JP2001093480A - ハロゲン電球および照明装置 - Google Patents

ハロゲン電球および照明装置

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JP2001093480A
JP2001093480A JP26935099A JP26935099A JP2001093480A JP 2001093480 A JP2001093480 A JP 2001093480A JP 26935099 A JP26935099 A JP 26935099A JP 26935099 A JP26935099 A JP 26935099A JP 2001093480 A JP2001093480 A JP 2001093480A
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film
visible light
airtight container
halogen
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Hideo Inoue
英夫 井上
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】排気チップ部またはおよび主要部のトップ部に
形成した遮光膜による可視光の吸収を低減したハロゲン
電球およびこれを用いた照明装置を提供する。 【解決手段】透光性気密容器1の中心軸上にフィラメン
ト2が位置し、内部にハロゲン及び不活性ガスを封入
し、透光性気密容器の表面に可視光の一部波長域を選択
的に透過する赤外線反射性干渉膜5を備え、排気チップ
部1dの表面に可視光反射膜6を形成し、可視光反射膜
6の上に遮光膜7を形成した。赤外線反射性干渉膜は透
過率が波長550nm以下の範囲で平均80%以上、波
長550nm超の範囲で平均40%以下に制御された構
成であると、青味が強調されて色温度が5000Kのよ
うに高い白色光が得られる。排気チップ部1dやトップ
部に入射した可視光は可視光反射膜で反射して透光性気
密容器の主要部に戻り、赤外線反射性干渉膜を透過して
照明に利用される確率が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透光性気密用の先端
に排気チップ部を備えたハロゲン電球およびこれを用い
た照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ヘッドライトの光源には、ハロ
ゲン電球が多く用いられている。
【0003】一般にハロゲン電球は、透光性気密容器の
先端に排気チップ部を備えている。この排気チップ部
は、透光性気密容器にフィラメントを封装後、透光性気
密容器の先端に予め溶着した排気管を経由して透光性気
密容器の内部を排気してから、ハロゲンと不活性ガスと
を封入して、排気管を封止切ることにより形成される。
【0004】透光性気密容器の先端に排気チップ部を備
えたハロゲン電球において、透光性気密容器の表面に赤
外線反射性干渉膜を形成する場合、透光性気密容器の主
要部のトップ部および排気チップ部の全体にわたり均一
な膜厚を得ることが困難である。このため、所要の波長
範囲を透過し、または反射させることが難しくなり、光
色ずれを生じやすい。
【0005】また、排気チップ部は、透光性気密容器の
主要部に比較すると、不連続な形状をしているから、排
気チップ部を透過する可視光が所望の配光を乱しすい。
【0006】さらに、灯具の反射鏡からの反射光が透光
性気密容器の排気チップ部やトップ部に入射すると、こ
れらの部分で再反射して配光が乱れやすい。
【0007】そこで、排気チップ部および主要部のトッ
プ部に遮光膜を形成している。
【0008】一方、自動車用ヘッドライトに用いられて
いるハロゲン電球には、赤外線反射膜付きのものと、付
いていないものとがある。前者は、色温度が3320K
であるのに対して後者は3250Kであり、前者の方が
若干白っぽい光であるが、両者は基本的にタングステン
の白熱によるいわゆる電球色の範疇に属している。
【0009】ところが、ヘッドライトの照明光が白色光
であると、視認性が良好であることから、透光性気密容
器の外周面に顔料からなるカラーフィルタ膜を被着し
て、発生光の色温度を3500Kまで高めたハロゲン電
球も用いられている。
【0010】また、近時瞬時再始動可能な小形の高圧メ
タルハライド放電ランプが自動車用ヘッドライトに使用
されるようになってきた。この放電ランプは、色温度が
5000K程度の青味が強い白色光を効率よく発生する
ので視認性が良好であるとともに、発光部が小さくて点
光源に近いため、配光制御が容易であるなどの利点があ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】フィラメントから放射
された可視光が排気チップ部および主要部のトップ部に
入射すると、遮光膜に吸収されてしまうため、全光束が
最大で10%程度低減してしまうという問題がある。
【0012】一方、カラーフィルタ膜を被着した従来の
ハロゲン電球は、色温度が多少高くなったものの、メタ
ルハライド放電ランプに比較すると、まだ明らかに低く
てもの足りないという問題がある。
【0013】本発明は、排気チップ部またはおよび主要
部のトップ部に形成した遮光膜による可視光の吸収を低
減したハロゲン電球およびこれを用いた照明装置を提供
することを主たる目的とする。
【0014】また、本発明は、加えて青味が強調されて
色温度が高い白色光を発生するとともに、カラーフィル
タ膜を備えているにもかかわらず色温度が低い従来のハ
ロゲン電球と同等の全光束を得ることができるハロゲン
電球およびこれを用いた照明装置を提供することを副次
的な目的とする。
【0015】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明のハロゲ
ン電球は、先端から中心軸方向に突出した排気チップ部
を備えた透光性気密容器と;透光性気密容器の少なくと
も主要部の表面に形成された可視光の一部波長域を選択
的に透過する赤外線反射性干渉膜と;透光性気密容器の
少なくとも排気チップ部の表面に形成された可視光反射
膜と;可視光反射膜の上側に形成された遮光膜と;透光
性気密容器のほぼ中心軸上に位置するフィラメントと;
透光性気密容器内に封入されたハロゲンおよび不活性ガ
スと;を具備していることを特徴としている。
【0016】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0017】<透光性気密容器について>透光性気密容
器は、石英、硬質ガラスなどの透光性にして耐火性の材
料から形成する。
【0018】また、ハロゲン電球は、フィラメントが直
線状をなしているのが一般的であるから、透光性気密容
器の形状は、フィラメントの周囲に位置してフィラメン
トを包囲している部分であるところの主要部がフィラメ
ントを中心にした円筒状をなしているか、回転楕円体ま
たは疑似回転楕円体の形状をなしていることを許容す
る。
【0019】したがって、透光性気密容器の主要部は、
その部分をフィラメントの放射のうち主として照明に寄
与する放射が透過する。なお、透光性気密容器の主要部
以外の部分は、たとえば透光性気密容器の先端から突出
した排気チップ部、主要部の基端側に連接されるネック
部および封止部などである。
【0020】さらに、透光性気密容器にフィラメントを
気密に収納するには、石英ガラスや硬質ガラスで透光性
気密容器を形成する場合は、ピンチシールを採用するこ
とができる。また、硬質ガラスの場合には、他にフレア
シール、ビードシールなどを採用することもできる。
【0021】<赤外線反射性干渉膜について>赤外線反
射性干渉膜は、透光性気密容器の表面に形成される。な
お、「表面」とは、透光性気密容器の外面および内面の
いずれか一方または両方を意味する。
【0022】また、赤外線反射性干渉膜は、透光性気密
容器の主要部の表面に形成されていればよく、その他の
部分には、形成されていてもよいし、形成されていなく
てもよい。
【0023】さらに、赤外線反射性干渉膜は、可視光の
一部波長域選択的に透過するとともに、赤外線に対して
は反射性である。
【0024】「可視光の一部波長域」とは、青味が強調
されて色温度が高い白色光を得る場合には、可視光のう
ち短波長側の紫、青および緑の色光の波長域が好適であ
り、また上記より色温度が低い白色光を得るには、さら
に黄またはおよび橙の色光の波長域を加えることができ
る。
【0025】また、「赤外線反射性」とは、780nm
超から1500nmまでの近赤外線を平均60%以上反
射する性質を備えていることをいう。ハロゲン電球にお
いては、主として1500nm以下の近赤外線の放射が
主になっているからである。
【0026】さらに、以上の光学性能を備えた干渉膜
は、既知の多層干渉膜によって構成することができる。
多層干渉膜は、所定膜厚に制御された高屈折率の薄膜と
低屈折率の薄膜とを交互に複数層形成してなるものであ
る。高屈折率の薄膜としては、たとえば酸化チタン(T
iO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ジルコニ
ウム(ZrO)、硫化亜鉛(ZnS)などを用いるこ
とができる。また、低屈折率の薄膜としては、酸化珪素
(SiO)、ふっ化マグネシウム(MgF)などを
用いることができる。製膜の方法としては、ディッピン
グ法、蒸着法、化学的膜形成法(CVD)などを採用す
ることができる。そして、上記反射膜は、少なくとも気
密容器の主要部の大部分に形成されていればよい。
【0027】<可視光反射膜について>可視光反射膜
は、遮光膜が形成される部分、すなわち少なくとも排気
チップ部の表面に形成される。遮光膜が透光性気密容器
の主要部のトップ部にも形成される場合には、当該トッ
プ部にも可視光反射膜を形成する。
【0028】また、可視光反射膜は、透光性気密容器の
主要部の表面に形成される赤外線反射性干渉膜と同一ま
たは類似の構成の膜であってもよいが、波長選択性のな
い反射性金属膜たとえばアルミニウム蒸着膜などであっ
てもよい。
【0029】<遮光膜について>遮光膜は、黒色または
茶色の耐熱性塗料を用いることができる。
【0030】また、遮光膜は、外表面が艶消しになって
いる方が好ましい。
【0031】さらに、遮光膜は、可視光反射膜の上に形
成されるので、可視光反射膜が排気チップ部のみに形成
される場合には、排気チップ部に形成され、可視光反射
膜がトップ部にも形成される場合には、トップ部にわた
り形成される。しかし、遮光膜は、可視光反射膜の上に
完全に重なるように形成されているだけでなく、両者は
多少ずれて形成されていてもよい。主要部のトップ部の
形状が良好で、かつ可視光の一部波長域を選択的に透過
する赤外線反射性干渉膜を均一に形成されていれば、ト
ップ部に形成しなくてもよい。
【0032】<フィラメントについて>フィラメント
は、透光性気密容器のほぼ軸上に位置して配設される。
【0033】また、フィラメントは、2重コイル形式で
あると好都合である。
【0034】さらに、フィラメントは、タングステン線
を用いて形成するのが一般的である。 さらにまた、透
光性気密容器内におけるフィラメントの支持は、特定の
構成に制限されるものではないが、一般的に行われてい
るように、内部導入線によってフィラメントの両端を支
持することにより、行うことができる。
【0035】しかし、耐振性を向上するために要すれ
ば、フィラメントの中間位置においてアンカーワイヤを
用いて吊持することもできる。アンカー線は、2重コイ
ルフィラメントのほぼ中央部において1重コイル部分を
抱持するもので、モリブデン、タングステンなどの耐火
性金属からなる線を用いる。
【0036】アンカーワイヤを用いる場合、アンカーワ
イヤの基端を気密容器の頂部から突出する排気チップ部
に埋設して固定することができる。また、アンカー線の
基端は適当な絶縁部材たとえばガラスビーズなどに固定
することもできる。なお、ガラスビーズには、内部導入
線を一緒に固定することができる。
【0037】<ハロゲンについて>ハロゲンは、よう
素、臭素、塩素およびふっ素のいずれか1種または複数
種を微量封入するもので、上記のハロゲンを単体または
化合物として封入する。
【0038】また、ハロゲンを炭化水素との化合物の形
で封入することによって、製造時の取扱いを容易にする
ことができる。そして、ハロゲンサイクルによってタン
グステンの蒸発を抑制するとともに、気密容器の黒化を
防止する。
【0039】<不活性ガスについて>不活性ガスとして
は、キセノン、アルゴンなどの希ガスまたは窒素などを
封入することができる。
【0040】<本発明の作用について>まず、透光性気
密容器の主要部に形成する赤外線反射性干渉膜の作用に
ついて説明する。
【0041】通常のハロゲン電球においては、フィラメ
ントが白熱することによって、一般的に800〜100
0nmをピークとして、短波長側が約300nm程度ま
で連続的に減少し、また長波長側に近赤外線から遠赤外
線まで連続的に減少する相対エネルギー分布を示す放射
を生じる。そして、その色温度は自動車用では約325
0Kである。
【0042】これに対して、本発明においては、赤外線
反射性干渉膜が可視光の一部波長域を透過する波長選択
性フィルタ作用により、ハロゲン電球の発光色をいわゆ
る電球色から異なる光色たとえば白色光に変換すること
ができる。
【0043】また、本発明においては、可視光に対する
波長選択性フィルタ作用を行うのが干渉膜であるから、
透過波長域の可視光透過率が著しく高く、反対に遮断波
長域の可視光の透過率を著しく小さく抑えることがで
き、これによりハロゲン電球の全光束を比較的多く得る
ことができる。
【0044】さらに、本発明においては、赤外線反射性
干渉膜がフィラメントから放射された赤外線を反射して
フィラメントに帰還させるので、フィラメントが帰還し
た赤外線によって加熱され、従来の赤外線反射膜を備え
たハロゲン電球と同様に発光効率が高くなる。
【0045】次に、排気チップ部などに形成する可視光
反射膜について説明する。
【0046】フィラメントからの直射光が排気チップ部
またはおよびトップ部に入射すると、可視光反射膜によ
って反射するので、赤外線反射性干渉膜を透過して外部
に放射される確率が高くなる。
【0047】その結果、全光束が増加し、最大10%程
度の改善を得ることができる。
【0048】さらに、可視光反射膜の上に形成される遮
光膜の作用について説明する。
【0049】遮光膜は、排気チップ部や透光性気密容器
の主要部のトップ部から配光を乱す可視光が透過するの
を阻止するとともに、灯具の反射鏡からの反射光が排気
チップ部やトップ部に入射したときに再反射して配光を
乱さないようにする。
【0050】請求項2の発明のハロゲン電球は、請求項
1記載のハロゲン電球において、可視光の一部波長域を
選択的に透過する赤外線反射性干渉膜は、可視光の透過
率が波長550nm以下で平均80%以上、波長550
nm超で平均40%以下に制御されていることを特徴と
している。
【0051】赤外線反射性干渉膜は、可視光透過率が波
長550nm以下で平均80%以上であるが、好適には
85%以上である。また、波長550nm超で平均40
%以下であるが、好適には30%以下である。
【0052】なお、「可視光」とは、人間の目に光とし
て感じる波長範囲の電磁波をいうが、波長範囲には個人
差があり、一般に下限は360〜400nm、上限は7
60〜830nm程度であるといわれていて不定なの
で、本発明においては400〜780nmの波長範囲を
可視光とする。
【0053】ところで、可視光を紫、青、緑、黄、橙お
よび赤の6色の光として表現すると、波長550nm以
下の可視光は、紫、青および緑の色光として人間の目に
感じる。
【0054】また、波長550超の可視光は、黄、橙お
よび赤の色光として人間の目に感じる。
【0055】さらに、透過率の「平均」とは、特定波長
範囲内の波長ごとの透過率を積分して求めた平均値をい
う。ただし、波長ごとの透過率は、測定の便宜上20n
m置きに測定することができるものとする。
【0056】以上の記述から明らかなように、本発明に
おける赤外線反射性干渉膜は、可視光のうち紫、青およ
び緑系の色光を強調し、黄、橙および赤系の色光を抑制
する。
【0057】次に、本発明の作用について説明する。
【0058】通常のハロゲン電球においては、フィラメ
ントが白熱することによって、一般的に800〜100
0nmをピークとして、短波長側が約300nm程度ま
で連続的に減少し、また長波長側に近赤外線から遠赤外
線まで連続的に減少する相対エネルギー分布を示す放射
を生じる。そして、その色温度は自動車用では約325
0Kである。
【0059】これに対して、本発明においては、波長5
50nm以下で可視光の透過率が平均80%以上である
から、紫、青および緑系の可視光を良好に透過するとと
もに、波長550nm超では可視光の透過率が平均40
%以下であるから、黄、橙および赤系の可視光の透過を
抑制するので、全体として青味が強調された白色光が得
られる。
【0060】これにより、約5000K程度の色温度の
ハロゲン電球が得られる。この値は、自動車用ヘッドラ
イトに用いられる高圧メタルハライド放電ランプの色温
度と同等である。したがって、要すれば、高圧メタルハ
ライド放電ランプとハロゲン電球と併用しても、全く違
和感を生じるようなことがなくなる。
【0061】また、本発明においては、可視光に対する
波長選択性フィルタ作用を行うのは干渉膜であるから、
透過波長域の可視光透過率が著しく高いため、フィラメ
ントが放射する比エネルギーの大きな黄、橙および赤系
の可視光の透過を抑制するとともに、フィラメントから
の紫、青および緑系の放射は比エネルギーが相対的に小
さいにもかかわらず、従来の顔料を用いたカラーフィル
タを備えた色温度3500Kのハロゲン電球の全光束と
同等の光束を得ることができる。
【0062】さらに、本発明においては、比視感度の最
も大きな緑色光の透過率が大きいので、視認性が高い発
光が得られる。加えて、色温度が著しく高いにもかかわ
らず全光束が同等であることにより、甚だ高い視認性の
照明を行うことができる。
【0063】さらにまた、本発明においては、赤外線反
射性干渉膜がフィラメントから放射された赤外線を反射
してフィラメントに帰還させるので、フィラメントが帰
還した赤外線によって加熱され、従来の赤外線反射膜を
備えたハロゲン電球と同様に発光効率が高くなる。
【0064】請求項3の発明のハロゲン電球は、請求1
または項2記載のハロゲン電球において、可視光の一部
波長域を選択的に透過する赤外線反射性干渉膜は、可視
光の透過率が波長540nm以下で平均85%以上、波
長560nm超で平均30%以下、540超〜560n
mの範囲で平均40〜80%に制御されれていることを
特徴としている。
【0065】本発明は、請求項2よりさらに好適な構成
を規定している。なお。波長540超〜560nmの波
長域は、透過波長域と遮断波長域との境界領域であるた
め、各波長域の若干のずれによって平均透過率が大きく
変わる。
【0066】本発明によれば、一層青味が強調された白
色の発光を得ることができる。
【0067】請求項4の発明のハロゲン電球は、請求項
1ないし3のいずれか一記載のハロゲン電球において、
可視光反射膜は、透光性気密容器の主要部の表面に形成
されている赤外線反射性干渉膜と同一構成の膜であるこ
とを特徴としている。
【0068】可視光反射膜と赤外線反射性干渉膜とが同
一構成であることにより、両者を同時に形成することが
できる。可視光反射膜を排気チップ部またはおよびトッ
プ部のほぼ全体にわたり、しかも赤外線反射性干渉膜と
同様に均一に、かつ同時に形成する場合には、ディッピ
ング法が適している。また、可視光反射膜が赤外線反射
性干渉膜より薄くて、しかも一部に膜が形成されなくて
もよい場合には、蒸着法を採用することができる。
【0069】また、本発明においては、可視光反射膜が
排気チップ部などの一部に形成されていなくても、全体
として可視光反射の作用および効果が認められれば、差
し支えない。
【0070】さらに、要すれば、赤外線反射性干渉膜の
形成されていない一部に反射性金属膜など異なる構成の
可視光反射膜を形成してもい。
【0071】請求項5の発明のハロゲン電球は、請求項
1ないし4のいずれか一記載のハロゲン電球において、
透光性気密容器は、中央部が円筒部および円筒部の両端
に連続している半球面部を備えた疑似回転楕円体または
回転楕円体の形状であり;フィラメントは、棒状をなし
ていて長手方向の中心が透光性気密容器の疑似回転楕円
体の円筒部のほぼ中心軸または回転楕円体形状の2つの
焦点間の長軸の中央に対向している;ことを特徴として
いる。
【0072】本発明は、赤外線のフィラメントへの帰還
を良好に制御してフィラメントの温度分布を改良した構
成を規定している。
【0073】フィラメントが棒状をなしていると、フィ
ラメントの長手方向の温度分布が中央が高くて両端が低
い山状になり、フィラメントの早期断線により短寿命の
原因になる。
【0074】そこで、フィラメントの長手方向の温度分
布を平坦にすることが要求され、本発明は透光性気密容
器の形状を上記のように規定することにより、これに応
えることができる。
【0075】本発明の構成を満足するのは、疑似回転楕
円体および回転楕円体の形状の両者である。
【0076】疑似回転楕円体は、円筒部および円筒部の
両端に接続する一対の半球面部によって構成される。透
光性気密容器は、円筒部が半径がa、軸方向の長さがフ
ィラメントの長さをLとしたときL/2〜L/6の円筒
部、円筒部の両端に連続している半径aの球面部を備え
た形状であると好適である。
【0077】回転楕円体は、短径が円筒部の直径と同じ
値である。長径が円筒部の直径に円筒部の軸方向の長さ
を加えた値である。短径が2a、長径が2b=2a+
(L/2〜L/6)のときに上記疑似回転楕円体と同効
になる。
【0078】フィラメントは、棒状をなしていて、疑似
回転楕円体の円筒部の中心軸または回転楕円体の長軸に
ほぼ一致して配置される。また、フィラメントの長手方
向の中心が、疑似回転楕円体のときは円筒部の中心軸方
向のほぼ中心に対向し、回転楕円体のときは2つの焦点
間の中央にほぼ対向している。
【0079】そうして、本発明においては、透光性気密
容器が疑似回転楕円体のときには、円筒部の中心軸方向
の両端がほぼ回転楕円体の2つの焦点と同様な作用を行
う。したがって、回転楕円体および疑似回転楕円体は、
ともにフィラメントの各部分から放射された赤外線が赤
外線反射性干渉膜で反射されて2つの焦点位置を中心に
その近傍に多く帰還される。このため、フィラメントの
長手方向の温度分布の均斉度が向上し、フィラメントの
局部的過熱がなくなるから、早期断線による短寿命が生
じにくくなる。
【0080】また、透光性気密容器が疑似回転楕円体ま
たは回転楕円体の形状を備えているおで、赤外線反射性
干渉膜への光線入射がほぼ垂直になる。このため、干渉
膜への光線入射が斜めになったときに生じる光色ずれが
少ない。
【0081】さらに、疑似回転楕円体は、回転楕円体と
同様な光学作用を行うにもかかわらず、円筒および半球
面によって構成されるので、金型の製作が甚だ容易にな
るので、回転楕円体形状の場合よりコストを低減できる
利点がある。
【0082】請求項6の発明のハロゲン電球は、請求項
1ないし5のいずれか一記載のハロゲン電球において、
透光性気密容器の排気チップ部は、ほぼ回転放物面また
はほぼ球面の形状を備えていることを特徴としている。
【0083】本発明は、排気チップ部への入射光線が反
射して主要部へ戻りやすい形状を規定している。
【0084】排気チップ部が回転放物面の形状である
と、これに伴って可視光反射膜も回転放物面になるの
で、フィラメントからの放射光が排気チップ部に入射し
たときに、透光性気密容器の主要部側へ反射しやすくな
る。そして、主要部側へ反射されて戻った光は、主要部
の赤外線反射性干渉膜を透過して外部へ放射されて、照
明に利用されやすくなる。
【0085】排気チップ部が球面の形状の場合も、回転
放物面に準じた作用を行う。
【0086】請求項7の発明の照明装置は、照明装置本
体に支持された請求項1ないし6のいずれか一記載のハ
ロゲン電球と;を具備していることを特徴としている。
【0087】「照明装置」とは、ハロゲン電球の発光を
何らかの目的で利用する全ての装置を含む広い概念を意
味する。したがって、たとえばヘッドライトはもとより
店舗などの照明器具、光ファイバ用光源装置、表示装置
などを含む。
【0088】また、「照明装置本体」とは、照明装置か
らハロゲン電球を除いた残余の部分を意味する。
【0089】自動車用ヘッドライトの場合、4灯式にお
いてはロービーム用ヘッドライトに高圧メタルハライド
放電ランプを用い、ハイビーム用ヘッドライトに既述の
本発明のハロゲン電球を用いることができる。しかし、
ロービーム用ヘッドライトにも本発明のハロゲン電球を
用いることもできる。
【0090】また、ハイ・ロー兼用の2灯式ヘッドライ
トにおいても、本発明のハロゲン電球を用いることがで
きる。
【0091】そうして、本発明においては、一部波長域
の可視光が透過し、残余の波長域の可視光が遮断される
ことにより、いわゆる電球色とは異なる色光たとえば青
味が強調された白色光をハロゲン電球が発光するので、
所望の照明効果を奏する照明装置が得られる。
【0092】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0093】図1は、本発明のハロゲン電球の第1の実
施形態としての自動車用ハロゲン電球を示す正面図であ
る。
【0094】図2は、同じくワイヤバルブ状態を示す正
面図である。
【0095】図3は、同じく側面図である。
【0096】図4は、同じく透光性気密容器の形状を説
明する要部概念図である。
【0097】図5は、同じく排気チップ部の肉厚方向の
拡大要部概念的断面図である。
【0098】図6は、同じく排気チップ部の反射作用を
説明する拡大要部概念図である。
【0099】各図において、1は透光性気密容器、2は
フィラメント、3は一対の内部導入線、4は一対の外部
導入線、5は赤外線反射性干渉膜、6は可視光反射膜、
7は遮光膜、8は口金である。
【0100】<透光性気密容器1について>透光性気密
容器1は、硬質ガラスからなり、主要部1a、ネック部
1b、封止部1cおよび排気チップ部1dを備えてい
る。
【0101】主要部1aは、疑似回転楕円体の形状を備
えている。すなわち、図4に示すように、円筒部1a1
および一対の半球面部1a2、1a2から構成されてい
る。
【0102】円筒部1a1は、その半径がaで、中心軸
方向の長さがsである。
【0103】半球面部1a2は、その半径がaである。
【0104】そうして、主要部1aは、短径2a、長径
2b=2a+sの回転楕円体の形状と同効な疑似回転楕
円体の形状を備えている。
【0105】ネック部1bは、主要部1aの基端に連続
して一体に形成されている。
【0106】封止部1cは、ピンチシール構造をなして
いて、ネック部1bの基端に形成されている。
【0107】また、封止部1cは、その前後の偏平面の
中央部にほぼ横長四角形の位置規制用突起1c1をピン
チシール時に金型を用いて一体に成形している。
【0108】排気チップ部1dは、主要部1aのトップ
部1a1から一体に突出して形成されている。そして、
製造に際して予め主要部1aのトップ部1a1に排気管
を溶着しておき、主要部1aの内部を排気後に、ハロゲ
ンおよび不活性ガスを封入してから封止切ったときに排
気チップ部1dが形成される。
【0109】<フィラメント2について>フィラメント
2は、棒状のタングステン2重コイルフィラメントから
なり、軸方向の長さがLで、長さ方向が透光性気密容器
1の中心軸に一致して配置されている。なお、透光性気
密容器1の円筒部1a1の中心軸方向の長さsは、下式
の範囲内に入るように設定されている。
【0110】L/6≦s≦L/2 また、フィラメント2は、その両端から左右に分かれ、
かつ軸方向に対して直角に延在する一対のコイルレグ2
a、2bを備えている。
【0111】<一対の内部導入線3について>一対の内
部導入線3は、透光性気密容器1の中心軸に平行に互い
に離間して延在し、基端側が封止部1c内に埋設されて
いる。
【0112】また、内部導入線3の先端部は、高さが段
違いになっていて、先端が高い方がフィラメント2の一
対のコイルレグ2aを継線し、低い方が他方のコイルレ
グ2bを継線して、フィラメント2を所定の位置に支持
している。
【0113】<一対の外部導入線4について>一対の外
部導入線4は、その先端部が封止部1c内に埋設され、
かつ、一対の内部導入線3の基端に突き合わせ溶接され
ていて、それ以外の部分は外部に露出している。
【0114】<赤外線反射性干渉膜5について>赤外線
反射性干渉膜5は、図2および図3に示すように、主要
部1aの全体および排気チップ部1cに形成され、図5
に示す分光透過特性を備えている。
【0115】図5は、本発明のハロゲン電球の第1の実
施形態における赤外線反射性干渉膜の分光透過特性を従
来のハロゲン電球のそれとともに示すグラフである。
【0116】図において、横軸は波長(nm)を、縦軸
は透過率(%)を、それぞれ示す。また、曲線Aは本発
明の実施形態、曲線Bは顔料のカラーフィルタ膜を備え
た従来のハロゲン電球、曲線Cは赤外線反射性干渉膜を
備えた従来のハロゲン電球、の分光透過率特性をそれぞ
れ示す。いずれの曲線も、波長380nmから1000
nmまでの波長範囲を20nm間隔で測定したデータを
直線で結んで求めたものである。
【0117】なお、曲線Cは、波長520nm以下およ
び波長940nm以上が曲線Aと一致している。
【0118】図から明らかなように、本発明の実施形態
の分光透過率特性は、曲線Aに示すように、波長550
nm以下の範囲における可視光の透過率が平均85.5
%、波長550nm超の範囲における可視光の透過率が
平均28.8%である。さらに、波長540nm以下の
範囲における可視光の透過率は、平均87.7%、波長
560nm超の範囲における可視光の透過率は平均2
8.8%、波長540超〜560nmの範囲における可
視光の透過率は平均65%であった。
【0119】また、赤外線の分光反射率は、波長780
超〜1000nmの範囲において平均75%である。な
お、図示していないが、波長1000超〜1500nm
の範囲おいても概ね同様であった。なお、波長1500
nm超〜2500nmの範囲は、従来と同様殆ど反射し
ないが、この範囲はフィラメントからの放射も少ないの
で、実際上問題にならない。
【0120】これに対して、顔料のカラーフィルタ膜を
備えた従来のハロゲン電球の分光透過率特性は、曲線B
に示すように、青色以外の可視光に対する透過率が抑制
されてはいるが、可視光全域における透過率が50%以
上あり、十分な青味強調の効果が得られない。また、赤
外線反射作用は認められない。
【0121】次に、赤外線反射性干渉膜を備えた従来の
ハロゲン電球の分光透過率特性は、曲線Cに示すよう
に、赤外線反射率が良好であるのに対して、可視光の透
過率が全域にわたり平均85%以上と高い。このため、
カラーフィルタ膜としての機能はない。
【0122】<可視光反射膜6について>可視光反射膜
6は、アルミニウム蒸着膜からなり、図2、図3および
図6に示すように、排気チップ部1dおよびトップ部1
a3の外表面に形成されている。
【0123】<遮光膜7について>遮光膜7は、カーボ
ン微粒子を添加した耐熱性無機質接着剤からなり、図
2、図3および図6に示すように、可視光反射膜6の上
に重ねて形成されている。
【0124】<口金8について>口金8は、図1に示す
ように、口金本体8a、電球支持部8b、灯体装着部8
cおよびソケット装着部8dを備えていて、ハロゲン電
球のワイヤバルブを支持する。なお、「ワイヤバルブ」
とは、ハロゲン電球の口金を装着する以前の状態をい
う。
【0125】口金本体8aは、合成樹脂を成形して形成
されていて、内部が中空で図示しない受金を収納し、全
体として逆L字状をなしている。受金は、ハロゲン電球
の外部導入線4を受け入れて接続を形成するとともに、
後述するソケット装着部8dに接続している。
【0126】電球支持部8bは、口金本体8aに挿入し
たハロゲン電球のワイヤバルブを所定の位置に正確に定
置するとともに、不所望に脱落しないように固定する。
これを確実に達成するために、電球支持部8bは、透光
性気密容器1の封止部1cに形成した位置規制用突起1
c1の嵌合部8b1を備えた表裏一対の金属板8b2に
よって封止部1cを表裏から挟み、両端をスポット溶接
して、封止部1cを狭持している。
【0127】灯体装着部8cは、ハロゲン電球をヘッド
ライト本体(図示しない。)に、その反射鏡の背面から
挿入して、装着する部分であり、Oリング8c1および
固定部8c2を備えている。
【0128】Oリング8c1は、ヘッドライトの反射鏡
に対してハロゲン電球を水密に装着するための防水手段
である。
【0129】固定部8c2は、図示しない反射鏡に口金
8を固定する。
【0130】次に、本実施形態および従来のハロゲン電
球の分光分布特性について図7ないし図10を参照して
説明する。
【0131】図7は、光フィルタ膜を備えていない一般
のハロゲン電球における分光分布特性を示すグラフであ
る。
【0132】図8は、本発明のハロゲン電球の第1の実
施形態における分光分布特性を示すグラフである。示す
グラフである。
【0133】図9は、顔料のカラーフィルタ膜を備えた
従来のハロゲン電球の分光分布特性を示すグラフであ
る。
【0134】図10は、赤外線反射性干渉膜を備えた従
来のハロゲン電球の分光分布特性を示すグラフである。
【0135】各図において、横軸は波長(nm)を、縦
軸は相対エネルギーを、それぞれ示す。なお、各図の相
対エネルギーを示す目盛りは、その相対値の大きさを表
している。すなわち、各図間で同一目盛りは、同一のエ
ネルギー強度であることを意味している。
【0136】一般のハロゲン電球は、図7に示すような
紫から赤までの可視光を含んでいるが、紫から赤色光に
向かうほど分光エネルギー強度が大きくなっている分光
分布特性を備えている。
【0137】これに対して、本実施形態においては、図
8に示すように、図5に示す透過率特性を備えた赤外線
反射性干渉膜を具備しているため、フィラメントから放
射される可視光のうち、紫、青および緑の光色成分が殆
ど吸収されずに透過するが、放射エネルギーの大きな
黄、橙および赤の光色成分の大部分を赤外線反射性干渉
膜によって吸収してしまうため、これらの可視光範囲の
光の透過が少なくなる。
【0138】次に、顔料のカラーフィルタ膜を備えた従
来のハロゲン電球は、図9に示すように、青色光成分は
多くなってはいるが、赤色光成分はさらに多く、しかも
黄、橙も無視できなほど多い。これに対して、緑色光成
分が少ない。
【0139】このため、色温度を高くすることができな
い。また、視認性におても十分でない。
【0140】一方、赤外線反射性干渉膜を備えた従来の
ハロゲン電球は、図10に示すように、可視光を概ね全
波長域にわたって可視光をそのまま透過し、赤外線を約
800〜1500nmにわたって良好に遮断している。
【0141】以上説明した本実施形態および従来の自動
車用ハイビームに用いるハロゲン電球の主な特性につい
て表1に示す。なお、路面照度比は、50m先のデータ
である。
【0142】
【表1】 区分 全光束(lm) 路面照度(lx) 照度比 色温度(K) 従来1 1850 10.3 1.39 3250 本実施形態 1700 9.7 1.31 5000 従来2 1700 9.7 1.31 3500 従来3 2350 13.4 1.81 3320 次に、排気チップ部1dの可視光反射膜6の作用につい
て図11を参照して説明する。
【0143】図11は、本発明のハロゲン電球の第1の
実施形態における排気チップ部に形成した可視光反射膜
の反射作用を説明する概念図である。
【0144】可視光反射膜6は、排気チップ部1dが回
転放物面を形成しているので、同様に回転放物面に形成
されている。
【0145】図において、直線X−X’は光軸、点fは
回転放物面の焦点である。
【0146】今、入射光I1が光軸X−X’と平行に入
射したとすると、排気チップ部1dの可視光反射膜6で
反射され、反射光R1となって主要部1a側へ戻る。
【0147】また、入射光I2が斜めに入射されたとす
ると、反対方向に斜めの反射光R2となって主要部1a
側へ戻る。
【0148】図12は、本発明のハロゲン電球の第2の
実施形態におけるワイヤバルブ状態を示す正面図であ
る。
【0149】図13は、同じくトップ部から排気チップ
部にかけての肉厚方向の拡大要部概念的断面図である。
【0150】各図において、図2および図5と同一部分
については同一符号を付して説明は省略する。
【0151】本実施形態は、可視光反射膜6が排気チッ
プ部の先端部に形成されていないとともに、トップ部1
a3の先端近傍から排気チップ部1dにかけて徐々に肉
厚が減少している点で異なる。
【0152】赤外線反射性干渉膜を蒸着法によって形成
した場合に、このような構成にすることができる。
【0153】図14は、本発明のハロゲン電球の第3の
実施形態におけるワイヤバルブ状態を示す正面図であ
る。
【0154】図15は、同じくトップ部から排気チップ
部にかけての肉厚方向の拡大要部概念的断面図である。
【0155】各図において、図12および図13と同一
部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0156】本実施形態は、可視光反射膜6が赤外線反
射性干渉膜5とは別の金属質反射膜によって構成されて
いる点で異なる。なお、可視光反射膜6は、赤外線反射
性干渉膜5の縁に一部重なって形成されている。
【0157】図16は、本発明のハロゲン電球の第4の
実施形態における透光性気密容器の形状を説明する要部
概念図である。
【0158】図において、図4と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0159】本実施形態は、排気チップ部1dが半球面
状をなしている点で異なる。
【0160】図17は、本発明のハロゲン電球の第5の
実施形態における透光性気密容器の形状を説明する要部
概念図である。
【0161】図において、図16と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0162】本実施形態は、透光性気密容器1の主要部
1aが短径2a、長径が2bで、かつb=a+(L/6
〜L/2)の回転楕円体の形状をなしている点で異な
る。
【0163】図18は、本発明の照明装置の一実施形態
としての自動車用ヘッドライトを示す自動車の要部斜視
図である。
【0164】図19は、同じくヘッドライトを示す概念
的平面図である。
【0165】各図において、11は自動車、12はヘッ
ドライト、13A、13Bはハロゲン電球である。
【0166】自動車11は、ボディ11aの前部の左右
に一対のヘッドライト12を配設している。
【0167】ヘッドライト12は、ロービーム用ヘッド
ライト12a、ハイビーム用ヘッドライト12bを備え
ている。
【0168】ロービーム用ヘッドライト12aは、ボデ
ィ11aの前面の外側に位置していて、反射鏡12a
1、前面プリズムカバー12a2およびハロゲン電球1
3Aを備えている。
【0169】ハイビーム用ヘッドライト12bは、反射
鏡12b1、前面プリズムカバー12a2およびハロゲ
ン電球13Bを備えている。
【0170】ハロゲン電球13A、13Bは、それらの
仕様がロービーム用およびハイビーム用で異なるが、基
本的な構成はたとえば図1ないし図4に示すもの共通に
が用いられる。
【0171】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、先端に排気チ
ップ部を備えた透光性気密容器のほぼ中心軸上にフィラ
メントが位置し、内部にハロゲンおよび不活性ガスを封
入し、透光性気密容器の表面に可視光の一部波長域を選
択的に透過する赤外線反射性干渉膜を備えるとともに、
少なくとも排気チップ部の表面に可視光反射膜を形成
し、可視光反射膜の上に遮光膜を形成したことにより、
フィラメントから放射されたいわゆる電球色を所望の光
色に効率よく変換するとともに、赤外線をフィラメント
に帰還して発光効率を高める一方、フィラメントから放
射されて排気チップ部またはおよび透光性気密容器の主
要部のトップ部に入射する光を反射し赤外線反射性干渉
膜を透過して照明に利用するとともに、排気チップ部ま
たはおよびトップ部を透過して色ずれや配光を乱すこと
なく、さらに灯具の反射鏡からの反射光が排気チップ部
またはおよびトップ部に入射しても遮光膜により吸収さ
れることで、反射して配光を乱さないハロゲン電球を提
供することができる。
【0172】請求項2の発明によれば、加えて赤外線反
射性干渉膜が可視光の透過率が波長550nm以下で平
均80%以上、波長550nm超で平均40%以下に制
御されていることにより、可視光のうち紫、青および緑
系の可視光を良好に透過し、黄、橙および赤系の可視光
の透過を抑制するので、青味が強調されて色温度の高い
た白色光を得るハロゲン電球を提供することができる。
【0173】請求項3の発明によれば、加えて赤外線反
射性干渉膜が可視光の透過率が波長540nm以下の範
囲で平均85%以上、波長560nm以上の範囲で平均
30%以下、波長540超〜560nmの範囲で平均4
0〜80%に制御されていることにより、一層青色が強
調された白色光を得るハロゲン電球を提供することがで
きる。
【0174】請求項4の発明によれば、加えて可視光反
射膜が透光性気密容器の表面に形成されている赤外線反
射性干渉膜と同一構成の膜であることにより、両膜を同
時に形成可能なハロゲン電球を提供することができる。
【0175】請求項5の発明によれば、加えて透光性気
密容器が円筒部の両端に連続する一対の半球体からなる
疑似回転楕円体または回転楕円体の形状であり、フィラ
メントが棒状であることにより、フィラメントの温度分
布の均斉度が向上してフィラメントの早期断線による短
寿命が生じにくいハロゲン電球を提供することができ
る。
【0176】請求項6の発明によれば、加えて排気チッ
プ部がほぼ回転放物面または球面の形状を備えているこ
とにより、排気チップ部への入射光線が反射して主要部
へ戻りやすいハロゲン電球を提供することができる。
【0177】請求項7の発明によれば、請求項1ないし
6の発明の効果を有する照明装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハロゲン電球の第1の実施形態として
の自動車用ハロゲン電球を示す正面図
【図2】同じくワイヤバルブ状態を示す正面図
【図3】同じく側面図
【図4】同じく透光性気密容器の形状を説明する要部概
念図
【図5】本発明のハロゲン電球の第1の実施形態におけ
る赤外線反射性干渉膜の分光透過率特性を従来のハロゲ
ン電球のそれとともに示すグラフ
【図6】同じく排気チップ部の肉厚方向の拡大要部概念
的断面図
【図7】光フィルタ膜を備えていない一般のハロゲン電
球における分光分布特性を示すグラフ
【図8】本発明のハロゲン電球の第1の実施形態におけ
る分光分布特性を示すグラフ
【図9】顔料のカラーフィルタ膜を備えた従来のハロゲ
ン電球における分光分布特性を示すグラフ
【図10】赤外線反射性干渉膜を備えた従来のハロゲン
電球における分光分布特性を示すグラフ
【図11】本発明のハロゲン電球の第1の実施形態にお
ける排気チップ部に形成した可視光反射膜の反射作用を
説明する概念図
【図12】本発明のハロゲン電球の第2の実施形態にお
けるワイヤバルブ状態を示す正面図
【図13】同じくトップ部から排気チップ部にかけての
肉厚方向の拡大要部概念的断面図
【図14】本発明のハロゲン電球の第3の実施形態にお
けるワイヤバルブ状態を示す正面図
【図15】同じくトップ部から排気チップ部にかけての
肉厚方向の拡大要部概念的断面図
【図16】本発明のハロゲン電球の第4の実施形態にお
ける透光性気密容器の形状を説明する要部概念図
【図17】本発明のハロゲン電球の第5の実施形態にお
ける透光性気密容器の形状を説明する要部概念図
【図18】本発明の照明装置の一実施形態としての自動
車用ヘッドライトを示す自動車の要部斜視図
【図19】同じくヘッドライトの概念的平面図
【符号の説明】
1…透光性気密容器 1a…主要部 1a3…トップ部 1b…ネック部 1c…封止部 1c1…位置規制用突起 1d…排気チップ部 2…フィラメント 2a…コイルレグ 2b…コイルレグ 3…内部導入線 4…外部導入線 5…赤外線反射性干渉膜 6…可視光反射膜 7…遮光膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端から中心軸方向に突出した排気チップ
    部を備えた透光性気密容器と;透光性気密容器の少なく
    とも主要部の表面に形成された可視光の一部波長域を選
    択的に透過する赤外線反射性干渉膜と;透光性気密容器
    の少なくとも排気チップ部の表面に形成された可視光反
    射膜と;可視光反射膜の上側に形成された遮光膜と;透
    光性気密容器のほぼ中心軸上に位置するフィラメント
    と;透光性気密容器内に封入されたハロゲンおよび不活
    性ガスと;を具備していることを特徴とするハロゲン電
    球。
  2. 【請求項2】可視光の一部波長域を選択的に透過する赤
    外線反射性干渉膜は、可視光の透過率が波長550nm
    以下で平均80%以上、波長550nm超で平均40%
    以下に制御されていることを特徴とする請求項1記載の
    ハロゲン電球。
  3. 【請求項3】可視光の一部波長域を選択的に透過する赤
    外線反射性干渉膜は、可視光の透過率が波長540nm
    以下で平均85%以上、波長560nm超で平均30%
    以下、540超〜560nmの範囲で平均40〜80%
    に制御されれていることを特徴とする請求1または項2
    記載のハロゲン電球。
  4. 【請求項4】可視光反射膜は、透光性気密容器の主要部
    の表面に形成されている赤外線反射性干渉膜と同一構成
    の膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か一記載のハロゲン電球。
  5. 【請求項5】透光性気密容器は、中央部が円筒部および
    円筒部の両端に連続している半球面部を備えた形状また
    は回転楕円体の形状であり;フィラメントは、棒状をな
    していて長手方向の中心が透光性気密容器の円筒部のほ
    ぼ中心または回転楕円体形状の2つの焦点間の中央に対
    向している;ことを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか一記載のハロゲン電球。
  6. 【請求項6】透光性気密容器の排気チップ部は、ほぼ回
    転放物面またはほぼ球面の形状を備えていることを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれか一記載のハロゲン電
    球。
  7. 【請求項7】照明装置本体と;照明装置本体に支持され
    た請求項1ないし6のいずれか一記載のハロゲン電球
    と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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