 圧力スイッチ(制御部)
6 ベッドガード

Claims (11)

  1. 手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさの袋体を形成し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとする一方、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれてなるものとしたことを特徴とする罹病者装着用手袋。
  2. 手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさであって通気性、柔軟素材製の袋体を形成し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとする一方、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の手袋型に形成され、その手首がわ開口を、当該袋体の外側に開放し、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構を設けて開放可能とした疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれ、外部から該疑似手を手袋状に装着し、袋体の被装着者と握手可能、および、形状維持用の充填物を着脱自在に装填可能なものとしたことを特徴とする罹病者装着用手袋。
  3. 手首から手指の先までの動きを許容する内部空間を確保した大きさの袋体を形成し、その挿入口側には前腕への着脱自在な装着用の仮固定手段を備えたものとする一方、当該袋体の内部空間奥部からは、その挿入口側に向けて突き出し状とした人肌様柔軟素材製の疑似手が、同袋体に対して着脱自在に組み込まれ、当該疑似手の内部には、同疑似手手首がわ開口を、当該袋体の外側に開放し、または、開閉可能もしくは着脱可能な施蓋機構を設けて開放可能とした空隙部を形成し、該空隙部内に小型の発熱体、冷却体、吸湿体、加湿体、駆動体などの機能性装填体を単独、または適宜組み合わせて収容、可能なものとしたことを特徴とする罹病者装着用手袋。
  4. 袋体は、その内面の少なくとも被装着者の掌が接触する範囲に亘り、内装用ポケットを形成すると共に、該内装用ポケット内に低反発素材製のクッションパッドまたは樹脂製ビーズの適量が交換自在に充填されてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
  5. 疑似手が、通気性・吸湿素材からなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
  6. 疑似手が、シリコン樹脂からなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
  7. 疑似手が、その内部に関節を有する硬質な骨格か、または、関節を持たない柔軟性の骨格かの何れか一方を、内蔵一体化もしくは着脱自在に内蔵されてなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
  8. 疑似手が、その内部に関節を有する硬質な骨格か、または、関節を持たない柔軟性の骨格かの何れか一方を、内蔵一体化もしくは着脱自在に内蔵すると共に、該骨格をマッサージ作用が得られるよう握り方向と、開放する方向とに、交互に所定時間毎に動作可能とする駆動機構、駆動源ならびに制御部を、内蔵および/または袋体の外部がわ適所に装着されてなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
  9. 疑似手が、その内部に関節を有する硬質な骨格か、または、関節を持たない柔軟性の骨格かの何れか一方を、内蔵一体化もしくは着脱自在に内蔵すると共に、該骨格からマッサージ作用が得られる微弱な振動を所定時間に亘り発振可能とする発振機構、駆動源ならびに制御部を、内蔵および/または袋体の外部がわ適所に装着されてなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
  10. 疑似手は、被装着者によって握手される範囲内の適所に制御部としての圧力スイッチを設け、この圧力スイッチが駆動源を起動するものとなし、被装着者の握力を検知したときに、骨格用の駆動機構または発振機構の何れか一方を自動的に起動させ、握力が検出されなくなったときに、それまで動作していた駆動機構または発振機構の何れか一方を自動的に停止するよう設定されてなるものとした、請求項8または9何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
  11. 疑似手は、その前腕付近に、袋体への着脱、およびそれ以外の他物への着脱の何れをも可能とする取着手段を組み込んでなるものとし、袋体から取り外したときにも、当該取着手段をベッドフレームなどの周辺適所に着脱自在に仮固定可能なものとした、請求項1ないし10何れか一項記載の罹病者装着用手袋。
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