JP2722284B2 - 電気光学装置の画像表示方法 - Google Patents

電気光学装置の画像表示方法

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JP2722284B2
JP2722284B2 JP15750491A JP15750491A JP2722284B2 JP 2722284 B2 JP2722284 B2 JP 2722284B2 JP 15750491 A JP15750491 A JP 15750491A JP 15750491 A JP15750491 A JP 15750491A JP 2722284 B2 JP2722284 B2 JP 2722284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、駆動用スイッチング素子
として薄膜トランジスタ(以下TFTという)によって
構成されたインバータ回路を使用した液晶電気光学装置
における画像表示方法において、特に中間的な色調や濃
淡の表現を得るための階調表示方法に関するものであ
る。本発明は、特に、外部からいかなるアナログ信号を
もアクティブ素子に印加することなく、階調表示をおこ
なう、いわゆる完全デジタル階調表示に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶組成物はその物質特性から、分子軸
に対して水平方向と垂直方向に誘電率が異なるため、外
部の電解に対して水平方向に配列したり、垂直方向に配
列したりさせることが容易にできる。液晶電気光学装置
は、この誘電率の異方性を利用して、光の透過光量また
は散乱量を制御することでON/OFF、すなわち明暗
の表示をおこなっている。液晶材料としては、TN(ツ
イステッド・ネマティック)液晶、STN(スーパー・
ツイステッド・ネマティック)液晶、強誘電性液晶、ポ
リマー液晶あるいは分散型液晶とよばれる材料が知られ
ている。液晶は外部電圧に対して、無限に短い時間に反
応するのではなく、応答するまでにある一定の時間がか
かることが知られている。その値はそれぞれの液晶材料
に固有で、TN液晶の場合には、数10msec、ST
N液晶の場合には数100msec、強誘電性液晶の場
合には数100μsec、分散型あるいはポリマー液晶
の場合には数10msecである。
【0003】液晶を利用した電気光学装置のうちでもっ
とも優れた画質が得られるものは、アクティブマトリク
ス方式を用いたものであった。従来のアクティブマトリ
クス型の液晶電気光学装置では、アクティブ素子として
薄膜トランジスタ(TFT)を用い、TFTにはアモル
ファスまたは多結晶型の半導体を用い、1つの画素にP
型またはN型のいずれか一方のみのタイプのTFTを用
いたものであった。即ち、一般にはNチャネル型TFT
(NTFTという)を画素に直列に連結している。そし
て、マトリクスの信号線に信号電圧を流し、それぞれの
信号線の直交する箇所に設けられたTFTに双方から信
号が印加されるとTFTがON状態となることを利用し
て液晶画素のON/OFFを個別に制御するものであっ
た。このような方法によって画素の制御をおこなうこと
によって、コントラストの大きい液晶電気光学装置を実
現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなアクティブマトリクス方式では、明暗や色調といっ
た、階調表示をおこなうことは極めて難しかった。従
来、階調表示は液晶の光透過性が、印加される電圧の大
きさによって変わることを利用する方式が検討されてい
た。これは、例えば、マトリクス中のTFTのソース・
ドレイン間に、適切な電圧を周辺回路から供給し、その
状態でゲイト電極に信号電圧を印加することによって、
液晶画素にその大きさの電圧をかけようとするものであ
った。
【0005】しかしながら、このような方法では、例え
ば、TFTの不均質性やマトリクス配線の不均質性のた
めに、実際には液晶画素にかかる電圧は、各画素によっ
て、最低でも数%も異なってしまった。これに対し、例
えば、液晶の光透過度の電圧依存性は、極めて非線型性
が強く、ある特定の電圧で急激に光透過性が変化するた
め、たとえ数%の違いでも、光透過性が著しく異なって
しまうことがあった。そのため、実際には16階調を達
成することが限界であった。
【0006】このように階調表示が困難であるというこ
とは、液晶ディスプレー装置が従来の一般的な表示装置
であるCRT(陰極線管)と競争してゆく上で極めて不
利であった。
【0007】本発明は従来、困難であった階調表示を実
現させるための全く新しい方法を提案することを目的と
するものである。
【0008】
【問題を解決するための手段】さて、液晶にかける電圧
をアナログ的に制御することによって、その光透過性を
制御することが可能であることを先に述べたが、本発明
人らは、液晶に電圧のかかっている時間を制御すること
によって、視覚的に階調を得ることができることを見出
した。
【0009】例えば、代表的な液晶材料であるTN(ツ
イステッド・ネマチック)液晶を用いた場合において、
例えば、図1(a)において、Aで示されるような矩形
パルスを印加する場合と、Cで示されるような矩形パル
スを印加する場合を比べて見ると、Aの方が明るいこと
を見出した。ここで、パルスの周期は1msecとし
た。結果的には、Aが最も明るく、以下、B、C、Dの
順であった。このことは全く予想外のことである。なぜ
ならば、通常の上記のTN液晶材料においては、1ms
ecという時間はあまりにも短く、そのような短時間に
はTN液晶は反応しないのである。したがって、いずれ
の場合にも液晶はON状態を実現することは不可能なは
ずである。しかしながら、実際には液晶は中間的な濃さ
を実現できた。
【0010】その具体的な原理についてはまだ詳細にわ
かっていない。しかしながら、本発明人らは、この現象
を利用して階調表現が可能であることを見いだしたので
ある。すなわち、液晶材料が反応しないような周期で液
晶材料にパルスを印加するときにパルスの幅を制御する
ことによって、中間的な明るさをデジタル制御で実現す
ることが、まさに本発明の特徴とするものである。本発
明人らの研究の結果、このような中間的な濃度を得るた
めのパルスの周期はTN液晶の場合には10msec以
下が必要であることがわかった。
【0011】ここで、パルスの周期という語句につい
て、その意味を明確にする。すなわち、この場合には、
複数のパルスを連続的に液晶に印加するのであるが、こ
の場合のパルスの周期とは、1つのパルスが始まってか
ら、次のパルスが始まるまでの間の時間のことをいう。
したがって、パルスの繰り返し周波数の逆数となる。ま
た、パルス幅とは、パルスが電圧状態にある時間のこと
をいう。したがって、図1において、例えばCのパルス
列の場合には、Tがパルスの周期であり、τがパルス幅
である。
【0012】同様な効果は、STN液晶においても、強
誘電性液晶においても、また、ポリマー液晶あるいは分
散型液晶においても見られた。いずれも、その応答時間
よりも短い周期のパルスを加えることによって、中間的
な色調が得られることが明らかになった。すなわち、S
TN液晶においては、100msec以下、のぞましく
は10msec以下、強誘電性液晶においては100μ
sec以下、のぞましくは10μsec以下、ポリマー
液晶あるいは分散型液晶においては10msec以下、
のぞましくは1msec以下の周期のパルスを加えるこ
とによって、階調表示が得られた。
【0013】通常は、テレビ等の画像では1秒間に30
枚の静止画が次々に繰り出されて動画を形成する。した
がって、1枚の静止画が継続する時間は約30msec
である。この時間は人間の目にはあまりにも早すぎて、
文字通り『目にも止まらない』時間であり、結果とし
て、視覚的には静止画を1枚1枚識別することはできな
い。ともかく、通常の動画を得るには、1枚の静止画は
長くても100msec以上継続することはできない。
【0014】本発明を利用して256階調の階調表示を
おこなうとすれば、例えば、T=3msecとすれば、
この3msecの時間を、少なくとも256分割しうる
パルス電圧印加方法を、画素に電圧を印加する方法とし
て採用する必要がある。すなわち、最短で3msec/
256=11.7μsecのパルス状の電圧が画素にか
かるような回路を組む必要がある。実際には、図に示
すように、パルスのデューティー比τ/Tと液晶画素の
光透過性は非線型的な関係であり、256階調を得るた
めには、さらに、パルスのデューティー比を細かく制御
することが必要である。
【0015】しかも、実際の画像表示をおこなう場合に
は、他の画素も考慮しなければならない。実際の画像表
示装置では、例えば400行もの行がある。すなわち、
後に述べるように、マトリクスのアクティブ素子は10
0nsecという極短応答性が求められる。そこで、そ
のような短時間応答性を有する回路の例を図に示し、
以下、その説明をする。
【0016】図は本発明を実施するために必要な液晶
表示装置のアクティブマトリクスの回路の例を示す。本
発明では、アクティブ素子は100nsec以下の短時
間で応答することが要求されるので高速動作する回路を
組む必要がある。そのためには従来のようにNTFTあ
るいはPTFTだけでスイッチングをおこなうのではな
く、図に示されるようにNTFTとPTFTとが相補
的に動作するように構成された、インバータ型の回路を
用いることが必要である。
【0017】この例ではN×Mのマトリクスの例を示し
たものであるが、煩雑さをさけるために、そのうちのn
行m列近傍のみを示した。これと同じものを上下左右に
展開すれば完全なものが得られる。
【0018】図には、4つのインバータ回路が描かれ
ている。各インバータ回路は少なくとも1つのNTFT
と少なくとも1つのPTFTから構成される。TFTの
数は、不良が存在した場合に備えて、さらに増やしても
構わない。この回路では、NTFTとPTFTのゲイト
電極が信号線Xに接続され、また、このNTFTとP
TFTのソースあるいはドレインの一方は互いに接続さ
れ、これは画素Zn,mの電極に接続される。そして、
このNTFTおよびPTFTの他方のソースあるいはド
レインは、それぞれ、信号線 とYに接続されてい
る。以下では、信号線X,X,..Xを、集合的
に、あるいは個別にX線とよび、信号線Y
,..Yを、集合的に、あるいは個別にY線とよ
ぶ。また、図では示されていないが、画素のキャパシタ
と並列に人為的にキャパシタを挿入してもよい。このと
き挿入されたキャパシタは自然放電によって、画素の電
圧が低下する速度を減速せしめる作用を有する。キャパ
シタの容量としては、画素の容量の数〜100倍程度、
好ましくは10倍以下が望ましい。なぜならば、過剰な
容量の存在は、本発明の目的とし、特徴とするところの
高速動作を妨げるからである。
【0019】次に、このような回路を用いた場合の回路
の動作例を図1(b)および図を用いて説明する。こ
のマトリクス回路は図1(a)に示されるようなパルス
状の電圧を液晶セルに印加するように動作する必要があ
る。そこで、このようなパルスを発生するためにX線お
よびY線に印加される信号電圧の概要を図1(b)に示
す。例として、400×640のマトリクスを考える。
【0020】X線に印加される信号は、例えばX線の
場合は、V(X)で示されるが、これは、周期Tで繰
り返されるひとまとまりのパルスの中に、実は256個
のパルス(以下、サブパルスという)が含まれており、
さらにその256個のサブパルスのそれぞれは、400
個の要素が入ったパルス列から構成されていることがわ
かる。ここで、400という数字はマトリクスの行数で
ある。したがって、X線に印加されるパルスの最小単位
はT=3msecとすれば、29nsecである。
【0021】一方、Y線には、時間T/256の間に、
図のV(Y)、V(Y)、V(Ym+1)、V(Y
400)で示されるようなパルスが、それぞれのタイミ
ングをずらして印加される。このパルスは、上記X線に
印加されるパルスの最小単位パルスよりもさらに短い必
要がある。結局、時間Tの間には、各Y線には、256
回パルスが印加される。さらに、信号線Yと対に設け
られた信号線 には、図に示されるように、信号線
に印加される信号を補完するような信号が印加され
る。以下の説明では、いちいち、 の信号については
説明しなくとも、Yの信号を補完するような(逆相
の)信号が加えられるものとする。
【0022】次に、実際の回路の動作を図に基づいて
説明する。まず、第1のサブパルスがそれぞれのX線に
印加される。当然のことながら、これらのサブパルスは
X線ごとに異なる。一方、Y線には、先に述べたよう
に、パルスが最初にY、次にYというように順々に
印加されてゆく。まず、パルスがYに印加されたとき
を考える。このとき、画素Z1.1に接続されている、
アクティブ素子はOFF状態となる。すなわち、Y
電圧状態(V)であり、かつ は電圧状態でない
(V)ので、PTFTとNTFTはインバータとして
動作する状態になる。さらにインバータの入力XはV
であるから、出力は反転してVとなる。次いで、Y
に電圧が加わるのであるが、このとき、画素Z1.2
には電圧のかかった状態となる。すなわち、インバータ
の入力XはVであるからである。そして、その後、
はVを保ったまま、YはV はVに信
号が反転する。すると、PTFTとNTFTはインバー
タではなく、バッファーとして機能する。そして、この
とき、XはVであるので、この回路は動作せず、し
たがって、液晶セルに蓄えられた電荷は保持される。そ
の後、Xには、VあるいはVの信号が加えられる
が、どちらの信号が加えられた場合であっても、この回
路は動作しない。したがって、液晶セルに蓄えられた電
荷は保持され続ける。この状態は、少なくとも、次にY
がVに、 がVになるまで持続する。同様に、
1,mもZ1,m+1もZ1,400も、電圧状態と
なる、その状態を持続することとなる。。
【0023】このようにして、パルスが順々に印加され
てゆき、Yに印加された場合を考える。今、4つの画
素Zn,m、Zn,m+1、Zn+1,m、Z
n+1,m+1に注目しているとすれば、XおよびX
n+1の第1のサブパルスのm番目および(m+1)番
目に注目すればよい。XもXn+1もm番目はV
ので、画素Zn,m、Zn+1,mは電圧(充電)状態
になる。ついで、Ym+1にパルスが印加される。X
もXn+1も(m+1)番目はVなので、この場合も
画素Zn,m+1、Zn+1,m+1は充電状態とな
る。
【0024】次に、図では省略されているが、第2のサ
ブパルスが来たものとする。このとき、XもXn+1
もm番目および(m+1)番目がVならば、充電状態
がなくならず、以上4つの画素は引き続き電圧状態を継
続する。その後、第(h−1)のサブパルスまでは、4
つの画素とも電圧状態が継続したものとする。
【0025】次に、サブパルスが進んで、第hのサブパ
ルスが来たものとする。図では煩雑さを避けるためにm
番目および(m+1)番目以外は省略した。このとき、
もXn+1もm番目はVなので、画素Zn,m
n+1,mは電圧状態を継続する。しかし、Xn+1
には(m+1)番目がVであるので、画素Z
n+1,mは電圧状態が継続するものの、画素Z
n+1,m+1は、アクティブ素子の出力が電圧状態で
なくなり、蓄えられていた電荷が放出され、電圧状態は
中断される。
【0026】さらに、第iのサブパルスが来たときに
は、Xの(m+1)番目はVとなったので、Z
n,m+1の充電状態は解除される。以下、第jおよび
第kのサブパルスにおいて、それぞれ、Xn+1、X
のm番目がVとなったので、画素Zn,m、Z
n+1,mの充電状態がぞれぞれ、第k、第jのサブパ
ルス中に中断される。このような過程を経ることによっ
て、図のV(Z)に示すように、各画素ごとに電圧状
態の時間をデジタル的にコントロールできる。
【0027】このような動作を繰り返すことにより、各
画素に加わる電圧パルスの幅を図1(a)のように任意
に制御することができる。
【0028】以上の説明から明らかなように、本発明を
実施するにあたっては、上記のようなサブパルスは、明
確に定義できるパルス状のものでなければならないわけ
ではない。説明を簡単にするために、サブパルスという
概念を持ち出したが、特に、サブパルスとサブパルスの
間が明確でなく、信号としては、ほとんど境界のないも
のであっても、本発明を実施できることはあきらかであ
る。さらに、説明をわかりやすくするために、信号のゼ
ロレベルと電圧レベルを明確にしたが、これは、液晶あ
るいはTFTのしきい値電圧以下であるか、以上である
かという問題だけであるので、絶対にゼロである必要は
ない。また、電圧とは任意の点の電位を基準とした相対
的な物理量であるので、以上の例において、パルスは逆
の極性を持つものであっても、構わないことは明らかで
あろう。さらに、画素の対向電極に適当なオフセット電
圧を加えても構わない。また、以上の例では、画面は1
行づつ順に走査されていったが、最初にY,Y,Y
,...というように走査し、その後、Y,Y
,..というように走査する、いわゆる飛び越し走
査法も可能であることは言うまでもない。
【0029】
【実施例】『実施例1』 本実施例では図に示すよう
な回路構成を用いた液晶表示装置を用いて、壁掛けテレ
ビを作製したので、その説明を行う。またその際のTF
Tは、レーザーアニールを用いた多結晶シリコンとし
た。
【0030】この回路構成に対応する実際の電極等の配
置構成を1つの画素について、図に示している。ま
ず、本実施例で使用する液晶パネルの作製方法を図
使用して説明する。図(A)において、石英ガラス等
の高価でない700℃以下、例えば約600℃の熱処理
に耐え得るガラス50上にマグネトロンRF(高周波)
スパッタ法を用いてブロッキング層51としての酸化珪
素膜を1000〜3000Åの厚さに作製する。プロセ
ス条件は酸素100%雰囲気、成膜温度15℃、出力4
00〜800W、圧力0.5Paとした。ターゲットに
石英または単結晶シリコンを用いた成膜速度は30〜1
00Å/分であった。
【0031】この上にシリコン膜をプラズマCVD法に
より珪素膜52を作製した。成膜温度は250℃〜35
0℃で行い本実施例では320℃とし、モノシラン(S
iH)を用いた。モノシラン(SiH)に限らず、
ジシラン(Si)またトリシラン(Si
を用いてもよい。これらをPCVD装置内に3Paの圧
力で導入し、13.56MHzの高周波電力を加えて成
膜した。この際、高周波電力は0.02〜0.10W/
cmが適当であり、本実施例では0.055W/cm
を用いた。また、モノシラン(SiH)の流量は2
0SCCMとし、その時の成膜速度は約120Å/分で
あった。PTFTとNTFTとのスレッシュホールド電
圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホウ素をジボ
ランを用いて1×1015〜1×1018cm−3の濃
度として成膜中に添加してもよい。またTFTのチャネ
ル領域となるシリコン層の成膜にはこのプラズマCVD
だけでなく、スパッタ法、減圧CVD法を用いても良
く、以下にその方法を簡単に述べる。
【0032】スパッタ法で行う場合、スパッタ前の背圧
を1×10−5Pa以下とし、単結晶シリコンをターゲ
ットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰
囲気で行った。例えばアルゴン20%、水素80%とし
た。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、
スパッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paで
あった。
【0033】減圧気相法で形成する場合、結晶化温度よ
りも100〜200℃低い450〜550℃、例えば5
30℃でジシラン(Si)またはトリシラン(S
)をCVD装置に供給して成膜した。反応炉内
圧力は30〜300Paとした。成膜速度は50〜25
0Å/分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュ
ホールド電圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホ
ウ素をジボランを用いて1×1015〜×1018cm
−3の濃度として成膜中に添加してもよい。
【0034】これらの方法によって形成された被膜は、
酸素が5×1021cm−3以下であることが好まし
い。結晶化を助長させるためには、酸素濃度を7×10
19cm−3以下、好ましくは1×1019cm−3
下とすることが望ましいが、少なすぎると、バックライ
トによりオフ状態のリーク電流が増加してしまうため、
この濃度を選択した。この酸素濃度が高いと、結晶化さ
せにくく、レーザーアニール温度を高くまたはレーザー
アニール時間を長くしなければならない。水素は4×1
20cm−3であり、珪素4×1022cm−3とし
て比較すると1原子%であった。
【0035】また、ソース、ドレインに対してより結晶
化を助長させるため、酸素濃度を7×1019cm−3
以下、好ましくは1×1019cm−3以下とし、ピク
セル構成するTFTのチャネル形成領域のみに酸素をイ
オン注入法により5×1020〜5×1021cm−3
となるように添加してもよい。上記方法によって、アモ
ルファス状態の珪素膜を500〜5000A、本実施例
では1000Aの厚さに成膜した。
【0036】その後、フォトレジスト53をマスクP1
を用いてソース・ドレイン領域のみ開孔したパターンを
形成した。その上に、プラズマCVD法によりn型の活
性層となる珪素膜54を作製した。成膜温度は250℃
〜350℃でおこない、本実施例では320℃とし、モ
ノシラン(SiH)とモノシランベースのフォスフィ
ン(PH)3%濃度のものを用いた。これらをPCV
D装置内5Paの圧力でに導入し、13.56MHzの
高周波電力を加えて成膜した。この際、高周波電力は
0.05〜0.20W/cmが適当であり、本実施例
では0.120W/cmを用いた。
【0037】この方法によって出来上がったn型シリコ
ン層の比導電率は2×10−1〔Ωcm−1〕程度とな
った。膜厚は50Åとした。その後リフトオフ法を用い
て、レジスト53を除去し、ソース・ドレイン領域5
5、56を形成した。
【0038】同様のプロセスを用いて、p型の活性層を
形成した。その際の導入ガスは、モノシラン(Si
)とモノシランベースのジボラン(B)5%
濃度のものを用いた。これらをPCVD装置内に4Pa
の圧力でに導入し、13.56MHzの高周波電力を加
えて成膜した。この際、高周波電力は0.05〜0.2
0W/cmが適当であり、本実施例では0.120W
/cmを用いた。この方法によって出来上がったp型
シリコン層の比導電率は5×10−2〔Ωcm−1〕程
度となった。膜厚は50Åとした。その後N型領域と同
様にリフトオフ法を用いて、ソース・ドレイン領域5
9、60を形成した。その後、マスクP3を用いて珪素
膜52をエッチング除去し、Nチャネル型薄膜トランジ
スタ用アイランド領域63とPチャネル型薄膜トランジ
スタ用アイランド領域64を形成した。
【0039】その後XeClエキシマレーザーを用い
て、ソース・ドレイン・チャネル領域をレーザーアニー
ルすると同時に、活性層にレーザードーピングを行なっ
た。この時のレーザーエネルギーは、閾値エネルギーが
130mJ/cmで、膜厚全体が溶融するには220
mJ/cmが必要となる。しかし、最初から220m
J/cm以上のエネルギーを照射すると、膜中に含ま
れる水素が急激に放出されるために、膜の破壊が起き
る。そのために低エネルギーで最初に水素を追い出した
後に溶融させる必要がある。本実施例では最初150m
J/cmで水素の追い出しを行なった後、230mJ
/cmで結晶化をおこなった。
【0040】この上に酸化珪素膜をゲイト絶縁膜として
500〜2000Å例えば1000Åの厚さに形成し
た。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作製と
同一条件とした。この成膜中に弗素を少量添加し、ナト
リウムイオンの固定化をさせてもよい。
【0041】この後、この上側にリンが1〜5×10
21cm−3の濃度に入ったシリコン膜またはこのシリ
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン
(W),MoSiまたはWSiとの多層膜を形成し
た。これを第4のフォトマスクP4にてパターニングし
て図(D)を得た。NTFT用のゲイト電極66、P
TFT用のゲイト電極67を形成した。例えばチャネル
長7μm、ゲイト電極としてリンドープ珪素を0.2μ
m、その上にモリブデンを0.3μmの厚さに形成し
た。
【0042】また、ゲート電極材料としてアルミニウム
(Al)を用いた場合、これを第4のフォトマスクP4
にてパターニング後、その表面を陽極酸化することで、
セルファライン工法が適用可能なため、ソース・ドレイ
ンのコンタクトホールをよりゲートに近い位置に形成す
ることが出来るため、移動度、スレッシュホールド電圧
の低減からさらにTFTの特性を上げることができる。
【0043】かくすると、400℃以上にすべての工程
で温度を加えることがなくC/TFTを作ることができ
る。そのため、基板材料として、石英等の高価な基板を
用いなくてもよく、本発明の大画面の液晶表示装置にき
わめて適したプロセスであるといえる。
【0044】図(E)において、層間絶縁物68を前
記したスパッタ法により酸化珪素膜の形成として行っ
た。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD
法、常圧CVD法を用いてもよい。例えば0.2〜0.
6μmの厚さに形成し、その後、第5のフォトマスクP
5を用いて電極用の窓79を形成した。その後、さら
に、これら全体にアルミニウムを0.3μmの厚みにス
パッタ法により形成し第6のフォトマスクP6を用いて
リード74およびコンタクト73、75を作製した後、
表面を平坦化用有機樹脂77例えば透光性ポリイミド樹
脂を塗布形成し、再度の電極穴あけを第7のフォトマス
クP7にて行った。さらに、これら全体にITO(イン
ジウム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッタ法により
形成し第8のフォトマスクP8を用いて画素電極71を
形成した。このITOは室温〜150℃で成膜し、20
0〜400℃の酸素または大気中のアニールにより成就
した。
【0045】得られたTFTの電気的な特性はPTFT
で移動度は40(cm/Vs)、Vthは−5.9
(V)で、NTFTで移動度は80(cm/Vs)、
Vthは5.0(V)であった。
【0046】上記の様な方法に従って作製された液晶電
気光学装置用の一方の基板を得ることが出来た。この液
晶表示装置の電極等の配置の様子を図に示している。
本発明によるインバータを構成するTFTが信号線Y
の間、およびY の間に、信号線X、X
に平行に設けられている。このようなマトリクス構成
をを左右、上下に繰り返すことにより、640×48
0、1280×960といった大画素の液晶表示装置と
することができる。本実施例では1920×400とし
た。この様にして第1の基板を得た。
【0047】他方の基板の作製方法を図に示す。ガラ
ス基板上にポリイミドに黒色顔料を混合したポリイミド
樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに成膜し、
第9のフォトマスクP9を用いてブラックストライプ8
1を作製した。その後、赤色顔料を混合したポリイミド
樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに成膜し、
第10のフォトマスクP10を用いて赤色フィルター8
3を作製した。同様にしてマスクP11、P12を使用
し、緑色フィルター85および青色フィルター86を作
製した。これらの作製中各フィルターは350℃にて窒
素中で60分の焼成を行なった。その後、やはりスピン
コート法を用いて、レベリング層89を透明ポリイミド
を用いて作製した。
【0048】その後、これら全体にITO(インジュー
ム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッタ法により形成
し第10のフォトマスクP10を用いて共通電極90を
形成した。このITOは室温〜150℃で成膜し、20
0〜300℃の酸素または大気中のアニールにより成就
し、第2の基板を得た。
【0049】前記基板上に、オフセット法を用いて、ポ
リイミド前駆体を印刷し、非酸化性雰囲気たとえば窒素
中にて350℃1時間焼成を行った。その後、公知のラ
ビング法を用いて、ポリイミド表面を改質し、少なくと
も初期において、液晶分子を一定方向に配向させる手段
を設けた。
【0050】その後、前記第一の基板と第二の基板によ
って、ネマチック液晶組成物を挟持し、周囲をエポキシ
性接着剤にて固定した。基板上のリードにTAB形状の
駆動ICと共通信号、電位配線を有するPCBを接続
し、外側に偏光板を貼り、透過型の液晶電気光学装置を
得た。これと冷陰極管を3本配置した後部照明装置、テ
レビ電波を受信するチューナーを接続し、壁掛けテレビ
として完成させた。従来のCRT方式のテレビと比べ
て、平面形状の装置となったために、壁等に設置するこ
とも出来るようになった。この液晶テレビの動作は図
1、図に示したものと、実質的に同等な信号を液晶画
素に印加することにより確認された。
【0051】『実施例2』 本実施例では図に示すよ
うな回路構成を用いた液晶表示装置を用いて、壁掛けテ
レヒを作製したので、その説明を行う。またその際のT
FTは、レーザーアニールを用いた多結晶シリコンとし
た。
【0052】以下では、TFT部分の作製方法について
にしたがって記述する。図(A)において、石英
ガラス等の高価でない700℃以下、例えば約600℃
の熱処理に耐え得るガラス100上にマグネトロンRF
(高周波)スパッタ法を用いてブロッキング層101と
しての酸化珪素膜を1000〜3000Åの厚さに作製
する。プロセス条件は酸素100%雰囲気、成膜温度1
5℃、出力400〜800W、圧力0.5Paとした。
ターゲットに石英または単結晶シリコンを用いた成膜速
度は30〜100Å/分であった。
【0053】この上にシリコン膜をプラズマCVD法に
より珪素膜102を作製した。成膜温度は250℃〜3
50℃で行い本実施例では320℃とし、モノシラン
(SiH)を用いた。モノシラン(SiH)に限ら
ず、ジシラン(Si)またトリシラン(Si
)を用いてもよい。これらをPCVD装置内に3Pa
の圧力で導入し、13.56MHzの高周波電力を加え
て成膜した。この際、高周波電力は0.02〜0.10
W/cmが適当であり、本実施例では0.055W/
cmを用いた。また、モノシラン(SiH)の流量
は20SCCMとし、その時の成膜速度は約120Å/
分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュホール
ド電圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホウ素を
ジボランを用いて1×1015〜1×1018cm−3
の濃度として成膜中に添加してもよい。またTFTのチ
ャネル領域となるシリコン層の成膜にはこのプラズマC
VDだけでなく、スパッタ法、減圧CVD法を用いても
良く、以下にその方法を簡単に述べる。
【0054】スパッタ法で行う場合、スパッタ前の背圧
を1×10−5Pa以下とし、単結晶シリコンをターゲ
ットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰
囲気で行った。例えばアルゴン20%、水素80%とし
た。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、
スパッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paで
あった。
【0055】減圧気相法で形成する場合、結晶化温度よ
りも100〜200℃低い450〜550℃、例えば5
30℃でジシラン(Si)またはトリシラン(S
)をCVD装置に供給して成膜した。反応炉内
圧力は30〜300Paとした。成膜速度は50〜25
0Å/分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュ
ホールド電圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホ
ウ素をジボランを用いて1×1015〜1×1018
−3の濃度として成膜中に添加してもよい。
【0056】これらの方法によって形成された被膜は、
酸素が5×1021cm−3以下であることが好まし
い。結晶化を助長させるためには、酸素濃度を7×10
19cm−3以下、好ましくは1×1019cm−3
下とすることが望ましいが、少なすぎると、バックライ
トによりオフ状態のリーク電流が増加してしまうため、
この濃度を選択した。この酸素濃度が高いと、結晶化さ
せにくく、レーザーアニール温度を高くまたはレーザー
アニール時間を長くしなければならない。水素は4×1
20cm−3であり、珪素4×1022cm−3とし
て比較すると1原子%であった。
【0057】また、ソース、ドレインに対してより結晶
化を助長させるため、酸素濃度を7×1019cm−3
以下、好ましくは1×1019cm−3以下とし、ピク
セル構成するTFTのチャネル形成領域のみに酸素をイ
オン注入法により5×1020〜5×1021cm−3
となるように添加してもよい。上記方法によって、アモ
ルファス状態の珪素膜を500〜5000Å、本実施例
では1000Åの厚さに成膜した。
【0058】その後、フォトレジスト103をマスクP
1を用いてNTFTのソース・ドレイン領域となるべき
領域のみ開孔したパターンを形成した。そして、レジス
ト103をマスクとして、リンイオンをイオン注入法に
より、2×1014〜5×1016cm−2、好ましく
は2×1016cm−2だけ、注入し、n型不純物領域
104を形成した。その後、レジスト103は除去され
た。
【0059】同様に、レジスト105を塗布し、マスク
P3を用いて、PTFTのソース・ドレイン領域となる
べき領域のみ開孔したパターンを形成した。そして、レ
ジスト105をマスクとして、p型の不純物領域を形成
した。不純物としては、ホウソを用い、やはりイオン注
入法を用いて、2×1014〜5×1016cm−2
好ましくは2×1016cm−2だけ、不純物を導入し
た。このようにして。図(B)を得た。
【0060】その後、珪素膜102上に、厚さ50〜3
00nm、例えば、100nmの酸化珪素被膜107
を、上記のRFスパッタ法によって形成した。そして、
XeClエキシマレーザーを用いて、ソース・ドレイン
・チャネル領域をレーザーアニールによって、結晶化・
活性化した。この時のレーザーエネルギーは、閾値エネ
ルギーが130mJ/cmで、膜厚全体が溶融するに
は220mJ/cmが必要となる。しかし、最初から
220mJ/cm以上のエネルギーを照射すると、膜
中に含まれる水素が急激に放出されるために、膜の破壊
が起きる。そのために低エネルギーで最初に水素を追い
出した後に溶融させる必要がある。本実施例では最初1
50mJ/cmで水素の追い出しを行なった後、23
0mJ/cmで結晶化をおこなった。さらに、レーザ
ーアニール終了後は酸化珪素膜107は取り去った。
【0061】その後、フォトマスクP3によって、アイ
ランド状のNTFT領域111とPTFT領域112を
形成した。この上に酸化珪素膜108をゲイト絶縁膜と
して500〜2000Å例えば1000Åの厚さに形成
した。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作製
と同一条件とした。この成膜中に弗素を少量添加し、ナ
トリウムイオンの固定化をさせてもよい。
【0062】この後、この上側にリンが1〜5×10
21cm−3の濃度に入ったシリコン膜またはこのシリ
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン
(W),MoSiまたはWSiとの多層膜を形成し
た。これを第4のフォトマスクP4にてパターニングし
て図(D)を得た。NTFT用のゲイト電極109、
PTFT用のゲイト電極110を形成した。例えばチャ
ネル長7μm、ゲイト電極としてリンドープ珪素を0.
2μm、その上にモリブデンを0.3μmの厚さに形成
した。
【0063】また、ゲート電極材料としてアルミニウム
(Al)を用いた場合、これを第4のフォトマスクP4
にてパターニング後、その表面を陽極酸化することで、
セルファライン工法が適用可能なため、ソース・ドレイ
ンのコンタクトホールをよりゲートに近い位置に形成す
ることが出来るため、移動度、スレッシュホールド電圧
の低減からさらにTFTの特性を上げることができる。
【0064】かくすると、400℃以上にすべての工程
で温度を加えることがなくC/TFTを作ることができ
る。そのため、基板材料として、石英等の高価な基板を
用いなくてもよく、本発明の大画面の液晶表示装置にき
わめて適したプロセスであるといえる。
【0065】図(E)において、層間絶縁物113を
前記したスパッタ法により酸化珪素膜の形成として行っ
た。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD
法、常圧CVD法を用いてもよい。例えば0.2〜0.
6μmの厚さに形成し、その後、第5のフォトマスクP
5を用いて電極用の窓117を形成した。その後、さら
に、これら全体にアルミニウムを0.3μmの厚みにス
パッタ法により形成し第6のフォトマスクP6を用いて
リード116およびコンタクト114、115を作製し
た後、表面を平坦化用有機樹脂119、例えば透光性ポ
リイミド樹脂を塗布形成し、再度の電極穴あけを第7の
フォトマスクP7にて行った。さらに、これら全体にI
TO(インジウム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッ
タ法により形成し第8のフォトマスクP8を用いて画素
電極118を形成した。このITOは室温〜150℃で
成膜し、200〜400℃の酸素または大気中のアニー
ルにより成就した。
【0066】得られたTFTの電気的な特性はPTFT
で移動度は35(cm/Vs)、Vthは−5.9
(V)で、NTFTで移動度は90(cm/Vs)、
Vthは4.8(V)であった。
【0067】上記の様な方法に従って作製された液晶電
気光学装置用の一方の基板を得ることが出来た。他方の
基板の作製方法は実施例1と同じであるので省略する。
その後、前記第一の基板と第二の基板によって、ネマチ
ック液晶組成物を挟持し、周囲をエポキシ性接着剤にて
固定した。基板上のリードにTAB形状の駆動ICと共
通信号、電位配線を有するPCBを接続し、外側に偏光
板を貼り、透過型の液晶電気光学装置を得た。これと冷
陰極管を3本配置した後部照明装置、テレビ電波を受信
するチューナーを接続し、壁掛けテレビとして完成させ
た。従来のCRT方式のテレビと比べて、平面形状の装
置となったために、壁等に設置することも出来るように
なった。この液晶テレビの動作は図1、図に示したも
のと、実質的に同等な信号を液晶画素に印加することに
より確認された。
【0068】
【発明の効果】本発明では、従来のアナログ方式の階調
表示に対し、デジタル方式の階調表示を行うことを特徴
としている。その効果として、例えば640×400ド
ットの画素数を有する液晶電気光学装置を想定したばあ
い、合計256,000個のTFTすべての特性をばら
つき無く作製することは、非常に困難を有し、現実的に
は量産性、歩留りを考慮すると、16階調表示が限界と
考えられているのに対し、本発明のように、全くアナロ
グ的な信号を加えることなく純粋にデジタル制御のみで
階調表示することにより、256階調表示以上の階調表
示が可能となった。完全なデジタル表示であるので、T
FTの特性ばらつきによる階調の曖昧さは全くなくな
り、したがって、TFTのばらつきが少々あっても、極
めて均質な階調表示が可能であった。したがって、従来
はばらつきの少ないTFTを得るために極めて歩留りが
悪かったのに対し、本発明によって、TFTの歩留りが
さほど問題とされなくなったため、液晶装置の歩留りは
向上し、作製コストも著しく抑えることができた。
【0069】例えば640×400ドットの256,0
00組のTFTを300mm角に作成した液晶電気光学
装置に対し通常のアナログ的な階調表示を行った場合、
TFTの特性ばらつきが約±10%存在するために、1
6階調表示が限界であった。しかしながら、本発明によ
るデジタル階調表示をおこなった場合、TFT素子の特
性ばらつきの影響を受けにくいために、256階調表示
まで可能になりカラー表示ではなんと16,777,2
16色の多彩であり微妙な色彩の表示が実現できてい
る。テレビ映像の様なソフトを映す場合、例えば同一色
からなる『岩』でもその微細な窪み等から微妙に色合い
が異なる。自然の色彩に近い表示を行おうとした場合、
16階調では困難を要する。本発明による階調表示によ
って、これらの微細な色調の変化を付けることが可能に
なった。
【0070】本発明の実施例では、シリコンを用いたT
FTを中心に説明を加えたが、ゲルマニウムを用いたT
FTも同様に使用できる。とくに、単結晶ゲルマニウム
の電子移動度は3600cm/Vs、ホール移動度は
1800cm/Vsと、単結晶シリコンの値(電子移
動度で1350cm/Vs、ホール移動度で480c
/Vs)の特性を上回っているため、高速動作が要
求される本発明を実行する上で極めて優れた材料であ
る。また、ゲルマニウムは非晶質状態から結晶状態へ遷
移する温度がシリコンに比べて低く、低温プロセスに向
いている。また、結晶成長の際の核発生率が小さく、し
たがって、一般に、多結晶成長させた場合には大きな結
晶が得られる。このようにゲルマニウムはシリコンと比
べても遜色のない特性を有している。
【0071】本発明の技術思想を説明するために、主と
して液晶を用いた電気光学装置、特に表示装置を例とし
て説明を加えたが、本発明の思想を適用するには、なに
も表示装置である必要はなく、いわゆるプロジェクショ
ン型テレビやその他の光スイッチ、光シャッターであっ
てもよい。さらに、電気光学材料も液晶に限らず、電
界、電圧等の電気的な影響を受けて光学的な特性の変わ
るものであれば、本発明を適用できることは明らかであ
ろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による駆動波形の例を示す。
【図2】 本発明による駆動波形の例を示す。
【図3】 本発明による駆動波形の例を示す。
【図4】 本発明による液晶の階調表示特性の例を示
す。
【図5】 本発明によるマトリクス構成の例を示す。
【図6】 実施例による素子の平面構造を示す。
【図7】 実施例によるTFTのプロセスを示す。
【図8】 実施例によるカラーフィルターの工程を示
す。
【図9】 実施例の作製工程を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に設けられたX からX (Nは整
    数)までの複数の信号線(X線)と、 前記基板上に設けられ、前記X線と交差してマトリクス
    を構成するY からY 前記基板上にマトリクス状に設けられたZ 11 からZ
    NM (NとMは整数で、N≧1、M≧1)までの複数の
    画素電極と、 前記基板上に設けられた複数の薄膜トランジスタと、を
    有し、 (mは整数で、1≦m≦M)の交差部に設けられた前記
    薄膜トランジスタは、Pチャネル型とNチャネル型とか
    らなり、 前記Nチャネル型およびPチャネル型薄膜トランジスタ
    のソースとドレインの一方が、前記交差部に設けられた
    画素電極Z nm に、 前記Pチャネル型薄膜トランジスタのソースとドレイン
    の他方が、信号線Y に、 に、 前記Nチャネル型およびPチャネル型薄膜トランジスタ
    のゲイト電極が、信号線X に、それぞれ接続されてな
    電気光学装置において、 時間TからT (T >T において信号線X
    に電圧を加えるとともに、信号線Yに時間(T−T
    )よりもパルス幅が短い信号を加え、信号線 時間TからT(T>T)において信号線X
    に電圧を加えないで信 該信号の逆相の信号を加える過程とを有することを特徴
    とする電気光学装置の画像表示方法。
  2. 【請求項2】基板上に設けられたX からX (Nは整
    数)までの複数の信号線(X線)と、 前記基板上に設けられ、前記X線と交差してマトリクス
    を構成するY からY 前記基板上にマトリクス状に設けられたZ 11 からZ
    NM (NとMは整数で、N≧1、M≧1)までの複数の
    画素電極と、 前記基板上に設けられた複数の薄膜トランジスタと、を
    有し、 (mは整数で、1≦m≦M)の交差部に設けられた前記
    薄膜トランジスタは、Pチャネル型とNチャネル型とか
    らなり、 前記Nチャネル型およびPチャネル型薄膜トランジスタ
    のソースとドレインの一方が、前記交差部に設けられた
    画素電極Z nm に、 前記Pチャネル型薄膜トランジスタのソースとドレイン
    の他方が、信号線Y に、 に、 前記Nチャネル型およびPチャネル型薄膜トランジスタ
    のゲイト電極が、信号線X に、それぞれ接続されてな
    電気光学装置において、前記 画素電極の各々には、パルス周期が30msec以
    下のパルス信号が加えられ、前記パルス信号のパルス幅
    を可変にすることによって階調表示をおこなうことを特
    徴とする表示方法。
  3. 【請求項3】基板上に設けられたX からX (Nは整
    数)までの複数の信号線(X線)と、 前記基板上に設けられ、前記X線と交差してマトリクス
    を構成するY からY 前記基板上にマトリクス状に設けられたZ 11 からZ
    NM (NとMは整数で、 N≧1、M≧1)までの複数の
    画素電極と、 前記基板上に設けられた複数の薄膜トランジスタと、を
    有し、 (mは整数で、1≦m≦M)の交差部に設けられた前記
    薄膜トランジスタは、Pチャネル型とNチャネル型とか
    らなり、 前記Nチャネル型およびPチャネル型薄膜トランジスタ
    のソースとドレインの一方が、前記交差部に設けられた
    画素電極Z nm に、 前記Pチャネル型薄膜トランジスタのソースとドレイン
    の他方が、信号線Y に、 に、 前記Nチャネル型およびPチャネル型薄膜トランジスタ
    のゲイト電極が、信号線X に、それぞれ接続されてな
    電気光学装置において、 え、前記信号が加わっている間任意の信号線X
    加わった状態とすることを複数回繰り返す過程と、 周期的に加え、前記信号が加わっている間、前記信号
    線X 電圧加わっていない状態することを複数回
    繰り返す過程とを有することを特徴とする電気光学装置
    の画像表示方法。
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