JP3119898B2 - 電気光学装置 - Google Patents

電気光学装置

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JP3119898B2
JP3119898B2 JP16387091A JP16387091A JP3119898B2 JP 3119898 B2 JP3119898 B2 JP 3119898B2 JP 16387091 A JP16387091 A JP 16387091A JP 16387091 A JP16387091 A JP 16387091A JP 3119898 B2 JP3119898 B2 JP 3119898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、駆動用スイッチング素子
として薄膜トランジスタ(以下TFTという)を使用し
た液晶電気光学装置における画像表示方法において、特
に中間的な色調や濃淡の表現を得るための階調表示方法
に関するものである。本発明は、特に、外部からいかな
るアナログ信号をもアクティブ素子に印加することな
く、階調表示をおこなう、いわゆる完全デジタル階調表
示に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶組成物はその物質特性から、分子軸
に対して水平方向と垂直方向に誘電率が異なるため、外
部の電解に対して水平方向に配列したり、垂直方向に配
列したりさせることが容易にできる。液晶電気光学装置
は、この誘電率の異方性を利用して、光の透過光量また
は散乱量を制御することでON/OFF、すなわち明暗
の表示をおこなっている。液晶材料としては、TN(ツ
イステッド・ネマティック)液晶、STN(スーパー・
ツイステッド・ネマティック)液晶、強誘電性液晶、ポ
リマー液晶あるいは分散型液晶とよばれる材料が知られ
ている。液晶は外部電圧に対して、無限に短い時間に反
応するのではなく、応答するまでにある一定の時間がか
かることが知られている。その値はそれぞれの液晶材料
に固有で、TN液晶の場合には、数10msec、ST
N液晶の場合には数100msec、強誘電性液晶の場
合には数10μsec、分散型あるいはポリマー液晶の
場合には数10msecである。
【0003】液晶を利用した電気光学装置のうちでもっ
とも優れた画質が得られるものは、アクティブマトリク
ス方式を用いたものであった。従来のアクティブマトリ
クス型の液晶電気光学装置では、アクティブ素子として
薄膜トランジスタ(TFT)を用い、TFTにはアモル
ファスまたは多結晶型の半導体を用い、1つの画素にP
型またはN型のいずれか一方のみのタイプのTFTを用
いたものであった。即ち、一般にはNチャネル型TFT
(NTFTという)を画素に直列に連結している。そし
て、マトリクスの信号線に信号電圧を流し、それぞれの
信号線の直交する箇所に設けられたTFTに双方から信
号が印加されるとTFTがON状態となることを利用し
て液晶画素のON/OFFを個別に制御するものであっ
た。このような方法によって画素の制御をおこなうこと
によって、コントラストの大きい液晶電気光学装置を実
現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなアクティブマトリクス方式では、明暗や色調といっ
た、階調表示をおこなうことは極めて難しかった。従
来、階調表示は液晶の光透過性が、印加される電圧の大
きさによって変わることを利用する方式が検討されてい
た。これは、例えば、マトリクス中のTFTのソース・
ドレイン間に、適切な電圧を周辺回路から供給し、その
状態でゲイト電極に信号電圧を印加することによって、
液晶画素にその大きさの電圧をかけようとするものであ
った。
【0005】しかしながら、このような方法では、例え
ば、TFTの不均質性やマトリクス配線の不均質性のた
めに、実際には液晶画素にかかる電圧は、各画素によっ
て、最低でも数%も異なってしまった。これに対し、例
えば、液晶の光透過度の電圧依存性は、極めて非線型性
が強く、ある特定の電圧で急激に光透過性が変化するた
め、たとえ数%の違いでも、光透過性が著しく異なって
しまうことがあった。例えば、TN液晶の場合、ON/
OFF状態の電位差は、約1.2Vであり、16階調を
達成せんとする場合には、液晶の電位差を75mVの精
度で制御する必要があった。そのため、実際には16階
調を達成することが限界であった。
【0006】このように階調表示が困難であるというこ
とは、液晶ディスプレー装置が従来の一般的な表示装置
であるCRT(陰極線管)と競争してゆく上で極めて不
利であった。
【0007】本発明は従来、困難であった階調表示を実
現させるための全く新しい方法を提案することを目的と
するものである。
【0008】
【問題を解決するための手段】さて、液晶にかける電圧
をアナログ的に制御することによって、その光透過性を
制御することが可能であることを先に述べたが、本発明
人らは、液晶に電圧のかかっている時間を制御すること
によって、視覚的に階調を得ることができることを見出
した。
【0009】例えば、代表的な液晶材料であるTN(ツ
イステッド・ネマチック)液晶を用いた場合において、
例えば、図1(a)において、Aで示されるような矩形
パルスを印加する場合と、Cで示されるような矩形パル
スを印加する場合を比べて見ると、Aの方が明るいこと
を見出した。ここで、パルスの周期は1msecとし
た。結果的には、Aが最も明るく、以下、B、C、Dの
順であった。このことは全く予想外のことである。なぜ
ならば、通常の上記のTN液晶材料においては、1ms
ecという時間はあまりにも短く、そのような短時間に
はTN液晶は反応しないのである。したがって、いずれ
の場合にも液晶はON状態を実現することは不可能なは
ずである。しかしながら、実際には液晶は中間的な濃さ
を実現できた。
【0010】その具体的な原理についてはまだ詳細にわ
かっていない。しかしながら、本発明人らは、この現象
を利用して階調表現が可能であることを見いだしたので
ある。すなわち、液晶材料が反応しないような周期で液
晶材料にパルスを印加するときにパルスの幅を制御する
ことによって、中間的な明るさをデジタル制御で実現す
ることが、まさに本発明の特徴とするものである。本発
明人らの研究の結果、このような中間的な濃度を得るた
めのパルスの周期はTN液晶の場合には10msec以
下が必要であることがわかった。
【0011】ここで、パルスの周期という語句につい
て、その意味を明確にする。すなわち、この場合には、
複数のパルスを連続的に液晶に印加するのであるが、こ
の場合のパルスの周期とは、1つのパルスが始まってか
ら、次のパルスが始まるまでの間の時間のことをいう。
したがって、パルスの繰り返し周波数の逆数となる。ま
た、パルス幅とは、パルスが電圧状態にある時間のこと
をいう。したがって、図1において、例えばCのパルス
列の場合には、Tがパルスの周期であり、τがパルス幅
である。
【0012】同様な効果は、STN液晶においても、強
誘電性液晶においても、また、ポリマー液晶あるいは分
散型液晶においても見られた。いずれも、その応答時間
よりも短い周期のパルスを加えることによって、中間的
な色調が得られることが明らかになった。すなわち、S
TN液晶においては、100msec以下、のぞましく
は10msec以下、強誘電性液晶においては10μs
ec以下、のぞましくは1μsec以下、ポリマー液晶
あるいは分散型液晶においては10msec以下、のぞ
ましくは1msec以下の周期のパルスを加えることに
よって、階調表示が得られた。
【0013】通常は、テレビ等の画像では1秒間に30
枚の静止画が次々に繰り出されて動画を形成する。した
がって、1枚の静止画が継続する時間は約30msec
である。この時間は人間の目にはあまりにも早すぎて、
文字通り『目にも止まらない』時間であり、結果とし
て、視覚的には静止画を1枚1枚識別することはできな
い。ともかく、通常の動画を得るには、1枚の静止画は
長くても100msec以上継続することはできない。
【0014】本発明を利用して256階調の階調表示を
おこなうとすれば、例えば、T=3msecとすれば、
この3msecの時間を、少なくとも256分割しうる
パルス電圧印加方法、を画素に電圧を印加する方法とし
て採用する必要がある。すなわち、最短で3msec/
256=11.7μsecのパルス状の電圧が画素にか
かるような回路を組む必要がある。実際には、図3に示
すように、パルスのデューティー比τ/Tと液晶画素の
光透過性は非線型的な関係であり、256階調を得るた
めには、さらに、パルスのデューティー比を細かく制御
することが必要である。
【0015】しかも、実際の画像表示をおこなう場合に
は、他の画素も考慮しなければならない。実際の画像表
示装置では、例えば400行もの行がある。すなわち、
後に述べるように、マトリクスのアクティブ素子は10
0nsecという極短応答性が求められる。そこで、そ
のような短時間応答性を有する回路の例を図4に示し、
以下、その説明をする。
【0016】図4は本発明を実施するために必要な液晶
表示装置のアクティブマトリクスの回路の例を示す。本
発明では、アクティブ素子は100nsec以下の短時
間で応答することが要求されるので高速動作する回路を
組む必要がある。そのためには従来のようにNTFTあ
るいはPTFTだけでスイッチングをおこなうのではな
く、図4に示されるようにNTFTとPTFTとが相補
的に動作するように構成された、変形インバータ型の回
路を用いることが必要である。
【0017】この例ではN×Mのマトリクスの例を示し
たものであるが、煩雑さをさけるために、そのうちのn
行m列近傍のみを示した。これと同じものを上下左右に
展開すれば完全なものが得られる。
【0018】図4には、4つの変形インバータ回路が描
かれている。各変形インバータ回路は少なくとも2つの
NTFTと少なくとも2つのPTFTから構成される。
TFTの数は、不良が存在した場合に備えて、さらに増
やしても構わない。この回路では、まず、中央部の1組
のNTFTとPTFTのゲイト電極が信号線Xに接続
され、また、このNTFTとPTFTのソースあるいは
ドレインの一方は互いに接続され、これは画素Zn,m
の電極に接続される。この状態は通常の相補型電界効果
素子(CMOS)と同じである。このNTFTおよびP
TFTの他方のソースあるいはドレインは、それぞれ、
第2のNTFT、PTFTのソースあるいはドレインに
接続されている。また、この第2のNTFT、PTFT
の他方のソースあるいはドレインは、それぞれ、信号線
m+1とYに接続されている。さらに、第2のNT
FT、PTFTのゲイト電極は、それぞれ、信号線Y
m+ とYに接続されている。以下では、信号線X
1,2,..を、集合的に、あるいは個別にX線
とよび、信号線Y1,2,..を、集合的に、あ
るいは個別にY線とよぶ。また、図では、画素のキャパ
シタと並列に人為的にキャパシタが挿入されている。。
このとき挿入されたキャパシタは、画素の電荷が自然放
電することによって、画素の電圧が低下することを抑制
する効果を有する。画素の電圧の降下は、画素のばらつ
きがあると、一様でなくなり、特に本発明のように、画
素に印加される電圧が一定のものとして階調表示をおこ
なおうとする発明においては、画質の低下を招くもので
ある。しかしながら、このように画素に並列にキャパシ
タを挿入することにより、画素のばらつきによる電圧降
下は著しく抑えることができ、高画質を得ることができ
る。
【0019】次に、このような回路を用いた場合の回路
の動作例を図1(b)および図2を用いて説明する。こ
のマトリクス回路は図1(a)に示されるようなパルス
状の電圧を液晶セルに印加するように動作する必要があ
る。そこで、このようなパルスを発生するためにX線お
よびY線に印加される信号電圧の概要を図1(b)に示
す。例として、400×640のマトリクスを考える。
【0020】X線に印加される信号は、例えばX線の
場合は、V(X)で示されるが、これは、周期Tで繰
り返されるひとまとまりのパルスの中に、実は256個
のパルス(以下、サブパルスという)が含まれており、
さらにその256個のサブパルスのそれぞれは、400
個の要素が入ったパルス列から構成されていることがわ
かる。ここで、400という数字はマトリクスの行数で
ある。したがって、X線に印加されるパルスの最小単位
はT=3msecとすれば、29nsecである。
【0021】一方、Y線には、時間T/256の間に、
図のV(Y)、V(Y)、V(Ym+1)、V(Y
400)で示されるようなパルスが、それぞれのタイミ
ングをずらして印加される。このパルスは、上記X線に
印加されるパルスの最小単位パルスよりもさらに短い必
要がある。結局、時間Tの間には、各Y線には、256
回パルスが印加される。
【0022】次に、実際の回路の動作を図2に基づいて
説明する。まず、第1のサブパルスがそれぞれのX線に
印加される。当然のことながら、これらのサブパルスは
X線ごとに異なる。一方、Y線には、先に述べたよう
に、パルスが最初にY、次にYというように順々に
印加されてゆく。まず、パルスがYに印加されたとき
を考える。このとき、画素Z1,1に接続されている、
アクティブ素子はOFF状態となる。すなわち、Y
電圧状態であり、かつYは電圧状態でないので、画素
のアクティブ素子の4つのTFTのうち、上のPTFT
と下のNTFTはON状態となり、中央のインバータが
動作する状態にある。そして、インバータの入力X
は電圧が加わっているから、出力は反転して電圧の加わ
らない状態となる。次いで、Yに電圧が加わるのであ
るが、このとき、画素Z1,2には電圧のかかった状態
となる。すなわち、インバータの入力Xには電圧がか
かっていないからである。そして、この電圧状態は、Y
のパルスが切られた後も継続し、次にYにパルスが
加わるまで持続する。同様に、Z1,mもZ1,m+1
もZ1,400も、電圧状態となる。
【0023】このようにして、パルスが順々に印加され
てゆき、Yに印加された場合を考える。今、4つの画
素Zn,m、Zn,m+1、Zn+1,m、Z
n+1,m+1に注目しているとすれば、XおよびX
n+1の第1のサブパルスのm番目および(m+1)番
目に注目すればよい。XもXn+1もm番目は電圧状
態でないので、画素Zn,m、Zn+1,mは電圧(充
電)状態になる。ついで、Ym+1にパルスが印加され
る。XもXn+1も(m+1)番目は電圧状態でない
ので、この場合も画素Zn,m+1、Zn+1,m+1
は充電状態となる。
【0024】次に、図では省略されているが、第2のサ
ブパルスが来たものとする。このとき、XもXn+1
もm番目および(m+1)番目が電圧状態でなかったな
らば、充電状態がなくならず、以上4つの画素は引き続
き電圧状態を継続する。その後、第(h−1)のサブパ
ルスまでは、4つの画素とも電圧状態が継続したものと
する。
【0025】次に、サブパルスが進んで、第hのサブパ
ルスが来たものとする。図では煩雑さを避けるためにm
番目および(m+1)番目以外は省略した。このとき、
もXn+1もm番目は電圧状態でないので、画素Z
n,m、Zn+1,mは電圧状態を継続する。しかし、
n+1には(m+1)番目が電圧状態であるので、画
素Zn+1,mは電圧状態が継続するものの、画素Z
n+1,m+1は、アクティブ素子の出力が電圧状態で
なくなり、蓄えられていた電荷が放出され、電圧状態は
中断される。
【0026】さらに、第iのサブパルスが来たときに
は、Xの(m+1)番目は電圧状態となったので、Z
n,n+1の充電状態は解除される。以下、第jおよび
第kのサブパルスにおいて、それぞれ、Xn+1、X
のm番目が電圧状態となったので、画素Zn,m、Z
n+1,mの充電状態がぞれぞれ、第k、第jのサブパ
ルス中に中断される。このような過程を経ることによっ
て、図2のV(Z)に示すように、各画素ごとに電圧状
態の時間をデジタル的にコントロールできる。
【0027】このような動作を繰り返すことにより、各
画素に加わる電圧パルスの幅を図1(a)のように任意
に制御することができる。
【0028】以上の説明から明らかなように、本発明を
実施するにあたっては、上記のようなサブパルスは、明
確に定義できるパルス状のものでなければならないわけ
ではない。説明を簡単にするために、サブパルスという
概念を持ち出したが、特に、サブパルスとサブパルスの
間が明確でなく、信号としては、ほとんど境界のないも
のであっても、本発明を実施できることはあきらかであ
る。さらに、説明をわかりやすくするために、信号のゼ
ロレベルと電圧レベルを明確にしたが、これは、液晶あ
るいはTFTのしきい値電圧以下であるか、以上である
かという問題だけであるので、絶対にゼロである必要は
ない。また、電圧とは任意の点の電位を基準とした相対
的な物理量であるので、以上の例において、パルスは逆
の極性を持つものであっても、構わないことは明らかで
あろう。また、以上の例では、画面は1行づつ順に走査
されていったが、最初にY1,3,5,...とい
うように走査し、その後、Y2,4,6...とい
うように走査する、いわゆる飛び越し走査法も可能であ
ることは言うまでもない。
【0029】
【実施例】『実施例1』 本実施例では図4に示すよう
な回路構成を用いた液晶表示装置を用いて、壁掛けテレ
ビを作製したので、その説明を行う。またその際のTF
Tは、レーザーアニールを用いた多結晶シリコンとし
た。
【0030】この回路構成に対応する実際の電極等の配
置構成を1つの画素について、図5に示している。ま
ず、本実施例で使用する液晶パネルの作製方法を図6を
使用して説明する。本発明を実施するためには、1つの
画素にNTFTとPTFTが2つづつ必要であるので、
計4つのTFTを図に示すが、簡略化のために、番号は
NTFTとPTFTの一方にのみ付して説明する。図6
(A)において、石英ガラス等の高価でない700℃以
下、例えば約600℃の熱処理に耐え得るガラス50上
にマグネトロンRF(高周波)スパッタ法を用いてブロ
ッキング層51としての酸化珪素膜を1000〜300
0Åの厚さに作製する。プロセス条件は酸素100%雰
囲気、成膜温度150℃、出力400〜800W、圧力
0.5Paとした。ターゲットに石英または単結晶シリ
コンを用いた成膜速度は30〜100Å/分であった。
【0031】この上にシリコン膜をプラズマCVD法に
より珪素膜52を作製した。成膜温度は250℃〜35
0℃で行い本実施例では320℃とし、モノシラン(S
iH)を用いた。モノシラン(SiH)に限らず、
ジシラン(Si)またトリシラン(Si
を用いてもよい。これらをPCVD装置内に3Paの圧
力で導入し、13.56MHzの高周波電力を加えて成
膜した。この際、高周波電力は0.02〜0.10W/
cmが適当であり、本実施例では0.055W/cm
を用いた。また、モノシラン(SiH)の流量は2
0SCCMとし、その時の成膜速度は約120Å/分で
あった。PTFTとNTFTとのスレッシュホールド電
圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホウ素をジボ
ランを用いて1×1015〜1×1018cm−3の濃
度として成膜中に添加してもよい。またTFTのチャネ
ル領域となるシリコン層の成膜にはこのプラズマCVD
だけでなく、スパッタ法、減圧CVD法を用いても良
く、以下にその方法を簡単に述べる。
【0032】スパッタ法で行う場合、スパッタ前の背圧
を1×10−5Pa以下とし、単結晶シリコンをターゲ
ットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰
囲気で行った。例えばアルゴン20%、水素80%とし
た。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、
スパッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paで
あった。
【0033】減圧気相法で形成する場合、結晶化温度よ
りも100〜200℃低い450〜550℃、例えば5
30℃でジシラン(Si)またはトリシラン(S
)をCVD装置に供給して成膜した。反応炉内
圧力は30〜300Paとした。成膜速度は50〜25
0Å/分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュ
ホールド電圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホ
ウ素をジボランを用いて1×1015〜1×1018
−3の濃度として成膜中に添加してもよい。
【0034】これらの方法によって形成された被膜は、
酸素が5×1021cm−3以下であることが好まし
い。結晶化を助長させるためには、酸素濃度を7×10
19cm−3以下、好ましくは1×1019cm−3
下とすることが望ましいが、少なすぎると、バックライ
トによりオフ状態のリーク電流が増加してしまうため、
この濃度を選択した。この酸素濃度が高いと、結晶化さ
せにくく、レーザーアニール温度を高くまたはレーザー
アニール時間を長くしなければならない。水素は4×1
20cm−3であり、珪素4×1022cm−3とし
て比較すると1原子%であった。
【0035】また、ソース、ドルインに対してより結晶
化を助長させるため、酸素濃度を7×1019cm−3
以下、好ましくは1×1019cm−3以下とし、ピク
セル構成するTFTのチャネル形成領域のみに酸素をイ
オン注入法により5×1020〜5×1021cm−3
となるように添加してもよい。上記方法によって、アモ
ルファス状態の珪素膜を500〜5000Å、本実施例
では1000Åの厚さに成膜した。
【0036】その後、フォトレジスト53をマスクP1
を用いてソース・ドレイン領域のみ開孔したパターンを
形成した。その上に、プラズマCVD法によりn型の活
性層となる珪素膜54を作製した。成膜温度は250℃
〜350℃でおこない、本実施例では320℃とし、モ
ノシラン(SiH)とモノシランベースのフォスフィ
ン(PH)3%濃度のものを用いた。これらをPCV
D装置内5Paの圧力でに導入し、13.56MHzの
高周波電力を加えて成膜した。この際、高周波電力は
0.05〜0.20W/cmが適当であり、本実施例
では0.120W/cmを用いた。
【0037】この方法によって出来上がったn型シリコ
ン層の比導電率は2×10−1〔Ωcm−1〕程度とな
った。膜厚は50Åとした。その後リフトオフ法を用い
て、レジスト53を除去し、ソース・ドレイン領域5
5、56を形成した。
【0038】同様のプロセスを用いて、p型の活性層を
形成した。その際の導入ガスは、モノシラン(Si
)とモノシランベースのジボラン(B)5%
濃度のものを用いた。これらをPCVD装置内に4Pa
の圧力でに導入し、13.56MHzの高周波電力を加
えて成膜した。この際、高周波電力は0.05〜0.2
0W/cmが適当であり、本実施例では0.120W
/cmを用いた。この方法によって出来上がったp型
シリコン層の比導電率は5×10−2〔Ωcm−1〕程
度となった。膜厚は50Åとした。その後N型領域と同
様にリフトオフ法を用いて、ソース・ドレイン領域5
9、60を形成した。その後、マスクP3を用いて珪素
膜52をエッチング除去し、Nチャネル型薄膜トランジ
スタ用アイランド領域63とPチャネル型薄膜トランジ
スタ用アイランド領域64を形成した。
【0039】その後XeClエキシマレーザーを用い
て、ソース・ドレイン・チャネル領域をレーザーアニー
ルすると同時に、活性層にレーザードーピングを行なっ
た。この時のレーザーエネルギーは、閾値エネルギーが
130mJ/cmで、膜厚全体が溶融するには220
mJ/cmが必要となる。しかし、最初から220m
J/cm以上のエネルギーを照射すると、膜中に含ま
れる水素が急激に放出されるために、膜の破壊が起き
る。そのために低エネルギーで最初に水素を追い出した
後に溶融させる必要がある。本実施例では最初150m
J/cmで水素の追い出しを行なった後、230mJ
/cmで結晶化をおこなった。
【0040】この上に酸化珪素膜をゲイト絶縁膜として
500〜2000Å例えば1000Åの厚さに形成し
た。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作製と
同一条件とした。この成膜中に弗素を少量添加し、ナト
リウムイオンの固定化をさせてもよい。
【0041】この後、この上側にリンが1〜5×10
21cm−3の濃度に入ったシリコン膜またはこのシリ
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン
(W),MoSiまたはWSiとの多層膜を形成し
た。これを第4のフォトマスクP4にてパターニングし
て図6(D)を得た。NTFT用のゲイト電極66、P
TFT用のゲイト電極67を形成した。例えばチャネル
長7μm、ゲイト電極としてリンドープ珪素を0.2μ
m、その上にモリブデンを0.3μmの厚さに形成し
た。同時に、図7(A)に示すように、ゲイト配線65
とそれに並行して設置された配線68もパターニングし
た。
【0042】また、ゲート電極材料としてアルミニウム
(Al)を用いた場合、これを第4のフォトマスクP4
にてパターニング後、その表面を陽極酸化することで、
セルファライン工法が適用可能なため、ソース・ドルイ
ンのコンタクトホールをよりゲートに近い位置に形成す
ることが出来るため、移動度、スレッシュホールド電圧
の低減からさらにTFTの特性を上げることができる。
【0043】かくすると、400℃以上にすべての工程
で温度を加えることがなくC/TFTを作ることができ
る。そのため、基板材料として、石英等の高価な基板を
用いなくてもよく、本発明の大画面の液晶表示装置にき
わめて適したプロセスであるといえる。
【0044】図6(E)において、層間絶縁物68を前
記したスパッタ法により酸化珪素膜の形成として行っ
た。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD
法、常圧CVD法を用いてもよい。例えば0.2〜0.
6μmの厚さに形成し、その後、第5のフォトマスクP
5を用いて電極用の窓79を形成した。その後、さら
に、これら全体にアルミニウムを0.3μmの厚みにス
パッタ法により形成し第6のフォトマスクP6を用いて
リード74およびコンタクト73、75を作製した。こ
うして、図6(E)と図7(B)を得た。その後、表面
を平坦化用有機樹脂77例えば透光性ポリイミド樹脂を
塗布形成し、再度の電極穴あけを第7のフォトマスクP
7にて行った。さらに、これら全体にITO(インジウ
ム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッタ法により形成
し第8のフォトマスクP8を用いて画素電極71を形成
した。このITOは室温〜150℃で成膜し、200〜
400℃の酸素または大気中のアニールにより成就し
た。
【0045】こうして、図6(F)と図7(C)を得
た。図7(C)のA−A’の断面図を図7(D)に示
す。実際には、この上に液晶材料をはさんで、対向電極
が設けられ、図に示すように、対向電極と画素電極71
の間に静電容量が生じる。それと同時に配線68と電極
71の間にも静電容量が生じる。そして、配線68を対
向電極と同電位に保つことによって、図4に示したよう
に、液晶画素に並列に容量が挿入された回路を構成する
こととなる。特に本実施例のように配置することによっ
て、配線68はゲイト配線65と平行であるので、2配
線間の規制容量が少なく、したがって、ゲイト配線を伝
わる信号の減衰や遅延を減らす効果がある。
【0046】また、このようにして形成された配線68
は、接地して使用される場合には、各マトリクス配線の
終端に設けられる保護回路の接地線として使用できる。
保護回路は、図10に示されるように、周辺の駆動回路
と画素の間に設けられた図11と図12で示されるよう
な回路をいう。いずれも画素に過大な電圧がかかるとO
N状態となり、電圧を取り去る作用を有する。これらの
保護回路は、シリコンのようなドーピングされた、ある
いはドーピングされていない半導体材料や、ITOのよ
うな透明導電材料、あるいは通常の配線材料を用いて構
成される。したがって、画素の回路を形成するときに同
時に形成することが可能である。
【0047】このことは、例えば、図11の保護回路
が、NTFTやPTFT、あるいはそれらをあわせたC
/TFTで構成されていることから明らかであろう。ま
た、図12の保護回路はTFTは使用されていないが、
ダイオードは、例えばPIN接合によって構成され、ま
た、特にツェナー特性を重視するダイオードはNIN、
PIP、NPN、あるいはPNPといった構造を有し、
いちいち説明するまでもなく、本実施例で示した作製方
法を援用することによって作製されうることは明確であ
る。
【0048】さて、以上のようにして得られたTFTの
電気的な特性はPTFTで移動度は40(cm/V
s)、Vthは−5.9(V)で、NTFTで移動度は
80(cm/Vs)、Vthは5.0(V)であっ
た。
【0049】上記の様な方法に従って作製された液晶電
気光学装置用の一方の基板を得ることが出来た。この液
晶表示装置の電極等の配置の様子を図5に示している。
本発明による変形インバータを構成するTFTが信号線
とYの間、およびYとYの間に、信号線
、Xに平行に設けられている。このようなC/T
FTを用いたマトリクス構成を有せしめた。かかる構造
を左右、上下に繰り返すことにより、640×480、
1280×960といった大画素の液晶表示装置とする
ことができる。本実施例では1920×400とした。
この様にして第1の基板を得た。
【0050】他方の基板の作製方法を図に示す。ガラ
ス基板上にポリイミドに黒色顔料を混合したポリイミド
樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに成膜し、
第9のフォトマスクP9を用いてブラックストライプ8
1を作製した。その後、赤色顔料を混合したポリイミド
樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに成膜し、
第10のフォトマスクP10を用いて赤色フィルター8
3を作製した。同様にしてマスクP11、P12を使用
し、緑色フィルター85および青色フィルター86を作
製した。これらの作製中各フィルターは350℃にて窒
素中で60分の焼成を行なった。その後、やはりスピン
コート法を用いて、レベリング層89を透明ポリイミド
を用いて作製した。
【0051】その後、これら全体にITO(インジュー
ム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッタ法により形成
し第10のフォトマスクP10を用いて共通電極90を
形成した。このITOは室温〜150℃で成膜し、20
0〜300℃の酸素または大気中のアニールにより成就
し、第2の基板を得た。
【0052】前記基板上に、オフセット法を用いて、ポ
リイミド前駆体を印刷し、非酸化性雰囲気たとえば窒素
中にて350℃1時間焼成を行った。その後、公知のラ
ビング法を用いて、ポリイミド表面を改質し、少なくと
も初期において、液晶分子を一定方向に配向させる手段
を設けた。
【0053】その後、前記第一の基板と第二の基板によ
って、ネマチック液晶組成物を挟持し、周囲をエポキシ
性接着剤にて固定した。基板上のリードにTAB形状の
駆動ICと共通信号、電位配線を有するPCBを接続
し、外側に偏光板を貼り、透過型の液晶電気光学装置を
得た。これと冷陰極管を3本配置した後部照明装置、テ
レビ電波を受信するチューナーを接続し、壁掛けテレビ
として完成させた。従来のCRT方式のテレビと比べ
て、平面形状の装置となったために、壁等に設置するこ
とも出来るようになった。この液晶テレビの動作は図
1、図2に示したものと、実質的に同等な信号を液晶画
素に印加することにより確認された。
【0054】『実施例2』 本実施例では図4に示すよ
うな回路構成を用いた液晶表示装置を用いて、壁掛けテ
レビを作製したので、その説明を行う。またその際のT
FTは、レーザーアニールを用いた多結晶シリコンとし
た。
【0055】以下では、TFT部分の作製方法について
にしたがって記述する。図(A)において、石英
ガラス等の高価でない700℃以下、例えば約600℃
の熱処理に耐え得るガラス100上にマグネトロンRF
(高周波)スパッタ法を用いてブロッキング層101と
しての酸化珪素膜を1000〜3000Åの厚さに作製
する。プロセス条件は酸素100%雰囲気、成膜温度1
50℃、出力400〜800W、圧力0.5Paとし
た。ターゲットに石英または単結晶シリコンを用いた成
膜速度は30〜100Å/分であった。
【0056】この上にシリコン膜をプラズマCVD法に
より珪素膜102を作製した。成膜温度は250℃〜3
50℃で行い本実施例では320℃とし、モノシラン
(SiH)を用いた。モノシラン(SiH)に限ら
ず、ジシラン(Si)またトリシラン(Si
)を用いてもよい。これらをPCVD装置内に3Pa
の圧力で導入し、13.56MHzの高周波電力を加え
て成膜した。この際、高周波電力は0.02〜0.10
W/cmが適当であり、本実施例では0.055W/
cmを用いた。また、モノシラン(SiH)の流量
は20SCCMとし、その時の成膜速度は約120Å/
分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュホール
ド電圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホウ素を
ジボランを用いて1×1015〜1×1018cm−3
の濃度として成膜中に添加してもよい。またTFTのチ
ャネル領域となるシリコン層の成膜にはこのプラズマC
VDだけでなく、スパッタ法、減圧CVD法を用いても
良く、以下にその方法を簡単に述べる。
【0057】スパッタ法で行う場合、スパッタ前の背圧
を1×10−5Pa以下とし、単結晶シリコンをターゲ
ットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰
囲気で行った。例えばアルゴン20%、水素80%とし
た。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、
スパッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paで
あった。
【0058】減圧気相法で形成する場合、結晶化温度よ
りも100〜200℃低い450〜550℃、例えば5
30℃でジシラン(Si)またはトリシラン(S
)をCVD装置に供給して成膜した。反応炉内
圧力は30〜300Paとした。成膜速度は50〜25
0Å/分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュ
ホールド電圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホ
ウ素をジボランを用いて1×1015〜1×1018
−3の濃度として成膜中に添加してもよい。
【0059】これらの方法によって形成された被膜は、
酸素が5×1021cm−3以下であることが好まし
い。結晶化を助長させるためには、酸素濃度を7×10
19cm−3以下、好ましくは1×1019cm−3
下とすることが望ましいが、少なすぎると、バックライ
トによりオフ状態のリーク電流が増加してしまうため、
この濃度を選択した。この酸素濃度が高いと、結晶化さ
せにくく、レーザーアニール温度を高くまたはレーザー
アニール時間を長くしなければならない。水素は4×1
20cm−3であり、珪素4×1022cm−3とし
て比較すると1原子%であった。
【0060】また、ソース、ドレインに対してより結晶
化を助長させるため、酸素濃度を7×1019cm−3
以下、好ましくは1×1019cm−3以下とし、ピク
セル構成するTFTのチャネル形成領域のみに酸素をイ
オン注入法により5×1020〜5×1021cm−3
となるように添加してもよい。上記方法によって、アモ
ルファス状態の珪素膜を500〜5000Å、本実施例
では1000Åの厚さに成膜した。
【0061】その後、フォトレジスト103をマスクP
1を用いてNTFTのソース・ドレイン領域となるべき
領域のみ開孔したパターンを形成した。そして、レジス
ト103をマスクとして、リンイオンをイオン注入法に
より、2×1014〜5×1016cm−2、好ましく
は2×1016cm−2だけ、注入し、n型不純物領域
104を形成した。その後、レジスト103は除去され
た。
【0062】同様に、レジスト105を塗布し、マスク
P2を用いて、PTFTのソース・ドレイン領域となる
べき領域のみ開孔したパターンを形成した。そして、レ
ジスト105をマスクとして、p型の不純物領域106
を形成した。不純物としては、ホウソを用い、やはりイ
オン注入法を用いて、2×1014〜5×1016cm
−2、好ましくは2×1016cm−2だけ、不純物を
導入した。このようにして。図(B)を得た。
【0063】その後、珪素膜102上に、厚さ50〜3
00nm、例えば、100nmの酸化珪素被膜107
を、上記のRFスパッタ法によって形成した。そして、
XeClエキシマレーザーを用いて、ソース・ドレイン
・チャネル領域をレーザーアニールによって、結晶化・
活性化した。この時のレーザーエネルギーは、閾値エネ
ルギーが130mJ/cmで、膜厚全体が溶融するに
は220mJ/cmが必要となる。しかし、最初から
220mJ/cm以上のエネルギーを照射すると、膜
中に含まれる水素が急激に放出されるために、膜の破壊
が起きる。そのために低エネルギーで最初に水素を追い
出した後に溶融させる必要がある。本実施例では最初1
50mJ/cmで水素の追い出しを行なった後、23
0mJ/cmで結晶化をおこなった。さらに、レーザ
ーアニール終了後は酸化珪素膜107は取り去った。
【0064】その後、フォトマスクP3によって、アイ
ランド状のNTFT領域111とPTFT領域112を
形成した。この上に酸化珪素膜108をゲイト絶縁膜と
して500〜2000Å例えば1000Åの厚さに形成
した。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作製
と同一条件とした。この成膜中に弗素を少量添加し、ナ
トリウムイオンの固定化をさせてもよい。
【0065】この後、この上側にリンが1〜5×10
21cm−3の濃度に入ったシリコン膜またはこのシリ
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン
(W),MoSiまたはWSiとの多層膜を形成し
た。これを第4のフォトマスクP4にてパターニングし
て図(D)を得た。NTFT用のゲイト電極109、
PTFT用のゲイト電極110を形成した。例えばチャ
ネル長7μm、ゲイト電極としてリンドープ珪素を0.
2μm、その上にモリブデンを0.3μmの厚さに形成
した。図には示されていないが、実施例1の場合と同様
にゲイト配線とそれに平行な配線も形成した。
【0066】この配線の材料としては、上記の材料以外
にも、例えばアルミニウム(Al)を用いることも可能
である。アルミニウムを用いた場合、これを第4のフォ
トマスクP4にてパターニング後、その表面を陽極酸化
することで、セルファライン工法が適用可能なため、ソ
ース・ドルインのコンタクトホールをよりゲートに近い
位置に形成することが出来るため、移動度、スレッシュ
ホールド電圧の低減からさらにTFTの特性を上げるこ
とができる。
【0067】かくすると、400℃以上にすべての工程
で温度を加えることがなくC/TFTを作ることができ
る。そのため、基板材料として、石英等の高価な基板を
用いなくてもよく、本発明の大画面の液晶表示装置にき
わめて適したプロセスであるといえる。
【0068】図(E)において、層間絶縁物113を
前記したスパッタ法により酸化珪素膜の形成として行っ
た。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD
法、常圧CVD法を用いてもよい。例えば0.2〜0.
6μmの厚さに形成し、その後、第5のフォトマスクP
5を用いて電極用の窓117を形成した。その後、さら
に、これら全体にアルミニウムを0.3μmの厚みにス
パッタ法により形成し第6のフォトマスクP6を用いて
リード116およびコンタクト114、115を作製し
た後、表面を平坦化用有機樹脂119、例えば透光性ポ
リイミド樹脂を塗布形成し、再度の電極穴あけを第7の
フォトマスクP7にて行った。さらに、これら全体にI
TO(インジウム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッ
タ法により形成し第8のフォトマスクP8を用いて画素
電極118を形成した。このITOは室温〜150℃で
成膜し、200〜400℃の酸素または大気中のアニー
ルにより成就した。
【0069】得られたTFTの電気的な特性はPTFT
で移動度は35(cm/Vs)、Vthは−5.9
(V)で、NTFTで移動度は90(cm/Vs)、
Vthは4.8(V)であった。
【0070】上記の様な方法に従って作製された液晶電
気光学装置用の一方の基板を得ることが出来た。他方の
基板の作製方法は実施例1と同じであるので省略する。
その後、前記第一の基板と第二の基板によって、ネマチ
ック液晶組成物を挟持し、周囲をエポキシ性接着剤にて
固定した。基板上のリードにTAB形状の駆動ICと共
通信号、電位配線を有するPCBを接続し、外側に偏光
板を貼り、透過型の液晶電気光学装置を得た。これと冷
陰極管を3本配置した後部照明装置、テレビ電波を受信
するチューナーを接続し、壁掛けテレビとして完成させ
た。従来のCRT方式のテレビと比べて、平面形状の装
置となったために、壁等に設置することも出来るように
なった。この液晶テレビの動作は図1、図2に示したも
のと、実質的に同等な信号を液晶画素に印加することに
より確認された。
【0071】
【発明の効果】本発明では、従来のアナログ方式の階調
表示に対し、デジタル方式の階調表示を行うことを特徴
としている。その効果として、例えば640×400ド
ットの画素数を有する液晶電気光学装置を想定したばあ
い、合計256,000個のTFTすべての特性をばら
つき無く作製することは、非常に困難を有し、現実的に
は量産性、歩留りを考慮すると、16階調表示が限界と
考えられているのに対し、本発明のように、全くアナロ
グ的な信号を加えることなく純粋にデジタル制御のみで
階調表示することにより、256階調表示以上の階調表
示が可能となった。完全なデジタル表示であるので、T
FTの特性ばらつきによる階調の曖昧さは全くなくな
り、したがって、TFTのばらつきが少々あっても、極
めて均質な階調表示が可能であった。したがって、従来
はばらつきの少ないTFTを得るために極めて歩留りが
悪かったのに対し、本発明によって、TFTの歩留りが
さほど問題とされなくなったため、液晶装置の歩留りは
向上し、作製コストも著しく抑えることができた。
【0072】例えば640×400ドットの256,0
00組のTFTを300mm角に作成した液晶電気光学
装置に対し通常のアナログ的な階調表示を行った場合、
TFTの特性ばらつきが約±10%存在するために、1
6階調表示が限界であった。しかしながら、本発明によ
るデジタル階調表示をおこなった場合、TFT素子の特
性ばらつきの影響を受けにくいために、256階調表示
まで可能になりカラー表示ではなんと16,777,2
16色の多彩であり微妙な色彩の表示が実現できてい
る。テレビ映像の様なソフトを映す場合、例えば同一色
からなる『岩』でもその微細な窪み等から微妙に色合い
が異なる。自然の色彩に近い表示を行おうとした場合、
16階調では困難を要する。本発明による階調表示によ
って、これらの微細な色調の変化を付けることが可能に
なった。
【0073】本発明の実施例では、シリコンを用いたT
FTを中心に説明を加えたが、ゲルマニウムを用いたT
FTも同様に使用できる。とくに、単結晶ゲルマニウム
の電子移動度は3600cm/Vs、ホール移動度は
1800cm/Vsと、単結晶シリコンの値(電子移
動度で1350cm/Vs、ホール移動度で480c
/Vs)の特性を上回っているため、高速動作が要
求される本発明を実行する上で極めて優れた材料であ
る。また、ゲルマニウムは非晶質状態から結晶状態へ遷
移する温度がシリコンに比べて低く、低温プロセスに向
いている。また、結晶成長の際の核発生率が小さく、し
たがって、一般に、多結晶成長させた場合には大きな結
晶が得られる。このようにゲルマニウムはシリコンと比
べても遜色のない特性を有している。
【0074】本発明の技術思想を説明するために、主と
して液晶を用いた電気光学装置、特に表示装置を例とし
て説明を加えたが、本発明の思想を適用するには、なに
も表示装置である必要はなく、いわゆるプロジェクショ
ン型テレビやその他の光スイッチ、光シャッターであっ
てもよい。さらに、電気光学材料も液晶に限らず、電
界、電圧等の電気的な影響を受けて光学的な特性の変わ
るものであれば、本発明を適用できることは明らかであ
ろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による駆動波形の例を示す。
【図2】 本発明による駆動波形の例を示す。
【図3】 本発明による液晶の階調表示特性の例を示
す。
【図4】 本発明によるマトリクス構成の例を示す。
【図5】 実施例による素子の平面構造を示す。
【図6】 実施例によるTFTのプロセスを示す。
【図7】 実施例によるTFTのプロセスを示す。
【図8】 実施例によるカラーフィルターの工程を示
す。
【図9】 実施例によるTFTのプロセスを示す。
【図10】実施例における保護回路の接続例を示す。
【図11】実施例における保護回路の例を示す。
【図12】実施例における保護回路の例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−281924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1368 G02F 1/133

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、N本(Nは自然数)の信号線
    1、X2、・・・、XNと、前記信号線X1、X2、・・
    ・、XNに直交するM本(Mは自然数)の信号線Y1、Y
    2、・・・、YMが設けられ、 前記信号線Xn(nは整数で、1≦n≦N)と前記信号
    線Ym(mは整数で、1≦m≦M)の交差部に第1およ
    び第2のNチャネル型薄膜トランジスタと、第1および
    第2のPチャネル型薄膜トランジスタと、コンデンサ
    と、画素電極とが設けられ、 前記第1のNチャネル型薄膜トランジスタのソースおよ
    びドレインの一方と前記第1のPチャネル型薄膜トラン
    ジスタのソースおよびドレインの一方とを接続して、前
    記コンデンサおよび前記画素電極に接続し、 前記第1のPチャネル型薄膜トランジスタのソースおよ
    びドレインの他方と前記第2のPチャネル型薄膜トラン
    ジスタのソースおよびドレインの一方とを接続し、 前記第1のNチャネル型薄膜トランジスタのソースおよ
    びドレインの他方と前記第2のNチャネル型薄膜トラン
    ジスタのソースおよびドレインの一方とを接続し、 前記第2のPチャネル型薄膜トランジスタのソースおよ
    びドレインの他方を前記信号線Ymに接続し、 前記第2のNチャネル型薄膜トランジスタのソースおよ
    びドレインの他方を前記信号線Ym のとなりに設けられ
    た信号線Ym+1に接続し、 前記第1のNチャネル型薄膜トランジスタおよび前記第
    1のPチャネル型薄膜トランジスタのゲイト電極を前記
    信号線Xnに接続し、 前記第2のPチャネル型薄膜トランジスタのゲイト電極
    を前記信号線Ym+1に接続し、 前記第2のNチャネル型薄膜トランジスタのゲイト電極
    を前記信号線Ymに接続したことを特徴とする電気光学
    装置。
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