JP3102041B2 - 白熱電球 - Google Patents

白熱電球

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JP3102041B2
JP3102041B2 JP03015418A JP1541891A JP3102041B2 JP 3102041 B2 JP3102041 B2 JP 3102041B2 JP 03015418 A JP03015418 A JP 03015418A JP 1541891 A JP1541891 A JP 1541891A JP 3102041 B2 JP3102041 B2 JP 3102041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透光性気密容器の内面
または外面に赤外線反射可視光透過膜を形成した白熱電
球に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば店舗などで使用されているスポッ
トダウンライトは、光源としてのランプと、このランプ
を収容してこのランプから放射される光を反射する反射
鏡とで構成された、いわゆる反射鏡付電球が使用されて
いる。このようなスポットダウンライトは、照射する商
品を他の商品と区別して目立つように引き立たせるた
め、すなわち照明効果を高めるために高演色性でク−ル
な色の光が好ましく、このためランプとして白熱電球、
特にハロゲン電球を使用している。また、ランプから放
出される熱で商品を熱劣化させないように、反射面にダ
イクロイック膜を設けた反射鏡を用いている。
【0003】ダイクロイック膜は多層光干渉膜で形成さ
れており、可視光を反射するとともに赤外線を透過させ
る性質があり、したがって、ランプから放射された光の
うちの赤外線を透過して可視光を反射するので、反射鏡
から熱線を照射する割合が減じられ、商品に対する熱的
影響を少なくすることができる。
【0004】しかしながら、従来のダイクロイック膜に
よるミラ−付ハロゲン電球の場合、前方に放射される熱
線は約80%程度減少するが、この赤外線は反射鏡本体
から後方に放射される。
【0005】後方へ逃がされる熱は器具を加熱し、同一
室内でこの種の反射鏡付電球を多数個使用する場合はこ
れらから放出される熱量は相当に多くなり、商品を熱劣
化させないまでも空調設備にかなりの負担をかけること
になる。
【0006】空調設備に負担をかけないようにするに
は、反射鏡付電球から放出される熱量を低減する必要が
あり、すなわちランプ効率の向上が望まれる。ランプ効
率を向上させるため、最近、電球バルブの内面または外
面に赤外線反射可視光透過膜を形成する提案がなされて
いる。このようなランプの赤外線反射可視光透過膜も多
層光干渉膜で形成されており、バルブに収容したフィラ
メントから放出される可視光を透過させ、しかしながら
赤外線を反射するものであり、このものは反射した赤外
線をフィラメントに戻すようにしたものである。反射さ
れた赤外線はフィラメントを再加熱し、このためフィラ
メントの白熱発光のために外部から供給する電力を低減
することができ、発光効率が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来考
えられているハロゲン電球は、バルブ形状が反射鏡の中
心線(=光軸)に沿って細長い円筒形をなしていた。こ
のように、バルブ形状が円筒形をなしたランプの場合、
反射面が円筒形となるので、フィラメントから放射され
た赤外線が円筒形バルブの内面または外面に形成した赤
外線反射膜で反射される場合に、フィラメントから遠ざ
かる方向に反射されることがあり、赤外線反射膜で反射
された赤外線が元のフィラメントに戻る割合が少ない。
このように、フィラメントから遠ざかる方向に反射され
る赤外線を捕らえようとするとフィラメントの長さを長
くしなければならず、しかしフィラメント長の大きなラ
ンプは高電圧タイプとなってしまう。
【0008】例えば、低電圧タイプの赤外線反射可視光
透過膜付きランプを要求する場合は、フィラメント長を
短くする必要がある。しかし、フィラメント長を短くし
てバルブ形状を円筒形にすると、フィラメントから遠ざ
かる方向に反射される赤外線を捕えるのが困難になるた
め、赤外線がフィラメントに吸収される効率が良くな
い。本発明の目的は、赤外線がフィラメントに吸収され
る効率を向上させ発光効率が向上するのに有効な白熱電
球を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の白熱電球
は、外径をdおよび長さをnとし、1.0<n/d≦
4.2を満足するように構成された多重コイル部を有す
るフィラメントと;多重コイル部を包囲するように形成
された外径Dの略球状体部を含み、0.05≦d/D≦
0.15を満足するように構成された透光性気密容器
と;透光性気密容器の略球状体部の少なくとも主要部に
形成された赤外線反射可視光透過膜と;一端がフィラメ
ントに接続されるとともに他端が透光性気密容器の封止
部に配設された内部リード線と;透光性気密容器の封止
部内で内部リード線と電気的に接続され、封止部から外
に導出された外部リード線と;を具備してなる。請求項
2記載の白熱電球は、請求項1記載の白熱電球は6ない
し36Vの電圧で動作することを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1及び2記載の発明によると、略球状体
部を有する透光性気密容器に収容したフィラメントから
放出される赤外線が赤外線反射可視光透過膜で反射され
た場合にバルブの中心または焦点位置の方向に向かい、
フィラメントに確実に戻るようになる。このため、フィ
ラメントの赤外線吸収効率が良くなり、発光効率が向上
する。そして、赤外線が赤外線反射膜で反射された場合
にバルブの中心または焦点位置間に向かうので、フィラ
メント長を小さくしても赤外線の捕獲率が高く、赤外線
吸収効率が高く、例えば、フィラメント長の短い低電圧
で動作するランプに有効である。
【0011】
【実施例】以下本発明について、図1ないし図6に示す
一実施例にもとづき説明する。図はダイクロイックミラ
ー付ハロゲン電球を示し、1は白熱電球であるハロゲン
電球、10は反射鏡を示す。上記ハロゲン電球1は、略
球状体部を有する、例えば外径8〜15mm程度の透明な
石英ガラスからなる透光性気密容器としてのバルブ2を
有し、このバルブ2の一端には圧潰封止部3が形成され
ている。このハロゲン電球1は低電圧、例えば6〜36
V程度で動作するもので、上記封止部3にはモリブデン
などからなる一対の金属箔導体4、4が封着されてお
り、これら金属箔導体には内部リード線としての内部導
入線5、5が接続されている。これら内部導入線5、5
はバルブ2内に導かれ、これらの両端間にタングステン
コイルからなるフィラメント6が架設されている。フィ
ラメント6は、コイル軸がバルブ軸O1 に沿ってバルブ
軸O1 の上に位置されるよう配置されている。
【0012】上記圧潰封止部3に封着された一対の金属
箔導体4、4には外部リード線としての外部導入線7、
7が接続されており、これら外部導入線7、7には給電
用の端子ピン8、8が接続されている。上記バルブ2内
には所定圧のアルゴンガスと、臭素化合物などのハロゲ
ンが封入されている。
【0013】このようなバルブ2の外面には、赤外線反
射可視光透過膜9が形成されている。この赤外線反射可
視光透過膜9は光干渉膜であり、公知であるから図示し
ないが高屈折率層と低屈折率層を交互に重層し、例えば
合計9〜17層の多層膜として構成されていて、赤外線
を反射し、しかしながら可視光を透過する性質がある。
高屈折率層は酸化チタン(TiO2 )、酸化タンタル
(Ta25 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、硫化
亜鉛(ZnS)などからなり、また低屈折率層は酸化ケ
イ素(シリカ=SiO2 )、ふっ化マグネシウム(Mg
2 )などにより構成されている。
【0014】このような構成のハロゲン電球1は前記反
射鏡10に収容されている。反射鏡10は、回転放物面
をなす反射鏡本体11を備えている。この反射鏡本体1
1はガラスで構成してもよいが、本実施例の場合は金
属、例えばアルミニウムにより形成されている。この反
射鏡本体11の前面開口部にはミラー径が35〜60mm
とされた投光口12を形成してあり、背面にはランプ取
付け筒部13が形成されている。
【0015】なお、ランプ取付け筒部13は円筒または
角筒形をなし、上記電球1の圧潰封止部3が前面側から
挿入されるようになっている。この反射鏡本体11の回
転放物面には反射面が形成されており、この反射面には
赤外線吸収膜14およびダイクロイック膜15が積層し
て形成されている。
【0016】赤外線吸収膜14はCr23 SiOx
TiOx 、AlO2 などにより形成され、アルミニウム
からなる反射鏡本体11の内面に形成されている。ダイ
クロイック膜15は光干渉膜の1種であり、前記と同様
な酸化チタン(TiO2 )、酸化タンタル(Ta2
5 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、硫化亜鉛(Zn
S)などの高屈折率層と、酸化ケイ素(シリカ=SiO
2 )、ふっ化マグネシウム(MgF2 )などの低屈折率
層を交互に例えば21層積層して形成され、赤外線を透
過して可視光を反射する性質がある。
【0017】このような反射鏡10には上記ハロゲン電
球1が一体的に取り付けられる。すなわち、上記ハロゲ
ン電球1の圧潰封止部3は反射鏡10のランプ取付け筒
部13に対して接着剤16で接合されている。この場合
電球1の圧潰封止部3は反射鏡10の前面側からランプ
取付け筒部13に挿入され、ハロゲン電球1のバルブ軸
1 と反射鏡10の中心軸すなわち光軸O2 と略一致す
るようにし、かつフィラメント6が反射鏡10の焦点位
置に対して所定の位置となるように位置調整した状態
で、上記圧潰封止部3の外面とランプ取付け筒部13の
内面との間に接着剤16を充填して、この接着剤16を
乾燥固化して電球1と反射鏡10を接合する。
【0018】なお、接着剤16は、アルミナ、シリカ、
マグネシア、ジルコニアなどの金属酸化物を主成分とし
た耐熱性無機質接着剤が用いられる。また、17は閉塞
板であり、ランプ取付け筒部13の後端開口部を塞ぎ、
電球1の位置決めの補助をなし、かつ接着剤の流れ出し
を防止する。
【0019】このような構成の反射鏡付電球の作用を説
明する。ハロゲン電球1を点灯すると、フィラメント6
が発光し、この光はバルブ2を透過し、反射鏡10の反
射膜15で反射され前面開口部12から前方に向けて照
射される。この場合、上記フィラメント6から放射され
た光がバルブ2を透過するとバルブ2の外面に形成した
赤外線反射可視光透過膜9に入射する。この赤外線反射
可視光透過膜9に達した光のうち例えば700〜130
0nmの赤外線領域の光はこの赤外線反射可視光透過膜9
で反射され、主として可視光が透過される。
【0020】反射された赤外線はフィラメント6に戻さ
れ、このためフィラメント6は上記反射された赤外線で
再び加熱されることになり、したがって消費電力が少な
くてすみ、発光効率が向上する。
【0021】この場合、バルブ2は球形をなしており、
この内面または外面に形成された赤外線反射可視光透過
膜9も略球形に配置されているので、この赤外線反射可
視光透過膜9で反射された赤外線はバルブ2の中心に向
かわされる。このため赤外線はバルブ2の中心に配置さ
れているフィラメント6に確実に戻され、すなわち赤外
線の帰還効率が良い。よって、ランプ効率が向上する。
【0022】このことから、フィラメント6を短くして
も、赤外線反射可視光透過膜9で反射された赤外線はバ
ルブ2の中心に向かわされてこのフィラメント6に確実
の帰還し、したがって低電圧で作動するランプに適用す
ることができる。
【0023】そして、上記赤外線反射可視光透過膜9を
透過して反射鏡10の反射面に達した光は、反射面に形
成されているダイクロイック膜15で、700nm以上の
赤外線領域の光がこのダイクロイック膜15を透過し、
赤外線吸収膜14で吸収されて反射鏡本体11に伝達さ
れる。よって反射鏡本体11の温度が上昇するが、この
熱は反射鏡本体11の背面表面から放出される。そし
て、ダイクロイック膜15に達した可視光はこのダイク
ロイック膜15により反射され、前面投光口12から前
方に向けて投光され、被照射面を照射する。
【0024】このようなことから、フィラメント6より
放射される赤外線は、バルブ2の赤外線反射可視光透過
膜9で遮断され、かつ反射鏡10のダイクロイック膜1
5で背面側に透過されるので、被照射面に熱が届かず、
被照射面の熱劣化が防止されることになる。
【0025】このような実施例の場合、バルブ2を球形
にし、この内面または外面に赤外線反射可視光透過膜9
を形成したハロゲン電球1のランプ効率は、赤外線反射
可視光透過膜9を形成しない場合に比べて20〜30%
向上する。
【0026】また、赤外線がランプ内部で再使用される
ことから、反射鏡10に達する赤外線が低減され、反射
鏡10の前面に照射される赤外線は10%以下に減少す
る。また、反射鏡本体11に達する熱も少ないので反射
鏡本体11の温度は上昇も少なくなる。このため、室内
の温度上昇が少なくなり、空調設備に対する負担を少な
くすることができる。
【0027】本実施例について実験した結果を説明す
る。ハロゲン電球1は、外径Dが12mmの球形バルブ2
からなり、定格12V35Wのものを製作した。このラ
ンプは、赤外線反射可視光透過膜9を形成する前でラン
プ効率が約17.5lm/Wであったが、外面にTiO2
−SiO2 の多層膜からなる赤外線反射可視光透過膜9
を形成したところ、ランプ効率が約23.1lm/Wとな
り、約32%の向上が認められた。
【0028】また、定格12V、50Wのランプを製作
し、このランプをミラー径50mmの反射鏡10に装着し
て、ダイクロイック膜15で反射された前方照射光の分
光スペクトル分布を測定したところ、図2の特性を得
た。図2は、横軸に波長(nm)、縦軸に相対分光パワー
(%)を示し、同図中、実線が赤外線反射可視光透過膜
9を形成したランプで、破線が赤外線反射可視光透過膜
を形成しないランプの場合である。
【0029】この測定結果からも、本実施例のミラー付
ハロゲン電球の場合は赤外線を前方にほとんど照射しな
いことが明らかであり、90%以上カットすることが確
認される。
【0030】そして、この場合、赤外線反射可視光透過
膜を形成しないランプと同程度の照度を得るために本発
明の赤外線反射可視光透過膜9を形成したランプの場合
は、消費電力が約37Wであれば達成できることが判明
しており、これはランプ効率で26%の向上となってお
り、このような消費電力であれば反射鏡10の温度上昇
は少なくなる。
【0031】そして、反射鏡10を金属、特にアルミニ
ウムで製造すれば熱伝導性に優れて放熱作用が良好であ
り、しかも耐熱性にも優れているのガラスと比べて破損
する心配がない。この結果、上記反射鏡をアルミニウム
で製造し、そのミラー径を50mmから35mmに変更して
も耐熱強度の点で実用に適し、よって小形、高効率化の
要請に応じることができる。
【0032】また、上記球形のハロゲン電球1につい
て、フィラメント6に戻される赤外線の帰還効率を調べ
た結果を説明する。まず、赤外線が幾何学的にどの位フ
ィラメント6に帰還するかを表す値を形状係数と呼ぶこ
とにする。形状係数は、赤外線反射可視光透過膜9によ
って反射された赤外線が全てフィラメントに戻された場
合を「形状係数=1」と定義し、全てフィラメントに戻
らなくてすり抜けてしまう場合を「形状係数=0」とす
る。
【0033】そして図3に示すように、球形バルブ2の
外径をD、このバルブ中心にフィラメント中心が設けら
れたフィラメント6の長さをn、フィラメント6のコイ
ル径をdとする。バルブ2が球形である場合、フィラメ
ント6が仮に球形であれば形状係数は1となる。しかし
ながら、球形のフィラメントは製造が難しく、製造の容
易さやフィラメント効率を考慮すると、現行の円筒形フ
ィラメントを用いるのが適当である。この場合、n/d
=1にすれば形状が球に近づき、効果的になると考え勝
ちであるが、フィラメント端部からでる光を拾い難くな
り、むしろnをある程度大きくする方が高い形状係数を
得ることができる。また、バルブ径Dに対してフィラメ
ントが充分小さいときは、n/dの影響が小さいと考え
てよい。ここで、これらの関係を、 1.0<n/d≦4.2 …(1) 0.05≦d/D≦0.15 …(2) もしくは d/D<0.05 …(3) となるように設定すれば形状係数が向上する。
【0034】これらフィラメント6の長さnとコイル径
dの関係、およびコイル径dとバルブ径Dの関係は実験
によるもので、実験結果を図4に示す。図4は横軸にn
/dを、縦軸に形状係数を示す。形状係数が1に近い程
赤外線がフィラメントに戻る帰還率が良くなり、フィラ
メントに再吸収される割合が高くなる。この特性図よ
り、d/D<0.05の場合はn/dの変化による影響
が少なく、特に規制することはなく、いつでも高い形状
係数が得られることが判る。
【0035】逆に、d/D>0.15のときはバルブ径
Dに対してフィラメント径dが大きいため長さもある程
度必要となり、実用的でない 。0.05≦d/D≦
0.15の範囲でn/d=1の場合より形状係数が向上
するのは、1.0<n/d≦4.2の範囲である。この
ため上記(1)式および(2)式を満足するか、または
(3)式を満足すれば、赤外線反射可視光透過膜を形成
しないランプに比べてランプ効率の向上が可能になる。
【0036】次に、ランプ1の大きさと反射鏡10との
関係を調べたので、その結果を説明する。この種の構造
のランプ1はバルブ2の形状が球形であるから、ランプ
1の後部に向かって放射された光が反射鏡10の頂部で
反射された場合、その反射光の1部がバルブ2の後部面
に当たり、再び後向きに反射され、この反射を繰り返し
て散乱し、所望のビーム光が得られない場合がある。こ
のため反射鏡10の大きさとランプ1の大きさを検討し
た。
【0037】図5に反射鏡10とランプ1を模式的に示
した。反射鏡は回転楕円形状の一部を反射面として用い
ているのでこの回転楕円の長軸の長さをaとし、楕円の
焦点をFr 、球形バルブ2の外径をD、バルブ中心をO
とする。このような関係において、反射鏡で反射された
可視光がバルブに当たって散乱するのを防止するには、 D/a≦0.25 …(4) OFr 間寸法≦2mm …(5) を満足する必要がある。
【0038】すなわち、反射鏡10に対してバルブ2が
大きすぎると、反射鏡10で反射された光がバルブに当
たって光が散乱し、所望のビーム光が得られない。ま
た、バルブ中心Oが焦点位置Fr に対し、図5の右側や
上下に変動すると反射光は内向になることは知られてお
り、この場合は反射光がバルブに当たり易い。逆にバル
ブ中心Oが焦点位置Fr に対し、図5の左側に変位する
と反射鏡10とバルブ2の距離が近くなるから、この場
合も反射光がバルブに当たり易くなる。このような条件
を勘案すれば、バルブの大きさおよび位置を配慮しなけ
ればならない。
【0039】そこで、これらの要因について実験した結
果を説明する。図6はビ−ム光の配光パタ−ンを示すも
ので、反射鏡付電球による可視光のビ−ムを下向きに照
射し、ランプ直下1mの距離における照度分布を測定し
たものである。実際に用いて許容できるパターンは判定
「丸」および「二重丸」で示し、「三角」および「×」
は使用を避けるべきパタ−ンである。表1は、OとFr
を一致させ、D/aの値を変えた場合に上記図4の配光
パターンのどれに似ているかを調べたものである。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1より、D/a≦0.25であれば
許容できる配光が得られ、D/a≦0.20ならバルブ
による散乱は生じないと考えられる。もちろんDが小さ
い程良いことは言うまでもない。
【0042】また、表2はD/a=0.25とし、バル
ブ中心Oの位置と焦点Fr の位置の関係を調べたもので
ある。バルブ中心Oの位置が焦点Fr に対して反射鏡寄
り、つまり図5において左側に寄っている場合を「−O
r 」とし、逆にバルブ中心Oの位置が焦点Fr に対し
て反射鏡から遠ざかる、つまり図5において右側に寄っ
ている場合を「+OFr 」とした。
【0043】
【表2】
【0044】上記表2から、OとFr の距離は±2.0
mm以内であれば許容できる配光が得られ、D/aが小さ
い程良い。このようなことから、前記(4)式および
(5)式を満足すればよいことが判る。
【0045】なお、本発明は上記実施例に制約されるも
のではない。すなわち、図1の例ではコイルフィラメン
ト6をコイル軸がバルブ軸O1 に沿って配置したランプ
の例を示したが、図7に示す第2の実施例のランプ1の
ように、フィラメント6aがバルブ軸O1 に対して90
度の方向に交わる姿勢で配置した構造であってもよい。
【0046】また、図8に示す第3の実施例のように、
反射鏡10の前面投光口12の前面レンズなどのような
透光性のカバ−20を取付けたミラ−付ランプであって
もよい。このような構造の場合、電球1が万が一破損し
た際にバルブ2のガラス破片が落下や飛散するのを上記
カバ−20で防止することができる。
【0047】このように、反射鏡10の前面投光口12
をカバー20で閉塞すると、反射鏡本体11の温度が一
層上昇する心配があるが、本発明の電球のようにバルブ
2の内面または外面に赤外線反射可視光透過膜を形成し
た場合は反射鏡本体11に熱負荷をかけず、しかも反射
鏡本体11をアルミニウムで構成すれば熱的強度が高く
なるので、実施に耐えられる。
【0048】そして、反射鏡本体11をアルミニウムで
形成すれば、電球1を反射鏡10に取付ける場合に接着
剤を使用する手段以外に、挾持バンドやねじによる締め
付け固定など、機械的連結手段の採用も可能になる。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】また、球形バルブ2は、圧潰封止部3とは
反対側のバルブトップ部の肉厚を、側壁部分に比べて
1.2〜1.8倍程度厚くしておくことが望ましい。こ
のようにすれば、圧潰封止部3との熱バランスをとるこ
とができ、熱歪の発生を防止するのに有効となり、バル
ブの破損を防止することができる。
【0053】さらに本発明は、使用する電球としてはハ
ロゲン電球に制約されず、一般白熱電球であってもよ
く、端部の封止構造は圧潰封止形に制約されず、ステム
封止であってもよいし、反射鏡10に固定する構造は接
着剤15に限らない。
【0054】そして、反射鏡本体11は、アルミニウム
に限らず、他の金属であってもよく、またガラスで形成
してもよい。反射鏡本体11をガラスで形成した場合
は、赤外線吸収膜14を必要でなく、ダイクロイック膜
15のみでもよい。
【0055】
【発明の効果】請求項1および2記載の発明によると、
略球状体部を有する透光性気密容器に収容したフィラメ
ントから放出される赤外線が赤外線反射可視光透過膜で
反射された場合はバルブの中心または焦点位置間に向か
い、フィラメントに確実に戻るようになる。このため、
フィラメントの赤外線吸収効率が良くなり、発光効率が
向上する。このため、例えばフィラメント長の短い低電
圧で動作するランプに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す反射鏡付ハロゲン電球
の断面図。
【図2】同実施例の相対分光出力を示す特性図。
【図3】同実施例の球形電球の構成図。
【図4】同実施例のランプ効率を示す特性図。
【図5】同実施例のランプの大きさと反射鏡の関係を説
明する模式図
【図6】同実施例の配光パターンの例を示す図
【図7】本発明の第2実施例を示す反射鏡付ハロゲン電
球の断面図。
【図8】本発明の第3実施例を示す反射鏡付ハロゲン電
球の断面図。
【図9】本発明の第4実施例を示す球形電球の構成図。
【図10】同実施例のランプ効率を示す特性図。
【図11】同実施例の寿命特性を示す特性図。
【符号の説明】
1…ハロゲン電球、2…バルブ、6…フィラメント、9
…赤外線反射可視光透過膜、10…反射鏡、11…反射
鏡本体、12…前面開口部、13…ランプ取付け部、1
4…赤外線吸収膜、15…ダイクロイック膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−124946(JP,A) 特開 昭60−74340(JP,A) 特開 昭55−117861(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01K 1/32 H01K 1/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外径をdおよび長さをnとし、1.0<
    n/d≦4.2を満足するように構成された多重コイル
    部を有するフィラメントと; 多重コイル部を包囲するように形成された外径Dの略球
    状体部を含み、0.05≦d/D≦0.15を満足する
    ように構成された透光性気密容器と; 透光性気密容器の略球状体部の少なくとも主要部に形成
    された赤外線反射可視光透過膜と; 一端がフィラメントに接続されるとともに他端が透光性
    気密容器の封止部に配設された内部リード線と; 透光性気密容器の封止部内で内部リード線と電気的に接
    続され、封止部から外に導出された外部リード線と; を具備していることを特徴とする白熱電球。
  2. 【請求項2】 上記白熱電球は、6ないし36Vの電圧
    で動作することを特徴とする請求項1記載の白熱電球。
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