JP2001092373A - 表示装置及びその製造方法及びイオンドーピング方法 - Google Patents

表示装置及びその製造方法及びイオンドーピング方法

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JP2001092373A
JP2001092373A JP27055799A JP27055799A JP2001092373A JP 2001092373 A JP2001092373 A JP 2001092373A JP 27055799 A JP27055799 A JP 27055799A JP 27055799 A JP27055799 A JP 27055799A JP 2001092373 A JP2001092373 A JP 2001092373A
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transistor
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forming
threshold voltage
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Naoya Sotani
直哉 曽谷
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドライバ一体型の表示装置にあって、その画質
の向上とともに、装置としての信頼性を高めることので
きる表示装置及びその製造方法及びイオンドーピング方
法を提供する。 【解決手段】表示装置を構成する透明基板1上に、ドラ
イバ回路CMOSトランジスタのn−chTFTを形成
するための活性層ポリシリコン膜2、同p−chTFT
を形成するための活性層ポリシリコン膜3、画素・サン
プリングn−chTFTを形成するための活性層ポリシ
リコン膜4を形成する。ポリシリコン膜3,4をレジス
ト6aで覆い、ポリシリコン膜2のみに低濃度のB(ホ
ウ素)イオンをドープする。次にポリシリコン膜2,4
をレジスト7を覆い、ポリシリコン膜3のみに、低濃度
のP(リン)イオンをドープし、画素・サンプリングn
−chTFTの閾値電圧をCMOSトランジスタのn−
chTFTの閾値電圧よりも低く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示装置及びその製
造方法及びイオンドーピング方法に関し、特に表示画素
部と駆動回路部とが同一基板上に形成されたドライバ一
体型の表示装置及びその製造方法及びイオンドーピング
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置(LCD)等の表示
装置においては、その実装上の優位性等の理由により、
表示画素部とそれを駆動する駆動回路部とを同一基板上
に形成するいわゆるドライバ一体型とすることが一般的
に行われている。
【0003】このような例として、図13に、多結晶シ
リコンTFT(薄膜トランジスタ)を能動スイッチング
素子として用いた多結晶シリコン形TFT方式アクティ
ブマトリックス液晶表示装置(以下、単にp−Si形T
FT液晶表示装置という)のブロック構成を示す。ま
た、図14にその製造方法の1部を示す概略断面構造を
示す。なお、この表示装置はカラー表示装置であり、R
(赤),G(緑),B(青)に対応する3画素によって
1表示画素が構成される。
【0004】図13に示されるように、同表示装置は、
大きくは表示部50、データドライバ70、及び走査ド
ライバ80等を有して構成され、これらは同一透明基
板、例えば石英基板上に形成される。同表示装置のこれ
ら各部を構成するトランジスタはTFT(薄膜トランジ
スタ)として形成される。
【0005】このうち、表示部50は、マトリックス状
に配列されるm×n個の画素60によって構成されてい
る。同表示部50にはm行の走査線(ゲート配線)G
1,G2,…Gm とn列のデータ線(ドレイン配線)D1
,D2…Dn とがそれぞれ直交するように配設され、
その直交部分に対応して画素60が各々形成されてい
る。そして、各ゲート配線G1〜Gmは走査ドライバ8
0に接続され、同ドライバ80を通じてゲート信号(走
査信号)が印加される。また、各データ線D1〜Dnはデ
ータドライバ70に接続され、同ドライバ70を通じて
データ信号(ビデオ信号)が印加される。
【0006】このデータドライバ70は、CMOSトラ
ンジスタによって構成されるシフトレジスタ及びnチャ
ネルトランジスタによって構成されるサンプリングトラ
ンジスタST(ST1〜STn)等を有して構成され
る。そして、入力されるビデオ信号V1(R),V2
(G),V3(B)を、シフトレジスタによるサンプリ
ングトランジスタSTのスイッチング制御の基づき、所
定のタイミングにおいて所定のデータ線に出力する。
【0007】また、同図13には、前記画素60の等価
回路が示され、同画素60は、電気的には、nチャネル
トランジスタによって構成される画素トランジスタ6
1、液晶LC、補助容量(蓄積容量)Cs等を有して構
成される。ゲート配線G1には画素トランジスタ61の
ゲート電極Gが接続され、データ線D1には画素トラン
ジスタ61のドレイン電極Dが接続されている。そし
て、画素トランジスタ61のソース電極Sには、液晶L
Cの表示電極(画素電極)62と補助容量CSの蓄積電
極64とが接続されている。液晶LCの共通電極(表示
電極62の反対側の電極)63には所定の共通電圧Vc
om(通常、データドライバ駆動電圧のほぼ半値)が印
加される。一方、補助容量Csの対向電極(蓄積電極6
4の反対側の電極)65には定電圧Vrが印加される。
なお、この対向電極65は、隣のゲート配線に接続され
る場合もある。
【0008】電気的にこのように構成される画素60に
おいて、画素トランジスタ61のゲート電極GにON
(オン)電圧を印加すると、画素トランジスタ61がオ
ンとなる。このとき、データ線D1に印加されたデータ
(ビデオ)信号で、液晶LCと補助容量Csとが充電さ
れる。反対に、画素トランジスタ61のゲート電極Gに
OFF(オフ)電圧を印加すると、画素トランジスタ6
1がオフとなり、その時点でデータ線D1に印加されて
いた電圧が、液晶LCと補助容量Csとによって保持さ
れる。なお、ここでは補助容量Csによって液晶LCの
みによる静電容量の不足分を補うようにしている。
【0009】このように、画素60へ書き込みたいデー
タ信号をデータ線D1に与えてゲート配線G1の電位を
制御することにより、画素60には任意のデータ信号が
保持される。そして、その画素60に保持されたデータ
信号に応じて同画素60に対応した液晶の透過率が変化
し、表示部50全体としてに所望の画像が表示される。
【0010】次に、図14を参照して、上記各TFT
(薄膜トランジスタ)、すなわち画素トランジスタ6
1、サンプリングトランジスタST、及びデータドライ
バ70,走査ドライバ80のシフトレジスタ等を構成す
るCMOSトランジスタのチャネルドーピングにかかる
製造方法を説明する。なお、画素トランジスタ61及び
サンプリングトランジスタSTは、上述したようにn−
ch(チャネル)TFTとして形成される。
【0011】この製造に際してはまず、図14(a)に
示すように、透明基板1、例えば石英ガラス基板上にプ
ラズマCVD法や減圧CVD法等によりa−Si(アモ
ルファスシリコン)を成膜し、ELA(エキシマレーザ
アニール)法やSPC(固相成長)法等により多結晶
(ポリ)シリコン膜とする。そして、このポリシリコン
膜を、上記各TFT用に所定の形状にパターニングす
る。
【0012】すなわちCMOSのn−chTFTを形成
するための活性層となるポリシリコン膜(以下、単にn
−ch活性層ポリシリコン膜と記す)2、CMOSのp
−chTFTを形成するための活性層となるポリシリコ
ン膜(以下、単にp−ch活性層ポリシリコン膜と記
す)3、画素トランジスタ61及びサンプリングトラン
ジスタSTを形成するための活性層となるポリシリコン
膜(以下、単に画素・サンプリングTFT活性層ポリシ
リコン膜と記す)4にパターニングする。
【0013】そして、このパターニングされた各ポリシ
リコン膜上に、プラズマCVD法や減圧CVD法等によ
りゲート絶縁膜5、例えばSiO2(酸化シリコン)膜
を形成する。
【0014】続いて図14(b)に示すように、p−c
h活性層ポリシリコン膜3を覆うようにレジスト6を形
成し、n−ch活性層ポリシリコン膜2及び画素・サン
プリングTFT活性層ポリシリコン膜4に、低濃度、例
えばイオン濃度1.5×10 12/cm2のB(ホウ素)
イオンをイオン注入法やイオンドーピング法等によりド
ープする。
【0015】続いて図14(c)に示すように、レジス
ト6を剥離した後、新たにn−ch活性層ポリシリコン
膜2及び画素・サンプリングTFT活性層ポリシリコン
膜4を覆うようにレジスト7を形成する。そして、p−
ch活性層ポリシリコン膜3に、低濃度、例えばイオン
濃度1.3×1012/cm2のP(リン)イオンをイオ
ン注入法やイオンドーピング法等によりドープする。
【0016】このようなチャネルドーピングの終了後、
ゲート電極形成、LDD(LightlyDoped Drain )構造
の形成、高濃度イオンのドーピングによるソース・ドレ
インの形成等を行うことによって、画素トランジスタ6
1、サンプリングトランジスタST等のTFTを完成す
る。
【0017】このような各TFTのチャネルドーピング
条件、及びその条件によって形成された各TFTの閾値
電圧Vthを図15に示す。また、画素トランジスタ6
1を代表としてその電気特性例を図16に示す。
【0018】ここで、図16(a)は、画素トランジス
タ61のゲート電圧Vgに対するドレイン−ソース電流
Idsの関係を示したものである。ここでは、液晶駆動
電圧VH及びVLがそれぞれ「6V」及び「−6V」で
あるとしている。なお、この液晶駆動電圧VH及びVL
の値は、実際に上記画素電極62に印加される電圧値と
は異なる。
【0019】また、図16(b)は、図16(a)に示
す電気特性において、画素トランジスタ61のON(オ
ン)電圧Vgon及びOFF(オフ)電圧Vgoffを
それぞれ「+9V」,「−9V」とした場合の同トラン
ジスタ61のON電流Ion及びOFF電流Ioffの
値を示したものである。なお、これらON電流Ion及
びOFF電流Ioffは、画素トランジスタ61のドレ
イン−ソース電流Idsに相当している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドライバ一
体型となる上記従来の表示装置では、画素トランジスタ
61、サンプリングトランジスタST、及びデータドラ
イバ70や走査ドライバ80のシフトレジスタ等を構成
するn−chTFTのチャネルドーピングを同一条件で
行うことで、先の図15に示されるように、それらn−
chTFTの閾値電圧Vthをほぼ等しい電圧値、例え
ば「+3.0V」となるように制御している。これは、
表示装置全体のn−chTFTの閾値電圧VthをCM
OSの駆動条件に合せることで回路的な安定を狙ったも
のであるが、実際的には以下のような不都合が生じるこ
とにもなっている。
【0021】すなわち、一般に上記画素電極62への印
加電圧のスイッチングを行うには、画素トランジスタ6
1及びサンプリングトランジスタSTの閾値電圧Vth
は低い方が画質向上の観点から望ましい。ところが、表
示装置全体のn−chTFTの閾値電圧Vthを単にC
MOSの駆動条件に合わせた値に制御すると、画素トラ
ンジスタ61及びサンプリングトランジスタST等にあ
っては最適条件下での駆動ができなくなる。そしてその
ため、画質の低下や、あるいはそれを回避するためのド
ライバ駆動電圧の高圧化、及びそれに伴う信頼性の低下
等も避け得ないものとなっている。
【0022】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ドライバ一体型の表示
装置にあって、その画質の向上とともに、装置としての
信頼性を高めることのできる表示装置及びその製造方法
及びイオンドーピング方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、表示画素部と駆動回
路部とが同一絶縁基板上に形成されるドライバ一体型の
表示装置において、前記表示画素部を構成する薄膜トラ
ンジスタは、前記駆動回路部を構成する薄膜トランジス
タよりも低い閾値電圧に設定されてなることをその要旨
とする。
【0024】一般に、ドライバ一体型の表示装置、例え
ば液晶表示装置においては、表示画素部に形成される画
素薄膜トランジスタの閾値電圧が低いほど同トランジス
タのオン・オフ電流比がとれ、表示装置としての表示画
質が向上する。そのため、表示画素部を構成する薄膜ト
ランジスタの閾値電圧が同駆動回路部を構成する薄膜ト
ランジスタの閾値電圧よりも低い閾値電圧に設定される
上記記載の構成にあっては、表示装置として例えば液晶
表示装置の表示画質を向上させることができる。
【0025】また請求項2に記載の発明では、表示画素
部と駆動回路部とが同一絶縁基板上に形成されるドライ
バ一体型の表示装置において、前記表示画素部を構成す
る薄膜トランジスタは、前記駆動回路部のCMOS回路
を構成する薄膜トランジスタよりも低い閾値電圧に設定
されてなることをその要旨とする。
【0026】上記記載の構成においては、表示画素部を
構成する薄膜トランジスタ、例えば画素薄膜トランジス
タの閾値電圧が駆動回路部のCMOS回路(シフトレジ
スタ等)を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧よりも
低い閾値電圧に設定されるため、表示装置として例えば
液晶表示装置の表示画質を向上させることができる。
【0027】また請求項3に記載の発明では、表示画素
部と駆動回路部とが同一絶縁基板上に形成されるドライ
バ一体型の表示装置において、前記表示画素部に形成さ
れる画素薄膜トランジスタ及び前記駆動回路部の出力段
に形成されるサンプリング薄膜トランジスタの少なくと
も一方の閾値電圧が、前記駆動回路部のCMOS回路を
構成する薄膜トランジスタの閾値電圧よりも低い閾値電
圧に設定されてなることをその要旨とする。
【0028】上記表示装置、例えば液晶表示装置におい
ては、駆動回路部の出力段に形成されるサンプリング薄
膜トランジスタの閾値電圧も低いほど画素薄膜トランジ
スタのオン・オフ電流比がとれ、表示装置としての表示
画質が向上する。
【0029】そのため、画素薄膜トランジスタ及び駆動
回路部の出力段に形成されるサンプリング薄膜トランジ
スタの少なくとも一方の閾値電圧が同駆動回路部のCM
OS回路を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧よりも
低い閾値電圧に設定される上記記載の構成にあっても、
表示装置として例えば液晶表示装置の表示画質を向上さ
せることができる。
【0030】また請求項4に記載の発明では、表示画素
部と駆動回路部とを同一絶縁基板上に形成するドライバ
一体型の表示装置の製造方法において、前記表示画素部
を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧が前記駆動回路
部を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧よりも低くな
るようにそれら閾値電圧のコントロールを行うことをそ
の要旨とする。
【0031】上記製造方法によれば、表示画素部を構成
する薄膜トランジスタ、例えば画素薄膜トランジスタの
閾値電圧が同駆動回路部を構成する薄膜トランジスタの
閾値電圧よりも低くなるようにそれら閾値電圧のコント
ロール行われるため、表示装置として例えば液晶表示装
置の表示画質を向上させることができる。
【0032】また請求項5に記載の発明では、表示画素
部と駆動回路部とを同一絶縁基板上に形成するドライバ
一体型の表示装置の製造方法において、前記表示画素部
を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧が前記駆動回路
部のCMOS回路を構成する薄膜トランジスタの閾値電
圧よりも低くなるようにそれら閾値電圧のコントロール
を行うことをその要旨とする。
【0033】上記製造方法によれば、表示画素部を構成
する薄膜トランジスタ、例えば画素薄膜トランジスタの
閾値電圧が同駆動回路部のCMOS回路(シフトレジス
タ等)を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧よりも低
くなるようにそれら閾値電圧がコントロールされるた
め、表示装置として例えば液晶表示装置の表示画質を向
上させることができる。
【0034】また請求項6に記載の発明では、表示画素
部と駆動回路部とを同一絶縁基板上に形成するドライバ
一体型の表示装置の製造方法において、前記表示画素部
に形成される画素薄膜トランジスタ及び前記駆動回路部
の出力段に形成されるサンプリング薄膜トランジスタの
少なくとも一方の閾値電圧が、前記駆動回路部のCMO
S回路を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧よりも低
くなるようにそれら閾値電圧のコントロールが行われる
ことをその要旨とする。
【0035】上記製造方法によれば、画素薄膜トランジ
スタのオン・オフ電流比がとれ、例えば液晶表示装置の
表示画質を向上させることができる。また請求項7に記
載の発明では、請求項6記載の表示装置の製造方法にお
いて、前記絶縁基板上に前記画素薄膜トランジスタ、サ
ンプリング薄膜トランジスタ、及びCMOS回路を構成
する薄膜トランジスタを形成するための活性層となるポ
リシリコン膜を形成する工程と、前記CMOS回路を構
成する薄膜トランジスタのうちのpチャンネルトランジ
スタ、前記画素薄膜トランジスタ、及び前記サンプリン
グ薄膜トランジスタを形成する活性層ポリシリコン膜に
はマスキングをし、前記CMOS回路を構成する薄膜ト
ランジスタのうちのnチャンネルトランジスタを形成す
る活性層ポリシリコン膜にのみチャンネル領域を形成す
るための低濃度不純物をドーピングする工程と、前記C
MOS回路を構成する薄膜トランジスタのうちのnチャ
ンネルトランジスタ、前記画素トランジスタ、及び前記
サンプリング薄膜トランジスタを形成する活性層ポリシ
リコン膜にはマスキングをし、前記CMOS回路を構成
する薄膜トランジスタのうちのpチャンネルトランジス
タを形成する活性層ポリシリコン膜にのみチャンネル領
域を形成するための低濃度不純物をドーピングする工程
とを備えることをその要旨とする。
【0036】上記製造方法によれば、画素トランジスタ
及びサンプリングトランジスタを形成する際に、その画
素及びサンプリングTFT活性層ポリシリコン膜への低
濃度不純物、例えば低濃度B(ホウ素)イオンのチャネ
ルドーピングを行なわないことにより、同画素トランジ
スタ、サンプリングトランジスタの閾値電圧を従来に比
べ低く形成することができる。その結果、これらトラン
ジスタのON(オン)電流を増加させるとともに、その
OFF(オフ)電流を減少させることができ、表示装置
としてのコントラスト比を向上させ、表示画質を高める
ことができる。
【0037】また、コントラスト比を向上させることが
できるため、従来と同じコントラスト比を得る場合にあ
っては、ドレインドライバ等の駆動電圧を低下させるこ
とができ、それによって表示装置としての消費電力を低
下させることができるようになる。
【0038】また請求項8に記載の発明では、請求項6
記載の表示装置の製造方法において、前記絶縁基板上に
前記画素薄膜トランジスタ、サンプリング薄膜トランジ
スタ、及びCMOS回路を構成する薄膜トランジスタを
形成するための活性層となるポリシリコン膜を形成する
工程と、前記CMOS回路を構成する薄膜トランジスタ
のうちのpチャンネルトランジスタ、前記画素薄膜トラ
ンジスタ、及び前記サンプリング薄膜トランジスタを形
成する活性層ポリシリコン膜にはマスキングをし、前記
CMOS回路を構成する薄膜トランジスタのうちのnチ
ャンネルトランジスタを形成する活性層ポリシリコン膜
にのみチャンネル領域を形成するための低濃度不純物を
ドーピングする工程と、前記CMOS回路を構成する薄
膜トランジスタのうちのnチャンネルトランジスタを形
成する活性層ポリシリコン膜にのみマスキングをし、前
記CMOS回路を構成する薄膜トランジスタのうちのp
チャンネルトランジスタ、前記画素薄膜トランジスタ、
及び前記サンプリング薄膜トランジスタを形成する活性
層ポリシリコン膜にはチャンネル領域を形成するための
低濃度不純物をドーピングする工程とを備えたことをそ
の要旨とする。
【0039】上記製造方法によれば、前記画素及びサン
プリングTFT活性層ポリシリコン膜へ、例えば低濃度
B(ホウ素)イオンのチャネルドーピングを行なわず、
P(リン)イオンのチャネルドーピングを行うことによ
り、同画素トランジスタ、サンプリングトランジスタの
閾値電圧を従来に比べ大きく低下させることができる。
その結果、これらトランジスタのON電流をさらに増加
させるとともに、そのOFF電流もさらに減少させるこ
とができ、表示装置としてのコントラスト比をさらに向
上させ、表示画質を高めることができる。
【0040】また、コントラスト比を大きく向上させる
ことができるため、従来と同じコントラスト比を得る場
合にあっては、ドレインドライバ等の駆動電圧をさらに
低下させることができ、それによって表示装置としての
消費電力を大きく低下させることができるようになる。
【0041】また請求項9に記載の発明では、請求項7
または8記載の表示装置の製造方法において、前記低濃
度不純物のドーピングを、イオンビームと前記絶縁基板
とを相対的に変位させつつ同イオンビームを同絶縁基板
上で走査させるイオン注入装置による不純物イオンの注
入によって行うとともに、前記イオンビームの前記絶縁
基板上での走査速度を、前記トランジスタ閾値電圧を所
定の目標トランジスタ閾値電圧とするために必要なイオ
ン注入量に反比例させて行うことをその要旨とする。
【0042】最近の表示装置、例えば液晶表示装置の大
型化に伴い、同液晶表示装置が多面取りされる透明基板
(マザーガラス基板等)はさらに大型化する傾向にあ
り、上記各活性層ポリシリコン膜の形成時、マザーガラ
ス基板内においてその膜厚を均一に制御することも困難
なものとなっている。そのため、この活性層ポリシリコ
ン膜の成膜等、その膜厚の不均一性等に起因して、上記
TFTの閾値電圧にばらつきが存在することとなってい
る。このような閾値電圧のばらつきは、例えば液晶表示
装置にあっては、その表示画面の不均一性の要因ともな
る。
【0043】この点、上記製造方法では、上記チャネル
ドーピングを上記イオン注入装置によって行う際、その
イオンビームの前記絶縁基板上での走査速度を、前記ト
ランジスタ閾値電圧を所定の目標トランジスタ閾値電圧
とするために必要なイオン注入量に反比例させる。すな
わち、必要イオン注入量が多いときにはイオンビーム走
査速度を遅めるように、逆に必要イオン注入量が少ない
ときにはイオンビーム走査速度を早める。その結果、前
記閾値電圧のばらつきを低減することができるようにな
る。
【0044】また請求項10に記載の発明では、請求項
9記載の表示装置の製造方法において、前記イオン注入
装置はイオンビームを前記絶縁基板上で走査させる走査
電極を備えるものであり、該走査電極に印加する走査電
圧波形により前記走査速度を必要なイオン注入量に反比
例させて可変とすることをその要旨とする。
【0045】上記製造方法によれば、イオン注入装置の
走査電極に印加する走査電圧波形により前記走査速度を
必要なイオン注入量に反比例させて可変とするため、何
ら追加装置等を必要とすることなく、単に同走査電圧波
形を変更するだけでイオンビームの前記絶縁基板上での
走査速度を可変とすることができる。
【0046】また請求項11に記載の発明では、請求項
10記載の表示装置の製造方法において、前記走査電圧
波形を前記必要イオン注入量の積分値に基づき形成する
ことをその要旨とする。
【0047】上記製造方法では、イオンビームの走査速
度を必要イオン注入量に反比例させる関係から、走査経
過時間をその時間内に注入された必要イオン注入量の積
分値(ビーム到達位置の関数)として表すことができ
る。また一般に、走査電圧とビーム到達位置とは比例関
係にあるため、走査時間(必要イオン注入量の積分値)
とビーム到達位置との関係から走査時間と走査電圧との
関係、すなわち走査電圧波形を形成することができる。
このように走査電圧波形を必要イオン注入量の積分値に
基づき形成することにより、好適にイオンビームの走査
速度を変化させることができ、その結果、前記閾値電圧
のばらつきを低減させることができる。
【0048】また、請求項12に記載の発明では、イオ
ンビームとその照射対象基板とを相対的に変位させつつ
同イオンビームを同照射対象基板上で走査させるイオン
注入装置を用いて前記基板に対するイオンドーピングを
行うイオンドーピング方法において、前記イオンビーム
の前記照射対象基板上での走査速度を可変としてドーピ
ングを行うことをその要旨とする。
【0049】最近の表示装置、例えば液晶表示装置等の
大型化に伴い、同液晶表示装置が多面取りされる透明基
板(マザーガラス基板等)はさらに大型化する傾向にあ
り、同マザーガラス基板にTFT(薄膜トランジスタ)
を形成するための活性層ポリシリコン膜等の形成時、マ
ザーガラス基板内においてその膜厚を均一に制御するこ
とも困難なものとなっている。そのため、この活性層ポ
リシリコン膜の成膜等、その膜厚の不均一性等に起因し
て、上記TFTの閾値電圧にばらつきが存在することと
なっている。このような閾値電圧のばらつきは、例えば
液晶表示装置にあっては、その表示画面の不均一性の要
因ともなる。
【0050】この点、上記ドーピング方法によれば、例
えば上記TFTの閾値電圧を制御するチャネルドーピン
グを上記イオン注入装置を用いて行う際、そのイオンビ
ームの照射基板(マザーガラス基板等)上での走査速度
を可変として行う、すなわち同基板の位置によってドー
ピング量を可変とすることにより、上記TFTの閾値電
圧等のばらつきを低減できるようになる。
【0051】また、請求項13に記載の発明では、請求
項12記載のイオンドーピング方法において、前記走査
速度を必要イオン注入量に反比例させてドーピングを行
うことをその要旨とする。
【0052】上記ドーピング方法によれば、例えばイオ
ンビームの走査速度を、TFTトランジスタの閾値電圧
を所定の目標閾値電圧とするために必要なイオン注入量
に反比例させる。すなわち、必要イオン注入量が多いと
きにはイオンビーム走査速度を遅めるように、逆に必要
イオン注入量が少ないときにはイオンビーム走査速度を
早める。このようにイオン注入量(ドーピング量)を可
変とすることにより、上記閾値電圧等のばらつきを低減
できるようになる。
【0053】また、請求項14に記載の発明では、請求
項12または13記載のイオンドーピング方法におい
て、前記イオン注入装置はイオンビームを前記照射対象
基板上で走査させる走査電極を備えるものであり、該走
査電極に印加する走査電圧波形により前記走査速度を可
変とすることをその要旨とする。
【0054】上記ドーピング方法によれば、イオン注入
装置の走査電極に印加する走査電圧波形により、前記走
査速度を必要なイオン注入量に反比例させて可変とする
ため、何ら追加装置等を必要とすることなく、単に同走
査電圧波形を変更するだけでイオンビームの前記照射対
象基板上での走査速度を可変とすることができる。
【0055】また、請求項15に記載の発明では、請求
項14記載のイオンドーピング方法において、前記走査
電圧波形を前記必要イオン注入量の積分値に基づき形成
してドーピングを行うことをその要旨とする。
【0056】上記ドーピング方法では、イオンビームの
走査速度を必要イオン注入量に反比例させる関係から、
走査経過時間をその時間内に注入された必要イオン注入
量の積分値(ビーム到達位置の関数)として表すことが
できる。また一般に、走査電圧とビーム到達位置とは比
例関係にあるため、走査時間(必要イオン注入量の積分
値)とビーム到達位置との関係から走査時間と走査電圧
との関係、すなわち走査電圧波形を形成することができ
る。このように走査電圧波形を必要イオン注入量の積分
値に基づき形成することにより、好適にイオンビームの
走査速度を変化させることができ、その結果、前記閾値
電圧のばらつきを低減させることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の表示装置をp−Si(ポリシリコン)形TFT液晶
表示装置に具体化した第1の実施の形態を図1〜図3、
及び図7に基づき詳細に説明する。
【0058】なお、本実施の形態のp−Si形TFT液
晶表示装置においても、その電気的なブロック構成は先
の図13に例示した従来の液晶表示装置と同様であり、
その図示を割愛するとともに、それら要素についての重
複する説明は割愛する。
【0059】本実施の形態のp−Si形TFT液晶表示
装置もカラー液晶表示装置であり、図13に例示したよ
うにm×n個の画素60によって構成される表示部5
0、データドライバ70、及び走査ドライバ80等を有
して構成されている。そして、これら各部は同一透明基
板、例えば石英基板上に形成されるとともに、これら各
部を構成するトランジスタはTFT(薄膜トランジス
タ)として形成されている。
【0060】このうち、データドライバ70は、CMO
Sトランジスタによって構成されるシフトレジスタ及び
nチャンネル(n−ch)トランジスタによって構成さ
れるサンプリングトランジスタST等を有して構成され
ている。
【0061】また、各画素60を構成する画素トランジ
スタ61は、サンプリングトランジスタSTと同様に、
n−chトランジスタによって構成されている。ただ
し、本実施の形態の表示装置において、画素トランジス
タ61及びサンプリングトランジスタSTの閾値電圧V
thは、CMOSトランジスタのn−chTFTの閾値
電圧Vthよりも低い電圧に設定されている。
【0062】次に、図1を参照して、本実施の形態の各
TFT(薄膜トランジスタ)、すなわち画素トランジス
タ61、サンプリングトランジスタST、及びデータド
ライバ70、走査ドライバ80のシフトレジスタ等を構
成するCMOSトランジスタのチャネルドーピングにか
かる製造方法を説明する。
【0063】その製造に際してはまず、図1(a)に示
すように、透明基板1、例えば石英ガラス基板上にプラ
ズマCVD法や減圧CVD法等によりa−Si(アモル
ファスシリコン)を成膜し、ELA(エキシマレーザア
ニール)法やSPC(固相成長)法等によりポリシリコ
ン膜とする。そして、このポリシリコン膜を、上記各T
FT用に所定の形状にパターニングする。すなわち、先
の図14(a)に示したのと同様に、n−ch活性層ポ
リシリコン膜2、p−ch活性層ポリシリコン膜3、画
素・サンプリングTFT活性層ポリシリコン膜4にパタ
ーニングする。
【0064】そして、このパターニングされたポリシリ
コン膜上に、プラズマCVD法や減圧CVD法等により
ゲート絶縁膜5、例えばSiO2(酸化シリコン)膜を
形成する。
【0065】続いて図1(b)に示すように、p−ch
活性層ポリシリコン膜3及び画素・サンプリングTFT
活性層ポリシリコン膜4を覆うようにレジスト6aを形
成し、n−ch活性層ポリシリコン膜2のみに、低濃
度、例えばイオン濃度1.5×1012/cm2のB(ホ
ウ素)イオンをイオン注入法やイオンドーピング法等に
よりドープする。すなわち、本実施の形態においては、
画素・サンプリングTFT活性層ポリシリコン膜4には
B(ホウ素)イオンのチャネルドーピングを行なわな
い。
【0066】続いて図1(c)に示すように、レジスト
6を剥離した後、新たにn−ch活性層ポリシリコン膜
2及び画素・サンプリングTFT活性層ポリシリコン膜
4を覆うようにレジスト7を形成する。そして、p−c
h活性層ポリシリコン膜3に、低濃度、例えばイオン濃
度1.3×1012/cm2のP(リン)イオンをイオン
注入法やイオンドーピング法等によりドープする。
【0067】その後は、従来のp−Si形TFT液晶表
示装置の基板素子形成プロセスにしたがって、例えばゲ
ート電極形成、LDD(Lightly Doped Drain )構造の
形成、高濃度イオンのドーピングによるソース・ドレイ
ンの形成等を行うことによって、画素トランジスタ6
1、サンプリングトランジスタST等のTFTを完成す
る。
【0068】上述したような本実施の形態の各TFTの
チャネルドーピング条件、及びその条件によって形成さ
れた各TFTの閾値電圧Vthを図2に示す。同図2に
示されるように、本実施の形態においては画素・サンプ
リングTFT活性層ポリシリコン膜4にB(ホウ素)イ
オンのチャネルドーピングを行なわなかったことによ
り、画素トランジスタ61及びサンプリングトランジス
タSTの閾値電圧Vthは、+1.2Vとなり、CMO
Sトランジスタのn−chTFTの閾値電圧Vth(+
3.0V)より1.8V低くなっている。
【0069】また、このチャネルドーピング条件によっ
て形成された画素トランジスタ61を代表としてその電
気特性例を図3に示す。ここで、図3(a)は、先の図
16(a)と同様に、画素トランジスタ61のゲート電
圧Vgに対するドレイン−ソース電流Idsの関係を示
したものである。ここでは、液晶駆動電圧VH及びVL
がそれぞれ「6V」及び「−6V」であるとしている。
なお、この液晶駆動電圧VH及びVLの値は、実際に上
記画素電極62に印加される電圧値とは異なる。
【0070】また、図3(b)は、図3(a)に示す電
気特性において、画素トランジスタ61のON(オン)
電圧Vgon及びOFF(オフ)電圧Vgoffをそれ
ぞれ「+9V」,「−9V」とした場合の同トランジス
タ61のON電流Ion及びOFF電流Ioffの値を
示したものである。なお、これらON電流Ion及びO
FF電流Ioffは、画素トランジスタ61のドレイン
−ソース電流Idsに相当している。
【0071】同図3(b)に示されるように、画素トラ
ンジスタ61の閾値電圧Vthを+1.2Vとし従来の
閾値電圧Vthより低くしたことにより、同トランジス
タ61のON電流Ionを増加させるとともに、そのO
FF電流Ioffを減少させることができる。
【0072】その結果、図7に示されるように、従来の
p−Si形TFT液晶表示装置に比べそのコントラスト
比を向上させ、表示画質を高めることができる。また、
同図7に示されるように、従来と同じコントラスト比を
得る場合にあっては、ドレイン(データ)ドライバ70
の駆動電圧を低下させることができ、それによって表示
装置としての消費電力を低下させることができる。
【0073】以上説明したように、本実施の形態の表示
装置によれば、以下のような効果を得ることができる。 (1)本実施の形態では、画素トランジスタ61及びサ
ンプリングトランジスタSTを形成する際に、その画素
及びサンプリングTFT活性層ポリシリコン膜4への低
濃度B(ホウ素)イオンのチャネルドーピングを行なわ
ないことにより、同画素トランジスタ61及びサンプリ
ングトランジスタSTの閾値電圧Vthを従来に比べ低
く形成することができる。その結果、同トランジスタ6
1,STのON電流Ionを増加させるとともに、その
OFF電流Ioffを減少させることができ、表示装置
としてのコントラスト比を向上させ、表示画質を高める
ことができる。 (2)本実施の形態では、コントラスト比を向上させる
ことができるため、従来と同じコントラスト比を得る場
合にあっては、データドライバ70の駆動電圧を低下さ
せることができ、それによって表示装置としての消費電
力を低下させることができるとともに信頼性を高めるこ
ともできる。
【0074】なお、上記第1の実施の形態は以下のよう
な形態で実施することもできる。 ・上記第1の実施の形態においては、本発明の表示装置
をカラー表示するp−Si形TFT液晶表示装置に具体
化した例を示したがこれに限らず、その他、例えばモノ
クロ表示のp−Si形TFT液晶表示装置、あるいは液
晶プロジェクタ用のp−Si形TFT液晶表示装置等に
も適用できる。
【0075】・上記第1の実施の形態においては、画素
トランジスタ61及びサンプリングトランジスタSTの
閾値電圧Vthが、CMOSトランジスタのn−chT
FTの閾値電圧Vthよりも低い電圧に設定される例を
示したが、これに限られない。その他、例えば画素トラ
ンジスタ61のみがCMOSトランジスタのn−chT
FTの閾値電圧Vthよりも低い電圧に設定されるよう
にしてもよい。要は、表示画素部に形成される画素薄膜
トランジスタ及び駆動回路部の出力段に形成されるサン
プリング薄膜トランジスタの少なくとも一方の閾値電圧
が、駆動回路部のCMOS回路を構成する薄膜トランジ
スタの閾値電圧よりも低い閾値電圧に設定されてなるも
のであればよい。
【0076】・上記第1の実施の形態においては、各薄
膜トランジスタをトップゲート型としたが、本発明はボ
トムゲート型にも適応できる。 (第2の実施の形態)次に、本発明の表示装置を、第1
の実施の形態と同様にp−Si形TFT液晶表示装置に
具体化した第2の実施の形態について、図4〜図7に基
づき詳細に説明する。なお、ここでは第1の実施の形態
との相違点を中心に説明する。
【0077】本実施の形態のp−Si形TFT液晶表示
装置と前記第1の実施の形態のp−Si形TFT液晶表
示装置との相違点は、画素トランジスタ61、サンプリ
ングトランジスタST、及びデータドライバ70,走査
ドライバ80のシフトレジスタ等を構成するCMOSト
ランジスタのチャネルドーピングにかかる製造方法が異
なる点にある。
【0078】図4を参照して本実施の形態におけるチャ
ネルドーピングにかかる製造方法の相違点を説明する。
その製造に際してはまず、図4(a)に示すように、第
1の実施の形態と同様、透明基板1、例えば石英ガラス
基板上にプラズマCVD法や減圧CVD法等によりa−
Siを成膜し、ELA法やSPC法等により同a−Si
膜をポリシリコン膜とする。そして、このポリシリコン
膜を、各TFT用に所定の形状にパターニングする。す
なわち、n−ch活性層ポリシリコン膜2、p−ch活
性層ポリシリコン膜3、画素・サンプリングTFT活性
層ポリシリコン膜4にパターニングする。
【0079】そして、このパターニングされたポリシリ
コン膜上に、プラズマCVD法や減圧CVD法等により
ゲート絶縁膜5、例えばSiO2膜を形成する。続いて
図4(b)に示すように、同じく第1の実施の形態と同
様に、p−ch活性層ポリシリコン膜3及び画素・サン
プリングTFT活性層ポリシリコン膜4を覆うようにレ
ジスト6aを形成し、n−ch活性層ポリシリコン膜2
のみに、低濃度、例えばイオン濃度1.5×1012/c
2のB(ホウ素)イオンをイオン注入法やイオンドー
ピング法等によりドープする。すなわち、本実施の形態
においても、画素・サンプリングTFT活性層ポリシリ
コン膜4にはB(ホウ素)イオンのチャネルドーピング
を行なわない。
【0080】続いて図4(c)に示すように、レジスト
6aを剥離した後、新たにn−ch活性層ポリシリコン
膜2のみを覆うようにレジスト7を形成する。そして、
p−ch活性層ポリシリコン膜3及び画素・サンプリン
グTFT活性層ポリシリコン膜4に、低濃度、例えばイ
オン濃度1.3×1012/cm2のP(リン)イオンを
イオン注入法やイオンドーピング法等によりドープす
る。すなわち、本実施の形態においては、画素・サンプ
リングTFT活性層ポリシリコン膜4にB(ホウ素)イ
オンのチャネルドーピングを行なわず、P(リン)イオ
ンのチャネルドーピングを行う。
【0081】その後は、第1の実施の形態と同様に、従
来のp−Si形TFT液晶表示装置の基板素子形成プロ
セスにしたがって、画素トランジスタ61、サンプリン
グトランジスタST等のTFTを完成する。
【0082】上述したような本実施の形態の各TFTの
チャネルドーピング条件、及びその条件によって形成さ
れた各TFTの閾値電圧Vthを図5に示す。同図5に
示されるように、本実施の形態においては画素・サンプ
リングTFT活性層ポリシリコン膜4にBイオンのチャ
ネルドーピングを行なわず、Pイオンのチャネルドーピ
ングを行うことにより、画素トランジスタ61及びサン
プリングトランジスタSTの閾値電圧Vthは−0.2
Vとなって、第1の実施の形態に比べさらに低下させる
ことができる。
【0083】また、このチャネルドーピング条件によっ
て形成された画素トランジスタ61を代表としてその電
気特性例を図6に示す。ここで、図6(a)は、先の図
3(a)と同様に、画素トランジスタ61のゲート電圧
Vgに対するドレイン−ソース電流Idsの関係を示し
たものである。ここでは、液晶駆動電圧VH及びVLが
それぞれ「6V」及び「−6V」であるとしている。
【0084】また、図6(b)は、図6(a)に示す電
気特性において、画素トランジスタ61のON(オン)
電圧Vgon及びOFF(オフ)電圧Vgoffをそれ
ぞれ「+9V」,「−9V」とした場合の同トランジス
タ61のON電流Ion及びOFF電流Ioffの値
を、先の従来例及び第1の実施の形態のデータとともに
示したものである。
【0085】同図6(b)に示されるように、本実施の
形態においては画素トランジスタ61の閾値電圧Vth
を−0.2Vとし、第1の実施の形態の閾値電圧Vth
よりさらに低くしたことにより、画素トランジスタ61
のON電流Ionをさらに増加させるとともに、そのO
FF電流Ioffをさらに減少させることができる。
【0086】その結果、図7に示されるように、第1の
実施の形態に比べさらにそのコントラスト比を向上さ
せ、表示画質を高めることができる。また、同図7に示
されるように、従来と同じコントラスト比を得る場合に
あっては、ドレイン(データ)ドライバ70の駆動電圧
をさらに低下させることができ、それによって表示装置
としての消費電力を大きく低下させることができる。
【0087】以上説明したように、本実施の形態の表示
装置によれば、以下のような効果を得ることができる。 (1)本実施の形態では、画素トランジスタ61及びサ
ンプリングトランジスタSTを形成する際にその画素及
びサンプリングTFT活性層ポリシリコン膜4への低濃
度B(ホウ素)イオンのチャネルドーピングを行なわ
ず、Pイオンのチャネルドーピングを行ことにより、同
画素トランジスタ61及びサンプリングトランジスタS
Tの閾値電圧Vthを従来に比べ大きく低下させること
ができる。その結果、同トランジスタ61,STのON
電流Ionをさらに増加させるとともに、そのOFF電
流Ioffもさらに減少させることができ、表示装置と
してのコントラスト比をさらに向上させ、表示画質を高
めることができる。 (2)本実施の形態では、コントラスト比を大きく向上
させることができるため、従来と同じコントラスト比を
得る場合にあっては、データドライバ70の駆動電圧を
さらに低下させることができ、それによって表示装置と
しての消費電力を大きく低下させることができるととも
に信頼性を高めることもできる。なお、上記第2の実施
の形態は以下のような形態で実施することもできる。
【0088】・上記第2の実施の形態においても、画素
トランジスタ61及びサンプリングトランジスタSTの
閾値電圧Vthが、CMOSトランジスタのn−chT
FTの閾値電圧Vthよりも低い電圧に設定される例を
示したが、これに限られない。要は、表示画素部に形成
される画素薄膜トランジスタ及び駆動回路部の出力段に
形成されるサンプリング薄膜トランジスタの少なくとも
一方の閾値電圧が、駆動回路部のCMOS回路を構成す
る薄膜トランジスタの閾値電圧よりも低い閾値電圧に設
定されてなるものであればよい。
【0089】・上記第2の実施の形態においては、各薄
膜トランジスタをトップゲート型としたが、本発明はボ
トムゲート型にも適応できる。 (第3の実施の形態)最近の表示装置、例えば液晶表示
装置等の大型化に伴い、同液晶表示装置が多面取りされ
る透明基板(マザーガラス基板等)はさらに大型化する
傾向にあり、同マザーガラス基板にTFT(薄膜トラン
ジスタ)を形成するための活性層ポリシリコン膜等の形
成時、マザーガラス基板内においてその膜厚を均一に制
御することも困難なものとなっている。そのため、この
活性層ポリシリコン膜の成膜等、その膜厚の不均一性等
に起因して、上記TFTの閾値電圧にばらつきが存在す
ることとなっている。このような閾値電圧のばらつき
は、例えば液晶表示装置にあっては、その表示画面の不
均一性の要因ともなる。
【0090】本発明のイオンドーピング方法は、表示装
置、例えばp−Si形TFT液晶表示装置の製造にあた
って、画素トランジスタ、サンプリングトランジスタ等
のTFT(薄膜トランジスタ)の形成にかかるチャネル
ドーピングに適用され、こうした閾値電圧Vthのばら
つき等を改善するためのイオンドーピング方法である。
【0091】まず最初に、このイオンドーピング方法の
原理を図8及び図9を参照して説明する。一般に、図8
に示されるようなイオン注入装置から発射されたイオン
ビームの基板到達位置(以下、単にビーム到達位置とい
う)xと、同イオン注入装置の走査電源22から走査電
極21に印加される走査電界E(走査電圧)との関係
は、電荷量をq、走査電極21の長さをl、イオンビー
ムの速度をv、走査電極21と基板との距離をLとする
と、以下に示す式(1)にて表わされる。 x= (qlL/mv2)E(t) ………… (1) L≫|x|の条件下では、上記式(1)は以下に示す式
(2)で示され、ビーム到達位置xは走査電界Eにほぼ
比例する。 x ∝ E(t) ………… (2) また、基板上のある一点x=x1におけるイオン注入量
D(x)は、基板上のイオンビーム走査速度dx/dt
に反比例し、走査周波数fに比例するため、上記式
(2)より D(x=x1)∝ f × 1/(d|E|/dt) ………… (3) なる関係となる。
【0092】一般的には基板内の注入量D(x)を一定
とするドーピング制御が行われ、その際、上記式(3)
の左辺の値を一定とするように、具体的には、イオンビ
ーム走査速度(d|x|/dt)を一定とするように、
(d|E|/dt)が一定である三角波の走査電圧が走
査電極21に印加される。
【0093】逆に閾値電圧Vthの基板上のばらつきを
改善する場合には、走査周波数fを一定とした場合、
(dt/d|E|)を必要とされるイオン注入量D
(x)に比例するように制御すればよい。このとき、基
板上のイオンビーム走査速度dx/dtを必要イオン注
入量D(x)に反比例させてイオンドーピングを行うこ
ととなる。すなわち、必要イオン注入量D(x)が多い
ときにはイオンビーム走査速度dx/dtを遅めるよう
に、逆に必要イオン注入量D(x)が少ないときにはイ
オンビーム走査速度dx/dtを早めるような走査電圧
波形を走査電極21に印加するようにすればよい。
【0094】そこで、本イオンドーピング方法において
は、まずイオンドーピングを行わずに所定基板上に作成
されたTFTの閾値電圧Vthを、所定の測定点で測定
する。その閾値電圧Vth(x)の分布を図9(a)に
示す。
【0095】そして目標閾値電圧をVthtとそれら測
定した閾値電圧Vth(x)との偏差をΔVth(x)
とすると、 ΔVth(x)=Vtht − Vth(x) ………… (4) となる(図9(a)参照)。
【0096】ここで、閾値電圧Vth(x)を目標閾値
電圧Vthtとするために必要とされる例えばチャネル
ドーピングのドーズ量(イオン注入量)D(x)と上記
偏差量ΔVth(x)との関係を ΔVth(x)=k1×D(x)(k1:比例定数) ………… (5) の比例関係にあるとすると、チャネルドーピングを行う
べきドーズ量D(x)は D(x)=1/k1×ΔVth(x) ………… (6) となる。なお、ここで偏差量ΔVth(x)とドーズ量
D(x)の関係、すなわち比例定数k1は実験等により
決定される。
【0097】この式(6)と前記式(3)との関係によ
り ΔVth(x)=k2×|dt/dE|(k2=k1・f) ……(7) となる。さらに、式(1)の関係から ΔVth(x)=k3×|dt/dx| ( k3=(fmv2)/(k1qlL) ) ……(8) となる。
【0098】ここでΔVth(x)は時間tには無関係
な値であるので、式(8)から dt= (ΔVth(x)/k3)dx ………… (9) となる。
【0099】この式(9)の微分方程式を解けば、時間
tとビーム到達位置x、すなわち走査電界E(式(2)
参照)との関係が得られ、基板上に作成されたTFTの
閾値電圧Vth(x)を目標閾値電圧Vtht近傍の均
一な値とするための走査電界(電圧)E波形が得られる
こととなる。なお、式(6)の関係から、同式(9)の
偏差量ΔVth(x)をドーズ量D(x)に置き換える
こともできる。
【0100】実際には、先の図9(b)に示す偏差量Δ
Vth(x)のグラフから同偏差量ΔVth(x)の積
分値S(x)を求め、図9(c)に示すように、この積
分値S(x)に実験等で決定される所定係数kを積算し
たものをビーム到達位置xの関数としてグラフ化する。
【0101】そして、このグラフの縦横両軸を入れ替え
たものを半周期としその半周期と時間対称の半周期を時
間軸方向につなげて1周期とし、さらにこの1周期を連
続させて図9(d)に示すような連続波形とする。
【0102】上述したような原理に基づき作成される、
同図9(d)に示すような印加電圧波形を走査電極21
に印加してイオンドーピングを行う場合にあっては、d
E/dt、すなわちはイオンビーム走査速度dx/dt
は一定ではなく、このようにイオンビーム走査速度dx
/dtを一定とせず基板位置に応じて同基板内へのイオ
ン注入量D(x)を変化させることにより、閾値電圧V
thを目標閾値電圧Vtht近傍に均一化することがで
きるようになる。
【0103】次に、本発明のイオンドーピング方法を液
晶表示装置、例えばp−Si形TFT液晶表示装置の製
造に適用した第3の実施の形態を図10〜図12に基づ
き詳細に説明する。なお、本実施の形態のイオンビーム
の走査は点走査とし、その走査方向はドーキング基板の
x軸方向とする。
【0104】まず、チャネルドーピングを行なわずにマ
ザー基板1A上に形成されたTFT、例えば画素トラン
ジスタの閾値電圧Vthの測定を、例えば図10(a)
の黒点にて示す測定点にて行う。このような測定点で測
定された閾値電圧Vthのx方向の分布例を図10
(b)に示す。
【0105】続いて図10(b)から上記目標閾値電圧
Vthtに対する偏差量ΔVth(x)を求め、先の式
(6)から閾値電圧Vthを均一にするためのドーズ量
D(x)を求める。このドーズ量D(x)を図10
(c)に示す。そして、このドーズ量D(x)(偏差量
ΔVth(x))の積分値に基づき、先の図9(c)に
示したようなビーム到達位置xと時間tとのグラフを求
めるのであるが、本実施の形態においては、その処理を
単純化するために近似化して行う。
【0106】すなわち、図10(c)に示すように、ド
ーズ量D(x)(イオンビームの走査速度の逆数と等
価)を、例えばd1からd6までの6値に分割し、それ
ぞれ分割されたドーズ量を、次の図10(d)に示すt
−x曲線の傾きである傾きα1からα6に対応させる。
すなわち、ここでは必要ドーズ量D(x)曲線を図10
(c)に一点鎖線で示すドーズ量D(x)曲線に近似す
る。
【0107】このように近似されたドーズ量D(x)曲
線の積分値から求められるt−x曲線を、図10(d)
に示す。そして先図9(d)と同様に、このt−x曲線
の縦横両軸を入れ替えたものを半周期としその半周期と
時間対称の半周期を時間軸方向につなげて1周期とし、
さらにこの1周期を連続させて図11に示すような走査
電界E(走査電圧)波形とする。なお、本実施の形態に
おいては、上記ドーズ量D(x)曲線の近似により、上
記t−x曲線の作成が容易となるとともに、上記走査電
界E(走査電圧)波形の作成も容易となる。
【0108】このようにdE/dt(dx/dt)が一
定でない走査電界E(t)を用いて画素トランジスタの
チャネルドーピングを行うことにより、図10(b)に
示したように同チャネルドーピングを行わなかった場合
にはx方向にばらついていた同画素トランジスタの閾値
電圧Vth(x)を、図12に示すように、目標閾値電
圧Vtht近傍の値に均一化することができるようにな
る。
【0109】なお、従来、図10(b)に示す平均偏差
量ΔVthaに基づく平均ドーズ量Dav(図10
(c)参照)によってチャネルドーピングを行い、閾値
電圧Vthを目標閾値電圧Vthtに近似させるチャネ
ルドーピング方法もあるが、この方法によっては、図1
0(b)に示す閾値電圧Vth曲線を上に並行移動する
だけにすぎず、閾値電圧Vth(x)を目標閾値電圧V
tht近傍の値に均一化することはできない。
【0110】以上説明したように、本実施の形態のイオ
ンドーピング方法によれば、以下のような効果を得るこ
とができる。 (1)本実施の形態では、p−Si形TFT液晶表示装
置の画素トランジスタを形成する際、そのチャネルドー
ピングを行うにあたって、イオン注入装置のイオンビー
ム走査速度dx/dtを一定とせず、基板位置による必
要イオン注入量(ドーズ量)D(x)に応じて変化させ
る。その結果、閾値電圧Vthを目標閾値電圧Vtht
近傍に均一化することができるようになる。
【0111】(2)本実施の形態では、基板位置による
必要イオン注入量D(x)に応じて変化させるイオンビ
ーム走査速度dx/dtを決定する際、すなわち走査電
極21に印加する走査電界E(t)を決定する際に、必
要イオン注入量D(x)を6値に分割する近似化を行う
ため、同走査電界E(t)の決定を容易化することがで
きる。
【0112】なお、上記第3の実施の形態は以下のよう
な形態で実施することもできる。 ・上記第3の実施の形態においては、必要イオン注入量
(ドーズ量)(x)を6値に分割する例を示したが、同
必要ドーズ量D(x)の分割数は任意である。さらに、
分割せず必要ドーズ量D(x)をそのまま積分して上記
t−x曲線を決定するようにしてもよい。
【0113】・上記第3の実施の形態においては、イオ
ンビームの走査を点走査とし、その走査方向をドーピン
グ基板のx軸方向とする例を示したが、これに限られな
い。その他、イオンビームの走査方向にドーピング基板
のy軸方向を追加したx−y軸走査をする場合にも適用
することができる。また、イオンビームの走査を線走査
とする場合にも、本イオンドーピング方法を適用するこ
とはできる。
【0114】さらに、イオンビームをドーピング基板y
軸方向に線状とし同基板x軸方向に線走査する場合にあ
って、同基板y軸方向の閾値電圧Vthのばらつきを低
減させるための必要イオン注入量(ドーズ量)D(y)
は、例えば、複数のダイポール(マルチダイポール)か
らなり磁界によってイオンビームを偏向させるプロファ
イルコントローラ内に同線状イオンビームを通過させて
得ることができる。その際、必要ドーズ量D(y)と偏
差量ΔVth(y)との関係を先の式(5)に示したの
と同様に ΔVth(y)=K×D(y)(K:比例定
数) とし、この関係に基づき線状イオンビームのy軸
方向の偏向プロファイルを決定するようにすればよい。
なお、この場合において基板x軸方向の線走査は、ドー
ピング基板を同x軸方向に変速走査(移動)させて行
う。
【0115】・上記第3の実施の形態においては、本イ
オンドーピング方法をp−Si形TFT液晶表示装置の
画素トランジスタを形成する際のチャネルドーピングに
適用する例を示したが、これに限られない。その他、ト
ランジスタの閾値電圧Vthを所定電圧の近傍に均一化
するためのあらゆるイオンドーピングに適用することが
できる。さらに、トランジスタの閾値電圧Vthのばら
つき低減に適用する例に限られず、その他、例えばLD
D(Lightly Doped Drain )の抵抗値のばらつき低減等
にも適用することができる。
【0116】・上記第3の実施の形態においては、イオ
ンビームの走査速度を基板位置による必要イオン注入量
に応じて変化させる例を示したがこれに限られない。ま
た、イオンビームを電界により偏向させて固定された基
板上での走査速度を変化させる静電スキャン方式の例を
示したが、逆に、イオンビームを偏向させずにその照射
方向を一定とし、基板を移動させその移動速度を変化さ
せるメカニカルスキャン方式としてもよい。要は、イオ
ンドーピング方法として、イオンビームとその照射対象
基板とを相対的に変位させ、イオンビームの照射対象基
板上での走査速度を可変としてドーピングを行うもので
あればよい。
【0117】
【発明の効果】本発明の表示装置及びその製造方法によ
れば、画素薄膜トランジスタ及び駆動回路部の出力段に
形成されるサンプリング薄膜トランジスタの少なくとも
一方の閾値電圧が同駆動回路部のCMOS回路を構成す
る薄膜トランジスタの閾値電圧より低い閾値電圧に設定
されるものであることにより、画素薄膜トランジスタの
オン・オフ電流比が大きくとれ、表示装置としての表示
画質を向上させることができる。また、上記閾値電圧の
設定にあたってのチャネルドーピングをイオン注入装置
によって行う際、そのイオンビームの走査速度を必要イ
オン注入量に反比例させることにより、同閾値電圧のば
らつきを低減することができる。
【0118】本発明のイオンドーピング方法によれば、
イオンビームの照射対象基板上での走査速度を可変とし
て、例えば必要イオン注入量に反比例させてドーピング
を行うことにより、TFT(薄膜トランジスタ)の閾値
電圧等のばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる表示装置の第1の実施形態の
製造方法を示す断面図。
【図2】同第1の実施の形態にかかるチャネルドーピン
グの形態及び閾値電圧を示す説明図。
【図3】同第1の実施の形態にかかる画素トランジスタ
の電気特性を示す説明図。
【図4】この発明にかかる表示装置の第2の実施形態の
製造方法を示す断面図。
【図5】同第2の実施の形態にかかるチャネルドーピン
グの形態及び閾値電圧を示す説明図。
【図6】同第2の実施の形態にかかる画素トランジスタ
の電気特性を示す説明図。
【図7】データドライバ駆動電圧とコントラスト比との
関係を示すグラフ。
【図8】イオンビームの走査態様を示す説明図。
【図9】この発明にかかる第3の実施形態の原理を示す
説明図。
【図10】同第3の実施形態にかかる走査電圧波形を求
めるための説明図。
【図11】同第3の実施形態にかかる走査電圧波形を示
すグラフ。
【図12】同第3の実施形態にかかる閾値電圧の分布を
示すグラフ。
【図13】表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【図14】従来の表示装置の製造方法を示す断面図。
【図15】同従来の表示装置にかかるチャネルドーピン
グの形態及び閾値電圧を示す説明図。
【図16】同従来の表示装置にかかる画素トランジスタ
の電気特性を示す説明図。
【符号の説明】
1…透明基板、1A…マザー透明基板、2…CMOSの
n−chTFT用活性層ポリシリコン膜、3…CMOS
のp−chTFT用活性層ポリシリコン膜、4…画素及
びサンプリングTFT用活性層ポリシリコン膜、5…ゲ
ート酸化膜、6a,7…レジスト、50…表示部、60
…画素、61…画素トランジスタ、62…画素電極、6
3…共通電極 、64…蓄積電極 、65…対向電極
、70…データドライバ、80…走査ドライバ、Cs
…補助容量、LC…液晶、ST…サンプリングトランジ
スタ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/265 H01L 21/265 T 29/786 29/78 612B Fターム(参考) 2H092 GA59 JA25 JA29 JA38 JA42 JA44 JB13 JB23 JB32 JB33 JB38 JB51 JB57 JB63 JB69 KA04 KA07 KA12 KA16 KA18 MA07 MA08 MA13 MA17 MA22 MA27 MA29 MA30 MA35 MA37 MA41 NA24 NA25 PA06 5C034 CC04 CC05 CD04 5C094 AA02 BA03 BA43 CA19 DA14 DA15 EA04 EA07 EB02 FB12 FB15 5F110 AA06 AA08 BB04 CC01 CC07 DD02 DD03 FF02 FF30 FF32 GG02 GG13 GG32 GG34 GG45 GG47 GG51 GG52 HM15 PP03 5G435 AA00 BB12 EE34 GG21 KK05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示画素部と駆動回路部とが同一絶縁基板
    上に形成されるドライバ一体型の表示装置において、 前記表示画素部を構成する薄膜トランジスタは、前記駆
    動回路部を構成する薄膜トランジスタよりも低い閾値電
    圧に設定されてなることを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】表示画素部と駆動回路部とが同一絶縁基板
    上に形成されるドライバ一体型の表示装置において、 前記表示画素部を構成する薄膜トランジスタは、前記駆
    動回路部のCMOS回路を構成する薄膜トランジスタよ
    りも低い閾値電圧に設定されてなることを特徴とする表
    示装置。
  3. 【請求項3】表示画素部と駆動回路部とが同一絶縁基板
    上に形成されるドライバ一体型の表示装置において、 前記表示画素部に形成される画素薄膜トランジスタ及び
    前記駆動回路部の出力段に形成されるサンプリング薄膜
    トランジスタの少なくとも一方の閾値電圧が、前記駆動
    回路部のCMOS回路を構成する薄膜トランジスタの閾
    値電圧よりも低い閾値電圧に設定されてなることを特徴
    とする表示装置。
  4. 【請求項4】表示画素部と駆動回路部とを同一絶縁基板
    上に形成するドライバ一体型の表示装置の製造方法にお
    いて、 前記表示画素部を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧
    が前記駆動回路部を構成する薄膜トランジスタの閾値電
    圧よりも低くなるようにそれら閾値電圧のコントロール
    を行うことを特徴とする表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】表示画素部と駆動回路部とを同一絶縁基板
    上に形成するドライバ一体型の表示装置の製造方法にお
    いて、 前記表示画素部を構成する薄膜トランジスタの閾値電圧
    が前記駆動回路部のCMOS回路を構成する薄膜トラン
    ジスタの閾値電圧よりも低くなるようにそれら閾値電圧
    のコントロールを行うことを特徴とする表示装置の製造
    方法。
  6. 【請求項6】表示画素部と駆動回路部とを同一絶縁基板
    上に形成するドライバ一体型の表示装置の製造方法にお
    いて、 前記表示画素部に形成される画素薄膜トランジスタ及び
    前記駆動回路部の出力段に形成されるサンプリング薄膜
    トランジスタの少なくとも一方の閾値電圧が、前記駆動
    回路部のCMOS回路を構成する薄膜トランジスタの閾
    値電圧よりも低くなるようにそれら閾値電圧のコントロ
    ールが行われることを特徴とする表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の表示装置の製造方法におい
    て、 前記絶縁基板上に前記画素薄膜トランジスタ、サンプリ
    ング薄膜トランジスタ、及びCMOS回路を構成する薄
    膜トランジスタを形成するための活性層となるポリシリ
    コン膜を形成する工程と、 前記CMOS回路を構成する薄膜トランジスタのうちの
    pチャンネルトランジスタ、前記画素薄膜トランジス
    タ、及び前記サンプリング薄膜トランジスタを形成する
    活性層ポリシリコン膜にはマスキングをし、前記CMO
    S回路を構成する薄膜トランジスタのうちのnチャンネ
    ルトランジスタを形成する活性層ポリシリコン膜にのみ
    チャンネル領域を形成するための低濃度不純物をドーピ
    ングする工程と、 前記CMOS回路を構成する薄膜トランジスタのうちの
    nチャンネルトランジスタ、前記画素トランジスタ、及
    び前記サンプリング薄膜トランジスタを形成する活性層
    ポリシリコン膜にはマスキングをし、前記CMOS回路
    を構成する薄膜トランジスタのうちのpチャンネルトラ
    ンジスタを形成する活性層ポリシリコン膜にのみチャン
    ネル領域を形成するための低濃度不純物をドーピングす
    る工程とを備えることを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項6記載の表示装置の製造方法におい
    て、 前記絶縁基板上に前記画素薄膜トランジスタ、サンプリ
    ング薄膜トランジスタ、及びCMOS回路を構成する薄
    膜トランジスタを形成するための活性層となるポリシリ
    コン膜を形成する工程と、 前記CMOS回路を構成する薄膜トランジスタのうちの
    pチャンネルトランジスタ、前記画素薄膜トランジス
    タ、及び前記サンプリング薄膜トランジスタを形成する
    活性層ポリシリコン膜にはマスキングをし、前記CMO
    S回路を構成する薄膜トランジスタのうちのnチャンネ
    ルトランジスタを形成する活性層ポリシリコン膜にのみ
    チャンネル領域を形成するための低濃度不純物をドーピ
    ングする工程と、 前記CMOS回路を構成する薄膜トランジスタのうちの
    nチャンネルトランジスタを形成する活性層ポリシリコ
    ン膜にのみマスキングをし、前記CMOS回路を構成す
    る薄膜トランジスタのうちのpチャンネルトランジス
    タ、前記画素薄膜トランジスタ、及び前記サンプリング
    薄膜トランジスタを形成する活性層ポリシリコン膜には
    チャンネル領域を形成するための低濃度不純物をドーピ
    ングする工程とを備えることを特徴とする表示装置の製
    造方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の表示装置の製造方
    法において、 前記低濃度不純物のドーピングを、イオンビームと前記
    絶縁基板とを相対的に変位させつつ同イオンビームを同
    絶縁基板上で走査させるイオン注入装置による不純物イ
    オンの注入によって行うとともに、 前記イオンビームの前記絶縁基板上での走査速度を、前
    記トランジスタ閾値電圧を所定の目標トランジスタ閾値
    電圧とするために必要なイオン注入量に反比例させて行
    うことを特徴とする表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記イオン注入装置はイオンビームを前
    記絶縁基板上で走査させる走査電極を備えるものであ
    り、該走査電極に印加する走査電圧波形により前記走査
    速度を必要なイオン注入量に反比例させて可変とする請
    求項9記載の表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】前記走査電圧波形を前記必要イオン注入
    量の積分値に基づき形成する請求項10記載の表示装置
    の製造方法。
  12. 【請求項12】イオンビームとその照射対象基板とを相
    対的に変位させつつ同イオンビームを同照射対象基板上
    で走査させるイオン注入装置を用いて前記基板に対する
    イオンドーピングを行うイオンドーピング方法におい
    て、 前記イオンビームの前記照射対象基板上での走査速度を
    可変としてドーピングを行うことを特徴とするイオンド
    ーピング方法。
  13. 【請求項13】前記走査速度を必要イオン注入量に反比
    例させてドーピングを行う請求項12記載のイオンドー
    ピング方法。
  14. 【請求項14】前記イオン注入装置はイオンビームを前
    記照射対象基板上で走査させる走査電極を備えるもので
    あり、該走査電極に印加する走査電圧波形により前記走
    査速度を可変とする請求項12または13記載のイオン
    ドーピング方法。
  15. 【請求項15】前記走査電圧波形を前記必要イオン注入
    量の積分値に基づき形成してドーピングを行う請求項1
    4記載のイオンドーピング方法。
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