JP2001095526A - 食品の退色防止方法 - Google Patents

食品の退色防止方法

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JP2001095526A
JP2001095526A JP28138699A JP28138699A JP2001095526A JP 2001095526 A JP2001095526 A JP 2001095526A JP 28138699 A JP28138699 A JP 28138699A JP 28138699 A JP28138699 A JP 28138699A JP 2001095526 A JP2001095526 A JP 2001095526A
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yeast
food
yeast extract
glutathione
rich
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JP28138699A
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Nobuyuki Sakata
信行 坂田
Shunichi Fukumoto
俊一 福本
Yumiko Onishi
由美子 大西
Tadatoshi Satake
忠敏 佐竹
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品本来の鮮明な色を持続的に維持する食品
の退色防止法を提供すること。 【解決手段】 食品(ただし、魚卵を除く)に酵母の処
理物を添加することを特徴とする食品の退色防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品(ただし、魚
卵を除く)の退色防止方法、食品(ただし、魚卵を除
く)の退色防止用組成物および酵母の処理物を添加した
食品(ただし、魚卵を除く)に関する。
【0002】
【従来の技術】肉、肉製品、魚などの食品は変色しやす
く、時間が経過するとその新鮮時の色を失い、表面が変
色して食欲を損なう色となる。そこで、食品の退色防止
の目的で亜硝酸塩および硝酸塩が一般的に用いられてい
る。亜硝酸塩は食品中のミオグロビン、ヘモグロビンと
結合し、鮮やかな赤色のニトロソ化合物を生成する。し
かしながら、これら亜硝酸塩や硝酸塩は人体に毒性があ
るため、食品衛生法により使用が制限されている。この
ため、最近では前記亜硝酸塩や硝酸塩にかわり、タール
系合成着色料による着色、ニコチン酸アミドならびにア
スコルビン酸もしくはその塩などによる退色防止法が採
用されてきている。しかしながら、タール系合成着色料
による着色では、充分な色調保持効果が得られず、ニコ
チン酸アミドならびにアスコルビン酸もしくはその塩に
よる退色防止法では、発色するまでに長時間かかるう
え、発色後の退色が著しいという欠点が認められる。
【0003】特開昭53−115846号公報には、芳
香族アミノ酸誘導体または異節環状アミノ酸誘導体を含
有する蛋白食品発色剤が記載されている。ここでは蛋白
食品としてハム、ソーセージ、魚肉、魚卵などが対象と
なっており、前記蛋白食品発色剤を用いることにより赤
色系の発色が得られるが、本品は食品添加物として認め
られていないので使用が制限されるという欠点がある。
【0004】特開昭54−62357号公報には、穀類
胚芽(米胚芽など)と発着色料(アスコルビン酸など)
を含有する魚卵の発着色維持剤が記載されている。前記
発着色維持剤で処理された魚卵は、色むらが認められ
ず、つや、てりが改良され、さらには保存による退色も
遅延されるが、発色するまでに長時間を要するという欠
点がある。
【0005】特開昭54−140768号公報には、魚
卵をビタミンE、有機酸(アスコルビン酸など)および
たん白質加水分解物(ゼラチン加水分解物など)を含む
水溶液に浸漬する魚卵塩蔵品の製法が記載されている。
この製法によれば、魚卵塩蔵品固有の風味に何ら悪影響
を及ぼすことなく、退色や黒変度合の少ない魚卵塩蔵品
が得られるが、鮮やかな魚卵本来の色調が発現されない
という欠点がある。
【0006】特開昭58−43761号公報にはアスコ
ルビン酸類とシステイン類および/またはグルタチオン
類とを併用添加する肉類食品の退色防止法および退色防
止用組成物が記載されている。この方法によりえられた
肉類食品はある程度外観の色が良好に保持され、光に対
する退色も少ないものの、その効果は時間の経過に伴な
って発現されにくくなり、いまだ満足し得るものではな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、安全で、かつ鮮やかな
色調が長期間保持される食品の退色防止方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、亜硝酸塩
の使用に代わる食品の退色防止法として酵母の処理物
(酵母エキスなど)を用いることが有効であること、さ
らには発色助剤やpH調整剤を併用することにより鮮明
に発色することを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、食品(ただし、魚卵
を除く。以下、単に食品という)に酵母の処理物を添加
することを特徴とする食品の退色防止方法に関する。
【0010】さらに本発明は、食品に(a)グルタチオ
ン高含有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、
(b)アスコルビン酸ナトリウムおよび(c)重曹を添
加することを特徴とする食品の退色防止方法に関する。
【0011】さらに本発明は、酵母の処理物を含有する
食品の退色防止用組成物に関する。
【0012】さらに本発明は、(a)グルタチオン高含
有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、(b)ア
スコルビン酸ナトリウムおよび(c)重曹を含有する食
品の退色防止用組成物に関する。
【0013】さらに本発明は、グルタチオン高含有のト
ルラ酵母エキスまたはパン酵母エキスを添加した食品に
関する。
【0014】さらに本発明は、(a)グルタチオン高含
有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、(b)ア
スコルビン酸ナトリウムおよび(c)重曹を添加した食
品に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる食品としては
とくに限定されないが、たとえば牛肉、豚肉、鶏肉、羊
肉、山羊肉などの肉;ハム、ソーセージ、ベーコンなど
の肉製品;マグロ、サケ、アジ、カツオ、イワシ、サバ
などの魚;β−カロチンを含んだドリンク剤;レタス、
キュウリ、ナス、ニンジン、白菜、グリーンピース、ア
スパラガスなどの野菜を細切り、漬物または缶詰などに
加工した、または非加工の野菜食品;果物;穀物などが
あげられる。
【0016】本発明に用いられる酵母の処理物の原料と
なる酵母としては、トルラ酵母、パン酵母、ビール酵母
などがあげられるが、とくにグルタチオン高含有のトル
ラ酵母またはパン酵母が好ましい。
【0017】本発明において「グルタチオン高含有」と
は、グルタチオンを2重量%以上含有することを意味す
る。
【0018】グルタチオン高含有酵母としては、グルタ
チオンを2重量%以上、好ましくは6重量%以上、とく
に好ましくは8重量%以上含む酵母があげられる。
【0019】酵母エキスとしては、グルタチオン高含有
酵母エキスなどがあげられ、グルタチオン高含有のトル
ラ酵母エキスまたはパン酵母エキスがとくに好ましい。
グルタチオン高含有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母
エキスは、たとえばグルタチオンを8重量%以上含有す
るエミックYG(商品名、田辺製薬(株)製)として、
またグルタチオン高含有のパン酵母エキスは、グルタチ
オンを8重量%以上含有するグルタイーストエキス(商
品名、協和発酵(株)製)として商業的に入手可能であ
る。
【0020】本発明に用いる「酵母の処理物」とは、酵
母エキスまたは酵母をそのまま乾燥させたエキスを意味
するがグルタチオンの含有量を調節しやすく、かつ食品
への添加が容易なことから酵母エキスがとくに好まし
い。前記酵母エキスとは酵母を自己消化、酵素処理また
は加熱抽出(温水などで抽出)したエキスであって、液
体でも乾燥後粉末にしたものでもよい。酵母の処理物の
添加量は、少なすぎると効果がなく、多すぎると経済的
でないことから、食品に対して好ましくは0.005〜
10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%であ
る。
【0021】酵母の処理物の添加方法としては、食品に
直接振りかけてもよく、酵母の処理物を水に溶解させた
のち、食品に添加してもよく、またたとえば肉製品の場
合、製品加工の段階で他の成分とともに混練してもよ
い。
【0022】本発明の食品の退色防止方法において、発
色度合をさらに高めるためには発色助剤をさらに添加し
てもよい。
【0023】発色助剤としては、ニコチン酸アミド、ア
スコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムなどがあげら
れ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。発色助剤の添加量は、少なすぎると効果がな
く、多すぎると経済的でないことから、食品に対して好
ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.
2〜5重量%である。
【0024】本発明の食品の退色防止方法において、食
品の色を一層鮮明に発揮させるためにpH調整剤をさら
に添加してもよい。pH調整剤は、アルカリ性物質であ
ればとくに限定されず、かかるpH調整剤の具体例とし
ては、たとえばピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸
ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウムなどのリン酸
塩、重曹(炭酸水素ナトリウム)などの炭酸塩があげら
れる。これらのなかでは、食品の色を鮮明に発揮させる
効果が大きいという点から、重曹などの炭酸塩がとくに
好ましい。pH調整剤の添加量は、少なすぎると効果が
なく、多すぎると食品の表面がむらのある着色となるた
めに、食品に対して好ましくは0.02〜10重量%、
さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
【0025】本発明は、食品に(a)グルタチオン高含
有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、(b)ア
スコルビン酸ナトリウムおよび(c)重曹を添加するこ
とを特徴とする食品の退色防止方法を包含する。
【0026】ここでは、(a)グルタチオン高含有のト
ルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、(b)アスコル
ビン酸ナトリウムおよび(c)重曹の添加量は、食品に
対してそれぞれ0.005〜10重量%:0.01〜1
0重量%:0.02〜10重量%となるように添加する
ことが好ましく、さらに好ましくは食品に対してそれぞ
れ0.1〜5重量%:0.2〜5重量%:0.1〜5重
量%となるように添加する。
【0027】本発明の食品の退色防止法により、食品本
来の鮮明な色を持続的に維持することが可能となる。
【0028】本発明はまた、前記酵母の処理物を含有す
る食品の退色防止用組成物を包含する。
【0029】前記組成物としては、グルタチオン高含有
酵母、とりわけグルタチオン高含有のトルラ酵母または
パン酵母の処理物を含有する組成物が好ましく、グルタ
チオン高含有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス
を含有する組成物がさらに好ましい。
【0030】本発明の食品の退色防止用組成物におい
て、酵母の処理物の含有量は、食品に対して0.005
〜10重量%である。
【0031】本発明は、(a)グルタチオン高含有のト
ルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、(b)アスコル
ビン酸ナトリウムおよび(c)重曹を含有する食品の退
色防止用組成物を包含する。
【0032】前記組成物において、(a)グルタチオン
高含有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、
(b)アスコルビン酸ナトリウムおよび(c)重曹の含
有量は、0.005〜10重量%:0.01〜10重量
%:0.02〜10重量%である。
【0033】本発明の食品の退色防止用組成物は、食品
本来の新鮮な色を持続的に維持するのに有用である。
【0034】本発明はさらに、グルタチオン高含有のト
ルラ酵母エキスまたはパン酵母エキスを添加した食品を
包含する。
【0035】前記食品は、食品に対して0.005〜1
0重量%、好ましくは0.1〜5重量%のグルタチオン
高含有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母エキスを、液
体の場合は食品に直接振りかけることにより、粉末の場
合は水に溶解させたのちに、または粉末のまま食品に添
加することにより得られる。またたとえば肉製品の場
合、製品加工の段階で他の成分とともに混練することに
より得ることもできる。
【0036】本発明は、(a)グルタチオン高含有のト
ルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、(b)アスコル
ビン酸ナトリウムおよび(c)重曹を添加した食品を包
含する。
【0037】前記食品は、(a)グルタチオン高含有の
トルラ酵母エキスまたはパン酵母エキス、(b)アスコ
ルビン酸ナトリウムおよび(c)重曹を、食品に対して
それぞれ好ましくは0.005〜10重量%:0.01
〜10重量%:0.02〜10重量%となるように添加
することにより、さらに好ましくは食品に対してそれぞ
れ0.1〜5重量%:0.2〜5重量%:0.1〜5重
量%となるように添加することにより得られる(グルタ
チオン高含有酵母エキスの処理は前記の場合と同様)。
【0038】本発明の食品は本来の鮮明な色を持続的に
維持できるものである。
【0039】本発明の食品の退色防止方法、食品の退色
防止用組成物および酵母の処理物を添加した食品は、い
ずれにおいても退色防止効果に影響を及ぼさないもので
あれば適宜添加物質を加えてもよい。たとえば着色料
(タール系着色料または天然着色料)を併用してもよ
く、食塩、調味料、甘味料、香辛料(トウガラシ)、品
質改良剤(乳酸カルシウム、酢酸ナトリウム、重合リン
酸塩)などを適宜使用してもよい。
【0040】本発明の食品の退色防止方法および食品は
つぎのように酵母の処理物などに食品を浸漬処理するこ
とによっても実施可能である。すなわち、食品を浸漬容
器に入れて、酵母の処理物を含む水に食品を浸漬させ、
つぎに必要に応じて種々の添加物質(発色助剤およびp
H調整剤を含む)を加える。添加物質を加える際には添
加物質を水に分散または溶解してから加えるとよい。ま
た、添加物質は食品に直接振りかけてもよい。これらの
添加物質を加えたのち、食品を数回手回しなどにより撹
拌混合して、添加物質を均一に漬み込ませてもよい。
【0041】
【実施例】つぎに、本発明の食品の退色防止方法、食品
の退色防止用組成物および酵母の処理物を添加した食品
を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は
かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0042】実施例1および比較例1 原料として牛肉100gを浸漬用のポリ容器に入れ、水
100gを加えて食塩18gをふりかけ、表1に示され
る各種添加物質を加えた。これを5℃で冷蔵庫内に保存
し、経時的な色調の変化を調べた。その結果を表1に示
す。なお、実験番号2、3、4が本発明の実施例1であ
り、実験番号1が比較例1である。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示された結果から、トルラ酵母エキ
スと重曹とを併用した場合、経時的な色調の変化がもっ
とも小さいことがわかる。
【0045】実施例2および比較例2 原料として丸アジに開き加工を施したもの約100gを
水洗したのち浸漬用のポリ容器に入れた。10%食塩水
に表2に示される各種添加物質を加えて溶解させた溶液
を、前記ポリ容器内に入れ、この溶液にアジを10分間
浸漬させたのち水切りし、乾燥させたものを5℃で冷蔵
庫内に保存し、経時的な色調および鮮度の変化を調べ
た。その結果を表2に示す。なお、実験番号4、5が本
発明の実施例2であり、実験番号1、2、3が比較例2
である。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示された結果から、トルラ酵母エキ
スとアスコルビン酸ナトリウムとを併用した場合、よリ
赤色が強く、かつ鮮度がよく、経時的な変化が小さいこ
とがわかる。
【0048】実施例3および比較例3 原料として塩サケを切り身に加工したもの100gを水
洗したのち浸漬用のポリ容器に入れた。10%食塩水に
表3に示される各種添加物質を加えて溶解させた溶液
を、前記ポリ容器内に入れ、この溶液にサケを30分間
浸漬させたのち水切りし、乾燥させたものを5℃で冷蔵
庫内に保存し、経時的な色調および鮮度の変化を調べ
た。その結果を表3に示す。なお、実験番号3、4が本
発明の実施例3であり、実験番号1、2が比較例3であ
る。
【0049】
【表3】
【0050】表3に示された結果から、トルラ酵母エキ
スとアスコルビン酸ナトリウムとを併用した場合、よリ
赤色が強く、かつ鮮度がよく、経時的な変化が小さいこ
とがわかる。
【0051】実施例4および比較例4 グラニュー糖1.5重量%、果糖ブドウ糖液糖2.5重
量%、クエン酸0.23重量%、クエン酸ナトリウム
0.29重量%、塩化ナトリウム0.062重量%、乳
酸カルシウム0.048重量%、塩化マグネシウム0.
01重量%および塩化カリウム0.037重量%を含有
するように各成分を水に溶解させ、さらに表4に示され
る添加物質を添加、溶解させて全量100mlのドリン
ク剤(pH4.20)を調製した。
【0052】つぎに、前記ドリンク剤に色素(水溶性ベ
ーターカロチン液、田辺製薬(株)製)0.1gを混合
して均一になるように撹拌した。この製造直後のドリン
ク剤の吸光度を分光光度計(U−3210、(株)日立
製作所製)を用いて測定した。その結果を表4に示す。
【0053】つぎに、前記ドリンク剤を60℃の恒温器
内で7日間保存するか、または前記ドリンク剤に100
00ルクスの光線を7日間照射するかして、ドリンク剤
の色調の変化を調べた。これを製造直後の吸光度に対す
る残存率(%)として表わした。その結果を表4に示
す。なお、実験番号2、4が本発明の実施例4であり、
実験番号1、3が比較例4である。
【0054】
【表4】
【0055】表4に示された結果から、トルラ酵母エキ
スとアスコルビン酸とを併用した場合、60℃の恒温条
件下および10000ルクスの光線照射条件下のいずれ
においても、6日後でも吸光度の残存率がよリ高くなる
か、残存率がほとんど低下せず、色調の変化(退色)が
ないことがわかる。
【0056】実施例5および比較例5 食塩3.0gおよび表5に示される添加物質に水を加え
て溶解させ、全量100mlの浸漬液を調製した。この
浸漬液をシール付きポリ袋内に入れた。
【0057】ついで、マグロの切り身4切れ(約75
g)を前記ポリ袋内の浸漬液中に浸漬させ、シールして
5℃で冷蔵庫内に5時間保存した。こののち、マグロの
切り身をポリ袋から取り出し、浸漬液の水切りをして別
のポリ袋内に入れ、シールして5℃で冷蔵庫内に保存
し、経時的な発色度合を調べた。その結果を表5に示
す。なお、実験番号2〜6が本発明の実施例5であり、
実験番号1が比較例5である。
【0058】
【表5】
【0059】表5に示された結果から、トルラ酵母エキ
スを用いた場合はいずれも、発色度合がよいことがわか
る。またとくに、トルラ酵母エキスとアスコルビン酸ナ
トリウムと重曹とを併用した場合には、トルラ酵母エキ
スとアスコルビン酸ナトリウムとを併用した場合や、ト
ルラ酵母エキスとアスコルビン酸ナトリウムとポリリン
酸ナトリウムとを併用した場合よりも、発色度合にさら
にすぐれていることがわかる。
【0060】実施例6および比較例6 食塩10.0gおよび表6に示される添加物質に水を加
えて溶解させ、全量100mlの浸漬液を調製した。こ
の浸漬液をシール付きポリ袋内に入れた。
【0061】ついで、牛のモモ肉(90〜100g)を
前記ポリ袋内の浸漬液中に浸漬させ、軽くもんで浸漬液
になじませ、シールして5℃で冷蔵庫内に保存し、経時
的な発色度合を調べた。その結果を表6に示す。なお、
実験番号2〜4が本発明の実施例6であり、実験番号1
が比較例6である。
【0062】
【表6】
【0063】表6に示された結果から、とくにトルラ酵
母エキスとアスコルビン酸ナトリウムと重曹とを併用し
た場合には、トルラ酵母エキスとアスコルビン酸ナトリ
ウムとを併用した場合や、トルラ酵母エキスとアスコル
ビン酸ナトリウムとポリリン酸ナトリウムとを併用した
場合よりも、発色度合にさらにすぐれていることがわか
る。
【0064】実施例7および比較例7 豚赤身肉100g、豚油12.5g、食塩2.5g、コ
ーンスターチ3g、砂糖1g、ブラックペッパー0.0
5g、ナツメグ0.15g、氷水25gおよび表11に
示される添加物質を混練したものを70℃に加熱し、通
常の方法にてソーセージを調製した。このソーセージを
5℃で冷蔵庫内に保存し、経時的な発色度合を調べた。
その結果を表7に示す。なお、実験番号2、3が本発明
の実施例7であり、実験番号1が比較例7である。
【0065】
【表7】
【0066】表7に示された結果から、とくにトルラ酵
母エキスとアスコルビン酸ナトリウムと重曹とを併用し
た場合には、トルラ酵母エキスとアスコルビン酸ナトリ
ウムとを併用した場合よりも、発色度合にさらにすぐれ
ていることがわかる。
【0067】
【発明の効果】本発明の方法によれば、食品に酵母の処
理物および発色助剤、pH調整剤などの添加物質を添加
することにより食品本来の鮮明な色を持続的に維持する
ことが可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 佐竹 忠敏 大阪府豊中市上新田三丁目5−3 ドミー ル桃山台301 Fターム(参考) 4B018 LB05 LB06 LB08 MB01 MB02 MB04 MB05 MC04

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品(ただし、魚卵を除く)に酵母の処
    理物を添加することを特徴とする食品の退色防止方法。
  2. 【請求項2】 酵母がグルタチオン高含有酵母である請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 グルタチオン高含有酵母がトルラ酵母ま
    たはパン酵母である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 酵母の処理物が酵母エキスである請求項
    1、2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 食品が肉、肉製品、魚またはドリンク剤
    である請求項1、2、3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 酵母の処理物の添加量が、食品に対して
    0.005〜10重量%である請求項1、2、3、4ま
    たは5記載の方法。
  7. 【請求項7】 発色助剤をさらに添加する請求項1記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 発色助剤がニコチン酸アミド、アスコル
    ビン酸およびアスコルビン酸ナトリウムから選ばれた少
    なくとも1種である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 発色助剤の添加量が、食品に対して0.
    01〜10重量%である請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 pH調整剤をさらに添加する請求項7
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 pH調整剤が炭酸塩である請求項10
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 pH調整剤の添加量が、食品に対して
    0.02〜10重量%である請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 食品(ただし、魚卵を除く)に(a)
    グルタチオン高含有のトルラ酵母エキスまたはパン酵母
    エキス、(b)アスコルビン酸ナトリウムおよび(c)
    重曹を添加することを特徴とする食品の退色防止方法。
  14. 【請求項14】 酵母の処理物を含有する食品(ただ
    し、魚卵を除く)の退色防止用組成物。
  15. 【請求項15】 酵母がグルタチオン高含有酵母である
    請求項14記載の組成物。
  16. 【請求項16】 グルタチオン高含有酵母がトルラ酵母
    またはパン酵母である請求項14記載の組成物。
  17. 【請求項17】 酵母の処理物が酵母エキスである請求
    項14記載の組成物。
  18. 【請求項18】 (a)グルタチオン高含有のトルラ酵
    母エキスまたはパン酵母エキス、(b)アスコルビン酸
    ナトリウムおよび(c)重曹を含有する食品(ただし、
    魚卵を除く)の退色防止用組成物。
  19. 【請求項19】 グルタチオン高含有のトルラ酵母エキ
    スまたはパン酵母エキスを添加した食品(ただし、魚卵
    を除く)。
  20. 【請求項20】 (a)グルタチオン高含有のトルラ酵
    母エキスまたはパン酵母エキス、(b)アスコルビン酸
    ナトリウムおよび(c)重曹を添加した食品(ただし、
    魚卵を除く)。
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